JP6667525B2 - ニッケル層の無電解析出のためのめっき浴および方法 - Google Patents

ニッケル層の無電解析出のためのめっき浴および方法 Download PDF

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物に関する。本発明は、さらにニッケルおよびニッケル合金を無電解で析出させるための水性めっき浴組成物を利用する方法に関する。水性めっき浴組成物は、望ましくない分解に対して高い安定性を有する。本発明によって得られるニッケルおよびニッケル合金コーティングは、高い耐食性および下地基材への付着性を示す。
このようなコーティングは、航空宇宙、自動車、エレクトロニクスおよび化学産業における機能性コーティングとして適している。このような水性めっき浴組成物から析出された金属層は、半導体デバイス、プリント回路基板、IC基板などのバリア層およびキャップ層としても有用である。析出される金属層は、ハードディスクまたは硬質メモリディスク(RMD)のためのオーバーコートとしても適している。
発明の背景
バリア層は、半導体デバイス、プリント回路基板、IC基板などの電子デバイスにおいて、異なる組成の層、例えば、基材層および更なる層を分離するために使用され、それにより異なる組成のそのような層の間の望ましくない拡散を防止する。
電子デバイスにおけるバリア層材料の別の用途は、例えば、銅の腐食を防止するために銅の上に析出されるキャップ層としての用途である。硬質メモリディスクは、ハードディスクドライブの磁気データ記憶媒体として使用される。ディスクは、基本的にアルミニウム、ガラスまたはセラミック製の基材から構成される。オーバーコートは、真空蒸着プロセスまたは無電解金属めっきプロセスによって基材上に析出される。オーバーコートは、様々な金属、大部分が非磁性の合金からなっていてよく、そのうちの1つはニッケルリン合金層であっていてよい。オーバーコートは、例えば、磁気記録層が析出される平滑な表面をもたらす。さらに、保護層が記録層上にコーティングされる。
ニッケルおよびニッケル合金析出物の別の用途は、様々な基材のための腐食防止である。
無電解ニッケルめっき溶液のための組成物は当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第2,658,841号明細書(US Patent 2,658,841)は、無電解ニッケルめっき溶液用の緩衝剤としての可溶性有機酸塩の使用を教示している。米国特許第2,658,842号明細書(US Patent 2,658,842)は、無電解ニッケル浴への促進剤としての短鎖ジカルボン酸の使用を教示している。米国特許第2,762,723号明細書(US Patent 2,762,723)は、浴安定性を改善するために、無電解ニッケルめっき浴に硫化物および硫黄含有添加剤を使用することを教示している。
特願2005−194562号明細書(Patent application JP 2005-194562)は浴安定剤としてインジウム化合物を含有する無電解ニッケルめっき浴を開示している。米国特許第4,189,324号明細書(US Patent 4,189,324)は、溶液の安定性を改善するガリウム源を含む無電解ニッケルめっき溶液を記載している。先行技術文献のいずれも、無電解ニッケルめっき組成物において特に良好な安定化効果を有する安定化剤の特定の混合物を教示していない。
発明の課題
本発明の課題は、望ましくない分解に対する高い安定性を有するニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴を提供することである。本発明の更なる課題は、使用中および保管中に高い安定性を有する無電解ニッケルおよびニッケル合金めっき浴を提供することである。さらに、本発明の課題は、良好なめっき性能を有しかつ良好な品質のコーティングを生成するニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴を提供することである。
発明の概要
この課題は、ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物を提供することによって解決され、前記組成物は、
(i)ニッケルイオン源
を含み、
前記水性めっき浴組成物は、さらに、
(ii)a)インジウムイオンおよびガリウムイオンから選択される少なくとも1種の金属イオン、および、
b)単体のヨウ素、ヨウ化物イオン含有化合物、ヨウ素酸イオン含有化合物および過ヨウ素酸イオン含有化合物から選択される少なくとも1種
を含有する前記安定化剤の混合物
を含むことを特徴とする。
本発明はさらに、めっきされるべき基材を上記の組成物と接触させることによるニッケルおよびニッケル合金の析出方法に関する。用語「ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物」は、本明細書では「組成物」とも略記される。さらに、本発明は、安定化剤の混合物を無電解めっき浴に添加することによって、ニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴の安定化方法に関する。
発明の詳細な説明
ニッケルコーティングを適用するための無電解ニッケルめっき組成物は、当該技術分野において周知であり、めっきプロセスおよび組成物は、米国特許第2,935,425号明細書(U.S. Patents Nos. 2,935,425);米国特許第3,338,726号明細書(U.S. Patents Nos. 3,338,726);米国特許第3,597,266号明細書(U.S. Patents Nos. 3,597,266);米国特許第3,915,716号明細書(U.S. Patents Nos. 3,915,716)および米国特許第4,780,342号明細書(U.S. Patents Nos. 4,780,342)などの多くの公開公報に記載されている。無電解めっきは一般的に、金属イオンの還元のために外部電流源を使用しない方法を記載する。外部電流源を使用するめっきプロセスは、一般的に電解めっき法またはガルバニめっき法として記載されている。無電解めっき溶液では、次亜リン酸塩、ボランまたはホルムアルデヒドのような化学還元剤を使用して、金属イオンをそれらの金属形態に還元し、それにより基材上に析出物を形成する。
一般的に使用されるニッケル合金の1つは、ニッケルリン(NiP)合金である。一般に、NiP析出溶液は、溶媒、典型的には水に溶解した少なくとも3つの成分を含む。それらは、(1)ニッケルイオン源、(2)還元剤、および(3)溶液中でのそれらの沈殿を防止するのに十分な金属イオンのための錯化剤である。NiP溶液のための多数の好適な錯化剤が上記公開公報に記載されている。次亜リン酸塩が還元剤として使用される場合、析出物はニッケルおよびリンを含有するであろう。同様に、アミノボランが使用される場合、析出物は米国特許第3,953,654号明細書(U.S. Pat. No. 3,953,654)に表されるようにニッケルおよびボロンを含有するであろう。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、ニッケルイオン源を含む。ニッケルイオン源は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、メチルスルホン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケルおよびそれらの混合物などのあらゆる可溶性塩の使用によって提供され得る。組成物中のニッケルイオンの濃度は、広く変化してもよく、好ましい範囲は0.01モル/l〜1モル/l、より好ましくは0.03モル/l〜0.8モル/l、さらにより好ましくは0.06モル/l〜0.3モル/lである。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、少なくとも1種の還元剤をさらに含む。少なくとも1種の還元剤は、好ましくは、化学還元剤である。還元剤は、金属イオンをそれらの金属形態に還元し、それによって基材上に金属析出物を形成するのに必要な電子を提供する。少なくとも1種の還元剤は、好ましくは次亜リン酸塩または次亜リン酸、より好ましくは次亜リン酸塩である。次亜リン酸塩は、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アンモニウムおよび次亜リン酸ニッケルなどのあらゆる適切な供給源によって組成物に供給される。他の還元剤、例えばアミノボラン、水素化ホウ素、ヒドラジンおよびそれらの誘導体、およびホルムアルデヒドも適切に使用され得る。2種以上の還元剤は組成物中の混合物として使用され得る。少なくとも1種の還元剤の濃度は、一般的に、組成物中のニッケルイオンを還元するのに十分なモル過剰の量である。還元剤の濃度は、好ましくは、0.01モル/l〜3.0モル/l、より好ましくは0.1モル/l〜1モル/lの範囲にある。
還元剤として次亜リン酸化合物を用いる場合、NiP合金析出物が得られる。このような還元剤は、析出した合金中にリン源をもたらす。還元剤としてのボラン系化合物はNi−B合金析出物をもたらし、還元剤としての次亜リン酸塩とボラン系化合物の混合物は三元Ni−B−P合金析出物をもたらす。ヒドラジンおよびその誘導体などの窒素系還元剤、ならびに還元剤としてのホルムアルデヒドはニッケル析出物をもたらす。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、酸性、中性またはアルカリ性であってもよい。酸性またはアルカリ性のpH調節剤は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸などの広範囲の材料から選択され得る。組成物のpHは、約2〜12の範囲にあり得る。一実施形態では、組成物は好ましくは酸性である。より好ましくは、酸性組成物のpHは、3.5〜7、さらにより好ましくは3.5〜6.5、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲にある。別の実施形態では、組成物は好ましくはアルカリ性である。より好ましくは、アルカリ性組成物のpHは、7.5〜12、さらにより好ましくは8〜10、最も好ましくは8〜9の範囲にある。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、少なくとも1種の錯化剤をさらに含む。ニッケルおよびニッケル合金めっきのための組成物には、錯化剤(時にキレート剤とも呼ばれる)または錯化剤の混合物が含まれる。錯化剤は、金属イオンを溶解した状態に保ち、溶液中でそれらの望ましくない沈殿を防止する。少なくとも1種の錯化剤は、好ましくは、ニッケルイオンのための錯化剤および金属イオンの合金化のための錯化剤、より好ましくはニッケルイオンのための錯化剤から選択される。
少なくとも1種の錯化剤は、好ましくは、アルキルアミン、アンモニア、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、上記の塩およびそれらの混合物を含む群から選択される。
一実施形態では、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、および上記の塩またはそれらの混合物を少なくとも1種の錯化剤として使用してもよい。有用なカルボン酸としては、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−カルボン酸が挙げられる。カルボン酸は、ヒドロキシ基またはアミノ基などの様々な置換部分で置換されていてもよく、酸は、それらのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩として組成物に導入されてもよい。例えば、酢酸などのいくつかの錯化剤もpH緩衝剤として作用させてもよく、そのような添加剤成分の適切な濃度は、それらの二重の機能性を考慮してあらゆる組成物に対して最適化することができる。
本発明の組成物中の錯化剤またはキレート剤として有用なかかるカルボン酸の例としては、酢酸、ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、アミノ酢酸(グリシン)、プロパン酸、2−アミノプロパン酸(アラニン);2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)などのモノカルボン酸;コハク酸、アミノコハク酸(アスパラギン酸)、ヒドロキシコハク酸(リンゴ酸)、プロパン二酸(マロン酸)、酒石酸、ヘキサン−1,6−ジカルボン酸(アジピン酸)などのジカルボン酸;2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)などのトリカルボン酸;ならびにエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのテトラカルボン酸が挙げられる。好ましいカルボン酸は、酢酸、アミノ酢酸、プロパン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、コハク酸、ヒドロキシコハク酸、アジピン酸または2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸である。一実施形態では、上記の錯化剤/キレート剤の2種以上の混合物が、本発明による組成物に利用される。
アルキルアミンを、少なくとも1種の錯化剤、例えばモノ−、ジ−およびトリアルキルアミンとして使用してもよい。C〜Cアルキルアミン、例えばトリエタノールアミンが好ましい。アンモニアは少なくとも1種の錯化剤として使用されてもよい。
少なくとも1種の錯化剤の濃度、または2種以上の錯化剤が使用される場合、全錯化剤の合計の濃度は、好ましくは0.01モル/l〜3.0モル/l、より好ましくは0.1モル/l〜1.0モル/l、さらに好ましくは0.2モル/l〜0.6モル/lである。
さらに、ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、
a)インジウムイオンおよびガリウムイオンから選択される少なくとも1種の金属イオン、および
b)元素のヨウ素(I)、ヨウ化物イオン含有化合物、ヨウ素酸イオン含有化合物(IO )および過ヨウ素酸イオン含有化合物から選択される少なくとも1種
を含有する(ii)による安定化剤の混合物を含む。
安定剤とも呼ばれる安定化剤は、バルク溶液中の望ましくないプレートアウトおよび自然分解に対して無電解金属めっき溶液を安定化する化合物である。用語「プレートアウト」は、基材表面以外の表面上への金属の望ましくないおよび/または制御されない析出を意味する。
インジウムイオンは、あらゆるインジウムイオンから選択されてよく、好ましくはインジウム(III)イオンおよびインジウム(I)イオンおよびそれらの混合物を含む群から選択され得る。より好ましくは、インジウムイオンはインジウム(III)イオンである。ガリウムイオンは、あらゆるガリウムイオンから選択されてよく、好ましくはガリウム(III)イオン、ガリウム(I)イオンおよびそれらの混合物を含む群から選択されてよい。より好ましくは、ガリウムイオンはガリウム(III)イオンである。インジウムイオンまたはガリウムイオンは、それらの塩の形であってもよい。インジウムイオンまたはガリウムイオンの塩は、好ましくは、硫酸インジウム(III)(In(SO)、水酸化インジウム(III)(In(OH))、酸化インジウム(III)(In)、メタンスルホン酸インジウム(III)(In(CH−SO)、硝酸インジウム(III)(In(NO)、塩化インジウム(III)(InCl)、臭化インジウム(III)(InBr)、フッ化インジウム(III)(InF)、酢酸インジウム(III)(In(CH−COO))、塩化インジウム(I)(InCl)、臭化インジウム(I)(InBr)、硫酸ガリウム(III)(Ga(SO)、水酸化ガリウム(III)(Ga(OH))、メタンスルホン酸ガリウム(III)(Ga(CH−SO)、硝酸ガリウム(III)(Ga(NO)、塩化ガリウム(III)(GaCl、臭化ガリウム(III)(GaBr、酢酸ガリウム(III)(Ga(CH−COO))、塩化ガリウム(Ga(I)Ga(III)Cl)、臭化ガリウム(Ga(I)Ga(III)Br)、および前述の水和物を含む群から選択され;より好ましくは、硫酸インジウム(III)(In(SO)、水酸化インジウム(III)(In(OH))、メタンスルホン酸インジウム(III)(In(CH−SO)、硫酸ガリウム(III)(Ga(SO)、水酸化ガリウム(III)(Ga(OH))、メタンスルホン酸ガリウム(III)(Ga(CH−SO)および上記の水和物を含む群から選択される。
(ii)a)による少なくとも1種の金属イオンの濃度は、好ましくは0.01ミリモル/l〜0.5ミリモル/l、より好ましくは0.01ミリモル/l〜0.1ミリモル/l、さらにより好ましくは0.02ミリモル/l〜0.08ミリモル/lの範囲にある。(ii)a)による少なくとも1種の金属イオンのより高い濃度は、曇った外観のニッケルまたはニッケル合金層の析出、およびめっき未着(skip plating)をもたらす。めっき未着とは、コーティングがめっきされた基材の全ての領域を所望の通りに覆わないめっきの欠陥である。混合物、即ち(ii)a)による金属イオンと(ii)b)による安定化剤との組み合わせは、組成物の安定性を損なうことなく(ii)a)による金属イオンの濃度下限を上記の低い値に移動させることができる。したがって、組成物およびニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴を安定化させるのに適し、かつ良好な品質のニッケルまたはニッケル合金層の析出に適した(ii)a)による金属イオンの濃度範囲は広がっている。より広い可使時間(process window)はめっきに関するプロセス制御を向上させる。
(ii)b)による少なくとも1種の安定化剤は、好ましくは、ヨウ化物イオン含有化合物およびヨウ素酸イオン含有化合物を含む群から選択され;より好ましくは、ヨウ化物イオン含有化合物である。
ヨウ化物イオン含有化合物は、好ましくは、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化亜鉛および前記の水和物;より好ましくは、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、および前述の水和物;より一層好ましくはヨウ化カリウムおよびその水和物を含む群から選択される。
ヨウ素酸イオン含有化合物は、好ましくは、水溶性ヨウ素酸塩から選択される。水溶性ヨウ素酸塩は、好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のヨウ素酸塩である。ヨウ素酸塩は、好ましくは、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸アンモニウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ素酸バリウム、ヨウ素酸マグネシウム、ヨウ素酸リチウムおよび前記の水和物;より好ましくは、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸アンモニウム、ヨウ素酸リチウムおよび前述の水和物;さらにより好ましくはヨウ素酸カリウムおよびその水和物を含む群から選択される。
過ヨウ素酸イオン含有化合物は、好ましくはメタ過ヨウ素酸イオン含有化合物(IO )およびオルト過ヨウ素酸イオン含有化合物(IO 5−)を含む群から選択され得る。
過ヨウ素酸イオン含有化合物は、好ましくはメタ過ヨウ素酸カリウム(KIO)、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)およびオルト過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を含む群から選択される。
