JP6053981B1 - 床版ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】床施工時、端部と梁との間に開放部分を生じさせず、一方において、柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事を行うのに支障を生じさせない床版ユニットを提供する。【解決手段】金属製の基板10の上面に複数の鉄筋トラス11が並設されたデッキプレート1P,1Qを鉄筋トラス11の長さ方向と直交する方向に基板10が連なるように複数個並べて組み立てられる床版ユニットUであって、端部位置のデッキプレート1Pと、そのデッキプレート1Pと隣接する隣接位置のデッキプレート1Qとが、長さ方向の少なくとも2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されることにより、端部位置のデッキプレート1Pが隣接位置のデッキプレート1Q上へ折り返し可能に形成されている。【選択図】図8

Description

この発明は、建築構造体において一部あるいは全ての梁材が鉄骨で構成される建物に用いられる床版ユニットに関し、この発明は特に、金属製の基板の上面に複数の鉄筋トラスが並設された鉄筋トラス付きデッキプレートを鉄筋トラスの長さ方向と直交する方向に複数連ねて組み立てられる床版ユニットに関する。
従来、全ての梁あるいは一部の梁が鉄骨造の建築物の床を施工するのに、施工すべき建築物の骨組みが完成した後、所定の枚数を梱包した鉄筋トラス付きデッキプレート(以下、「鉄筋トラス付きデッキプレート」または単に「デッキプレート」という。)の複数個を床施工階までクレーンで吊り上げて仮置きし、床の施工位置に敷き込んだ後、作業者が現場でデッキプレートの上に乗ってデッキプレートの端部等を1枚、1枚梁に溶接している。しかし、この種の作業は、「労働安全衛生法」に定められた「高所作業」となるため、作業者の墜落、転落災害を防止するための諸施設やデッキプレートや作業工具などの飛来、落下を防止するための安全設備をスラブ下方の全域に設置する必要がある(特許文献1の従来の技術の欄および特許文献2の発明が解決しようとする課題の欄参照)。
上記した問題を解決するため、地上において、複数枚のデッキプレートを連ねたものに複数本の小梁を力骨として固着させた構造物(以下、「デッキプレート構造物」という。)を組み立て、これに玉掛けワイヤーの下端部を引っ掛けて吊り上げ、仮置き場へ運んで他の床版ユニット上に積み重ねて仮置いた後、床施工階の梁鉄骨組みの仮組立が完成したとき、最上位置のデッキプレート構造物に前記の玉掛けワイヤーの下端部を引っ掛けて吊り上げ、建造物の床施工階へ運び上げるという工法が提案された(特許文献1、2参照)。
図19は、デッキプレート構造物Wが床施工階に運び上げられて相対する梁間に設置された状態を示している。デッキプレート構造物Wと両端の大梁91との間は、柱9と大梁91との間の接合工事、大梁91と小梁92との取り合い部の接合工事に備えて、開放された状態となっている。これらの開放部分101,102は前記の接合工事後に塞がられる。同図中、110は開放部分101,102を塞ぐために用意されたデッキプレートであり、デッキプレート構造物W上に置かれている。
特開平7−62875号公報 特許第5723235号公報
しかしながら、開放部分101,102が塞がれるまでの期間は、開放部分101,102から作業者が転落したりデッキプレートや作業工具などが落下したりするのを防止する必要があり、そのための安全設備等が必要となり、デッキプレート構造物Wを地上で組み立てて床施工階へ運び上げ、作業床を設けることによって床下部に設ける安全対策設備を割愛しながら作業員の安全を確保する、という工法の利点が生かされていない。
この発明は、上記の問題に着目してなされたもので、床施工時、端部と梁との間に開放部分を生じさせず、一方において、柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事を行うのに支障を生じさせない床版ユニットを提供することを目的とする。
