JP2017105943A - 樹脂組成物、及び接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な強靭性、保持力、及び耐衝撃性を有する新規な樹脂組成物、及びこれを用いた接着剤を提供すること。【解決手段】式(I)で表され化合物、ラジカル重合性化合物、及びラジカル重合性基以外の反応性官能基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを含む、反応性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、ポリオキシアルキレン鎖などの直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び接着剤に関する。
近年、様々な用途において接着剤が利用されているが、その用途に応じて、接着剤に求められる特性が異なる。そのため、各用途に応じた特性を備える接着剤を開発すべく、これまでに種々の検討がなされてきている。
例えば、特許文献1には、アクリル共重合体を含有する携帯電子機器用アクリル粘着剤が開示されている。特許文献2には、水分散型粘着剤組成物を含有する携帯電子機器用粘着シートが開示されている。
特開2015−59204号公報 特開2015−59133号公報
過酷な環境下において用いられる接着剤には、強靭性に加えて、接着状態を保つための保持力が要求される。また、電子機器に用いられる接着剤には、電子機器が落下したときでも剥がれることのないように耐衝撃性を有することが要求される。この耐衝撃性は、配線の微細化に伴って接着剤への信頼性が重要となっている中で、一層重視されている。特許文献1に開示されている携帯電子機器用アクリル粘着剤は粘着性及び耐衝撃性を有しており、特許文献2に開示されている携帯電子機器用粘着シートは保持力及び耐衝撃性を有しているものの、さらにこれらの諸特性を向上させ、かつ両立させた接着剤の創出が求められている。
本発明の目的は、良好な強靭性、保持力、及び耐衝撃性を有する新規な樹脂組成物、及びこれを用いた接着剤を提供することである。
本発明の一側面は、式(I):
Figure 2017105943

で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及びラジカル重合性基以外の反応性官能基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを含む、反応性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する樹脂組成物に関する。
本発明の別の側面は、式(I)のラジカル重合性化合物を含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体とを含有する樹脂組成物からなる接着剤(粘着剤)に関する。
本発明の一側面によれば、良好な強靭性、保持力、及び耐衝撃性を有する新規な樹脂組成物、及びこれを用いた接着剤が提供される。また、本発明の樹脂組成物及び接着剤は、良好な応力緩和性、制振性、及び耐熱性を有し得る。
耐衝撃性を評価する方法を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る樹脂組成物は、式(I):
Figure 2017105943

で表されるラジカル重合性化合物を含む第一の重合体と、第二の重合体とを含有する。式(I)中、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。硬化前の樹脂組成物中で反応性モノマーが重合することで、それら反応性モノマーに由来するモノマー単位から構成される第一の重合体が生成する。これにより、樹脂組成物が硬化する。第一の重合体は、通常、第二の重合体と共有結合によって結合することなく、第二の重合体とは別の重合体として樹脂組成物中に形成される。
第一の重合体は、式(I)の化合物に由来する、下記式(II)で表される環状のモノマー単位を含み得る。ただし、第一の重合体は、必ずしも式(II)のモノマー単位を含んでいなくてもよい。
Figure 2017105943
式(I)及び(II)中のXは、例えば、下記式(10):
Figure 2017105943

で表される基であってもよい。式(10)中、Yは置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZはそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数である。*は結合手を表す(これは他の式でも同様である)。Xが式(10)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。環状基Yに対するZ及びZの配置が、シス位であってもよいし、トランス位であってもよい。Z及びZは、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であってもよい。
Yは、炭素数2〜10の環状基であってもよいし、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。この環状基Yは、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。環状エーテル基は、単糖又は多糖が有する環状基であってもよい。Yの具体例としては、特に限定されないが、下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15)で表される環状基が挙げられる。Yは、式(11)の基(特に、1,2−シクロヘキサンジイル基)であってもよい。
Figure 2017105943
式(I)及び(II)中のR及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、下記式(20)で表される基であってもよい。
Figure 2017105943
式(20)中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基(アルキレン基等)であり、式(I)又は(II)中の窒素原子に結合する。Zは−O−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。R及びRが式(20)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。Rの炭素数は、2以上であってもよいし、6以下、又は4以下であってもよい。
式(I)のラジカル重合性化合物の一つの具体例は、下記式(Ia)で表される化合物である。ここでのY、Z、Z、i及びjは式(10)と同様に定義される。
Figure 2017105943
式(Ia)の化合物としては、例えば、下記式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、又は(I−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017105943
Figure 2017105943
Figure 2017105943
以上例示した化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における式(I)のラジカル重合性化合物の割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、0.01モル%以上、0.1モル%以上、又は0.5モル%以上であってもよく、10モル%以下、5モル%以下、又は1モル%以下であってもよい。式(I)のラジカル重合性化合物の割合がこれら範囲内にあると、強靭性、保持力、耐衝撃性などの機械特性に優れた樹脂組成物を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
