JP6665442B2 - 接合部材形成用組成物、接合部材、接合体、及び接合部材を製造する方法 - Google Patents

接合部材形成用組成物、接合部材、接合体、及び接合部材を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、接合部材形成用組成物、接合部材、接合体、及び接合部材を製造する方法に関する。
2個以上の部品を接合する接合部材には、種々の素材、形状のものがあり、これらは多彩な分野で使用されている。部品の接合方法としては、例えば、金属又は樹脂を加工して得た接合部材(ボルト、釘等)を用いて機械的に固定する方法、及び、接着剤を用いる方法等が挙げられる。また、接合する部品が金属である場合には、接合する金属そのものを溶着させることもできる。接着剤を用いて部品を接合する場合には、例えば、接着剤が固化して接合部材を形成する。
ところで、形状記憶材料として、金属、樹脂、セラミックスなどが知られている。主な形状記憶樹脂としては、ポリノルボルネン、トランスイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、及びポリウレタンがある。例えば、特許文献1にはノルボルネン系樹脂、特許文献2にはトランス−イソプレン系樹脂、特許文献3にはポリウレタン系樹脂、特許文献4にはアクリル系樹脂に関する形状記憶樹脂が記載されている。
特公平5−72405公報 特開2004−250182公報 特開2004−300368公報 特開平7−292040公報
一般的な接合部材は、外力が加わった場合に、変形して微視的に破壊されることがある。また、変形された接合部材を元の形状に回復させることは難しい。
したがって、本発明の一側面の目的は、加熱による形状回復性に優れた接合部材を提供することである。
本発明の一側面は、式(I):

で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する樹脂成形体を含む、接合部材に関する。
この樹脂成形体が、25℃で0.5MPa以上の貯蔵弾性率を有していてもよい。あるいは、樹脂成形体が形状記憶性を有していてもよい。係る接合部材は、加熱による形状回復性に優れている。
本発明の別の側面は、式(I)のラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、第二の重合体とを含有する接合部材形成用組成物に関する。この接合部材形成用組成物は、第二の重合体の存在下で反応性モノマーが重合したときに、25℃で0.5MPa以上の貯蔵弾性率を有する樹脂成形体を形成することができる。あるいは、この接合部材形成用組成物は、第二の重合性モノマーの存在下で反応性モノマーが重合したときに、形状記憶性を有する樹脂成形体を形成することができる。
本発明の更に別の側面は、第一の重合体及び第二の重合体を含有する樹脂成形体を含む接合部材を製造する方法に関する。この方法は、式(I)のラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、第二の重合体とを含む接合部材形成用組成物中で、反応性モノマーの重合により第一の重合体を生成させる工程を備える。
本発明の更に別の側面は、上記接合部材と、第一の部材と、第二の部材と、を備え、第一の部材と第二の部材とが上記接合部材を介して接合された、接合体に関する。係る接合体は、加熱による形状回復性に優れている。
本発明の一側面によれば、加熱による形状回復性に優れた形状記憶性を有する接合部材及び接合体が提供される。いくつかの形態に係る接合部材によれば、2個以上の部品を容易に接合できる。また、いくつかの形態に係る接合部材は、防振特性にも優れる。さらに、本発明の一側面によれば、外力によって変形させた場合においても壊れ難い接合部材及び接合体が提供される。
接合体の一実施形態を模式的に示す図である。 接合体の他の実施形態を模式的に示す図である。 実施例1の接合体100を変形させた形態を示す図である。 実施例2の接合体200を変形させた形態を示す図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る接合部材は、2つ以上の部材を接合(接続)する部材である。接合部材は、例えば、継手である。本実施形態に係る接合部材は、例えば、以下の接合部材形成用組成物から形成される樹脂成形体である。接合部材は、例えば、接合部材形成用組成物から形成される樹脂成形体を含む態様であってもよい。係る接合部材は、加熱による形状回復性に優れている。
接合部材形成用組成物は、式(I):