この発明による床版ユニットは、金属製の基板の上面に複数の鉄筋トラスが並設された鉄筋トラス付きデッキプレートを鉄筋トラスの長さ方向と直交する方向に基板が連なるように複数個並べて組み立てられるものであって、少なくとも一方の端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートと、その鉄筋トラス付きデッキプレートと隣接する隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレートとが、長さ方向の少なくとも2箇所の位置でヒンジ付き連結機構を介して連結されている。前記ヒンジ付き連結機構は、前記端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートの各鉄筋トラスの上端筋間に鉄筋トラスの長さ方向と直交させて取り付けられる第1の部材と、前記隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレートの各鉄筋トラスの上端筋間に鉄筋トラスの長さ方向と直交させて取り付けられる第2の部材と、同一直線上に位置させた第1の部材と第2の部材の相対する端部間を連結するヒンジ金具とを含んでいる。前記端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートを前記ヒンジ金具の枢軸を回動中心として回動させることにより前記隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレート上へ折り返し可能となっている
この発明による床版ユニットは地上で組み立てられた後、床施工階に運び上げられて施工される。この場合、ヒンジ付き連結機構の組付作業は地上で実施することもでき、床施工階で実施することもできる。床版ユニットを相対する梁間に設置したとき、端部位置の鉄筋トラス付きデッキプレートは閉じた状態にあり、梁との間に開放部分を生じさせない。柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事を行うとき、端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートと、その鉄筋トラス付きデッキプレートと隣接する隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレートとが、長さ方向の少なくとも2箇所の位置でヒンジ付き連結機構を介して連結されているので、端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートを前記隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレート上へ折り返して開放することにより梁との間に開放部分が形成され、柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事を行うことが可能となる。
前記の複数個の鉄筋トラス付きデッキプレートは、全てが同じ幅の複数個の鉄筋トラス付きデッキプレートをもって構成することもでき、また、同じ幅の複数個の第1の鉄筋トラス付きデッキプレートと、第1の鉄筋トラス付きデッキプレートより幅が狭い一方の端部に位置する第2の鉄筋トラス付きデッキプレートとをもって構成することもできる。
一方の端部に位置する鉄筋トラス付きデッキプレートとして第2の鉄筋トラス付きデッキプレートを採択するかどうかは、床版ユニットが設置される梁間のスペース(横幅)によって決まる。
上記の実施形態において、好ましくは、第1、第2の各部材は、それぞれ鉄筋トラスの上端筋上に取付け固定される帯板材であって、帯板材の各上端筋と交差する位置にネジ軸を通す挿通孔が設けられ、前記挿通孔に、上端筋に対して下方より係合させたU字状のネジ金具の両端のネジ軸を通し、帯板材上へ突出した各ネジ軸にナットを装着して帯板材を上端筋上に締付け固定している。なお、第1、第2の各部材は帯板材に限らず、アングル材など、長さ方向と直交する方向の剛性に富むものであれば種々の長尺部材を用いることができる。また、帯板材等の上端筋への取付け方法は、種々の形態のものが考えられるもので、上記したU字状のネジ具を用いた実施形態に限られるものではない。
