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本発明は、構造発色を利用した表示体に関する。
モルフォ蝶の鱗粉や玉虫の表皮に代表される構造発色は、色素や顔料等の分子の電子状態のエネルギー遷移に伴う発色ではなく、光の回折や干渉、散乱といった光学現象の作用による発色現象である。
例えば、自然界に存在する構造発色のうち、最も大きい分布を占める多層膜干渉は、積層体の各界面で発生する反射光が干渉することにより発生する構造発色であり、特定の波長域を選択的に透過、もしく反射する波長選択可能な光学素子に応用することができる。
但し、上記の多層膜干渉を利用した光学素子では、反射される光の波長は積層体各層の膜厚により限定されてしまうため、一枚の基材上に複数の色成分で構成される表示体を製造するためには、マスキングと多層膜成膜を色成分の数だけ繰り返さなくてはならず、製造工程としては非常に複雑になってしまう。
そこで、導波モード共鳴を利用した波長選択素子が特許文献1に開示されている。当該素子は、基材上に上記の基材よりも高い屈折率の材料で構成される導波層、格子層が順次形成された構成となっており、格子層に形成されたサブ波長格子構造の格子高さや構造周期、フィルファクタ(一周期における格子の体積占有率)、導波層の厚さを最適設計することにより、狭帯域に理論上100%の反射率を示すことが可能となる。
上記の特許文献1によれば、格子層の厚さが同一であっても格子構造によって異なる分光特性が得られるため、導波層の厚さを500nm以下とし、可視光波長領域の光に対して伝搬モードがシングルモードとなるように設計すると、例えばカラーフィルタのような三原色の波長選択素子を金型やマスクによる一括加工で形成できるとされている。
特開2009−25558号公報
しかしながら、例えば特許文献1記載の波長選択素子により光の三原色(RGB)のいずれかの光を反射する副画素を形成し、この副画素の組み合わせによりカラー画像を表現しようとする場合、各副画素ではRGBのいずれかの光が反射されてしまうため、黒色の表現が不可能となる。
更に、副画素が形成されていない領域では表面は平坦であり、基材とは屈折率の異な薄膜が形成されていることになるため、層を構成する材料の屈折率と膜厚に応じた干渉による色が視認されてしまう。
本発明は上記の課題を鑑みて、これを解決するために以下の表示体を提供するものである。
本発明の一態様に係る表示体は、基材の表面側に、格子層と導波層とが順に積層されている。上記の基材の裏面側、もしくは上記の基材の表面と上記の導波層との間に、吸収層が形成されている。上記の格子層は、回折格子構造により回折された光と、上記の導波層を伝搬する光とが共鳴し、共鳴波長領域の光が反射される画素領域を有し、更に上記の画素領域を除く領域に表面反射を低減する凹凸構造の集合体からなる低反射画素領域を有する。上記の吸収層は、少なくとも上記の共鳴波長領域の光を吸収する。
本発明の一態様に係る表示体の製造方法は、上記の画素領域に相当する領域に上記の回折格子構造の反転構造が形成され、上記の低反射画素領域に相当する領域に上記の低反射画素領域の凹凸構造の反転構造が形成され、上記の回折格子構造の反転構造の凹部体積に対する上記の低反射画素領域の凹凸構造の反転構造の凹部体積の差の割合が10%以下であるモールドを用意する工程と、上記の基材上に、上記の基材の表面よりも可視光波長領域に対して高い屈折率の材料で構成された光硬化性樹脂、光熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂のいずれかを塗布する工程と、上記のモールドから光ナノインプリント法により上記の基材上に塗布した光硬化性樹脂、光熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂のいずれかに、上記の画素領域及び上記の低反射画素領域を転写する工程と、を具備する。
本発明の一態様によれば、表示体において、導波モード共鳴により反射する波長領域の光を吸収する吸収層を形成し、図柄表現しない箇所において表面反射を低減する凹凸構造を形成することで、導波モード共鳴を利用して図柄表現する際に、黒色を含む高コントラストの図柄表現が可能になるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る表示体の切断部端面図である。 本発明の第2実施形態に係る表示体の切断部端面図である。 本発明の実施例に係る表示体の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いながら説明する。本発明は、対象とする波長領域を限定するものではないが、以下に示す実施の形態では、一例として、特に人間の肉眼で視認可能な可視光波長領域の光を対象とする。尚、本発明において、画素(ピクセル)は、印刷物等における最小の描画表現を行う単位(ドット)の意味を含むものとする。また、副画素(サブピクセル)は、例えばカラーフィルタ等におけるRGBの各領域のような、複数でひとつの画素を形成するもの(画素より細かい単色のドット等)を指すものとする。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る導波モード共鳴を利用した画素、又は副画素の断面概略図を示したものである。
