JP6578924B2 - 制振材用樹脂組成物、及び制振材 - Google Patents

制振材用樹脂組成物、及び制振材 Download PDF

Info

Publication number
JP6578924B2
JP6578924B2 JP2015241465A JP2015241465A JP6578924B2 JP 6578924 B2 JP6578924 B2 JP 6578924B2 JP 2015241465 A JP2015241465 A JP 2015241465A JP 2015241465 A JP2015241465 A JP 2015241465A JP 6578924 B2 JP6578924 B2 JP 6578924B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damping material
polymer
group
formula
vibration damping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015241465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017105942A (ja
Inventor
耕祐 横山
耕祐 横山
竹内 一雅
一雅 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Resonac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd, Resonac Corp filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2015241465A priority Critical patent/JP6578924B2/ja
Publication of JP2017105942A publication Critical patent/JP2017105942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6578924B2 publication Critical patent/JP6578924B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

本発明は、制振材用樹脂組成物、及び制振材に関する。
従来、振動及び騒音を低減させるために、建築物、自動車、精密機器など幅広い用途において制振材が利用されている。制振材には、いずれの用途においても、高い制振性、すなわち、振動及び騒音を限りなく低減させることが求められており、これまでに種々の検討がなされてきている。
例えば、特許文献1には、制振材用シリコーン組成物が開示されている。特許文献2には、ウレタンプレポリマー、熱可塑性樹脂、及び特定のアミン化合物を含む制振材が開示されている。
特開2014−34612号公報 特開2004−277604号公報
近年、制振材を利用した構造物の軽量化及び長寿命化が進んでおり、それに合わせて、制振材にも軽量化及び長寿命化が求められている。軽量化のためには、制振材の厚さを薄くしても、高い制振性と強度を維持することが要求される。また、長寿命化のためには、高い耐久性が要求される。特許文献1に開示されている制振材用シリコーン組成物は耐久性を向上させており、特許文献2に開示されている制振材は適度な硬度を有するものの、さらに制振性、及び強靭性を向上させた制振材の創出が求められている。
本発明の目的は、良好な制振性、及び強靭性を有する制振材を形成できる新規な制振材用樹脂組成物、及びこれを用いた制振材を提供することである。
本発明の一側面は、式(I):
Figure 0006578924

で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する制振材に関する。
この制振材は、25℃で0.1以上の損失係数を有していてもよい。
本発明の別の側面は、式(I)のラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーと、直鎖状又は分岐状の第二の重合体とを含有する制振材用樹脂組成物に関する。この制振材用樹脂組成物は、第二の重合体の存在下で反応性モノマーが重合したときに、25℃で0.1以上の損失係数を有する制振材を形成することができる。
本発明の一側面によれば、良好な制振性、及び強靭性を有する制振材を形成できる新規な制振材用樹脂組成物、及びこれを用いた制振材が提供される。また、本発明の制振材用樹脂組成物及び制振材は、良好な耐久性を有し得る。さらに、本発明の制振材は、その良好な強靭性及び耐久性から、軽量化及び長寿命化を達成し得る。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る制振材用樹脂組成物は、式(I):
Figure 0006578924

で表されるラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーと、第二の重合体とを含有する。式(I)中、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。制振材用樹脂組成物中で反応性モノマーが重合することで、それら反応性モノマーに由来するモノマー単位から構成される第一の重合体が生成する。これにより、反応生成物が硬化して、制振材(硬化体)を形成する。第一の重合体は、通常、第二の重合体と共有結合によって結合することなく、第二の重合体とは別の重合体として制振材中に形成される。
第一の重合体は、式(I)の化合物に由来する、下記式(II)で表される環状のモノマー単位を含み得る。ただし、第一の重合体は、必ずしも式(II)のモノマー単位を含んでいなくてもよい。
Figure 0006578924
式(I)及び(II)中のXは、例えば、下記式(10):
Figure 0006578924

