JP7302277B2 - 表示体及び表示体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、表示体及び表示体の製造方法に関する。
モルフォ蝶等の自然界の生物の色として多く観察される構造色は、色素が呈する色のように分子における電子遷移に起因して視認される色とは異なる。上記構造色は、光の回折や干渉や散乱といった、物体の微細な構造に起因した光学現象の作用によって視認される色である。
例えば、多層膜干渉による構造色は、相互に隣り合う薄膜の屈折率が互いに異なる多層膜層において、多層膜の各界面で反射した光が干渉することによって生じる構造色である。また、多層膜干渉は、モルフォ蝶の翅の発色原理の1つである。モルフォ蝶の翅では、多層膜干渉に加えて、翅の表面の微細な凹凸構造によって光の散乱や回折が生じる結果、鮮やかな青色が広い観察角度において視認される。
モルフォ蝶の翅のような構造色を人工的に再現する構造として、特許文献1に記載のような構造がある。特許文献1では、不均一に配列され微細な凹凸を有する基材の表面に対し、多層膜層が積層された構造が提案されている。
多層膜層において、干渉によって強められる光の波長は、多層膜層の各層にて生じる光路差によって変わり、光路差は各層の膜厚及び屈折率に応じて決まる。そして、干渉によって強められた光の出射方向は、入射光の入射角度に依存した特定の方向に限定される。したがって、平面に多層膜層が積層された構造では、視認される反射光の波長が観察角度によって大きく変化するため、視認される色が観察角度によって大きく変化する。
これに対し、特許文献1の構造では、不規則な凹凸の上に多層膜層が積層されていることにより、干渉によって強められた反射光が多方向に広がるため、観察角度による色の変化が緩やかになる。その結果、モルフォ蝶の翅のように広い観察角度で特定の色を呈する発色体が実現される。
特開2005-153192号公報
ところで、上述した構造体による構造色は、色素色とは異なる視認効果を実現することが可能である。例えば、特許文献1の構造体において、凹凸構造の凸部は、凹凸の形成された面に対向する方向(例えば上側)から見て、各凸部にて共通な方向に延びる矩形形状を有しており、また、その凸部の長辺方向の長さは不規則である。その一方で、凸部の短辺方向の長さはほぼ一定である。すなわち、複数の凸部における長辺方向は異方性を有しており、その結果、反射光の広がる方向も異方性を有する。したがって観察角度によって見え方の異なる意匠性の高い表示体を作製することが可能である。
しかしながら、特許文献1の凹凸構造は表面積が少ないため密着性が弱く、凹凸構造と多層膜の界面が剥離しやすい。凹凸構造と多層膜が剥離した場合、多層膜にて反射される光の光路長が変化し、反射光を多方向に拡散させる効果が低下するため、表示体において所望の発色が得られ難くなる。
また、表示体の防汚、破損防止や視認性を向上させるために多層膜の表面に保護層を設けた場合においても、多層膜と保護層との密着性が弱く、界面で剥離が発生し、所望の効果が得られ難くなる。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、第1の目的は、波長より小さな図形要素を組み合わせることにより、凹凸構造の凸部の表面積を増やすことで凹凸構造と多層膜界面の密着性を向上させることにある。
また、第2の目的は、波長より小さな図形要素を組み合わせることにより、凹凸構造の凸部の表面積を増やすことで多層膜の表面積を増やし、保護層と多層膜界面の密着性を向上させることにある。
課題を解決するために、本発明の一態様である表示体は、複数の表示要素を有する表示体であって、上記複数の表示要素はそれぞれ、凹凸構造を有する凹凸層と、上記凹凸構造上に設けられた2層以上からなる多層膜層と、を備え、上記多層膜層は、隣接する層の屈折率が互いに異なり、上記凹凸層は、凸部によって構成されるパターンを有し、上記凸部で構成されるパターンは、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定され、上記仮想的な図形は、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、上記仮想的な図形は、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと、上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さは同じであり、上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素が位置され、上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満である、ことを要旨とする。
また、本発明の一態様である表示体の製造方法は、複数の表示要素を有する表示体の製造方法であって、凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂を含む層に転写することにより、表面に凹凸層を形成する第1工程と、上記凹凸層に沿って多層膜層を形成し、その際、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、を含み、上記第1工程では、上記凹凸層を、凸部によって構成されるパターンを有し上記凸部で構成されるパターンが、第1方向に沿った辺と上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定し、上記仮想的な図形を、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、上記仮想的な図形が、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さが同じであり、上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素を位置し、上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満であるように形成する、ことを要旨とする。