図1(a)に示した表示体は、基材11の表面に導波層21が形成され、導波層21の表面に格子層31が形成され、格子層31の画素領域51に回折格子構造が形成され、更に基材11の裏面に可視光波長領域の光を吸収する材料で構成された吸収層41が形成された表示体の任意の画素の断面概略図である。尚、第1実施形態においては、基材11と吸収層41は完全に接している必要は無く、基板裏面側に吸収層41が存在すれば良い。
可視光波長領域に対して、導波層21、及び格子層31が透過性を有し、導波層21が基材11よりも高い屈折率の材料で構成され、格子層31が導波層2と等しい、もしくは小さい屈折率の材料で構成されている場合、格子層31の画素領域51に形成された回折格子構造により回折された光と、導波層21をシングルモードで伝搬する光が共鳴し、表示体表面から反射光として取り出される。
このような材料特性を満たす導波層と格子層を併せた構造を、第1実施形態においては導波モード共鳴格子層と呼ぶこととする。上記の導波モード共鳴格子層による共鳴波長は、表面に形成される回折格子構造の構造周期と導波層膜厚によって決定される。
上記の導波モード共鳴格子層により、白色光を入射した場合、画素領域51においては共鳴波長が反射し、共鳴波長以外の光は基材11を透過し、吸収層41で吸収される。よって、反射した共鳴波長の色のみが人の肉眼で高コントラストに視認される。
更に、上記の吸収層41による可視光の吸収率を調整することにより、画素領域51の反射コントラストを調整することが可能となる。一方で、画素領域51を除く領域では、回折格子構造が存在しないため導波モード共鳴現象は生じず、入射光は格子層31、導波層21、基材11を透過し、吸収層41で吸収される。
但し、可視光波長領域の光をシングルモードで伝搬させるためには、格子層は500nm以下であることが望ましいため、可視光波長領域に対して異なる屈折率を示す材料で構成される基材11と導波層21では、界面で反射される光による干渉現象が発生する。
また、格子層31が導波層21とは異なる材料で構成される場合も同様に干渉現象が生じる。
更に、基材11の厚さが十分に薄い場合は、吸収層41と可視光波長領域に対する屈折率が異なれば薄膜干渉現象が生じる。但し、基材11が少なくともμmオーダーの厚さであれば、基材11による薄膜干渉現象は無視できる。
以上により、画素領域51を除く領域では、白色光は吸収層41で吸収されるが、吸収層41到達の前に各層の界面で反射した光が薄膜、もしくは多層膜干渉現象を生じ、人の肉眼で色が視認されてしまうため、高いコントラストでの黒色の表現が困難となる。
上記の干渉現象による色の視認を防止するために、例えば図1(b)や図1(c)に示すように格子層32、もしくは33の画素領域52、もしくは53が形成されていない領域に凹凸構造を有する低反射画素領域61もしくは62を形成する。
このような凹凸構造を形成することにより、格子層32、もしくは33の画素領域52、もしくは53が形成されていない領域(低反射画素領域61もしくは62)の表面反射を抑制し、黒色を含む高コントラストの色彩表現が可能な表示体とすることができる。
上記の低反射画素領域に形成する凹凸構造は、表面反射を抑制する構造設計であれば良い。例えば、図1(b)に示した低反射画素領域61に形成する凹凸構造を、一定周期の回折格子構造とする。
上記の回折構造体の構造周期が、例えば可視光波長よりも大きい場合、回折格子構造表面での回折現象により表示体を表面から観察しても、斜め方向から観察しても可視光が視認されてしまう。
また、上記の回折構造体の構造周期が、画素領域52に形成する導波モード共鳴格子層の構造周期と同じであると、導波モード共鳴現象が発生し、共鳴条件を満足する角度で観察すると、共鳴した波長の光が反射されてしまう。
よって、上記の低反射画素領域61に形成する回折構造体の構造周期としては、可視光波長領域より小さく、更に可視光波長領域に共鳴波長を有する導波モード共鳴格子層の構造周期よりも小さくある必要がある。
但し、上記の低反射画素領域61に形成する回折格子構造が一定周期の場合、構造周期が小さくとも斜め方向から観察すると回折現象により肉眼で色が視認されてしまうことがある。
そこで、上記の低反射画素領域61に形成する凹凸構造としては、複数の構造周期を複数設けることで、特定波長の回折効果を低減でき、凹凸構造による低反射効果を高めることができる。
