JP2015231004A - 配線基板 - Google Patents

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将任 岩崎
Masataka Iwasaki
将任 岩崎
寿毅 関
Toshitake Seki
寿毅 関
広幸 松浦
Hiroyuki Matsuura
広幸 松浦
堀尾 俊和
Toshikazu Horio
俊和 堀尾
山本 洋
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洋 山本
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Abstract

【課題】コア層としてガラス基板を備える配線基板において、ガラス基板に損傷が生じることを抑制する。
【解決手段】配線基板は、ガラス基板と、第1配線と第1樹脂層と第1ビア配線とを含む第1層と、第1層上に配置され、第2配線と第2樹脂層と第2ビア配線とが少なくとも1組以上積層された第2層と、を備える。そして、この配線基板は、第1層の体積に対する第1配線および第1ビア配線の体積割合が、第2層の体積に対する第2配線および第2ビア配線の体積割合よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板に関する。
配線基板として、ICパッケージ基板やインターポーザとして利用されるビルドアップ配線基板が知られている。ビルドアップ配線基板は、多層構造を有しており、コア層の片面または両面に、絶縁層としての樹脂層と、配線層とが交互に積層されている。例えば、特許文献1〜3には、コア層としてガラス基板を用いることが記載されている。
特表2013−521663号公報 特開平05−67878号公報 特開2002−359446号公報 特開平09−232756号公報
コア層としてガラス基板を用いた場合には、樹脂層とガラス基板との熱膨張差に起因して、樹脂層の熱硬化処理後にガラス基板の表面に応力が残留する場合がある。そうすると、配線基板を個片に切断する際などにおいて、その残留応力によってガラス基板が側面から破損してしまう可能性がある。特に樹脂層が複数形成された多層基板では、層を形成する度に熱硬化処理が行われるため、残留応力も大きくなり、破損が生じやすくなる。ガラス基板が破損すると、ガラス基板上に直接的に形成された配線も断線してしまう可能性がある。そのため、コア層としてガラス基板を備える配線基板において、ガラス基板に損傷が生じることを抑制可能な技術が求められている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、配線基板が提供される。この配線基板は、ガラス基板と;前記ガラス基板上に配置され、前記ガラス基板に接する第1配線と、前記第1配線を覆う第1樹脂層と、前記第1樹脂層を貫通して前記第1配線と接続される第1ビア配線とを含む第1層と;前記第1層上に配置され、第2配線と、前記第2配線を覆う第2樹脂層と、前記第2樹脂層を貫通して前記第2配線と接続される第2ビア配線とが少なくとも1組以上積層された第2層と、を備える。そして、この配線基板は、前記第1層の体積に対する前記第1配線および前記第1ビア配線の体積割合が、前記第2層の体積に対する前記第2配線および前記第2ビア配線の体積割合よりも小さい。このような形態の配線基板であれば、第1層のヤング率を第2層のヤング率よりも小さくすることができるので、ガラス基板にかかる応力を緩和することができる。そのため、ガラス基板に損傷が生じることを抑制することができる。この結果、ガラス基板上に配置された第1配線が断線することも抑制することができる。
(2)上記形態の配線基板において、前記第1樹脂層は無機材料を含まず、前記第2樹脂層は無機材料を含んでもよい。このような形態の配線基板であれば、第2層に対して、第1層のヤング率をより小さくすることができるので、ガラス基板に損傷が生じることをより効果的に抑制することができる。
(3)上記形態の配線基板において、前記無機材料が、二酸化ケイ素であってもよい。このような形態の配線基板であれば、第2樹脂層の材料の入手性を高めることができる。
(4)上記形態の配線基板において、前記第1配線の厚みは、前記第2配線の厚み以下でもよい。このような形態の配線基板であれば、第1層に対する第1配線の体積割合を小さくすることが容易になるので、第1層のヤング率を下げるための配線設計の自由度を高めることができる。
本発明は、上述した配線基板としての形態に限らず、種々の形態で実現することが可能である。例えば、配線基板の製造方法や、配線基板を備えた電子機器等の形態で実現することができる。
配線基板の要部を模式的に示す断面図である。 配線基板の製造方法を示す工程図である。 図2の各工程における配線基板の製造状態を示す図である。 図2の各工程における配線基板の製造状態を示す図である。 図2の各工程における配線基板の製造状態を示す図である。 各サンプルの形態を模式的に示す図である。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての配線基板1の要部を模式的に示す断面図である。配線基板1は、例えば、ICパッケージ基板やインターポーザとして利用される基板である。配線基板1は、ガラス基板5と、ガラス基板5に接して設けられた第1層10と、第1層10に接して設けられた第2層20と、を備えている。第1層10と第2層20とは、ガラス基板5の片面または両面に設けられている。