本発明の態様によれば、凹凸層と対向する方向から見て、凸部で構成されるパターンを波長より小さな図形要素を組み合わせて形成することにより、凹凸構造の凸部の側面積が増加し、凹凸構造の表面積を増加させることが可能である。この結果、本発明の態様によれば、凹凸構造と多層膜の接触面積が大きくなり、界面の密着性を向上することが可能となる。
さらに、本発明の一態様によれば、凹凸構造の表面積が増加することにより、その表面に成膜される多層膜の表面積が増加する。この結果、防汚や視認性向上のために多層膜表面に塗布する保護層と多層膜界面の密着性を向上させることが可能になる。
第1の実施形態に係る製造方法によって製造される表示体の表面構造を示す平面図である。 第1の実施形態に係る製造方法によって製造される表示体の断面構造を示す断面図である。 図1の表示体の表面構造を説明する平面図である。 図1の表示体の表面構造を説明する平面図である。 第2の実施形態に係る製造方法によって製造される表示体に含まれる表示要素の断面構造を示す断面図である。 第3の実施形態に係る製造方法によって製造される表示体に含まれる表示要素の断面構造を示す断面図である。
次に、本発明に基づく実施形態について説明する。
図1に示すように、表示体10は基材11の表面上に、一つ以上の表示要素12が形成される。なお、図1では、2つの表示要素12が例示されているが、本実施形態に係る表示体10は、1つ又は3つ以上の表示要素を含んでいても良い。また、図1では、2つの表示要素12(#1)、12(#2)は同じサイズとして例示されているが、複数の表示要素12が、互いに異なるサイズや異なる輪郭形状であっても良い。
(第1の実施形態)
次に、図1~4を参照して、表示体及びその製造方法について説明する。
なお、表示体に対する入射光及び反射光の波長域は特に限定されないが、以下の実施形態においては、一例として、可視領域の光を対象とした表示体について説明する。以下の説明において、可視領域の光とは、360nm以上830nm以下の波長域の光を指す。
図2は、表示要素12の構成例を示す断面図である。すなわち、表示要素12は、図1及び図2に示すように、基材の一方の面側に形成された凹凸構造23を有する凹凸層と、凹凸構造23上に積層された複数の層からなる多層膜層24とからなる。また、多層膜層24は、凹凸構造23の凹凸形状に追従して積層され、各表示要素の凸部及び凹部を形成する。
ここで、凹凸構造23は、図2のように、基材11の一方の面側に形成され、凹凸層を構成する基材を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成しても良い。
凹凸層を構成する基材を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成した構成によれば、多層膜層24を透過した光の少なくとも一部は、吸収層を構成する凹凸層によって吸収され、透過光が第1面側(図2の上面側)に返ってくることが抑えられる。したがって、凹凸層を有する面から表示体を観察した場合に、多層膜層24からの反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、反射光による色の視認性の低下を抑制することが可能である。
図2に示した凹凸構造23を基材に加工するには、例えば電子線や紫外線リソグラフィとドライエッチングなど公知の技術を用いれば良い。
多層膜層24は、隣接する層の屈折率が互いに異なる。本実施形態の多層膜層24は、高屈折率層22と低屈折率層21を交互に積層した構造を有する。高屈折率層22の屈折率は、低屈折率層21の屈折率よりも大きい。凹凸構造23における凸部上と凹部上とで、多層膜層24の構成、すなわち、多層膜層24を構成する各層の材料や膜厚や積層順序は一致している。
こうした多層膜層24に光が入射すると、多層膜層24における高屈折率層22と低屈折率層21との各界面で反射した光が干渉を起こすとともに、多層膜層24の最外面における不規則な凹凸に起因して進行方向を変える。この結果、特定の波長域の光が広い角度に出射される。この反射光として強く出射される特定の波長域は、高屈折率層22と低屈折率層21との材料及び膜厚、ならびに、凹凸の幅、高さ及び配置によって決まる。
高屈折率層22と低屈折率層21とは、可視領域の光を透過する材料、すなわち、可視領域の光に対して透明な材料から構成される。高屈折率層22の屈折率が、低屈折率層21の屈折率よりも高い構成であれば、これらの層の材料は限定されない。但し、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が大きいほど、少ない積層数で高い強度の反射光が得られる。こうした観点から、例えば、高屈折率層22と低屈折率層21とを無機材料から構成する場合、高屈折率層22を二酸化チタン(TiO)から構成し、低屈折率層21を二酸化珪素(SiO)から構成することが好ましい。但し、高屈折率層22及び低屈折率層21の各々は、有機材料から構成されてもよい。
高屈折率層22及び低屈折率層21の各々の膜厚は、表示体にて発色させる所望の色に応じて、転送行列法等を用いて設計されればよい。例えば、青色を呈する表示体の場合は、TiOからなる高屈折率層の膜厚は40nm程度であることが好ましく、SiOからなる低屈折率層21の膜厚は75nm程度であることが好ましい。
図3を参照して、基材からなる凹凸層に形成された、凹凸構造23の詳細について説明する。