で表される基であってもよい。式(10)中、Yは置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZはそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数である。*は結合手を表す(これは他の式でも同様である)。Xが式(10)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。環状基Yに対するZ及びZの配置が、シス位であってもよいし、トランス位であってもよい。Z及びZは、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であってもよい。
Yは、炭素数2〜10の環状基であってもよいし、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。この環状基Yは、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。環状エーテル基は、単糖又は多糖が有する環状基であってもよい。Yの具体例としては、特に限定されないが、下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15)で表される環状基が挙げられる。Yは、式(11)の基(特に、1,2−シクロヘキサンジイル基)であってもよい。
Figure 0006578924
式(I)及び(II)中のR及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、下記式(20)で表される基であってもよい。
Figure 0006578924
式(20)中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基(アルキレン基等)であり、式(I)又は(II)中の窒素原子に結合する。Zは−O−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。R及びRが式(20)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。Rの炭素数は、2以上であってもよいし、6以下、又は4以下であってもよい。
式(I)のラジカル重合性化合物の一つの具体例は、下記式(Ia)で表される化合物である。ここでのY、Z、Z、i及びjは式(10)と同様に定義される。
Figure 0006578924
式(Ia)の化合物としては、例えば、下記式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、又は(I−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006578924
Figure 0006578924
Figure 0006578924
以上例示した化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
制振材用樹脂組成物における式(I)のラジカル重合性化合物の割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、0.01モル%以上、0.1モル%以上、又は0.5モル%以上であってもよく、10モル%以下、5モル%以下、又は1モル%以下であってもよい。式(I)のラジカル重合性化合物の割合がこれら範囲内にあると、強度、伸びなどの機械特性に優れた制振材を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
式(I)の化合物は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって合成することができる。例えば、環状ジオール化合物又は環状ジアミン化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基を有する化合物との反応により、式(I)の化合物を合成することができる。
制振材用樹脂組成物中の反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーを更に含んでいてもよい。単官能ラジカル重合性モノマーは、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、及び/又はアクリロニトリルを含んでいてもよい。
アルキル(メタ)アクリレートは、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアルコールとのエステル)であってもよい。炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが有し得る置換基は、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい。
反応性モノマーが炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいることにより、強度、伸びが増加する傾向がある。
制振材用樹脂組成物における、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、10モル%以上、15モル%以上、又は20モル%以上であってもよく、95モル%以下、90モル%以下、又は85モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、強靭性に優れた制振材を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
少ない炭素数のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることで、硬化後の制振材の強度、伸びが増加する傾向がある。係る観点から、反応性モノマーが、単官能ラジカル重合性モノマーとして、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。制振材用樹脂組成物における、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、8モル%以上、10モル%以上、又は15モル%以上であってもよく、55モル%以下、45モル%以下、又は25モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、強靭性を有する制振材が形成され易いという点で更に有利な効果が得られる。同様の観点から、反応性モノマーは、置換基を有していてもよい炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、その割合は上記数値範囲であってもよい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの例としては、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性モノマーがアクリロニトリルを含んでいることにより、高い強度を有する制振材が形成され易い傾向がある。アクリロニトリルと、炭素数1〜16(又は1〜10)のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとの組み合わせは、高い弾性率の制振材を得るために特に有利である。制振材用樹脂組成物における、アクリロニトリルの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、40モル%以上、50モル%以上、又は70モル%以上であってもよく、90モル%以下、85モル%以下、又は80モル%以下であってもよい。アクリロニトリルの割合がこれら範囲内にあると、強靭性について更に有利な効果が得られる。
反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、ビニルエーテル、スチレン及びスチレン誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含んでいてもよい。ビニルエーテルの例としては、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルクタデシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、及びビニルクレシルエーテルが挙げられる。スチレン誘導体の例としては、アルキルスチレン、アルコキシスチレン(α−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等)、及びm−クロロスチレンが挙げられる。