式(I)の化合物は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって合成することができる。例えば、環状ジオール化合物又は環状ジアミン化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基を有する化合物との反応により、式(I)の化合物を合成することができる。
硬化前の樹脂組成物中の反応モノマーは、ラジカル重合性基以外の反応性官能基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを含有する。ラジカル重合性基以外の反応性官能基としては、当該反応性官能基とは別の官能基と反応して架橋構造を形成することのできる、ラジカル重合性を有しない官能基であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、オキセタニル基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、メルカプト基が挙げられる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、エポキシ基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「エポキシモノマー」ともいう)の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアクリレートグリシジルエーテル、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、エポキシモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、0.1質量%以上、又は3質量%以上であってもよく、10質量%以下、又は7質量%以下であってもよい。エポキシモノマーの割合が0.1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。エポキシモノマーの割合が10質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、水酸基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「アルコールモノマー」ともいう)の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、アルコールモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。アルコールモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。アルコールモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、イソシアネート基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「イソシアネートモノマー」ともいう)の例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート、2−(2−メタクリロイロキシエチルオキシ)エチルイソシアネートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、イソシアネートモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。イソシアネートモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。イソシアネートモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、オキセタニル基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「オキセタンモノマー」ともいう)の例としては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチルオキセタンメチルビニルエーテルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、オキセタンモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。オキセタンモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。オキセタンモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、カルボキシ基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「カルボン酸モノマー」ともいう)の例としては、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、4−カルボキシブチル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、カルボン酸モノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。カルボン酸モノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。カルボン酸モノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、アミノ基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「アミンモノマー」ともいう)の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、アミンモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。アミンモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。アミンモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、アミド基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「アミドモノマー」ともいう)の例としては、(メタ)アクリル酸アミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミドが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、アミドモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。アミドモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。アミドモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
