JP6672859B2 - 配線回路基板用のコア基板の製造方法、配線回路基板の製造方法、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

配線回路基板用のコア基板の製造方法、配線回路基板の製造方法、および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線回路基板(インターポーザー)を形成するためのコア基板の製造方法に関する。また、本発明は、前述の方法を用いた配線回路基板の製造方法、ならびに半導体装置の製造方法に関する。
配線回路基板(インターポーザー)は、パッケージ基板と半導体素子との間に介在する。従来、微細なピッチで配列された複数の接点を有する半導体素子を、粗大なピッチで配列された複数の接点を有する外部基板と接続するためにパッケージ基板が用いられている。パッケージ基板として、セラミック製パッケージ基板または樹脂製パッケージ基板が用いられてきている。配線回路基板(インターポーザー)を用いてパッケージ基板と半導体素子とを接続するための方法として、種々の方法が提案されてきている(特許文献1および特許文献2参照)。
セラミック製パッケージ基板は、焼成したメタライゼーションを配線部として用いるため、導電部の抵抗が大きくなる傾向がある。さらに、セラミックの誘電率の高さに起因する寄生容量の増大のため、高周波数駆動かつ高性能の半導体素子の接続に用いることが困難である。
一方、樹脂製パッケージ基板は、メッキで形成する銅配線を用いるため、配線の抵抗を低くすることが可能である。また、樹脂の誘電率が低いことにより寄生容量を小さくすることができるため、高周波数駆動かつ高性能の半導体素子の接続に用いることが比較的容易である。しかしながら、樹脂の線膨張係数は、半導体素子の線膨張係数と大きく異なるため、温度上昇時の寸法変化に起因する応力の発生が問題となる。
近年では、ハイエンド用途向けの配線回路基板(インターポーザー)として、シリコン基板またはガラス基板を用いて作製される配線回路基板(インターポーザー)が大きな注目を集め、活発な研究が行われている。シリコン配線回路基板(インターポーザー)においては、シリコン基板に貫通孔を形成し、形成した貫通孔を導電性材料で充填して貫通電極を形成するTSV(Through−Silicon Via)と呼ばれる技術が用いられることが大きな特徴である。シリコン配線回路基板(インターポーザー)においても、同様のTGV(Through−Glass Via)と呼ばれる技術が用いられる。これらの技術を用いて形成される貫通電極は、シリコン基板またはガラス基板の表裏面を最短距離で接続することによって、信号伝送速度の増大などの優れた電気特性を実現することが期待されている。さらに、貫通電極を採用することにより、多ピンの2次元的接続が可能となり、半導体素子を高周波数駆動または高性能化する必要なしに、優れた電気特性が得られる可能性がある。これらの効果により、半導体装置の消費電力を低減することが期待されている。
また、シリコン基板またはガラス基板の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数と同等または接近した値となるため、温度上昇時の寸法変化による応力の発生を抑制して、より高密度な実装および高密度の配線を実現する可能性がある。
中でも、ガラス基板を用いたガラス配線回路基板(インターポーザー)が大きな注目を集めている。なぜなら、シリコン配線回路基板(インターポーザー)の大きさが、入手可能なシリコンウェハの大きさに限定されるのに対して、ガラス配線回路基板(インターポーザー)では、より大きなガラス基板を用いた大量製造が可能であると考えられているためである。大量生産が可能となれば、従来のハイエンド用途向けの配線回路基板(インターポーザー)の大きな課題であった製造コストの低減が可能となる。
一方、ガラス配線回路基板(インターポーザー)を製造するに当たり、克服すべき課題も多い。ガラス配線回路基板(インターポーザー)課題の1つは、ガラスが低い弾性率を有する非晶質材料であるために、割れやすいことである。ガラス基板に貫通孔を形成する方法は、ドリル法、ブラスト法、反応性ガスまたはフッ酸を用いるエッチング法、レーザー加工法などを含む。
ドリル法およびブラスト法を含む物理的加工法では、マイクロクラックの発生、ガラス基板の割れなどの問題点が存在する。フッ素系ガスなどの反応性ガスを用いるエッチング法では、エッチング速度が小さく、長い加工時間を有することなどの問題点が存在する。また、フッ酸によるエッチング法では、エッチングが等方的に進行するために小さい径の貫通孔が形成できないなどの問題点が存在する。
一方、UVレーザ、CO2レーザ、短パルスレーザーなどを用いるレーザー加工法は、加工速度が大きいこと、小さい径の貫通孔の形成が可能なことなどの特徴により、注目を集めている。しかしながら、レーザー照射時にガラス基板が局所的に数百℃まで加熱されるため、貫通孔周囲に熱歪みが発生し、時間経過とともにガラス基板の割れ、および/またはマイクロクラックが発生する恐れがある。また、加熱により溶融したガラス材料が飛散して、貫通孔周囲の堆積物(ドロス)および/または貫通孔から離隔した領域の堆積物(ノジュール)が発生する恐れがある。図1は、ガラス基板1の上面からレーザー光を照射して貫通孔2を形成した際の、熱歪領域3を示し、図1(a)は上面の写真であり、図1(b)は断面図である。加工条件に依存するが、典型的には熱歪領域3は10μm程度の幅を有する。図2は、ガラス基板1の上面からレーザー光を照射して貫通孔2を形成した際の、貫通孔2の周囲に発生するマイクロクラック4およびドロス5を示し、図2(a)は上面の写真であり、図2(b)は断面図である。加工条件に依存するが、典型的には、ドロス5およびノジュール(不図示)はガラス基板1の表面から10μm程度の高さを有する。
レーザー照射時のガラス基板1の温度上昇を抑制すること、または貫通孔2の形成後にガラス基板1を500〜600℃の温度で熱処理することによって、熱歪領域3を軽減することが提案されている。また、レーザー加工法により発生するマイクロクラック4の抑制、ならびにレーザー加工法により発生したドロス5およびノジュールの除去のためのいくつかの方法が提案されている(特許文献3および特許文献4参照)。
さらに、レーザー加工法により形成されるガラス基板1の貫通孔2の孔径は、レーザーの出力、絞り径、ショット数などで制御される。しかしながら、レーザー加工法により、設計値の孔径を有する貫通孔2を形成することは、高い難易度を有する。また、ショット数を増加して大きな孔径を有する貫通孔2を形成する際には、熱歪みが大きくなり、マイクロクラック4が発生しやすくなるなどの問題点が存在する。
特開2001−102479号公報 特開2002−261204号公報 特開2000−302488号公報 特開2000−246474号公報
本発明が解決しようとする1つの課題は、ガラス基板に貫通孔を形成する際に、貫通孔の孔径を精密に制御できる方法を提供することである。本発明が解決しようとする別の課題は、ガラス基板に貫通孔を形成する際に、貫通孔形成後のガラス表面を平滑にし、かつ貫通孔周囲の熱歪領域を排除して、ガラス基板の表面に高い信頼性を有する配線を形成することを可能にする方法を提供することである。
本発明の第1の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板に貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔の孔径を増大させる工程と、(3)前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板の表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。ここで、工程(1)終了時の貫通孔の孔径は、50μm以下であり、工程(2)終了時の貫通孔の孔径は、工程(1)終了時の貫通孔の孔径よりも10〜40μm大きいことが望ましい。また、工程(2)終了時のガラス基板の表面の最大高さRzは、5μm以下であることが望ましい。さらに、工程(1)を、CO2レーザーを用いる光照射により実施してもよい。また、貫通電極および配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含んでもよい。
本発明の第2の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の両方の表面に絶縁層を設ける工程と、(2)前記絶縁層に開口部を形成し、および前記ガラス基板に貫通孔を形成する工程と、(3)工程(2)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔の孔径を増大させる工程と、(4)前記ガラス基板の貫通孔および前記絶縁層の開口部の中の貫通電極、ならびに前記絶縁層表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。ここで、工程(2)終了時の貫通孔の孔径は、50μm以下であり、工程(3)終了時の貫通孔の孔径は、工程(2)終了時の貫通孔の孔径よりも10〜40μm大きいことが望ましい。また、工程(3)終了時の絶縁層の表面の最大高さRzは、5μm以下であることが望ましい。さらに、工程(2)を、CO2レーザーを用いる光照射により実施してもよい。また、貫通電極および配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含んでもよい。
本発明の第3の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の一方の表面に非貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、非貫通孔の孔径を増大させると同時に、非貫通孔を貫通孔にする工程と、(3) 前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。ここで、工程(1)終了時の非貫通孔の孔径は、50μm以下であり、工程(2)終了時の非貫通孔の孔径は、工程(1)終了時の非貫通孔の孔径よりも10〜40μm大きいことが望ましい。また、工程(2)終了時のガラス基板の表面の最大高さRzは、5μm以下であることが望ましい。さらに、工程(1)を、CO2レーザーを用いる光照射により実施してもよい。また、貫通電極および配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含んでもよい。
