JP6672524B2 - エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法 - Google Patents

エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6672524B2
JP6672524B2 JP2019501896A JP2019501896A JP6672524B2 JP 6672524 B2 JP6672524 B2 JP 6672524B2 JP 2019501896 A JP2019501896 A JP 2019501896A JP 2019501896 A JP2019501896 A JP 2019501896A JP 6672524 B2 JP6672524 B2 JP 6672524B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
unsubstituted
substituted
airgel
aerogel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019501896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019519462A (ja
Inventor
オ、キョン−シル
チェ、ヒ−チョン
チャン、ヨン−レ
イ、チェ−キュン
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Priority claimed from PCT/KR2017/008650 external-priority patent/WO2018030796A1/ko
Publication of JP2019519462A publication Critical patent/JP2019519462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6672524B2 publication Critical patent/JP6672524B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/113Silicon oxides; Hydrates thereof
    • C01B33/12Silica; Hydrates thereof, e.g. lepidoic silicic acid
    • C01B33/14Colloidal silica, e.g. dispersions, gels, sols
    • C01B33/157After-treatment of gels
    • C01B33/158Purification; Drying; Dehydrating
    • C01B33/1585Dehydration into aerogels
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本出願は、2016年8月9日付けの韓国特許出願第2016‐0101072号および2017年8月9日付けの韓国特許出願第2017‐0101114号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法に関し、常温および高温疎水性、耐久性がいずれも優れたエアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法に関する。
エアロゲルは、SiO2ナノ構造体が不織布のように粗く絡み合ってなる、空気が全体積の98%を占める多孔性構造の物質である。エアロゲルは、高い気孔率とナノ水準の微細気孔および高い比表面積を有しており、超軽量、超断熱および低誘電率特性を示す。これにより、断熱材および環境にやさしい高温型断熱材、高集積素子用の極低誘電薄膜、触媒および触媒担体、スーパーキャパシタ用の電極または海水淡水化用の電極材料としての研究も活発に行われている。
エアロゲルの最大の利点は、従来のスタイロフォームなどの有機断熱材よりも低い、0.300W/m・K以下の熱伝導率を示すスーパー‐断熱性(super‐insulation)である。また、エアロゲルは、有機断熱材の致命的な弱点である火事脆弱性と火事時の有害ガス発生の恐れがないことから、高温断熱材として使用されている。
しかし、高温断熱材の場合、低い熱伝導性とともに耐久性が重要な要素であり、耐久性のためには、水分浸透による熱変性を防止しなければならない。
このために、水分浸透を防ぐことができる表面疎水化処理が必須である。エアロゲル表面の疎水化基が、熱によって酸化することなく安定しているほど、優れた耐久性を示すことができる。
従来、エアロゲルの合成時に前駆体としてテトラエトキシシラン(TEOS)または加水分解されたTEOSを使用しており、水とアルコール、また、酸または塩基触媒を使用して湿潤ゲルの気孔率を調節し、疎水性表面変形後、超臨界乾燥と常圧乾燥により疎水性を有するエアロゲルを製造した。
しかし、湿潤ゲルの製造後、湿潤ゲルの表面に対する疎水性表面変形をする場合、液体/固体の2相であることから単相の液体状態でよりも反応効率が低い。したがって、湿潤ゲルの表面疎水化処理の際に多量の表面疎水化剤を使用することになり、結果、残留する表面疎水化剤により熱によって容易に酸化し、高温耐久性に劣るという問題がある。
本発明の目的は、常温および高温疎水性に優れるだけでなく、耐久性にも優れたエアロゲル前駆体を提供することにある。
本発明の他の目的は、常温および高温疎水性、高温安定性および断熱性がいずれも優れたエアロゲルを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、常温および高温疎水性、高温安定性および断熱性がいずれも優れたエアロゲルブランケットを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、別の溶媒置換工程を経ないエアロゲルの製造方法を提供することにある。
本発明は、下記化学式1で表される構造単位と、下記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を100:1〜100:20のモル比で含み、重量平均分子量が1,000〜6,000g/molであり、45〜60℃で24時間加熱した後の粘度が2.0〜4.0cpsであることを特徴とするエアロゲル前駆体を提供する。
前記化学式1〜4中、
1〜L4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、直接結合またはOであり、
Xは、Si、Ti、Zr、HfまたはRfであり、
1は、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換または非置換のC4〜C20の直鎖状アルケニル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基または置換または非置換のC5〜C20のアリール基であり、
2は、ハロゲン、水酸化基、置換または非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC1〜C20のアルキロイル基、置換または非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基である。
本発明は、下記化学式21で表される化合物と下記化学式22で表される化合物を100:1〜100:20のモル比でアルコールと混合し、混合物を製造する第1のステップと、前記混合物を加水分解および重縮合する第2のステップとを含むことを特徴とする前記エアロゲル前駆体の製造方法を提供する。
前記化学式21および22中、
Rは、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基または置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基であり、
Xは、Si、Ti、Zr、HfまたはRfであり、
1は、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換または非置換のC4〜C20の分岐状アルケニル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基、または置換または非置換のC5〜C20のアリール基であり、