で表されるラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、第二の重合体とを含有する。式(I)中、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。接合部材形成用組成物中で反応性モノマーが重合することで、それら反応性モノマーに由来するモノマー単位から構成される第一の重合体が生成する。これにより、接合部材形成用組成物が硬化して、樹脂成形体(硬化体)を形成する。第一の重合体は、通常、第二の重合体と共有結合によって結合することなく、第二の重合体とは別の重合体として成形体中に形成される。
第一の重合体は、式(I)の化合物に由来する、下記式(II)で表される環状のモノマー単位を含み得る。式(II)の環状のモノマー単位が、樹脂成形体の形状記憶性等の特異な特性の発現に寄与すると考えられる。ただし、第一の重合体は、必ずしも式(II)のモノマー単位を含んでいなくてもよい。
式(I)及び(II)中のXは、例えば、下記式(10):

で表される基であってもよい。式(10)中、Yは置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZはそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数である。*は結合手を表す(これは他の式でも同様である)。Xが式(10)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。環状基Yに対するZ及びZの配置が、シス位であってもよいし、トランス位であってもよい。Z及びZは、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であってもよい。
Yは、炭素数2〜10の環状基であってもよいし、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。この環状基Yは、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。環状エーテル基は、単糖又は多糖が有する環状基であってもよい。Yの具体例としては、特に限定されないが、下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15)で表される環状基が挙げられる。樹脂成形体の応力緩和性の観点から、Yは、式(11)の基(特に、1,2−シクロヘキサンジイル基)であってもよい。
式(I)及び(II)中のR及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、下記式(20)で表される基であってもよい。
式(20)中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基(アルキレン基等)であり、式(I)又は(II)中の窒素原子に結合する。Zは−O−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。R及びRが式(20)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。Rの炭素数は、2以上であってもよいし、6以下、又は4以下であってもよい。
式(I)のラジカル重合性化合物の一つの具体例は、下記式(Ia)で表される化合物である。ここでのY、Z、Z、i及びjは式(10)と同様に定義される。
式(Ia)の化合物としては、例えば、下記式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、又は(I−8)で表される化合物が挙げられる。
以上例示した化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
接合部材形成用組成物における式(I)のラジカル重合性化合物の割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、0.01モル%以上、0.1モル%以上、又は0.5モル%以上であってもよく、10モル%以下、5モル%以下、又は1モル%以下であってもよい。式(I)のラジカル重合性化合物の割合がこれら範囲内にあると、伸び、強度などの機械特性に優れた硬化体を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
式(I)の化合物は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって合成することができる。例えば、環状ジオール化合物又は環状ジアミン化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基を有する化合物との反応により、式(I)の化合物を合成することができる。
接合部材形成用組成物中の反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、アルキル(メタ)アクリレート、及び/又はアクリロニトリルを含んでいてもよい。
アルキル(メタ)アクリレートは、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアルコールとのエステル)であってもよい。炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが有し得る置換基は、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい。
反応性モノマーが炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいることにより、硬化体の弾性率及びガラス転移温度(Tg)を制御できるという効果が得られる。
接合部材形成用組成物における、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、10モル%以上、15モル%以上、又は20モル%以上であってもよく、95モル%以下、90モル%以下、又は85モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、伸び、強度などの機械特性に優れた硬化体を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