本発明の第4の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の一方の表面に非貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔の孔径を増大させる工程と、(3)工程(2)で得られたガラス基板の他方の表面を研磨して、前記非貫通孔を貫通孔にする工程と、(4)前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。ここで、工程(1)終了時の非貫通孔の孔径は、50μm以下であり、工程(2)終了時の非貫通孔の孔径は、工程(1)終了時の非貫通孔の孔径よりも10〜40μm大きいことが望ましい。また、工程(2)終了時のガラス基板の表面の最大高さRzは、5μm以下であることが望ましい。さらに、工程(1)を、CO2レーザーを用いる光照射により実施してもよい。また、貫通電極および配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含んでもよい。
本発明の第5の実施形態の配線回路基板の製造方法は、(4)第1〜第3の実施形態の何れかの方法によりコア基板を製造する工程と;(5)配線工程であって、(a)絶縁樹脂層を形成し、(b)前記絶縁樹脂層にビア孔を設けて、サブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の直下の配線部の少なくとも一部を露出させ、(c)サブ工程(b)で形成したビア孔の中の導通ビア、およびサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の上の配線部を形成して、前記導通ビアを、サブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の直下の配線部およびサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の上の配線部と電気的に接続することによって実施される配線工程と;(6)直前に実施した工程(5)のサブ工程(c)で形成した配線部の少なくとも一部を露出させる開口部を有する表面絶縁層を設ける工程とを含むことを特徴とする。ここで、工程(5)の配線工程を複数回にわたって反復して実施し、複数の絶縁樹脂層および配線部を形成してもよい。
本発明の第6の実施形態の半導体装置の製造方法は、(7)第5の実施形態の方法により配線回路基板を製造する工程と、(8)前記表面絶縁層の開口部に導通パッドを形成する工程と(9)前記導通パッド上に半導体素子を固定する工程とを含むことを特徴とする。
上記の構成を採用することによって、本発明の方法は、精密に制御された孔径を有する貫通孔をガラス基板に形成することが可能となる。また、形成される貫通孔の周囲に形成される熱歪領域およびガラス基板上の堆積物(ドロスおよびノジュール)を排除することにより、ガラス基板内のマイクロクラックの発生を抑制すること、およびガラス基板の表面を平坦にすることが可能となる。その結果、本発明の方法で得られるコア基板、配線回路基板および半導体装置に設けられる配線は、高い信頼性を有する。
従来技術のレーザー加工により貫通孔を形成した際の、熱歪領域を示す図であり、(a)は上面の写真であり、(b)は断面図である。 従来技術のレーザー加工により貫通孔を形成した際の、マイクロクラックおよびドロスを示す図であり、(a)は上面の写真であり、(b)は断面図である。 第1の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第1の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第1の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第1の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第2の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第2の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第2の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第2の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第2の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第3の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第3の実施形態のコア基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第5の実施形態の配線回路基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第5の実施形態の配線回路基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第5の実施形態の配線回路基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第5の実施形態の配線回路基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第5の実施形態の配線回路基板の製造方法の1工程を説明する図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造方法の1工程を説明する図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造方法の1工程を説明する図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板に貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔の孔径を増大させる工程と、(3)前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板の表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。
工程(1)において、図3に示すように、ガラス基板10に貫通孔12を形成する。貫通孔12の周囲には、熱歪領域14が存在する。また、図示していないが、貫通孔12の周囲のガラス基板10の表面上にドロスが存在し、貫通孔12から離れたガラス基板10の表面上にノジュールが存在する可能性がある。また、図3において2つの貫通孔12を形成する場合を示したが、3つ以上の貫通孔12を形成してもよいことは言うまでもない。
工程(1)で用いるガラス基板10は、SiO2を主成分とする。ガラス基板10は、3〜4ppm/℃の線膨張率を有する低膨張ガラス、8〜9ppm/℃の線膨張率を有するソーダガラスなどを用いて形成することができる。ガラス基板10の線膨張率は、製造方法の変更、またはNaなどの金属成分の添加により3〜9ppm/℃の範囲内で調整することができる。線膨張率は、ガラスに関するJIS R3102:1995またはプラスチックに関するJIS K7197:2012にしたがって、熱機械分析(TMA)により測定することができる。また、ガラス基板10は、貫通孔12の形成前において、10nm以下の算術平均粗さRaを有する。算術平均粗さRaは、JIS B0601:2013にしたがう触針式の膜厚計による測定、または焦点深度測定が可能な光学顕微鏡による測定によって、求めることができる。また、工程(1)で用いるガラス基板10は50μm〜700μmの範囲内の厚さを有することが望ましい。
工程(1)における貫通孔12の形成は、ガラス基板10に対してレーザー光を照射することによって実施する。用いることができるレーザーは、CO2レーザー、UVレーザー、ピコ秒レーザー、フェムト秒レーザーなどを含む。加工速度、形成される貫通孔12の形状、および装置のコストなどを考慮すると、CO2レーザーを用いることが好ましい。貫通孔12を形成するためのレーザー光の照射は、ガラス基板10の一方の面から実施してもよいし、ガラス基板10の両方の面から実施してもよい。
たとえば、100μs以下のレーザーパルス幅および7kW以上のピーク出力を有するCO2レーザーを用いて、貫通孔12を形成することができる。加工に用いるレーザーのショット数(照射するパルスの数)の増大とともに、貫通孔12の周囲に形成される熱歪領域14の幅および歪みの量が増加する傾向がある。この点を考慮して、レーザーを用いて貫通孔12を形成する場合には、貫通孔12の孔径を100μm以下、望ましくは50μm以下として、レーザーのショット数を増加させないことが好ましい。
別法として、ガラス基板10として感光性ガラスを用い、適切な波長を有する光を照射することにより、貫通孔12を形成してもよい。さらなる別法として、ブラスト加工を用いてガラス基板10に貫通孔12を形成してもよい。これらの方法を用いた場合、貫通孔12の周囲に形成される熱歪領域14の形成を防止することができる。しかしながら、貫通孔12の孔径の制御が困難であるという問題点が依然として存在するため、後述する工程(2)のエッチングを行うことによって、貫通孔12の孔径を制御することが望ましい。
工程(2)において、工程(1)で得られた貫通孔12を有するガラス基板10を、フッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、図4に示すように、熱歪領域14を除去し、貫通孔12の孔径を増大させる。