反応性モノマーは、その他の単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は多官能ラジカル重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の単官能ラジカル重合性モノマーの例としては、ビニルフェノール、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−5−エチルピリジン、酢酸イソプロペニル、ビニルイソシアネート、ビニルイソブチルスルフィド、2−クロロ−3−ヒドロキシプロペン、ビニルステアレート、p−ビニルベンジルエチルカルビノール、ビニルフェニルスルフィド、アリルアクリレート、α−クロロエチルアクリレート、酢酸アリル、2、2、6、6−テトラメチル−ピペリジニルメタクリレート、N、N−ジエチルビニルカルバメート、ビニルイソプロペニルケトン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルホルメート、p−ビニルベンジルメチルカルビノール、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェロセン、ビニルジクロロアセテート、N−ビニルスクシンイミド、アリルアルコール、ノルボルナジエン、ジアリルメラミン、ビニルクロロアセテート、N−ビニルピロリドン、ビニルメチルスルフィド、N−ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルスルホキシド、N−ビニル−N’−エチル尿素、及びアセナフタレンが挙げられる。
以上例示した各種の反応性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
制振材用樹脂組成物は、以上説明した反応性モノマーと、直鎖状又は分岐状の第二の重合体とを含有する。第二の重合体は、2以上の線状鎖と、それらの末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であってもよい。この重合体は、例えば下記式(B)で表される分子鎖を含む。式(B)中、R20は線状鎖を構成するモノマー単位であり、n、n及びnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、Lは連結基である。同一分子中の複数のR20及びLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006578924
モノマー単位R20から構成される線状鎖は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせから誘導される分子鎖であってもよい。それぞれの線状鎖は、ポリマーであってもよいし、オリゴマーであってもよい。
ポリエーテルから誘導される線状鎖の例としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖及びこれらの組み合わせのようなポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。ポリアルキレングリコールのようなポリエーテルからポリオキシエチレン鎖が誘導される。ポリオレフィンから誘導される線状鎖の例としては、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリイソブチレン鎖及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルから誘導される線状鎖としては、ポリεカプロラクトン鎖が挙げられる。ポリオルガノシロキサンから誘導される線状鎖としては、ポリジメチルシロキサン鎖が挙げられる。第二の重合体は、これらを単独で、又はこれらから選ばれる2種以上の組み合わせを含むことができる。
第二の重合体を構成する線状の分子鎖のそれぞれの数平均分子量は、特に制限されないが、例えば1000以上、3000以上、又は5000以上であってもよく、80000以下、50000以下、又は20000以下であってもよい。本明細書において、数平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。
連結基Lは、環状基を含む有機基、又は分岐状の有機基である。連結基Lは、例えば、下記式(30)で表される2価の基であってもよい。
Figure 0006578924
30は、環状基、2以上の環状基を含みそれらが直接若しくはアルキレン基を介して結合している基、又は、炭素原子を含み、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい分岐状の有機基を示す。Z及びZは、R30と線状鎖とを結合する2価の基であり、例えば、−NHC(=O)−、−NHC(=O)O−、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。本明細書において、線状鎖の末端の原子(線状鎖を構成するモノマーに由来する原子)は、通常、Z又はZ構成する原子とは解釈しない。線状鎖の末端の原子が、モノマーに由来する原子であるか否かが明確でない場合、その原子は、線状鎖、又は連結基のうちいずれに含まれると解釈してもよい。
連結基Lが含む環状基は、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。連結基Lが含む環状基は、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。連結基Lが含む環状基の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、1,3−ベンゼンジイル基、1,2−ベンゼンジイル基、及び3,4−フランジイル基が挙げられる。
連結基Lが含む分岐状の有機基(例えば式(30)中のR30)の例としては、リジントリイル基、メチルシラントリイル基、及び1,3,5−シクロヘキサントリイル基が挙げられる。
式(30)で表される連結基Lは、下記式(31)で表される基であってもよい。式(31)中のR31は、単結合、又はアルキレン基を示す。R31は炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。Z及びZの定義は式(30)と同様である。
Figure 0006578924
第二の重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば5000以上、7000以上、又は9000以上であってもよく、100000以下、80000以下、又は60000以下であってもよい。第二の重合体の重量平均分子量がこれらの数値範囲内にあることで、第二の重合体の他の成分との良好な相溶性、及び制振材の良好な諸特性が得られ易い傾向がある。
第二の重合体は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって得ることができる。例えば、反応性の末端基(水酸基等)を有するポリアルキレングリコール、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含む混合物と、反応性の官能基(イソシアネート基等)及び環状基若しくは分岐状の基を有する化合物との反応により、第二の重合体を合成することができる。合成される第二の重合体は、イソシアネート基の三量化等の副反応に基づく分岐構造を含んでいてもよい。
制振材用樹脂組成物は、反応性モノマーの重合のための重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤は、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、又はこれらの組み合わせであり得る。重合開始剤の含有量は、通常の範囲で適宜調整されるが、例えば、制振材用樹脂組成物の質量を基準として0.01〜5質量%であってもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸等のアゾ化合物、ナトリウムエトキシド、tert−ブチルリチウム等のアルキル金属、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン等のケイ素化合物等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤と、触媒とを組み合わせてもよい。この触媒としては、金属塩、及び、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物のような還元性を有する化合物が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。その市販品として、Irgacure 651(日本チバガイギー株式会社製)がある。
制振材は、制振材用樹脂組成物中で、反応性モノマーのラジカル重合により第一の重合体を生成させる工程を備える方法により、製造することができる。反応性モノマーのラジカル重合は、加熱、又は紫外線等の活性光線の照射により開始させることができる。