2は、ハロゲン、水酸化基、置換または非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC1〜C20のアルキロイル(alkyloyl)基、置換または非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基である。
本発明は、前記エアロゲル前駆体と塩基触媒とを混合し、pH≧3で湿潤ゲルを形成するステップと、前記湿潤ゲルと疎水性剤とを混合し、表面変形させるステップと、前記表面変形されたゲルを乾燥するステップとを含むことを特徴とするエアロゲルの製造方法を提供する。
本発明によるエアロゲル前駆体は、優れた常温および高温疎水性を有し、耐久性にも優れており、量産の後、長期間保管しながら用いることができる。また、本発明のエアロゲル前駆体は、エアロゲルの製造時に生成される湿潤ゲルにも疎水性が与えられることから、湿潤ゲルと有機溶媒との相溶性が改善することができ、これにより、表面変形時に効率を高めることができ、表面変形剤の使用量を低減することもできる。
本発明のエアロゲルとエアロゲルブランケットは、常温および高温疎水性、高温安定性および断熱性がいずれも優れることができる。
合成例4のエアロゲル前駆体の50℃での経時的粘度変化を測定したグラフである。 実施例5および比較例3のエアロゲル内の気孔の分布を示したグラフである。
以下、本発明に関する理解を容易にするために、本発明をより詳細に説明する。
本明細書および請求の範囲に使用されている単語は、通常的且つ辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
本明細書において、「置換または非置換」とは、重水素;シアノ基;C1〜C20の直鎖状アルキル基;C3〜C20の分岐状アルキル基;C2〜C20の直鎖状アルケニル基;C4〜C20の分岐状アルケニル基;C2〜C20の直鎖状アルキニル基;C3〜C20のシクロアルキル基およびC6〜C20のアリール基からなる群から選択される1種以上の置換基で置換または非置換のものを意味する。
本発明に記載の化学式において、
で表されるものは、他の置換基または構造単位と連結されるサイトを意味する。
1.エアロゲル前駆体
本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体は、下記化学式1で表される構造単位と、下記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を100:1〜100:20のモル比で含み、重量平均分子量が1,000〜6,000g/molであり、45〜60℃で24時間加熱した後の粘度が2.0〜4.0cpsである。
前記化学式1〜4中、
1〜L4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、直接結合またはOであり、
Xは、Si、Ti、Zr、HfまたはRfであってもよく、より具体的には、Siであってもよい。
1は、エアロゲル前駆体に疎水性を与える疎水性官能基であり、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換または非置換のC4〜C20の分岐状アルケニル基、置換または非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基、または置換または非置換のC5〜C20のアリール基であり、具体的には、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換または非置換のC3〜C20の分岐状アルキル基、または置換または非置換のC5〜C20のアリール基であってもよい。
前記アルキル基は、置換または非置換のC1〜C10の直鎖状アルキル基または置換または非置換のC3〜C10の分岐状アルキル基であってもよく、これらの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル、イソブチル、sec‐ブチルおよびtert‐ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、またはイソデシルなどが挙げられる。
前記環状アルキル基は、C3〜C20の単環または多環を含み、前記多環は、他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味することができる。ここで、他の環状基は、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であってもよい。前記シクロアルキル基は、置換または非置換のC3〜C10のシクロアルキル基であってもよく、これらの具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基またはシクロデシル基などが挙げられる。
前記アルケニル基は、置換または非置換のC2〜C10の直鎖状アルケニル基、置換または非置換のC4〜C10の分岐状アルケニル基であってもよく、これらの具体例としては、エテニル基、プロフェニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基またはデセニル基などが挙げられる。
前記アルキニル基は、置換または非置換のC2〜C10の直鎖状アルキニル基であってもよく、これらの具体例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基またはデシニル基などが挙げられる。
前記アリール基は、単環または多環を含み、前記多環は、アリールが他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味する。前記アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ピレニル基またはフルオレニル基などが挙げられる。
前記R1は、具体的には、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基または置換または非置換のC3〜C20の分岐状であってもよく、より具体的には、メチル基であってもよい。
2は、それぞれ独立して、互いに同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン、水酸化基、置換または非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換または非置換のC1〜C20のアルキロイル基、置換または非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基であり、具体的には、ハロゲン、水酸化基または非置換のC1〜C20のアルコキシ基であってもよい。
前記ハロゲンは、F、Cl、Br、IおよびAtからなる群から選択される1種であってもよく、具体的には、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される1種であってもよい。
前記アルコキシ基は、C1〜C10のアルコキシ基であってもよく、これらの具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基またはドデシルオキシなどが挙げられる。
前記アルキルオキシ基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、n‐ブチリルオキシ基またはステアロキシ基などが挙げられる。
前記アルキロイロキシ基の具体例としては、プロピオニルオキシ基、n‐ブチリルオキシ基またはステアロイロキシ基などが挙げられる。
前記R2は、具体的には、非置換のC1〜C20のアルコキシ基であってもよく、より具体的には、メトキシ基であってもよい。
前記エアロゲル前駆体は、前記化学式1で表される構造単位と下記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を、好ましくは100:1〜100:15、より好ましくは100:4〜100:10のモル比で含むことができ、重量平均分子量は、好ましくは1,000〜5,500g/mol、より好ましくは1,000〜3,500g/molであってもよい。
前記構造単位のモル比および重量平均分子量を満たすと、前記エアロゲル前駆体がそれ自体で優れた疎水性を有することができる。また、耐久性に優れており量産が可能で、量産の後、長期間保管しながらエアロゲル製造工程に用いることができる。また、前記エアロゲル前駆体は、エアロゲルまたはエアロゲルブランケットの製造過程で生成される湿潤ゲルに疎水性を与えることができる。また、前記疎水性が与えられた湿潤ゲルは、有機溶媒との相溶性が改善し、これにより、エアロゲルまたはエアロゲルブランケットの製造工程中に表面変形工程で効率を高めることができ、表面変形剤の使用量を低減することもできる。本発明のエアロゲル前駆体で製造されたエアロゲルまたはエアロゲルブランケットは、常温および高温疎水性に優れているだけでなく、高温熱安定性および断熱性にも優れる。