この発明によれば、床施工時、端部は閉じた状態にあり、梁との間に開放部分を生じさせないので、開放部分より作業者が転落したり物が落下したりするおそれがなく、そのための安全設備等を必要としない。一方、柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事を行う際には、端部は開いた状態にして梁との間に開放部分を形成するので、柱と大梁との間の接合工事や大梁と小梁との取り合い部の接合工事に支障を生じさせることがない。
この発明の一実施例である床版ユニットが施工された状態を示す平面図である。 図1の床版ユニットの一方の端部を拡大して示す平面図である。 図1の床版ユニットの他方の端部を拡大して示す平面図である。 他の実施例の一方の端部を拡大して示す平面図である。 ヒンジ付き連結機構を示す正面図である。 ヒンジ金具を拡大して示す平面図である。 上端筋への帯板材の取付構造を示す断面図である。 ヒンジ付き連結機構の動作を示す正面図である。 上端筋への帯板材の取付構造の他の実施例を示す断面図である。 図1の床版ユニットに用いられる鉄筋トラス付きデッキプレートの正面図である。 床版地組工程と床施工工程の流れを示すフローチャートである。 鉄筋トラス付きデッキプレートの搬入工程を示す説明図である。 床版ユニットの組立工程を示す説明図である。 棒材組付工程を示す説明図である。 結束工程を示す説明図である。 製作された床版ユニットの側面図である。 玉掛け工程を示す説明図である。 仮置かれた床版ユニットを示す側面図である。 従来の床施工状態を示す平面図である。
図1は、この発明の一実施例である床版ユニットUが施工された状態を示している。同図中、9は構造体柱、91は大梁(大梁鉄骨)、92は小梁(小梁鉄骨)であり、相対する大梁91と小梁92との間、および相対する小梁92,92間に、それぞれ床版ユニットUが設置されている。各床版ユニットUは複数個の鉄筋トラス付きデッキプレート1を鉄筋トラスの長さ方向と直交する方向に複数個並べて組み立てられている。なお、図1では鉄筋トラスの図示を省略し、図2〜図4では鉄筋トラスの上端筋13のみを図示している。
各デッキプレート1は、図10に示されるように、亜鉛メッキ鋼板よりなる金属製の基板10と、基板10上に一定の間隔Lで並設された複数(図示例では3個)の鉄筋トラス11とを備えている。なお、以下の説明において、鉄筋トラス11が並べられる方向を「幅方向」、鉄筋トラス11が延びる方向を「長さ方向」という。基板10上には、長さ方向に沿って所定の間隔で複数の吊り材12が平行に配設され、各吊り材12の頂部に各鉄筋トラス11の上端筋13が溶接により固着されて各鉄筋トラス11が吊持されている。
各鉄筋トラス11は、上端筋13と、上端筋13と平行な下端筋14と、上端筋13と下端筋14との間に設けられるラチス筋15とを含んでおり、吊り材12と直交する方向、すなわち、長さ方向に配設されている。基板10の上面には長さ方向に沿って複数の補強用リブ16が一体に形成されている。また、基板10の両側縁には隣のデッキプレートと繋ぐための継ぎ手部17が一体に形成されている。鉄筋トラス11の両端部には、図示していないが、端部材と呼ばれる鉄筋支柱材が上端筋13と下端筋14との間に溶接固定されている。この端部材の下部は梁鉄骨材に支えられて基板10上に上載されるコンクリート重量などを梁鉄骨材によって支持される機構となっている。なお、この発明の床版ユニットUの製作に用いられるデッキプレート1は図10に示された構造のものに限らず、それ以外のデッキプレートを用いることもできる。
図1に戻って、床版ユニットUを構成する複数個のデッキプレート1は、同じ幅の複数個の第1のデッキプレート1aと、第1のデッキプレート1aより幅が狭い一方の端部に位置する第2のデッキプレート1bとからなる。図示例の第2のデッキプレート1bは、第1のデッキプレート1aの半分以下の幅に設定されている。第1のデッキプレート1aは3個の鉄筋トラス11を備え、第2のデッキプレート1bは1個の鉄筋トラス11を備えている。
図示例の床版ユニットUは、図2に示されるように、一方の端部位置(図1において右端)の1個のデッキプレート1Pと、そのデッキプレート1Pと隣接する隣接位置のデッキプレート1Qとが、長さ方向の2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されることにより、前記端部位置の1個のデッキプレート1Pが隣接位置のデッキプレート1Q上へ折り返し可能に形成されている。