第1層10は、第1配線12と第1樹脂層14と第1ビア配線16とを含む。第1配線12は、ガラス基板5に接する配線である。第1樹脂層14は、第1配線12を覆う樹脂層である。第1ビア配線16は、第1樹脂層14を貫通して第1配線12と電気的に接続されるビア配線である。
第2層20は、第2配線22と第2樹脂層24と第2ビア配線26とを含む。第2層20には、これら第2配線22と第2樹脂層24と第2ビア配線26とが少なくとも1組以上積層されている。第2配線22は、隣接する層に形成されているビア配線(例えば、第1ビア配線16)と電気的に接触する配線である。第2樹脂層24は、第2配線22を覆う樹脂層である。第2ビア配線26は、第2樹脂層24を貫通して第2配線22と電気的に接続されるビア配線である。
第1配線12、第1ビア配線16、第2配線22、および、第2ビア配線26は、いずれも銅によって構成されている。配線の材料としては、その他、金や銀、白金、アルミニウム、ニッケル、タングステン等を用いることも可能であるが、導電性、加工性、コストなどを勘案すると銅を用いることが好ましい。
本実施形態では、第1層10全体の体積V10に対する、第1配線12の体積V12と第1ビア配線16の体積V16との合計の割合VP1が、第2層20全体の体積V20に対する、第2配線22の体積V22と第2ビア配線26の体積V26との合計の割合VP2よりも小さい。つまり、本実施形態の配線基板1は、以下の式(1)を満たしている。なお、以下では、VP1、VP2のことを、「銅体積割合」ともいう。「銅体積割合」という用語を用いれば、式(1)は、「第1層10の銅体積割合VP1は、第2層20の銅体積割合VP2よりも小さい」、ということを示している。
VP1<VP2 ・・・(1)
ただし、
VP1=(V12+V16)/V10
VP2=(V22+V26)/V20
本実施形態では、第1層10を構成する第1樹脂層14には、無機材料が含まれていないことが好ましい。また、第2層20を構成する第2樹脂層24には、無機材料が含まれていることが好ましい。これらの理由は後述する。無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素によって構成された球状あるいは繊維状のフィラー(シリカフィラー)を用いることができる。こうしたフィラーは、一般的に利用されているものであるため、無機材料として二酸化ケイ素を採用すれば、第2樹脂層24の材料の入手性を高めることができる。なお、無機材料としては、その他、例えば、酸化アルミニウム(アルミナフィラー)を採用することも可能である。
更に、本実施形態では、第1層10に含まれる第1配線12の厚みT1は、第2層20に含まれる第2配線22の厚みT2以下であることが好ましい。その理由は後述する。
B.製造方法:
図2は、配線基板1の製造方法を示す工程図である。また、図3〜5は、この製造方法の各工程における配線基板1の製造状態を示す図である。
本実施形態の製造方法では、まず、ガラス基板5が準備される(ステップS10)。本実施形態では、150mm四方で厚さが0.1mmのホウケイ酸系ガラスによって構成されたガラス基板5を準備した。ガラス基板5の表面粗さ(Ra)は、10nm以下が好ましく、本実施形態のガラス基板5の表面粗さ(Ra)は、0.2nmである。なお、以下では、製造途中の配線基板1のことを、単に「基板」という。
続いて、必要に応じて、ガラス基板5に、貫通電極6を形成する(ステップS20)。貫通電極6は、エキシマレーザ加工や炭酸ガスレーザ加工、ドリル加工やサンドブラスト加工といった周知の手法でガラス基板5に貫通孔を形成し、その貫通孔に、めっき法や金属ペーストの充填などの手法により電極を形成することで、形成することができる。
ステップS10またはステップS20の後には、ガラス基板5上に、ガラス基板5に接触する第1配線12が形成される(ステップS30)。第1配線12は、例えば、インクジェット印刷法、スパッタリング法、スクリーン印刷法、めっき法(無電解めっき法または電解めっき法)などにより形成される。インクジェット印刷法、スパッタリング法、めっき法であれば、より微細な配線パターンを形成することができる。本実施形態では、スパッタリング法(より具体的には、周知のリフトオフ法)によって、第1配線12を形成した。