前記エアロゲル前駆体は、45〜60℃で24時間加熱した後の粘度が2.0〜4.0cpsであり、好ましくは2.5〜3.5cps、より好ましくは2.8〜2.9cpsである。前記エアロゲル前駆体は、加熱後だけでなく、加熱前および加熱中にも上述の粘度範囲を維持することができる。
通常、エアロゲル前駆体を45〜60℃で1時間放置することは、常温(23±3℃)で1時間放置することを意味する。前記エアロゲル前駆体が上述の粘度条件をいずれも満たすということは、常温で6ヶ月以上、2.0〜4.0cpsの粘度、好ましくは2.5〜3.5cps、より好ましくは2.8〜2.9cpsを維持し、耐久性に優れるということを意味する。
一方、前記エアロゲル前駆体内の前記化学式1で表される構造単位のSiは、O(酸素)を媒介として前記化学式1で表される構造単位のSiと互いに連結され得る。具体的には、前記エアロゲル前駆体は、下記化学式5で表される構造単位を含むことができる。
1〜L4に関する定義は、前記化学式1に記載の通りである。
前記化学式1で表される構造単位のSiと前記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1種以上のXは、O(酸素)を媒介として互いに連結され得る。具体的には、前記エアロゲル前駆体は、下記化学式6〜8で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
X、L1、L3、L4、R1およびR2に関する定義は、前記化学式1〜4に記載の通りである。
前記化学式6で表される構造単位は、下記化学式6‐1〜化学式6‐3で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
前記化学式7で表される構造単位は、下記化学式7‐1〜化学式7‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式8で表される構造単位は、下記化学式8‐1〜化学式8‐3で表される構造単位からなる群から選択される1種以上であってもよい。
前記化学式6‐1〜6‐3、7‐1〜7‐3、8‐1〜8‐3中、
Rは、置換または非置換のC1〜C3の直鎖状アルキル基または置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基であり、具体的には、置換または非置換のC1〜C3の直鎖状アルキル基であってもよく、より具体的には、エチル基であってもよい。
XとR1およびR2に関する定義は、前記化学式2〜4に記載の通りである。
一方、前記エアロゲル前駆体は、前記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される2種以上を含むことができる。前記構造単位を2種以上含むと、最終生産品であるエアロゲルの高温疎水化,熱安定性がより優れることができる。前記構造単位が2種以上含まれる場合、互いに同一の構造単位を2種以上含んでもよく、互いに異なる構造単位を2種以上含んでもよい。互いに同一の構造単位2種以上を含む場合、前記化学式2〜4で表される構造単位のXは、Oを媒介として互いに連結され得る。具体的には、下記化学式9および10で表される構造単位からなる群から選択される1種以上で表され得る。
前記化学式9および10中、
XとR1およびR2に関する定義は、前記化学式2〜4に記載の通りである。
互いに異なる構造単位を2種以上含む場合、前記化学式2〜4で表される構造単位のXは、Oを媒介として互いに連結され得る。具体的には、下記化学式11〜13で表される構造単位からなる群から選択される1種以上で表され得る。
前記化学式11〜13中、
XとR1およびR2に関する定義は、前記化学式2〜4に記載の通りである。
前記エアロゲル前駆体において、前記化学式1で表される構造単位のSiと前記化学式9〜13で表される構造単位のうち1種以上のXは、O(酸素)を媒介として互いに連結され得る。具体的には、前記エアロゲル前駆体は、前記化学式1で表される構造単位と、下記化学式14〜化学式18で表される構造単位からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
前記化学式14〜18中、
XとR1およびR2に関する定義は、前記化学式2〜4に記載の通りである。
前記化学式14で表される構造単位は、下記化学式14‐1〜14‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式15で表される構造単位は、下記化学式15‐1〜15‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式16で表される構造単位は、下記化学式16‐1〜16‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式17で表される構造単位は、下記化学式17‐1〜化学式17‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式18で表される構造単位は、下記化学式18‐1〜化学式18‐3で表される構造単位からなる群から1種以上を含むことができる。
前記化学式14‐1〜14‐3、15‐1〜15‐3、16‐1〜16‐3、17‐1〜17‐3、18‐1〜化学式18‐3中、
Rは、置換または非置換のC1〜C3の直鎖状アルキル基または置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基であり、具体的には、置換または非置換のC1〜C3の直鎖状アルキル基であってもよく、より具体的には、エチル基であってもよい。
XとR1およびR2に関する定義は、前記化学式2〜4に記載の通りである。
一方、前記化学式1で表される構造単位は、下記化学式21で表される化合物由来のものであってもよく、前記化学式2〜4で表される構造単位は、下記化学式22で表される化合物由来のものであってもよい。
前記化学式21および22中、
R、X、R1およびR2の定義は、化学式6‐1の説明に記載の通りである。
具体的には、前記Rはエチル基、前記Xは、Si、前記R1はメチル基、前記R2はメトキシであってもよい。
本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体の加水分解度は、60%〜95%であってもよい。上述の範囲を満たす場合には、これを用いて形成される湿潤ゲルが短時間で形成され得る。加水分解度が上述の範囲未満の場合には、湿潤ゲルの形成時間が長くなり、エアロゲルの透明性および耐熱性が低下することがある。加水分解度が上述の範囲を超える場合には、これにより製造されたエアロゲル前駆体の耐久性が低下することがある。
一方、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体は、下記化学式21で表される化合物と下記化学式22で表される化合物を100:1〜100:20のモル比でアルコールと混合し、混合物を製造する第1のステップと、前記混合物を加水分解および重縮合する第2のステップとを含む製造方法により製造され得る。
前記化学式21および22中、
R、X、R1およびR2の定義は、前記エアロゲル前駆体の説明に記載の通りである。
前記第1のステップにおいて、前記アルコールは水と相溶性を有しており、前記化学式21および22で表される化合物を溶解できるものであれば、特に限定しない。前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノールからなる群から選択される1種以上であってもよい。
前記アルコールは、前記化学式21および22で表される化合物の合計100重量部に対して、1〜40重量部含まれ得る。上述の範囲を満たすと、エアロゲル前駆体内のシリカ含有量を適切に制御することができる。
前記第2のステップは、具体的には、前記混合物を酸触媒および水を用いて加水分解して反応物を形成する第2‐1のステップと、前記反応物を重縮合し、エアロゲル前駆体を製造する第2‐2のステップとを含むことができる。
前記第2‐1のステップにおいて、前記酸触媒は、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸およびシュウ酸からなる群から選択される1種以上であってもよい。前記酸触媒は、前記化学式21および22で表される化合物の合計100重量部に対して、0.01〜0.1重量部含まれ得る。