工程(2)で用いるエッチング液は、フッ化水素を主成分として含む水溶液である。エッチング液は、硝酸、あるいは、エッチング速度および/またはエッチング液安定性を制御するための添加物をさらに含んでもよい。それら成分の比率は、所望されるエッチング量、エッチングに要する時間などを考慮して、適宜設定することができる。また、工程(2)を実施する際のエッチング液の温度も、所望されるエッチング量、エッチングに要する時間などを考慮して、適宜設定することができる。エッチング量は、エッチング条件の設定により、1μm程度の制御が可能である。そのため、孔径の平均値としては、レーザー加工法よりもエッチング法の方が、所望の値を得やすい。たとえば、5%のフッ化水素を含有する水溶液を用い、25℃の温度で工程(2)を実施してもよい。
工程(2)におけるエッチング量は、工程(1)で形成される熱歪領域14を完全に除去し、本工程終了後の貫通孔12の孔径が配線回路基板(インターポーザー)の設計値になるように設定することができる。典型的には、エッチング量は10μm以上40μm以下の範囲内で設定される。言い換えると、工程(2)において、貫通孔12の孔径は、20μm以上80μm以下の範囲内で拡大される。
工程(2)で最終的に得られる貫通孔12の孔径の平均値は、エッチング工程を用いたことにより、高い精度で制御される。したがって、本実施形態の方法では、レーザー光の照射のみによる貫通孔の形成に比較して、貫通孔12の孔径を厳密に管理することが可能となる。
また、工程(2)において、ガラス基板10の表面上のドロスおよびノジュールが除去される。ドロスおよびノジュールは、ガラス基板10の表面の平坦性を低下させ、配線部の断線またはショート、および配線部の膜厚および/または線幅の変動の原因となる。溶融したガラスが表面上に再付着することによって形成されるドロスおよびノジュールは、エッチング液に対する溶解速度が、ガラス基板10の溶解速度よりも大きい。したがって、適切な条件下でエッチングを行うことにより、ドロスおよびノジュールを優先的に除去して、ガラス基板10の表面の平坦性を向上させることができる。工程(2)実施後のガラス基板10は、好ましくは5μm以下の最大高さRzを有する。最大高さRzは、JIS B0601:2013にしたがう触針式の膜厚計による測定、または焦点深度測定が可能な光学顕微鏡による測定によって、求めることができる。
なお、工程(2)においては、ガラス基板10の表面も、ある程度エッチングされて、ガラス基板の膜厚が減少する。本工程におけるガラス基板10の膜厚の減少は、より小さい膜厚を有するコア基板、ならびにそれを用いて形成される、より小さい膜厚を有する配線回路基板を製造に有用である。
次いで、工程(3)において、貫通孔12の中の貫通電極20、およびガラス基板10の表面の配線部30を形成して、コア基板100を得る。工程(3)は、サブトラクティブ法またはセミアディティブ法を用いて実施することができる。最初に、サブトラクティブ法を用いる場合を説明する。
最初に、図5に示すように、貫通孔12の内部およびガラス基板10の表面に導電性材料を付着させる。導電性材料の付着は、たとえば、無機密着層(不図示)の付着、および引き続く導電性材料の付着によって実施してもよい。無機密着層は、導電性材料からなる貫通電極20および配線前駆体30’(および、パターニング後の第1配線部30a)とガラス基板10との密着性を改善する。
無機密着層は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、ニッケル−リン(Ni−P)、クロム、酸化クロム、窒化アルミニウム、窒化銅、酸化アルミニウム、タンタル、チタンおよび銅からなる群から選択される1つまたは複数の材料で形成することができる。無機密着層は、単一層であってもよく、複数の異なる材料の層の積層構造(たとえば、クロム/銅、またはチタン/銅)であってもよい。単一層からなる無機密着層、および複数層からなる無機密着層の構成層のそれぞれは、単一の材料で形成されてもよいし、前述の材料の2つ以上(たとえば、酸化スズと酸化インジウムとの組み合わせ)を含んでもよい。導電性材料の層とガラス基板10との密着性を充分に改善するために、無機密着層の膜厚は、0.1μm以上1μm以下の範囲内であることが望ましいが、その範囲に限定されるものでない。無機密着層は、たとえば、スパッタ法、無電解メッキ法などの当該技術において知られている任意の技術を用いて形成することができる。
導電性材料は、無機密着層との密着性が高く、かつ電気的に接続安定性の高い材料であることが望ましい。用いることができる導電性材料は、たとえば、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金を含む。
導電性材料からなる貫通電極20および配線前駆体30’は、たとえば、無電解メッキ法、または電解メッキ法により形成することができる。ここで、無機密着層は、メッキを行うためのシード層としても機能する。図5に示すように、コンフォーマルメッキの条件下で電解メッキを行い、ガラス基板10の表面と、貫通孔12の側壁とに導電性材料を付着させてもよい。あるいはまた、フィルドビアメッキの条件下で電解メッキを行い、ガラス基板10の表面に導電性材料を付着させると同時に、貫通孔12の内部を導電性材料で充填してもよい。コンフォーマルメッキまたはフィルドビアメッキの条件選択は、貫通孔12のアスペクト比にも依存する。貫通孔12のアスペクト比とは、貫通孔12の孔径に対する貫通孔12の高さ(本実施形態では、ガラス基板10の厚さ)の比を意味する。近年の半導体装置の高密度化により、貫通孔12の孔径を小さくすることが要求され、貫通孔12のアスペクト比が上昇する傾向がある。アスペクト比が5以上の場合、フィルドビアメッキの条件では貫通孔12内部に空隙(ボイド)が発生する恐れがある。よって、貫通孔12のアスペクト比が5以上の場合には、コンフォーマルメッキの条件を選択して、均一な膜厚を有する貫通電極20を形成することが望ましい。一方、貫通孔12のアスペクト比が5未満の場合にはフィルドビアメッキの条件を選択して、貫通電極20の抵抗を減少させることができる。
続いて、図6に示すように、ガラス基板10の表面に形成された配線前駆体30’のパターニングを実施し、第1配線部30aを形成して、コア基板100を得る。配線前駆体30’の下に導電性を有する無機密着層が存在する場合には、配線前駆体30’とともに無機密着層のパターニングを実施する。第1配線部30aは、複数の部分に分割され、複数の部分の少なくとも一部は貫通電極20と電気的に接続される。貫通電極20と電気的に接続されない複数の部分の残部は、たとえば、3次元的な回路の配線の一部として用いることもできるし、半導体素子以外の電子部品の実装に用いることもできる。図6には、第1配線部30aの全ての部分が、貫通電極20のいずれかと接続されている態様を示した。なお、図6に示した断面においては、1つの貫通孔12の中の貫通電極20が2つの部分に分離しているように見えるが、1つの貫通孔12の中の貫通電極20が一体で形成されていることは、当業者が容易に理解し得る事項である。
一方、工程(3)をセミアディティブ法により実施する場合、最初に、ガラス基板10の表面上に形成された無機密着層の上にパターン状の第1レジスト層(不図示)を形成してもよい。パターン状のレジスト層は、貫通孔12およびその周囲、ならびに第1配線部30aを形成すべき領域に開口部を有する。次いで、レジスト層の開口部内で露出している無機密着層をシード層として用いる電解メッキにより導電性材料を付着させることができる。電解メッキは、コンフォーマルメッキ条件で実施してもよいし、フィルドビアメッキ条件で実施してもよい。その後に、レジスト層の除去、および第1配線部30aに覆われていない無機密着層の除去を行い、貫通電極20および所望のパターンを有する第1配線部30aを形成することができる。無機密着層の除去は、別途に形成するパターン状の第2レジスト層(第1レジスト層のパターンの反転パターンを有する)をマスクとして用いるエッチング、または、第1配線部30aを犠牲マスクとして用いるエッチングにより実施することができる。なお、無機密着層が導電性ではない場合、第1配線部30aに覆われていない無機密着層を除去しなくてもよい。
電解メッキ時の電源接続端子から連続したパターンについては、別法として、最初に、ガラス基板10の表面上に形成された無機密着層のパターニングを実施してもよい。次いで、ガラス基板10の表面上の所望される第1配線部30aに相当するパターンを有し、かつ貫通孔12の側壁を覆う無機密着層をシード層として用いる電解メッキにより導電性材料を付着させて、貫通電極20および所望のパターンを有する第1配線部30aを形成することができる。ただし、電源接続端子と電気的に接続できない孤立したパターンについては、電解メッキができなくなるため、注意が必要である。電解メッキは、コンフォーマルメッキ条件で実施してもよいし、フィルドビアメッキ条件で実施してもよい。
任意選択的に、貫通孔12内の空隙を充填する充填層40を形成してもよい。たとえば、貫通電極20および配線前駆体30’が形成され、貫通孔12内に空隙が存在する、図5に示す中間製品に対して、貫通孔12内の空隙を充填する充填層40を形成することができる。
充填層40は、導電性材料を用いて形成することができる。充填層40の形成に用いることができる導電性材料は、(a)銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属の粉末、またはスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金の粉末と、(b)樹脂結合剤とを含んでもよい。充填層40は、スクリーン印刷法、ディスペンサーなどを用いて、貫通孔12内に導電性材料を充填することにより形成することができる。ここで、ガラス基板10の表面より上方に溢れた導電性材料は、化学機械研磨(CMP)などの研磨工程により除去することが好ましい。この際に、充填層材料の過剰研磨を防止して、ディッシング(充填層40の表面がガラス基板10の表面より凹むこと)を発生させないことが好ましい。ディッシング量は、コンフォーマルメッキの間隙の1/2以下とすることが好ましく、コンフォーマルメッキの間隙の1/4以下とすることがさらに好ましい。たとえば、シリカ、酸化セリウム、アルミナ、過酸化水素などを含む研磨材料を用い、ガラス基板10の表面を終点とする研磨加工により、溢れた導電性材料およびガラス基板10の表面上の配線前駆体30’を除去して、ガラス基板10、貫通電極20および充填層40の表面が同一面をなす中間製品(いわゆる「面一」の状態)を得ることができる。