更に、最も望ましい低反射画素領域61に形成する凹凸構造は、周期性を有していない凹凸構造である。
表面反射を抑制するための構造設計としては、蛾の眼に代表される突起構造の集合体でも良い。図1(c)に示した低反射画素領域62に形成する凹凸構造は、蛾の眼を模した突起構造の集合体とした。上記の凹凸構造で表面反射を抑制するためには、上面及び底面のような、基材に対して水平方向の平面を有していないことが理想的と言える。
また、上記の凹凸構造の周期性の有無について、周期性が無いことが理想的と言えるが、周期性を有していても一定の表面反射抑制効果は得ることができる。
周期性を有する場合は、その構造周期が可視光波長領域より小さく、更に可視光波長領域に共鳴波長を有する導波モード共鳴格子層の構造周期よりも小さいことが望ましいが、大きくても一定の反射抑制効果は得られる。また、構造周期が複数存在することでも反射抑制効果は高くなる。
図1(b)、もしくは図1(c)に示した表示体を製造するためには、例えばスパッタリング等の既知の成膜方法を用いて基材表面、もしくは裏面に各層を順次形成し、その後、例えば荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングのような既知の微細加工技術によって格子層を所望の形状に加工すれば良い。
また、導波層に導電性のある材料を適用することにより、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、荷電粒子線リソグラフィ用レジストを格子層として適用することも可能である。
導波層が絶縁材料で構成される場合、形成する凹凸構造が例えば紫外線リソグラフィにより解像可能であれば、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、紫外線リソグラフィ用レジストを格子層として適用することも可能である。
一方、紫外線リソグラフィでは解像しない凹凸構造であっても、例えば熱、もしくは紫外線ナノインプリントリソグラフィを用いれば、上記の格子層に必要とされる光学特性を満足すれば、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂、もしくは紫外線硬化性樹脂を格子層に適用することも可能である。
但し、ナノインプリントリソグラフィを適用する場合、該工程特有の残膜が生じるため、これをプラズマ暴露により除去する必要がある。この場合、導波層を形成する材料は、残膜除去条件に対して耐性を有している必要がある。
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態に係る導波モード共鳴を利用した画素、又は副画素の断面概略図を示したものである。
図2(a)に示した表示体では、基材12の表面に吸収層42が形成される。吸収層42は例えば炭素や酸化鉄等可視光波長領域の光を吸収する材料を適用することが可能だが、これらの材料の可視光波長領域に対する屈折率は2以上と高い。
そこで、導波モード共鳴現象を発生させるため、吸収層42の表面には低屈折率層71を形成する。更に低屈折率層71の表面には画素領域54に回折格子構造が形成された導波モード共鳴格子層81を形成する。
導波モード共鳴格子層81は、光を回折する回折格子構造と、回折された光が伝搬する導波層が単一の材料で形成された構造となっている。
低屈折率層71、及び導波モード共鳴格子層81は可視光波長領域の光を透過する材料で構成されるが、低屈折率層71よりも導波モード共鳴格子層81の方が可視光波長領域に光に対する屈折率が高い材料で構成される。
回折格子構造が形成された画素領域54では、共鳴した波長が反射され、共鳴波長以外の光は低屈折率層71を透過し、吸収層42で吸収される。よって、反射した共鳴波長の色のみが人の肉眼で高コントラストに視認される。
更に、上記の吸収層42による可視光の吸収率を調整することにより、画素領域51の反射コントラストを調整することが可能となる。
一方、画素領域54を除く領域では、入射光は、回折格子構造の形成されていない導波モード共鳴格子層81、低屈折率層71を透過し、吸収層42で吸収される。しかしながら、導波モード共鳴格子層81、低屈折率層71、吸収層42は異なる材料で構成されるため、各界面で反射が生じてしまう。薄膜、もしくは多層膜干渉現象を生じ、人の肉眼で干渉による色が視認されてしまう。
上記の干渉による色の視認を防止するために、例えば図2(b)や図2(c)に示すように導波モード共鳴格子層82、もしくは83の画素領域55、もしくは56が形成されていない領域に凹凸構造を有する低反射画素領域63もしくは64を形成する。