ラジカル重合性基以外の反応性官能基として、メルカプト基を有する単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「チオールモノマー」ともいう)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物における、チオールモノマーの割合は、硬化前の樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、50質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。チオールモノマーの割合が1質量%以上であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。チオールモノマーの割合が50質量%以下であると、良好な強靭性及び応力緩和性を有する樹脂組成物が得られる。
硬化前の樹脂組成物は、前記反応性官能基と反応して架橋構造を形成することのできる官能基を、分子内に2個以上有し、かつラジカル重合性基を有しない化合物(以下、「架橋剤」ともいう)を含有してもよい。
エポキシモノマー、又はオキセタンモノマーを用いる場合、架橋剤としてフェノール性水酸基を有する樹脂を用いるのが、耐熱性、及び接着性の観点から好ましい。フェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂(PHENOLITE TD−2131、PHENOLITE TD−2106、PHENOLITE TD−2093、PHENOLITE TD−2091、PHENOLITE TD−2090(以上、DIC(株)製))、クレゾールノボラック樹脂(KA−1160、KA−1163、KA−1165(以上、DIC(株)製))、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(VH−4150、VH−4170、KH−6021(以上、DIC(株)製))が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する樹脂の使用量は、エポキシモノマーのエポキシ基の当量に対してフェノール性水酸基の当量が0.8〜1.2となる範囲内であってもよい。フェノール性水酸基を有する樹脂の使用量が上記範囲内であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。
アルコールモノマーを用いる場合、架橋剤としてイソシアネート基を有する樹脂を用いるのが、耐熱性、及び接着性の観点から好ましい。イソシアネート基を有する樹脂としては、例えば、イソシアネート基を安定化させたブロックタイプのポリイソシアネート(ブロックイソシアネート;コロネートBI−301、コロネート2507、コロネート2554(以上、東ソー(株)製)、バーノックD−500、バーノックD−550、バーノックDB−980K(以上、DIC(株)製))が挙げられる。
イソシアネート基を有する樹脂の使用量は、アルコールモノマーの水酸基の当量に対してイソシアネート基の当量が0.8〜1.2となる範囲内であってもよい。イソシアネート基を有する樹脂の使用量が上記範囲内であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。
イソシアネートモノマーを用いる場合、架橋剤として水酸基を有する樹脂を用いるのが、耐熱性、接着性の観点から好ましい。水酸基を有する樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びこれらの重合体が挙げられる。
水酸基を有する樹脂の使用量は、イソシアネートモノマーのイソシアネート基の当量に対して水酸基の当量が0.8〜1.2となる範囲内であってもよい。水酸基を有する樹脂の使用量が上記範囲内であると、良好な耐熱性及び接着性を有する樹脂組成物が得られる。
硬化前の樹脂組成物中の反応性モノマーは、ラジカル重合性基以外の反応性官能基を有しない単官能ラジカル重合性モノマーを更に含んでいてもよい。ラジカル重合性基以外の反応性官能基を有しない単官能ラジカル重合性モノマーは、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、及び/又はアクリロニトリルを含んでいてもよい。
アルキル(メタ)アクリレートは、反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸と反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアルコールとのエステル)であってもよい。炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが有し得る置換基は、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい。
反応性モノマーが炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいることにより、強靭性が増加する効果が得られる。
硬化前の樹脂組成物における、反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、10モル%以上、15モル%以上、又は20モル%以上であってもよく、95モル%以下、90モル%以下、又は85モル%以下であってもよい。反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、強靭性及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得られるという点で更に有利な効果が得られる。
少ない炭素数のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることで、樹脂組成物の強靭性が増加する傾向がある。係る観点から、反応性モノマーが、単官能ラジカル重合性モノマーとして、反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。硬化前の樹脂組成物における、反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、8モル%以上、10モル%以上、又は15モル%以上であってもよく、55モル%以下、45モル%以下、又は25モル%以下であってもよい。反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、強靭性及び耐衝撃性を有する樹脂組成物が形成され易いという点で更に有利な効果が得られる。同様の観点から、反応性モノマーは、反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、その割合は上記数値範囲であってもよい。
反応性官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの例としては、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)、及びN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性モノマーがアクリロニトリルを含んでいることにより、強靭性を有する樹脂組成物が形成され易い傾向がある。アクリロニトリルと、炭素数1〜16(又は1〜10)のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとの組み合わせは、高い弾性率の樹脂組成物を得るために特に有利である。硬化前の樹脂組成物における、アクリロニトリルの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、40モル%以上、50モル%以上、又は70モル%以上であってもよく、90モル%以下、85モル%以下、又は80モル%以下であってもよい。アクリロニトリルの割合がこれら範囲内にあると、強靭性及び耐衝撃性について更に有利な効果が得られる。