その後に、前述の手順を用いて、ガラス基板10、貫通電極20および充填層40の表面に対する導電性材料の付着、および付着した導電性材料のパターニングを行い、第1配線部30aを形成することができる。この場合、第1配線部30aは、貫通電極20の上面および下面に加えて、導電性の充填層40の上面および下面とも接続され、貫通孔12を縦断するように流れる電流に対する配線抵抗を低下させることを可能とする。
あるいはまた、貫通電極20および第1配線部30aが形成され、貫通孔12内に空隙が存在する、図6に示す中間製品に対して、貫通孔12内の空隙を充填する充填層40を形成してもよい。この場合、充填層40は、熱可塑性樹脂などの絶縁性材料を用いて形成することが望ましい。充填層40は、スクリーン印刷法、ディスペンサーなどを用いて、貫通孔12内に絶縁性材料を充填することにより形成することができる。あるいはまた、後述する第5の実施形態において、絶縁樹脂層50を形成するのと同時に、貫通孔12内に絶縁性材料を充填して、充填層40を形成してもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の両方の表面に絶縁層を設ける工程と、(2)前記絶縁層に開口部を形成し、および前記ガラス基板に貫通孔を形成する工程と、(3)工程(2)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔の孔径を増大させる工程と、(4)前記ガラス基板の貫通孔および前記絶縁層の開口部の中の貫通電極、ならびに前記絶縁層表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。
工程(1)において、図7に示すように、ガラス基板10の両表面に絶縁層16を形成する。絶縁層16を形成するための絶縁性材料は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリベンゾオキサゾール(PBO)樹脂からなる群から選択される少なくとも1つを含む。絶縁性材料は、シリカ(酸化ケイ素)などの絶縁性の無機充填剤をさらに含んでもよい。絶縁性材料は、配線部30を形成する導電性材料よりも高い線膨張率、および配線部30を形成する導電性材料よりも高い弾性率を有することが望ましい。このような線膨張率および弾性率を有することにより、配線部30とガラス基板10との間に印加される応力を減少させ、配線部30の剥離を防止することができる。絶縁性材料は、たとえば、30〜100ppm/℃の線膨張率を有することが望ましい。
また、絶縁性材料は、自立性のドライフィルムの形態であってもよいし、溶液、分散液、乳化液などのような液状であってもよい。自立性のドライフィルムの形態の絶縁性材料を用いる場合、当該技術において知られている任意の技術を用いてガラス基板10の両表面に対してドライフィルムを積層することにより、絶縁層16を形成することができる。液状の絶縁性材料を用いる場合、当該技術において知られている任意の技術を用いてガラス基板10の両表面に対して絶縁性材料を塗布し、乾燥させることにより、絶縁層16を形成することができる。
工程(2)において、図8に示すように、絶縁層16に開口部18を形成すると同時に、開口部18内において、ガラス基板10に貫通孔12を形成する。貫通孔12の周囲には、熱歪領域14が存在する。工程(2)は、好ましくはレーザー光の照射によって実施される。用いるレーザーおよびその照射条件などは、第1の実施形態の工程(1)で説明したものと同様である。ガラス基板10の両面に絶縁層16が存在するため、両面からレーザー光を照射してもよい。一般的に、絶縁層16の絶縁性材料の方が、ガラス基板よりもレーザー光に対する感受性が高いため、絶縁層16の開口部18は、ガラス基板10の貫通孔12よりも大きな孔径を有し、熱歪領域14を露出させる。また、絶縁層16の表面には、レーザー光の照射によりスミア(すなわち、樹脂の残渣)が発生する可能性がある。必要に応じて、当該技術において知られている任意の手段を用いるデスミア処理により、絶縁層16の表面に発生したスミアを除去してもよい。
工程(3)において、図9に示すように、工程(2)で得られたガラス基板10をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、貫通孔12の孔径を増大させる。工程(3)は、第1の実施形態の工程(2)と同様に実施することができる。本実施形態においては、絶縁層16の開口部18を除いて、ガラス基板10の表面がエッチング液に接触しない。よって、本工程におけるガラス基板10の膜厚の減少を抑制することが可能となる。
なお、図9においては、絶縁層16の開口部18の側壁と、ガラス基板10の貫通孔12の側壁とが同一面をなす状態(いわゆる「面一」の状態)を示した。しかしながら、両方の側壁を一致させる必要はなく、開口部18の側壁と貫通孔12の側壁との間に段差が存在してもよい。工程(3)においては、存在するとしても、開口部18の側壁と貫通孔12の側壁との間の段差が縮小するため、当該段差において、工程(4)で得られる貫通電極20に作用する応力を低減することが可能となる。
工程(4)において、ガラス基板10の貫通孔12および前記絶縁層16の開口部18の中の貫通電極20、ならびに前記絶縁層16の表面の第1配線部30aを形成する。本実施形態においても、第1配線部30aは複数の部分に分割され、第1配線部30aの複数の部分の少なくとも一部は貫通電極20と電気的に接続される。工程(4)は、第1の実施形態の工程(3)と同様に実施することができる。たとえば、最初に、図10に示すように、ガラス基板10の貫通孔12および前記絶縁層16の開口部18の中の貫通電極20、ならびに前記絶縁層16の表面上の配線前駆体30’を形成することができる。続いて、配線前駆体30’のパターニングを行って第1配線部30aを形成し、図11に示すコア基板100を得ることができる。
さらに、本実施形態においても、任意選択的に貫通孔12内の空隙を充填する充填層40を形成してもよい。充填層40の形成は、第1の実施形態で説明した手段により実施することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の一方の表面に非貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、非貫通孔の孔径を増大させる工程と、(3)工程(2)で得られたガラス基板の他方の表面を研磨して、前記非貫通孔を貫通孔にする工程と、(4)前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。
工程(1)において、図12に示すように、ガラス基板10の一方の面10fに非貫通孔12’を形成する。工程(1)は、加工を面10fからのみ実施し、貫通孔12ではなく非貫通孔12’を形成することを除いて、第1の実施形態の工程(1)と同様に実施することができる。本実施形態においては、熱歪領域14が、非貫通孔12’の側壁および底面に形成されている。
工程(2)において、図13に示すように、非貫通孔12’の側壁および底面に形成された熱歪領域14を除去して、非貫通孔12’の孔径を増大させる。工程(2)は、第1の実施形態の工程(2)と同様に実施することができる。ただし、本実施形態においては、ガラス基板10をエッチング液に浸漬することによって、ガラス基板10の他方の面10rをエッチング液に暴露してもよいし、面10fのみにエッチング液を吹付けるなどの手段を用いて、面10rをエッチング液に暴露しなくてもよい。
工程(3)において、ガラス基板10の面10rを研磨して、非貫通孔12’を貫通孔12にする。本工程で得られるガラス基板10は、図4に示した構造を有する。本工程は、当該技術において知られている任意の手段を用いて実施することができる。たとえば、酸化セリウムを含む研磨剤を用い、ガラス基板10の厚さおよび得られる貫通孔12の孔径が最適となる条件で、本工程を実施することができる。本工程における研磨量は、適宜選択すればよい。貫通孔12を形成した後も研磨することによって、本工程によって形成される貫通孔12の面10r側における庇状の「バリ」の形成を抑制することが可能となる。また、本工程の終了時において、ガラス基板10の表面(面10fおよび面10r)の算術平均粗さRaを10nm以下とすることができる。
工程(4)において、貫通孔12の中の貫通電極20、およびガラス基板10の表面の第1配線部30aを形成して、コア基板100を得る。工程(4)は、第1の実施形態の工程(3)と同様に実施することができる。本工程で得られるコア基板100は、図6に示した構造を有する。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態のコア基板の製造方法は、(1)ガラス基板の一方の表面に非貫通孔を形成する工程と、(2)工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、非貫通孔の孔径を増大させると同時に、非貫通孔を貫通孔にする工程と、(3)前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板表面の配線部を形成する工程とを含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とする。
本実施形態は、第3の実施形態の工程(2)のエッチング工程において、熱歪領域14の除去と同時に、非貫通孔の貫通孔への変換を行い、工程(3)の研磨工程を省略する、第3の実施形態の変形例である。本実施形態の工程(1)および工程(3)は、第3の実施形態の工程(1)および工程(4)と同様に実施することができる。
工程(2)においては、たとえば浸漬などにより、非貫通孔12’を形成したガラス基板10の両面(面10fおよび面10r)にエッチング液を作用させる。この点において、本実施形態は、面10fのみにエッチング液を作用させてもよい第3の実施形態と相違する。これによって、非貫通孔12’の底面およびガラス基板10の面10rからのエッチングを進行させ、非貫通孔12’の底部を完全に除去し、貫通孔12を形成する。よって、工程(2)において設定するエッチング量を、工程(1)終了時点の非貫通孔12’の底面におけるガラス基板10の厚さの0.25倍以上に設定する。