このような凹凸構造を形成することにより、導波モード共鳴格子層82、もしくは83の画素領域55、もしくは56が形成されていない領域(低反射画素領域63もしくは64)の表面反射を抑制することができる。
加えて、低屈折率層71の薄膜干渉による可視光波長領域の反射を抑制するため、該低屈折率層の膜厚を30nm以下とするか、もしくは5μm以上とすることが望ましい。
これらの方法により、画素領域55、もしくは56では反射した共鳴波長の色のみが、低反射画素領域63もしくは64では黒色が人の肉眼で高コントラストに視認される。
上記の低反射画素領域に形成する凹凸構造は、表面反射を抑制する構造設計であれば良い。例えば、図2(b)に示した低反射画素領域63に形成する凹凸構造を、一定周期の回折格子構造とする。
上記の回折構造体の構造周期が、例えば可視光波長よりも大きい場合、回折格子構造表面での回折現象により表示体を表面から観察しても、斜め方向から観察しても可視光が視認されてしまう。
また、上記の回折構造体の構造周期が、画素領域55に形成する導波モード共鳴格子層の構造周期と同じであると、導波モード共鳴現象が発生し、共鳴条件を満足する角度で観察すると、共鳴した波長の光が反射されてしまう。
よって、上記の低反射画素領域63に形成する回折構造体の構造周期としては、可視光波長領域より小さく、更に可視光波長領域に共鳴波長を有する導波モード共鳴格子層の構造周期よりも小さくある必要がある。
但し、上記の低反射画素領域63に形成する回折格子構造が一定周期の場合、構造周期が小さくとも斜め方向から観察すると回折現象により肉眼で色が視認されてしまうことがある。
そこで、上記の低反射画素領域63に形成する凹凸構造としては、複数の構造周期を複数設けることで、特定波長の回折効果を低減でき、凹凸構造による低反射効果を高めることができる。
更に、最も望ましい低反射画素領域63に形成する凹凸構造は、周期性を有していない凹凸構造である。
表面反射を抑制するための構造設計としては、蛾の眼に代表される突起構造の集合体でも良い。図2(c)に示した低反射画素領域64に形成する凹凸構造は、蛾の眼を模した突起構造の集合体とした。上記の凹凸構造で表面反射を抑制するためには、上面及び底面のような、基材に対して水平方向の平面を有していないことが理想的と言える。
また、上記の凹凸構造の周期性の有無について、周期性が無いことが理想的と言えるが、周期性を有していても一定の表面反射抑制効果は得ることができる。
周期性を有する場合は、その構造周期が可視光波長領域より小さく、更に可視光波長領域に共鳴波長を有する導波モード共鳴格子層の構造周期よりも小さいことが望ましいが、大きくても一定の反射抑制効果は得られる。また、構造周期が複数以上存在することでも反射抑制効果は高くなる。
図2(b)、もしくは図2(c)に示した表示体を製造するためには、例えばスパッタリング等の既知の成膜方法を用いて基材表面、に各層を順次形成し、その後、例えば荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングのような既知の微細加工技術によって導波モード共鳴格子層表面を所望の形状に加工すれば良い。
また、導波モード共鳴格子層の材料を、上記の導波モード共鳴格子層に必要とされる光学特性を満足する、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂、もしくは紫外線硬化性樹脂とし、導波モード共鳴格子層をナノインプリントリソグラフィにより形成する場合、該工程特有の残膜を導波層として利用できるため、表示体製造工程が簡便化できる。
但し、ナノインプリントリソグラフィ工程で形成される残膜厚は、凹凸構造の凸部、もしくは凹部の体積により変動する。
よって、図2(b)、又は図2(c)に示した画素領域55、又は56と、低反射画素領域63、又は64を熱、又は紫外線ナノインプリントリソグラフィにより一括形成する場合、上記の画素領域55、又は56と、低反射画素領域63、もしくは64の凸部、もしくは凹部の体積が大きく異なると、上記の画素領域55、もしくは56の残膜厚が、低反射画素領域63、又は64の影響により変化してしまい、その結果、導波モード共鳴条件を満足せず、所望の光を反射する表示体が得られない。
例えば、上記の画素領域56に形成する緑色を導波モード共鳴により反射させるため、構造周期360nm、構造高さ250nm、凸部を構造周期で除したフィルファクタが0.5、残膜厚、すなわち導波層膜厚100nmの導波モード共鳴格子層を形成するとして、上記の低反射画素領域64には構造周期200nmの四角錘形状の突起構造を正方配列で隙間無く配置させる設計とする。この場合、上記の画素領域56と上記の低反射画素領域64の面積を同じであるとすると、上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の構造高さを、上記の画素領域56に形成する回折構造体の構造高さ250nmと等しくしてしまうと、上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の凸部体積は、上記の画素領域56に形成する回折構造体の凸部体積の2/3となる。