少ない炭素数のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることで、硬化後の樹脂成形体の弾性率が高くなり、形状記憶性が発現し易い傾向がある。係る観点から、反応性モノマーが、単官能ラジカル重合性モノマーとして、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。接合部材形成用組成物における、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、8モル%以上、10モル%以上、又は15モル%以上であってもよく、55モル%以下、45モル%以下、又は25モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、ある程度高い弾性率を有し、形状記憶性を有する樹脂成形体が形成され易いという点で更に有利な効果が得られる。同様の観点から、反応性モノマーは、置換基を有していてもよい炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、その割合は上記数値範囲であってもよい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの例としては、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性モノマーがアクリロニトリルを含んでいることにより、ある程度高い弾性率を有し、形状記憶性を有する樹脂成形体が形成され易い傾向がある。アクリロニトリルと、炭素数1〜16(又は1〜10)のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとの組み合わせは、高い弾性率の樹脂成形体を得るために特に有利である。接合部材形成用組成物における、アクリロニトリルの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、40モル%以上、50モル%以上、又は70モル%以上であってもよく、90モル%以下、85モル%以下、又は80モル%以下であってもよい。アクリロニトリルの割合がこれら範囲内にあると、形状回復が速いという点で更に有利な効果が得られる。
反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、ビニルエーテル、スチレン及びスチレン誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含んでいてもよい。ビニルエーテルの例としては、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルクタデシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、及びビニルクレシルエーテルが挙げられる。スチレン誘導体の例としては、アルキルスチレン、アルコキシスチレン(α−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等)、及びm−クロロスチレンが挙げられる。
反応性モノマーは、その他の単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は多官能ラジカル重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の単官能ラジカル重合性モノマーの例としては、ビニルフェノール、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−5−エチルピリジン、酢酸イソプロペニル、ビニルイソシアネート、ビニルイソブチルスルフィド、2−クロロ−3−ヒドロキシプロペン、ビニルステアレート、p−ビニルベンジルエチルカルビノール、ビニルフェニルスルフィド、アリルアクリレート、α−クロロエチルアクリレート、酢酸アリル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルメタクリレート、N,N−ジエチルビニルカルバメート、ビニルイソプロペニルケトン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルホルメート、p−ビニルベンジルメチルカルビノール、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェロセン、ビニルジクロロアセテート、N−ビニルスクシンイミド、アリルアルコール、ノルボルナジエン、ジアリルメラミン、ビニルクロロアセテート、N−ビニルピロリドン、ビニルメチルスルフィド、N−ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルスルホキシド、N−ビニル−N’−エチル尿素、及びアセナフタレンが挙げられる。
以上例示した各種の反応性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
接合部材形成用組成物は、以上説明した反応性モノマーと、直鎖状又は分岐状の第二の重合体とを含有する。第二の重合体は、2以上の線状鎖と、それらの末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であってもよい。この重合体は、例えば下記式(B)で表される分子鎖を含む。式(B)中、R20は線状鎖を構成するモノマー単位であり、n、n及びnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、Lは連結基である。同一分子中の複数のR20及びLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
モノマー単位R20から構成される線状鎖は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせから誘導される分子鎖であってもよい。それぞれの線状鎖は、ポリマーであってもよいし、オリゴマーであってもよい。
ポリエーテルから誘導される線状鎖の例としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖及びこれらの組み合わせのようなポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。ポリアルキレングリコールのようなポリエーテルからポリオキシエチレン鎖が誘導される。ポリオレフィンから誘導される線状鎖の例としては、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリイソブチレン鎖及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルから誘導される線状鎖としては、ポリεカプロラクトン鎖が挙げられる。ポリオルガノシロキサンから誘導される線状鎖としては、ポリジメチルシロキサン鎖が挙げられる。第二の重合体は、これらを単独で、又はこれらから選ばれる2種以上の組み合わせを含むことができる。