(ii)b)による少なくとも1種の安定化剤の濃度は、好ましくは0.05〜50.0ミリモル/l、より好ましくは0.1〜30.0ミリモル/l、さらにより好ましくは0.5〜10.0ミリモル/lの範囲にあり、さらにより好ましくは1.0ミリモル/l〜5.0ミリモル/lの範囲にある。(ii)b)による少なくとも1種の安定化剤の濃度が高くなると、結果として析出速度が遅くなり、基材表面の析出を開始するのが困難になり、下地基材との付着性が低い、例えば膨れがあるニッケルまたはニッケル合金層が析出し、かつ低い圧縮応力をもたらす。(ii)b)による少なくとも1種の安定化剤の濃度が低くなると、望ましくない自然分解に対して高まった、望ましい浴安定性を示さない。
本発明の安定化剤、(ii)a)による金属イオンおよび(ii)b)による安定化剤は、望ましくない自然分解に対して本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物の安定性を高めるのに適している。望ましくない自然分解とは、望ましくない黒色の沈殿物の形成、バルク溶液中の望ましくないニッケルのプレートアウトまたは望ましくないおよび/または制御不能な(例えば、めっきタンクの底部または基材とは異なる他の表面上の)ニッケルの析出を意味する。
安定化効果は、安定化剤が混合物として(即ち、組み合わせて)使用される場合、特に顕著である。(ii)a)による金属イオンと(ii)b)による安定化剤との組み合わせは、特に本発明の組成物に長寿命をもたらす。安定化剤の組み合わせによって与えられる浴安定性は、安定化剤のうちの1種単独の安定化効果よりもはるかに高い。本発明の安定化剤の組み合わせは、浴の安定性に相乗効果を及ぼす。
本発明の安定化剤の組み合わせはまた、触媒金属による汚染に対する組成物の改善された耐性も付与する。触媒金属による汚染は、組成物と接触している間に基材材料から溶解する金属イオンによって引き起こされ得るか、または金属イオンが前処理工程または活性化工程から組成物中に引き込まれる。触媒金属は、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムまたはそれらの混合物、好ましくはパラジウムであり得る。
例えば、パラジウムは、表面活性化が必要なめっき法に使用される。これは結果としてパラジウムイオンによる次のめっき浴の汚染を引き起こす。一例は、非導電性基材上の無電解めっきである。したがって、安定化剤の組み合わせ、即ち(ii)a)による金属イオンおよび(ii)b)による安定化剤を含有する本発明の組成物は、非導電性の基材上、導電性の基材上、および半導電性の基材上のめっきに適している。
本発明による安定化剤の組み合わせは、浴安定性に相乗効果を及ぼし、安定化剤の組み合わせを含有する組成物は、触媒金属による汚染がはるかに生じにくい。
同時に、本発明による安定化剤の組み合わせは、析出速度に僅かな影響しか及ぼさない、即ち、安定化剤の濃度を増加させても析出速度は変化せず、安定化剤の組み合わせは本発明の組成物の析出速度を低下させない。また、析出したニッケルまたはニッケル合金層は良質である、即ち、ニッケルまたはニッケル合金層の品質は、本発明による安定化剤の組み合わせによって不利な影響を受けない。析出したニッケルまたはニッケル合金層は、完全に基材の表面を覆い;めっき未着は見られない。析出したニッケルまたはニッケル合金層は均一な厚さであり、基材表面によく付着しかつ良好な外観を有する。良好な外観とは本明細書では、ニッケルまたはニッケル合金層にピッティングがなく、膨れがなく、ノジュール構造の増加がなくかつ変わった色がないことを意味する。このように、本発明による安定化剤の組み合わせは、めっき浴の性能に悪影響を及ぼさずかつコーティングの品質にも悪影響を及ぼさない。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は更にアイドル時間に高い安定性を示す。アイドル時間とは、めっき浴の温度またはpH値などの操作パラメータをめっき操作にとって望ましい値に調整し、めっき浴に基材を浸漬させない時間として定義される。したがって、本発明による安定化剤の組み合わせはまた、組成物を、めっきしない間、高温で長期間にわたり望ましくない自発的分解に対して安定に維持する。この効果は、当該技術分野で知られている安定化剤、例えばスズイオン、ビスマスイオンまたはアンチモンイオンを用いる場合よりも良好である。
本発明による組成物にはpH緩衝剤、湿潤剤、促進剤、光沢剤、追加の安定化剤等の他の材料が含まれていてもよい。組成物はさらに有機安定化剤および/または更なる無機安定化剤を含有し得る。これらの材料は当該技術分野では知られている。
組成物はさらにCuイオン、Seイオン、Snイオン、BiイオンまたはSbイオンなどの金属安定化剤を含有し得る。金属イオンの濃度は0.1〜100mg/l、好ましくは0.1〜50mg/l、より好ましくは0.1〜10mg/lの間の範囲で変化し得る。一実施形態では、組成物は毒性の重金属を含有しない。この実施形態では、組成物は好ましくは鉛、カドミウム、アンチモン、ビスマス、ヒ素または水銀を含有しない。
本発明のニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物は、少なくとも1種の合金化元素をさらに含み得る。この実施形態では、合金化元素を含有するニッケル合金層が組成物から析出される。少なくとも1種の合金化元素は、リン、ホウ素、ニッケル以外の金属から選択され得る。
合金化元素であるリンまたはホウ素は、還元剤として上記のように、次亜リン酸塩、次亜リン酸またはボラン系化合物、例えばアミノボランまたは水素化ホウ素の形で組成物に含まれていてもよい。
ニッケルではない金属(本明細書ではMと略す)は、合金化金属Mのイオンを含有する水溶性の金属塩の形で組成物中に含まれていてもよい。任意の合金化金属Mは、好ましくは、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステン、銅、銀、金、アルミニウム、鉄、コバルト、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、およびビスマスからなる群から選択される。更に好ましくは、任意の合金化金属Mは、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、アルミニウム、亜鉛およびスズからなる群から選択される。
任意の合金化金属Mの濃度は、好ましくは10−5〜0.2モル/l、より好ましくは10−4〜0.2モル/l、さらに一層好ましくは10−2〜0.1モル/lの範囲にある。
追加の金属塩または金属イオンが組成物中に存在する場合、それぞれのニッケル合金は析出物として得られる。
合金化金属Mを(存在する還元剤の種類に応じて)組成物に添加する場合、三元合金または四元合金Ni−M−P、Ni−M−B、およびNi−M−B−Pが析出される。
本発明の別の実施形態では、合金化金属Mの水溶性塩および第2の合金化金属Mの水溶性塩が組成物に添加される。この場合、合金化金属MおよびMを含むニッケル合金の析出物が得られる。
成分を水に溶かし、pHを所望の範囲に調整することにより、適切な組成物が形成され得る。インジウム塩またはガリウム塩は、これらを組成物に添加する前に酸に溶解させてもよい。
本発明はさらに、めっきされるべき基材を、ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための上記の水性めっき浴組成物と接触させることによるニッケルおよびニッケル合金の無電解析出方法に関する。
析出方法は、
(A)基材を準備する工程、
(B)前記基材を、上記のような本発明によるニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物と接触させる工程、
(C)それによってニッケルまたはニッケル合金を基材上に析出させる工程
を含む。
ニッケルまたはニッケル合金めっきされるべき基材は、基材を組成物と接触させることにより所望の厚さおよび析出量までめっきされ得る。
本発明の組成物は、析出中に20℃〜100℃、好ましくは70℃〜95℃、より好ましくは85℃〜95℃の温度範囲にわたって維持され得る。
100μmまで、またはそれよりも厚い析出厚さが利用され得る。好ましくは、ニッケルまたはニッケルリン(NiP)析出物の厚さは1μm〜60μmの間である。厚さは技術的用途に応じて変わり、用途によっては高くても低くてもよい。例えば、ニッケル層またはNiP層が析出して腐食防止膜となる場合、30μm〜60μmの間の厚さが望ましく、エレクトロニクス用途では1μm〜15μmの間の厚さが適用される。硬質メモリディスクの技術分野では、ニッケルまたはニッケル−リン析出物の厚さは、好ましくは9〜13μmの範囲にある。半導体の技術分野では、ニッケルまたはニッケル−リン析出物の厚さは、好ましくは1μm〜5μmの範囲にある。ニッケルまたはニッケル合金層の厚さは、当該技術分野で知られているX線蛍光(XRF)で測定され得る。
本発明はさらに、ニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴の安定化方法であって、
(D)ニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴を準備する工程、および
(E)安定化剤の混合物を添加する工程、前記安定化剤は上記のような本発明による安定化剤である
を含む、前記方法に関する。
したがって、安定化剤の混合物は、
(ii)a)インジウムイオンおよびガリウムイオンから選択される少なくとも1種の金属イオン、および
(ii)b)元素のヨウ素、ヨウ素イオン含有化合物、ヨウ素酸イオン含有化合物および過ヨウ素酸イオン含有化合物から選択される少なくとも1種
を含む。
無電解めっき浴は、ニッケルおよびニッケル合金の析出のためのあらゆる無電解めっき浴であり得る。一実施形態では、無電解めっき浴は、本発明によるニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物である。
本発明の一実施形態では、無電解めっき浴は、新たに調製された無電解めっき浴であってもよい。
別の実施形態では、無電解めっき浴は、めっきのために既にしばらくの間使用されていてよい。
更なる実施形態では、無電解めっき浴は、めっきすることなくしばらくの間保管されていてよい。保管中、無電解めっき浴は、15℃〜100℃の温度範囲に維持されてよい。
後の2つの実施形態では、本発明の安定化剤の混合物の濃度は、めっき中または保管中に決定され、閾値未満であれば補充される。補充は、本発明の安定化剤の混合物または組み合わせを無電解めっき浴に加えることによって行われる。
本発明の安定化剤の混合物は、長時間のめっきの間、長い保管時間の間、長時間の高温でめっきされていない間、例えばアイドル時間の間、望ましくない自発的な分解に対して無電解めっき浴を安定に保つ。
本発明の安定化剤の混合物を使用する場合、安定化剤としての(ii)a)による金属イオンのめっき中の全体的な消費量は低下する。したがって、(ii)a)による金属イオンのみを安定化剤として含む無電解めっき浴と比較して、金属ターンオーバー(MTO)当たりの補充されなければならない(ii)a)による金属イオンの量は減少する。このことは、高価な金属性安定剤のコストが削減されるので有利である。更なる利点は、(ii)a)による金属イオンを低濃度範囲で使用することで、ニッケルまたはニッケル合金層の曇った外観やめっき未着を防止しつつ、さらに組成物の安定性を確保できることである。
本発明の安定化剤の混合物を、無電解めっき浴に添加する前に、固体または粉末として添加してもよく、あるいは溶媒に溶解してもよい。好ましくは、これらを無電解めっき浴に添加する前に、インジウム塩またはガリウム塩を酸に溶解してもよい。
ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物および本発明の方法は、魅力的な光沢または半光沢の外観を有するニッケルおよびニッケル合金コーティングを提供するのに適している。有利には、蒸着されたニッケルまたはニッケル合金層の圧縮応力は維持される。当該技術分野で知られている安定化剤とは対照的に、本発明の安定化剤の混合物は、内部応力を中立応力または引張応力に変化させない。圧縮応力を有するニッケルまたはニッケル合金層の利点は、耐食性が高くかつ基材表面への付着性が良いことである。
ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物の上記パラメータおよび本発明の方法は、本発明を実施するための一般的な指針を与えるためにのみ提供される。
高リンNiP合金は、本明細書では、91質量%未満のNiおよび9質量%を上回る、例えば10.5質量%のPを含有する金属コーティングとして定義される。一般的に、高リン合金は15質量%までのPを含有する。約10.5%を上回るリンを含有するニッケルリン(NiP)合金は、高リンNiPコーティングとして知られており、めっきとして常磁性(非磁性)である。
中リンNiP合金は、本明細書では、5〜9質量%の間のPを含有する金属コーティングとして定義される。低リンNiP合金は、本明細書では、1〜5質量%の間のPを含有する金属コーティングとして定義される。
ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物および本発明の方法は、1〜15質量%の間の広範囲のP含有率を有するニッケルリン合金コーティングを提供するのに適している。本発明の組成物および方法は、ニッケルリン合金、例えば、上記に定義されるような高NiP合金を析出させるのに特に適している。
本発明による安定化剤の組み合わせは、安定剤を含有しないまたは(ii)a)もしくは(ii)b)による1種の安定化剤を含有する無電解ニッケル−リン浴と比較して、析出したニッケル合金層のリン含有率を変化させない。このように、本発明による安定化剤の組み合わせは、浴の性能に悪影響を及ぼさず、かつコーティングの品質にも悪影響を及ぼさない。
ニッケル合金層のリン含有率およびニッケルまたはニッケル合金層の厚さは、当業者には周知のX線蛍光(XRF)によって測定された。XRF測定は、X線で励起されている試料(基材、析出物)から放出される特徴的な蛍光放射線を利用する。波長と強度を評価し、試料の層構造を仮定すると、リン含有率と層の厚さを計算することができる。
高NiP合金は、好ましくは5〜14μm/時間、より好ましくは6〜12μm/時間、さらにより好ましくは6〜10μm/時間のめっき速度でめっき処理を行う時に得られる。このようなめっき速度は、pHまたは温度のようなめっきパラメータを調整することによって得ることができる。
本発明による組成物によって得られる高NiP合金は、高い圧縮応力を有する合金の生成に寄与する。応力値は、例えば0〜−70N/mmの間、好ましくは0〜−50N/mmの間、より好ましくは−30〜−50N/mmの間の範囲にある。このような析出物は、耐食性が高く、めっきされた下地との付着性に優れている。
本発明による安定化剤の組み合わせは、安定剤を含有しないまたは1種の安定化剤を含有する無電解ニッケル−リン浴と比較して析出したニッケル−リン層の応力も変化させない。このように、本発明による安定化剤の組み合わせは、応力の点でコーティングの品質に悪影響を及ぼさない。このように、安定化剤の組み合わせは、同等の浴性能と塗装品質で、ニッケルおよびニッケル合金浴に著しく高い安定性を付与する。
ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物と本発明の方法により様々な種類の基材を金属めっきすることができる。金属めっきされるべき基材は、非導電性基材、導電性基材、および半導電性基材からなる群から選択され得る。
金属めっきされるべき非導電性基材は、ガラス、セラミックス、およびプラスチックを含む群から選択され得る。
プラスチックは、アクリルニトリル−ブタジエン−スチロール−コポリマー(ABSコポリマー);ポリアミド;ABSコポリマーとABSコポリマーとは異なる少なくとも1種の他のポリマーとの混合物;ポリカーボネート(PC);ABS/PCブレンド;エポキシ樹脂;ビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT);シアネートエステル樹脂;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリブチレンテレフタレート(PBT);ポリ乳酸(PLA);ポリプロピレン(PP);およびポリエステルを含む群から選択され得る。
金属めっきされるべき導電性基材は、金属基材、および導電性金属酸化物からなる群から選択され得る。
金属めっきされるべき金属基材は、銅、亜鉛、銀、金、白金、パラジウム、鉄、イリジウム、スズ、アルミニムおよびニッケルからなる群から選択され得る。
金属めっきされるべき導電性金属酸化物は、インジウムスズ酸化物(ITO)、アンチモンスズ酸化物(ATO)、およびアルミニウムドープ亜鉛酸化物(AZO)から選択され得る。
金属めっきされるべき半導電性基材は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、ヒ素、および炭化ケイ素からなる群から選択され得る。
実施例
以下の非限定的な実施例は本発明をさらに説明する。
実施例1:
無電解ニッケルめっき浴の安定性の測定
安定性の測定には、以下を含む無電解ニッケルめっき浴の原液を使用した:
硫酸ニッケル六水和物 22.4g/l
オルト亜リン酸ナトリウム(予備老化塩) 60.0g/l
乳酸(90%)(錯化剤/キレート剤) 14.4g/l
リンゴ酸(錯化剤/キレート剤) 19.8g/l
コハク酸(錯化剤/キレート剤) 6.1g/l
次亜リン酸ナトリウム一水和物(還元剤) 24.0g/l。
本発明の原液が安定剤として硝酸鉛を含まないことを除いて、原液の組成は、特許出願国際公開第2010/045559号(WO 2010/045559 A1)(その中の実施例4)に開示された無電解ニッケル浴の組成に相当する。原液中にオルト亜リン酸ナトリウムが予備老化塩として含まれていた。オルト亜リン酸塩は、次亜リン酸塩を還元剤として使用する場合、化学還元法の副生物である。無電解ニッケルめっき浴中のこの副生物の量は、浴がどのくらい長く使用されていたかによって変わる。この浴老化は、めっき産業では浴の金属ターンオーバーまたはMTOの数と呼ばれる。無電解ニッケルめっき浴を使用する場合、浴の有効使用(または寿命)を継続するように、ニッケルがめっきされるのでニッケル塩および還元剤が補充されなければならない。補充されたニッケル塩の量が元のめっき浴に含まれるニッケルの初期量と等しい場合、その浴は1回の金属ターンオーバー(MTO)めっきしたと言われる。本明細書で使用されるオルト亜リン酸塩の量は2.5MTOレベルに相当する。原液は安定剤を全く含有していなかった。
インジウムイオンとヨウ化物イオンを安定剤として添加した。インジウムイオンを水酸化インジウム(III)の形で加え、ヨウ化物イオンをヨウ化カリウムの形で加えた。無電解ニッケルめっき浴中の安定剤の濃度は、第2表に概要を示した。比較として1バッチの安定剤無しの無電解ニッケルめっき浴を使用した。無電解ニッケルめっき浴のpH値は4.4であった。
各濃度の安定剤を含有する無電解ニッケルめっき浴の安定性を、安定数の決定と目視により測定した。
安定数の決定:
試験しためっき浴100mlを、200mlのガラスビーカー中で撹拌しながら80±1℃に加熱した。次に、パラジウム試験溶液(脱イオン水中の塩化パラジウム125mg/l)0.2mlを60秒ごとにめっき浴に添加した。望ましくない分解、ひいてはめっき浴の不安定性を示す気泡に伴う灰色の沈殿物がめっき浴中に形成された時に試験が終了した。
調査しためっき浴について達成された安定数は、灰色の沈殿物が形成されるまでに、1分間隔以内でめっき浴に添加されたパラジウム試験液の数(各0.2ml)に相当する。安定性試験をめっき浴の試料ごとに2回行った。平均安定数を第2表に示す。
例えば、安定剤としてヨウ化物イオンのみを含有する無電解めっき浴における「5」との表記(第2表の「安定数」欄)は、めっき浴に0.2mlの塩化パラジウム溶液を5回添加することに相当する。1ml(1分間隔で0.2ml/lを5回加えたもの)で5分後に、灰色の沈殿が生じる。
目視による安定性の決定:
別途めっき実験で安定性をさらに視覚的に評価した。めっき条件は下記の実施例2に記載した通りであった。実施例2とは対照的に、めっき時間は90分であった。試験の結果は、安定性の問題なしにめっきされた基材の総数である。ビーカーの加熱表面領域、即ち、ビーカーの底部における過度のめっきは、不安定性の兆候として観察された。めっきする前に、ビーカーとマグネチックスターラーを50%(v/v)硝酸で30分間ストリッピングした。
安定性決定の結果を第2表にまとめる。第2表から明らかなように、本発明による安定化剤の組み合わせは、望ましくない分解に対して高いめっき浴安定性をもたらすのに適している。安定化剤の組み合わせによって付与されるめっき浴の安定性は、各安定化剤単独の安定化効果から期待されるであろう安定性よりもはるかに高い。したがって、安定化剤の組み合わせは、無電解めっき浴の安定性に相乗効果を及ぼす。
安定数を決定するための試験は、安定化剤の組み合わせを含む無電解ニッケルめっき浴の安定性の改善だけでなく、Pdのような触媒金属による汚染に対するかかる無電解ニッケルめっき浴の耐性の改善も示す。
実施例2:
無電解ニッケルめっき浴からの析出
ニッケル−リン合金層の析出のための基材としてアルミニウム板を使用した。ニッケルを析出させる前に、基材の表面を清浄にして亜鉛酸塩を2倍にするために、基材を第1表にまとめたように前処理した。
Figure 0006667525
その後、基材を実施例1に記載されるような組成の無電解ニッケルめっき浴に浸漬した。析出を2リットルのビーカー内で行った。各ビーカーをヒーターに置き、温度を89.5℃に保った。機械的撹拌をマグネチックスターラーにより175RPMで行った。浴負荷量は、1浴容量当たり基材2枚に相当する1.4dm/lであった。析出時間は60分であった。
リン含有率と析出厚さを、XRF装置Fischerscope XDV−SDD(Helmut Fischer GmbH、独国)を用いてXRFにより各基材の5箇所で測定した。
析出時間と測定された析出厚さを用いて析出速度を計算した。結果を第2表にまとめる。
析出したニッケル−リン合金層は基材表面を完全に覆っていた;めっき未着は見られなかった。析出したニッケル−リン合金層は、均一な厚さで基材表面によく付着しており、技術的な光沢と典型的な灰色の良好な外観を有していた。
第2表から明らかなように、本発明による安定化剤の組み合わせは、安定剤を含有しないかまたは1種の安定化剤を含有する無電解ニッケルめっき浴と比較して、析出速度を低下させることも析出したニッケル合金層のリン含有率を変化させることもなかった。このように、本発明による安定化剤の組み合わせは、浴の性能に悪影響を及ぼさずかつコーティングの品質に悪影響を及ぼさなかった。
実施例3
応力の決定
ニッケル−リンコーティングの応力を、応力ストリップフィンガー(stress-strip finger)を用いて測定した。試験ストリップは銅製でスプリングのような特性を有していた。実施例2に記載されるようにめっきした後、試験ストリップを、めっき後に試験ストリップの脚が広がった距離を測定する試験台(Specialty Testing & Development Co.(米国、ペンシルベニア州、ヨーク)の析出応力分析器(Deposit stress analyzer)683型)に載せた。距離Uは、析出応力の計算を可能にする以下の式に含まれる。
応力=U/3
Uはスプレッドの増分数であり、Tは析出厚さであり、かつKはストリップの校正定数である。
析出厚さTは、実施例2に記載されているようにXRFによって決定した。
析出応力試験のために使用した場合、製造された試験ストリップのロットごとに若干の差が生じるであろう。この差の程度は、試験ストリップがロットごとに校正された時に供給業者によって決定された。Kの値は、Specialty Testing & Development Coによって提供された試験ストリップのロットごとに供給された。
応力はさらに圧縮または引っ張りの性質であると判断された。試験ストリップの脚がめっきされた側で外側に広がった場合、析出物の応力は実質的に引っ張りであった。試験ストリップの脚がめっきされた側で内側に広がった場合、析出物の応力は実質的に圧縮であった。
析出したニッケル−リン合金層の応力は、−35〜−45N/mmの間であると測定され、したがって圧縮性であった。結果を第2表にまとめる。
第2表はまた、本発明による安定化剤の組み合わせが、安定剤を含有しないまたは1種の安定化剤のみを含有する無電解ニッケルめっき浴と比較して、析出したニッケル−リン層の応力を変化させなかったことも示す。したがって、本発明による安定化剤の組み合わせは、応力の点でもコーティングの品質に悪影響を及ぼさなかった。要約すると、安定化剤の組み合わせは、同等の浴性能とコーティング品質でニッケルおよびニッケル合金の析出のために無電解めっき浴に著しく高い安定性を付与した。
Figure 0006667525
実施例4:
無電解ニッケルめっき浴の安定性
安定化剤の混合物としてIn(III)イオンおよびヨウ化物イオンを含有する無電解ニッケルめっき浴の安定性を、実施例1に記載したように安定数を決定することによって測定した。無電解ニッケルめっき浴中の安定剤の濃度と得られた安定数を第3表にまとめる。
Figure 0006667525
実施例5:
無電解ニッケルめっき浴の安定性
安定化剤の混合物としてIn(III)イオンとヨウ素酸イオンを含有する無電解ニッケルめっき浴の安定性を、実施例1に記載したように安定数を決定することによって測定した。
インジウムイオンを、水酸化インジウム(III)の形で無電解ニッケルめっき浴の原液に加えた。ヨウ素酸イオンを、ヨウ素酸カリウムの形で加えた。無電解ニッケルめっき浴中の安定剤の濃度と得られた安定数を第4表にまとめる。
Figure 0006667525
第3表および第4表から明らかなように、本発明による安定化剤の組み合わせは、望ましくない分解に対して高いめっき浴安定性をもたらすのに適している。安定化剤の組み合わせによって付与されるめっき浴の安定性は、各安定化剤単独の安定化効果から期待されるであろう安定性よりもはるかに高い。したがって、安定化剤の組み合わせは、無電解めっき浴の安定性に相乗効果を及ぼす。安定数を決定するための試験は、Pdのような触媒金属による汚染に対するこのような無電解ニッケルめっき浴の改善された耐性も示す。
実施例6:
析出速度、リン含有率、および内部応力の決定
本発明による無電解ニッケルめっき浴の析出速度とそれから析出したニッケル層のリン含有率を実施例2に記載されるように測定した。析出したニッケル層の内部応力を実施例3に記載されるように測定した。ガリウムイオンを硫酸ガリウム(III)の形で無電解ニッケルめっき浴の原液に添加した。ヨウ素酸イオンをヨウ素酸カリウムの形で添加し、ヨウ化物イオンをヨウ化カリウムの形で添加した。めっき浴中の安定化剤の濃度と結果を第5表にまとめる。
Figure 0006667525
析出したニッケル−リン合金層は、基材表面を完全に覆っていた;めっき未着は見られなかった。析出したニッケル−リン合金層は、均一な厚さで基材表面によく付着しており、技術的な光沢と典型的な灰色の良好な外観を有していた。
第5表から明らかなように、本発明による安定化剤の組み合わせは、安定剤を含まない無電解ニッケルめっき浴と比較して、析出速度を低下させず、析出したニッケル合金層のリン含有率も変化させなかった(第2表を参照)。したがって、本発明による安定化剤の組み合わせは、浴の性能に悪影響を及ぼさずかつコーティングの品質にも悪影響を及ぼさなかった。
第5表はまた、本発明のニッケルめっき浴から−45〜−49N/mmの範囲の圧縮応力を有するニッケル−リン合金層が析出されたことも示す。したがって、本発明による安定化剤の組み合わせは、析出したニッケル−リン層の応力を変化させないか、または圧縮応力を有利に増加させた。したがって、本発明による安定化剤の組み合わせは、応力の点でもコーティングの品質に悪影響を及ぼさなかった。

Claims (14)

  1. ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出のための水性めっき浴組成物であって、
    前記組成物は、
    (i)ニッケルイオン源、
    を含み、
    前記水性めっき浴組成物はさらに
    (ii)a)インジウムイオンおよびガリウムイオンから選択される少なくとも1種の金属イオン、および
    b)単体のヨウ素、ヨウ化物イオン含有化合物、および過ヨウ素酸イオン含有化合物から選択される少なくとも1種
    を含有する安定化剤の混合物
    を含み、
    前記(ii)a)による少なくとも1種の金属イオンの濃度が0.01〜0.5ミリモル/lの範囲にあることを特徴とする、前記水性めっき浴組成物。
  2. 前記インジウムイオンがインジウム(III)イオンである、請求項1記載の水性めっき浴組成物。
  3. 前記ガリウムイオンがガリウム(III)イオンである、請求項1または2記載の水性めっき浴組成物。
  4. 前記(ii)b)による安定化剤がヨウ化物イオン含有化合物である、請求項1から3までのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  5. 前記(ii)b)による安定化剤の濃度が0.05〜50.0ミリモル/lの範囲にある、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  6. 前記ニッケルイオン源が、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、メチルスルホン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケルおよびそれらの混合物から選択される、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  7. 前記ニッケルイオンの濃度が0.01〜1モル/lの範囲にある、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  8. 前記水性めっき浴組成物が更に少なくとも1種の錯化剤を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  9. 前記少なくとも1種の錯化剤の濃度が0.01〜3.0モル/lの範囲にある、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  10. 前記水性めっき浴組成物が更に少なくとも1種の還元剤を含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  11. 前記少なくとも1種の還元剤の濃度が0.01〜3.0モル/lの範囲にある、請求項1から10までのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  12. 前記水性めっき浴組成物が少なくとも1種の合金化元素を更に含み、ここで、少なくとも1種の合金化元素は、リン、ホウ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステン、銅、銀、金、アルミニウム、鉄、コバルト、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、タリウム、鉛、およびビスマスから選択される、請求項1から11までのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物。
  13. ニッケルおよびニッケル合金の無電解析出方法であって、
    (A)基材を準備する工程、
    (B)前記基材を、請求項1から12までのいずれか1項記載の水性めっき浴組成物と接触させる工程、および
    (C)それによってニッケルまたはニッケル合金を前記基材上に析出させる工程
    を含む、前記無電解析出方法。
  14. ニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴の安定化方法であって、
    (D)ニッケルおよびニッケル合金の析出のための無電解めっき浴を準備する工程、ならびに
    (E)安定化剤の混合物を添加する工程、ここで、前記安定化剤の混合物が
    (ii)a)インジウムイオンおよびガリウムイオンから選択される少なくとも1種の金属イオン、および
    (ii)b)単体のヨウ素、ヨウ化物イオン含有化合物、および過ヨウ素酸イオン含有化合物から選択される少なくとも1種
    を含有する、
    を含む、前記安定化方法。
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