前記水は、前記化学式21および22で表される化合物の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部含まれ得、上述の含有量を満たすと、加水分解度を制御し、上述の重量平均分子量および粘度の条件を満たすエアロゲル前駆体を製造することができる。
ここで、前記水と酸触媒は、酸触媒水溶液形態であってもよい。前記酸触媒水溶液は、滴下(dropwise)方式で1滴ずつ滴加される形態で前記混合物に含まれ得る。
前記反応物は、前記第2‐1のステップが完了した時に、色が淡く、温度が常温より高いことがあるが、前記反応物の色が鮮明になり、温度が常温に下がるまで放置した後、前記第2‐2のステップを行ってもよい。
前記第2‐2のステップは、前記反応物を70〜100℃で1時間〜30時間加熱還流し、常温に冷却し、フィルタを用いて減圧濾過してエアロゲル前駆体を製造するステップであってもよい。上述の温度および時間の条件を満たすと、上述の重量平均分子量および粘度の条件を満たすエアロゲル前駆体を製造することができる。
2.エアロゲル
本発明の他の一実施形態によるエアロゲルは、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体を用いて製造され得る。
本発明の他の一実施形態によるエアロゲルは、エアロゲル前駆体内の小さな気孔まですべて疎水化されていることから、常温および高温で優れた疎水性を有することができる。また、前記エアロゲルは、気孔率が高く、熱伝導度が低く、優れた機械的柔軟性を有することができる。
また、前記エアロゲルは、常温でエアロゲル総重量に対して、炭素含有量が10〜15重量%であってもよく、高温でエアロゲル総重量に対して炭素含有量が1〜4%であってもよい。すなわち、エアロゲル内の高い炭素含有量により常温疎水性に優れるだけでなく、高温でも既存のエアロゲルより多い炭素が残留することができ、高温疎水性にも優れることができる。
また、前記エアロゲルは、500m2/g〜800m2/gの比表面積を有してもよい。
また、前記エアロゲルは、複数個の微細気孔を含む粒子状の多孔性構造体であり、ナノサイズの1次粒子、具体的には、平均粒径(D50)が100nm以下の1次粒子が結合されて網状のクラスタ(cluster)を形成する微細構造、すなわち、3次元網目構造で形成され得る。
本発明において、炭素含有量は、EltraのCarbon/Sulfur Analyzer(CS‐800)を用いて測定することができる。また、比表面積は、MicrometricsのASAP 2020機器を用いて分圧(0.11<p/p0<1)による窒素の吸/脱着量で測定することができる。
一方、本発明の他の一実施形態によるエアロゲルは、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体を含むシリカゾルに塩基を添加して湿潤ゲルを製造するステップと、前記湿潤ゲルを熟成するステップと、前記熟成された湿潤ゲルを表面変形させるステップと、前記湿潤ゲルを超臨界乾燥するステップとを含む製造方法により製造され得る。
前記シリカゾルは、エアロゲル前駆体に水およびアルコールをさらに混合することで製造することができる。前記アルコールに関する説明は、エアロゲル前駆体に関する説明において詳述した通りである。
前記塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;または水酸化アンモニウムのような有機塩基が挙げられるが、無機塩基の場合、化合物内に含まれた金属イオンがSi‐OH化合物に配位(coordination)される恐れがあるため、有機塩基が好ましい。具体的には、前記有機塩基は、水酸化アンモニウム(NH4OH)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、モノイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、コリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2‐アミノエタノール、2‐(エチルアミノ)エタノール、2‐(メチルアミノ)エタノール、N‐メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ニトリロトリエタノール、2‐(2‐アミノエトキシ)エタノール、1‐アミノ‐2‐プロパノール、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、またはジブタノールアミンなどが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。より具体的には、前記塩基は、水酸化アンモニウム(NH4OH)であってもよい。
前記塩基は、固体状に投入する時に析出される恐れがあるため、前記の極性有機溶媒によって希釈された溶液状に添加されることが好適であり得る。
前記熟成するステップは、前記湿潤ゲルを適当な温度で放置し、化学的変化が完全に行われるようにするための工程であり、湿潤ゲルに対する熟成工程により、湿潤ゲル内部の網目構造を強化することができる。また、熟成工程の間に湿潤ゲル内部の水分が極性有機溶媒で置換され得、結果、後続の超臨界乾燥工程で湿潤ゲル内部の水分蒸発によるシリカゲルの気孔構造の変形および減少を防止することができる。
前記熟成するステップは、前記湿潤ゲル内の化学的変化が完了するまでに行われ得、具体的には、前記湿潤ゲル‐基材複合体を50〜80℃で1時間〜6時間、より具体的には、60〜75℃で2時間〜4時間熟成溶液に浸漬させることで行われ得る。
前記熟成溶液は、アルコールであってもよく、前記アルコールに関する説明は、上述の通りである。
前記表面変形させるステップは、前記湿潤ゲルを表面変形溶液に浸漬させた後、40〜80℃で1時間〜6時間行われ得る。具体的には、前記表面変形溶液は、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルクロロシラン、シリコンオイル(silicone oil)、アミノシラン、アルキルシラン、ポリジメチルシロキサン、およびジメチルジクロロシランからなる群から選択される1種以上とアルコールを含む溶液であってもよい。前記アルコールに関する説明は、上述の通りである。
前記表面変形させるステップが行われることで、前記湿潤ゲルの気孔が疎水化し、超臨界乾燥時に気孔からの水の除去が容易になり得る。
前記超臨界乾燥するステップは、超臨界二酸化炭素を用いた超臨界乾燥ステップであってもよい。二酸化炭素(CO2)は、常温および常圧では気体状態であるが、臨界点(supercritical point)と呼ばれる所定の温度および高圧の限界を超えると、蒸発過程が行われず、気体と液体との区別ができない、臨界状態となり、この臨界状態にある二酸化炭素を超臨界二酸化炭素という。超臨界二酸化炭素は、分子の密度は液体に近いものの、粘度が低くて気体に近い性質を有しており、拡散が速く、熱伝導性が高いことから乾燥効率が高く、乾燥工程時間を短縮することができる。
前記超臨界乾燥ステップは、超臨界乾燥反応器の中に表面改質された湿潤ゲルを入れた後、液体状態のCO2を充填し、シリカエアロゲル内部の溶媒をCO2で置換する溶媒置換工程を行うことができる。その後、所定の昇温速度、具体的には、0.1/min〜1/minの速度で、30〜80℃、好ましくは40〜70℃に昇温させた後、二酸化炭素が超臨界状態になる圧力以上の圧力、75〜300bar、好ましくは80〜200bar、より好ましくは100bar〜150barの圧力を維持し、二酸化炭素の超臨界状態で所定の時間、具体的には、20分〜1時間維持することができる。一般的には、二酸化炭素は、31℃の温度、73.8barの圧力で超臨界状態になる。二酸化炭素が超臨界状態になる所定の温度および所定の圧力で、2時間〜12時間、より具体的には、2時間〜6時間維持した後、徐々に圧力を除去し、超臨界乾燥ステップを完了することができる。
一方、本発明の他の一実施形態によるエアロゲルは、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体と塩基触媒とを混合し、pH≧3で湿潤ゲルを形成するステップと、前記湿潤ゲルと疎水性剤とを混合して表面変形させるステップと、前記表面変形した湿潤ゲルを乾燥するステップとを含む製造方法によっても製造され得る。
前記湿潤ゲルを形成するステップは、上述のエアロゲルの製造方法に記載の通りである。
前記湿潤ゲルと疎水性剤とを混合して表面変形させるステップは、疎水性剤であるシリル化剤を用いて前記湿潤ゲルの表面をシリル化するステップであってもよい。