反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、ビニルエーテル、スチレン及びスチレン誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含んでいてもよい。ビニルエーテルの例としては、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルクタデシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、及びビニルクレシルエーテルが挙げられる。スチレン誘導体の例としては、アルキルスチレン、アルコキシスチレン(α−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等)、及びm−クロロスチレンが挙げられる。
反応性モノマーは、その他の単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は多官能ラジカル重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の単官能ラジカル重合性モノマーの例としては、ビニルフェノール、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−5−エチルピリジン、酢酸イソプロペニル、ビニルイソシアネート、ビニルイソブチルスルフィド、2−クロロ−3−ヒドロキシプロペン、ビニルステアレート、p−ビニルベンジルエチルカルビノール、ビニルフェニルスルフィド、アリルアクリレート、α−クロロエチルアクリレート、酢酸アリル、2、2、6、6−テトラメチル−ピペリジニルメタクリレート、N、N−ジエチルビニルカルバメート、ビニルイソプロペニルケトン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルホルメート、p−ビニルベンジルメチルカルビノール、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェロセン、ビニルジクロロアセテート、N−ビニルスクシンイミド、アリルアルコール、ノルボルナジエン、ジアリルメラミン、ビニルクロロアセテート、N−ビニルピロリドン、ビニルメチルスルフィド、N−ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルスルホキシド、N−ビニル−N’−エチル尿素、及びアセナフタレンが挙げられる。
以上例示した各種の反応性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化前の樹脂組成物は、以上説明した反応性モノマーと、直鎖状又は分岐状の第二の重合体とを含有する。第二の重合体は、2以上の線状鎖と、それらの末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であってもよい。この重合体は、例えば下記式(B)で表される分子鎖を含む。式(B)中、R20は線状鎖を構成するモノマー単位であり、n、n及びnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、Lは連結基である。同一分子中の複数のR20及びLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2017105943
モノマー単位R20から構成される線状鎖は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせから誘導される分子鎖であってもよい。それぞれの線状鎖は、ポリマーであってもよいし、オリゴマーであってもよい。
ポリエーテルから誘導される線状鎖の例としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖及びこれらの組み合わせのようなポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。ポリアルキレングリコールのようなポリエーテルからポリオキシエチレン鎖が誘導される。ポリオレフィンから誘導される線状鎖の例としては、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリイソブチレン鎖及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルから誘導される線状鎖としては、ポリεカプロラクトン鎖が挙げられる。ポリオルガノシロキサンから誘導される線状鎖としては、ポリジメチルシロキサン鎖が挙げられる。第二の重合体は、これらを単独で、又はこれらから選ばれる2種以上の組み合わせを含むことができる。
第二の重合体を構成する線状の分子鎖のそれぞれの数平均分子量は、特に制限されないが、例えば1000以上、3000以上、又は5000以上であってもよく、80000以下、50000以下、又は20000以下であってもよい。本明細書において、数平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。
連結基Lは、環状基を含む有機基、又は分岐状の有機基である。連結基Lは、例えば、下記式(30)で表される2価の基であってもよい。
Figure 2017105943
30は、環状基、2以上の環状基を含みそれらが直接若しくはアルキレン基を介して結合している基、又は、炭素原子を含み、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい分岐状の有機基を示す。Z及びZは、R30と線状鎖とを結合する2価の基であり、例えば、−NHC(=O)−、−NHC(=O)O−、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。本明細書において、線状鎖の末端の原子(線状鎖を構成するモノマーに由来する原子)は、通常、Z又はZ構成する原子とは解釈しない。線状鎖の末端の原子が、モノマーに由来する原子であるか否かが明確でない場合、その原子は、線状鎖、又は連結基のうちいずれに含まれると解釈してもよい。
連結基Lが含む環状基は、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。連結基Lが含む環状基は、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。連結基Lが含む環状基の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、1,3−ベンゼンジイル基、1,2−ベンゼンジイル基、及び3,4−フランジイル基が挙げられる。
連結基Lが含む分岐状の有機基(例えば式(30)中のR30)の例としては、リジントリイル基、メチルシラントリイル基、及び1,3,5−シクロヘキサントリイル基が挙げられる。
式(30)で表される連結基Lは、下記式(31)で表される基であってもよい。式(31)中のR31は、単結合、又はアルキレン基を示す。R31は炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。Z及びZの定義は式(30)と同様である。
Figure 2017105943
第二の重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば5000以上、7000以上、又は9000以上であってもよく、100000以下、80000以下、又は60000以下であってもよい。第二の重合体の重量平均分子量がこれらの数値範囲内にあることで、第二の重合体の他の成分との良好な相溶性、及び樹脂組成物の良好な諸特性が得られ易い傾向がある。
第二の重合体は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって得ることができる。例えば、反応性の末端基(水酸基等)を有するポリアルキレングリコール、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含む混合物と、反応性の官能基(イソシアネート基等)及び環状基若しくは分岐状の基を有する化合物との反応により、第二の重合体を合成することができる。合成される第二の重合体は、イソシアネート基の三量化等の副反応に基づく分岐構造を含んでいてもよい。
硬化前の樹脂組成物は、反応性モノマーの重合のための重合開始剤を含有していてもよい。重合開始剤は、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、又はこれらの組み合わせであり得る。重合開始剤の含有量は、通常の範囲で適宜調整されるが、例えば、硬化前の樹脂組成物の質量を基準として0.01〜5質量%であってもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸等のアゾ化合物、ナトリウムエトキシド、tert−ブチルリチウム等のアルキル金属、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン等のケイ素化合物等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤と、触媒とを組み合わせてもよい。この触媒としては、金属塩、及び、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物のような還元性を有する化合物が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。その市販品として、Irgacure 651(日本チバガイギー株式会社製)がある。
硬化後の樹脂組成物は、硬化前の樹脂組成物中で、反応性モノマーのラジカル重合により第一の重合体を生成させる工程を備える方法により、製造することができる。反応性モノマーのラジカル重合は、加熱、及び/又は紫外線等の活性光線の照射により開始させることができる。
重合反応の温度は、特に制限されないが、硬化前の樹脂組成物が溶剤を含む場合、その沸点以下であることが好ましい。重合反応は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、良好な品質の樹脂組成物を安定して得ることができる。
式(I)のラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位が形成されると考えられる。第一の重合体の存在下で反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位の少なくとも一部において、環状部分を第二の重合体が貫通している構造が形成され得る。下記式(III)は、第一の重合体(A)が有する式(II)のモノマー単位の環状部分を、第二の重合体(B)が貫通している構造を模式的に示す。式(III)中のRは、式(I)のラジカル重合性化合物以外の反応性モノマーに由来するモノマー単位である。式(III)のような構造が形成されることで、第一の重合体と第二の重合体とで、三次元共重合体のような架橋ネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造においては、環状部分を貫通する第二の重合体の運動の自由度が比較的高く保たれると考えられる。このような構造は、当業者に環動構造と称されることがある。環動構造が形成されていることを直接的に確認することは技術的に容易でないが、例えば、第一の重合体と第二の重合体とを含有する樹脂組成物の引張試験によって得られる応力−歪み曲線が、いわゆるJ字型の曲線であることから、環動構造の形成が示唆される。ただし、樹脂組成物は、このような環動構造を必ずしも含んでいなくてもよい。
Figure 2017105943
式(III)の例では、第二の重合体(B)は、複数のポリオキシエチレン鎖と、それらの末端同士を連結する連結基Lとを有している。連結基Lがポリオキシエチレン鎖と比較して嵩高いことから、ポリロタキサンのように、第二の重合体が式(II)のモノマー単位の環状部分を貫通している状態が維持され易い。第二の重合体を、環状のモノマー単位の大きさ、包接能力などのバランス、ポリロタキサンの特性に基づいて適宜選択することができる。
硬化前の樹脂組成物は、必要に応じて、バインダポリマー、溶剤、光発色剤、熱発色防止剤、可塑剤、顔料、充填剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。硬化前の樹脂組成物がその他の成分を含有する場合、それらの含有量は、硬化前の樹脂組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であってもよく、20質量%以下であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.合成
合成例1:trans−1,2−ビス(2−アクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシ)シクロヘキサン(BACH)の合成
100mL二口ナスフラスコにtrans−1,2−シクロヘキサンジオール(2.32g、20.0mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。そこに乾燥したジクロロメタン(40mL)、及びジラウリン酸ジブチル錫(11.8μL、0.10mol%:0.020mmol)を入れた。フラスコ中の反応液に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(5.93g、42.0mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下ロートから滴下し、反応液を30℃で24時間撹拌して、反応を進行させた。反応終了後、反応液にジエチルエーテルを加えて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニトリルに溶解させ、得られた溶液をヘキサンで3回洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテル及びヘキサンの混合溶媒からの再結晶によって精製して、BACHの白色結晶を得た。収量は、5.1gであり、収率は、64質量%であった。
Figure 2017105943
合成例2:PEG−PPGオリゴマーの合成
20mLナスフラスコにポリエチレングリコール(PEG1500、750mg、0.500mmol、数平均分子量1500)、ポリプロピレングリコール(PPG4000、2000mg、0.500mmol、数平均分子量4000)を加えてからフラスコ内を窒素置換し、内容物を115℃で融解させた。融解液に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(262mg、1.00mmol)を加えて、窒素雰囲気下、115℃で24時間撹拌して、PEG−PPGオリゴマー(ポリオキシエチレン鎖及びポリオキシプロプレン鎖を含む第二の重合体)を得た。
PEG−PPGオリゴマーのGPCクロマトグラムを、10mMの臭化リチウムを含むDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を溶離液として用いて、流速1mL/分の条件で得た。得られたクロマトグラムから、PEG−PPGオリゴマーの数平均分子量及び重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めた。PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は9300で、PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.65であった。
2.硬化前の樹脂組成物
合成例1のBACH、合成例2のPEG−PPGオリゴマー、グリシジルメタクリレート、PHENOLITE TD−2106(フェノールノボラック樹脂)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、コロネート2507(ブロックイソシアネート)、アクリロニトリル、2−エチルヘキシルアクリレート、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、及びIrgacure 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)を表1に示す質量比で配合し、実施例又は比較例の混合液(硬化前の樹脂組成物)を得た。
3.破断強度の測定
上記2.で得られた混合液を、硬化後の厚さが1mmになるように、基材(離型処理されたポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム)に塗布した。塗布面を、離型処理されたPET製フィルムで被覆した。フィルムの上から、2000mJ/cmの紫外線を照射した。被覆したPET製フィルムを剥離し、150℃で1時間加熱して、樹脂組成物を硬化させた。硬化後の樹脂組成物を幅5mm、長さ50mmの短冊状に打ち抜き、基材のPET製フィルムを剥離することで破断強度測定用の試験片を得た。
この試験片を、EZ−TEST(株式会社島津製作所)を用いて、室温、チャック間距離:30mm、引張速度:10.0mm/minの条件で、破断強度を測定した。
4.保持力の測定
上記2.で得られた混合液を、硬化後の厚さが1mmになるように、基材(離型処理されていないポリエチレンテレフタラート(PET)製フィルム)に塗布した。塗布面を、離型処理されたPET製フィルムで更に被覆した。フィルムの上から、2000mJ/cmの紫外線を照射した。被覆したPET製フィルムを剥離し、150℃で1時間加熱して、樹脂組成物を硬化させた。硬化後の樹脂組成物を幅25mm、長さ25mmの短冊状に打ち抜くことで保持力測定用の試験片を得た。
この試験片を、接着面の大きさが25mm×25mmになるようにローラーを用いてステンレス板に貼付した。これを垂直に配置し、試験片の自由端に1kgの重りをつけた。重りをぶら下げてから、ステンレス板から試験片が剥がれて重りが落下するまでの時間を測定した。
5.耐衝撃性の評価
図1は、耐衝撃性評価時のサンプル、鉄球、スタンド及び万力を含む模式図を示す。
上記3.に記載の方法と同様の方法で作製した50mm×50mmの破断強度測定用の試験片2を、50mm×50mm×5mmのアクリル板1及び50mm×100mm×5mmのアクリル板3で挟み、ローラーを用いて貼り合わせて、耐衝撃性評価用のサンプルを得た。
得られた耐衝撃性評価用のサンプルを、スタンド5に固定された万力6を用いて固定した。アクリル板3の上面から高さ30cmの位置より、500gの鉄球4を、アクリル板3においてアクリル板1及び試験片2が貼付されていない部分に当たるように落下させた。この落下を5回繰り返してもアクリル板3が剥離しなかったサンプルについては良好と評価し、5回未満でアクリル板3が剥離したサンプルについては剥離したときの落下回数を表1に示した。
Figure 2017105943
実施例1〜6の樹脂組成物は、比較例1及び2の樹脂組成物と比較して高い破断強度と良好な耐衝撃性を有していた。また、実施例1〜6の樹脂組成物は、良好な保持力を有していた。この結果から、本発明によれば、良好な、強靭性、保持力及び耐衝撃性を有する樹脂組成物及び接着剤が得られることが確認された。
1…50mm×50mm×5mmのアクリル板、2…50mm×50mmの破断強度測定用の試験片、3…50mm×100mm×5mmのアクリル板、4…鉄球、5…スタンド、6…万力。

Claims (8)

  1. 式(I):
    Figure 2017105943

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及びラジカル重合性基以外の反応性官能基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを含む、反応性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、
    を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキレン鎖を含む重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記第二の重合体が、2以上の線状鎖と、前記線状鎖の末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であり、前記連結基が、環状基を含む有機基又は分岐状の有機基である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記式(I)中のXが、下記式(10):
    Figure 2017105943

    で表され、Yが置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZがそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjがそれぞれ独立に0〜2の整数で、*が結合手を表す、基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記第二の重合体の重量平均分子量が5000以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ラジカル重合性基以外の反応性官能基が、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、オキセタニル基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記反応性モノマーが、ラジカル重合性基以外の反応性官能基を有しない単官能ラジカル重合性モノマーを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる、接着剤。
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