重合反応の温度は、特に制限されないが、制振材用樹脂組成物が溶剤を含む場合、その沸点以下であることが好ましい。重合反応は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、良好な品質の制振材を安定して得ることができる。
式(I)のラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位が形成されると考えられる。第一の重合体の存在下で反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位の少なくとも一部において、環状部分を第二の重合体が貫通している構造が形成され得る。下記式(III)は、第一の重合体(A)が有する式(II)のモノマー単位の環状部分を、第二の重合体(B)が貫通している構造を模式的に示す。式(III)中のRは、式(I)のラジカル重合性化合物以外の反応性モノマーに由来するモノマー単位である。式(III)のような構造が形成されることで、第一の重合体と第二の重合体とで、三次元共重合体のような架橋ネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造においては、環状部分を貫通する第二の重合体の運動の自由度が比較的高く保たれると考えられる。このような構造は、当業者に環動構造と称されることがある。環動構造が形成されていることを直接的に確認することは技術的に容易でないが、例えば、第一の重合体と第二の重合体とを含有する制振材の引張試験によって得られる応力−歪み曲線が、いわゆるJ字型の曲線であることから、環動構造の形成が示唆される。ただし、制振材は、このような環動構造を必ずしも含んでいなくてもよい。
Figure 0006578924
式(III)の例では、第二の重合体(B)は、複数のポリオキシエチレン鎖と、それらの末端同士を連結する連結基Lとを有している。連結基Lがポリオキシエチレン鎖と比較して嵩高いことから、ポリロタキサンのように、第二の重合体が式(II)のモノマー単位の環状部分を貫通している状態が維持され易い。第二の重合体を、環状のモノマー単位の大きさ、包接能力などのバランス、ポリロタキサンの特性に基づいて適宜選択することができる。
制振材用樹脂組成物は、制振性及び強度の向上、及び粘度調整の観点から、無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーとしては特に制限されないが、例えば、アルミナ、シリカ、及びマイカが挙げられる。制振材用樹脂組成物が無機フィラーを含有する場合、その含有量は、制振材用樹脂組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であってもよく、50質量%以下であってもよい。
制振材用樹脂組成物は、必要に応じて、バインダポリマー、溶剤、光発色剤、熱発色防止剤、可塑剤、顔料、充填剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。制振材用樹脂組成物がその他の成分を含有する場合、それらの含有量は、制振材用樹脂組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であってもよく、30質量%以下であってもよい。
制振材の損失係数及びその測定方法は、特に限定されないが、厚さ1mmの鋼板に接着された厚さ1mmの制振材を用いた、片持ち梁法、25℃、測定周波数:100Hzの測定条件で、0.1以上であってもよい。通常、0.1以上の損失係数を有する制振材は良好な制振性を有し、損失係数が大きいほど制振性に優れる。制振材の損失係数は、0.2以上、又は0.5以上であってもよく、5以下、3以下、又は1以下であってもよい。第一の重合体、及び第二の重合体を組み合わせることで、大きい損失係数を有する制振材を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.合成
合成例1:trans−1,2−ビス(2−アクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシ)シクロヘキサン(BACH)の合成
100mL二口ナスフラスコにtrans−1,2−シクロヘキサンジオール(2.32g、20.0mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。そこに乾燥したジクロロメタン(40mL)、及びジラウリン酸ジブチル錫(11.8μL、0.10mol%:0.020mmol)を入れた。フラスコ中の反応液に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(5.93g、42.0mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下ロートから滴下し、反応液を30℃で24時間撹拌して、反応を進行させた。反応終了後、反応液にジエチルエーテルを加えて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニトリルに溶解させ、得られた溶液をヘキサンで3回洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテル及びヘキサンの混合溶媒からの再結晶によって精製して、BACHの白色結晶を得た。収量は、5.1gであり、収率は、64質量%であった。
Figure 0006578924
合成例2:PEG−PPGオリゴマーの合成
20mLナスフラスコにポリエチレングリコール(PEG1500、750mg、0.500mmol、数平均分子量1500)、ポリプロピレングリコール(PPG4000、2000mg、0.500mmol、数平均分子量4000)を加えてからフラスコ内を窒素置換し、内容物を115℃で融解させた。融解液に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(262mg、1.00mmol)を加えて、窒素雰囲気下、115℃で24時間撹拌して、PEG−PPGオリゴマー(ポリオキシエチレン鎖及びポリオキシプロプレン鎖を含む第二の重合体)を得た。
PEG−PPGオリゴマーのGPCクロマトグラムを、10mMの臭化リチウムを含むDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を溶離液として用いて、流速1mL/分の条件で得た。得られたクロマトグラムから、PEG−PPGオリゴマーの数平均分子量及び重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めた。PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は9300で、PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.65であった。
2.制振材用樹脂組成物、及び制振材
合成例1のBACH、合成例2のPEG−PPGオリゴマー、アクリロニトリル、2−エチルヘキシルアクリレート及びIrgacure 651を表1に示す質量比で配合し、実施例又は比較例の配合液(制振材用樹脂組成物)を得た。
得られた配合液を、ポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルムを敷いた長さ×幅×深さが200mm×10mm×1mmのステンレス金型に流し込み、そこにPET製の透明シートを被せた。透明シートの上から、室温(25℃、以下同様)で2000mJ/cmの紫外線を照射し、実施例又は比較例の樹脂フィルム(制振材)を得た。
3.貯蔵弾性率の測定
得られた樹脂フィルムから、5mm幅、長さ30mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片を用いて、TAインスツルメント株式会社社製動的粘弾性測定装置(RSA−G2)を用いて、25℃における貯蔵弾性率を測定した。測定条件は以下のとおりである。
・チャック間距離:20mm
・測定周波数:10Hz
4.損失係数の測定
得られた樹脂フィルム(厚さ:1mm)を鋼板(厚さ:1mm)に接着し、損失係数測定システム(株式会社小野測機製)を用いて、片持ち梁法、室温、測定周波数:100Hzの条件で、損失係数を測定した。
5.破断伸び率の測定
得られた樹脂フィルムから短冊状の試験片(幅:8mm、厚さ:1mm)を切り出した。この試験片を、ストログラフT(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、室温、チャック間距離:30mm、引張速度:10.0mm/minの条件で、破断伸び率を測定した。
Figure 0006578924
実施例1〜5の制振材は、比較例1及び2の制振材と比較して高い損失係数と破断伸び率を有していた。この結果から、本発明によれば、良好な制振性、及び強靭性を有する制振材が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 式(I):
    Figure 0006578924