図3(a)は、基材をその表面と対向する方向(厚さ方向)から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)のIII-III線に沿った基材の断面構造を示す図である。
表示パターンとなる各凸部は、複数の図形要素Rから構成されている。なお、図3については簡略のため図形要素Rを仮想的な矩形Fに内接した円とし、それぞれの図形要素Rが仮想的な矩形Fに接している場合となっているが、各図形要素Rは、対応する仮想的な矩形Fの内部に存在する図形であれば良く、例えば図4(a)のような四角形で隣り合う図形要素R間に隙間が空いていてもよい。図4(a)は、複数の図形要素Rが仮想的な矩形Fの内部に存在する場合の、基材をその表面と対向する方向(厚さ方向)から見た平面図であり、図4(b)は図4(a)のIII-III線に沿った基材の断面構造を示す図である。
図3(a)、図4(a)においては、凹凸構造を構成する凸部にドットを付している。
図3(a)が示すように、第1方向Dxと第2方向Dyとは、仮想的な図形J及び矩形Fの辺に沿った平面に含まれる方向であり、第1方向Dxと第2方向Dyは直交する。
図3(a)が示すように、基材をその表面と対向する方向(厚さ方向)から見て、凸部が構成するパターンは、第1方向Dxと第2方向Dyに沿った辺を有する複数の仮想的な図形Jの内部に位置している。仮想的な図形Jは、第2方向Dyに沿って並ぶ複数の矩形Fに分割されている。仮想的な図形Jの第1方向の辺の長さと、複数の矩形Fの第1方向の辺の長さは一致している。複数の矩形Fの内側に複数の図形要素Rが位置していて、一つの矩形Fの内部に存在する図形要素Rは一つである。
図3(a)が示すように、図形要素Rが仮想的な矩形Fに占める面積の割合は100%未満である。図形要素Rが仮想的な矩形Fに占める割合が100%、すなわち図形要素Rと矩形Fの面積が一致する場合、隣り合う図形要素Rの側面が完全に密着し、凸部の側面積が減少するため多層膜との密着性が低下する。一方で、図形要素Rが仮想的な矩形Fに占める面積の割合が過度に小さい場合、隣り合う図形要素Rどうしの間隔が広くなるため、反射光の異方性がなくなる。したがって例えば、図形要素Rが仮想的な矩形Fに占める割合は70%以上90%未満が好ましい。
図3(a)が示すように、一つの表示領域内に配置される複数の図形要素Rは同じ形状であることが好ましい。上記構成により、表示領域内での散乱波長が異なることによる白濁を防ぎ、所望の色の視認性を向上させることが可能である。
図3(a)が示すように、図形要素Rの重心は、その図形要素Rが配置される矩形Fの中心と一致していることが好ましい。図形要素Rの重心が矩形Fの中心と一致している場合、隣り合う図形要素R間の距離が等しくなることで反射波長が一定となり、所望の色の視認性を向上させることが可能である。
複数の仮想的な図形Jは、さらに複数の矩形Fに分割可能である。矩形Fの第1方向Dxに沿った辺の長さd1は一定である。また、矩形Fにおける第1方向に沿った辺d1の長さはサブ波長以下とする。上記構成により虹色の分光を防ぐ効果がある。可視領域の光を反射させる場合、d1は830nm以下であることが好ましく、例えば、青色の表示要素とする場合は300nm程度が好ましい。また、矩形Fの第1方向Dxに沿った辺の長さd1は、200nm以上が好ましい。
複数の仮想的な図形Jにおいて、第2方向Dyに沿った辺の長さd2は、第1方向Dxに沿った辺の長さの標準偏差よりも大きい。第1方向Dxに沿った辺の長さのばらつきが大きくなることにより、二次元全方位に反射光が散乱し、反射率の低下を防止するためである。
多層膜層24からの反射光を効率よく散乱させるためには、第2方向Dyに沿った辺の長さd2は、平均値が4.15μm以下、かつ、標準偏差が1.0μm以下の分布を有することが好ましい。また、第2方向Dyに沿った辺の長さd2は、平均値が2.00μm以上が好ましく、また、標準偏差が0.2μm以上が好ましい。
凸部の高さhは、表示体の表面で反射させる光の波長に応じて適切な高さに設計すれば良い。高さhの値は後述する多層膜層の表面粗さより大きい高さであれば回折効果を得ることができる。但し、高さhを過剰に大きくすると散乱効果が強まり、多層膜表面から反射される光の彩度が損なわれるため、対象となる波長帯が可視領域の表示体の場合は、高さhの値は、415nm以下が好ましい。高さhの値は、10nm以上200nm以下の範囲にあることがより好ましい。
例えば青色の表示体では、効果的な光の広がりを得るためには、高さhの値は、40nm以上150nm以下が好ましい。散乱効果を制御するために、青色の表示体では、hが100nm以下であることがより好ましい。
また、凸部の高さhは各表示要素内で一定であれば良く、表示要素ごとに異なっていても良い。各表示要素において、複数の図形要素から成るパターンの凸部の構造高さが異なる場合、その差が5nm以上であることが好ましく、上限は200nm以下である。その理由は構造高さが過剰に大きくなると、反射光の散乱効果が高くなりすぎて反射光の強度が弱くなるからである。
また、複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部が占める割合が40%以上60%以下であることが好ましい。多層膜層からの反射光の広がりを大きくするため、すなわち、反射光の散乱効果を高めるためには、凹凸の起伏が多いことが好ましい。
本実施形態に係る表示体及びその製造方法によれば、凹凸構造と多層膜界面の密着性を向上させるために、凹凸構造に対向する方向から凹凸構造を見たときの凸部のパターンを、互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った辺を有する複数の波長より小さな図形要素で構成することにより、凹凸構造の凸部の側面積を増加させ、凹凸構造の表面積を増加させた。その結果、凹凸構造と多層膜の接触面積が大きくなり、界面の密着性を向上することで意匠性の高い表示体を得られる。
