JP2003234169A - 誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

誘導加熱装置および誘導加熱方法

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JP2003234169A
JP2003234169A JP2002032599A JP2002032599A JP2003234169A JP 2003234169 A JP2003234169 A JP 2003234169A JP 2002032599 A JP2002032599 A JP 2002032599A JP 2002032599 A JP2002032599 A JP 2002032599A JP 2003234169 A JP2003234169 A JP 2003234169A
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JP
Japan
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induction heating
coil
substrate
gas
electrical control
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Application number
JP2002032599A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Maruyama
光弘 丸山
Keizo Fujimori
敬三 藤森
Haruo Sasaki
治夫 佐々木
Osamu Okaniwa
脩 岡庭
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Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に温度分布のムラを低減することができ
る誘導加熱装置および誘導加熱方法を提供する。 【解決手段】 誘導加熱用コイル64は、それぞれ電源接
続端子A,B,C,D,E,Fを2つ有する複数の電気的制御ブロ
ックg1,g2,g3,g4,uからなり、平面状コイル部において
は電気的制御ブロックg1,g2,g3,g4はほぼ同心円状にな
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板の加熱処理
装置、例えば、気相反応を用いて結晶膜あるいはその他
の薄膜の生成を行う基板処理(CVD:Chemical Vapor Depo
sition)装置の加熱手段として使用される加熱装置およ
び加熱方法に関し、特に誘導加熱用コイルを使用した誘
導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、気相反応を用いて結晶膜あるい
はその他の薄膜の生成を行う基板処理装置においては、
被加熱対象である基板を載置したサセプタの下方に渦巻
き状の誘導加熱用コイルを配してサセプタを直接加熱す
ることで間接的に基板を加熱し、基板の上面に原料ガス
を供給して気相反応を生じさせている。
【0003】この渦巻き状の誘導加熱用コイルは、1つ
のコイルを形成し、高周波駆動されて被加熱対象(この
場合、直接加熱されるサセプタ)表面に渦電流を発生さ
せるが、その発生する渦電流はムラがあり、その結果、
基板の温度分布は、その中央部(渦巻き状コイルにおけ
る導電体が存在しない中心空間部に対応した部分)と外
周部が特に低く、その間にある中間部が高い不均一なも
のとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板上に均
一に気相反応を生じさせるには、基板表面において原料
ガスが均一に供給されていることと基板の温度分布が均
一になっていることとが必要となるが、上記従来の誘導
加熱用コイルでは、渦巻き状コイルを形成している導電
体の各部に、基板との距離において遠近差を設けること
により基板の温度分布が均一になるように行っており、
この調整に手間がかかるという問題があった。この調整
は、コイルの複数箇所にその部分を上下移動させるねじ
部材を設けておき、遠近差が適正かどうかを測定しなが
ら、ねじ部材の締め付け量を変更するもので、コイルの
ある位置における遠近差が0.5mm変われば温度分布
に違いが生じるため、調整する箇所の増加に伴って調整
の手間が大幅に増えるほか、清掃のための分解後に再組
立する場合の再現性にも問題があった。
【0005】この発明の目的は、簡単に温度分布のムラ
を低減することができる誘導加熱装置および誘導加熱方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発
明による誘導加熱装置は、少なくとも基板に対向するほ
ぼ平面状のコイル部を有するとともに中心空間部を有す
る誘導加熱用コイルと、誘導加熱用コイルへ高周波の駆
動電源を供給する電源供給手段とを備えている誘導加熱
装置であって、誘導加熱用コイルは、それぞれ電源接続
端子を2つ有する複数の電気的制御ブロックからなり、
平面状コイル部においては電気的制御ブロックはほぼ同
心円状になされていることを特徴とするものである。
【0007】電源としては、高周波発振機が例えば使用
される。
【0008】電気的制御ブロックは、2つの接続端子間
にありかつこれらの接続端子に接続された電源によって
制御可能な部分(コイル部材)をいう。周方向に隣接し
た2つの電気的制御ブロックは、互いに絶縁された2つ
のコイル部分からなることがあり、また、1つのコイル
の両端および中間に接続端子を設けることによって形成
されることもある。この明細書において、後者の場合の
3端子のコイル部材を共通化ブロックという。
【0009】コイルを平面状(渦巻き状または板状)に
形成した場合には、その中央部に、コイルをなす導電体
が存在しない部分が形成される。この明細書において
は、その部分を「中心空間部」というものとする。
【0010】この発明の誘導加熱用コイルによると、誘
導加熱用コイルを複数の電気的制御ブロックに分けてい
るため、その駆動電源をそれぞれ調整することにより、
簡単に基板の温度分布のムラを低減することができる。
この調整は、電気的な微調整が可能であるため、無段階
変化とすることができるとともに、瞬時に切り替えるこ
ともでき、また、各ブロックごとの微調整も可能であ
る。そして、清掃のための分解後に再組立する場合で
も、同じ制御をするように設定するだけでその再現性を
確保することができる。
【0011】電源供給手段は、各電気的制御ブロックそ
れぞれに少なくとも周波数が異なる交流電源を供給する
出力部を有していることが好ましい。
【0012】このようにすると、交流電源の周波数は、
各電気的制御ブロックの周波数同士の干渉が生じにくい
ものとなるように違えられ、干渉がなく各電気的制御ブ
ロックに電源が供給できる。
【0013】複数の電気的制御ブロックの1つであっ
て、平面状コイル部に隣接するとともに中心空間部に隣
接して、平面状コイル部の少なくとも一方に1以上の巻
き数を有する軸方向コイル部を有していることがある。
なお、ここでいう「軸方向」とは、平面状コイル部を垂
直に貫通する方向である。
【0014】このようにすると、コイルをなす導電体が
存在しない部分があることによる加熱力の低下が軸方向
コイル部のブロックによる加熱によって補われ、基板の
均一加熱が可能となる。この場合に、軸方向コイル部に
よる加熱効果は、電源側だけでなく、コイルの巻き数に
よっても調整できる。
【0015】電気的制御ブロックの少なくとも一部の隣
接した2つの電気的制御ブロックは、両端部に独立した
端子を有するとともにその間に1つの共通の端子を有す
る共通化ブロックの各端部の端子1つと共通の端子とを
電源の出力部にそれぞれ接続してなることが好ましく、
この場合に、全ての電気的制御ブロックにおいて、1つ
の端子は共通して接地されていることがより好ましい。
【0016】このようにすると、共通化ブロックの中間
の端子を共通にして接地することで部品の点数が減少
し、コイルの構成を簡略化することができる。また、で
きる限り隣接する電気的制御ブロック2つを共通化ブロ
ック1つで構成し、それぞれの共通化ブロックの中間の
端子を接続するとともに、隣接する共通化ブロック同士
は絶縁して構成することにより、さらに部品の点数を減
らすことができ、コイルの構成をより簡略化することが
できる。
【0017】各電気的制御ブロックもしくは各共通化ブ
ロックには、ガス注入口ならびにガス供給口を有するガ
ス流路が内蔵されており、ガス注入口に接続されるガス
注入管は、電源接続端子を兼ねるように導電体製とされ
るとともに、電気的に絶縁されて1つのガス供給源に接
続されていることがある。
【0018】ガス注入口ならびにガス供給口はそれぞれ
1以上とされ、ガス注入管が複数ある場合には、それら
が互いに絶縁されて、複数のガス注入管が1つのガス供
給源に接続される。
【0019】このようにすると、誘導加熱装置にガス供
給機能が付加されるとともに、ガス供給機能を有する誘
導加熱装置の部品数の低減が可能となる。
【0020】誘導加熱実施中において、基板上における
温度分布が低い部分に対応して、電気的制御ブロックの
電流値を調整して温度分布が制御されるようになされて
いることが好ましい。
【0021】このようにすると、電流値を電気的制御ブ
ロックごとに変えることで、温度分布のムラを低減でき
るとともに、従来技術のようなコイルの基板との遠近差
調整といった手間を省くことができ、しかも、優れた再
現性を得ることができる。
【0022】この発明の誘導加熱方法は、ほぼ平面状の
コイル部を有するとともに中心空間部を有する誘導加熱
用コイルを使用して基板を誘導加熱するに際して、誘導
加熱用コイルをそれぞれ制御可能な複数の電気的制御ブ
ロックに区画するとともに、誘導加熱実施中において、
基板上における温度分布が低い部分に対応して、電気的
制御ブロックの電流値を調整して温度分布を制御するこ
とを特徴とするものである。
【0023】この発明の誘導加熱方法によると、電流値
を電気的制御ブロックごとに変えることで、温度分布の
ムラを低減できるとともに、従来技術のようなコイルの
基板との遠近差調整といった手間を省くことができ、し
かも、優れた再現性を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下図
面を参照して説明する。
【0025】図1は、この発明による誘導加熱装置およ
び誘導加熱方法が使用される一例である基板処理装置の
主要部を示している。基板処理装置は、図示しない水冷
の容器に納められており、円筒状外断熱壁(2)、円筒状
内断熱壁(3)および基板搬入出用開閉扉(4)を有する反応
炉(1)と、外断熱壁(2)の頂部に設けられた第1加熱手段
(5)と、内断熱壁(3)の頂部に位置する基板支持手段(6)
と、基板(S)表面に原料ガスおよび冷却ガスを供給する
上側ガス供給手段(7)と、内断熱壁(3)内の基板支持手段
(6)下方に設けられた第2加熱手段(8)と、基板支持手段
(6)を支持してこれを所要の方向に移動させる駆動手段
(9)と、基板(S)を反応炉(1)内に搬入しかつ処理後の基
板(S)を搬出する搬送ロボット(10)と、冷却ガスを基板
支持手段(6)の下方から吹き出す下側ガス供給手段(11)
と、基板(S)を基板支持手段から持ち上げる基板持ち上
げ手段(12)とを備えている。
【0026】この基板処理装置は、気相反応を用いて結
晶膜あるいはその他の薄膜の生成を行うもので、気相反
応を生じさせる部分を反応部(1a)と呼び、反応部(1a)と
は別な場所である下方に、基板(S)を反応炉(1)外と受け
渡しする搬入出部(1b)を備えている。
【0027】外断熱壁(2)および内断熱壁(3)内には、冷
却水流路(2a)(3a)がそれぞれ設けられている。
【0028】第1加熱手段(5)は、誘導加熱用コイル
(高周波コイルともいう)(21)を有している。誘導加熱
用コイル(21)は、図2および図3に詳しく示すように、
導電体が平面状の渦巻き形状になされたもので、それぞ
れ上方に開口したガス流路(23)および冷却水流路(24)が
渦巻き状に形成されたコイル本体(22)と、コイル本体(2
2)に上から被せられて各流路(23)(24)の開口を塞ぐ蓋(2
5)とからなる。図2(a)では、蓋(25)を省略して、コ
イル本体(22)だけを示している。図中、(26)は絶縁用の
間隙であり、この間隙(26)は、渦巻き形状を形成してい
る各導電体部分の径方向の幅が端部等特殊な部分を除い
て一定になるように設けられている。
【0029】コイル本体(22)の渦巻き形状は、単純な渦
巻きではなく、同心円を主体として形成されている。こ
れを図4を参照して説明すると、渦巻き形状は、第1の
中心軸(C1)を中心とする3/4円の扇形とされた第1の
領域(22a)と、第1の中心軸(C1)とは異なる第2の中心
軸(C2)を中心とする1/4円の扇形とされた第2の領域
(22b)と、第2の中心軸(C2)を第1の中心軸(C1)から偏
心させたことにより生じる隙間を埋める長方形の第3の
領域(22c)とを備えている。
【0030】第1領域(22a)には、第1の中心軸(C1)を
中心とする同心円上に内側から順に1からn番目までの
円弧状導電体要素(E1〜En)が並べられており、そ
の外周の半径がR、内周の半径がrとされている。図4
において、第1領域(22a)の一方の半径部を(R1)、同他
方の半径部を(R2)としている。第2の中心軸(C2)は、第
1領域(22a)の扇形の一方の半径部(R1)に沿って第1の
中心軸(C1)から距離D(Dは、導電体1本分の幅)だけ
離れた位置に設けられている。第2の領域(22b)には、
第2の中心軸(C2)を中心とする同心円上に内側から順に
1から(n−1)番目までの円弧状導電体要素(F1〜
Fn−1)が並べられており、その外周の半径が(R−
D)、内周の半径がrとされている。こうして、第2の
領域(22b)には、第1領域(22a)の扇形の一方の半径部(R
1)に突き合わされている一方の半径部(R1)と、同他方の
半径部(R2)と所定間隙をおいた他方の半径部(R3)とが形
成されている。第3の領域(22c)は、第1領域(22a)の他
方の半径部(R2)と第2領域(22b)の他方の半径部(R3)と
の間に設けられており、第2領域(22b)の1から(n−
1)番目までの導電体要素(F1〜Fn−1)と第1領
域(22a)の1から(n−1)番目までの導電体要素(E
1〜En−1)とを対応するもの同士スムーズに接続す
る導電体要素(G1〜Gn−1)が並べられている。第
3の領域(22c)の導電体要素(G1〜Gn−1)は、第
2の領域(22b)の中心角β°が第1の領域の中心角をα
°としてβ=(360−α)とされていることから、直
線状をなしている。
【0031】コイル本体(22)には、上記の導電体要素
(E1〜En、F1〜Fn−1、G1〜Gn−1)に加
えて、第1の中心軸(C1)を中心とする半径Rの円周面と
第2および第3領域(22b)(22c)の外周面との間に、誘導
加熱用コイル(21)を円盤状にするための外周エプロン部
(27)が設けられており、第1の中心軸(C1)を中心とする
半径rの円周面と第2および第3領域(22b)(22c)の内周
面との間に、コイル中央部の孔を円筒状にするための内
周エプロン部(28)が設けられている。これにより、コイ
ル本体(22)は、全体として、中央に円形の貫通孔(中心
空間部)を有する円盤状に形成されており、外断熱壁
(2)の頂部に設けられた円形の収納部に容易にかつ隙間
なく(正確には、熱膨張を考慮した若干の均一なギャッ
プを保って)収めることができる形状とされている。
【0032】コイル本体(22)のコイル面の基板(S)に対
向する側(対向面)には、図3に示すように、ガス流路
に通じる複数のガス吹き出し口(29)(30)が設けられてい
る。図5(a)に詳しく示すように、コイル本体(22)の
中心空間部周縁に設けられている複数のガス吹き出し口
(29)は、真下ではなく、中心に向かって傾斜するように
形成されている。これらのガス吹き出し口(29)の傾斜角
(K1)(k2)は、設けられる位置に応じて変更されている。
また、図5(b)(c)に詳しく示すように、コイル本
体(22)の中心空間部周縁以外の対向面に設けられている
ガス吹き出し口(30)は、真下ではなく、周方向に向かっ
て傾斜するように形成されている。この結果、誘導加熱
用コイル(21)対向面におけるガス吹き出し方向は、図3
に矢印で示すように、コイル(21)の内周部では、中心に
向かい、その他の部分では、渦巻きの旋回方向に向かっ
て吹き出されるようになされている。
【0033】誘導加熱用コイル(21)のガス流路(23)およ
びガス吹き出し口(29)(30)は、気相反応処理時の原料ガ
スの吹き出し用として使用されるとともに、気相反応処
理後の冷却ガスの吹き出し用としても使用されている。
すなわち、このガス流路(23)およびガス吹き出し口(29)
(30)と、ガス流路に接続される外部の配管、その配管に
接続された複数のガス配管およびそれらガス配管に接続
された原料ガスと冷却ガスそれぞれのガス供給源と、そ
れぞれのガス供給圧力調整部と、ガス切り替え手段とが
組み合わされることにより、誘導加熱用コイル(21)に一
部内蔵されたガス供給手段(7)は、基板(S)表面に原料ガ
スを供給する原料ガス供給手段と、冷却ガスを基板支持
手段の上方から吹き出す上側ガス供給手段とを兼ねる構
成とされている。
【0034】基板支持手段(6)は、図6および図7に拡
大して示すように、基板(S)を載せる円形の凹所を上面
に有している円形板状のサセプタ(31)と、支柱(33)の上
端部からそれぞれ等間隔で略水平方向の3方にのびるサ
セプタ支持腕(32)とを備えている。各支持腕(32)は、板
の面が台形の垂直板状とされており、支柱(33)に接合さ
れた基端部よりも高さ(垂直方向の長さ)が低い先端部
を有している。各支持腕(32)の上面(水平)は、サセプ
タ(31)の下面と平行であり、その上面の先端部に、サセ
プタ(31)を3点支持する突起(32a)がそれぞれ1つ設け
られている。各腕(32)の断面形状は、図6(b)に示す
ように、方形であってもよく、また同図(c)に示すよ
うに、楕円形であってもよい。そして、各腕(32)の中間
部分の断面形状が厚みdよりも高さDの方が大きくなさ
れ、厚みdが極力薄くなるようになされている。なお、
図6中、(43)は、サセプタ(31)下方に設けられたピン受
けの位置を示すものである。
【0035】第2加熱手段(8)は、表面が金、銀、アル
ミニウムなどの金属製メッキが施されかつ鏡面である熱
反射板(35)とされている。熱反射板(35)は、中央に貫通
孔を有する円盤状に形成されている。図1に示すよう
に、熱反射板(35)の上部には、冷却ガスを垂直上方に向
けて吹き出す冷却ガス流路(36)が設けられており、この
冷却ガス流路(36)が下側のガス供給手段(11)とされてい
る。また、熱反射板(35)の下部には、熱反射板(35)を冷
却するための冷却水流路(37)が設けられている。
【0036】なお、図示省略したが、第2加熱手段とし
て、ピン受け(43)と干渉しないように配置された第1加
熱手段と同様の誘導加熱用コイルを用いてもよい。
【0037】駆動手段(9)は、熱反射板(35)の中央の貫
通孔に挿通されてその上端部がサセプタ支持腕(32)の中
央部に一体化されている支柱(33)と、支柱(33)を垂直軸
回りに回転させるステッピングモータあるいはサーボモ
ータからなるモータ(38)と、支柱(33)を上下方向に移動
させる昇降装置(39)と、昇降装置(39)を駆動するための
制御部とを備えている。
【0038】搬送ロボット(10)は、枚葉式のものであ
り、内断熱壁(3)内に出入りするための水平方向移動
と、サセプタ(31)との間で基板(S)を移し替えるための
上下方向移動を行うことができる。
【0039】基板持ち上げ手段(12)は、サセプタ(31)の
中心から等距離で周方向に120°間隔をおいた基板載
置面の計3個所に設けられた段付きの貫通孔(41)と、こ
の貫通孔(41)に上下移動可能にかつ頂部が基板載置面を
越えないように収められた頭付きのピン(42)と、サセプ
タ(31)の下方に設けられかつサセプタ(31)のピン(42)の
配置と同心でかつ同径の120°間隔で設けられた固定
状ピン受け(43)とを備えている。
【0040】サセプタ(31)は、上述のように、気相反応
処理を行っている間、モータ(38)によって回転させられ
るが、処理終了時には、図1および図7に示すように、
ピン(42)のちょうど真下にピン受け(43)が位置するよう
に停止させられる。この状態でサセプタ(31)が下方に移
動させられると、図7(b)に示すように、ピン(42)の
下端がピン受け(43)に当接し、さらに、サセプタ(31)が
下方に移動させられることによって、基板(S)がピン(4
2)の頂部によってサセプタ(31)から持ち上げられる。こ
の段階で、基板(S)を受け得る高さに位置させられてい
る搬送ロボット(10)が前進させられ、基板(S)下に挿入
させられる。搬送ロボット(10)は、この後上方に移動し
て、基板(S)を受け取り、基板(S)を保持した状態で後退
する。
【0041】基板処理装置の制御部(40)には、図8に示
すように、ガス供給圧力調整部(44)と、上下移動量調整
部(45)とが設けられている。ガス供給圧力調整部(44)
は、上側のガス供給手段(7)のガス供給圧力および下側
のガス供給手段(11)のガス供給圧力をそれぞれ別個に調
整するもので、誘導加熱用コイル(21)のガス流路(23)に
接続された配管に設けられているバルブなど介して、誘
導加熱用コイル(21)に設けられたガス吹き出し口(29)(3
0)から吹き出される冷却ガスの下向きの圧力を調整する
とともに、熱反射板(35)のガス流路(36)に接続された配
管に設けられているバルブなどを介して、熱反射板(35)
のガス吹き出し口から吹き出される冷却ガスの上向きの
圧力を調整している。上下移動量調整部(44)は、サセプ
タ(31)および熱反射板(35)の上下移動量を昇降装置(39)
を介してそれぞれ別個に制御するものである。この制御
部(40)によると、反応処理後、基板支持手段(6)を反応
部(1a)から搬入出部(1b)へ移動させる際に、サセプタ(3
1)の下降量および下側ガス冷却手段の下降量に応じて上
側ガス供給手段(7)の供給圧を下側ガス供給手段(11)の
供給圧より高める制御が行なわれる。したがって、サセ
プタ(31)および熱反射板(35)が下降することにより、誘
導加熱用コイル(21)から基板(S)までの距離が長くな
り、基板(S)付近における冷却ガスの上向き圧力と下向
き圧力とのバランスが、下向き圧力が低下することによ
って崩れることなく、制御部(40)によってこのバランス
を保つことができる。これにより、基板(S)に吹き付け
られて下方に移動した排ガスが再び基板(S)に当たるこ
とによって生じる基板(S)の汚染を防止することができ
る。なお、上記圧力は、基板(S)の位置における圧力の
バランスにより調整される。
【0042】図9および図10は、この基板処理装置で
使用されている冷却機構の他の実施形態を示している。
【0043】この実施形態では、3つのピン受け(43)
は、昇降装置(図示略)によって、上下移動可能とされ
ており、サセプタ(31)には、複数の通気孔(46)が貫通状
に設けられている。そして、処理が終了して、ピン(42)
のちょうど真下にピン受け(43)が位置するようにサセプ
タ(31)の回転が停止させられると、この状態で3つのピ
ン受け(43)が上方に移動させられる。図9に示すよう
に、ピン受け(43)は熱反射板(35)に設けられた貫通孔を
通過して反応部(1a)に至り、ピン(42)の下端に当接す
る。そして、このピン(42)がピン受け(43)によって上方
に移動させられることによって、基板(S)がサセプタ(3
1)から持ち上げられる。この段階で、上側および下側の
ガス供給手段(7)(11)から冷却ガスが吹き付けられ、基
板(S)およびサセプタ(31)が冷却される。サセプタ(31)
には、通気孔(46)が設けられいるので、基板(S)は、サ
セプタ(31)の通気孔(46)を通過した冷却ガスによっても
冷却される。サセプタ(例えばカーボン製)(31)は熱容
量が大きいため、冷却されにくいが、基板(S)は、サセ
プタ(31)とは接触していないため、サセプタ(31)の影響
を受けることなく冷却される。
【0044】サセプタ(31)の通気孔(46)は、例えば、図
9(b)に示すようにランダムに設けてもよく、また、
同図(c)に示すように放射状に設けてもよい。
【0045】なお、この実施形態では、全てのピン受け
(43)を上昇させているが、上昇させるピン受け(43)は、
1つでもよく、この場合には、1つのピン(42)だけによ
って持ち上げられた基板(S)は、外周面の1点でサセプ
タ(31)に接触することになる。こうして、基板(S)とサ
セプタ(31)とは、点接触すなわち実質的には接触してい
ないようになり、基板(S)は、サセプタ(31)の影響を受
けることなく冷却される。
【0046】また、ピン受け(43)のみを上方移動させる
のではなく、サセプタ(31)も下降させる相対移動を行っ
てもよい。
【0047】サセプタ(31)とピン受け(43)とは、図9の
位置関係を保ったまま下方の搬入出部(1b)に垂直に移動
させられる。この間にも冷却ガスの吹き付けは継続され
る。そして、冷却された基板(S)は、搬入出部(1b)から
搬送ロボット(10)によって搬出される。
【0048】この実施形態の基板処理装置の制御部(40)
には、図10に示すように、ガス供給圧力調整部(44)
と、上下移動量調整部(45)とが設けられている。ガス供
給圧力調整部(44)は、上側のガス供給手段(7)のガス供
給圧力および下側のガス供給手段(11)のガス供給圧力を
それぞれ別個に調整するもので、誘導加熱用コイル(21)
のガス流路(23)に接続された配管に設けられているバル
ブなど介して、誘導加熱用コイル(21)に設けられたガス
吹き出し口(29)(30)から吹き出される冷却ガスの下向き
の圧力を調整するとともに、熱反射板(35)のガス流路(3
6)に接続された配管に設けられているバルブなどを介し
て、熱反射板(35)のガス吹き出し口から吹き出される冷
却ガスの上向きの圧力を調整している。上下移動量調整
部(44)は、サセプタ(31)、ピン受け(43)および熱反射板
(35)の上下移動量を昇降装置(39)を介してそれぞれ別個
に調整するものである。
【0049】この制御部(40)によると、反応処理後、ま
ず、ピン受け(43)が上方に移動させられ、図9の状態
で、冷却作業が開始される。そして、冷却作業を継続し
ながら、サセプタ(31)が下方に移動させられる。この
際、サセプタ(31)、ピン受け(43)および熱反射板(35)
は、図9の位置関係を保ったまま、つまり、サセプタ(3
1)とピン受け(43)と熱反射板(35)とが同時に同じ速さで
下降させられ、搬入出部(1b)に移動させられる。サセプ
タ(31)を反応部(1a)から搬入出部(1b)へ移動させる際に
は、サセプタ(31)の下降量および熱反射板(35)の下降量
に応じて上側ガス供給手段(7)の供給圧を下側ガス供給
手段(11)の供給圧より高める制御が行なわれる。したが
って、サセプタ(31)および熱反射板(35)が下降すること
により、誘導加熱用コイル(21)から基板(S)までの距離
が長くなり、基板(S)付近における冷却ガスの上向き圧
力と下向き圧力とのバランスが、制御部(40)によって保
たれる。これにより、基板(S)に吹き付けられて下方に
移動した排ガスが再び基板(S)に当たることによって生
じる基板(S)の汚染を防止することができる。
【0050】上記誘導加熱用コイル(21)には、図11に
示すように、ガス吹き出し口(29)(30)の開口側の部分
に、ねじ溝(51)(52)が施されている。図11の(a)に
示すねじ溝(51)が施された孔は、コイルの中心軸方向に
向かって傾斜させられており、図11の(b)に示すね
じ溝(52)が施された孔は、コイル面の半径方向に直角の
方向に傾斜させられている。これらのねじ溝(51)(52)に
は、必要に応じて、おねじ部材(54)(55)(56)が着脱自在
にねじ込まれる。おねじ部材(54)(55)(56)としては、ガ
ス吹き出し口を完全に塞ぐもの(54)と、ねじ込み方向に
貫通孔(55a)(56a)を有しこの貫通孔(55a)(56a)がガス吹
き出し孔として使用されるものとが適宜使用される。
【0051】図12(a)(b)は、図11で示された
ねじ溝(51)(52)がおねじ部材(54)によって完全に塞がれ
ているものを示している。このおねじ部材(54)は、市販
のものが使用可能であり、例えば、基板(S)のサイズを
大きいものから小さいものに変えた場合に、コイル(21)
の外周縁部にあるガス吹き出し用ねじ溝(51)(52)を塞ぐ
ために使用される。これにより、不要な部分への原料ガ
スの供給は停止し、原料ガスの無駄および成長した結晶
による基板(S)の品質低下を防止することができる。
【0052】図13(a)(b)は、ねじ込み方向に貫
通孔(55a)を有するおねじ部材(55)を示している。この
おねじ部材(55)によると、その貫通孔(55a)がガス吹き
出し孔として使用される。貫通孔(55a)の中心とおねじ
部材(55)の中心とは一致させられている。したがって、
ねじ溝(51)(52)の中心方向にガスを吹き出すことができ
る。
【0053】図14(a)(b)は、ねじ込み方向に貫
通孔(56a)を有するおねじ部材(56)の他の例を示してい
る。このおねじ部材(56)では、貫通孔(56a)の中心は、
おねじ部材(56)の中心には一致しておらず、所定方向に
傾斜させられている。このおねじ部材(56)によると、そ
の貫通孔(56a)の方向がねじ溝(51)(52)の方向とは異な
っており、これにより、誘導加熱用コイル(21)にあけら
れたねじ溝(51)(52)の方向とは異なった方向にガスを吹
き出させることができる。したがって、貫通の方向を変
えたいときには異なる貫通孔(56a)のおねじ部材(56)に
代えることによって変更することができる。ねじ溝(51)
(52)を有する孔は、必ずしも斜めに形成されている必要
はなく、コイル面に対して直角であってもよい。そし
て、図14(b)に示すように、コイル面に対して直角
の孔に施されたねじ溝(52)と傾斜貫通孔(56a)を有する
おねじ部材(56)とが組み合わされることにより、傾斜方
向のガス吹き出し口を得ることができる。
【0054】なお、おねじ部材(54)(55)(56)の頭頂部は
コイル面より外に出ないようにすることが望ましい。
【0055】上記おねじ部材(54)(55)(56)は、種々の仕
様のものを用意することが可能であり、その貫通孔(55
a)(56a)の方向や太さ、形状の変更を基板(S)や原料ガス
に応じて変更することにより、誘導加熱用コイル(21)は
そのまま使用し、おねじ部材(54)(55)(56)を変更するだ
けで基板処理の仕様の変更に対応することができる。
【0056】おねじ部材は、誘導加熱用コイル(21)に悪
影響を与えないよう、高周波コイルと同じ材質が用いら
れ、例えば、銅製の誘導加熱用コイル(21)に対応して銅
製または黄銅製などとされる。
【0057】なお、図示省略したが、おねじ部材に設け
る貫通孔は、らせん状でもよく、これにより、らせん状
貫通孔から吹き出すガスを旋回流とし、基板(S)上の原
料ガスが均一な乱流状態を得ることに寄与させることが
できる。
【0058】コイル本体(22)の内周部に設けられている
ガス吹き出し口(29)は、図5(a)に示すものでは、コ
イル(21)の対向面に設けられているが、コイル本体(22)
の内周部に設けられるガス吹き出し口は、図15に示す
ように、内周面に設けられることがより好ましい。図1
5(a)に示すガス吹き出し口(57)は、コイル本体(22)
の中心空間部内周面に設けられており、コイル(21)の中
心軸を中心としてほぼ均等角度に配され、ガス吹き出し
口(57)の方向は、対向面外側に向かいかつコイル(21)の
中心軸方向に向かう方向とされている。そして、これら
のガス吹き出し口(57)の方向は、それらがコイル(21)の
中心軸上の1点でかつ基板(S)の上で結ばれるようにな
されている。また、図15(b)に示すガス吹き出し口
(58)は、コイル本体(22)の中心空間部内周面に設けられ
ており、コイル(21)の中心軸を中心としてほぼ均等角度
に配され、ガス吹き出し口(58)の方向は、水平面内でか
つコイル(21)の中心軸方向に対して傾斜する方向とされ
ている。
【0059】上記の誘導加熱用コイル(21)の中心部には
コイルをなす導電体が存在しないため、この部分に均一
に原料ガスを供給することは難しいものであるが、ガス
吹き出し口(57)(58)を上記のように設けることにより
コイル(21)中心部の下であっても原料ガスを十分に供給
し気相反応処理時の均一性を向上させることができる。
【0060】なお、コイル本体(22)の中心空間部に設け
られるガス吹き出し口については、図5(a)に示した
もの(29)と図15(a)(b)に示したもの(57)(58)と
を両方設けてもよく、いずれか一方だけを設けてもよ
い。
【0061】図2および図3に示した誘導加熱用コイル
(21)は、その内周端と外周端とに電源接続端子が接続さ
れ、高周波電源によって駆動される。この場合には、高
周波電源は1つとされるが、基板(S)上の温度均一化を
目的として、種々の改良を加えることができる。
【0062】以下に、改良された誘導加熱装置および誘
導加熱方法すなわちこの発明による誘導加熱装置の要部
および誘導加熱方法を詳述する。
【0063】図16(a)は、それぞれ互いに絶縁され
た3つの電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)からなる誘導
加熱用コイル(61)を示している。各電気的制御ブロック
(g1)(g2)(g3)は、それぞれほぼ同心円状になされてお
り、一番径が小さい電気的制御ブロック(g1)の外側に中
間の径の電気的制御ブロック(g2)が絶縁用間隔を置いて
配置され、この外側に一番径が大きい電気的制御ブロッ
ク(g3)が絶縁用間隔を置いて配置されることにより、各
電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)ごとに制御可能なコイ
ルが形成されている。このコイル(61)の各電気的制御ブ
ロック(g1)(g2)(g3)は、同図(b)に示すように、それ
ぞれ別個の高周波電源(p1)(p2)(p3)によって駆動され
る。
【0064】図16(c)には、共通の端子(C)(D)によ
って区画された3つの電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)
からなる誘導加熱用コイル(21)を示している。コイル自
体は、例えば、図2〜図4に示したものと同じものが使
用され、電源接続端子(A)(B)(C)(D)は、コイル(21)の内
周端および外周端のほかに、その中間の2個所にも設け
られている。これにより、各電気的制御ブロック(g1)(g
2)(g3)は、それぞれほぼ同心円状になされているととも
に、内周端の接続端子(A)とこれに近い方の端子(C)とに
よって、内側電気的制御ブロック(g1)が形成され、外周
端の接続端子(B)とこれに近い方の端子(D)とによって、
外側電気的制御ブロック(g3)が形成され、中間の2つの
接続端子(C)(D)によって中間電気的制御ブロック(g2)が
形成されている。各電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)
は、同図(d)に示すように、それぞれ別個の高周波電
源(p1)(p2)(p3)によって駆動される。
【0065】高周波電源(高周波発振機)には、例え
ば、電力用半導体スイッチング素子であるIGBT(ゲ
ート絶縁型バイポーラトランジスタ)が使用される。こ
の電源により、各電気的制御ブロックそれぞれに少なく
とも周波数が異なりかつ電流の大きさも制御可能な交流
電源が供給される。
【0066】図16(b)(d)の各高周波電源(p1)(p
2)(p3)は、その周波数が異なるようになされている。こ
れにより、高周波電源(p1)(p2)(p3)の高周波同士の干渉
が生じにくい(生じない)ようになされており、干渉す
ることがない電源が供給できるようになっている。そし
て、これらの高周波電源(p1)(p2)(p3)は、誘導加熱実施
中において、被加熱対象である基板(S)上における温度
分布が低い部分に対応して、その電流値を独立して調整
可能である。したがって、駆動電源をそれぞれ調整する
ことにより、簡単に基板(S)の温度分布のムラを低減す
ることができる。この調整は、電気的な微調整が可能で
あるため、無段階変化とすることができるとともに、瞬
時に切り替えることもでき、また、各ブロックごとの微
調整も可能である。そして、清掃のための分解後に再組
立する場合でも、同じ制御をするように設定するだけで
その再現性を確保することができる。
【0067】図17は、図16に示した各誘導加熱用コ
イル(21)(61)の各電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)を別
個に制御した誘導加熱と1つの電源だけを用いた誘導加
熱とを比較するもので、1つの電源だけの場合には、同
図に破線で示すように、被加熱対象(T)の温度分布は、
その中央部と外周部が特に低く、その間にある中間部が
高い不均一なものとなっているのに対し、各電気的制御
ブロック(g1)(g2)(g3)を別個に制御した誘導加熱による
と、同図に実線で示すように、被加熱対象(T)の温度分
布の不均一が緩和されほぼ均一となっている。
【0068】図18は、被加熱対象(T)の温度分布を均
一化するための誘導加熱用コイル(62)の他の構成を示す
もので、この誘導加熱用コイル(62)は、同図上部に示す
ように、図2および図3に示したコイルと同じ形状の平
面状コイル部(63)に軸方向コイル部(u)が付加されたも
のとされている。軸方向コイル部(u)は、電気的制御ブ
ロックの1つであって、平面状コイル部(63)に隣接する
とともに中心空間部に隣接して、平面状コイル部(63)の
少なくとも一方(図示は、対向面の反対側)に1以上の
巻き数を有しているものである。平面状コイル部(63)と
円筒状部分(u)とは、絶縁または一端を共通に接地され
ており、各部分(63)(u)は、異なる電源(図示略)によ
って制御されている。この誘導加熱用コイル(62)によっ
ても、図16に示したものと同様、被加熱対象(T)の温
度分布の不均一が緩和されほぼ均一な加熱を行うことが
できる。
【0069】図19には、4以上の電気的制御ブロック
からなるコイルの一例を示している。このコイル(64)
は、互いに絶縁された2つの共通化ブロック(65a)(65b)
からなる平面状コイル部(65)と、平面状コイル部(65)の
中心空間部に沿うように設けられた軸方向コイル部(u)
とを備えており、各共通化ブロック(65a)(65b)は、それ
ぞれがほぼ同心円状とされるとともに、その中間部分に
共通の端子(C)(D)が設けられることによって、それぞれ
2つの電気的制御ブロック(g1)(g2)および(g3)(g4)に区
画されている。これらに接続端子(E)(F)を有する軸方向
コイル部(u)が加えられることにより、コイル(64)は、
計5つの電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)(g4)(u)によ
って形成されている。各電気的制御ブロック(g1)(g2)(g
3)(g4)(u)は、同図(b)に示すように、それぞれ別個
の高周波電源(p1)(p2)(p3)(p4)(p5)によって駆動され
る。接続端子C、DおよびEは、互いに接続されて、そ
の端部で接地されている。これらにより、部品点数の減
少が図られている。
【0070】上記の制御を容易に行うために、ガス注入
口に接続されるガス注入管(図1で符号(7)が付されて
いる)は、複数設けられ、電源接続端子を兼ねるように
導電体製とされている。そして、各ガス注入管は、電気
的に絶縁されて互いにまとめられ、1つのガス供給源
(図示略)に接続されている。
【0071】なお、この発明による誘導加熱方法は、例
えば上記の誘導加熱用コイル(21)(61)(62)(64)を使用す
ることにより可能とされるもので、ほぼ平面状のコイル
部(63)(65)を有するとともに中心空間部を有する誘導加
熱用コイル(21)(61)(62)(64)を使用して基板(S)を誘導
加熱するに際して、誘導加熱用コイル(21)(61)(62)(64)
をそれぞれ制御可能な複数の電気的制御ブロック(g1)(g
2)(g3)(g4)(u)に区画するとともに、誘導加熱実施中に
おいて、基板(S)上における温度分布が低い部分に対応
して、電気的制御ブロック(g1)(g2)(g3)(g4)(u)の電流
値を調整して温度分布を制御することを特徴とし、これ
により、図17および図18のグラフに実線でに示すよ
うに、温度分布がほぼ均一な加熱を可能とするものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による誘導加熱用コイルが使用される
一例である基板処理装置の主要部の概要を示す垂直断面
図である。
【図2】(a)は、誘導加熱用コイルの上面を示す平面
図であり、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図であ
る。
【図3】誘導加熱用コイルの下面を示す底面図である。
【図4】誘導加熱用コイルの詳細形状を説明するための
平面図である。
【図5】誘導加熱用コイルに設けられたガス吹き出し口
の拡大断面図であり、(a)は中心空間部に面する導電
体要素の垂直断面図であり、(b)は中心空間部以外に
面する導電体要素の垂直断面図(径方向)であり、
(c)は(b)のC-C線に沿う断面図(周方向)であ
る。
【図6】基板支持手段の要部を拡大した図で、(a)
は、平面図、(b)および(c)は、垂直横断面図であ
る。
【図7】基板処理装置における基板搬入出の状態を示す
模式図で,(a)は処理時の状態、(b)は搬送ロボッ
トによる基板受け取り時の状態を示す。
【図8】基板処理装置の制御部を示すブロック図であ
る。
【図9】基板処理装置の冷却機構の一実施形態を示す垂
直断面図である。
【図10】図9に示す基板処理装置の制御部を示すブロ
ック図である。
【図11】この発明による誘導加熱用コイルの主要部で
あるガス吹き出し口に設けられたねじ溝を示す拡大断面
図である。
【図12】図11に示すねじ溝にねじ込まれるおねじ部
材の一例を示す拡大断面図である。
【図13】図11に示すねじ溝にねじ込まれるおねじ部
材の他の例を示す拡大断面図である。
【図14】図11に示すねじ溝にねじ込まれるおねじ部
材のさらに他の例を示す拡大断面図である。
【図15】(a)は、誘導加熱用コイルに設けられるガ
ス吹き出し口の他の例を示す拡大断面図(中心空間部に
面する導電体要素の垂直断面図)であり、(b)は、誘
導加熱用コイルに設けられるガス吹き出し口のさらに他
の例を示す拡大断面図(中心空間部に面する導電体要素
の水平断面図)である。
【図16】(a)は、コイルを形成する電気的制御ブロ
ックの一例を示す模式図で、(b)は、(a)の配線図
であり、(c)は、コイルを形成する電気的制御ブロッ
クの他の例を示す模式図で、(d)は、(c)の配線図
である。
【図17】図16に示したコイルによる加熱の様子を示
す図である。
【図18】他のコイルによる加熱の様子を示す図であ
る。
【図19】(a)は、コイルを形成する電気的制御ブロ
ックのさらに他の例を示す模式図で、(b)は、(a)
の配線図である。
【符号の説明】
(21)(61)(62)(64) 誘導加熱用コイル (63)(65) 平面状コイル部 (65a)(65b) 共通化ブロック (u) 軸方向コイル部(電気的制御ブロッ
ク) (g1)(g2)(g3)(g4) 電気的制御ブロック (A)(B)(C)(D)(E)(F)電源接続端子 (P1)(P2)(P3)(P4) 高周波電源 (S) 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/44 H05B 6/44 (72)発明者 佐々木 治夫 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 岡庭 脩 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日 立造船株式会社内 Fターム(参考) 3K059 AA08 AB04 AC54 AD05 CD65 4K030 EA05 EA06 FA10 KA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板に対向するほぼ平面状の
    コイル部を有するとともに中心空間部を有する誘導加熱
    用コイルと、誘導加熱用コイルへ高周波の駆動電源を供
    給する電源供給手段とを備えている誘導加熱装置であっ
    て、 誘導加熱用コイルは、それぞれ電源接続端子を2つ有す
    る複数の電気的制御ブロックからなり、平面状コイル部
    においては電気的制御ブロックはほぼ同心円状になされ
    ていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 電源供給手段は、各電気的制御ブロック
    それぞれに少なくとも周波数が異なる交流電源を供給す
    る出力部を有している請求項1記載の誘導加熱装置。
  3. 【請求項3】 複数の電気的制御ブロックの1つであっ
    て、平面状コイル部に隣接するとともに中心空間部に隣
    接して、平面状コイル部の少なくとも一方に1以上の巻
    き数を有する軸方向コイル部を有している請求項1また
    は2に記載の誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 電気的制御ブロックの少なくとも一部の
    隣接した2つの電気的制御ブロックは、両端部に独立し
    た端子を有するとともにその間に1つの共通の端子を有
    する共通化ブロックの各端部の端子1つと共通の端子と
    を電源の出力部にそれぞれ接続してなる請求項1から3
    までのいずれかに記載の誘導加熱装置。
  5. 【請求項5】 全ての電気的制御ブロックにおいて、1
    つの端子は共通して接地されていることを特徴とする請
    求項1から4までのいずれかに記載の誘導加熱装置。
  6. 【請求項6】 各電気的制御ブロックもしくは各共通化
    ブロックには、ガス注入口ならびにガス供給口を有する
    ガス流路が内蔵されており、ガス注入口に接続されるガ
    ス注入管は、電源接続端子を兼ねるように導電体製とさ
    れるとともに、電気的に絶縁されて1つのガス供給源に
    接続されていることを特徴とする請求項1から5までの
    いずれかに記載の誘導加熱装置。
  7. 【請求項7】 誘導加熱実施中において、基板上におけ
    る温度分布が低い部分に対応して、電気的制御ブロック
    の電流値を調整して温度分布が制御されるようになされ
    ている請求項1から6までのいずれかに記載の誘導加熱
    装置。
  8. 【請求項8】 ほぼ平面状のコイル部を有するとともに
    中心空間部を有する誘導加熱用コイルを使用して基板を
    誘導加熱するに際して、誘導加熱用コイルをそれぞれ制
    御可能な複数の電気的制御ブロックに区画するととも
    に、誘導加熱実施中において、基板上における温度分布
    が低い部分に対応して、電気的制御ブロックの電流値を
    調整して温度分布を制御することを特徴とする誘導加熱
    方法。
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