続いて、基板に樹脂ラミネート加工を施すことにより、ガラス基板5上に第1樹脂層14が積層される(ステップS40)。第1樹脂層14の材料としては、例えば、シクロオレフィン樹脂や、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂のうちのいずれかを用いることができる。本実施形態では、上記ステップS40において、圧力0.2MPa、110℃の条件で、シクロオレフィン樹脂シートを熱プレスによりガラス基板5に積層することにより、厚さ15μmの第1樹脂層14を形成した。このステップS40では、ラミネート加工を施す前に、ガラス基板5と第1樹脂層14との接着性を高めるために、シランカップリング処理を基板に対して施すことが好ましい。また、上述のように、第1樹脂層14は、無機材料を含まないことが好ましい。
第1樹脂層14をガラス基板5上に積層した後には、必要に応じて、第1樹脂層14に、第1ビア配線16を形成するためのビア孔(層間ビア)15が形成される(ステップS50)。ビア孔は、例えば、炭酸ガスレーザ加工などの周知の手法により形成することができる。
ステップS40またはステップS50の後には、周知のセミアディティブ法またはサブトラクティブ法によって配線が形成される。本実施形態では、セミアディティブ法によって配線を形成した。このセミアディティブ法では、まず、無電解銅めっきによってシード層17が基板の表面全体に形成される(ステップS60)。シード層17はスパッタ法によって形成することも可能である。
シード層17が形成されると、ドライフィルムレジストがラミネートされ、露光および現像が行われて所定の形状にレジスト30がパターンニングされる(ステップS70)。そして、電解銅めっきが行われ(ステップS80)、レジストが除去されてエッチングが行われる(ステップS90)。すると、基板上に、第2配線22および第1ビア配線16が形成される。以上で説明した処理により、第1配線12と第1樹脂層14と第1ビア配線16とを含む第1層10がガラス基板5上に形成される。こうして第1層10がガラス基板5上に形成されると、第1樹脂層14を硬化させるための熱硬化処理が行われる。
続いて、第1層10上に、多層配線を形成するための周知のビルドアップ処理が行われる(ステップS100)。このビルドアップ処理では、既に基板上に形成されている配線(第2配線22)を覆う樹脂層(第2樹脂層24)のラミネートと、その樹脂層を貫通するビア孔の形成と、電解銅めっきによる配線(第2配線22)およびビア配線(第2ビア配線26)の形成と、その後の熱硬化処理とが所定回数繰り返される。つまり、このビルドアップ処理では、上述したステップS40〜S90と同様の処理が所定回数繰り返される。図5には、図示の都合上、ビルドアップ処理が1回だけ行われた例を示している。このビルドアップ処理により、第1層10上に、第2配線22と第2樹脂層24と第2ビア配線26とを少なくとも1組以上含む第2層20が形成される。このビルドアップ処理によって形成される第2樹脂層24の材料は、第1樹脂層14と同様の材料を用いることが可能である。本実施形態では、シクロオレフィン樹脂シートを、最高0.7MPa、110℃の条件でラミネートして第2樹脂層24を形成した。上述したように、本実施形態では、第2樹脂層24は、無機材料を含むことが好ましい。そのため、例えば、上記ステップS100では、無機材料(シリカフィラー)を含有するシクロオレフィン樹脂シートを用いて第2樹脂層24を形成することが可能である。
第1層10上に第2層20が形成されると、基板表面にソルダーレジスト(S/R)32とはんだバンプ34とが形成される(ステップS110)。ソルダーレジスト32とはんだバンプ34とが形成された後には、ダイサーによって切断加工が施され、基板が所定のサイズ(本実施形態では、20mm四方)に個化片される(ステップS120)。以上で説明した一連の処理によって、配線基板1の製造が完了する。
C.評価結果:
次に、上述した方法に従って製造した配線基板1に対して評価試験を行った結果について説明する。以下に示す表1には、この試験において評価した9種類の配線基板のサンプルの特性と評価結果とが示されている。いずれのサンプルについても、第1樹脂層14には無機材料が含まれず(換言すれば、第1樹脂層14は樹脂のみによって形成されている)、第2樹脂層24には、無機材料(シリカフィラー)が45体積%含まれている。
Figure 2015231004
図6は、表1に示した各サンプルの形態を模式的に示す図である。図6に示されているように、いずれのサンプルもガラス基板5の上面および下面に、第1層10と第2層20とがそれぞれ1組ずつ形成されている。そして、いずれのサンプルについても、第2層20には、第2配線22と第2樹脂層24とが2組形成されている。また、各サンプルの製造にあたり、ソルダーレジスト32とはんだバンプ34の形成は省略している。ソルダーレジスト32とはんだバンプ34とは、この評価試験の結果に影響を与えないためである。
各サンプルは、表1および図6に示されているように、
(1)第1層10に含まれる第1配線の厚みT1、
(2)第2層20に含まれる各第2配線22の厚みT2、
(3)ガラス基板5に対する第1配線12の被覆率、
(4)ガラス基板5(第1層10)に対する第2配線22の被覆率、
(5)第1層10、第2層20およびガラス基板5におけるビア配線の有無、