(第2の実施形態)
図5は、本実施形態に係る製造方法によって製造される表示体の表示要素の構成例を示す断面図である。これは、第1の実施形態における図2に対応している。
図5では、第1の実施形態で説明した部分と同一の部分については同一符号を付して示し、以下の記載では、重複説明を避け、第1の実施形態と異なる点について説明する。
すなわち、本実施形態に係る製造方法によって製造される表示体は、その断面図を図5に例示するように、多層膜層24と、基材11との間に形成された樹脂層51が設けられ、その樹脂層51に凹凸構造が形成されている点が、第1の実施形態に係る表示体と異なっている。
すなわち、基材11自体が凹凸層を構成する代わりに、基材11の上に設けた樹脂層51が凹凸層を構成する。
樹脂層51は、例えば、光ナノインプリント法により凹凸構造23を形成する場合に、基材11の表面に塗布される光硬化性樹脂で構成される。
本実施形態に係る表示体の製造方法では、この光硬化性樹脂からなる樹脂層51の上面を加工して、凹凸構造23を形成する。この場合、光インプリント用モールドを用意する必要がある。
インプリント用モールドを作製するために、第1の実施形態で説明したように、例えば電子線や紫外線リソグラフィとドライエッチングなど公知の技術を用いれば良い。あるいは、インプリント用モールドをより簡便に作製するために、形成したレジストパターン上に、例えばニッケル(Ni)等の金属を成膜し、電鋳処理を行い、レジストを溶解し、Niからなるインプリント用モールドを作製する方法を適用するようにしても良い。
このような製造方法によっても、第1の実施形態で説明したような表示体を製造することが可能となる。
(第3の実施形態)
図6は、本実施形態に係る製造方法によって製造される表示体の表示要素の構成例を示す断面図である。これは、第2の実施形態における図5の多層膜層24が樹脂層51と接していない側の表面に保護層61を塗布したときの構成例を示す断面図である。
図6では、第2の実施形態で説明した部分と同一の部分については同一符号を付して示し、以下の記載では、重複説明を避け、第2の実施形態と異なる点について説明する。
保護層61を塗布する目的の一つは、例えば、多層膜層24が露出していることにより、異物の付着や破損を防ぐためである。上記の場合、可視領域の光に対して光透過性を有する材料、すなわち、可視領域の光に対して透明な材料から構成される。こうした材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂が用いられる。
また、保護層61を塗布する別の目的として、所望の色の視認性の向上が挙げられる。凹凸構造体51は可視領域の光に対して透明な材料から形成されているため、入射光に含まれる波長域のうち、多層膜層24にて反射される特定の波長域以外の波長域の光の一部は、多層膜層24、さらには、凹凸構造51を透過する。そのため、凹凸構造51をその表裏の一方側から観察するとき、凹凸構造51の他方側に、光源や、白色板等の透過光をはね返す構造物が存在すると、上記一方側では、多層膜層24からの特定の波長域の反射光とともに、他方側から多層膜層24を透過した透過光が視認される。上述のように、この透過光の波長域は反射光の波長域とは異なり、透過光の色は、主として、反射光の色の補色である。そのため、こうした透過光が視認されると、反射光による色の視認性が低下する。
そこで、反射光による色の視認性を防ぐために保護層61を塗布する場合は、保護層61を、多層膜層24を透過した透過光を吸収する材料から構成することが好ましい。この場合、表示要素62は基材11の位置する側から観察される態様で用いられる。こうした構成によれば、基材11側から多層膜層24を透過した光は保護層61によって吸収され、透過光が基材11側に返ってくることが抑えられるため、基材11側から表示要素62を観察した場合に、多層膜層24からの反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられる。したがって、反射光による色の視認性が低下することが抑えられ、表示要素62において所望の発色が好適に得られる。
例えば、保護層61は、光吸収剤や黒色顔料等の可視領域の光を吸収する材料を含む層であればよい。具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒色複合酸化物等の黒色の無機顔料が樹脂に混合された層であることが好ましい。
保護層61、例えば、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スリットコート法、グラビアコート法等の公知の塗工法を用いて、多層膜層24の表面に形成される。保護層61の膜厚は特に限定されないが、例えば、1μm以上100μm以下の程度であることが好ましい。
保護層61の形成のための塗布液であるインクには、必要に応じて、溶媒が混合されてもよい。溶媒としては、保護層61を構成する樹脂と相性のよい溶媒が選択されればよく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
なお、保護層61は、可視領域の光のすべてを吸収せずとも、多層膜層24を透過する光の少なくとも一部を吸収する光吸収性を有する構成であればよい。こうした光吸収性を有する保護層が設けられない構成と比較して、反射光による色の視認性が低下することを抑える効果は得られる。したがって、保護層61は、多層膜層24を透過する光の波長域に応じた色の顔料を含む層であってもよい。但し、保護層61が黒色顔料を含む黒色の層であれば、透過光の波長域に応じた保護層61の色の調整等が不要であり、また、保護層61が広い波長域の光を吸収するため、簡便に、かつ、好適に、反射光による色の視認性の低下が抑えられる。