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物を、モノマー単位として含む第一の重合体と、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、
    を含有し、
    25℃で0.1以上の損失係数を有する、制振材。
  2. 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキレン鎖を含む重合体である、請求項1に記載の制振材。
  3. 前記第二の重合体が、2以上の線状鎖と、前記線状鎖の末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であり、前記連結基が、環状基を含む有機基又は分岐状の有機基である、請求項1又は2に記載の制振材。
  4. 前記式(I)中のXが、下記式(10):
    Figure 0006578924

    で表され、Yが置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZがそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjがそれぞれ独立に0〜2の整数で、*が結合手を表す、基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の制振材。
  5. 前記第二の重合体の重量平均分子量が5000以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の制振材。
  6. 前記第一の重合体が、単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制振材。
  7. 式(I):
    Figure 0006578924

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーと、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、
    を含有する制振材用樹脂組成物であって、
    前記第二の重合体の存在下で前記反応性モノマーが重合して第一の重合体を形成したときに、当該制振材用樹脂組成物が25℃で0.1以上の損失係数を有する制振材を形成する、制振材用樹脂組成物。
JP2015241465A 2015-12-10 2015-12-10 制振材用樹脂組成物、及び制振材 Expired - Fee Related JP6578924B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241465A JP6578924B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 制振材用樹脂組成物、及び制振材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015241465A JP6578924B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 制振材用樹脂組成物、及び制振材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017105942A JP2017105942A (ja) 2017-06-15
JP6578924B2 true JP6578924B2 (ja) 2019-09-25