また、前記シリル化が行われることで、前記湿潤ゲルの気孔内にある所定の水と使用されたシリル化剤とが反応し、水に対して不溶性の化合物を形成することができ、形成された化合物のモル体積だけ前記気孔内に存在する水が自動置換され得る。また、前記湿潤ゲルのシリル化の間に水に対して不溶性の化合物により、前記湿潤ゲルの気孔内にある水と、水によって形成される水相を湿潤ゲルから容易に分離することができる。かかるシリル化により、別の溶媒置換工程が必要でなくなり得る。
前記シリル化剤は、好ましくは、(R34-nSiCln、(R44-mSi(OR5m、(R63Si‐O‐Si(R63、および(R73Si‐O‐Si(R73からなる群から選択される1種以上であってもよく、ここで、R3〜R7は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換または非置換のC3〜C20の分岐状または環状アルキル基、置換または非置換のC5〜C20のアリール基であってもよく、nおよびmは、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、1〜4であってもよい。
前記シリル化剤は、より好ましくは、シラザン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシロキサンおよびイソプロポキシトリメチルシランからなる群から選択される1種以上であってもよい。
前記シリル化剤は、液体状態または気体状態で用いられ得る。前記液体状態は、シリル化剤の単独であってもよく、アルコールに溶解された状態であってもよい。
前記表面変形した湿潤ゲルを乾燥するステップでの温度は、−30〜200℃、好ましくは0〜150℃であってもよく、圧力は、0.001〜20bar、好ましくは0.01〜5bar、より好ましくは0.1〜2barであってもよく、輻射、対流および接触乾燥によって乾燥することができる。
上述のエアロゲルの製造方法により製造されたエアロゲルは、前記表面シリル化によって被覆された有機性表面基による内部表面の被覆度が、理論的に可能な値の90%以上であってもよい。
本発明において、被覆度は、エアロゲルの内部表面積の平方ナノメートル当たり有機表面基の数を意味する。トリメチルクロロシランによる多孔性SiO2物質の表面変形により、理論的に最大2.8nm-2のトリメチルシリル基(TMS)の被覆度を得ることができる。これは、TMS単位の立体体積(steric bulk)から計算され得るが、これは、文献にアンブレラ効果(umbrella effect)として記述されている。Si‐C(0.189nm)およびC‐H(0.108nm)結合長さおよびTMS分子のファンデルワールス半径から必要な空間がTMS分子当たり約0.36nm2に算定される。換算すると、これは、nm2当たりTMSの被覆度に相当する(W.Urbaniak,F.Janowski,B.Marciniec,F.Wolf,React.Kinet.Catal,Lett,1987,34,129;K.K.Unger,Journal of Chromatography Library 1979,16,64;E.V.Broun,A.Ya.Korolev,L.M.Vinogradova,R.V.Artamonova,T.V.Men’kova,Russ.J.Phys.Chem.1970,44,442)。
前記被覆度は、下記公式を用いて計算され得る。
被覆度=([C]/[BET]×K;単位:[nm-2
K=6.022×1023/100×12×3×1018=167.28;単位:[g-1
[C]:重量%でのC含有量
[BET]:BET表面積;単位:[m2/g]
3.エアロゲルブランケット
本発明のさらに他の一実施形態によるエアロゲルブランケットは、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体を用いて製造され得る。
本発明のさらに他の一実施形態によるエアロゲルブランケットもエアロゲル前駆体内の小さな気孔まですべて疎水化されていることから、常温および高温で優れた疎水性を有することができる。また、前記エアロゲルブランケット内に含まれたエアロゲルも気孔率が高く、熱伝導度が低く、優れた機械的強度を有することができる。
本発明のさらに他の一実施形態によるエアロゲルブランケットは、熱伝導度が20mW/mK以下の断熱性に優れたエアロゲルブランケットであり得る。
本発明において、熱伝導度は、NETZSCH社製のHFM436 Lambda装備を用いて測定することができる。
一方、本発明のさらに他の一実施形態によるエアロゲルブランケットは、本発明の一実施形態によるエアロゲル前駆体を含むシリカゾルにブランケット用基材を浸漬させた後、塩基を添加して湿潤ゲル‐基材複合体を製造するステップと、前記湿潤ゲル‐基材複合体を熟成するステップと、前記熟成された湿潤ゲル‐基材複合体を表面変形させるステップと、前記湿潤ゲル‐基材複合体を超臨界乾燥するステップとを含む製造方法により製造され得る。
前記ブランケット用基材は、フィルム、シート、網、繊維、多孔質体、発泡体、不織布体またはこれらの2層以上の積層体であってもよい。また、用途に応じて、その表面に表面粗さが形成されていたりパターン化されていてもよい。より具体的には、前記ブランケット用基材は、ブランケット用基材内にエアロゲルの挿入が容易な空間または空隙を含むことで、断熱性能をより向上させることができる繊維であってもよい。また、前記ブランケット用基材は、低い熱伝導度を有することが好適であり得る。
具体的には、前記ブランケット用基材は、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアラミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの共重合体など)、セルロース、カーボン、綿、毛、麻、不織布、ガラス繊維またはセラミックウールなどであってもよく、これらに限定されるものではない。より具体的には、前記基材は、ガラス繊維またはポリエチレンを含むものであってもよい。
一方、前記エアロゲルブランケットの製造方法のうち、エアロゲル前駆体を含むシリカゾルにブランケット用基材を浸漬させた以外は、上述のエアロゲルの製造方法に同じ方法で製造され得る。
実施例
以下、下記実施例および実験例によって本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例および実験例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲はこれらの実施例および実験例により限定されるものではない。
<エアロゲル前駆体の製造>
合成例1〜合成例4および比較合成例1
常温(23±3℃)で下記表1に記載の含有量でテトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)およびエタノール(C25OH)(工業用、94〜96体積%)を反応器に投入した後、130rpmの速度で撹拌しながらPH1.0の塩酸水溶液を滴下方式で一滴ずつ1時間滴加し続けて、第1の反応物を製造した。前記第1の反応物を80℃の温度で20時間以上還流させた後、反応を終了し、常温に冷却して第2の反応物を製造した。前記第2の反応物をフィルタを用いて減圧濾過し、表1に記載のTEOS由来の構造単位とMTMS由来の構造単位のモル比と重量分子量を有するエアロゲル前駆体を製造した。
比較合成例2
常温でTEOSとエタノールとシュウ酸水溶液(シュウ酸:0.001M)とを1:5:7のモル比で混合し、シリカアルコルソールを製造した。前記シリカアルコルソールを撹拌しながらMTMSをTEOSに対して0.1のモル比(TEOS:MTMS=100:10)で投入し、エアロゲル前駆体を製造した。しかし、製造直後、自然ゲル化が進み、重量平均分子量を測定することができなかった。
実験例1:エアロゲル前駆体の特性評価
50℃で1時間エアロゲル前駆体を放置することは、常温で1週間エアロゲル前駆体を放置することと同じ効果を実現することができるため、合成例4のエアロゲル前駆体を50℃のオーブンで24時間加熱しながら経時的粘度変化を測定した。また、その結果を図1に示した。
1)粘度測定方法:Viscometer TV‐22(Disk Type,TOKISANGYO Co.LTD)を用いて、100rpm、20℃で測定した。
図1に示されているように、合成例4のエアロゲル前駆体は、50℃で24時間加熱しても比較的一定の粘度を維持することを確認することができた。かかる結果から、本発明による合成例4のエアロゲル前駆体は、製造後、常温で6ヶ月が経過しても一定の粘度を維持することができ、耐久性に優れるということを類推することができた。