なお、保護層61以外の構成として、第1の実施形態の構成(図2参照)を採用しても良い。
次に、上記説明したような製造方法と、その製造方法によって製造される表示体の特性について、実施例として以下に説明する。
<実施例1>
実施例1における、表示体及びその製造方法について説明する。実施例1の表示体が有する表示要素は、図2のように、基材に凹凸構造が形成された表示要素から構成される。
はじめに、インプリント用モールドを作製した。光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いるため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、可変成形方式の電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは図3(a)に示した複数の図形要素の集合からなるパターンであり、複数の図形要素は仮想的な図形の内部に位置している。上記仮想的な図形は、さらに複数の矩形に分割可能であり、各々の図形要素は矩形に内接した円である。パターン領域(各表示要素)は、一辺が50mmの正方形であり、図1に示すように、表示要素を2つ作製するため、凹凸構造A(表示要素12(#1)の凹凸構造23)と、凹凸構造B(表示要素12(#1)の凹凸構造23)の2種類を形成した。凹凸構造A及び凹凸構造Bの図3(a)における上記仮想的な図形と、仮想的な図形を分割してできる矩形の第1方向の辺の長さd1は同じであり、300nmである。上記複数の仮想的な図形の第2方向の長さd2は第1方向の長さd1の整数倍であり、1500nm以上3000nm以下の長さから選択した。上記複数の矩形の第2方向の長さd3は300nmである。凹凸構造Aと凹凸構造Bは光の散乱方向を異ならせるために、90°回転させた向きで配置されるため、異なる表示領域として区別される。上記パターンにおいて、各凸部を構成する、複数の矩形は第1方向及び第2方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
次に、塩素(Cl)と酸素(O)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジスト及びCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは70nmであった。残存したレジスト及びCr膜を除去することにより、凹凸構造A及び凹凸構造Bが形成された石英モールドを得た。モールドの表面には、離型剤としてオプツールHD-1100(ダイキン工業製)を塗布した。
続いて、基材として用いる合成石英ウエハの表面に、光硬化性樹脂(PAK-02、東洋合成製)を塗布し、この樹脂にモールドの凹凸が形成されている面を押し当てて、モールドの裏面側から365nmの光を照射した。この光の照射によって光硬化性樹脂を硬化した後、合成石英ウエハ及び樹脂層をモールドから剥離した。これにより、凹凸構造A及び凹凸構造Bを有する樹脂層が積層された合成石英ウエハが得られた。
続いて、合成石英ウエハに対してOガスを用いたプラズマによるエッチングを実施し、凹凸構造の凹部に残存している光硬化性樹脂を除去した。この工程では、Oガスを40sccm導入し、プラズマ放電させた。次に、オクタフルオロシクロブタン(C)とアルゴン(Ar)との混合ガスを用いたプラズマによるエッチングを実施し、樹脂層の有する凹凸構造を合成石英ウエハに転写した。この工程では、Cガスを40sccm、Arガスを60sccm導入し、プラズマチャンバー内の圧力を5mTorrに設定後、RIEパワー75W、ICPパワー400Wを印加して、プラズマ放電させた。合成石英ウエハに形成された凹凸構造における凸部の高さは80nmとした。
次に、ジメチルスルホキシド:モノエタノールアミン=7:3の混合液(ST-105、関東化学製)を用いた有機洗浄、硫酸及び過酸化水素水を基本成分とする混合水溶液(SH-303、関東化学製)を用いた酸洗浄を行い、第1の構造である凹凸構造を有する基材である合成石英ウエハを得た。
次に、上記合成石英ウエハの凹凸を有する表面に、真空蒸着によって、膜厚が60nmである高屈折率層としてのTiO膜と、膜厚が80nmである低屈折率層としてのSiO膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。これにより、実施例1の表示体が得られた。
特許文献1のように、凹凸構造の凸部を、凹凸の形成された面から対向する方向から見て、各凸部にて共通な方向に延びる矩形形状で作製し、実施例1と同様の手順で作製した表示体と比較した。その結果、実施例1の表示体の方が凹凸構造と多層膜界面との密着性が高くなった。
<実施例2>
実施例2における、表示体及びその製造方法を説明する。実施例2の表示体は、図5のように、基材上の樹脂層に凹凸構造が形成された表示要素から構成した。
はじめに、インプリント用モールドを作製した。光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いるため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、可変成形式の電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは図3(a)に示した複数の図形要素の集合からなるパターンであり、複数の図形要素は仮想的な図形の内部に位置している。上記仮想的な図形はさらに複数の矩形に分割可能であり、各々の図形要素は矩形に内接した円である。パターン領域(各表示要素)は一辺が50mmの正方形であり、図1に示すように表示要素を2つ作製するため、凹凸構造A(表示要素12(#1)の凹凸構造23)と、凹凸構造B(表示要素12(#1)の凹凸構造23)の2種類を形成した。凹凸構造A及び凹凸構造Bの図3(a)における上記仮想的な図形と、仮想的な図形を分割してできる矩形の第1方向の辺の長さd1は同じであり、300nmである。上記複数の仮想的な図形の第2方向の長さd2は第1方向の長さd1の整数倍であり、1500nm以上3000nm以下の長さから選択した。上記複数の矩形の第2方向の長さd3は300nmである。凹凸構造Aと凹凸構造Bは光の散乱方向を異ならせるために、90°回転させた向きで配置されるため、異なる表示領域として区別される。上記パターンにおいて、各凸部を構成する、複数の矩形は第1方向及び第2方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
次に、塩素(Cl)と酸素(O)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジスト及びCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは80nmであった。残存したレジスト及びCr膜を除去することにより、凹凸構造が形成された石英モールドを得た。モールドの表面には、離型剤としてオプツールHD-1100(ダイキン工業製)を塗布した。
次に、片面に易接着処理が施されたポリエステルフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡製)の易接着処理が施された面に、光硬化性樹脂(PAK-02、東洋合成製)を塗布し、この樹脂にモールドの凹凸が形成されている面を押し当てて、モールドの裏面側から365nmの光を照射した。この光の照射によって光硬化性樹脂を硬化した後、ポリエステルフィルム及び樹脂層をモールドから剥離した。これにより、凹凸構造を有する樹脂層が積層された基材であるポリエステルフィルムが得られた。
次に、得られた基材と樹脂層との積層体の凹凸を有する面に、真空蒸着によって、膜厚が60nmである高屈折率層としてのTiO膜と、膜厚が80nmである低屈折率層としてのSiO膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。これにより、実施例2の表示体が得られた。
特許文献1のように、凹凸構造の凸部を、凹凸の形成された面から対向する方向から見て、各凸部にて共通な方向に延びる矩形形状で作製し、実施例2と同様の手順で作製した表示体と比較したところ、実施例2の表示体の方が凹凸構造と多層膜界面との密着性が高くなった。また、基材側を曲面を有する物体に貼り付けて観察した場合においても、凹凸構造と多層膜界面の剥離は発生せず、青色を視認することができた。
<実施例3>
実施例3における、表示体及びその製造方法を説明する。実施例3の表示体は、図6のように、実施例2で説明した図5の表示体の多層膜表面上に保護層を塗布した表示体である。以下の記載では、重複説明を避け、実施例2と異なる点について説明する。
アクリル系UV硬化樹脂に、4質量%程度のカーボンナノチューブ粉末を混合して黒色インクを調整し、多層膜層の表面に、バーコート法を用いて黒色インクを塗布した。塗布層を80℃で2分間乾燥させた後、365nmの光を照射して、膜厚が10μmの保護層を形成した。これにより、実施例3の表示体が得られた。
特許文献1のように、凹凸構造の凸部を、凹凸の形成された面から対向する方向から見て、各凸部にて共通な方向に延びる矩形形状で作製し、実施例3と同様の手順で作製した表示体と密着性を比較したところ、実施例3の表示体の方が凹凸構造と多層膜、及び多層膜と保護層界面との密着性が高くなった。その結果、保護層側を曲面を有する物体に貼り付けて観察した場合においても、凹凸構造と多層膜、及び多層膜と保護層界面の剥離は発生せず、青色の反射光のみを視認することができた。
本発明の表示体は意匠性の高い表示物に利用可能である。特に、凹凸構造と多層膜界面、及び多層膜界面と保護層の密着性の向上により曲面への表面加飾やセキュリティ分野、屋外での表示や装飾に好適に利用が期待される。
10・・・表示体
11・・・基材
12(#1)、(#2)・・・表示要素
21・・・低屈折率層
22・・・高屈折率層
23・・・凹凸構造(基材)
24・・・多層膜層
31・・・凹凸構造の凸部
51・・・樹脂層(凹凸層)
61・・・保護層
62(#1)、(#2)・・・表示要素
Dx・・・第1方向
Dy・・・第2方向
R・・・図形要素
F・・・仮想的な矩形
J・・・仮想的な図形

Claims (19)

  1. 複数の表示要素を有する表示体であって、
    上記複数の表示要素はそれぞれ、凹凸構造を有する凹凸層と、上記凹凸構造上に設けられた2層以上からなり、上記凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層と、を備え、
    上記多層膜層は、隣接する層の屈折率が互いに異なり、
    上記多層膜層は、凸部によって構成されるパターンを有し、
    上記凸部で構成されるパターンは、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定され、
    上記仮想的な図形は、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、
    上記仮想的な図形は、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、
    上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと、上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さは同じであり、