Family

ID=59059208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015241465A Expired - Fee Related JP6578924B2 (ja) 2015-12-10 2015-12-10 制振材用樹脂組成物、及び制振材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6578924B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6853987B1 (ja) * 2020-05-19 2021-04-07 株式会社タイテックスジャパン 複合制振材料

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4447493A (en) * 1982-07-26 1984-05-08 Minnesota Mining And Manufacturing Company Vibration-damping constrained-layer constructions
WO2011108515A1 (ja) * 2010-03-02 2011-09-09 アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社 架橋ポリロタキサンを有する材料、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017105942A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018177918A (ja) ポリシロキサンモノマー及びその製造方法
EP2838955A2 (en) Organo-modified silicone polymers
KR20190051005A (ko) 광학 재료용 중합성 조성물 및 그의 용도
JP6610077B2 (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物、及び立体造形物を製造する方法
WO2011068110A1 (ja) ピペリジン骨格を有する単量体を用いた重合体の製造方法、及び成型体
JPWO2017030099A1 (ja) 複合材料、ソルダーレジスト用感光性樹脂組成物、及び感光性エレメント
JP6578924B2 (ja) 制振材用樹脂組成物、及び制振材
JP6520552B2 (ja) 多孔質樹脂成形体、及び多孔質樹脂成形体形成用組成物
JP2000344823A (ja) 塊状重合用触媒および該触媒を用いた重合方法
JP6665442B2 (ja) 接合部材形成用組成物、接合部材、接合体、及び接合部材を製造する方法
JP6525619B2 (ja) 光硬化する組成物ならびにその組成物から得られる光硬化物および粘接着剤
JP6507928B2 (ja) 繊維状成形体、及び繊維形成用組成物
WO2017030096A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、及びその硬化物
JP6717006B2 (ja) 成形用組成物、樹脂成形体、及び樹脂成形体を製造する方法
JP2017105943A (ja) 樹脂組成物、及び接着剤
JP6676946B2 (ja) 樹脂組成物
WO2017030098A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、成形用組成物、樹脂成形体、及び樹脂成形体を製造する方法
JP6623612B2 (ja) 複合体形成用組成物、複合体、及び複合体を製造する方法
JP2009138090A (ja) ナフタレン化合物を重合して得られる重合体
JP2019044099A (ja) 立体構造物
WO2020045225A1 (ja) (メタ)アクリロイル化合物及びその製造方法
JP6415407B2 (ja) 1,3,4,6−テトラキス((メタ)アクリロイルオキシアルキル)グリコールウリル化合物、その合成方法および該グリコールウリル化合物の利用
JP6665508B2 (ja) 粘着剤、及び粘着シート
EP4286432A1 (en) Photocurable resin composition and three-dimensional stereolithography product
JP2008031134A (ja) フェノール誘導体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190730

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190812

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6578924

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees