JP6668708B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6668708B2
JP6668708B2 JP2015233051A JP2015233051A JP6668708B2 JP 6668708 B2 JP6668708 B2 JP 6668708B2 JP 2015233051 A JP2015233051 A JP 2015233051A JP 2015233051 A JP2015233051 A JP 2015233051A JP 6668708 B2 JP6668708 B2 JP 6668708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
heat treatment
heating
heating element
treatment apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015233051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016200384A (ja
Inventor
竹内 正樹
正樹 竹内
吉田 隆
吉田  隆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd filed Critical Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
Publication of JP2016200384A publication Critical patent/JP2016200384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6668708B2 publication Critical patent/JP6668708B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Furnace Details (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Description

本発明は、熱処理装置に関し、より詳細には、装置本体の内部に載置された対象物に対して例えばろう付け等の熱処理を行う熱処理装置に関するものである。
従来、対象物に対して例えばろう付け等の熱処理を行う熱処理装置として、対象物である金属製品をいずれも略真空状態である第1加熱室、第2加熱室、第1冷却室及び第2冷却室に搬送手段で順次搬送するように構成されたものが知られている。
このような熱処理装置においては、第1加熱室で誘導加熱により対象物をろう材の融点近くまで加熱し、その後に第2加熱室に搬送してこの第2加熱室にてヒータ等が内部空気を加熱することで対象物をろう付け温度まで加熱している。そして、熱処理装置においては、このようにして加熱した対象物を第1冷却室及び第2冷却室の順に搬送させて、それぞれの室にて冷却するようにして所望のろう付け製品が製造されることとなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−115413号公報
ところが、上述した熱処理装置では、対象物である金属製品を第1加熱室、第2加熱室、第1冷却室及び第2冷却室の複数の略真空状態となる室に搬送手段で搬送する必要があったので、複数の室が必要になるとともに搬送手段も必要となり、これにより装置全体の大型化を招来するものであった。また第2加熱室では、ヒータ等が内部空気を加熱することで対象物を加熱するようにしていたので、対象物が搬送される前から第2加熱室の内部空気を十分に加熱する必要があり、保温時の消費電力量も十分に大きいものであった。
尚、上記特許文献1においては、第1加熱室と第2加熱室とが一体化された熱処理装置も提案されているが、第1加熱室と第2加熱室とを一体化させてもこれら加熱室で加熱された対象物を第1冷却室及び第2冷却室に搬送手段で搬送することから装置全体の大型化を招来する問題は依然として残っている。また、第1加熱室と第2加熱室とが一体化されても、一体化された加熱室の前半部分で誘導加熱による加熱を行い、該加熱室の後半部分でヒータによる加熱を行うことから、依然として保温時の消費電力量も十分に大きいものであった。
本発明は、上記実情に鑑みて、装置全体の小型化を図るとともに、消費電力量の低減化を図ることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る熱処理装置は、装置本体の内部に載置された対象物に対して熱処理を行う熱処理装置において、前記対象物の周囲を覆う態様で配設されることにより、該対象物を略密閉された空間に位置させるカバー体と、前記装置本体の内部に配設され、かつ前記対象物を誘導加熱により直接的に加熱、あるいは前記対象物を載置する発熱体を誘導加熱により加熱して該対象物を間接的に加熱する加熱手段と、前記空間に不活性ガスを供給して前記対象物の冷却を行う冷却手段と、前記空間における前記対象物の上方域に配設され、中央部分より縁部に向けて延在する少なくとも1つのスリットが形成された金属板部材とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記熱処理装置において、前記金属板部材は、円形状の形態をなし、かつ前記スリットが前記中央部分より径方向に沿って延在して周方向に互いに離隔して並ぶよう形成されてなることを特徴とする。
また本発明は、上記熱処理装置において、前記スリットは、一端が前記金属板部材の周縁部に連続し、かつ他端が前記中央部分において他のスリットと離隔して形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る熱処理装置は、装置本体の内部に載置された対象物に対して熱処理を行う熱処理装置において、前記対象の周囲を覆う態様で配設されることにより、該対象を略密閉された空間に位置させるカバー体と、前記装置本体の内部に配設され、かつ前記対象物を載置する発熱体を誘導加熱により加熱して該対象物を加熱する加熱手段と、前記空間に不活性ガスを供給して前記対象物を冷却を行う冷却手段と、前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記発熱体の中央部分に対向する部分に切欠が形成された金属板を有する反射部材とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記熱処理装置において、前記反射部材は、前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記発熱体の中央部分に対向する部分に円形状の切欠が形成された円環状の第1金属板と、前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記第1金属板の切欠を通じて前記発熱体の中央部分に対向する円形状の第2金属板とを有することを特徴とする。
また本発明は、上記熱処理装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、それぞれ上下に移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、加熱手段を駆動させて対象物を加熱し、この加熱の終了後に加熱手段を駆動停止にさせてカバー体により形成された空間に対して不活性ガスを供給して対象物の冷却を行うようにしているので、従来のように加熱室から冷却室へ対象物を搬送する搬送手段を必要とせず、装置全体を小型化させることができる。しかも、誘導加熱により対象物を加熱しているので、従来のようにヒータ等で内部空気を予備的に加熱することを必要とせず、結果的に保温時における消費電力量を低減させることができる。そして、対象物の上方域にはスリットが形成された金属板部材が配設されているので、対象物の加熱における熱放射による放熱を抑制しつつ、カバー体の温度上昇を抑制するので、加熱及び冷却を効率よく行うことができる。従って、装置全体の小型化を図るとともに、消費電力量の低減化を図ることができるという効果を奏する。