    上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素が位置され、
    上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満である、
    ことを特徴とする表示体。
  2. 複数の表示要素を有する表示体であって、
    上記複数の表示要素はそれぞれ、凹凸構造を有する凹凸層と、上記凹凸構造上に設けられた2層以上からなり、上記凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層と、を備え、
    上記多層膜層は、隣接する層の屈折率が互いに異なり、
    上記凹凸層は、凸部によって構成されるパターンを有し、
    上記凸部で構成されるパターンは、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定され、
    上記仮想的な図形は、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、
    上記仮想的な図形は、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、
    上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと、上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さは同じであり、
    上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素が位置され、
    上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満である、
    ことを特徴とする表示体。
  3. 複数の表示要素を有する表示体であって、
    上記複数の表示要素はそれぞれ、凹凸構造を有する凹凸層と、上記凹凸構造上に設けられた2層以上からなる多層膜層と、を備え、
    上記多層膜層は、隣接する層の屈折率が互いに異なり、
    上記凹凸層は、凸部によって構成されるパターンを有し、
    上記凸部で構成されるパターンは、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定され、
    上記仮想的な図形は、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、
    上記仮想的な図形は、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、
    上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと、上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さは同じであり、
    上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素が位置され、
    上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は70%以上90%未満である、
    ことを特徴とする表示体。
  4. 一つの上記表示要素内では、上記各図形要素の形状が同一であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示体。
  5. 上記図形要素の重心が、当該図形要素が位置する上記矩形の中心と一致していることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  6. 上記矩形の上記第1方向に沿った辺の長さは830nm以下であり、上記複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部の高さは415nm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  7. 上記仮想的な図形の第2方向に沿った辺の平均値は4.15μm以下であり、当該第2方向に沿った辺の長さの標準偏差は1μm以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  8. 上記凹凸層の表面と対向する方向から上記凹凸構造を見たとき、上記表示要素を構成する領域内において、上記複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部が占める割合が40%以上60%以下であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  9. 上記各表示要素において、上記複数の図形要素から成るパターンの凸部の構造高さが異なる表示要素を含み、その差が5nm以上であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  10. 上記各表示要素において、上記凹凸構造を構成する上記凸部の高さは、各表示要素内で一定であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示体。
  11. 上記多層膜層のうち、上下に隣接する2つの層は、同じ波長領域の光を透過し、その波長領域において異なる屈折率を持つ材料で構成されたことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の表示体。
  12. 上記凹凸構造は、基材の一方の面側に形成され、
    上記基材は、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成されることを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の表示体。