本実施形態では、ガラス基板の面10rを研磨する工程(すなわち、第3の実施形態の工程(3))を省略できるため、さらなる製造コストの低減が可能となる。
第1〜第4の実施形態の方法で得られるコア基板100においては、貫通電極20の径がより精密に制御されているため、隣接する貫通電極20の間隔(ピッチ)を縮小することが可能となる。これらの効果は、後述する配線回路基板を、高い集積度の複数の接点を有する半導体素子の取り付けに適合させる点において有用である。
また、第1〜第4の実施形態の方法で得られるコア基板100には、故障の原因となるマイクロクラックを発生させる熱歪領域が存在しない。加えて、ガラス基板10表面のドロスおよびノジュールを排除したことによって、ガラス基板10表面の段差および凹凸が減少し、ガラス基板10の表面の平坦性が向上している。これらの効果は、後述するに配線回路基板において、配線部の線幅、間隔および膜厚の均一性を向上させること、加熱および冷却に起因する応力による配線部の剥離および破断を抑制することにおいて有用である。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の配線回路基板の製造方法は、(4)第1〜第4の実施形態の何れかの方法によりコア基板を製造する工程と;(5)配線工程と;(6)直前に実施した工程(5)のサブ工程(c)で形成した配線部の少なくとも一部を露出させる開口部を有する表面絶縁層を設ける工程とを含むことを特徴とする。工程(5)の配線工程は、(a)絶縁樹脂層を形成するサブ工程、(b)前記絶縁樹脂層にビア孔を設けて、サブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の直下の配線部の少なくとも一部を露出させるサブ工程、および(c)サブ工程(b)で形成したビア孔の中の導通ビア、およびサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の上の配線部を形成して、前記導通ビアを、前記絶縁樹脂層の直下の配線部および前記絶縁樹脂層の上の配線部と電気的に接続するサブ工程を含む。最初に、第1または第3の実施形態の方法により得られたコア基板100を用いる場合を、図14〜図18を参照して説明する。
工程(5)は、コア基板100の上に、絶縁樹脂層50および配線部30を形成する配線工程である。工程(5)を複数回にわたって反復して実施することにより、必要な層数の絶縁樹脂層50および配線部30を形成することができる。
工程(5)の第1のサブ工程(a)は、絶縁樹脂層50を形成する工程である。図14に示すように、第1回目の工程(5)の場合、サブ工程(a)は、コア基板100の両面に絶縁樹脂層50を形成する。一方、第2回目以降の工程(5)の場合、サブ工程(a)は、直前に形成された絶縁樹脂層50および配線部30を覆うように、絶縁樹脂層50を形成する。なお、図14においては、ガラス基板10の貫通孔12を充填する充填層40を設けた場合を示した。
絶縁樹脂層50は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、およびPBO樹脂からなる群から選択される少なくとも1つを含む、絶縁性材料を用いて形成することができる。絶縁性材料は、シリカ(酸化ケイ素)などの絶縁性の無機充填剤をさらに含んでもよい。あるいはまた、絶縁樹脂層を、ネガ型またはポジ型の感光性絶縁性材料を用いて形成してもよい。また、絶縁性材料は、自立性のドライフィルムの形態であってもよいし、溶液、分散液、乳化液などのような液状であってもよい。自立性のドライフィルムの形態の絶縁性材料を用いる場合、当該技術において知られている任意の技術を用いてドライフィルムを積層することにより、絶縁樹脂層50を形成することができる。液状の絶縁性材料を用いる場合、当該技術において知られている任意の技術を用いて絶縁性材料を塗布し、乾燥させることにより、絶縁樹脂層50を形成することができる。
また、ガラス基板10の貫通孔12内に空隙が存在する場合、第1回目の工程(5)のサブ工程(a)において、絶縁樹脂層50の形成と同時に、絶縁性の充填層40を形成することができる。たとえば、自立性のドライフィルムの形態の絶縁性材料を用いて絶縁樹脂層50を形成する場合、積層時にガラス基板10の垂直方向に適切な圧力を印加させることによって、ドライフィルムを塑性変形させ、ガラス基板10の貫通孔12内の空隙を充填することができる。あるいはまた、液状の絶縁性材料を用いる場合、液状の絶縁性材料の粘度および貫通孔12の側壁に対する濡れ性を適切に制御し、空隙内に絶縁性材料を保持させ、引き続いて乾燥させることによって、絶縁性の充填層40を形成することができる。
絶縁性材料50および16は、ガラス基板10と直接接触している場合は特に、配線部30を形成する導電性材料よりも高い線膨張率、および配線部30を形成する導電性材料よりも高い弾性率を有することが望ましい。このような線膨張率および弾性率を有することにより、配線部30とガラス基板10との間に印加される応力を減少させ、配線部30の剥離を防止することができる。絶縁性材料は、たとえば、20〜100ppm/℃の線膨張率を有することが望ましい。
工程(5)の第2のサブ工程(b)は、図15に示すように、直前のサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層50にビア孔62を形成する工程である。ビア孔62は、絶縁樹脂層50の直下に存在する配線部30(図15においては、第1配線部30a)の一部を露出させる。簡潔性の目的のため、以下のサブ工程(b)および(c)の説明において、絶縁樹脂層50の直下の配線部を「第1配線部30a」と呼称する。ビア孔62を形成する手段は、絶縁樹脂層50の材料を考慮して選択することができる。絶縁樹脂層50がエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、PBO樹脂などの非感光性樹脂で形成されている場合、レーザー光の照射により、ビア孔62を形成することができる。用いることができるレーザーは、CO2レーザー、UVレーザー、ピコ秒レーザー、フェムト秒レーザーなどを含む。加工速度、形成されるビア孔62の形状、および装置のコストなどを考慮すると、CO2レーザーを用いることが好ましい。たとえば、500μs以下のレーザーパルス幅および2kW以上のピーク出力を有するCO2レーザーを用いて、ビア孔62を形成することができる。レーザー光の照射により絶縁樹脂層50の表面にスミアが発生した場合、当該技術において知られている任意の手段を用いるデスミア処理を実施してもよい。あるいはまた、絶縁樹脂層50が感光性絶縁性材料で形成されている場合、当該技術において知られている任意の手段を用いるフォトリソグラフィ法(露光および現像)によって、ビア孔62を形成することができる。
工程(5)の第3のサブ工程(c)は、サブ工程(b)で形成したビア孔62の中の導通ビア60と、絶縁樹脂層50の上の配線部30(図15においては、第2配線部30b)とを形成する。簡潔性の目的のため、以下の本サブ工程の説明において、絶縁樹脂層50の上の配線部30を「第2配線部30b」と呼称する。本工程で形成される導通ビア60は、第1配線部30aおよび第2配線部30bと電気的に接続される。
導通ビア60および第2配線部30bは、第1の実施形態の工程(3)で説明したように、(i)無機密着層(不図示)を形成する工程、(ii)無機密着層をシード層として用いるコンフォーマルメッキまたはフィルドビアメッキにより、導通ビア60および配線前駆体(不図示)を形成する工程、および(iii)配線前駆体および無機密着層をパターニングして、第2配線部30bを形成する工程を含むサブトラクティブ法で形成することができる。別法として、導通ビア60および第2配線部30bは、(i)無機密着層(不図示)を形成する工程、(ii)無機密着層表面にパターン状のレジスト層を形成する工程、(iii)パターン状のレジスト層に覆われていない無機密着層をシード層として用いるコンフォーマルメッキまたはフィルドビアメッキにより、導通ビア60および第2配線部30bを形成する工程、および(iv)パターン状のレジスト層、および第2配線部30bに覆われていない無機密着層を除去する工程を含むセミアディティブ法で形成することができる。なお、上記の2つの方法のそれぞれにおいて、無機密着層が導電性を持たない場合、無機密着層の除去を省略してもよい。
さらなる別法として、導通ビア60および第2配線部30bは、(i)無機密着層(不図示)を形成する工程、(ii)無機密着層表面にパターン状のレジスト層を形成する工程、(iii)レジスト層の開口部に電解メッキする工程、(iv)レジスト層を除去する工程、(v)配線部以外の無機密着層を除去する工程、および(vi)コンフォーマルメッキまたはフィルドビアメッキにより、導通ビア60および第2配線部30bを形成する工程を含む方法で形成することができる。
導通ビア60および第2配線部30bを、導電性金属、結合剤、および溶剤を含む導電性ペーストの塗布および加熱処理によって形成してもよい。用いることができる導電性金属は、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金を含む。用いることができる結合剤は、当該技術において知られている任意の有機樹脂を含む。用いることができる溶剤は、当該技術において知られている任意の有機溶剤を含む。導電性ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、インクジェット法などの、当該技術において知られている任意の手段を用いて実施することができる。導電性ペーストの加熱処理は、配線回路基板を構成する各構成層の耐熱温度を考慮して適宜選択することができる。典型的には、導電性ペーストの加熱処理は、150℃から180℃の範囲内の温度で実施される。
サブ工程(c)の別法として、導通ビア60と第2配線部30bとを別個に形成してもよい。導通ビア60は、前述のように、コンフォーマルメッキ条件またはフィルドビアメッキ条件のメッキ法、または導電性ペーストの充填によって形成することができる。一方、第2配線部30bは、メッキ法、導電性ペーストの塗布、または、スパッタ法、真空蒸着法などの乾式製膜法を用いて形成することができる。また、第2配線部30bのパターニングは、当該技術において知られている任意の手段を用いて実施してもよい。