をそれぞれ変更して形成されている。また、表1には、各サンプルについて、第1層10の銅体積割合VP1と第2層20の銅体積割合VP2とが算出された結果が示されている。各層における銅の体積は、配線の被覆率と厚みとから配線の体積を求め、これに、各ビア孔の加工デザインと個数とに基づき算出されたビア配線の体積を加算することで算出することができる。なお、ガラス基板5にビア配線が形成されているサンプルも存在しているが(サンプル6)、ガラス基板5中のビア配線は、銅体積割合VP1および銅体積割合VP2のどちらにも算入されない。この評価試験では、銅体積割合VP1,VP2の異なるサンプルを用意する便宜上、ビア配線を有していないサンプルを作製したが、配線基板の表裏面間の導通を確保する上で、ビア配線は配線基板に必須の構成である。
表1には、各サンプルに対する評価結果として、外観試験の評価結果と加速試験の評価結果とが示されている。
外観試験では、各サンプルの製造後(個片切断後)にガラス基板5の側面にクラックが発生しているか否か、および、ガラス基板5と第1層10との剥がれが生じているか否か、を拡大鏡を用いて目視にて確認した。そして、クラックおよび剥がれのいずれか一方でも発生している場合には、不合格、クラックも剥がれも発生していない場合には、合格と判定した。
加速試験では、各サンプルの製造後(個片切断後)に、−65℃の低温から+150℃の高温まで、昇温および降温を1000サイクル繰り返す熱衝撃試験(環境試験規格MIL−STD−883D)を実施し、その後に、ガラス基板5の破損を外観試験と同様に確認した。
表1に示した外観試験および加速試験の評価結果(A,B,C,D)は、1つのサンプルにつき、同一形態の配線基板を25個作製し、その25個のうちの合格した配線基板の割合を示している。作製した25個の配線基板のうち、95%以上の配線基板が合格であれば(つまり、合格率が95%以上であれば)、そのサンプルについては、評価結果を「A」とした。また、合格率が80%以上95%未満であれば、そのサンプルについては、評価結果を「B」とした。また、合格率が60%以上80%未満であれば、評価結果を「C」とした。また、合格率が60%未満であれば、評価結果を「D」とした。なお、「−」については、その試験を行わなかったことを示している。
表1に示した評価結果によれば、サンプル1〜7については、外観試験の評価結果がいずれも良好であった(「A」または「B」)。これに対して、サンプル8,9では、ガラス基板5の側面に破損が多く見られ、外観試験の評価結果が低かった(「D」)。これは、サンプル1〜7では、第2層20の銅体積割合VP2よりも第1層10の銅体積割合VP1の方が小さいのに対して、サンプル8,9では、第2層20の銅体積割合VP2よりも第1層10の銅体積割合VP1の方が大きいためであると考えられる。よって、これらのサンプルの外観試験の評価結果から、第1層10の銅体積割合VP1と、第2層20の銅体積割合VP2とは、上記式(1)の通り、VP1<VP2の関係を満たすことが好ましいことが確認できた。このように、第2層20の銅体積割合VP2に比べて第1層10の銅体積割合VP1が小さければ、第1層10全体のヤング率を低くすることができるため、ガラス基板5にかかる応力が緩和されるためであると考えられる。
また、表1によれば、サンプル7については、外観試験の評価結果は良好であるものの(「B」)、加速試験の結果は、他のサンプル1〜6(「B」)よりもやや劣っている(「C」)。これは、第2層20の銅体積割合VP2(51体積%)が、サンプル1〜6の銅体積割合VP2(27〜39体積%)よりも大きいためであると考えられる。よって、表1によれば、第2層20の銅体積割合VP2は、50%未満であることが好ましい。第2層20の銅体積割合VP2が50%以上であると、第2層20のヤング率が高くなり、第1層10での応力緩和の効果が低減するためであると推測される。
以上で説明した本実施形態の配線基板1によれば、ガラス基板5の破損を抑制することができるので、ガラス基板5上に直接的に形成された第1配線12に断線が生じることも抑制することができる。そのため、第1配線12の幅や配線間の距離を狭くすることができる。この結果、第1配線12の設計の自由度が高まり、例えば、配線層の数を削減することも可能になる。配線層の数が削減されれば、製造コストの低減につながるだけではなく、ガラス基板5に加わる応力も低減されるので、ガラス基板5が破損することを更に抑制することができる。
また、本実施形態の配線基板1によれば、コア層として平滑な表面を有するガラス基板5を採用することができるので、第1配線12の厚みを小さくすることができる。そのため、第1配線12を形成した直後に、ガラス基板5と第1配線12との熱膨張差に起因して応力が発生することを抑制することができる。よって、第1配線12の幅や配線間の距離をより一層、狭くすることができる。なお、第1配線12の厚みを小さくするためには、ガラス基板5の表面粗さRaは、上述のように、10nm以下であることが好ましい。