また本発明によれば、加熱手段を駆動させて対象物を加熱し、この加熱の終了後に加熱手段を駆動停止にさせてカバー体により形成された空間に対して不活性ガスを供給して対象物の冷却を行うようにしているので、従来のように加熱室から冷却室へ対象物を搬送する搬送手段を必要とせず、装置全体を小型化させることができる。しかも、誘導加熱により対象物を加熱しているので、従来のようにヒータ等で内部空気を予備的に加熱することを必要とせず、結果的に保温時における消費電力量を低減させることができる。そして、対象物の上方域には発熱体の中央部分に対向する部分に円形状の切欠が形成された金属板が配設されているので、対象物全体を略均一に加熱しつつ、カバー体の温度上昇を抑制するので、加熱効率及び冷却効率の向上を図ることができる。従って、装置全体の小型化を図るとともに、消費電力量の低減化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1である熱処理装置を模式的に示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1である熱処理装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図3は、図1に示した金属板の平面図である。 図4は、本発明の実施の形態1である熱処理装置を構成する制御部が実施する処理内容を示すフローチャートである。 図5は、図4に示した雰囲気調整処理の処理内容を示すフローチャートである。 図6は、図4に示した加熱処理の処理内容を示すフローチャートである。 図7は、図4に示した冷却処理の処理内容を示すフローチャートである。 図8は、対象物と金属板との距離と、対象物の発熱低減率との関係を示す図表である。 図9は、金属板のスリット数と対象物の発熱量との関係を示す図表である。 図10は、本発明の実施の形態2である熱処理装置を模式的に示す模式図である。 図11は、本発明の実施の形態2である熱処理装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図12は、図10に示した発熱体を示す斜視図である。 図13は、図10に示した反射部材を示す斜視図である。 図14は、図13に示した第1金属板と第2金属板との位置関係を示す拡大断面図である。 図15は、本発明の実施の形態2である熱処理装置を構成する制御部が実施する処理内容を示すフローチャートである。 図16は、図15に示した雰囲気調整処理の処理内容を示すフローチャートである。 図17は、図15に示した加熱処理の処理内容を示すフローチャートである。 図18は、図15に示した冷却処理の処理内容を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る熱処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である熱処理装置を模式的に示す模式図であり、図2は、本発明の実施の形態1である熱処理装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。ここで例示する熱処理装置は、装置本体10、発熱体20、カバー体30、コイル40及びファン50を備えて構成されている。
装置本体10は、断熱板11、脚部12及び箱体13を備えて構成されている。断熱板11(11a及び11b)は、複数(図示の例では2つ)あり、それぞれセラミックス等から形成されて矩形状の板状体である。これら断熱板11は、スペーサ11cを介在させた状態で互いが離隔した状態で積層されている。つまり、2つの断熱板11の間には、間隙11dが形成されている。
脚部12は、複数(例えば4つ)設けられており、それぞれが下側の断熱板11bの4つの頂部の下面より下方に延在する態様で設けられている。
箱体13は、下面が開口した直方状を成すものである。このような箱体13は、前面、後面、左側面及び右側面の各下端部が上側の断熱板11aの各縁端部の上面に載置されることで、上側の断熱板11aの上方域を覆う外壁を構成している。
発熱体20は、円板状の形態を成すものである。この発熱体20は、例えば黒鉛、グラファイト等の電気抵抗率が10−5オーダーの材料から形成されるものである。このような発熱体20は、上側の断熱板11aにおける中央域の上面に載置されている。かかる発熱体20は、自身の上面に熱処理の対象となる対象物(例えば銅や銀等)1を載置させるものである。
カバー体30は、断熱性材料から形成されるもので、例えば半球状の形態を成すものである。このようなカバー体30は、自身の開口部が上側の断熱板11aに閉塞される態様で、該上側の断熱板11aに載置されることにより、発熱体20及び対象物1の周囲を覆う態様で配設されている。これにより、対象物1及び発熱体20は、カバー体30により略密閉された空間に位置することとなる。かかるカバー体30の内面は、反射面を構成している。
このようなカバー体30には、図示せぬ給気口及び排気口が形成されている。給気口は、給気ライン21に連通している。給気ライン21は、箱体13に設けられた第1貫通孔(図示せず)を通過する態様で設けられており、図示せぬボンベ等に封入された窒素ガス等の不活性ガスを空間に供給するためのものである。この給気ライン21の途中にはバルブ22が設けられている。
バルブ22は、後述する制御部80からの指令により開度が調整されるもので、閉成する場合には、不活性ガスの通過を規制する一方、開成する場合には、不活性ガスの通過を許容するものである。
排気口は、排気ライン23に連通している。排気ライン23は、箱体13に設けられた第2貫通孔(図示せず)を通過する態様で設けられている。この排気ライン23は、排気口から流入したガスを外部に排出するためのものである。
コイル40は、下側の断熱板11bよりも下方側に配設されている。より詳細に説明すると次のようになる。装置本体10を構成する脚部12のうち前後一対の関係となる脚部12間には、左右一対となる支持部材41が架設されている。これら支持部材41は、それぞれ上方に向けて突出する態様で延在する上延部42を有している。コイル40は、渦巻形状に巻かれており、これら上延部42の先端部に支持される態様で配設されている。
このようなコイル40は、電気的に接続される電力変換装置43より特定の周波数の電圧が印加される場合に、発熱体20を誘導加熱により加熱する加熱手段である。ここで、電力変換装置43は、いわゆるインバータ回路を内蔵するものであり、商用電源44から与えられる交流を特定の周波数の交流としてコイル40に与えるものである。
ファン50は、コイル40の下方側において、上記左右一対の支持部材41を跨る態様で配設されている。このファン50は、制御部80からの指令により駆動するものであり、駆動する場合に、コイル40に対して空気を送出する送風手段である。
このような熱処理装置は、上記構成の他、入力手段61、酸素濃度検出センサ62、温度検出センサ63、金属板(金属板部材)70及び制御部80を備えて構成されている。
入力手段61は、例えばリモコンのテンキーやキーボード、あるいはタッチパネル式画面等のようなもので、熱処理装置を利用する作業者が各種指令等を入力するための操作入力部である。
酸素濃度検出センサ62は、カバー体30における内面の所定箇所に配設されている。この酸素濃度検出センサ62は、カバー体30が配設される場合に、該カバー体30により形成される空間の酸素濃度を検出するものである。この酸素濃度検出センサ62で検出した酸素濃度は、酸素濃度信号として制御部80に出力されることとなる。