工程(6)において、直前に実施された工程(5)で形成された絶縁樹脂層50および配線部30の上に、配線部30の一部を露出させる開口部82を有する表面絶縁層70を形成して、配線回路基板200を得る。図17は、ガラス基板10のそれぞれの面に2層の配線部30(第1配線部30aおよび第2配線部30b)と1つの絶縁樹脂層50を有し、絶縁樹脂層50、導通ビア60および第2配線部30bの上に表面絶縁層70が形成される構成例を示す。
パッケージ基板に対する配線回路基板200の取り付け、および/または配線回路基板200に対する半導体素子の取り付けの際に、ハンダを使用する可能性があることを考慮して、表面絶縁層70は、ハンダ材料およびハンダ付けの工程に対する抵抗性を有することが望ましい。表面絶縁層70を形成するための材料は、当該技術において知られている任意のソルダーレジストを含む。
表面絶縁層70は、直前に実施した工程(5)で形成された絶縁樹脂層50、導通ビア60および配線部30を完全に覆うように、図16にしめす中間製品の両表面を表面絶縁層70の材料で被覆し、引き続いて最上層の配線部30(図16においては第2配線部30b)の少なくとも一部を露出させるように、開口部82を形成することによって得ることができる。中間製品の被覆、および開口部82の形成は、当該技術において知られている任意の手段を用いて実施することができる。たとえば、中間製品の被覆は、スピンコート、ロールコート、スプレイコートなどの一般的な塗布法を用いて実施してもよい。また、開口部82の形成は、レーザー光照射、エッチング(乾式または湿式)などを用いて実施してもよい。表面絶縁層70の材料が感光性を有する場合には、フォトリソグラフィ法(露光および現像)を用いて開口部82を形成することができる。
本実施形態において第2の実施形態で製造されるコア基板100を用いる場合、第1回目の工程(5)のサブ工程(a)をコア基板100の最表層である絶縁層16上で実施することを除いて、上記と同様の手順を用いることができる。第2の実施形態で製造されるコア基板100を用いて形成される配線回路基板200の構成例を図18に示す。図18に示す構成は、絶縁層16がガラス基板10の両面に存在すること、貫通電極20がガラス基板10および2つの絶縁層16を貫いて形成されていることを除いて、図17に示す構成と同様である。
コア基板100における貫通電極20の集積度が向上しているため、本実施形態の方法で得られる配線回路基板200は、高い集積度の複数の接点を有する半導体素子の取り付けに適合する。
また、コア基板100における表面の平坦性の向上により、本実施形態の方法で得られる配線回路基板200における配線部の線幅、間隔および膜厚の均一性が向上する。その結果、加熱および冷却に起因する応力による配線部の剥離および破断を抑制することが可能となる。したがって、本実施形態の方法で得られる配線回路基板200は、高い導通信頼性を実現することができる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の半導体装置の製造方法は、(7)第5の実施形態の方法により配線回路基板を製造する工程と、(8)前記表面絶縁層の開口部に導通パッドを形成する工程と(9)前記導通パッド上に半導体素子を固定する工程とを含むことを特徴とする。
工程(8)において、図17に示した配線回路基板200の開口部に、導電性材料を充填して、図19に示すように導通パッド80を形成する。図18に示した配線回路基板200についても同様である。導電性材料の充填は、当該技術において知られている任意の手段を用いて実施することができる。
工程(9)において、導通パッド80上に半導体素子310を固定する。より具体的には、導通パッド80と半導体素子310の接点とを接続する。本工程は、たとえば半導体素子310または導通パッド80上に設けたハンダボール(不図示)、導通バンプ(不図示)などを用いて実施することができる。また、半導体素子310を確実に固定する目的で、半導体素子310の接点以外の領域に接着剤(不図示)を塗布してもよい。
図20に、本実施形態で得られる半導体装置の構成例を示す。図20に示した構成では、配線回路基板200の一方の面に半導体素子310を固定し、他方の面をパッケージ基板(不図示)に接続する構成を有する半導体装置300を示した。そのため、図20では、半導体素子310を固定した面と反対側の面に、パッケージ基板との接続を容易にするための導通バンプ90を設けた構成を示した。また、半導体素子310に加えて、抵抗素子、インダクタンス素子、キャパシタなどの他の電子部品を配線回路基板200に固定してもよい。さらに、複数の半導体素子および電子部品を1つの配線回路基板200に固定する場合、配線回路基板200の一方の面に複数の半導体素子および電子部品の一部を固定し、配線回路基板200の他方の面において、複数の半導体素子および電子部品の一部を固定すると同時に、パッケージ基板との接続を行う構成を採用してもよい。
本実施形態の方法で得られる半導体装置300は、高い集積度の複数の接点を有する半導体素子310を使用することができ、かつ配線回路基板200が高い導通信頼性を有するため、装置全体の寸法を縮小することが可能となる。また、貫通電極20を形成したガラス基板10は、半導体素子310と同程度の線膨張率を有するため、半導体装置300の温度が上昇しても、寸法変化による応力の発生を抑制することができる。したがって、使用中に断線、剥離などの故障が発生する可能性が低いため、本実施形態の方法で得られる半導体装置300は、高い信頼性を実現することができる。
(実施例1)
本実施例は、第1の実施形態のコア基板の製造方法、ならびに、得られたコア基板を用いた第5の実施形態の配線回路基板の製造方法、および第6の実施形態の半導体装置の製造方法に関する。
ガラス基板10として,縦×横×厚さが200×200×0.3mmの寸法を有する低膨張ガラスを準備した。ガラス基板10は、10nmの算術平均粗さRa、および3.8ppm/℃の線膨張率を有した。
ガラス基板10の一方の面からCO2レーザーを照射して、図3に示すような、貫通孔12を形成した。本実施例においては、縦10行、横10列の正方行列状に配置された、100個の貫通孔を形成した。隣接する行の間隔および隣接する列の間隔を500μmとした。用いたCO2レーザーのパルス幅は50μsであり、ピーク出力は7kWであり、ショット数は6であった。貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で30μmの孔径を有し、その反対側の面で20μmの孔径を有した。エッチング処理前のガラス基板10の両表面は6μmの最大高さRzを有した。また、この時点において、形成した貫通孔の総数に対して、周囲にマイクロクラックが発生した貫通孔の数の比を測定して、マイクロクラックの発生を評価した。
続いて、貫通孔12を形成したガラス基板10を、3%のフッ化水素を含み、25℃の温度を有する水溶液に浸漬して、エッチングを行った。エッチング量を20μmに設定した。図4に示すような、エッチング後のガラス基板10の貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で70μmの孔径を有し、その反対側の面で60μmの孔径を有した。また、エッチング処理後のガラス基板10の両表面は3μmの最大高さRzを有した。この結果から、レーザー光の照射により発生したガラス基板10の表面のドロスおよびノジュールを効率よく除去できたことが分かる。
次に、スパッタ法を用いて、ガラス基板10の両表面および貫通孔12の側壁に、50nmの膜厚を有するTi層および300nmの膜厚を有するCu層を形成し、2つの層からなる無機密着層(不図示)を形成した。続いて、得られた無機密着層を析出側の電極として、コンフォーマルメッキ条件の電解メッキにより、5μmの膜厚を有するCu膜を付着させて、図5に示すように、貫通孔12内に貫通電極20を形成し、ガラス基板10の両表面に配線前駆体30’を形成した。
次に、ガラス基板10の両表面上の無機密着層と配線前駆体30’との積層構造を、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングして、4μmの膜厚を有する第1配線部30aを形成し、図6に示すコア基板100を得た。パターニングは、20μm/20μmのL/S値の第1配線部30aが得られる条件で実施した。実際に得られた第1配線部30aは、20±0.5μm/20±0.5μmのL/S値を有した。
続いて、コア基板100の両面に、エポキシ系樹脂からなり、12.5μmの膜厚を有するABF−GXT31ドライフィルム(味の素ファインテクノ株式会社製)を積層して、図14に示すように、絶縁樹脂層50を形成した。この際に、ドライフィルムに対してガラス基板10の垂直方向の圧力を印加して、ドライフィルムを塑性変形させて、貫通孔12内に残存する空隙を充填して、絶縁性の充填層40を得た。
次に、絶縁樹脂層50に対してUV−YAGレーザー光を照射して、図15に示すように、絶縁樹脂層50を貫通するビア孔62を形成した。ビア孔62は、20μmの孔径を有した。次いで、無機密着層(不図示)の形成、フィルドビアメッキ条件での電解メッキによるCu層の形成、および絶縁樹脂層50の表面上での無機密着層およびCu層のパターニングを行い、図16に示すように、導通ビア60および第2配線部30bを形成した。
続いて、絶縁樹脂層50および第2配線部30bを覆うように、感光性ソルダーレジストを塗布した。さらに、感光性ソルダーレジスト膜に対するパターン露光および現像を行って、第2配線部30bの一部を露出させる開口部82を形成し、図17に示す配線回路基板200を得た。得られた配線回路基板について、JEDEC JESD22−A106B、Cに基づく冷熱衝撃試験(TST)を実施し、断線の発生率を測定した。TSTは、最高温度125℃および最低温度−55℃の加熱冷却サイクルを400回行うことによって実施した。TST後の断線の発生率は、20%未満であった。
開口部82において露出した第2配線部30bをシード層に対して、Ni無電解メッキ、Pt無電解メッキ、およびAu無電解メッキを施し、開口部82内に、図19に示すように、NiPtAu積層膜からなる導通パッド80を形成した。最後に、ハンダを用いて半導体素子310を導通パッド80に固定して、図20に示す半導体装置300を得た。
(実施例2)
本実施例は、第2の実施形態のコア基板の製造方法、ならびに、得られたコア基板を用いた第5の実施形態の配線回路基板の製造方法、および第6の実施形態の半導体装置の製造方法に関する。
ガラス基板10として,縦×横×厚さが200×200×0.3mmの寸法を有する低膨張ガラスを準備した。ガラス基板10は、10nmの算術平均粗さRa、および3.8ppm/℃の線膨張率を有した。
ガラス基板10の両面に、エポキシ系樹脂からなり、12.5μmの膜厚を有するABF−GXT31ドライフィルム(味の素ファインテクノ株式会社製)を積層して、図7に示すように絶縁層16を形成した。
ガラス基板10の両方の面からCO2レーザーを照射して、図8に示すような、絶縁層16の開口部18、およびガラス基板10の貫通孔12を形成した。実施例1と同様に、縦10行、横10列の正方行列状に配置された、100個の貫通孔を形成した。隣接する行の間隔および隣接する列の間隔を500μmとした。用いたCO2レーザーのパルス幅は50μsであり、ピーク出力は7kWであり、ショット数は8であった。絶縁層16の開口部は、外部表面において50μmの孔径を有し、ガラス基板10との界面において40μmの孔径を有した。また、ガラス基板10の貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で30μmの孔径を有し、その反対側の面で20μmの孔径を有した。エッチング処理前の絶縁層16の両表面は6μmの最大高さRzを有した。また、実施例1と同様に、マイクロクラックの発生を評価した。
続いて、図8に示す中間製品を、3%のフッ化水素を含み、25℃の温度を有する水溶液に浸漬して、エッチングを行った。エッチング量を10μmに設定した。図9に示すような、エッチング後のガラス基板10の貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で50μmの孔径を有し、その反対側の面で40μmの孔径を有した。また、エッチング処理後の絶縁層16のCO2レーザーを照射した側の表面は6μmの最大高さRzを有した。この結果から、レーザー光の照射により発生し、絶縁層16の表面上に飛散したノジュールを効率よく除去できたことが分かる。
次に、スパッタ法を用いて、絶縁層16の両表面、ならびに開口部18および貫通孔12の側壁に、50nmの膜厚を有するTi層および300の膜厚を有するCu層を形成し、2つの層からなる無機密着層(不図示)を形成した。続いて、得られた無機密着層を析出側の電極として、コンフォーマルメッキ条件の電解メッキにより、5μmの膜厚を有するCu膜を付着させて、図19に示すように、開口部18および貫通孔12内に貫通電極20を形成した。なお、2つの絶縁層16の表面上にもCu膜が形成された。
続いて、絶縁層16の開口部18およびガラス基板10の貫通孔12内の空隙に酸化ケイ素およびエポキシ系樹脂の混合樹脂材料をスクリーン印刷して、充填層40を形成したた。続いて、酸化セリウム、過酸化水素、およびシリカを含むスラリーを用いるCMP法により、絶縁層16の表面から突出した充填層および絶縁層16の表面上の無機密着層およびCu膜を除去し、絶縁層16および充填層40の表面を平坦にした。
次に、以下に示すセミアディティブ法により第1配線部30aを形成した。絶縁層16および充填層40の表面上に、50nmの膜厚を有するTi層および300の膜厚を有するCu層を形成し、2つの層からなる無機密着層(不図示)を形成した。無機密着層の上に、20μm/20μmのL/S値を有する配線パターンに対応する開口部を有するレジスト膜(不図示)を形成した。露出した無機密着層をシード層として用いる電解メッキにより、4μmの膜厚を有する第1配線部30aを形成した。続いて、レジスト膜の除去、および無機密着層の第1配線部30aに覆われていない部分の除去を行い、充填層40を有するコア基板100を得た。実際に得られた第1配線部30aは、20±0.5μm/20±0.5μmのL/S値を有した。
続いて、コア基板100の両面に、エポキシ系樹脂からなり、12.5μmの膜厚を有するABF−GXT31ドライフィルム(味の素ファインテクノ株式会社製)を積層して、絶縁樹脂層50を形成した。
次に、絶縁樹脂層50に対してUV−YAGレーザー光を照射して、絶縁樹脂層50を貫通するビア孔62を形成した。ビア孔62は、20μmの孔径を有した。次いで、無機密着層(不図示)の形成、フィルドビアメッキ条件での電解メッキによるCu層の形成、および絶縁樹脂層50の表面上での無機密着層およびCu層のパターニングを行い、図16に示すように、導通ビア60および第2配線部30bを形成した。
続いて、絶縁樹脂層50および第2配線部30bを覆うように、感光性ソルダーレジストを塗布した。さらに、感光性ソルダーレジスト膜に対するパターン露光および現像を行って、第2配線部30bの一部を露出させる開口部82を形成し、図18に示す配線回路基板200を得た。得られた配線回路基板について、実施例1と同様にTSTを実施した。TST後の断線の発生率は、20%未満であった。
開口部82において露出した第2配線部30bに対してNi無電解メッキ、Pt無電解メッキ、およびAu無電解メッキを施し、開口部82内に、NiPtAu積層膜からなる導通パッド80を形成した。最後に、ハンダを用いて半導体素子310を導通パッド80に固定して、半導体装置300を得た。
(実施例3)
本実施例は、第3の実施形態のコア基板の製造方法、ならびに、得られたコア基板を用いた第5の実施形態の配線回路基板の製造方法、および第6の実施形態の半導体装置の製造方法に関する。
ガラス基板10として,縦×横×厚さが200×200×0.4mmの寸法を有する低膨張ガラスを準備した。ガラス基板10は、10nmの算術平均粗さRa、および3.8ppm/℃の線膨張率を有した。
ガラス基板10の一方の面10f側からCO2レーザーを照射して、図12に示すような、非貫通孔12’を形成した。縦10行、横10列の正方行列状に配置された、100個の非貫通孔を形成した。隣接する行の間隔および隣接する列の間隔を500μmとした。用いたCO2レーザーのパルス幅は50μsであり、ピーク出力は7kWであり、ショット数は8であった。非貫通孔12’は、CO2レーザーを照射した側の面で30μmの孔径を有し、0.35mmの深さを有した。エッチング処理前のガラス基板10の両表面は6μmの最大高さRzを有した。また、実施例1と同様に、マイクロクラックの発生を評価した。
続いて、非貫通孔12’を形成したガラス基板10を、3%のフッ化水素を含み、25℃の温度を有する水溶液に浸漬して、エッチングを行った。エッチング量を20μmに設定した。図13に示すような、エッチング後のガラス基板10の非貫通孔12’は、CO2レーザーを照射した側の面で70μmの孔径を有し、0.35mmの深さを有した。また、エッチング後のガラス基板10は、0.36mmの厚さを有した。さらに、エッチング処理後のガラス基板10の両表面は3μmの最大高さRzを有した。この結果から、レーザー光の照射により発生したガラス基板10の表面のドロスおよびノジュールを効率よく除去できたことが分かる。
次に、酸化セリウムを主成分とする研磨剤を用いて、ガラス基板10の他方の面10rを研磨し、非貫通孔12’を貫通孔12に変換した。得られた貫通孔12を有するガラス基板は、図4に示す形態を有した。
次に、以下に示すセミアディティブ法により貫通電極20および第1配線部30aを形成した。ガラス基板10の表面上および貫通孔12の側壁に、50nmの膜厚を有するTi層および300の膜厚を有するCu層を形成し、2つの層からなる無機密着層(不図示)を形成した。無機密着層の上に、20μm/20μmのL/S値を有する配線パターンに対応する開口部を有するレジスト膜(不図示)を形成した。露出した無機密着層をシード層として用いる電解メッキにより、5μmの膜厚を有する貫通電極20、および4μmの膜厚を有する第1配線部30aを形成した。続いて、レジスト膜の除去、ならびに無機密着層の第1配線部30aに覆われていない部分の除去を行い、図6に示すコア基板100を得た。実際に得られた第1配線部30aは、20±0.5μm/20±0.5μmのL/S値を有した。
以下、実施例1と同様の手順により、絶縁樹脂層50、導通ビア60、第2配線部30b、表面絶縁層70、および表面絶縁層70の開口部82を形成し、図17に示す配線回路基板200を得た。得られた配線回路基板について、実施例1と同様にTSTを実施した。TST後の断線の発生率は、20%未満であった。
さらに、実施例1と同様の手順により、導通パッド80の形成、および半導体素子310の固定を行って、図20に示す半導体装置300を得た。
(実施例4)
本実施例は、第4の実施形態のコア基板の製造方法、ならびに、得られたコア基板を用いた第5の実施形態の配線回路基板の製造方法、および第6の実施形態の半導体装置の製造方法に関する。
ガラス基板10として,縦×横×厚さが200×200×0.4mmの寸法を有する低膨張ガラスを準備した。ガラス基板10は、10nmの算術平均粗さRa、および3.8ppm/℃の線膨張率を有した。
ガラス基板10の一方の面10f側からCO2レーザーを照射して、図12に示すような、非貫通孔12’を形成した。縦10行、横10列の正方行列状に配置された、100個の非貫通孔を形成した。隣接する行の間隔および隣接する列の間隔を500μmとした。用いたCO2レーザーのパルス幅は50μsであり、ピーク出力は7kWであり、ショット数は8であった。非貫通孔12’は、CO2レーザーを照射した側の面で30μmの孔径を有し、0.38mmの深さを有した。エッチング処理前のガラス基板10の両表面は6μmの最大高さRzを有した。また、実施例1と同様に、マイクロクラックの発生を評価した。
続いて、非貫通孔12’を形成したガラス基板10を、3%のフッ化水素を含み、25℃の温度を有する水溶液に浸漬して、エッチングを行った。エッチング量を20μmに設定した。エッチング後のガラス基板10は、0.36mmの厚さを有した。図12に示すエッチング前のガラス基板10の非貫通孔12’は、ガラス基板10を貫通して、図4に示す貫通孔12となった。得られた貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で9070μmの孔径を有した。さらに、エッチング処理後のガラス基板10の両表面は3μmの最大高さRzを有した。この結果から、レーザー光の照射により発生したガラス表面10のドロスおよびノジュールを効率よく除去できたことが分かる。
次に、実施例3と同様の手順により、貫通電極20および第1配線部30aを形成して、図6に示すコア基板100を得た。ここで、第1配線部30aのL/S値の設計値を20μm/20μmとした。実際に得られた第1配線部30aは、20±0.5μm/20±0.5μmのL/S値を有した。
以下、実施例1と同様の手順により、絶縁樹脂層50、導通ビア60、第2配線部30b、表面絶縁層70、および表面絶縁層70の開口部82を形成し、図17に示す配線回路基板200を得た。得られた配線回路基板について、実施例1と同様にTSTを実施した。TST後の断線の発生率は、20%未満であった。
さらに、実施例1と同様の手順により、導通パッド80の形成、および半導体素子310の固定を行って、図20に示す半導体装置300を得た。
(比較例1)
本実施例は、従来技術のコア基板の製造方法、ならびに、得られたコア基板を用いた配線回路基板の製造方法、および半導体装置の製造方法に関する。
ガラス基板として,縦×横×厚さが200×200×0.3mmの寸法を有する低膨張ガラスを準備した。ガラス基板は、10nmの算術平均粗さRa、および3.8ppm/℃の線膨張率を有した。
ガラス基板の一方の面からCO2レーザーを照射して、貫通孔を形成した。用いたCO2レーザーのパルス幅は50μsであり、ピーク出力は7kWであり、ショット数は6であった。貫通孔12は、CO2レーザーを照射した側の面で70μmの孔径を有し、その反対側の面で50μmの孔径を有した。エッチング処理前のガラス基板10の両表面は6μmの最大高さRzを有した。また、実施例1と同様に、マイクロクラックの発生を評価した。
次に、スパッタ法を用いて、ガラス基板10の表面上および貫通孔12の側壁に、50nmの膜厚を有するTi層および300の膜厚を有するCu層を形成し、2つの層からなる無機密着層(不図示)を形成した。無機密着層の上に、所望の配線パターンに対応する開口部を有するレジスト膜(不図示)を形成した。露出した無機密着層をシード層として用いる電解メッキにより、5μmの膜厚を有する貫通電極20、および6μmの膜厚を有する第1配線部30aを形成した。続いて、レジスト膜の除去、ならびに無機密着層の第1配線部に覆われていない部分の除去を行い、コア基板を得た。ここで、第1配線部30aのL/S値の設計値を20μm/20μmとした。実際に得られた第1配線部30aは、20±2μm/20±2μmのL/S値を有した。
以下、実施例1と同様の手順により、絶縁樹脂層、導通ビア、第2配線部、表面絶縁層、および表面絶縁層の開口部を形成し、配線回路基板を得た。
さらに、実施例1と同様の手順により、導通パッドの形成、および半導体素子の固定を行って、半導体装置を得た。
(評価)
実施例1〜4および比較例1の評価結果を、第1表に示す。
貫通孔12形成時のマイクロクラック発生率に関して、本発明の方法に従う実施例1〜4においては、マイクロクラックの発生を効果的に抑制できたことが分かる。一方、貫通孔形成後に熱歪領域の除去を行わなかった比較例4においては、高いマイクロクラック発生率が得られた。比較例4のガラス基板に発生した最大のマイクロクラックの長さは20μmに及んだ。この結果から、貫通孔12形成後の熱歪領域14をエッチング除去が、マイクロクラックの抑制に非常に有効であることが分かった。
また、ガラス基板または両面に絶縁層を形成したガラス基板の最大高さRaの比較から、本発明の方法に従う、実施例1〜4においては、最大高さRzが小さく、表面上のドロスおよびノジュールがほとんど存在しないことが分かった。一方、比較例4のガラス基板は、大きな最大高さRzを有し、多数のドロスおよび/またはノジュールが存在することが分かる。これらの比較から、貫通孔12形成後のエッチング処理が、ドロスおよびノジュールの除去についても有効であることが分かった。
さらに、本発明に従う実施例1〜4においては、ガラス基板または絶縁層上に形成した配線部(第1配線部30a)は、設計値に対して±0.5μmという高い精度の線幅および間隔を有した。これに対して、比較例1においては、配線部の線幅および間隔のばらつきが±2μmに増大した。この結果は、貫通孔12形成後のエッチング処理によりドロスおよび/またはノジュールが除去され、配線部を形成する表面の平坦性が向上したためと考えられる。
そして、配線部の線幅を高精度で制御したことにより、配線回路基板およびそれを用いた半導体装置の信頼性を向上させることができた。具体的には、本発明に従う実施例1〜4の配線回路基板では、TST後の断線率を20%以下にすることができた。なお、TST後の実施例1〜4の配線回路基板を観察したところ、多くの断線は、貫通電極の破断に起因するものであり、ガラス基板または絶縁層上に形成した配線部の断線はほとんどないことが分かった。このことから、エッチング処理による配線部を形成する表面の平坦性の向上ならびにマイクロクラック発生の防止が、配線回路基板および半導体装置の信頼性の向上に寄与することが分かる。さらに、実施例1〜4の配線回路基板においては、エッチング処理によって貫通孔の上端および下端におけるエッジがなだらかな曲面状(いわゆる、面取りされた状態)であることが分かった。上記のエッジの形状により、貫通孔の上端および下端における貫通電極および配線部に応力が集中することを抑制でき、信頼性のさらなる向上が実現できたと考えられる。これに対して、比較例1の配線回路基板のTST後の断線率は20〜40%であり、ガラス基板の表面上に形成された配線部の断線に加えて、貫通孔の上端および下端における貫通電極および配線部の断線が観察された。この結果は、ガラス基板表面の平坦性が低いこと、および貫通孔の上端および下端における応力集中が発生したことに起因すると考えられる。
1 ガラス基板
2 貫通孔
3 熱歪領域
4 マイクロクラック
5 ドロス
10 ガラス基板
10f ガラス基板の一方の面
10r ガラス基板の他方の面
12 貫通孔
12’ 非貫通孔
14 熱歪領域
16 絶縁層
18 開口部
20 貫通電極
30(a,b) (第1、第2)配線部
30’ 配線前駆体
40 充填層
50 絶縁樹脂層
60 導通ビア
62 ビア孔
70 表面絶縁層
80 導通パッド
90 導通バンプ
82 開口部
100 コア基板
200 配線回路基板
300 半導体装置
310 半導体素子

Claims (9)

  1. (1) ガラス基板の一方の表面に非貫通孔を形成する工程と、
    (2) 工程(1)で得られたガラス基板をフッ化水素を含むエッチング液に浸漬して、非貫通孔の孔径を増大させると同時に、非貫通孔を貫通孔にする工程と、
    (3) 前記貫通孔の中の貫通電極、および前記ガラス基板表面の配線部を形成する工程と
    を含み、前記貫通電極と前記配線部は電気的に連絡していることを特徴とするコア基板の製造方法。
  2. 工程(1)終了時の非貫通孔の孔径は、50μm以下であり、工程(2)終了時の貫通孔の孔径は、工程(1)終了時の非貫通孔の孔径よりも10〜40μm大きいことを特徴とする請求項1に記載のコア基板の製造方法。
  3. 工程(2)終了時のガラス基板の表面の最大高さRzは、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のコア基板の製造方法。
  4. 工程(1)を、CO2レーザーを用いる光照射により実施することを特徴とする請求項1に記載のコア基板の製造方法。
  5. 前記貫通電極および前記配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のコア基板の製造方法。
  6. (4) 請求項1から5のいずれかに記載の方法によりコア基板を製造する工程と;
    (5)配線工程であって、
    (a) 絶縁樹脂層を形成し、
    (b) 前記絶縁樹脂層にビア孔を設けて、サブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の直下の配線部の少なくとも一部を露出させ、
    (c) サブ工程(b)で形成したビア孔の中の導通ビア、およびサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の上の配線部を形成して、前記導通ビアを、サブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の直下の配線部およびサブ工程(a)で形成した絶縁樹脂層の上の配線部と電気的に接続する
    ことによって実施される配線工程と;
    (6) 直前に実施した工程(5)のサブ工程(c)で形成した配線部の少なくとも一部を露出させる開口部を有する表面絶縁層を設ける工程と
    を含むことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  7. 工程(5)の配線工程を、複数回にわたって反復して実施することを特徴とする請求項6に記載の配線回路基板の製造方法。
  8. 工程(5)のサブ工程(c)で形成される導通ビア、および工程(5)のサブ工程(c)で形成される配線部のそれぞれは、独立的に、銅、銀、金、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムおよびスズからなる群から選択される金属、およびスズ−銀、スズ−銀−銅、スズ−銅、スズ−ビスマス、およびスズ−鉛からなる群から選択される合金からなる群から選択される導電性材料を含むことを特徴とする請求項6に記載の配線回路基板の製造方法。
  9. (7) 請求項6から8のいずれかに記載の方法により配線回路基板を製造する工程と、
    (8) 前記表面絶縁層の開口部に導通パッドを形成する工程と
    (9)前記導通パッド上に半導体素子を固定する工程と
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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