また、図示例の床版ユニットUは、図3に示されるように、他方の端部位置(図1において左端)の2個のデッキプレート1P,1Qと、デッキプレート1Qと隣接する隣接位置のデッキプレート1Rとが、長さ方向の2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されることにより、前記2個のデッキプレート1P,1Qが隣接位置のデッキプレート1R上へ折り返し可能に形成されている。なお、左端の端部位置のデッキプレート1Pは前記した第2のデッキプレート1bである。
なお、図4に示されるように、図1の右端位置の2個デッキプレート1P,1Qとその隣接位置のデッキプレート1Rとが、長さ方向の2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されることにより、前記端部位置の2個のデッキプレート1P,1Qが隣接位置のデッキプレート1Rないしは1R,1S上へ折り返し可能に形成することもできる。
図5は、図2に示されたヒンジ付き連結機構3を示すもので、端部位置のデッキプレート1Pの各鉄筋トラス11間に鉄筋トラス11の長さ方向と直交させて取り付けられる第1の帯板材31と、隣接位置のデッキプレート1Qの各鉄筋トラス11間に鉄筋トラス11の長さ方向と直交させて取り付けられる第2の帯板材32とを含んでいる。第1、第2の各帯板材31,32は同一直線上に位置し、第1の帯板材31と第2の帯板材32の相対する端部間をヒンジ金具33により連結している。なお、第1、第2の各帯板材31,32は鉄板製であるが、ステンレス、アルミニウムなど、他の材質のものであってもよい。また、ヒンジ付き連結機構3は長さ方向の2箇所の位置に設けられているが、3箇所以上の位置に設けてもよい。
図6は、上記したヒンジ付き連結機構3に用いられる公知のヒンジ金具33を示している。このヒンジ金具33は、一対の金属板34a,34bと枢軸35とを備え、各金属板34a,34bの一端部に交互に形成された軸受筒36a,36bを連通させて枢軸35を一連に通したもので、これにより各金属板34a,34bは他方の金属板に対して屈曲開閉可能となっている。各金属板34a,34bには複数個のネジ通し孔37が形成され、各ネジ通し孔37にネジ38を通して第1,第2の帯板材31,32の相対する端部にネジ止めされている。なお、金属板34a,34bは第1、第2の帯板材31,32の相対する端部に溶接してもよい。
第1、第2の各帯板材31,32は、それぞれ鉄筋トラス11の上端筋13上に取付け固定されるものであって、両端位置の鉄筋トラス11の上端筋13と交差する位置に、図7に示すように、挿通孔39,39が貫通して設けられている。各挿通孔39には、上端筋13に対して下方より係合させたU字状のネジ金具7の両端のネジ軸71,72が通され、帯板材31または32上へ突出した両ネジ軸71,72に1枚の座金74を、各ネジ軸71,72に個別のナット73を、それぞれ装着して帯板材31または32を上端筋13上に締付け固定している。前記挿通孔39の孔径はネジ軸71,72の径よりわずかに大きく設定されているが、座金74に設けられている2個の挿通孔75,75は各ネジ軸71,72の径とほぼ一致する径に形成されており、さらに、各挿通孔75,75の間隔はネジ軸71,72間の距離とほぼ一致させている。
上記のネジ金具7とナット73とによって、第1の帯板材31は端部位置のデッキプレート1Pの両端の鉄筋トラス11の上端筋13に取付け固定されて一体化される。また、第2の帯板材32は隣接位置のデッキプレート1Qの両端の鉄筋トラス11の上端筋13に取付け固定されて一体化される。端部位置のデッキプレート1Pを持ち上げると、図8に示されるように、デッキプレート1Pはヒンジ金具33の枢軸35を回動中心として回動させて開くことができ、隣接位置のデッキプレート1Q上へ折り返される。
図9は、上端筋13への第1、第2の各帯板材31,32の取付構造の他の実施形態を示している。この実施形態では各帯板材31,32として長さ方向と直交する断面形状がL字形のアングル材が用いられている。このアングル材には、全長にわたって複数の長孔が形成されており、この長孔をネジ金具7のネジ軸71,72を通すための上記した挿通孔39に流用している。
図11は、床の施工方法を示しており、図11(1)に示す床版地組工程により床版ユニットUを組み立てた後、図11(2)に示す床施工工程により床版ユニットUを床施工階に吊り上げて床を施工する。この実施例では、床版地組工程中に前記したヒンジ付き連結機構3の組付が実施されるが、床施工工程においてヒンジ付き連結機構3の組付を行ってもよい。
床版地組工程は、デッキプレート1の搬入(ST1)、床版ユニットUの組立(ST2)、後述する棒材の組付(ST3)、結束(ST4)、玉掛け(ST5)、床版ユニットUの搬送(ST6)、床版ユニットUの仮置き(ST7)の各工程を含んでいる。上記のステップ(ST1〜7)は、作業場へのデッキプレート1の搬入がなくなるまで、すなわち、図11(1)のST8の判定が「YES」になるまで繰り返し実行される。
床施工工程は、床施工階の鉄骨仮組みが完了すると、ST9が「YES」となり、床版ユニットUの搬送(ST10)、床の施工(ST11)の各工程が実行され、最上階に達するまで、すなわち、ST12の判定が「YES」になるまで上記のST10,11が繰り返し実行される。
図11(1)に示す床版地組工程をさらに詳しく説明すると、ST1のデッキプレート1の搬入工程では複数のデッキプレート1が地上の作業場に搬入される。地上の作業場には、図12に示されるように、2本の架台2,2が平行に設置されており、この架台2,2上に複数のデッキプレート1が積み置かれる。なお、架台2,2にはH形鋼などの鋼材が用いられるが、これに限られるものではない。
ST2の床版ユニットの組立工程では、図13に示されるように、前工程で搬入された複数のデッキプレート1を架台2,2上に鉄筋トラス11の長さ方向と直交する方向へ基板10が連なるように敷き並べて建造物の相対する梁間のスペースに対応する大きさおよび形状の床版ユニットUを組み立てる。この作業は二人の作業員がデッキプレート1の両端部を持って移動させることにより行われる。基板10と隣のデッキプレート1の基板10とは継ぎ手部17を介して連結される。
ST3の棒材の組付工程では、図14に示されるように、前工程で組み立てられた床版ユニットUに2本の金属製の棒材4,4が組み付けられる。各棒材4は基板10が連なる方向に沿う床版ユニット3の中心線cに対して線対称の位置に全長にわたり配置される。棒材4として上端筋13より大きな径の鋼棒が用いられるもので、図16に示されるように、各棒材4は各鉄筋トラス11の上端筋13の下方、下端筋14の上方を通っており、両端は両端位置のデッキプレート1,1まで延びている。なお、各棒材4は、床施工工程においてヒンジ付き連結機構3のヒンジ金具33の位置で切断され、これにより端部位置のデッキプレートの折り返しが可能となる。
ST4の結束工程では、図15に示されるように、各棒材4を鉄筋トラス11の上端筋13との交差位置において上端筋13に固定する。各棒材4の上端筋13への固定は溶接によることもできるが、この実施例では、上端筋13が溶接による熱の影響を受けないようにするために、各棒材4は各上端筋13との交差位置において金属製の線材40により上端筋13に結束している。なお、各棒材4の上端筋13への結束位置は棒材4の上端筋13との全ての交差位置において行ってもよいが、選択されたいくつかの交差位置で行ってもよい。この結束工程により複数のデッキプレート1は連なった状態が保持され、建造物の梁間で囲まれるスペースの全域を覆う大きさおよび形状の床版ユニットUが完成する。
ヒンジ付き連結機構3の組付作業を床版地組工程で実施する場合は、ST4の結束工程または後述するST7の仮置き工程において実施される。
図17は、ST5の玉掛け工程およびST6の床版ユニットの搬送工程を示している。玉掛け工程では、吊り具5を構成する矩形枠50を介して複数本の玉掛けワイヤー6a,6bを垂下させ、各玉掛けワイヤー6a,6bの下端に設けられたフック61を架台2,2上に支持された床版ユニットUの各棒材4,4に引っ掛ける。前記吊り具5の矩形枠50は、床版ユニットUの外形にほぼ一致する形状であり、2本の平行な棒状の枠材51a,51bと、枠材51a,51bの両端間を結ぶ2本の端枠材52と、中間の3箇所に設けられる中間枠材53,54,55とを含んでいる。
