JP6667840B1 - 電解銅箔の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気導電率が99%以上、10μm以下の薄い電解銅箔で、反りの問題が抑制された、表裏が平滑で、引張強度が500Mpa以上で、且つ、伸び率が5.5%以上の電解銅箔及び製造方法の提供。【解決手段】銅金属以外に重金属を含有しない電解液を用いて得られた電解銅箔であり、引張強度が500Mpa以上であり、電気導電率が99%以上であり、表裏の表面粗度が何れも2.5μm以下であり、厚みが10μm以下であり、且つ、伸び率が5.5%以上である電解銅箔。【選択図】 なし

Description

本発明は、電解銅箔及びその電解銅箔の製造方法に関し、例えば、二次電池の負極材料や電子回路基板用材料として有用な、99%以上の電気伝導度を示し、且つ、厚みが10μm以下と薄いものでありながら、500Mpa以上の高い引張強度と、5.5%以上の高い伸び率との両立を実現し、粗面が表面粗度の低い平滑面となる、従来にない極めて実用価値の高い電解銅箔を提供する技術に関する。
周知のとおり、電解銅箔は、めっき技術を応用した次のような方法で製造されている。硫酸と硫酸銅からなる水溶液を電解液とし、この電解液を、陰極である円筒形チタン製ドラムと陽極である不溶性陽極との間に満たし、両極間に直流電流を通ずることによって、陰極表面に銅が析出し、銅箔が形成される。このとき陰極ドラムは一定速度で回転しており、析出した電解銅は、特定の厚みになった段階で、ドラム表面から引き剥がされて連続的に巻き取られる。このため、電解銅箔には、製造上の要請として、ドラムに良好な状態で巻き取ることを可能にする「伸び率」の特性が要求される。ここで、当業者間においては、剥がし取った銅箔の、ドラムに接していた面を「光沢面」と称し、また、これとは反対の電解液側の面を「粗面」と称しており、この段階の電解銅箔を「未処理電解銅箔」と称している。
電解銅箔を、例えば、電子回路基板用とする場合には、上記未処理電解銅箔に対して、樹脂との接着性の向上や耐薬品性及び防錆性の付与などを目的とする各種表面処理が施されている。当業者間においては、各種表面処理工程を経たものを、上記に対して「処理電解銅箔」と称している。
近年、電解銅箔の主な用途である電子回路基板を適用する範囲は極めて広範になってきており、その利用も多様化している。さらに、リチウムイオン二次電池は、従来のモバイル用途に加えて自動車用途への需要が拡大しており、電解銅箔には、二次電池の負極材料としての利用に対応した技術の開発も求められている。例えば、負極の集電体としての銅箔には、電極材の膨張収縮による強い応力に耐え得る高い引張強度が求められ、経時においても高い引張強度を維持したものであることが求められる。このような状況下、「処理電解銅箔」については、用途に応じた様々な検討が行われており、その基礎材料である「未処理電解銅箔」は、より重要であるともいえ、「未処理電解銅箔」ついても種々の提案がされている。
中でも、「未処理電解銅箔」を製造する際の電解に使用する電解液について工夫する試みが、種々行われている。例えば、特許文献1では、硫酸−硫酸銅系電解液に、チオ尿素系化合物、タングステン塩、塩化物イオンを添加し、電解析出によりタングステンを含有し、残部が銅からなる電解銅合金箔を製造する技術を提案している。この技術によれば、電解析出面が低プロファイルであり、且つ、大きな機械的強度を備え、300℃以上で加熱しても機械的強度が変化しにくい電解銅合金箔が得られる、とされている。なお、特許文献1の実施例で得ているタングステン含有の未処理電解銅箔の厚みは、12μmある。
また、特許文献2では、前記した「未処理電解銅箔」における「粗面」側の表面に山谷形状が形成されて、粗さが粗くスズめっきの剥がれが発生するという問題を、電解液を改良することで解決することを提案している。具体的には、特許文献2には、硫酸−硫酸銅水溶液からなる電解液に、非イオン性水溶性高分子、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、チオ尿素系化合物及び塩素イオンを共存させることで、得られる電解銅箔が、粗面粗さが2.0μm以下の低粗面で、粗面側のX線回折による観測で特有の結晶組織であって、180℃・1時間、加熱後の抗張力が500MPa以上の高抗張力を示すものになるとした記載がされている。なお、特許文献2の実施例で得たとしている未処理電解銅箔は、厚みが18μmのものである。
特許文献3に記載の技術は、高周波回路用として有用な特性の銅箔を提供することを目的としている。この技術では、銅箔の製箔条件を制御することで、未処理電解銅箔の表面の粒状の結晶組織の状態を制御し、さらに、表面を電解エッチングすることで高周波領域での伝送損失に優れ、高いピール強度を有する銅箔の製造を可能にしている。そして、例示として、メルカプト基を有する化合物、塩化物イオン、並びに分子量10000以下の低分子量膠又は/及び高分子多糖類を添加した銅めっき液で製箔した電解銅箔は、粒状の結晶組織となることが記載されている。特許文献3に記載の技術では、ラインでのハンドリング性のため、引っ張り強さが20kN/m以上であり、且つ、伸び率が3%以上の特性を持つことが望ましいとしている。また、未処理電解銅箔の表面を、その後に電解エッチングすることを前提とした技術であることもあり、実施例で得ている未処理電解銅箔の厚みは12μmである。
特開2013−28848号公報 特開2011−174146号公報 特開2006−351677号公報
しかしながら、上記した従来技術には、下記のような課題がある。まず、特許文献1に記載の技術は、タングステン含有の未処理電解銅箔(以下、単に電解銅箔と呼ぶ。)を得るものであり、銅箔に、銅以外の重金属を含むため、500MPa以上の高抗張力を示したとしても純銅箔に比べて電気導電率が劣る、という致命的な問題がある。また、特許文献2に記載した技術では、粗面粗さが2.0μm以下であること、180℃・1時間、加熱後の抗張力が500MPa以上であることを実現した電解銅箔の提供を目的としているが、近時における電解銅箔に対する要求性能は、より高抗張力を示すことが要望されている。これに対して、特許文献2に記載した技術に例示されている電解銅箔は、厚さが18μmと厚く、近時における、製品の小型・軽量化に対応する軽薄短小の要請、材料コストの削減、資源の有効活用に十分に応えた技術にはなっていない。このため、より厚みが薄い10μm以下の電解銅箔において、電気伝導率が高いことは勿論、粗面が平滑で、製箔時は勿論、製箔後においても高抗張力を示す電解銅箔製品が提供されれば、工業上、極めて有用である。なお、特許文献3の技術は、未処理電解銅箔の電解エッチング処理後の粗面粗さを2.5μm以下にするとした技術であり、その目的が、本発明や上記した他の従来技術とは異なる。
先に述べたように、従来技術で得たとしている電解銅箔は、いずれも、厚みが12μm以上と厚いものであるが、近時における、製品の小型・軽量化に対応するためには、より薄い電解銅箔で、高い性能を実現することが望まれる。近時における資源の有効活用の点からも、より厚みが薄く、しかも、優れた性能を実現した電解銅箔を簡便に経済的に提供する技術が待望されている。
本発明者の検討によれば、より厚みが薄い10μm以下の電解銅箔において機械的強度を高めることは難しいことに加えて、機械的強度を高めた電解銅箔は、一方で伸びが損なわれるという、製造上における重大な問題がある。十分な伸び率がない電解銅箔では、得られた電解銅箔をドラムに巻き取って製品にする際に箔が切れてしまうことがあり、その場合は、製品の歩留まりが大きく損なわれる。すなわち、電解銅箔における、機械的強度と、伸び率は、トレードオフの関係にあり、両立できる技術が提供されなければ、工業上、実用化することは難しい。
また、本発明者の検討によれば、従来の電解液を使用した従来の製造方法で、厚みが薄い10μm以下の電解銅箔を調製した場合には、下記の問題があり、この点も、工業上、実用化する際の重要な技術課題であり、解決する必要がある。具体的には、従来技術で得られる厚みが薄い電解銅箔では「反り(カール)」が生じ、この「反り」が、その後に、電解銅箔を各種用途に適用する場合に行う、樹脂との接着性の向上や、耐薬品性及び防錆性の付与などを目的とする各種の表面処理などにおいて、処理効率を損なう原因となっており、処理の作業性や、「顧客に提供するために種々表面処理を施した処理後の電解銅箔」の歩留まりなどを損なっていた。
さらに、本発明者の検討によれば、これまでの技術によって得られる電解銅箔は、製造直後には良好な特性を示すものができたとしても、その後に強度が低下して、例えば、製造後、48時間経過後まで、十分に高い強度を安定に維持することができておらず、電解銅箔を利用した各種製品の製造の際の問題となっていた。すなわち、製造直後に電解銅箔が十分な強度を示すことは勿論、製箔後、例えば、「処理電解銅箔」を得るための処理を行うのに通常必要になる48時間後の時点においても、電解銅箔が、十分に高い強度を示すものであれば、作業性や加工性などに関して、従来の材料に比べて有利な材料になるので、工業上、極めて有用である。
したがって、本発明の目的は、従来技術によっては実現できていなかった、電気導電率が99%以上で、厚みが10μm以下の薄い電解銅箔であって、「反り(カール)」の問題が抑制されており、表裏の表面粗度が何れも2.5μm以下と平滑であり、引張強度が500Mpa以上で、且つ、伸び率が5.5%以上である、ドラムに良好に巻き取ることが可能な、作業性や歩留まりに優れる、実用上極めて有用な電解銅箔を提供する技術を開発することである。本発明の目的は、別途、重金属を用いて、電解銅箔の結晶組織に他の重金属を入れるといったことがなく、単に電解液における添加剤を工夫するという簡便な方法で、上記した優れた性能の、純銅からなる電解銅箔を製造することにある。
上記の目的は、以下の構成の、電解銅箔及び該電解銅箔を簡便に製造できる電解銅箔の製造方法を提供する本発明によって解決できる。
[1]銅金属以外に重金属を含有しない電解液を用いて得られた電解銅箔であって、
引張強度が500Mpa以上であり、
電気導電率が99%以上(IACS値)であり、
表裏の表面粗度が何れも2.5μm以下であり、
厚みが10μm以下であり、且つ、
伸び率が5.5%以上であることを特徴とする電解銅箔。
本発明の電解銅箔の好ましい形態としては、下記が挙げられる。
[2]前記表裏の表面粗度が、何れも1.8μm以下である上記[1]に記載の電解銅箔。
[3]製箔直後及び製箔48時間後における引張強度が、何れの銅箔においても500MPa以上である上記[1]又は[2]に記載の電解銅箔。
[4]二次電池の負極材料用である上記[1]〜[3]の何れかに記載の電解銅箔。
[5]高周波回路用である上記[1]〜[3]の何れかに記載の電解銅箔。
本発明は別の実施形態として、下記の電解銅箔の製造方法を提供する。
[6]上記[1]〜[5]の何れかに記載の電解銅箔を得るための電解銅箔の製造方法であって、
銅金属以外に重金属を含有しない硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、基体の表面に白金族金属及び/又はその酸化物の少なくとも一つで被覆した不溶性陽極と、該不溶性陽極に対向する陰極ドラムとを用い、これらの両極間に直流電流を通じて電解銅箔を形成する際に、
前記電解液に、下記の(A)〜(E)の5種類の添加剤を、それぞれ下記の量で含有させ、且つ、添加剤(D)と添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.2〜0.7となる比率で添加することを特徴とする電解銅箔の製造方法。
添加剤(A):分子量200000〜500000の溶解型又は分散型のノニオン性有機化合物を、5〜15ppm
添加剤(B):分子量7000以下の低分子量有機化合物としての環状ポリエステルオリゴマーを、6.5〜15ppm
添加剤(C):活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩を、2〜10ppm
添加剤(D):チオ尿素系化合物を、2.5〜15ppm
添加剤(E):塩素イオンを5〜30ppm
本発明の電解銅箔の製造方法の好ましい形態としては、下記が挙げられる。
[7]前記添加剤(D)と前記添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.3〜0.6となる比率で添加する上記[6]に記載の電解銅箔の製造方法。
[8]前記添加剤(A)が、ヒドロキシエチルセルロース、ポリグリセリン及びアセチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも何れかを含む上記[6]又は[7]に記載の電解銅箔の製造方法。
[9]前記添加剤(C)が、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム又はビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドナトリウムの何れかを含む上記[6]〜[8]の何れかに記載の電解銅箔の製造方法。
[10]前記添加剤(D)が、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素及びトリメチルチオ尿素からなる群から選ばれる少なくとも何れかを含む上記[6]〜[9]の何れかに記載の電解銅箔の製造方法。
本発明によれば、従来技術では実現できていなかった、電気導電率が99%以上で、厚みが10μm以下と薄い電解銅箔であって、「反り(カール)」の問題が抑制されており、表裏の表面粗度が何れも2.5μm以下と平滑であり、引張強度が500Mpa以上で、且つ、伸び率が5.5%以上である、ドラムに巻き取ることが良好に行われる、作業性や製品の歩留まりに優れる、実用上極めて有用な電解銅箔製品が提供される。また、本発明によれば、製造直後は勿論、電解銅箔の製箔後、例えば、「処理電解銅箔」を得るための処理を行うのに通常必要になる48時間後の時点においても、電解銅箔が、十分に高い強度を示す、作業性や加工性などに関して従来の材料に比べて有利な材料である電解銅箔製品が提供される。また、本発明によれば、従来技術では実現できていない上記優れた特性の電解銅箔を、単に電解液における添加剤を工夫するという簡便な方法で得ることができる電解銅箔の製造方法が提供されるので、工業上、極めて有用である。また、本発明の製造方法によれば、使用する添加剤の種類が少なく、加えて、いずれも汎用の原材料であり、しかも使用量が、従来の方法に比べて少量でありながら、従来にない優れた特性の電解銅箔が得られるため、経済性及び資源の有効活用の点でも有用である電解銅箔が提供される。
本発明で、電解銅箔の評価に用いた反り(カール)の発生状態を相対的に評価するための方法の、模式的な説明図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の電解銅箔は、銅金属以外に重金属を含有させていない電解液を用いて調製されたものであるため、基本的には純銅からなる。例えば、先に従来技術として記載した特許文献1では、電解析出によりタングステンを含有した銅箔としているため、純銅に比べて電気導電率が低下し、99%以上の電気導電率を達成した製品にはならない。このことは、特許文献1の技術で提供される銅箔は、その強度などにおいて好適な電解銅箔であるとしても、銅箔の用途において極めて重要な、基本性能の電気導電率に劣るという重大な課題があることを意味している。
本発明の電解銅箔は、厚みが10μm以下と薄いものでありながら、引張強度が500Mpa以上で、且つ、伸び率が5.5%以上であることを特徴とする。銅箔は、例えば、ポリイミドフィルムと貼り合わせたプリント配線板などとして広く使用されているが、近年、配線一体型のものも増えていることもあって、銅箔の強度の向上も要求されてきている。その一方で、製品の軽薄短小への要請と、材料コストの削減、資源の有効活用の観点から、より薄い銅箔が望まれている。このような現状に対し、本発明では、厚みが10μm以下、例えば、7〜9μmの厚みの薄い電解銅箔でありながら、高い強度と、製造の際に歩留まりよく製品を得るのに必要な十分な伸び率と、を両立した電解銅箔を実現している。
電解銅箔は、銅を含む電解液を用い、両極間に直流電流を通じて、陰極の円筒形ドラム上に銅を析出させて銅箔を形成させるため、圧延によって光沢性に優れる銅箔を得る方法に比較し、薄い箔を簡便に得ることができる。しかしながら、従来の方法で、電解して得られた電気導電率が99%である銅箔の強度を高めた場合、円筒形ドラム上から電解銅を引き剥がして連続的に巻き取って電解銅箔製品を得る際に銅箔の伸び率が十分にないと、銅箔の一部が切れてしまったり、場合によっては、巻き取る途中で銅箔が切断するといった問題が生じる。このことは、電解銅箔には、高い引張強度と、良好な伸び率を同時に満足することが要望されていることを意味する。しかし、高い引張強度と、良好な伸び率とはトレードオフの関係にあり、両立させることは極めて難しく、上記したように、従来技術では未だ実現できていない。
また、本発明の電解銅箔は、従来技術によって得られた厚みが薄い電解銅箔の場合、「反り(カール)」が生じるという技術課題があり、その後の処理に影響を与えていたのに対し、「反り(カール)」の発生が抑制された従来にない特性のものになる。さらに、本発明の電解銅箔は、「反り(カール)」の発生が抑制される点に加え、製箔直後は勿論、製箔後の、例えば、48時間経過後においても、電解銅箔が、高い強度と十分な伸び率を示すものになる。従来の電解銅箔は、製箔直後に良好な特性を示したとしても、例えば、電解銅箔を各種製品の用途に合わせて表面処理などをする時点で、製箔直後の強度が低下している傾向があり、「反り(カール)」の発生とともに、このことは電解銅箔を利用する技術において、作業性や加工性などを損なう重大な問題となる。
また、先に説明したように、電解銅箔は、円筒形ドラム上から剥がし取った電解銅のドラムに接していた面は「光沢面」と呼ばれている通り、平滑になる。しかし、もう一方の、電解液に浸漬している側の面は、「粗面」と呼ばれている通り、「光沢面」と比較して明らかに凹凸があり、粗度が大きいものなる。このため、本発明で規定する前記した「厚み」と「引張強度」と「伸び率」に加えて、電解銅箔の表裏面の粗度が、何れも2.5μm以下である電解銅箔製品が実現できれば、例えば、光沢面であることが要望されている、二次電池の負極用の基体銅箔として極めて有用である。
本発明において提供される電解銅箔は、より好ましくは、表裏面の粗度が、何れも2.0μm以下、さらには、1.8μm以下であることが望まれる。本発明者の検討によれば、通常の製造方法で得た電解銅箔であれば、光沢面は、1.0μm以下の表面粗度を示すものになる。しかし、粗面の表面粗度を、安定して、2.5μm以下、さらには2.0μm以下とすること、より好適には、1.8μm以下の製品を安定して得ることは難しい。
本発明者は、上記した電解銅箔への相反する、高い引張強度と良好な伸び率の両立を、10μm以下の厚みの薄い電解銅箔で実現すること、これらの要請に加えて、粗面の表面粗度が安定して、2.5μm以下である電解銅箔を簡易に得ることについて検討を行った。特に電解銅箔を得る際に使用する電解液の添加剤を工夫することで、全てを解決することができれば、極めて有用な技術になるとの認識の下、詳細な検討を行った。まず、99%以上の高い電気導電率の電解銅箔を得るため、電解液の構成を、銅金属以外に重金属を含有させない構成のものにした。このため、本発明は、基本的には、純銅の電解銅箔を提供する技術である。なお、本発明は、製造過程で不可避的に電解液に含まれることで、銅箔にコンタミした重金属の存在までを否定するものではない。
本発明で規定する重金属とは、例えば、先述した特許文献1の技術で提案しているW(タングステン)などを意味する。この技術では、電解液中に銅以外の金属であるタングステンを混入させて、電解共析させ、「銅箔中に重金属を介在させて高強度を実現」しており、本発明とは技術的特徴が異なる。より具体的には、上記構成の特許文献1によれば、「Cu−W」の合金電解箔で高い引張強さを実現している。しかし、この技術の場合には、高い引張強度を実現できるものの、伸び率が小さく、何よりも、銅箔が本来有する高い電気導電率が損なわれるという、致命的な問題がある。
本発明者は、厚みが10μm以下と薄い電解銅箔において、上記した技術のように他の重金属を銅箔中に介在させて高強度化を図るのではなく、電解液の添加剤を工夫することで、高い引張強度を実現すると同時に、高い引張強度とトレードオフの関係にある、電解銅箔の製造上、不都合のない十分な伸び率を示し、さらに、電解によって得られる電解銅箔が、例えば、光沢面であることが要望されている、二次電池の負極用の基体銅箔として好適な、表裏の表面粗度が何れも2.5μm以下である、工業上、極めて有用な、従来にない特性を有する電解銅箔を得るべく、鋭意検討を行った。粗面が光沢面であることが要望される用途においては、より好ましくは、表裏面の粗度が、何れも2.0μm以下、さらには、1.8μm以下であることが望まれる。最も好ましい形態は、表裏共に同一の粗度が理想である。
電解銅箔では、上記した特性を達成することの加えて、先に述べたように、従来技術で得られた厚みが薄い電解銅箔では、「反り(カール)」が生じるという解決すべき技術課題があり、また、電解銅箔を利用した多様な用途の製品の製造への影響を考慮すると、製箔直後の良好な電解銅箔の強度が、製箔後、例えば、48時間後にも維持されることが望まれている。本発明者は、これらの課題を解決した電解銅箔が提供できれば、工業上、極めて有用な材料になるとの認識をもった。ここで、上記「反り(カール)」の問題については、「反り(カール)」が起こる要因は、結晶粒界の残留応力や、銅の電着時における結晶方位の影響もあると言われている。そして、反りの大きな結晶方位は、(2,2,0)の配向性であり、反りが小さい結晶方位は、(1,1,1)の配向性になると言われている。従来技術では、高強度の電解銅箔は、特に「反り(カール)」が大きいとされている。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、上記した全ての特性を満たす電解銅箔は、硫酸−硫酸銅水溶液からなる電解液に、下記の5種の添加剤を、本発明で規定する量でバランスよく添加するという極めて簡便な方法によって実現することができることを見出して、本発明に至った。すなわち、本発明の製造方法は、電解液に、下記の(A)〜(E)の5種類の添加剤を、それぞれ下記の範囲の少ない量で含有させ、且つ、添加剤(D)と添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.2〜0.7となる比率で添加することを特徴とする。以下、これらの添加剤について説明する。
添加剤(A):分子量200000〜500000の水溶性又は分散性のノニオン性有機化合物を、5〜15ppm
添加剤(B):分子量7000以下の低分子量有機化合物としての環状ポリエステルオリゴマーを、6.5〜15ppm
添加剤(C):活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩を、2〜10ppm
添加剤(D):チオ尿素系化合物を、2.5〜15ppm
添加剤(E):塩素イオンを5〜30ppm
<添加剤(A)>
本発明では、添加剤(A)として、分子量200000〜500000の溶解型又は分散型のノニオン性有機化合物を使用し、電解液中に5〜15ppmの濃度となるように添加する。このような水溶性有機化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリグリセリン及びアセチレングリコールなどが挙げられる。これらのものを適宜に併用してもよい。例えば、ヒドロキシエチルセルロースを用いる場合は、2%、25℃における粘度が、80〜130/mPa・Sのもの、300〜400/mPa・Sのもの、400〜800/mPa・Sのものなどが好適に使用できる。
本発明者は、理由は定かではないが、添加剤(A)を電解液に添加することで、高分子量の(A)成分が、電解作用時に分散して銅結晶を成長させ、その結果として、本発明の電解銅箔では、常温及び高温時における銅箔の伸び率を向上させることができ、さらに、製箔後、48時間経過後においても、高い強度を維持できたものと考えている。また、本発明者の検討によれば、添加量が多くなり過ぎると、電解銅箔の粗面の外観形状(M面形状という場合もある)を悪化させる傾向がある。添加剤(A)の添加量が多いことで生じるこの問題に対しては、後述するように、塩素イオンを併用した電解液を用いることで、M面形状(外観)をよくすることができることを見出した。本発明者は、この点について、下記のように考えている。塩素イオンは、電解している電解液中で効果的に他の添加剤成分を運搬するキャリアーとしての働きをしており、特に、高分子量の添加剤(A)の添加量が多い場合は、キャリアーが不十分になるので塩素イオンを多めに添加することが効果的であったと推定している。
本発明では、特に、(A)〜(E)の5種類の添加剤をバランスよく添加した電解液を用いて電解することが重要であるが、上記した添加剤(A)の添加量は、電解液中の濃度が、5〜15ppmとなるように添加することを要する。より好ましくは、5ppm以上、10ppm未満の濃度となる範囲で添加する。
<添加剤(B)>
本発明では、添加剤(B)として、分子量7000以下の低分子量有機化合物としての環状ポリエステルオリゴマーを使用し、電解液中に、6.5〜15ppmの濃度となるように添加する。添加剤(B)の好適なものとしては、例えば、分子量7000以下の、好ましくは2000以上、例えば、3000〜5000程度である低分子量の、タンパク質分解コラーゲンペプチドなどが挙げられる。上記分子量のコラーゲンペプチドは、電解液中に安定に溶解でき、また、入手も容易であるため、本発明に好適である。コラーゲンペプチドは、コラーゲンを加熱変性して得たゼラチンを酵素処理で分解し、数百から数千に低分子量化したもので、近年、健康食品としても注目されており、化粧料原料や産業原料として広く利用されている。コラーゲン原料としては、牛や豚などの動物の他、ヒラメやサケなどの魚類の皮や鱗が使用されている。勿論、コラーゲンペプチドは、有機合成によって得られたものであってもよい。
本発明で添加剤(B)として好適な、分子量7000以下のコラーゲンペプチドは、市販のものを容易に入手することができる。例えば、動物性コラーゲン由来のコラーゲンペプチドとしては、ニッピペプタイドPBF、ニッピペプタイドPRA(いずれもニッピ社製)、SCP−5000、SCP−3100(いずれも新田ゼラチン社製)、コラーゲンペプチドDS(協和ハイフーズ社製)、ファルコニックスCTP(一丸ファルコス社製)などが挙げられる。このような動物由来のコラーゲンペプチド以外では、動物性コラーゲンとアミノ酸組成が類似しているものが好ましく、例えば、コラーゲン類似ペプチドとして、ニンジン由来ペプチドなどが挙げられる。
コラーゲンは、動物の結合組織を構成する主要タンパク質であり、骨、腱、皮膚、血管壁などに多く含まれる。分子内に1または複数の3重らせん構造を有し、構成するポリペプチド鎖のアミノ酸配列が異なる種々のタイプが存在する。コラーゲンの変性物であるゼラチンは、コラーゲンを含む原料を温(熱)水抽出することにより得られる分子量30万から数万程度の水溶性タンパク質である。
本発明では、添加剤(B)を、電解液中に6.5〜15ppmの濃度となるように添加する。好ましくは、7〜12ppmとなるように添加する。本発明者の検討によれば、この添加剤(B)を特定量添加した電解液を用いて電解銅箔を製造すると、M面形状が平滑になることがわかった。本発明者は、その理由を、低分子量成分である添加剤(B)が銅箔に取り込まれたためと考えている。また、添加量を多くすると、表面粗度の値は低下するものの、表面形状が不均一になる傾向があることがわかった。すなわち、銅箔面に、ムラやスジが形成される場合があることを確認した。さらに、この問題を抑制するためには、添加剤(A)の場合と同様に、この場合も塩素イオンの添加が重要であることがわかった。また、電解液への低分子量成分である添加剤(B)の場合は、添加の有無にかかわらず、得られる電解銅箔については、引張強度や伸びには影響を及ぼさないことを確認した。
また、本発明者の検討によれば、本発明が目的としている、電解銅箔の液面側の電着面の表面粗度が2.5μm以下になるようにするためには、添加剤(B)を、後述する添加剤(C)と併用することが重要である。さらに、これらの添加割合を、例えば、(C)/(B)が0.2〜0.6となる比率で、さらには0.2〜0.4程度の比率で添加することがより好ましい。
<添加剤(C)>
本発明では、添加剤(C)として、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩を使用し、電解液中に、2〜10ppmとなる範囲で添加する。好ましくは、2〜6ppmとなるように添加する。活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩としては、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウムや、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドナトリウムなどが挙げられる。活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩は、従来より光沢剤として使用されており、分解が早く、光沢平滑性の効果が早いとされている。本発明の技術的特徴の一つは、光沢剤として使用されている活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩に、先に説明した添加剤(B)を併用することが有効であること、さらに、本発明で規定する少量の添加量で、より好ましくは、これらの添加割合を、例えば、(C)/(B)が0.2〜0.6となるようにしてこれらの2成分を併用することで、引張強度や伸びには影響を及ぼすことなく、得られる電解銅箔の粗面の光沢度を最適にコントロールできることを見出した点にある。
先に述べたように、電解銅箔の、巻き取ったドラム表面によって形成される光沢面は、表面粗度が1.0μm以下であり平滑性に優れるが、電解液側に形成される粗面の表面粗度を安定して2.5μm以下、さらに、1.8μm以下にすることは困難である。これに対し、本発明の製造方法で規定する構成の電解液を使用し、通常の方法で電解銅箔を製造すれば、粗面の表面粗度を、安定して2.5μm以下、好適には、1.8μm以下にすることができる。電解銅箔を製造する方法については後述する。
<添加剤(D)>
本発明では、添加剤(D)として、チオ尿素系化合物を使用し、電解液中に、2.5〜15ppmとなる範囲で添加する。要求される引張強度に応じて、この範囲内で、適宜に濃度を決定すればよい。本発明で使用するチオ尿素系化合物としては、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素及びトリメチルチオ尿素などが挙げられ、これらをいずれも使用することができる。中でもチオ尿素が好ましい。
チオ尿素系化合物は、その構造中に、窒素と硫黄と炭素を含むものであり、これらの元素が銅の結晶粒界に取り込まれる結果、電解銅箔の引張強度が高くなる。しかしながら、本発明者の検討によれば、強度が高くなる分、伸びが失われて、得られる電解銅箔は破断しやすいものになる。チオ尿素系化合物は、従来技術においては、めっき強度を高くする薬剤として電解液に添加して使用されている。しかし、本発明者の検討によれば、高強度薬剤として良好に機能させるための電解液中への添加量の範囲は、極めて狭く、実用上、利用し難いという問題があった。これに対し、本発明者は、チオ尿素系化合物の添加量を多くすると、得られる電解銅箔の強度が向上し、添加量を少なくすると強度の低下がみられ、チオ尿素系化合物の添加量は、電解銅箔の強度に大きく関係していることを見出した。
添加剤(D)としてのチオ尿素系化合物の添加量は、2.5〜7.0ppmが好ましく、さらには2.5〜5.0ppmとすることがより好ましい。後述するように、本発明では、添加剤(A)と併用することで、このような少ない添加量で、高い引張強度と、良好な状態で電解銅箔を製造するのに十分な伸び率を達成している。本発明の主たる技術的特徴は、電解銅箔における、トレードオフの関係にある、機械的強度と伸び率をより高度に、安定して両立できる技術を提供したことにある。具体的には、本発明では、強度を向上させる添加剤(D)としてのチオ尿素系化合物と、電解液に添加することで、電解作用時に分散して銅結晶を成長させ、その結果として、常温及び高温時における銅箔の伸び率を向上させることができることを見出した高分子量の(A)成分とを、本発明で規定する特定の範囲内での少量の添加量で、且つ、添加剤(D)と添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.2〜0.7となる比率で添加する新規な構成の電解液を用いるという簡便な構成で、トレードオフの関係にある、機械的強度と伸び率とを、より高度に、安定して両立した電解銅箔の提供を実現している。
また、本発明者の検討によれば、チオ尿素系化合物を添加することによる効果をより高めるためには、電解液中の硫酸濃度と、後述する塩素イオン濃度の管理が重要になる。具体的には、例えば、電解液中の硫酸濃度を、95g/L以上とすることが好ましく、また、塩素イオン濃度を30mg/L以下にすることが好ましい。
<添加剤の添加比率など>
本発明者は、チオ尿素系化合物を添加することによって得られる電解銅箔の強度の向上効果を巧みに利用し、さらに、強度が高くなることで生じる銅箔の伸び率の低下を、電解液に添加する他の添加剤成分によって抑制し、解決することについて鋭意検討を行い、その結果、本発明を達成した。まず、先に説明したように、添加剤(A)を添加することで、常温及び高温時における銅箔の伸びを向上させることができ、その状態は、製箔後、48時間経過後も維持されることを見出した。また、その場合に、添加剤(A)の添加量が多すぎると強度を低下させるため、本発明の製造方法で規定する、5〜15ppmの濃度範囲、より好ましくは、5ppm以上、10ppm未満の濃度となる範囲で添加することが有効であることがわかった。
さらに、本発明者の検討によれば、同時に検討していた、粗面の表面粗度を安定して2.5μm以下にするために必要となる、先に説明したように、添加剤(B)及び(C)を特定の量でそれぞれ使用し、さらに好ましくは、添加剤(B)及び(C)を、特定の比率で使用する構成としたことで、得られる電解銅箔が、上記した効果に加えて、よりバランスのよい効果が得られ、実用化する際の多様な求めに対し、いずれにもバランスよく対応した優れた性能を実現したものになることを見出した。すなわち、本発明では、添加剤(D)のチオ尿素系化合物を特定の範囲で添加することで得られる電解銅箔の強度の向上効果と、添加剤(D)の添加によって生じる銅箔の伸び率の低下の問題を、添加剤(A)の高分子量の有機化合物を特定の範囲で添加することで抑制し、さらに、添加剤(A)の添加によって生じる粗面に現れるムラやスジの外観形状の悪化の問題を、添加量をコントロールした添加剤(B)及び(C)の添加によって解決し、従来にない本発明で規定する全ての性能をバランスよく有する電解銅箔の実現を可能にした。
具体的には、本発明者は、従来実現できていなかった、バランスよく必要な性能を有する、工業上、極めて優れた電解銅箔を得るためには、下記の構成が重要であることを見出して本発明を達成した。まず、実現するためには、本発明の製造方法で規定する電解液への添加剤を、(A)〜(E)の5種類の添加剤を、それぞれ、比較的少ない特定の範囲の量で使用すること、さらに、電解銅箔の特性として、近年、強く求められるものの技術的に両立させることが難しい、トレードオフの関係にある、機械的強度と伸び率との両立を図るためには、添加剤(D)と添加剤(A)を、(D)/(A)が0.2〜0.7となる比率となるようにして電解液を調製することが重要である。より好ましくは、(D)/(A)が0.3〜0.6となる比率で用いる。さらに、電解銅箔の表面性状を良好なものにするためには、前記した添加剤(C)と添加剤(B)とを、本発明で規定するそれぞれの添加量の範囲内において、(C)/(B)が0.2〜0.6となる比率で電解液に添加するとよく、より好ましくは、(C)/(B)の比率が0.2〜0.4となる範囲で添加することが有効である。
<添加剤(E)>
本発明の製造方法によって上記した優れた性能の電解銅箔を得るためには、先述したように、電解液における塩素イオン濃度も重要であり、具体的には、電解液中に、添加剤(E)として塩素物イオンが5〜30ppmの範囲で含まれるように構成する。先に述べたように、塩素イオンは、電解液中で、添加剤を効果的に運搬するキャリアーの働きをすると考えられ、特に、添加剤(A)の高分子量の有機化合物の添加量、添加剤(D)のチオ尿素系化合物の添加量との兼ね合いで、5〜30ppmの範囲で、より好ましくは、15〜30ppmの範囲内で適宜に調整して添加するとよい。なお、本発明者の検討によれば、30ppmを超えた量で添加しても、より以上に顕著な塩素イオン効果は認められなかった。先に述べたように、塩素イオンを上記範囲内で添加することで、粗面に現れるムラやスジの外観形状の悪化の問題の抑制効果にも寄与する。上記塩素イオン源には、例えば、塩酸を用いればよい。
さらに、従来技術で得られる厚みが薄い電解銅箔では「反り(カール)」の問題が生じていたのに対し、上記特有の構成の電解液を用いることを特徴とする本発明の製造方法で得た電解銅箔では、驚くことに、「反り(カール)」の発生が明らかに抑制され、反りの問題が解決された、10μm以下の薄い電解銅箔が実現できることを確認した。電解銅箔において生じる「反り(カール)」は、電解銅箔を利用して種々の製品を効率よく作製する際の製造上の大きな問題であり、本発明によって実現される、「反り(カール)の発生が安定に抑制された電解銅箔」によってもたらされる効果は、工業上、極めて大きい。本発明者は、本発明で規定する特有の電解液を用いた構成によって上記効果が得られた理由について、下記のように考えている。先述した通り、銅箔の反りの大きな結晶方位は、(2,2,0)の配向性で、反りが小さい結晶方位は、(1,1,1)の配向性になると言われていることから、本発明の「反り(カール)の発生が抑制された電解銅箔」の結晶方位は、(1,1,1)の配向性になっていると考えられる。このことから、本発明者は、本発明で規定する添加剤(A)〜(E)を、従来技術よりも少ない量で、特有の配合となるようにした新規な構成の電解液を用いたことで、これらの添加剤が複合的に形成される銅箔の結晶方位に影響を与えて、本発明の電解銅箔の結晶方位を(1,1,1)の配向性にし、その結果として、「反り(カール)の発生」が安定に抑制できたもと推論している。
<電解方法>
電解銅箔を製造する方法では、上記特定の構成の電解液を用い、基体の表面に白金族金属及び/又はその酸化物の少なくとも一つで被覆した不溶性陽極と、該不溶性陽極に対向する陰極ドラムとを用い、これらの両極間に直流電流を通じて電解する。より具体的には、硫酸−硫酸銅水溶液からなる電解液に、先に説明した添加剤(A)〜(E)を、本発明で規定する範囲で添加して調整し、この電解液を、白金族酸化物にて被覆した不溶性陽極と、陰極であるチタン製陰極ドラムとの間に供給し、電解液温35〜60℃、電解電流密度20〜80A/dm2の電解条件で直流電解するという簡便な方法で、本発明で目的とするバランスのよい性能を示す電解銅箔を得ることができる。
なお、本発明によって提供される電解銅箔は、高い引張強度をもつプリント配線板用材料などとして広範囲に用いることができる。本発明によれば、電解液の配合を、本発明で規定する範囲で適宜に増減させることで、得られる電解増箔の強度や伸びを、従来にない高いレベルでコントロールすることが可能であるため、例えば、二次電池の負極材料用として、或いは、高周波回路用などとして、広範な用途で利用することができる。特に、電解銅箔の強度は、製箔後に達成できるだけでなく、製箔後、48時間経過しても、高い強度が十分に維持されているので、上記製品を製造する際に極めて有用である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜8、比較例1〜7
硫酸(H2SO4)を100g/Lと、硫酸銅5水和物(CuSO4・5H2O)を280g/Lからなる硫酸−硫酸銅水溶液を調製した。以下、この電解液を、「ベース電解液」と呼ぶ。
上記ベース電解液に添加する添加剤として、下記の成分をそれぞれ用意した。
・添加剤(A):分子量25万のヒドロキシエチルセルロース、分子量50万のヒドロキシエチルセルロース(いずれもダイセルファインケム社製)、ポリグリセリン(ダイセル化学工業社製、PGLと略記)
・添加剤(B):分子量5000のコラーゲンペプチド(旭陽化学工業社製)
・添加剤(C):3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(宏栄化成社製)
・添加剤(D):チオ尿素(日本化学工業製)、N,N−ジエチルチオ尿素(EURと略記)
・添加剤(E):塩酸
上記した各添加剤を、前記ベース電解液に添加して混合し、それぞれの添加剤が表1に示した濃度になるように調整して、実施例及び比較例で使用する電解液を得た。添加剤(A)には、基本的に分子量25万のヒドロキシエチルセルロースを用い、添加剤(D)には、基本的にチオ尿素を用いた。比較例7では添加剤(A)にポリグリセリン(PGL)を用い、添加剤(D)にN,N−ジエチルチオ尿素(EUR)を用いた。なお、添加剤(A)の分子量50万のヒドロキシエチルセルロースは、分子量25万のヒドロキシエチルセルロースを用いた場合と、同様の結果が得られることを確認するための試験に使用した。同様の結果が得られたため、表には記載していない。比較例5、6では、タングステン酸ナトリウムを用い、電解液中にタングステンとして100ppmを含有させた。
上記で得た電解液を、白金族酸化物にて被覆したチタンからなる不溶性陽極と、陰極であるチタン製陰極ドラムとの間に供給した。そして、電解電流密度:40A/dm2、電解液温:40℃の電解条件で電解し、常法にしたがってドラムに巻き取って、表2に示した各厚みの電解銅箔をそれぞれに得た。
得られた実施例及び比較例の各電解銅箔について、下記に挙げる試験を行ってそれぞれ評価した。それぞれの評価は、製箔後、48時間経過した電解銅箔について行った。これは、従来の電解銅箔は、強度については、製箔直後における電解銅箔の強度は大きいものの、次の処理などが行われる48時間経過した電解銅箔では、25〜30%程度、強度が低下し、高い強度が維持できていない傾向があったためである。参考のため、製箔直後の電解銅箔についての引張強度も測定した。得られた評価結果を表2にまとめて示した。
(1)引張強度
各電解銅箔について、IPC−TM−650に基づき、エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機を用いて、引張強度(MPa)の測定を行った。また、強度の経時における安定性を評価するため、各電解銅箔を、常温・常湿、具体的には、25〜35℃、湿度25〜40%の環境下に48時間保持し、その後に各電解銅箔の引張強度の測定を行った。得られた結果を表2に、まとめて示した。
(2)伸び率
各電解銅箔について、IPC−TM−650に基づき、エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機を用いて、伸び率(%)を測定した。また、経時における伸び率の安定性を評価するため、各電解銅箔を、常温・常湿、具体的には、25〜35℃、湿度25〜40%の環境下に48時間保持し、その後に各電解銅箔の伸び率の測定を行った。得られた結果を表2に、まとめて示した。
(3)電気導電率
電解銅箔の電気導電率は、一般社団法人「日本伸銅協会」の作業基準であるJCBA T603の「渦流式導電率径による導電率測定方法」に準拠して測定した。表2に結果を示した。結果は、20℃における電気抵抗値を、標準軟銅(1.7241 sun & cm)との百分率比で表したものである。したがって、電解銅箔の電気導電率は、100%を超える場合もある。
(4)表面の粗さ評価
各電解銅箔の粗面(M面)の表面粗さについては、JIS B0601に規定されている十点平均粗さ(Rz)を測定した。得られた結果を表2に、まとめて示した。なお、いずれの電解銅箔も、光沢面の表面粗さは1.0μmであった。
(5)粗面(M面)の外観評価
粗面の表面性状について、目視でM面形状を観察して、下記の基準で評価した。得られた結果を表2に、光沢として、まとめて示した。
◎:ムラやスジが全く認められず、極めて平滑で光沢がある。
○:光沢性にやや劣る。
△:スジはないがムラが認められ、光沢性に欠ける。
×:光沢がなくムラやスジが認められる。
(6)反り(カール)の発生の評価
下記のようなサイズのカール値の測定用試料について、目視観察して反り(カール)の発生を評価するとともに、相対的に、各電解銅箔に生じた反り(カール)の程度を下記の方法で測定し、評価した。各電解銅箔を、それぞれ25.2mm×125mmのサイズに切り出して、短い帯状の電解銅箔を、反り(カール)値の測定用試料片とした。図1に示したように、水平な台の上に、試料片を静置させて、25.2mmの短辺を端部として、一方の端部から30mmまでの位置を残して、それ以外の部分の試料片全体を平板で押さえた。そして、このときに、水平な台からの試験片の端部の反り(カール)として測定される値を電解銅箔のカール値(mm)とした。そして、下記の基準で、反り(カール)の発生を評価した。得られた結果を表2に、まとめて示した。
◎:カール値が0〜5mm未満。目視観察で反りが認められない。
○:カール値が5mm以上〜10mm未満。目視観察で反りが若干認められる。
△:カール値が10mm以上〜15mm未満。目視観察で反りが認められるが、実用可能なレベルである。
×:カール値が16mm以上。目視観察で、他と比較して明らかに反りの程度が大きい。
(7)電解銅箔の破れ発生の評価
各電解銅箔を、それぞれ25.2mm×100mmのサイズに切り出して、短い帯状の電解銅箔を、破れ発生の評価用試料片とした。水平な台の上に試料片を置き、25.2mmの短辺を端部として、試料片を折り返して両端部を重ね合わせ、折り返し部に200gの分銅を乗せた。分銅を外して折り返しを元に戻した。この操作を、試料片が破断するまで繰り返して、破断するまでの繰り返し回数を用いて、下記の基準で電解銅箔の破れ発生の評価を行った。そして、得られた結果を表2に、まとめて示した。
◎:11回以上。電解銅箔の製造中の破れの発生リスクは極めて低い。
○:6回以上〜11回未満。電解銅箔の製造中の破れの発生リスクは低く、実用上、許容できる程度。
△:2回以上〜6回未満。電解銅箔の製造中に、ドラムエッジからの破れの発生リスクがある。
×:1回以上〜2回未満。電解銅箔の製造中に銅箔の破断発生のリスクが極めて高い。
Figure 0006667840
Figure 0006667840

Claims (9)

  1. 金属以外に重金属を含有しない硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、基体の表面に白金族金属及び/又はその酸化物の少なくとも一つで被覆した不溶性陽極と、該不溶性陽極に対向する陰極ドラムとを用い、これらの両極間に直流電流を通じて電解銅箔を形成する際に、
    前記電解液に、下記の(A)〜(E)の5種類の添加剤を、それぞれ下記の量で含有させ、且つ、添加剤(D)と添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.2〜0.7となる比率で添加することを特徴とする電解銅箔の製造方法。
    添加剤(A):分子量200000〜500000の溶解型又は分散型のノニオン性有機化合物を、5〜15ppm
    添加剤(B):分子量7000以下の低分子量有機化合物としてのコラーゲンペプチドを、6.5〜15ppm
    添加剤(C):活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩を、2〜10ppm
    添加剤(D):チオ尿素系化合物を、2.5〜15ppm
    添加剤(E):塩素イオンを5〜30ppm
  2. 前記添加剤(D)と前記添加剤(A)とを、(D)/(A)が0.3〜0.6となる比率で添加する請求項に記載の電解銅箔の製造方法。
  3. 前記添加剤(A)が、ヒドロキシエチルセルロース、ポリグリセリン及びアセチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも何れかを含む請求項又はに記載の電解銅箔の製造方法。
  4. 前記添加剤(C)が、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム又はビス(3−スルホプロピル)ジスルフィドナトリウムを含む請求項の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
  5. 前記添加剤(D)が、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素及びトリメチルチオ尿素からなる群から選ばれる少なくとも何れかである請求項の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
  6. 製箔直後の電解銅箔の引張強度が500MPa以上であり、且つ、製箔48時間後における電解銅箔の引張強度も500MPa以上を維持している、製箔後における引張強度の低下が抑制された電解銅箔を得るための請求項1〜5の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
  7. 電気導電率が99%以上(IACS値)であり、表裏の表面粗度Rzが何れも2.5μm以下であり、厚みが7〜10μmであり、且つ、伸び率の低下が抑制されて、伸び率が5.5%以上である電解銅箔を得るための請求項1〜6の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
  8. 電解銅箔が、二次電池の負極材料用である請求項1〜7の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
  9. 電解銅箔が、高周波回路用である請求項1〜7の何れか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
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