第二の重合体を構成する線状の分子鎖のそれぞれの数平均分子量は、特に制限されないが、例えば1000以上、3000以上、又は5000以上であってもよく、80000以下、50000以下、又は20000以下であってもよい。本明細書において、数平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。
連結基Lは、環状基を含む有機基、又は分岐状の有機基である。連結基Lは、例えば、下記式(30)で表される2価の基であってもよい。
30は、環状基、2以上の環状基を含みそれらが直接若しくはアルキレン基を介して結合している基、又は、炭素原子を含み、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい分岐状の有機基を示す。Z及びZは、R30と線状鎖とを結合する2価の基であり、例えば、−NHC(=O)−、−NHC(=O)O−、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。本明細書において、線状鎖の末端の原子(線状鎖を構成するモノマーに由来する原子)は、通常、Z又はZ構成する原子とは解釈しない。線状鎖の末端の原子が、モノマーに由来する原子であるか否かが明確でない場合、その原子は、線状鎖、又は連結基のうちいずれに含まれると解釈してもよい。
連結基Lが含む環状基は、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。連結基Lが含む環状基は、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。連結基Lが含む環状基の具体例とては、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、1,3−ベンゼンジイル基、1,2−ベンゼンジイル基、及び3,4−フランジイル基が挙げられる。
連結基Lが含む分岐状の有機基(例えば式(30)中のR30)の例としては、リジントリイル基、メチルシラントリイル基、及び1,3,5−シクロヘキサントリイル基が挙げられる。
式(30)で表される連結基Lは、下記式(31)で表される基であってもよい。式(31)中のR31は、単結合、又はアルキレン基を示す。R31は炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。Z及びZの定義は式(30)と同様である。
第二の重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば5000以上、7000以上、又は9000以上であってもよく、100000以下、80000以下、又は60000以下であってもよい。第二の重合体の重量平均分子量がこれらの数値範囲内にあることで、第二の重合体の他の成分との良好な相溶性、及び樹脂成形体の良好な諸特性が得られ易い傾向がある。本明細書において、重量平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。
第二の重合体は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって得ることができる。例えば、反応性の末端基(水酸基等)を有するポリアルキレングリコール、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含む混合物と、反応性の官能基(イソシアネート基等)及び環状基若しくは分岐状の基を有する化合物との反応により、第二の重合体を合成することができる。合成される第二の重合体は、イソシアネート基の三量化等の副反応に基づく分岐構造を含んでいてもよい。
接合部材形成用組成物は、反応性モノマーの重合のための重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤は、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、又はこれらの組み合わせであり得る。重合開始剤の含有量は、通常の範囲で適宜調整されるが、例えば、接合部材形成用組成物の質量を基準として0.01〜5質量%であってもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸等のアゾ化合物、ナトリウムエトキシド、tert−ブチルリチウム等のアルキル金属、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン等のケイ素化合物等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤と、触媒とを組み合わせてもよい。この触媒としては、金属塩、及び、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物のような還元性を有する化合物が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。その市販品として、Irgacure 651(日本チバガイギー株式会社製)がある。
接合部材形成用組成物は、溶剤を含んでいてもよいし、実質的に無溶剤であってもよい。接合部材形成用組成物は、液状、半固形状又は固形状のいずれであってもよい。硬化前の接合部材形成用組成物がフィルム状であってもよい。
樹脂成形体は、接合部材形成用組成物中で、反応性モノマーのラジカル重合により第一の重合体を生成させる工程を備える方法により、製造することができる。反応性モノマーのラジカル重合は、加熱、又は紫外線等の活性光線の照射により開始させることができる。
重合反応の温度は、特に制限されないが、接合部材形成用組成物が溶剤を含む場合、その沸点以下であることが好ましい。重合反応は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、良好な品質の成形体を安定して得ることができる。
式(I)のラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位が形成されると考えられる。第一の重合体の存在下で反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位の少なくとも一部において、環状部分を第二の重合体が貫通している構造が形成され得る。下記式(III)は、第一の重合体(A)が有する式(II)のモノマー単位の環状部分を、第二の重合体(B)が貫通している構造を模式的に示す。式(III)中のRは、式(I)のラジカル重合性化合物以外の反応性モノマーに由来するモノマー単位である。式(III)のような構造が形成されることで、第一の重合体と第二の重合体とで、三次元共重合体のような架橋ネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造においては、環状部分を貫通する第二の重合体の運動の自由度が比較的高く保たれると考えられる。このような構造は、当業者に環動構造と称されることがあり、これが、樹脂成形体の形状記憶性等の特異な特性の発現に寄与していると本発明者らは推察している。環動構造が形成されていることを直接的に確認することは技術的に容易でないが、例えば、樹脂成形体の引張試験によって得られる応力−歪み曲線が、いわゆるJ字型の曲線であることから、環動構造の形成が示唆される。ただし、樹脂成形体は、このような環動構造を必ずしも含んでいなくてもよい。
式(III)の例では、第二の重合体(B)は、複数のポリオキシエチレン鎖と、それらの末端同士を連結する連結基Lとを有している。連結基Lがポリオキシエチレン鎖と比較して嵩高いことから、ポリロタキサンのように、第二の重合体が式(II)のモノマー単位の環状部分を貫通している状態が維持され易い。第二の重合体を、環状のモノマー単位の大きさ、包接能力などのバランス、ポリロタキサンの特性に基づいて適宜選択することができる。
第一の重合が生成し、硬化した樹脂成形体は、形状記憶性を有していても有していなくてもよいが、反応性モノマーの種類等を適切に選択することで、形状記憶性を有する樹脂成形体を得ることができる。本明細書において、「形状記憶性」は、室温(例えば25℃)において外力によって樹脂成形体を変形させたときに、樹脂成形体が、変形後の形状を室温においては保持し、無荷重下で高温に加熱されたときに元の形状に戻る性質を意味する。ただし、加熱により樹脂成形体が完全に元の形状と同一の形状を回復しなくてもよい。形状回復のための加熱の温度は、例えば70℃である。
硬化した樹脂成形体が形状記憶性を有する場合、通常、第一の重合体が生成し、硬化した時点の樹脂成形体の形状が、基本の形状となる。外力によって変形した樹脂成形体は、加熱によりこの基本の形状に近づくように変形する。所定の形状を有する型内で樹脂成形体を硬化することにより、所望の形状を基本の形状として有する樹脂成形体を得ることができる。
樹脂成形体の25℃における貯蔵弾性率は、特に限定されないが、0.5MPa以上であってもよい。0.5MPa以上の貯蔵弾性率を有する樹脂成形体は、通常、形状記憶性を有する。樹脂成形体の弾性率は、1.0MPa以上、又は10MPa以上であってもよいし、10GPa以下、5GPa以下、又は500MPa以下であってもよい。貯蔵弾性率が高いことで、樹脂成形体が変形後の形状を保持し易い傾向がある。適度な大きさの貯蔵弾性率を有していることで、樹脂成形体が加熱時に元の形状を回復し易い傾向がある。樹脂成形体の弾性率は、例えば、反応性モノマーの種類及びその配合比、第二の重合体の分子量、ラジカル重合開始剤の量に基づいて制御することができる。
接合部材の形状、及び大きさは特に制限されず、例えば所定の型に充填された接合部材形成用組成物を硬化させることで、任意の形状の接合部材を得ることができる。接合部材は、硬化後の成形体を更に機械加工等の種々の方法により加工したものであってもよい。接合部材は、例えば、繊維状、棒状、円柱状、筒状、平板状、円板状、螺旋状、球状、リング状、ボルト状、又は釘状の部材であってもよい。
本実施形態に係る接合体は、上記接合部材と、第一の部材と、第二の部材と、を備え、第一の部材と第二の部材とが上記接合部材を介して接合されたものである。係る接合体は、上記接合部材により接合されているため、加熱による形状回復性に優れた形状記憶性を有する。
図1は、接合体の一実施形態を模式的に示す図である。棒状の図1に示す接合体100は、接合部材2と、第一の部材1と、第二の部材3と、を備え、第一の部材1と第二の部材3とが接合部材2を介して直線状に接合(接続)されている。接合部材2としては、上述の実施形態に係る接合部材を用いることができる。
第一の部材1及び第二の部材3は、接合部材2により接合される部材(被接合部材)である。第一の部材1及び第二の部材3を構成する材料、形状、大きさ等の具体的な形態は、当業者であれば適宜設定することができる。
第一の部材1及び第二の部材3を構成する材料に特に制限は無く、例えば、アルミ、銅、ニッケル、亜鉛、鉄、金、銀及びこれらの合金等の金属;ガラス;セラミックス;プラスチック等から選ばれる少なくとも1種を含有する材料から構成されていてもよい。上記合金としては、例えば、ステンレス及び真鍮が挙げられる。第一の部材1及び第二の部材3の形状に特に制限は無く、例えば、ブロック状、棒状、線状、フィルム状又は板状であってもよい。
図2は、接合体の他の実施形態を模式的に示す図である。棒状の図2に示す接合体200は、接合部材2と、第一の部材1と、第二の部材3と、を備え、第一の部材1と第二の部材3とが接合部材2を介してL字状に接合(接続)されている。第一の部材1、第二の部材3及び接合部材2は上記同様である。
(接合体の製造方法)
本実施形態に係る接合体は、例えば、第一の部材と、第二の部材とを、任意の位置に配置した後、第一の部材及び第二の部材の被接合部分を覆うように接合部材形成用組成物を配置し、接合部材形成用組成物を硬化させる方法により得ることができる。
本実施形態に係る接合体は、接合部材形成用組成物を硬化させて任意の形状の接合部材を作製した後、当該接合部材を、第一の部材及び第二の部材と接合(接続)する方法によって作製することもできる。
以上、本発明の実施形態に係る接合体及び接合体の製造方法について説明したが、これらは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の接合体には、第一の部材及び第二の部材と共に他の部材が接合されていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.合成
合成例1:trans−1,2−ビス(2−アクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシ)シクロヘキサン(BACH)の合成
100mL二口ナスフラスコにtrans−1,2−シクロヘキサンジオール(2.32g、20.0mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。そこにジクロロメタン(40mL)、及びジラウリン酸ジブチル錫(11.8μL、0.10mol%:0.020mmol)を入れた。フラスコ中の反応液に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(5.93g、42.0mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下ロートから滴下し、反応液を30℃で24時間撹拌して、反応を進行させた。反応終了後、反応液にジエチルエーテルを加えて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、残渣からシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム)によって目的物を含む溶液を単離し、これを濃縮した。得られた粗生成物を、ジエチルエーテルとヘキサンからの再結晶により精製して、BACHの白色結晶を得た。収量は、3.78gであり、収率は、47.4質量%であった。
合成例2:PEG−PPGオリゴマー1の合成
20mLナスフラスコにポリエチレングリコール(PEG1500、750mg、0.500mmol、数平均分子量1500)、及びポリプロピレングリコール(PPG4000、2000mg、0.500mmol、数平均分子量4000)を加えてからフラスコ内を窒素置換し、内容物を115℃で融解させた。融解液に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(262mg、1.00mmol)を加えて、窒素雰囲気下、115℃で融解液を24時間撹拌して、PEG−PPGオリゴマー1(ポリオキシエチレン鎖、及びポリオキシプロプレン鎖を含む第二の重合体)を得た。
得られたオリゴマー1の重量平均分子量(Mw)は9300で、オリゴマー1の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.65であった。
2.分子量の測定
10mMの臭化リチウムを含むDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を溶離液として用いて、流速1mL/分の条件でオリゴマーのGPCクロマトグラムを得た。得られたクロマトグラムから、オリゴマーの数平均分子量及び重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めた。
3.接合部材形成用組成物及び接合体
(実施例1)
合成例1のBACH(27.7mg、69.5μmol)、合成例2のPEG−PPGオリゴマー1(34.5mg、2.88μmol)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA、553mg、3.00mmol)、アクリロニトリル(AN、390mg、3.00mmol)及びIrgacure 651(15.5mg,60.5μmol)をサンプル瓶中で加熱溶解し、配合液(接合部材形成用組成物)を調製した。
第一の部材として、ガラス棒(直径:2mm、長さ:50mm)を、第二の部材としてステンレス棒(直径:2mm、長さ:50mm)をそれぞれ準備した。次いで、準備したガラス棒及びステンレス棒を、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、直線状に置いた。ガラス棒及びステンレス棒の被接合部分を覆うように、上記配合液を乗せ、そこにポリエチレンテレフタレート製の透明シートを被せた。透明シートの上から、室温(25℃、以下同様)でUV(紫外線)を30分照射することで配合液を光硬化して、図1に示す接合体100(第一の部材と第二の部材とが接合部材(継手)を介して接合された接合体)を作製した。
(実施例2)
ガラス棒(第一の部材)及びステンレス棒(第二の部材)を、L字型となるように配置したこと(被接合部分においてガラス棒とステンレス棒との角度が90度となるように配置したこと)以外は、実施例1と同様にして、図2に示す接合体200(第一の部材と第二の部材とが接合部材(継手)を介して接合された接合体)を作製した。
4.評価
(接合部材の弾性率)
得られた配合液を長さ×幅×深さが46mm×10mm×1mmのステンレス金型に流し込み、そこにポリエチレンテレフタレート製の透明シートを被せた。透明シートの上から、室温(25℃、以下同様)でUV(紫外線)を30分照射することで配合液を光硬化して、フィルム状の成形体を得た。
フィルム状の成形体から、5mm幅、長さ30mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片を用いて、TAインスツメント株式会社社製動的粘弾性測定装置(RSA−G2)を用いて、25℃における貯蔵弾性率を測定した。測定条件は以下のとおりである。
・チャック間距離:20mm
・測定周波数:10Hz
・昇温速度5℃/分
(接合部材の形状記憶性)
(実施例1)
作製した接合体100(図1に示す接合体)を、接合部材部分を起点に直角に折り曲げて変形させた(図3)。その後、変形後の形状が実質的に元に戻らないことを確認した。
変形させた接合体(図3に示す接合体)を70℃に加熱し、加熱直後から数秒以内に初期の形状に戻ることを目視により確認した。その結果、接合体100は、初期の形状(図1に示す形状)に回復した。
(実施例2)
作製した接合体200(図2に示す接合体)を、接合部材部分を起点に直線状に変形させた(図4)。その後、変形後の形状が実質的に元に戻らないことを確認した。
変形させた接合体(図4に示す接合体)を70℃に加熱し、加熱直後から数秒以内に初期の形状に戻ることを目視により確認した。その結果、接合体200は、初期の形状(図2に示す形状)に回復した。
以上のとおり、各実施例の接合部材及び接合体は、良好な形状記憶性を有していた。この結果から、本発明によれば、加熱による形状回復性に優れた形状記憶性を有する接合部材及び接合体が得られることが確認された。
1…第一の部材、2…接合部材、3…第二の部材、100,200…接合体。

