JP6664728B1 - デッキプレート繋止具およびデッキプレート繋止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚の薄い基板であっても、外力を受けて破断するおそれがなく、軽量かつ構成が簡易であって安価に製作できるデッキプレート繋止具を提供する。【解決手段】デッキプレート繋止具2は、端部材11が接合された鉄筋トラス付きのデッキプレート1の端部を梁4上に載せた状態でデッキプレート1を梁4のフランジ40に繋止するためのであって、フランジ40の下面に係止される左右の係止部3a,3bと、端部材11に非接合の状態で固定される固定部4と、固定部4と各係止部3a,3bとを繋ぐ二股状の胴部5a,5bとが、ひと続きの線状の鋼材により一体に形成されてなる。胴部5a,5bがデッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10を貫通し、係止部3a,3bがフランジ40の下面に係止された状態で固定部4が端部材10に固定される。【選択図】図4

Description

この発明は、鉄筋トラス付きのデッキプレートの端部を梁上に載せた状態でデッキプレートを梁のフランジに繋止するのに用いられるデッキプレート繋止具およびデッキプレート繋止装置に関する。
従来、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建造物の床を施工するのに、デッキプレートを用いた捨て型枠工法が採用されている。この工法では、平行な梁上に複数枚のデッキプレートを並列に敷設し、デッキプレート上に配筋を施した後、デッキプレート上にコンクリートを打設することで鉄筋コンクリート床構造体を構築する。
上記の床構築過程において、デッキプレート上での作業員の歩行や作業によってデッキプレートに水平方向の力が作用したり、風によりデッキプレートに上下方向の力が作用したりするため、当初の設置位置からデッキプレートが移動しないようにする必要があり、そのために、各デッキプレートの両端部を梁に固定するなどして、各デッキプレートを拘束している。デッキプレートの固定は、従来は仮付け溶接により行われており、デッキプレートの端部を梁のフランジ上に載せてデッキプレートを敷設した後、デッキプレートの端部をフランジにアークスポット溶接する。
デッキプレートには、基板上に鉄筋トラスが組み付けられたものがある。この鉄筋トラス付きのデッキプレートでは、鉄筋トラスの両端部に、異形鋼棒をL字状に折り曲げて形成された端部材が取り付けられている。端部材は、水平部分が基板の端縁より梁のフランジ上に突出しており、その突出部分と梁のフランジとの間をアークスポット溶接して、デッキプレートの端部を梁に固定している。
デッキプレートをアークスポット溶接により梁に固定すると、梁母材の鋼が溶接熱の影響により変質して脆性硬化するので、発注者より徐冷するよう強い指導を受けるが、その指導に従って溶接時間をかけてビード長さを延ばし溶融金属量を増やすと、高所での溶接作業であるため、この溶接に伴う火の玉が落下して階下の作業員が火傷したり、可燃物に引火したり、隣家や公道へ火の粉が落下して第三者を火災や事故に巻き込んだりするおそれがある。
上記の問題を解消するため、溶接によらずにデッキプレートを梁に固定することができるデッキプレート固定具が提案された(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のデッキプレート固定具は、デッキプレートの基板に形成した透孔に挿通される本体部を有し、本体部の上端部にねじ軸、下端部に鉤部がそれぞれ設けられたものである。デッキプレートを梁に固定するには、デッキプレートの端部を梁のフランジ上に載せた状態で、デッキプレート固定具の本体部をデッキプレートの基板の透孔に挿通した後、ねじ軸を下方へねじ送りして、ねじ軸の下端と鉤部との間でデッキプレートの端部と梁のフランジとを挟持する。
特開昭62−148750号公報