温度検出センサ63は、発熱体20の表面の所定箇所に配設されている。この温度検出センサ63は、発熱体20の温度を検出するものである。この温度検出センサ63で検出した温度は、温度信号として制御部80に出力されることとなる。
金属板70は、図3に示すように例えば円形状の形態をなすものである。この金属板70は、上記空間において対象物1の上方域に中心部分が発熱体20の中心部分の直上となるように配設されている。図には明示していないが、金属板70は、上側の断熱板11aに設けられた支持部、あるいはカバー体30に設けられた支持部により対象物1の上方域に配設されている。
このような金属板70には、複数(図示の例では8つ)のスリット71が放射状に形成されている。より詳細に説明すると、スリット71は、金属板70の中央部分70aより径方向に沿って延在しており、該金属板70の周方向に沿って互いに隣り合う他のスリット71と離隔して並ぶよう形成されている。これらスリット71は、一端が金属板70の周縁部70bに連続しており、他端が中央部分70aにて他のスリット71と離隔して形成されている。つまり、金属板70において互いに隣り合うスリット71間の部分は、中央部分70aを介して他の部分と連結されている。
制御部80は、メモリ81に記憶されたプログラムやデータに従って熱処理装置の動作、すなわち熱処理を統括的に制御するもので、入力処理部80a、比較部80b、バルブ駆動処理部80c、インバータ駆動処理部80d及びファン駆動処理部80eを備えている。
ここでメモリ81には、種々の情報が記憶されており、本実施の形態1において特徴的なものとして基準濃度情報、目標温度情報が記憶されている。基準濃度情報は、後述する熱処理において閾値となる基準濃度(例えば100ppm)が含まれる情報である。目標温度情報は、後述する熱処理において目標値となる目標温度が含まれる情報である。
入力処理部80aは、入力手段61や各種センサ等からの指令や信号等を入力処理するものである。比較部80bは、入力処理部80aを通じて入力処理した検出濃度とメモリ81から読み出した基準濃度とを比較、並びに入力処理部80aを通じて入力処理した検出温度とメモリ81から読み出した目標温度とを比較処理するものである。
バルブ駆動処理部80cは、バルブ22に対して指令を与えて、バルブ22を開成、閉成、並びに開度の増減を行うものである。
インバータ駆動処理部80dは、電力変換装置43に対して指令を与えて、電力変換装置43を駆動、あるいは駆動停止にさせるものである。また、インバータ駆動処理部80dは、電力変換装置43に対して指令を与えることにより、電力変換装置43の出力を増減させてコイル40に印加する電圧の周波数を増減させるものである。
ファン駆動処理部80eは、ファン50に対して指令を与えることにより、ファン50を駆動及び駆動停止にさせるものである。
以上のような構成を有する熱処理装置では、発熱体20の上に対象物1が載置された後にカバー体30が配設されることにより略密閉された空間が形成され、そして、給気ライン21及び排気ライン23が配設された後に箱体13が配置されることで、次のような熱処理を行うことができる。
図4は、本発明の実施の形態1である熱処理装置を構成する制御部80が実施する処理内容を示すフローチャートである。
制御部80は、利用者である作業者が入力手段61を通じて熱処理指令を入力する入力待ちとなっている(ステップS100)。そして、作業者が入力手段61を通じて熱処理指令を入力することで、入力処理部80aを通じて熱処理指令を入力した場合(ステップS100:Yes)、制御部80は、雰囲気調整処理を実施する(ステップS200)。
図5は、図4に示した雰囲気調整処理の処理内容を示すフローチャートである。
この雰囲気調整処理において制御部80は、バルブ駆動処理部80cを通じてバルブ22に対して開指令を与えてバルブ22を開成させる(ステップS201)。このようにバルブ22を開成させた制御部80は、入力処理部80aを通じての酸素濃度信号の入力待ち(ステップS202)、すなわち酸素濃度検出センサ62による酸素濃度検出待ちとなる。
入力処理部80aを通じて酸素濃度信号を入力した場合(ステップS202:Yes)、制御部80は、比較部80bを通じてメモリ81より基準濃度情報を読み出し、酸素濃度信号に含まれる検出濃度が基準濃度情報に含まれる基準濃度(100ppm)以下であるか否かを比較する(ステップS203)。
検出濃度が基準濃度以下の場合(ステップS203:Yes)、制御部80は、バルブ駆動処理部80cを通じてバルブ22に対して開度を減少させる旨の指令を与えることでバルブ22の開度を減少させ(ステップS204)、その後に手順をリターンさせて今回の雰囲気調整処理を終了する。
ここで、ステップS204でのバルブ22に対する開度の減少であるが、開度は減少させても依然としてバルブ22が開成した状態となるようにしている。
このような雰囲気調整処理によれば、カバー体30により略密閉される空間の酸素濃度を100ppm以下に調整することができる。
一方、検出濃度が基準濃度を上回る場合(ステップS203:No)、制御部80は、バルブ駆動処理部80cを通じてバルブ22に対して開度を増大させる旨の指令を与えることでバルブ22の開度を増大させ(ステップS205)、その後に上記ステップS202に戻る。つまり、検出濃度が基準濃度以下となるまでステップS202、ステップS203及びステップS205の処理を繰り返す。
このようにして雰囲気調整処理を実施した制御部80は、加熱処理を実施する(ステップS300)。
図6は、図4に示した加熱処理の処理内容を示すフローチャートである。
この加熱処理において制御部80は、インバータ駆動処理部80dを通じて電力変換装置43に対して駆動指令を与えて電力変換装置43を駆動させるとともに、ファン駆動処理部80eを通じてファン50に対して駆動指令を与えてファン50を駆動させる(ステップS301,ステップS302)。
これによれば、特定の周波数(例えば20kHz程度)の電圧がコイル40に印加されることとなり、発熱体20がコイル40により誘導加熱される。このように発熱体20が加熱されると、発熱体20に載置された対象物1を発熱体20より直接、カバー体30により形成される空間の内部雰囲気を通じて、あるいはカバー体30の内面に反射して熱が伝わることで対象物1が加熱されることとなる。そして、ファン50を駆動させることにより、空気をコイル40に送出することができ、コイル40が必要以上に高温となってしまうことを抑制することができる。
このように電力変換装置43及びファン50を駆動させた制御部80は、内蔵する時計により予め設定された所定時間が経過するまで温調制御処理を行う(ステップS303〜ステップS307)。
この温調制御処理において制御部80は、入力処理部80aを通じて温度信号を入力した場合(ステップS303:Yes)、比較部80bを通じてメモリ81より目標温度情報を読み出し、温度信号に含まれる検出温度が目標温度情報に含まれる目標温度以上であるか否かを比較する(ステップS304)。
制御部80は、検出温度が目標温度以上の場合(ステップS304:Yes)には、インバータ駆動処理部80dを通じて電力変換装置43に対して出力を減少させる旨の指令を与えることでコイル40に印加する周波数を減少させる(ステップS305)一方、検出温度が目標温度未満の場合(ステップS304:No)には、インバータ駆動処理部80dを通じて電力変換装置43に対して出力を増大させる旨の指令を与えることでコイル40に印加する周波数を増大させる(ステップS306)。
制御部80は、このような温調制御処理を所定時間が経過するまで行い、所定時間が経過した場合(ステップS307:Yes)、インバータ駆動処理部80dを通じて電力変換装置43に対して駆動停止指令を与えて電力変換装置43を駆動停止にさせ(ステップS308)、その後に手順をリターンさせて今回の加熱処理を終了する。