<エアロゲルの製造>
実施例1〜実施例4および比較例1
下記表2に記載の合成例1〜合成例4、比較合成例1のエアロゲル前駆体、エタノールおよび水を1:0.5:0.3の重量比で混合し、エアロゲル前駆体溶液を製造した。常温で、前記エアロゲル前駆体溶液に触媒(NH4OH:C25OH=1:12.65の体積比)を1:0.12の重量比で混合し、ゲル化して湿潤ゲルを形成した。前記湿潤ゲルを60℃で1時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲルを60℃で4時間エタノールとヘキサメチルジシラザン(HMDS)の混合物(エタノール:HMDSの体積比=95:5の表面変形溶液を用いて表面変形した。前記表面変形した湿潤ゲルを、50℃および100barの条件でCO2を用いて超臨界乾燥を8時間行い、150℃および常圧の条件で1時間乾燥し、エアロゲルを製造した。
実施例5
表面変形を行っていない以外は、実施例4と同じ方法でエアロゲルを製造した。
実施例6
合成例4のエアロゲル前駆体、エタノールおよび水を1:0.5:0.3の重量比で混合し、エアロゲル前駆体溶液を製造した。常温で、前記エアロゲル前駆体溶液に触媒(NH4OH:C25OH=1:12.65の体積比)を1:0.12の重量比で混合してゲル化し、pH5の湿潤ゲルを形成した。前記湿潤ゲルを60℃で1時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲルを塩酸水溶液で酸性化し、ヘキサメチルジシロキサンとエタノールを添加して常温で5時間撹拌し、水相を1次分離した。常温で24時間撹拌し、水相を2次分離した。エタノールを添加した後、常温で3日間撹拌し、水相を3次分離した。前記ゲルを1時間高温の窒素ストリームで乾燥し、エアロゲルを製造した。
比較例2
TEOSとMTMSを1:3のモル比で混合した混合物、エタノールおよび水を1:0.5:0.3の重量比で混合し、エアロゲル前駆体溶液を製造した。常温で、前記エアロゲル前駆体溶液に触媒(NH4OH:C25OH=1:12.65の体積比)を1:0.12の重量比で混合したが、実施例1〜実施例6のゲル化時間の間にゲル化が行われず、エアロゲルが製造されなかった。
比較例3
比較合成例2で製造されたエアロゲル前駆体を自然ゲル化し、湿潤ゲルを製造した。前記湿潤ゲルを60℃で24時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲルを、50℃および100barの条件でCO2を用いて超臨界乾燥を8時間行い、150℃および常圧の条件で1時間乾燥し、エアロゲルを製造した。
実験例2:エアロゲルの物性評価1
実施例5および比較例3のエアロゲル内の気孔分布を測定し、その結果を図2に示した。図2のx軸は気孔の直径(Pore Diameter、単位:Å)、y軸は気孔の体積(Pore Volume、単位:cm2/g)を意味する。
図2に図示されているように、実施例5のエアロゲル内の気孔は、比較例3のエアロゲル内の気孔に比べ、均一な直径および体積を有して分布していることを確認することができた。
実験例3:エアロゲルの物性評価2
実施例1〜実施例5、比較例1および比較例3のエアロゲルの常温および高温疎水性を評価し、その結果を下記表3に記載した。
1)疎水性評価方法:炭素分析装置(製造社:Eltra、モデル名:Carbon/Sulfur Analyzer(CS‐800))を用いて加熱前後のエアロゲルの炭素含有量を測定した。加熱は、エアロゲルを炉(furnace)に投入した後、450℃で6時間行い、炭素含有量は、エアロゲル総重量に対する炭素重量を測定したものである。
表3に示したように、実施例1〜実施例4のエアロゲルは、加熱前の炭素含有量が10重量%以上であることから、常温疎水性に優れたことを確認することができた。加熱後の実施例1〜実施例4のエアロゲルの炭素含有量が2.5重量%〜3.6重量%であることから、高温疎水性にも比較的優れていることを確認することができた。また、高温で炭素減少率が70〜80%であることから、高温安定性にも比較的優れていることが分かる。
実施例5のエアロゲルは、実施例4のエアロゲルと同じエアロゲル前駆体を用いていたが、表面変形工程のみ行っていないことが相違していた。実施例5のエアロゲルは、加熱後、炭素減少率が71.79%であることから、高温安定性に最も優れていることを確認することができた。
一方、比較例1のエアロゲルは、エアロゲル前駆体が疎水化されなかったため、実施例と同じ条件でエアロゲルを製造しても実施例に比べ、常温疎水性に優れていなかった。また、加熱後、炭素含有量が93.75%も減少して炭素含有量が0.5%に至り、かかる結果から比較例1は、高温疎水性に優れておらず、高温安定性にも劣ることを確認することができた。比較例3の場合、実施例4のように、TEOSとMTMSを同じモル比で用いたエアロゲル前駆体を用いてエアロゲルを製造したが、加水分解および重縮合反応ではない酸触媒縮合反応で製造されたエアロゲル前駆体を用いたことのみ相違した。しかし、比較例3の常温および高温疎水性、高温安定性が、実施例4に比べ著しく低かった。かかる結果から、エアロゲル前駆体の製造方法の差が、エアロゲルの物性、すなわち、疎水性に大きい影響を及ぼすということを確認することができた。
<エアロゲルブランケットの製造>
実施例7
合成例4のエアロゲル前駆体、エタノールおよび水を1:0.5:0.3の重量比で混合し、エアロゲル前駆体溶液を製造した。常温で、前記エアロゲル前駆体溶液に触媒(NH4OH:C25OH=1:12.65の体積比)を1:0.12の重量比で混合し、ガラス繊維を沈積させた後、ゲル化し、湿潤ゲル‐基材複合体を製造した。前記湿潤ゲル‐基材複合体を60℃で1時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲル‐基材複合体を60℃で4時間表面変形した。前記表面変形した湿潤ゲル‐基材複合体を、50℃および100barの条件でCO2を用いて超臨界乾燥を8時間行い、150℃および常圧の条件で1時間乾燥し、エアロゲルブランケットを製造した。
実施例8
表面変形を行っていない以外は、実施例7と同じ方法でエアロゲルブランケットを製造した。
比較例4
比較合成例2で製造されたエアロゲル前駆体にガラス繊維を沈積させた後、自然ゲル化し、湿潤ゲル‐基材複合体を製造した。前記湿潤ゲル‐基材複合体を60℃で1時間熟成した。前記熟成された湿潤ゲル‐基材複合体を60℃で4時間表面変形した。前記表面変形した湿潤ゲル‐基材複合体を、50℃および100barの条件でCO2を用いて超臨界乾燥を8時間行い、150℃および常圧の条件で1時間乾燥し、エアロゲルブランケットを製造した。
比較例5
表面変形を行っていない以外は、比較例4と同じ方法でエアロゲルブランケットを製造した。
実験例4:エアロゲルブランケットの物性評価
実施例7、実施例8、比較例4および比較例5のエアロゲルブランケットの断熱性を評価し、その結果を下記表4に記載した。
2)断熱性評価方法:NETZSCH社製のHFM436 Lambda装備を用いて測定した。
表4に示したように、実施例7および実施例8のエアロゲルブランケットは、熱伝導度が18〜19mW/mKであることから、比較例4および比較例5に比べ、6〜9mW/mKも熱伝導度が高いことを確認することができた。また、エアロゲルブランケットの製造時に表面変形が、エアロゲルブランケットの断熱度の改善に肯定的な影響を及ぼすということを確認することができた。
一方、比較例4および比較例5の場合にも、実施例7および実施例8のように、TEOSとMTMSを同じモル比で用いたエアロゲル前駆体を用いてエアロゲルブランケットを製造したが、加水分解および重縮合反応ではなく、酸触媒縮合反応で製造されたエアロゲル前駆体を用いた。かかる結果からエアロゲル前駆体の製造方法の差が、エアロゲルブランケットの物性、すなわち、断熱度にも大きい影響を及ぼすということを確認することができた。

Claims (18)

  1. 下記化学式1で表される構造単位と、下記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1つ以上を100:1〜100:20のモル比で含み、
    重量平均分子量が1,000〜6,000g/molであり、
    45〜60℃で24時間加熱した後の粘度が2.0〜4.0cpsであることを特徴とする、エアロゲル前駆体。
    前記化学式1〜4中、
    1〜L4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、直接結合またはOであり、