また、上記実施形態において、第1樹脂層14に無機材料を含ませないこととすれば、第1樹脂層14とガラス基板5との密着性を向上させることができる。更に、第1樹脂層14を形成するのに先立ち、ガラス基板5にシランカップリング処理を施せば、第1樹脂層14とガラス基板5の密着性を更に高めることができる。また、第1樹脂層14に無機材料を含ませないこととすれば、第1層10のヤング率を一層小さくすることができるので、ガラス基板5にかかる応力をより一層、緩和することができる。
また、上記実施形態によれば、耐熱性の高いガラス基板5をコア層として採用することができるので、高い温度での焼成が必要とされるインクジェット法による配線の形成が容易となる。そのため、電気伝導性に優れた微細配線を形成することができる。また、ガラス基板5は、高周波特性に優れるので、FR−4などの樹脂製コア基板を採用する場合よりも、伝送特性の優れた配線基板を製造することができる。
なお、上記実施形態では、上述したとおり、第1層10に含まれる第1配線12の厚みT1は、第2層20に含まれる第2配線22の厚みT2以下であることが好ましい。ガラス基板5上に形成される第1配線12の厚みT1を小さくすれば、第1層10のヤング率を下げるための配線設計(例えば、ビア密度、被覆率)の自由度が高まるためである。
また、第1配線12の厚みT1はガラス基板5の厚みに対して、1/200〜1/10の範囲内であることが好ましい。第1配線12の厚みT1が、ガラス基板5の厚みの1/200未満であると、ガラスと配線(銅)との熱膨張差によって第1配線12が断線してしまう可能性が有り、1/10を超えると、これらの熱膨張差によってガラス基板5に反りが生じてしまう可能性があるからである。
また、第1層10と第2層20とを合計した厚みは、ガラス基板5の厚みよりも小さいことが好ましい。ガラス基板5の厚みが小さい場合には、第1層10および第2層20と、ガラス基板5と、の熱膨張差に起因する応力が大きくなり、第1層10のヤング率を小さくすることによる応力緩和の効果が低減するからである。
なお、上記実施形態における製造方法では、配線基板1は、最終的に個片化が行われているが、大きな配線基板を形成する際などには、個片化は行われなくてもよい。また、上記実施形態において説明した各種材料は例であり、配線基板の仕様に応じて、適宜、種々の材料を使用可能である。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態や実施例、変形例の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…配線基板
5…ガラス基板
6…貫通電極
10…第1層
12…第1配線
14…第1樹脂層
16…第1ビア配線
17…シード層
20…第2層
22…第2配線
24…第2樹脂層
26…第2ビア配線
30…レジスト
32…ソルダーレジスト
34…はんだバンプ
45…ガラス基板

Claims (4)

  1. ガラス基板と、
    前記ガラス基板上に配置され、前記ガラス基板に接する第1配線と、前記第1配線を覆う第1樹脂層と、前記第1樹脂層を貫通して前記第1配線と接続される第1ビア配線とを含む第1層と、
    前記第1層上に配置され、第2配線と、前記第2配線を覆う第2樹脂層と、前記第2樹脂層を貫通して前記第2配線と接続される第2ビア配線とが少なくとも1組以上積層された第2層と、
    を備える配線基板であって、
    前記第1層の体積に対する前記第1配線および前記第1ビア配線の体積割合が、前記第2層の体積に対する前記第2配線および前記第2ビア配線の体積割合よりも小さいことを特徴とする配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板であって、
    前記第1樹脂層は無機材料を含まず、前記第2樹脂層は無機材料を含むことを特徴とする配線基板。
  3. 請求項2に記載の配線基板であって、
    前記無機材料が、二酸化ケイ素であることを特徴とする配線基板。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された配線基板であって、
    前記第1配線の厚みが、前記第2配線の厚み以下であることを特徴とする配線基板。
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JP2017143140A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 凸版印刷株式会社 配線回路基板用のコア基板の製造方法、配線回路基板の製造方法、および半導体装置の製造方法
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JP2018098378A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 株式会社ディスコ インターポーザの製造方法
JP2018190761A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 凸版印刷株式会社 半導体パッケージ用基板およびその製造方法

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