このような加熱処理によれば、発熱体20を目標温度に一致するよう誘導加熱することで対象物1を加熱処理することができる。また、この加熱処理中は、次の冷却処理に比べて不活性ガスの供給量を減少させることで、カバー体30により形成される空間の温度が必要以上に低下することを防止する。
このようにして加熱処理を実施した制御部80は、冷却処理を実施する(ステップS400)。
図7は、図4に示した冷却処理の処理内容を示すフローチャートである。
この冷却処理において制御部80は、バルブ駆動処理部80cを通じてバルブ22に対して開度を増大する旨の指令を与えてバルブ22の開度を増大させる(ステップS401)。
これによれば、空間に供給される不活性ガスの量を増大させることができ、かかる不活性ガスにより対象物1を徐々に冷却することができる。また、対象物1を冷却している際にもファン50の駆動を継続させているので、空気をコイル40に送出することを継続し、対象物1の熱がコイル40に伝達して必要以上に高温となってしまうことを抑制することができる。
このようにしてバルブ22の開度を増大させた制御部80は、内蔵する時計を通じて予め設定された所定時間が経過するか否かを確認する(ステップS402)。このステップS402における所定時間は、対象物1を不活性ガスにより常温にまで冷却するのに必要十分な時間であり、予め実験的に求められて設定されている。
所定時間が経過した場合(ステップS402:Yes)、制御部80は、バルブ駆動処理部80cを通じてバルブ22に対して閉指令を与えてバルブ22を閉成させるとともに(ステップS403)、ファン駆動処理部80eを通じてファン50に対して駆動停止指令を与えてファン50を駆動停止にさせ(ステップS404)、その後に手順をリターンさせて今回の冷却処理を終了する。
このような冷却処理によれば、不活性ガスを供給することで対象物1を常温まで冷却することができる。
そして、このような冷却処理を実施した制御部80は、今回の熱処理指令に基づく処理を終了する。これにより、作業者は、箱体13を上側の断熱板11aから離脱させるとともに、カバー体30を取り外すことにより、対象物1が熱処理されて製造された所望のろう付け製品を取り出すことができる。
このように本実施の形態1である熱処理装置においては、給気ライン21及び給気バルブ22が、空間に不活性ガスを供給して対象物1の冷却を行う冷却手段を構成している。 ところで、このような熱処理装置においては、上述したようにカバー体30により形成される空間において対象物1の上方域に金属板70が配設されているので次のような作用を奏する。
一般に対象物1の上方に金属板(上記金属板70とは異なる)を設置すると、電磁誘導により対象物1及び金属板に渦電流が流れる。金属板に渦電流が流れることによって生じる磁界によって、コイル40が発生させている磁界が相殺される。
図8は、対象物1と金属板との距離と、対象物1の発熱低減率との関係を示す図表である。ここで発熱低減率は、下記式(1)により算出されるものである。
式(1)
発熱低減率(%)={1−(金属板有りの発熱量/金属板無しの発熱量)}×100
この図8における曲線(イ)のように、対象物1と金属板との距離が小さくなればなるほど対象物1の発熱低減率が大きくなることが明らかであり、これにより対象物1の発熱量の減少は、対象物1と金属板との距離が小さくなるほど顕著である。
そこで、上記金属板に対して本実施の形態1においては、複数のスリット71が形成された金属板70を用いている。このように複数のスリット71が形成された金属板70では、該スリット71により渦電流の発生を低減させることができる。
図9は、金属板70のスリット数と対象物1の発熱量との関係を示す図表である。この図9において、直線(ロ)は金属板70を設置していない場合の対象物1の発熱量を示し、該発熱量を100%としている。曲線(ハ)〜(ホ)は、スリット71が形成された金属板70を設置した場合の対象物1の発熱量であり、金属板70を設置しない場合を100%とした場合の割合である。曲線(ハ)は対象物1と金属板70との距離が5mmの場合を示し、曲線(ニ)は対象物1と金属板70との距離が10mmの場合を示し、曲線(ホ)は対象物1と金属板70との距離が20mmの場合を示している。これら曲線(ニ)〜(ホ)から、金属板70のスリット数が増加するほど金属板70の発熱量が増大することが明らかである。つまり、スリット71が形成されることにより渦電流の発生を低減させていることが理解される。
上記金属板70が対象物1の上方域に配設されることによって、該金属板70が対象物1からの熱放射を反射することができる。しかも金属板70には複数のスリット71が形成されていることで渦電流の発生も少なくすることができ、対象物1の加熱処理における発熱量の減衰を低減させることができる。
このように熱放射を反射するのでカバー体30の温度上昇を抑制しつつ熱放射による放熱を減少させることができ、加熱処理での加熱効率を向上させることができる。かかる加熱処理での温調制御処理を行う場合においても、熱放射による放熱は金属板70によって抑制することができる。また、加熱処理後に冷却処理を行う場合において、該加熱処理でカバー体30の温度上昇を抑制することにより、冷却処理を効率よく行うことができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1である熱処理装置によれば、熱処理指令が与えられた場合に、カバー体30により形成される空間に不活性ガスを供給して該空間の雰囲気を調整した後にコイル40に特定の周波数の電圧を印加させて発熱体20を誘導加熱により加熱して対象物1を間接的に加熱処理し、この加熱処理の終了後にコイル40への電圧の印加を停止して上記空間に対する不活性ガスの供給量を増大させて対象物1を冷却処理するようにしているので、従来のように加熱室から冷却室へ対象物を搬送する搬送手段を必要とせず、装置全体を小型化させることができる。しかも、誘導加熱により発熱体20を加熱して対象物1を間接的に加熱しているので、従来のようにヒータ等で内部空気を予備的に加熱することを必要とせず、結果的に保温時における消費電力量を低減させることができる。そして、対象物1の上方域には複数のスリット71が形成された金属板70が配設されているので、加熱処理での対象物1の熱放射による放熱を抑制しつつ、カバー体30の温度上昇を抑制するので、加熱処理及び冷却処理を効率よく行うことができる。従って、装置全体の小型化を図るとともに、消費電力量の低減化を図ることができる。
上記熱処理装置によれば、対象物1の加熱処理及び冷却処理が行われている場合に、ファン50が駆動してコイル40に対して空気を送出するので、コイル40が必要以上に高温になってしまうことを抑制することができる。
上記熱処理装置によれば、カバー体30が断熱性材料から形成されているので、カバー体30を配設することにより形成される空間内の熱がカバー体30を通じて外部に放出されてしまう割合を低減させることができる。
<実施の形態2>
図10は、本発明の実施の形態2である熱処理装置を模式的に示す模式図であり、図11は、本発明の実施の形態2である熱処理装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。ここで例示する熱処理装置は、装置本体110、発熱体120、カバー体130、コイル140及びファン150を備えて構成されている。
装置本体110は、断熱板111、脚部112及び箱体113を備えて構成されている。断熱板111(111a及び111b)は、複数(図示の例では2つ)あり、それぞれセラミックス等から形成されて矩形状の板状体である。これら断熱板111は、スペーサ111cを介在させた状態で互いが離隔した状態で積層されている。つまり、2つの断熱板111の間には、間隙111dが形成されている。