    Xは、Siであり、
    1は、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換もしくは非置換のC4〜C20の分岐状アルケニル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基または置換もしくは非置換のC5〜C20のアリール基であり、
    2は、ハロゲン、水酸化基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキロイル基、または置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基である。
  2. 前記化学式1で表される構造単位と、前記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1つ以上を100:4〜100:10のモル比で含み、
    重量平均分子量が1,000g/mol〜2,000g/molである、請求項1に記載のエアロゲル前駆体。
  3. 前記エアロゲル前駆体は、45〜60℃で24時間加熱した後の粘度が2.5〜3.5cpsである、請求項1または2に記載のエアロゲル前駆体。
  4. 前記エアロゲル前駆体は、常温で6ヶ月以上粘度が2.0〜4.0cpsに維持される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアロゲル前駆体。
  5. 前記エアロゲル前駆体は、常温で6ヶ月以上粘度が2.5〜3.5cpsに維持される、請求項4に記載のエアロゲル前駆体。
  6. 前記化学式1で表される構造単位のSiは、Oを介して前記化学式1で表される構造単位のSiと連結される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアロゲル前駆体。
  7. 前記化学式1で表される構造単位のSiは、Oを介して前記化学式2〜4で表される構造単位からなる群から選択される1つ以上のXと連結される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアロゲル前駆体。
  8. 前記化学式1で表される構造単位は、下記化学式21で表される化合物由来である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアロゲル前駆体。
    前記化学式21中、
    Rは、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状のアルキル基または置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基である。
  9. 前記Rは、エチル基である、請求項8に記載のエアロゲル前駆体。
  10. 前記化学式2〜4で表される構造単位は、下記化学式22で表される化合物由来である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエアロゲル前駆体。
    前記化学式22中、
    Xは、Siであり、
    1は、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換もしくは非置換のC4〜C20の分岐状アルケニル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基または置換もしくは非置換のC5〜C20のアリール基であり、
    2は、ハロゲン、水酸化基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキロイル基、または置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基である。
  11. 前記XはSiであり、前記R1はメチル基であり、前記R2はメトキシである、請求項10に記載のエアロゲル前駆体。
  12. 下記化学式21で表される化合物と下記化学式22で表される化合物を100:1〜100:20のモル比でアルコールと混合し、混合物を製造する第1のステップと、
    前記混合物を酸触媒および水を用いて加水分解し、反応物を製造する第2−1のステップと、
    前記反応物を70〜100℃で1時間〜30時間加熱還流し、常温に冷却し、フィルタを用いて減圧濾過してエアロゲル前駆体を製造する第2−2のステップと
    を含む、請求項1に記載のエアロゲル前駆体の製造方法。
    前記化学式21および22中、
    Rは、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基または置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基であり、
    Xは、Siであり、
    1は、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルケニル基、置換もしくは非置換のC4〜C20の分岐状アルケニル基、置換もしくは非置換のC2〜C20の直鎖状アルキニル基、または置換もしくは非置換のC5〜C20のアリール基であり、
    2は、ハロゲン、水酸化基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルコキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキロイル基、または置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキルオキシ基である。
  13. 前記酸触媒は、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸およびシュウ酸からなる群から選択される1つ以上である、請求項12に記載のエアロゲル前駆体の製造方法。
  14. 請求項1から11のいずれか1項に記載のエアロゲル前駆体と塩基触媒とを混合し、pH≧3で湿潤ゲルを形成するステップと、
    前記湿潤ゲルと疎水性剤とを混合し、表面変形させるステップと、
    前記表面変形されたゲルを乾燥するステップとを含む、エアロゲルの製造方法。
  15. 前記表面変形されたゲルは、前記湿潤ゲルの表面がシリル化されている、請求項14に記載のエアロゲルの製造方法。
  16. 前記疎水性剤は、(R34-nSiCln、(R44-mSi(OR5m、(R63Si‐O‐Si(R63、および(R73Si‐O‐Si(R73からなる群から選択される1つ以上であり、
    3〜R7は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1〜C20の直鎖状アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C20の分岐状もしくは環状アルキル基、または置換もしくは非置換のC5〜C20のアリール基であり、
    nおよびmは、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、1〜4である、請求項14または15に記載のエアロゲルの製造方法。
  17. 前記疎水性剤は、シラザン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシロキサンおよびイソプロポキシトリメチルシランからなる群から選択される1つ以上である、請求項16に記載のエアロゲルの製造方法。
  18. 前記湿潤ゲル内に存在する水の一部が、疎水性剤と反応する、請求項14〜17のいずれか一項に記載のエアロゲルの製造方法。
JP2019501896A 2016-08-09 2017-08-09 エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法 Active JP6672524B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2016-0101072 2016-08-09
KR20160101072 2016-08-09
KR1020170101114A KR101896846B1 (ko) 2016-08-09 2017-08-09 에어로겔 전구체, 이의 제조방법, 이로 제조된 에어로겔 및 이를 이용한 에어로겔의 제조방법
KR10-2017-0101114 2017-08-09
PCT/KR2017/008650 WO2018030796A1 (ko) 2016-08-09 2017-08-09 에어로겔 전구체, 이의 제조방법, 이로 제조된 에어로겔 및 이를 이용한 에어로겔의 제조방법