一方、上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の凸部体積を、上記の画素領域56に形成する回折構造体の凸部体積と等しくするためには、上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の構造高さを375nmとしなくてはならないが、上記の画素領域56に形成する回折構造体の構造高さと導波層膜厚の合計350nmを超えてしまい、ナノインプリント法により一括形成することは困難である。
尚、上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の構造高さを340nmとすれば、残膜厚は10nm程度となり、ナノインプリント法による一括形成は可能である。
上記の低反射画素領域64に形成する四角錘突起構造の構造高さを340nmの場合、上記の画素領域56と低反射画素領域64の凸部体積差は10%程度である。
更に、突起構造の形状を釣鐘型にすることにより、突起構造の高さを250nmとしても上記の画素領域56と低反射画素領域64の凸部体積を等しくすることが可能である。
以上から、図2(b)、もしくは図2(c)に示す表示体の導波モード共鳴格子層82、もしくは83をナノインプリント法で一括形成する場合には、上記の画素領域55、もしくは56と、低反射画素領域63、もしくは64の凸部、もしくは凹部の体積は等しいことが好ましい。
そのためには、突起構造を配列する低反射画素領域64では、構造の形状を釣鐘型が好ましい。
但し、上記の画素領域55、もしくは56と、低反射画素領域63、もしくは64の凸部、もしくは凹部の体積に差がある場合でもナノインプリントによる一括形成が可能であること、又は残膜厚が残膜として形成される導波層を伝搬する光と、上記の画素領域55、もしくは56に形成された回折構造体により回折された可視光波長領域の光の共鳴条件を満足する範囲であれば、本発明が適用可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
以下、本発明を用いて副画素を作製した実施例について図面を用いて説明する。図3は本発明の実施例にて作製した表示体の模式図である。(a)は表示体を真上から見た平面図であり、(b)は断面を模式的に示した図である。
本実施例では、紫外線を光源とした紫外線ナノインプリント法を採用したが、材料の屈折率が条件を満たせば、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂を用いた熱ナノインプリント法を適用しても良い。
まず、紫外線ナノインプリントに使用する合成石英モールド(紫外線ナノインプリント用合成石英モールド)を用意した。該合成石英モールドに形成したのは、図3に示した表示体の凹凸が反転した構造である。
上記の合成石英モールドを用いて転写した際に、回折格子構造形成領域57に相当する領域には構造周期360nm、構造高さ250nm、凹凸寸法比1:1、形状は矩形である1次元回折格子パターンを、低反射画素領域65には構造周期200nm、構造高さ250nmの釣鐘型構造の反転パターンをそれぞれ形成した。
上記の回折格子パターンと上記の釣鐘構造の反転パターンでは、パターン形状が大きく異なるため、該合成石英モールドへのパターン形成は、上記の回折格子パターンと上記の釣鐘構造の反転パターンについて、それぞれ個別に荷電粒子線リソグラフィとプラズマエッチングを行った。
上記の合成石英モールド表面に、離型剤としてオプツール(ダイキン工業製)を塗布した。
次に、合成石英基板13を準備し、半分の面積をマスキングした状態で裏面に炭素を蒸着し、炭素膜43が裏面黒色領域91に形成した。膜厚は1μmとした。
続いて、該裏面半分に炭素膜43が形成された合成石英基板13表面に、膜厚225nmの光硬化性樹脂MUR(丸善石油化学製)を塗布し、離型剤が塗布された合成石英モールド表面を接触させ、2MPaの圧力をかけ、合成石英モールドの裏面より波長365nmの紫外光(紫外線:UV)を照射し、光硬化性樹脂MUR層を硬化させた。該処理は室温で行い、紫外光の露光量は100mJ/cmとした。
上記の合成石英モールドから、合成石英基板13を剥がし、図3(a)に示した表示体を得た。
当該表示体の下に白色紙を敷き、自然光の基で正面から観察した結果、まず裏面黒色領域91内の、回折格子構造形成領域57、及び低反射画素領域65を除く領域は、人の肉眼で赤と青が混合した干渉色が視認されたが、低反射画素領域65の領域では、上記の干渉色は殆ど視認されず、黒色であることが確認された。