  13. 上記凹凸構造は、基材の一方の面側に形成され、
    上記基材の一方の面とは反対側の裏面を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成したことを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の表示体。
  14. 上記多層膜層の表面を覆う保護層を形成することを特徴とする請求項1~1のいずれか1項に記載の表示体。
  15. 上記凹凸層は、入射光に対する光透過性を有し、
    上記保護層は、上記入射光のうち上記多層膜層を透過する光の少なくとも一部を吸収する光吸収性を有することを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  16. 上記保護層は、黒色顔料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項1に記載の表示体。
  17. 複数の表示要素を有する表示体の製造方法であって、
    凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂を含む層に転写することにより、表面に凹凸層を形成する第1工程と、
    上記凹凸層に沿って、上記凹凸層が有する凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層を形成し、その際、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、を含み、
    上記第工程では、上記多層膜層を、凸部によって構成されるパターンを有し上記凸部で構成されるパターンが、第1方向に沿った辺と上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定し、上記仮想的な図形を、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、上記仮想的な図形が、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さが同じであり、上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素を位置し、上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満であるように形成する、
    ことを特徴とする表示体の製造方法。
  18. 複数の表示要素を有する表示体の製造方法であって、
    凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂を含む層に転写することにより、表面に凹凸層を形成する第1工程と、
    上記凹凸層に沿って、上記凹凸層が有する凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層を形成し、その際、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、を含み、
    上記第1工程では、上記凹凸層を、凸部によって構成されるパターンを有し上記凸部で構成されるパターンが、第1方向に沿った辺と上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定し、上記仮想的な図形を、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、上記仮想的な図形が、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さが同じであり、上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素を位置し、上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は100%未満であるように形成する、
    ことを特徴とする表示体の製造方法。
  19. 複数の表示要素を有する表示体の製造方法であって、
    凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂を含む層に転写することにより、表面に凹凸層を形成する第1工程と、
    上記凹凸層に沿って多層膜層を形成し、その際、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、を含み、
    上記第1工程では、上記凹凸層を、凸部によって構成されるパターンを有し上記凸部で構成されるパターンが、第1方向に沿った辺と上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有する複数の仮想的な図形の集合で規定し、上記仮想的な図形を、上記第1方向に沿った辺の長さがサブ波長以下であり、上記第2方向に沿った辺の長さが上記第1方向に沿った辺の長さより長く、且つ上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、上記仮想的な図形が、上記第2方向に沿って並ぶ複数の矩形に分割され、上記複数の矩形の第1方向に沿った辺の長さと上記仮想的な図形の第1方向に沿った辺の長さが同じであり、上記矩形の内側にそれぞれ、1つの図形要素を位置し、上記図形要素が当該図形要素が位置する上記矩形に占める面積の割合は70%以上90%未満であるように形成する、
    ことを特徴とする表示体の製造方法。
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