Claims (15)

  1. 式(I):

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する樹脂成形体を含み、
    式(I)中のR 及びR が、それぞれ独立に下記式(20):

    で表される基であり、
    式(20)中、R は、炭素数1〜8の炭化水素基であり、式(I)中の窒素原子に結合し、Z は−O−、又は−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)で表される基であり、*は結合手を表し、
    式(I)中のXが、下記式(10):

    で表される基であり、
    式(10)中、Yは下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15):

    で表される環状基であり、Z 及びZ はそれぞれ独立に−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であり、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、*は結合手を表し、
    式(11)、(12)、(13)、(14)及び(15)中、*は結合手を表す、接合部材。
  2. 前記樹脂成形体が、25℃で0.5MPa以上の貯蔵弾性率を有する、請求項1に記載の接合部材。
  3. 前記樹脂成形体が、形状記憶性を有する、請求項1又は2に記載の接合部材。
  4. 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキレン鎖を含む重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接合部材。
  5. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接合部材。
  6. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、アクリロニトリルを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接合部材。
  7. 式(I):

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有し、
    式(I)中のR 及びR が、それぞれ独立に下記式(20):

    で表される基であり、
    式(20)中、R は、炭素数1〜8の炭化水素基であり、式(I)中の窒素原子に結合し、Z は−O−、又は−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)で表される基であり、*は結合手を表し、
    式(I)中のXが、下記式(10):

    で表される基であり、
    式(10)中、Yは下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15):

    で表される環状基であり、Z 及びZ はそれぞれ独立に−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であり、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、*は結合手を表し、
    式(11)、(12)、(13)、(14)及び(15)中、*は結合手を表す、接合部材形成用組成物。
  8. 前記第二の重合体の存在下で前記反応性モノマーが重合して第一の重合体を形成したときに、当該接合部材形成用組成物が25℃で0.5MPa以上の貯蔵弾性率を有する樹脂成形体を形成する、請求項に記載の接合部材形成用組成物。
  9. 前記第二の重合体の存在下で前記反応性モノマーが重合して第一の重合体を形成したときに、当該接合部材形成用組成物が形状記憶性を有する樹脂成形体を形成する、請求項又はに記載の接合部材形成用組成物。
  10. 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキレン鎖を含む重合体である、請求項のいずれか一項に記載の接合部材形成用組成物。
  11. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項10のいずれか一項に記載の接合部材形成用組成物。
  12. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、アクリロニトリルを含む、請求項11のいずれか一項に記載の接合部材形成用組成物。
  13. 前記第二の重合体の重量平均分子量が5000以上である、請求項12のいずれか一項に記載の接合部材形成用組成物。
  14. 第一の重合体、及び直鎖状又は分岐状の第二の重合体を含有する樹脂成形体を含む、接合部材を製造する方法であって、
    式(I):

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、前記第二の重合体とを含む接合部材形成用組成物中で、前記反応性モノマーの重合により前記第一の重合体を生成させる工程を備え
    式(I)中のR 及びR が、それぞれ独立に下記式(20):

    で表される基であり、
    式(20)中、R は、炭素数1〜8の炭化水素基であり、式(I)中の窒素原子に結合し、Z は−O−、又は−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)で表される基であり、*は結合手を表し、
    式(I)中のXが、下記式(10):

    で表される基であり、
    式(10)中、Yは下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15):

    で表される環状基であり、Z 及びZ はそれぞれ独立に−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR 10 −(R 10 は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であり、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、*は結合手を表し、
    式(11)、(12)、(13)、(14)及び(15)中、*は結合手を表す、方法。
  15. 請求項1〜のいずれか一項に記載の接合部材と、第一の部材と、第二の部材と、を備え、
    前記第一の部材と前記第二の部材とが前記接合部材を介して接合された、接合体。
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