溶接やデッキプレート固定具によってデッキプレートを梁にしっかりと固定した場合、デッキプレートの基板に鉛直方向の外力が作用すると、基板は外力の方向に変形する。その変形は、単純梁形式で支持された各種デッキプレートが、その上面に150mmの鉄筋コンクリートを標準的な機器材を用いて構築する際の作業荷重を加えた500kgf/mが積載された場合に想定されている変形量を参考にすれば、例えば3mの水平な基板が中央部で8mm程度のたわみが発生する。これを基準として想定すれば、例えば、風によってデッキプレートに鉛直上方に500kgf/mの荷重がかかった場合も同様であると考えられる。ただし、瞬間値は状況が異なるとしても、風は息をするもので、基本的には通常風は、上下方向に瞬時に変わることが多くの実例で明白である。この風でデッキプレートが上方へ変位したと仮定すると、基板の両端の固定点を弦の端部、中央部を弦に対応する弧の中央点とする円弧状の変形に近似できる。この弧の長さは弦の長さに対して、1.9×10−3%程度長くなるため、板厚の薄い基板では、極小断面で固定された場合、この伸びに追従できず、基板は両端の固定点近傍で引き裂かれるように破断するおそれがある。
また、特許文献1に記載のデッキプレート固定具を用いた場合、ねじ軸の締め付けによってねじ軸の下端が基板に強く圧接されるので、基板に孔が開いたり傷が付いたりして基板が損傷するおそれがある。そのような傷のある基板に外力が作用すると、傷の部分から基板が破断するおそれがある。
さらに、デッキプレート固定具は、デッキプレートの端部毎に少なくとも1個必要となるが、特許文献1に記載のデッキプレート固定具は、構成が簡易でなく、大量生産に不向きであり、製作コストが高くつくという問題がある。
この発明は、上記の課題に着目してなされたもので、デッキプレートの端部をしっかりと固定せずに緩く繋止することにより、板厚の薄い基板であっても、外力を受けて破断するおそれがなく、軽量かつ構成が簡易であって安価に製作できるデッキプレート繋止具およびデッキプレート繋止装置を提供することを目的とする。
この発明によるデッキプレート繋止具は、端部材が接合された鉄筋トラス付きのデッキプレートの端部を梁上に載せた状態でデッキプレートを梁のフランジに繋止するためのものであって、フランジの下面に係止される左右の係止部と、端部材に非接合の状態で固定される固定部と、固定部と各係止部とを繋ぐ二股状の胴部とが、ひと続きの線状の鋼材により一体に形成されてなり、胴部がデッキプレートの基板に穿設された左右の貫通孔を貫通し、各係止部がフランジの下面に係止された状態で固定部が端部材に固定されるものである。
上記した構成のデッキプレート繋止具を用いて、梁のフランジ上にデッキプレートの端部を載せた状態でデッキプレートを梁のフランジに繋止するには、デッキプレートの基板に穿設された貫通孔に対してデッキプレート繋止具の左右の係止部および二股状の胴部を上方より順次通し、両係止部をフランジの下面に係止された状態で、固定部を端部材に非接合の状態で固定する。これにより、基板はフランジの上面に押し付けられ、基板とフランジとの間に摩擦力が作用してデッキプレートは半固定状態となる。一方、係止部がフランジの下面に係止されることにより、係止部とフランジとの間に摩擦力が作用し、係止部と端部材との間に錨でいうところの把駐力(以下、単に「把駐力」という。)が作用してデッキプレート繋止具がフランジから脱落するのが阻止される。なお、ここでの「把駐力」とは、係止部が動く寸前の抵抗力を意味し、つかむ力と摩擦力との和からなるものと考えられる。
上記した構成によると、ねじ操作などを必要とせず、簡単な作業でデッキプレートを梁に繋止することができる。ここで、「繋止」とは、デッキプレートを梁のフランジに繋ぎ止めて拘束するとの意味であり、この場合、係止部はアンカーとしての機能を発揮するものである。
デッキプレートが梁に繋止されたとき、デッキプレートは拘束された状態にあるが、梁に完全に固定されていない。デッキプレートに外力が作用すると、デッキプレート繋止具は、小さな外力に対しては抵抗し、デッキプレートがずれたり変位したりする場合は緩やかに保持し、その変化を緩やかに阻止する。大きな外力に対しては、デッキプレートが水平方向へわずかに変位するのを許容するもので、デッキプレートの変形や破損が防止される。
上記した構成において、鋼材は、好ましくはバネ性を有するものであり、このバネ性による復元力により、係止部はデッキプレートの下面に押し付けられてしっかりと係止される。
この発明の好ましい一実施形態においては、固定部は、端部材の周面に緊密に嵌合させることにより端部材に固定されるものである。胴部は、固定部の両端より末拡がりに延び、それぞれの端部が同方向へU字状に折り返されて各係止部に連なる。
この発明の他の好ましい実施形態においては、固定部は、端部材と交叉させることにより固定されるものである。胴部は、固定部の両端より平行して延び、それぞれの端部が同方向へ直角ないし鋭角に折り曲げられて各係止部に連なる。
この発明のさらに他の実施形態においては、固定部は、端部材に結束されることにより固定されるものである。胴部は、固定部の両端より平行して延び、それぞれの端部が同方向へ鋭角に曲げられて各係止部に連なる。
この発明によるデッキプレート繋止装置は、両端部に端部材がそれぞれ接合された鉄筋トラス付きのデッキプレートの両端部を平行な各梁上に載せた状態でデッキプレートを各梁のフランジに繋止するものであって、上記したいずれかの形態の少なくとも左右一対のデッキプレート繋止具よりなる。
この発明によれば、デッキプレート繋止具はひと続きの線状の鋼材により形成されるので、軽量かつ構成が簡易であり、大量生産が可能となり、安価に製作できる。また、ねじの締付操作などを必要とせず、簡単な作業でデッキプレートを梁に繋止することが可能であり、熟練を要さず、高所作業が容易である。さらに、デッキプレートの基板の板厚が薄くても、外力を受けて基板が破断するおそれがない。
鉄筋トラス付きのデッキプレートの両端部がデッキプレート繋止装置により梁に繋止された状態を示す正面図である。 平行な梁上に複数のデッキプレートが敷設されて繋止された状態を示す平面図である。 第1の実施形態のデッキプレート繋止具を示す斜視図である。 図3のデッキプレート繋止具によりデッキプレートが梁に繋止されている状態を示す側面図である。 図3のデッキプレート繋止具によりデッキプレートが梁に繋止されている状態を示す正面図である。 図3のデッキプレート繋止具によりデッキプレートを梁に繋止する手順を示す側面図である。 第2の実施形態のデッキプレート繋止具を示す斜視図である。 図7のデッキプレート繋止具によりデッキプレートが梁に繋止されている状態を示す側面図である。 図7のデッキプレート繋止具によりデッキプレートが梁に繋止されている状態を示す平面図である。 図7のデッキプレート繋止具によりデッキプレートを梁に繋止する手順を示す側面図である。 第3の実施形態のデッキプレート繋止具を示す斜視図である。 図11のデッキプレート繋止具によりデッキプレートが梁に繋止されている状態を示す側面図である。 図11のデッキプレート繋止具によりデッキプレートを梁に繋止する手順を示す側面図である。
図1は、平行な梁9上に敷設された鉄筋トラス付きのデッキプレート(以下「デッキプレート」という。)1の構成と、デッキプレート1の両端部を各梁9のフランジ90に繋止するデッキプレート繋止装置の構成とを示している。
デッキプレート1は、図2に示されるように、複数枚が平行な鉄骨梁(以下、「梁」という。)9のフランジ90上に両方の端部が載せられて支持されている。各デッキプレート1の端部が梁9のフランジ90上に載置される長さ(以下、「乗せかけ長さ」という。)は、例えば30〜50mmであり、デッキプレートの種類に応じて最適な値に定められる。
各デッキプレート1は、両端部がデッキプレート繋止具2により梁9のフランジ90上にそれぞれ繋止される。なお、図2では、デッキプレート繋止具2の図示を省略しており、デッキプレート繋止具2の設置位置を2点鎖線Xで示している。デッキプレート繋止具2は、1枚のデッキプレート1につき、両方の端部の中央位置にそれぞれ1個づつ配設されているが、デッキプレート1の大きさに応じて設置個数をさらに増やしてもよい。
デッキプレート繋止装置は、左右少なくとも1対のデッキプレート繋止具2により構成される。図3以下の各実施態様においては、左右の各デッキプレート繋止具2は同一の形態のものであるが、必ずしもこれに限られるものではない。
図3以下の説明では、図1に示される左右のデッキプレート繋止具2のうち、左側のデッキプレート繋止具2についてのみ説明し、右側のデッキプレート繋止具2についての説明は省略する。
デッキプレート1は、溶融亜鉛メッキ鋼板よりなる基板15と、基板15上に一定の間隔(例えば150mm間隔)で並設された複数(図示例では3個)の鉄筋トラス12とを備えている。以下の説明では、鉄筋トラス12が並べられる方向を「幅方向」、鉄筋トラス12が延びる方向を「長さ方向」という。なお、図2には、鉄筋トラス12の図示を省略しており、各鉄筋トラス12の位置を1点鎖線で示してある。デッキプレート繋止具2は、中央位置の鉄筋トラス12の位置に設けられている。
基板15は、例えば、幅が600mm、長さが600〜700mmである。基板15上には、長さ方向に沿って所定の間隔で複数の吊り材17が平行に配設されている。各吊り材17の頂部に各鉄筋トラス12の上端筋13が溶接により固着され、各鉄筋トラス12が吊持されている。
鉄筋トラス12は、上端筋13と、上端筋13と平行な下端筋14と、上端筋13と下端筋14との間に設けられるラチス筋16とを含むもので、吊り材17と直交する方向、すなわち、長さ方向に配設されている。鉄筋トラス12の両方の端部には、L字形状の端部材11がそれぞれ溶接により取り付けられている。上端筋13、下端筋14、および端部材11は、例えば、平均外径が13mm、最大外径が15mmの異形鋼棒を用いて構成される。また、基板10の両側縁には、図示していないが、隣のデッキプレートと繋ぐための継ぎ手部が一体に形成されている。
端部材11は、断面形状が円形の異形鋼棒を直角に曲げて形成されたものである。端部材11の垂直部分11aは鉄筋トラス12の上端筋13および下端筋14の一側面に溶接により接合されている。端部材11の水平部分11bは基板15の上面に接し、基板15の端縁より梁9のフランジ90上に突出している。なお、図示例のデッキプレート1には、梁9のフランジ90に溶接することが可能な構成として端部材11が予め設けられているが、端部材11は既設のものに限らず、後付けしたものであってもよい。
図3は、デッキプレート繋止具2の第1の実施形態を示している。また、図4および図5は、図3のデッキプレート繋止具2によりデッキプレート1の端部が梁9のフランジ90上に繋止された状態を示している。なお、図5において、18で示す鉄筋は、端部材11の垂直部分11bに対する下端筋14の対称位置に、下端筋14と平行に溶接により取り付けられたもので、ここでは、「支持鉄筋18」という。
デッキプレート繋止具2は、梁9のフランジ90の下面に係止される左右の係止部3a,3bと、デッキプレート1の端部材11に非接合の状態で固定される固定部4と、固定部4と係止部3a,3bとを繋ぎデッキプレート1の基板15を貫通する二股状の胴部5a,5bとが、ひと続きの線状の鋼材を曲げ加工して一連一体に形成されてなる。ここで、「左右」とは、デッキプレート繋止具2の中心線に対して両側方をいい、図3および図5において矢印Qで示す方向である。胴部5a,5bを二股状として左右に係止部3a,3bを形成したことで、デッキプレート1の平面的な回転が防止される。
鋼材は、断面が円形の丸鋼であり、焼き入れ等の所定の処理を施すことによりバネ性が付与されている。鋼材として、直径が3mm程度のものが用いてあるが、これに限定されるものではない。
図示例のデッキプレート繋止具2は、1本の丸鋼を折り曲げ加工して左右対称の形状に形成されているが、必ずしも左右対称の形状である必要はない。また、丸鋼もひと続きのものであれば、2本以上の丸鋼を繋ぎ合わせたものであってもよい。
各係止部3a,3bは、ほぼ直線状をなす棒状の形態を有し、互いに平行であり、フランジ90の下面に係止される。各係止部3a,3bの先端部30,30は曲げられ、デッキプレート繋止具2を設置する際、図6に示すように、フランジ90の端部に引っ掛け易くなっている。
固定部4は、端部材11の垂直部分11aに非接合の状態で固定されるものである。ここで、「非接合の状態で固定される」とは、溶着や接着によらずに固定されること、すなわち、固着されずに固定されることを意味する。非接合の状態で固定するには種々の態様が考えられるが、図示例の固定部4は、端部材11の垂直部分11bの周面に緊密に嵌合させることで端部材11に固定されるものである。
固定部4は、平面視がC形形状をなし、上下2段にわたる円弧状部41a,41bよりなる。上段の円弧状部41aは端部材11の垂直部分11aの周面をほぼ半周するもので、全長にわたり連続している。上段の円弧状部41a,41bの両端部がそれぞれ折り返され、これにより下段の円弧状部41bが形成されている。各折り返し端間は開放部40を構成しており、開放部40の開口幅は、端部材11の直径よりわずかに小さい値に設定されている。開放部40は、左右に押し広げることが可能であり、端部材11の外周面に円弧状部41a,41bが嵌まるようになっている。
円弧状部41a、41bは端部材11の外周面に沿う形状であり、復元力により縮径して元の形態に戻ったとき、円弧状部41a,41bは端部材11の外周面に密接して緊密嵌合する。これにより固定部4と端部材11との間に摩擦力が作用し、固定部4が端部材11上を滑動しないように固定される。下段の円弧状部41bは内端部42において胴部5a,5bと連続する。
胴部5a,5bは、固定部4と係止部3a,3bとを繋ぐものである。係止部3a,3bおよび胴部5a,5bは、デッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10,10を上方より通すことが可能である。各貫通孔10は、幅が鋼材の直径よりやや大きな長孔であり、基板15の端部材11に対して左右対称位置に、長さ方向が端部材11の水平部分11bと平行となるように設けられる。なお、デッキプレート1は、捨て型枠工法における仮設材(堰板)であるので、基板15への穿孔はデッキプレート1に悪影響を及ぼさない。
胴部5a,5bは、固定部4の各内端部42より末拡がりに延びる本体部50a,50bと、各本体部50a,50bの端部に形成される鋭角状の折り返し部51a,51bと、各折り返し部51a,51bより同方向へ平行に延びてU字状に折り返される鉤状部52a,52bとを有するもので、各鉤状部52a,52bは各係止部3a,3bに連なる。
鉤状部52a,52bと各係止部3a,3bとの間の間隔Lは、梁9のフランジ90の厚みよりわずかに小さな値に設定されている。デッキプレート繋止具2の設置時、鉤状部52a,52bの後部を工具により殴打することで、各係止部3a,3bが押し広げられて間隔Lが広がり、図6において矢印Rで示すように、フランジ90の下面に係止部3a,3bが係合する。係止部3a,3bは復元力によってフランジ90の下面に押し付けられて密接し、密接による摩擦力と把駐力との相互作用によって係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止される。係止部3a,3bをフランジ90の下面に係合させるとき、胴部5a,5bは端部材11の垂直部分11aに向けて倒れるので、固定部4の円弧状部41a,41bを垂直部分11aに嵌合させることができる。
固定部4の円弧状部41a,41bが端部材11の垂直部分11aに嵌合した状態のとき、折り返し部51a,51bがデッキプレート1の基板15の上面に当接し、各本体部50a,50bは図5に示すように下端筋14および支持鉄筋18に外側より当接するので、デッキプレート繋止具2は安定状態で支えられる。
図7は、デッキプレート繋止具2の第2の実施形態を示している。また、図8および図9は、図7のデッキプレート繋止具2によりデッキプレート1の端部が梁9のフランジ90上に繋止された状態を示している。
デッキプレート繋止具2は、左右の係止部3a,3bと固定部4と二股状で互いに平行な胴部5a,5bとが、ひと続きの線状の鋼材を曲げ加工して一連一体に形成されてなるもので、胴部5a,5bがデッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10を貫通し、各係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止された状態で固定部4が端部材11に固定されるようになっている。なお、図7において、矢印Qは左右方向を示している。鋼材は、断面が円形であり、直径が3mm程度のものであり、焼き入れ等の所定の処理を施すことによりバネ性が付与されている。
各係止部3a,3bは、直線状をなす棒状の形態をなし、互いに平行であり、フランジ90の下面に係止される。各係止部3a,3bは先端部30,30が曲げられ、デッキプレート繋止具2を設置する際、図8に示すように、フランジ90の端部91が引っ掛かり易くなっている。
固定部4は、端部材11の屈曲部分11cに非接合の状態で固定されるもので、緩やかに湾曲する湾曲部43を有する。湾曲部43は端部材11の屈曲部分11c上に跨がっており、端部材11と交叉することにより、端部材11に非接合状態で固定されるものである。
各胴部5a,5bは、固定部4と係止部3a,3bとを繋ぐものである。係止部3a,3bおよび胴部5a,5bは、デッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10,10を上方より通すことが可能である。なお、貫通孔10の形状および穿設位置は第1の実施形態と同様である。固定部4の湾曲部43の両端は、湾曲部43がなす面に対して鈍角をなす所定の角度θ1(例えばθ1=120度)に曲げられて平行して延び、これにより胴部5a,5bが形成されている。各胴部5a,5bは、それぞれ端部が固定部4の湾曲部43と同方向へ直角ないし鋭角をなす角度θ2で折り曲げられて各係止部3a,3bに連なっている。
胴部5a,5bは、図8に示す繋止状態、すなわち、係止部3a,3bと端部材11との間に把駐力が作用してデッキプレート繋止具2が梁9に繋止し得る状態となるように、フランジ40の厚みに応じて最適な長さに設定される。最適な長さに設定されることにより、図10に示すように、固定部4を端部材11上に跨がるようにして交叉させ、矢印P1の方向へ胴部5a,5bを変位させ、さらに係止部3a,3bを矢印P2の方向へ回動させることにより、各係止部3a,3bの先端部30がフランジ90の端部に当たって押し広げられ、各係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止される。
図11は、デッキプレート繋止具2の第3の実施形態を示している。また、図12は、図11のデッキプレート繋止具2によりデッキプレート1の端部が梁9のフランジ90上に繋止された状態を示している。
デッキプレート繋止具2は、左右の係止部3a,3bと固定部4と二股状で互いに平行な胴部5a,5bとが、ひと続きの線状の鋼材を曲げ加工して一連一体に形成されてなるもので、胴部5a,5bがデッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10を貫通し、各係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止された状態で固定部4が端部材11に固定されるようになっている。鋼材は、断面が円形であり、直径が3mm程度のものであり、焼き入れ等の所定の処理を施すことによりバネ性が付与されている。
各係止部3a,3bは、直線状をなす棒状の形態を有し、互いに平行であり、フランジ90の下面に係止される。各係止部3a,3bは先端部30,30が曲げられ、デッキプレート繋止具2を設置する際、図12に示すように、フランジ90の端部が引っ掛かり易くなっている。
固定部4は、端部材11の垂直部分11aに非接合の状態で固定されるもので、U字状に折り曲げることにより形成され、湾曲部44と二股部45とを一連に有する。湾曲部44には、鉄筋トラスの上端筋13に支持された吊り金具7が引っ掛けられ、これによりデッキプレート繋止具2の全体が上方へ引き上げられた状態で吊持される。二股部45は、端部材11の垂直部分11aに線材70により縛り付けられるもので、これにより固定部4が端部材11に非接合の状態で固定される。
各胴部5a,5bは、固定部4と係止部3a,3bとを繋ぐものである。固定部4の二股部45,45は平行して延び、これにより胴部5a,5bが形成されている。胴部5a,5bの下端は鋭角をなす角度θで同方向へ折り曲げられて各係止部3a,3bに連なる。係止部3a,3bおよび胴部5a,5bは、デッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10,10を上方より通すことが可能である。なお、貫通孔10の形状および穿設位置は第1、第2の実施形態と同様である。
胴部5a,5bは、図12に示す繋止状態、すなわち、係止部3a,3bと端部材11との間に把駐力が作用してデッキプレート繋止具2が梁9に繋止し得る状態となるように、最適な長さに設定される。最適な長さに設定されることにより、図13に示すように、係止部3a,3bを貫通孔10へ上方より挿入し、全体を起き上がらせるようにして係止部3a,3bをフランジ90の下面に引っ掛けた後、全体を持ち上げるようにして係止部3a,3bをフランジ90の下面に係止させたとき、固定部4の湾曲部44が上端筋13の近傍に達し、吊り金具7による吊持および線材70による縛り付けが可能となる。
上記した第1〜第3の各実施形態のデッキプレート繋止具2のいずれかを用いて、梁9のフランジ90上にデッキプレート1の端部を載せた状態でデッキプレート1を梁9のフランジ90に繋止するには、デッキプレート1の基板15に穿設された貫通孔10,10に対してデッキプレート繋止具2の係止部3a,3bおよび胴部5a,5bを上方より順次通し、係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止された状態で、固定部4を端部材11に非接合の状態で固定する。これにより、基板15はフランジ90の上面に押し付けられ、基板15とフランジ90との間に摩擦力が作用してデッキプレート1は半固定状態となる。
一方、係止部3a,3bがフランジ90の下面に係止されることにより、係止部3a,3bとフランジ90との間に摩擦力が作用し、係止部3a,3bと端部材11との間に把駐力が作用してデッキプレート繋止具2がフランジ90から脱落するのが阻止される。
このようにデッキプレート1が梁9に繋止されたとき、デッキプレート1は拘束された状態にあるが、梁9に完全に固定されていない。デッキプレート1に外力が作用すると、デッキプレート繋止具2は、小さな外力に対しては抵抗し、デッキプレート1がずれたり変位したりする場合は緩やかに保持し、その変化を緩やかに阻止する。大きな外力に対しては、デッキプレート1が水平方向へわずかに変位するのを許容するもので、デッキプレート1の変形や破損が防止される。
なお、この発明のデッキプレート繋止具2は、上記した第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、胴部5a,5bがデッキプレート1の基板15に穿設された左右の貫通孔10を貫通し、各係止部3a,3bが梁9のフランジ90の下面に係止された状態で固定部4が端部材11に非接合の状態で固定されるものであれば、係止部3a,3b、固定部4、および胴部5a,5bの構造や形態を種々に設計変更することが可能である。
1 デッキプレート
2 デッキプレート固定具
3a,3b 係止部
4 固定部
5a,5b 胴部
9 梁
90 フランジ
11 端部材
12 鉄筋トラス
15 基板

Claims (6)

  1. 端部材が接合された鉄筋トラス付きのデッキプレートの端部を梁上に載せた状態で前記デッキプレートを梁のフランジに繋止するためのデッキプレート繋止具であって、
    前記フランジの下面に係止される左右の係止部と、前記端部材に非接合の状態で固定される固定部と、前記固定部と前記各係止部とを繋ぐ二股状の胴部とが、ひと続きの線状の鋼材により一体に形成されてなり、
    前記胴部がデッキプレートの基板に穿設された左右の貫通孔を貫通し、前記係止部が前記フランジの下面に係止された状態で前記固定部が前記端部材に固定されるデッキプレート繋止具。
  2. 前記鋼材は、バネ性を有するものである請求項1に記載のデッキプレート繋止具。
  3. 前記固定部は、前記端部材の周面に緊密に嵌合させることにより端部材に固定されるものであり、前記胴部は、前記固定部の両端より末拡がりに延び、それぞれの端部が同方向へU字状に折り返されて各係止部に連なる請求項1に記載のデッキプレート繋止具。
  4. 前記固定部は、前記端部材と交叉させることにより固定されるものであり、前記胴部は、前記固定部の両端より平行して延び、それぞれの端部が同方向へ直角ないし鋭角に折り曲げられて各係止部に連なる請求項1に記載のデッキプレート繋止具。
  5. 前記固定部は、前記端部材に結束されることにより固定されるものであり、前記胴部は、前記固定部の両端より平行して延び、それぞれの端部が同方向へ鋭角に曲げられて各係止部に連なる請求項1に記載のデッキプレート繋止具。
  6. 両端部に端部材がそれぞれ接合された鉄筋トラス付きのデッキプレートの両端部を平行な各梁上に載せた状態で前記デッキプレートを各梁のフランジに繋止するデッキプレート繋止装置であって、請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも左右一対のデッキプレート繋止具よりなるデッキプレート繋止装置。
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