脚部112は、複数(例えば4つ)設けられており、それぞれが下側の断熱板111bの4つの頂部の下面より下方に延在する態様で設けられている。
箱体113は、下面が開口した直方状を成すものである。このような箱体113は、前面、後面、左側面及び右側面の各下端部が上側の断熱板111aの各縁端部の上面に載置されることで、上側の断熱板111aの上方域を覆う外壁を構成している。
発熱体120は、図12に示すように、円環状の形態を成すものである。つまり、発熱体120は、中央部分に円板状の中空部121が形成されている。この発熱体120は、例えば黒鉛、グラファイト等の電気抵抗率が10−5オーダーの材料から形成されるものである。このような発熱体120は、上側の断熱板111aにおける中央域の上面に載置されている。かかる発熱体120は、自身の上面に熱処理の対象となる対象物(例えば銅や銀等)2を放射状に載置させるものである。すなわち、発熱体120は、対象物2を自身の径方向に沿って放射状に載置させるものである。
カバー体130は、断熱性材料から形成されるもので、例えば半球状の形態を成すものである。このようなカバー体130は、自身の開口部が上側の断熱板111aに閉塞される態様で、該上側の断熱板111aに載置されることにより、発熱体120及び対象物2の周囲を覆う態様で配設されている。これにより、対象物2及び発熱体120は、カバー体130により略密閉された空間に位置することとなる。かかるカバー体130の内面は、反射面を構成している。
このようなカバー体130には、図示せぬ給気口及び排気口が形成されている。給気口は、給気ライン121に連通している。給気ライン121は、箱体113に設けられた第1貫通孔(図示せず)を通過する態様で設けられており、図示せぬボンベ等に封入された窒素ガス等の不活性ガスを空間に供給するためのものである。この給気ライン121の途中にはバルブ122が設けられている。
バルブ122は、後述する制御部180からの指令により開度が調整されるもので、閉成する場合には、不活性ガスの通過を規制する一方、開成する場合には、不活性ガスの通過を許容するものである。
排気口は、排気ライン123に連通している。排気ライン123は、箱体113に設けられた第2貫通孔(図示せず)を通過する態様で設けられている。この排気ライン123は、排気口から流入したガスを外部に排出するためのものである。
コイル140は、下側の断熱板111bよりも下方側に配設されている。より詳細に説明すると次のようになる。装置本体110を構成する脚部112のうち前後一対の関係となる脚部112間には、左右一対となる支持部材141が架設されている。これら支持部材141は、それぞれ上方に向けて突出する態様で延在する上延部142を有している。コイル140は、渦巻形状に巻かれており、これら上延部142の先端部に支持される態様で配設されている。
このようなコイル140は、電気的に接続される電力変換装置143より特定の周波数の電圧が印加される場合に、発熱体120を誘導加熱により加熱する加熱手段である。ここで、電力変換装置143は、いわゆるインバータ回路を内蔵するものであり、商用電源144から与えられる交流を特定の周波数の交流としてコイル140に与えるものである。
ファン150は、コイル140の下方側において、上記左右一対の支持部材141を跨る態様で配設されている。このファン150は、制御部180からの指令により駆動するものであり、駆動する場合に、コイル140に対して空気を送出する送風手段である。
このような熱処理装置は、上記構成の他、入力手段161、酸素濃度検出センサ162、温度検出センサ163、反射部材170及び制御部180を備えて構成されている。
入力手段161は、例えばリモコンのテンキーやキーボード、あるいはタッチパネル式画面等のようなもので、熱処理装置を利用する作業者が各種指令等を入力するための操作入力部である。
酸素濃度検出センサ162は、カバー体130における内面の所定箇所に配設されている。この酸素濃度検出センサ162は、カバー体130が配設される場合に、該カバー体130により形成される空間の酸素濃度を検出するものである。この酸素濃度検出センサ162で検出した酸素濃度は、酸素濃度信号として制御部180に出力されることとなる。
温度検出センサ163は、発熱体120の表面の所定箇所に配設されている。この温度検出センサ163は、発熱体120の温度を検出するものである。この温度検出センサ163で検出した温度は、温度信号として制御部180に出力されることとなる。
反射部材170は、図13にも示すように、第1金属板171及び第2金属板172を有している。第1金属板171は、例えばSUS304等の非磁性金属から構成されるもので、上記空間において対象物2の上方域に中心部分が発熱体120の中心部分の直上となるように配設されている。
この第1金属板171は、発熱体120の中空部121を含む中央部分に対向する部分に円形状の切欠171aが形成された円環状の形態を成しており、厚さは約1mm程度である。
このような第1金属板171の上面には、複数(図示の例では2つ)の第1ロッド173が立設されている。これら第1ロッド173は、カバー体130に形成された図示せぬ貫通孔を貫通してカバー体130の外部に露出している。かかる第1金属板171は、第1ロッド173が操作されることにより上下方向に沿って移動可能なものである。
第2金属板172は、例えばSUS304等の非磁性金属から構成されるもので、上記空間において対象物2の上方域に中心部分が発熱体120の中心部分の直上となるように配設されている。
この第2金属板172は、第1金属板171の切欠171aを通じて、発熱体120の中央部分に対向しており、円形状の形態を成している。つまり、第2金属板172は、第1金属板171よりも上方側に配置されており、厚さは約1mm程度である。
このような第2金属板172の上面には、複数(図示の例では2つ)の第2ロッド174が立設されている。これら第2ロッド174は、カバー体130に形成された図示せぬ貫通孔を貫通してカバー体130の外部に露出している。かかる第2金属板172は、第2ロッド174が操作されることにより上下方向に沿って移動可能なものである。
これら第1金属板171及び第2金属板172について詳細に説明する。第1金属板171においては、図14に示すように、発熱体120の中心部分の直上となる自身の中心部分を中心として、発熱体120の半径の長さR1の半分の長さR2を半径とする円形状の切欠171aが形成されて円環状の形態を成している。そして、第2金属板172は、発熱体120の中心部分及び第1金属板171の中心部分の直上となる自身の中心部分を中心として、長さR2を半径とする円形状の形態を成している。上述したように、第2金属板172は、第1金属板171よりも上方側に配置されていることから、発熱体120に載置される対象物2と第1金属板171との離間距離L1よりも対象物2と第2金属板172との離間距離L2の方が大きい。
制御部180は、メモリ181に記憶されたプログラムやデータに従って熱処理装置の動作、すなわち熱処理を統括的に制御するもので、入力処理部180a、比較部180b、バルブ駆動処理部180c、インバータ駆動処理部180d及びファン駆動処理部180eを備えている。
ここでメモリ181には、種々の情報が記憶されており、本実施の形態2において特徴的なものとして基準濃度情報、目標温度情報が記憶されている。基準濃度情報は、後述する熱処理において閾値となる基準濃度(例えば100ppm)が含まれる情報である。目標温度情報は、後述する熱処理において目標値となる目標温度(例えば800℃程度)が含まれる情報である。
入力処理部180aは、入力手段161や各種センサ等からの指令や信号等を入力処理するものである。比較部180bは、入力処理部180aを通じて入力処理した検出濃度とメモリ181から読み出した基準濃度とを比較、並びに入力処理部180aを通じて入力処理した検出温度とメモリ181から読み出した目標温度とを比較処理するものである。
バルブ駆動処理部180cは、バルブ122に対して指令を与えて、バルブ122を開成、閉成、並びに開度の増減を行うものである。
インバータ駆動処理部180dは、電力変換装置143に対して指令を与えて、電力変換装置143を駆動、あるいは駆動停止にさせるものである。また、インバータ駆動処理部180dは、電力変換装置143に対して指令を与えることにより、電力変換装置143の出力を増減させてコイル140に印加する電圧の周波数を増減させるものである。
ファン駆動処理部180eは、ファン150に対して指令を与えることにより、ファン150を駆動及び駆動停止にさせるものである。
以上のような構成を有する熱処理装置では、発熱体120の上に対象物2が載置された後にカバー体130が配設されることにより略密閉された空間が形成され、そして、給気ライン121及び排気ライン123が配設された後に箱体113が配置されることで、次のような熱処理を行うことができる。
図15は、本発明の実施の形態2である熱処理装置を構成する制御部180が実施する処理内容を示すフローチャートである。
制御部180は、利用者である作業者が入力手段161を通じて熱処理指令を入力する入力待ちとなっている(ステップS500)。そして、作業者が入力手段161を通じて熱処理指令を入力することで、入力処理部180aを通じて熱処理指令を入力した場合(ステップS500:Yes)、制御部180は、雰囲気調整処理を実施する(ステップS600)。
図16は、図15に示した雰囲気調整処理の処理内容を示すフローチャートである。
この雰囲気調整処理において制御部180は、バルブ駆動処理部180cを通じてバルブ122に対して開指令を与えてバルブ122を開成させる(ステップS601)。このようにバルブ122を開成させた制御部180は、入力処理部180aを通じての酸素濃度信号の入力待ち(ステップS602)、すなわち酸素濃度検出センサ162による酸素濃度検出待ちとなる。
入力処理部180aを通じて酸素濃度信号を入力した場合(ステップS602:Yes)、制御部180は、比較部180bを通じてメモリ181より基準濃度情報を読み出し、酸素濃度信号に含まれる検出濃度が基準濃度情報に含まれる基準濃度(100ppm)以下であるか否かを比較する(ステップS603)。
検出濃度が基準濃度以下の場合(ステップS603:Yes)、制御部180は、バルブ駆動処理部180cを通じてバルブ122に対して開度を減少させる旨の指令を与えることでバルブ122の開度を減少させ(ステップS604)、その後に手順をリターンさせて今回の雰囲気調整処理を終了する。
ここで、ステップS604でのバルブ122に対する開度の減少であるが、開度は減少させても依然としてバルブ122が開成した状態となるようにしている。
このような雰囲気調整処理によれば、カバー体130により略密閉される空間の酸素濃度を100ppm以下に調整することができる。
一方、検出濃度が基準濃度を上回る場合(ステップS603:No)、制御部180は、バルブ駆動処理部180cを通じてバルブ122に対して開度を増大させる旨の指令を与えることでバルブ122の開度を増大させ(ステップS605)、その後に上記ステップS602に戻る。つまり、検出濃度が基準濃度以下となるまでステップS602、ステップS603及びステップS605の処理を繰り返す。
このようにして雰囲気調整処理を実施した制御部180は、加熱処理を実施する(ステップS700)。図17は、図15に示した加熱処理の処理内容を示すフローチャートである。
この加熱処理において制御部180は、インバータ駆動処理部180dを通じて電力変換装置143に対して駆動指令を与えて電力変換装置143を駆動させるとともに、ファン駆動処理部180eを通じてファン150に対して駆動指令を与えてファン150を駆動させる(ステップS701,ステップS702)。
これによれば、特定の周波数(例えば20kHz程度)の電圧がコイル140に印加されることとなり、発熱体120がコイル140により誘導加熱される。このように発熱体120が加熱されると、発熱体120に載置された対象物2を発熱体120より直接、カバー体130により形成される空間の内部雰囲気を通じて、あるいはカバー体130の内面に反射して熱が伝わることで対象物2が加熱されることとなる。そして、ファン150を駆動させることにより、空気をコイル140に送出することができ、コイル140が必要以上に高温となってしまうことを抑制することができる。
このように電力変換装置143及びファン150を駆動させた制御部180は、内蔵する時計により予め設定された所定時間が経過するまで温調制御処理を行う(ステップS703〜ステップS707)。
この温調制御処理において制御部180は、入力処理部180aを通じて温度信号を入力した場合(ステップS703:Yes)、比較部180bを通じてメモリ181より目標温度情報を読み出し、温度信号に含まれる検出温度が目標温度情報に含まれる目標温度以上であるか否かを比較する(ステップS704)。
制御部180は、検出温度が目標温度以上の場合(ステップS704:Yes)には、インバータ駆動処理部180dを通じて電力変換装置143に対して出力を減少させる旨の指令を与えることでコイル140に印加する周波数を減少させる(ステップS705)一方、検出温度が目標温度未満の場合(ステップS704:No)には、インバータ駆動処理部180dを通じて電力変換装置143に対して出力を増大させる旨の指令を与えることでコイル140に印加する周波数を増大させる(ステップS706)。
制御部180は、このような温調制御処理を所定時間が経過するまで行い、所定時間が経過した場合(ステップS707:Yes)、インバータ駆動処理部180dを通じて電力変換装置143に対して駆動停止指令を与えて電力変換装置143を駆動停止にさせ(ステップS708)、その後に手順をリターンさせて今回の加熱処理を終了する。
このような加熱処理によれば、発熱体120を目標温度に一致するよう誘導加熱することで対象物2を加熱処理することができる。また、この加熱処理中は、次の冷却処理に比べて不活性ガスの供給量を減少させることで、カバー体130により形成される空間の温度が必要以上に低下することを防止する。
このようにして加熱処理を実施した制御部180は、冷却処理を実施する(ステップS800)。図18は、図15に示した冷却処理の処理内容を示すフローチャートである。
この冷却処理において制御部180は、バルブ駆動処理部180cを通じてバルブ122に対して開度を増大する旨の指令を与えてバルブ122の開度を増大させる(ステップS801)。
これによれば、空間に供給される不活性ガスの量を増大させることができ、かかる不活性ガスにより対象物2を徐々に冷却することができる。また、対象物2を冷却している際にもファン150の駆動を継続させているので、空気をコイル140に送出することを継続し、対象物2の熱がコイル140に伝達して必要以上に高温となってしまうことを抑制することができる。
このようにしてバルブ122の開度を増大させた制御部180は、内蔵する時計を通じて予め設定された所定時間が経過するか否かを確認する(ステップS802)。このステップS802における所定時間は、対象物2を不活性ガスにより常温にまで冷却するのに必要十分な時間であり、予め実験的に求められて設定されている。
所定時間が経過した場合(ステップS802:Yes)、制御部180は、バルブ駆動処理部180cを通じてバルブ122に対して閉指令を与えてバルブ122を閉成させるとともに(ステップS803)、ファン駆動処理部180eを通じてファン150に対して駆動停止指令を与えてファン150を駆動停止にさせ(ステップS804)、その後に手順をリターンさせて今回の冷却処理を終了する。
このような冷却処理によれば、不活性ガスを供給することで対象物2を常温まで冷却することができる。
そして、このような冷却処理を実施した制御部180は、今回の熱処理指令に基づく処理を終了する。これにより、作業者は、箱体113を上側の断熱板111aから離脱させるとともに、カバー体130を取り外すことにより、対象物2が熱処理されて製造された所望のろう付け製品を取り出すことができる。
このように本実施の形態2である熱処理装置においては、給気ライン121及び給気バルブ122が、空間に不活性ガスを供給して対象物2の冷却を行う冷却手段を構成している。
ところで、このような熱処理装置においては、上述したように反射部材170として第1金属板171及び第2金属板172が配設されているので次のような作用を奏する。
発熱体120を誘導加熱により加熱した場合、該発熱体120の外周部分の方が中央部分よりも放熱量が大きいために、外周部分の方が温度が下がり、中央部分の方が外周部分よりも温度が高くなる。そのため、発熱体120に載置された対象物2では、発熱体120の外周部分に近接する部分(以下、外周近傍部分ともいう)2a(図12及び図14参照)よりも発熱体120の中央部分に近接する部分(以下、中央近傍部分ともいう)2b(図12及び図14参照)の方が温度が高くなる。
一方、反射部材170は、発熱体120からの輻射熱を発熱体120に反射するものであるので、発熱体120では、反射部材170との離間距離が相対的に遠い部分よりも相対的に近い部分の方が高温となる。そのため、発熱体120に載置された対象物2では、反射部材170との離間距離が相対的に遠い部分よりも相対的に近い部分の方が温度が高くなる。
この結果、対象物2においては、外周近傍部分2aと中央近傍部分2bとでは、外周近傍部分2aと反射部材170(第1金属板171)との離間距離L1の方が中央近傍部分2bと反射部材170(第2金属板172)との離間距離L2よりも短いので、両者の温度差を小さくすることができる。これにより、対象物2全体を略均一に加熱することができ、加熱効率を向上させることができる。
また、反射部材170が対象物2の上方域に配設されることによって、該反射部材170が対象物2からの熱放射を反射することができるので、加熱処理でのカバー体130の温度上昇を抑制することにより、冷却効率の向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2である熱処理装置によれば、熱処理指令が与えられた場合に、カバー体130により形成される空間に不活性ガスを供給して該空間の雰囲気を調整した後にコイル140に特定の周波数の電圧を印加させて発熱体120を誘導加熱により加熱して対象物2を間接的に加熱し、この加熱の終了後にコイル140への電圧の印加を停止して上記空間に対する不活性ガスの供給量を増大させて対象物2を冷却するようにしているので、従来のように加熱室から冷却室へ対象物を搬送する搬送手段を必要とせず、装置全体を小型化させることができる。しかも、誘導加熱により発熱体120を加熱して対象物2を間接的に加熱しているので、従来のようにヒータ等で内部空気を予備的に加熱することを必要とせず、結果的に保温時における消費電力量を低減させることができる。そして、対象物2の上方域には発熱体120の中央部分に対向する部分に円形状の切欠171aが形成された円環状の第1金属板171と、この第1金属板171の切欠171aを通じて発熱体120の中央部分に対向する円形状の第2金属板172とが配設されているので、対象物2全体を略均一に加熱しつつ、カバー体130の温度上昇を抑制するので、加熱効率及び冷却効率の向上を図ることができる。従って、装置全体の小型化を図るとともに、消費電力量の低減化を図ることができる。
上記熱処理装置によれば、対象物2の加熱処理及び冷却処理が行われている場合に、ファン150が駆動してコイル140に対して空気を送出するので、コイル140が必要以上に高温になってしまうことを抑制することができる。
上記熱処理装置によれば、カバー体130が断熱性材料から形成されているので、カバー体130を配設することにより形成される空間内の熱がカバー体130を通じて外部に放出されてしまう割合を低減させることができる。
上記熱処理装置によれば、対象物2の上方域に反射部材170が配設されることにより、該反射部材170を構成する第1金属板171が、冷却処理での不活性ガス供給時に整流板としての機能を発揮することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1では、金属板部材は円形状の形態をなしていたが、本発明のおいては、金属板部材は、例えば矩形状の形態をなしていてもよい。また金属板部材に形成されるスリットは単数であってもよく、中央部分より縁部に向けて延在していればよい。
上述した実施の形態1では、コイル40により発熱体20を誘導加熱により加熱して対象物を間接的に加熱していたが、これは熱処理の対象物として例えば銅を銀ろう付けする場合等のように誘導加熱しづらい材質の場合に特に有効である。本発明においては、対象物が鉄等のように誘導加熱により加熱されやすい材質のものであれば、発熱体を用いずに加熱手段により対象物を誘導加熱により直接加熱するようにしてもよい。
上述した実施の形態2では、反射部材170は、第1金属板171と第2金属板172とを備えていたが、本発明においては、反射部材は、対象物の上方域に配設され、かつ発熱体の中央部分に対向する部分に切欠が形成された金属板を有しているだけでもよい。
また、本発明においては、反射部材を構成する2つの金属板の表面仕上げを変更させることで、互いの反射率が異なるものとしてもよい。
1 対象物
10 装置本体
11 断熱板
20 発熱体
21 給気ライン
22 バルブ
23 排気ライン
30 カバー体
40 コイル
43 電力変換装置
50 ファン
62 酸素濃度検出センサ
63 温度検出センサ
70 金属板
70a 中央部分
70b 周縁部
71 スリット
80 制御部
81 メモリ

Claims (6)

  1. 装置本体の内部に載置された対象物に対して熱処理を行う熱処理装置において、
    前記対象物の周囲を覆う態様で配設されることにより、該対象物を略密閉された空間に位置させるカバー体と、
    前記装置本体の内部に配設され、かつ前記対象物を誘導加熱により直接的に加熱、あるいは前記対象物を載置する発熱体を誘導加熱により加熱して該対象物を間接的に加熱する加熱手段と、
    前記空間に不活性ガスを供給して前記対象物の冷却を行う冷却手段と、
    前記空間における前記対象物の上方域に配設され、中央部分より縁部に向けて延在する少なくとも1つのスリットが形成された金属板部材と
    を備えたことを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記金属板部材は、円形状の形態をなし、かつ前記スリットが前記中央部分より径方向に沿って延在して周方向に互いに離隔して並ぶよう形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記スリットは、一端が前記金属板部材の周縁部に連続し、かつ他端が前記中央部分において他のスリットと離隔して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の熱処理装置。
  4. 装置本体の内部に載置された対象物に対して熱処理を行う熱処理装置において、
    前記対象の周囲を覆う態様で配設されることにより、該対象を略密閉された空間に位置させるカバー体と、
    前記装置本体の内部に配設され、かつ前記対象物を載置する発熱体を誘導加熱により加熱して該対象物を加熱する加熱手段と、
    前記空間に不活性ガスを供給して前記対象物を冷却を行う冷却手段と、
    前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記発熱体の中央部分に対向する部分に切欠が形成された金属板を有する反射部材と
    を備えたことを特徴とする熱処理装置。
  5. 前記反射部材は、
    前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記発熱体の中央部分に対向する部分に円形状の切欠が形成された円環状の第1金属板と、
    前記空間における前記対象物の上方域に配設され、かつ前記第1金属板の切欠を通じて前記発熱体の中央部分に対向する円形状の第2金属板と
    を有することを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置。
  6. 前記第1金属板及び前記第2金属板は、それぞれ上下に移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の熱処理装置。
JP2015233051A 2015-04-13 2015-11-30 熱処理装置 Active JP6668708B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015081985 2015-04-13
JP2015081985 2015-04-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016200384A JP2016200384A (ja) 2016-12-01
JP6668708B2 true JP6668708B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=57423526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015233051A Active JP6668708B2 (ja) 2015-04-13 2015-11-30 熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6668708B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6944821B2 (ja) * 2017-06-27 2021-10-06 旭化成株式会社 殺菌具、供給装置、及び殺菌方法
DE102018127807A1 (de) * 2018-04-26 2019-10-31 Hanon Systems Vorrichtung und Verfahren zum thermischen Fügen insbesondere eines Wärmeübertragers für ein Kraftfahrzeug
CN113996907B (zh) * 2021-11-29 2022-06-10 浙江龙际立尔半导体科技有限公司 一种利用扩散焊接制作的加热盘及焊接方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3338757B2 (ja) * 1997-01-23 2002-10-28 神鋼電機株式会社 真空溶解装置の蒸着防止板
JP2966397B1 (ja) * 1998-06-17 1999-10-25 助川電気工業株式会社 板体加熱装置
JP4470274B2 (ja) * 2000-04-26 2010-06-02 東京エレクトロン株式会社 熱処理装置
JP2003142241A (ja) * 2001-11-06 2003-05-16 Koyo Thermo System Kk 誘導加熱装置
JP2003234169A (ja) * 2002-02-08 2003-08-22 Hitachi Zosen Corp 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP2007158123A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Kobe Steel Ltd 加熱装置
JP4923667B2 (ja) * 2006-03-27 2012-04-25 株式会社デンソー Cvd装置
IT1394098B1 (it) * 2009-03-24 2012-05-25 Brembo Ceramic Brake Systems Spa Forno ad induzione e processo di infiltrazione
JP2013201292A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016200384A (ja) 2016-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8350194B2 (en) Cooking apparatus and heating device including working coils thereof
JP6668708B2 (ja) 熱処理装置
JP4642349B2 (ja) 縦型熱処理装置及びその低温域温度収束方法
CN115176521A (zh) 烹饪设备
JP2010059490A (ja) 熱処理装置
JP5322831B2 (ja) 誘導加熱調理器
WO2014035490A2 (en) System for insulating an induction vacuum furnace and method of making same
US9686825B2 (en) Method and apparatus for cooling a user interface and/or door of a cooking device
TWI496188B (zh) Heat treatment device
JP6390153B2 (ja) 熱処理装置
JP6350041B2 (ja) 熱処理装置
JP6337652B2 (ja) 熱処理装置
JP6575112B2 (ja) 熱処理装置
MX2014006914A (es) Aparato de coccion por induccion.
JP2003297544A (ja) 誘導加熱装置
JP6561818B2 (ja) 熱処理装置
KR101829535B1 (ko) 플라즈마 처리 장치, 플라즈마 처리 장치의 제어 방법 및 기억 매체
JP6561817B2 (ja) 熱処理装置
JP2014162936A (ja) 熱処理方法、加熱炉
US20210068208A1 (en) Cooking apparatus and method for controlling the same
WO2022201546A1 (ja) 処理装置、プログラム及び半導体装置の製造方法
JP7457426B2 (ja) 加熱装置
EP4007450A1 (en) Electric range
JP2001255073A (ja) 真空炉
JP2004116923A (ja) 加熱調理器

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20151222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160120

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20180914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6668708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250