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019519462A JP2019519462A (ja) 2019-07-11
JP6672524B2 true JP6672524B2 (ja) 2020-03-25

Family

ID=61525057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019501896A Active JP6672524B2 (ja) 2016-08-09 2017-08-09 エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10773964B2 (ja)
EP (1) EP3357927B1 (ja)
JP (1) JP6672524B2 (ja)
KR (1) KR101896846B1 (ja)
CN (1) CN108368135B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113396134B (zh) * 2019-09-30 2022-11-11 株式会社Lg化学 气凝胶毡
JP7272566B1 (ja) 2022-01-08 2023-05-12 台湾気凝膠科技材料開発股▲分▼有限公司 低誘電率エアロゲル及びその調製方法
CN116947045A (zh) * 2023-04-20 2023-10-27 华东理工大学 一种高温稳定性SiZrOC气凝胶的制备方法
CN118083993A (zh) * 2024-04-26 2024-05-28 湖南荣岚智能科技有限公司 一种高弹性、不掉粉的气凝胶复合材料及其制备方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5409683A (en) * 1990-08-23 1995-04-25 Regents Of The University Of California Method for producing metal oxide aerogels
JP2659155B2 (ja) 1992-02-03 1997-09-30 松下電工株式会社 疎水性エアロゲルの製造方法
US5407987A (en) 1993-03-01 1995-04-18 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Polycyclic aromatic group - pendant polysilanes and conductive polymers derived therefrom
DE19624066A1 (de) 1996-06-17 1997-12-18 Hoechst Ag Verfahren zur Herstellung von organisch modifizierten Aerogelen
CN100384726C (zh) 2005-05-19 2008-04-30 同济大学 表面活性可调的纳米多孔二氧化硅气凝胶及其制备方法
KR100741698B1 (ko) * 2006-02-28 2007-07-23 한국생산기술연구원 개질된 에어로겔, 이를 포함하는 코팅제 및 이로부터제조되는 투명 단열재
CN101372337B (zh) * 2008-09-28 2010-12-08 厦门大学 共前驱体法常压干燥制备透明二氧化硅气凝胶的方法
KR101787163B1 (ko) 2014-02-06 2017-11-15 주식회사 엘지화학 구형 실리카 에어로겔 과립의 제조방법
US9862614B2 (en) * 2014-02-06 2018-01-09 Lg Chem, Ltd. Preparation method of hydrophobic silica aerogel
KR101789860B1 (ko) * 2014-02-06 2017-10-25 주식회사 엘지화학 실리카 에어로겔의 제조방법
SG11201702138XA (en) 2014-10-03 2017-04-27 Aspen Aerogels Inc Improved hydrophobic aerogel materials

Also Published As

Publication number Publication date
US10773964B2 (en) 2020-09-15
US20180319669A1 (en) 2018-11-08
EP3357927A4 (en) 2019-02-20
KR20180018401A (ko) 2018-02-21
CN108368135B (zh) 2020-11-17
EP3357927A1 (en) 2018-08-08
JP2019519462A (ja) 2019-07-11
CN108368135A (zh) 2018-08-03
KR101896846B1 (ko) 2018-09-07
EP3357927B1 (en) 2021-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6672524B2 (ja) エアロゲル前駆体、その製造方法、これにより製造されたエアロゲルおよびこれを用いたエアロゲルの製造方法
JP6722283B2 (ja) エアロゲルブランケットの製造方法、およびそれにより製造されたエアロゲルブランケット
Zawrah et al. Facile and economic synthesis of silica nanoparticles
WO2016075906A1 (ja) エアロゲルとその製造方法
JP6757855B2 (ja) シリカエアロゲルブランケットの製造方法、及びこれにより製造されたシリカエアロゲルブランケット
JP7024121B2 (ja) 前加水分解されたポリシリケートの合成方法
CN111115644B (zh) 一种耐高温二氧化硅气凝胶材料
WO2016178560A1 (en) Hydrophobic silica aerogel and method for the preparation thereof
JP6920697B2 (ja) 親水性と疎水性の双極性複合コアシェルエアロゲル粉末の連続的な製造方法
CN107849067B (zh) 气凝胶前体和使用该气凝胶前体制备的气凝胶
KR101227065B1 (ko) 에어로겔과 그의 제조 방법
JP2019147099A (ja) Co2吸着材
JP7127934B2 (ja) エアロゲル前駆体およびそれを用いて製造したエアロゲル
JP4211115B2 (ja) 中空粒子の製造方法
JP4128363B2 (ja) 多孔質ゲルの製造方法
TWI692493B (zh) 連續性製備核殼親疏雙極複合氣凝膠粉末的方法
Shajesh et al. Effect of 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane precursor on the properties of ambient pressure dried silica aerogels
US10786799B2 (en) Method for continuously manufacturing an aerogel powder having a hydrophobic-hydrophilic bipolar core-shell structure
JP2008044825A (ja) ナノ多孔質材料の形成方法
TWI262896B (en) Process for preparing porous silica xerogel
WO2014098107A1 (ja) 中空状有機シリカ構造体及びその製造方法
JP2004346133A (ja) スルホン酸基含有有機高分子シロキサンの製造方法
PT108283B (pt) Método para a preparação de materiais híbridos de polissacarídeo/sílica e método de preparação de partículas magnéticas revestidas com uma camada de material híbrido polissacarídeo/sílica

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6672524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250