また、裏面に炭素膜43が形成されていない領域において、回折格子構造形成領域57、及び低反射画素領域65を除く領域は、白色に混ざって赤と青が混合した干渉色が視認されたが、低反射画素領域65の領域では、上記の干渉色は殆ど視認されず下に敷いた白色紙に近い白色であることが確認された。
更に、回折格子構造形成領域57において、裏面黒色領域91内と、裏面に炭素膜43が形成されていない領域の色を比較すると、裏面黒色領域91内において非常にコントラストの高い緑色が確認された。
そこで、別の合成石英基板を用意し、炭素膜の膜厚のみ50nmに変更し、合成石英基板13と同じ工程で表示体を作製した。
その結果、炭素膜の膜厚が50nmの表示体においても、回折格子構造形成領域57においては、裏面に炭素膜が存在することにより緑色のコントラストが高くなることは確認されたが、炭素膜1μm表示体と比較すると、炭素膜の薄膜化による可視光波長領域の光の吸収率の差によるコントラストの低下が確認された。
よって、可視光波長領域光吸収層の吸収率を変化させることにより、同じ構造周期の回折構造体を形成したとしても、反射する色のコントラストを変化させることが可能であることが確認された。
以上のように、本発明に係る表示体は、基材の裏面、もしくは基材表面と導波モード共鳴格子層との間に、共鳴波長領域の光を含む光を吸収する吸収層を設けることに加え、表面に回折格子構造が形成されていない領域に凹凸構造を形成し、該領域における表面反射を低減することができる。これにより、黒色を含め、高い色コントラストを表現できる導波モード共鳴格子層による表示体を提供することができる。
したがって、本発明に係る表示体は、意匠性の高い表示物に利用できる。また、高精度に形成された微細パターンを有する表示体であるため、偽造防止技術等への利用も期待される。
11、12 基材
13 合成石英基板
21 導波層
31、32、33 格子層
41、42 吸収層
43 炭素膜
51、52、53、54、55、56 画素領域
57 回折格子構造形成領域
61、62、63、64、65 低反射画素領域
71 低屈折率層
81、82、83 導波モード共鳴格子層
91 裏面黒色領域

Claims (8)

  1. 基材の表面側に、格子層と導波層とが順に積層され、
    前記基材の表面と前記導波層との間に、吸収層が形成され、
    前記格子層は、回折格子構造により回折された光と、前記導波層を伝搬する光とが共鳴し、共鳴波長領域の光が反射される画素領域を有し、更に前記画素領域を除く領域に表面反射を低減する凹凸構造の集合体からなる低反射画素領域を有し、
    前記吸収層は、少なくとも前記共鳴波長領域の光を吸収し、
    前記導波層と隣接した下層に低屈折率層が形成され、
    前記導波層は、前記低屈折率層よりも光の波長に対する屈折率が高い材料で構成され、
    前記低屈折率層は、その膜厚が30nm以下である、または5μm以上であり、
    前記吸収層の表面には、前記低屈折率層が形成されていることを特徴とする表示体。
  2. 前記導波層は、前記導波層と隣接した下層よりも光の波長に対する屈折率が高い材料で構成され、
    前記格子層は、前記導波層と比べて光の波長に対する屈折率が同じ材料、または低い材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 前記低反射画素領域の凹凸構造の構造周期は、前記画素領域の前記回折格子構造の構造周期よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示体。
  4. 前記低反射画素領域の凹凸構造の構造周期は、少なくとも2種類以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示体。
  5. 前記低反射画素領域の凹凸構造には、上面及び底面のない突起構造が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示体。
  6. 少なくとも前記格子層は、樹脂材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示体。
  7. 前記導波層と前記格子層とは、同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表示体。
  8. 前記導波層と前記格子層とは、同一の材料で一体的に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示体。
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