各枠材51a,51bの上面の中間枠材53,54,55が設けられる位置にはクレーン(図示せず)より吊り下げられた複数本のワイヤーロープ59の下端部が繋がれる接続部56が形成されている。また、各枠材51a,51bの下面には一定間隔毎に同様の接続部57が形成され、一方の枠材51aの各接続部57より床版ユニットUの一側縁に達する玉掛けワイヤー6aを、他方の枠材51bの各接続部57より床版ユニットUの他側縁に達する玉掛けワイヤー6bを、それぞれ垂下させている。各玉掛けワイヤー6a,6bとして同一長さのフック付きワイヤーロープが用いられ、上端部のシンブル62が前記接続部57に接続され、下端部のシンブル63には床版ユニットUの各棒材4に引っ掛けられるフック61が取り付けられている。
ST6の床版ユニットの搬送工程では、吊り具5をクレーン(図示せず)より下ろされたワイヤーロープ59により引き上げることにより床版ユニットUを吊り上げ、これにより床版ユニットUを仮置き場へ搬送する。搬送されてきた床版ユニットUは、ST7の床版ユニットの仮置き工程で仮置き場に置かれるもので、上記したST1〜ST7が繰り返されることにより、搬送されてきた床版ユニットUは、図18に示すように、複数段に積み重ねられて段積み状態で仮置かれる。なお、同図において、100は地面上に敷かれた木製の敷板である。
なお、上記した構成の吊り具5は、専ら床版ユニットUの床施工階への搬送(後述するST10の床版ユニットの搬送工程)に用いられるものであるが、ST6における床版ユニットの搬送工程は地上の2地点間で行われるものであるから、より簡易な構成のものを用いてもよい。
この仮置きに際して、各床版ユニットUは、その下段の床版ユニットUの鉄筋トラス11の上端筋13上に各鉄筋トラス11と直交する方向にほぼ全幅にわたって並行して置かれる複数本の合成樹脂製のパイプ8を中間に介在させて積み重ねられる。各パイプ8は上面が吊り材12の上方へ突出するように形状および大きさ(径)が定められている。この実施例の各パイプ8は、塩化ビニル製のパイプであり、径方向の断面形状が円形をなす。
なお、この実施例では、パイプ8の本数は2本であって両端部位置にのみ配置されているが、図18において一点鎖線で示すように、両端部位置のパイプ8に加えて、その内側にさらに2本、さらにはそれ以上の本数のパイプ8を適当な間隔で配置してもよい。
また、各パイプ8は、ヒンジ付き連結機構3が組み付けられるのを考慮して、さらに径の大きなものを用いるのが望ましい。
上端筋13上に支持された各パイプ8はその上面が吊り材12の上方へ突出するので、積み重ねられる床版ユニットUの基板10は、その下段の床版ユニットUの鉄筋トラス11の吊り材12と直接接触しない。このため、仮に、下段の床版ユニットUの吊り材12や上端筋13に赤錆が発生していても、積み重ねられる床版ユニットUの基板10の下面に赤錆が付着することがない。また、基板10の下面に下段の床版ユニットUの吊り材12が押し付けられることがなく、基板10が変形するおそれもない。
全ての梁あるいは一部の梁が鉄骨造の建築物の床を施工する場合、施工すべき建築物の仮組みを完了した後(図11(2)のST9)、ST10の床版ユニットの搬送工程では、仮置き場に積み重ねられた床版ユニットUを最上位置のものから順々に前記吊り具5により吊り上げて建築物の床施工階へ搬送し、ST11の床の施工工程において、図1に示すように、施工すべき床の位置に床版ユニットUを順次位置決め固定する。床版地組工程中にヒンジ付き連結機構3の組付が実施されなかった場合は、この床施工工程においてヒンジ付き連結機構3の組付作業を実施するが、いずれの場合も、床施工工程において、ヒンジ付き連結機構3のヒンジ金具33の位置で各棒材4の切断作業が行われる。
このとき、床版ユニットUは相対する大梁91と小梁92との間または小梁92,92間に設置されるもので、端部位置のデッキプレート1Pは閉じた状態にあり、大梁91との間に開放部分は生じていない。柱9と大梁91との間の接合工事や大梁91と小梁92との取り合い部の接合工事を行うときには、一方の端部位置では1個のデッキプレート1Pと、そのデッキプレート1Pと隣接する隣接位置のデッキプレート1Qとが、長さ方向の2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されているので、端部位置の1個のデッキプレート1Pを隣接位置のデッキプレート1Q上へ折り返して開くことにより大梁91との間に開放部分が形成され、柱9と大梁91との間の接合工事や大梁91と小梁92との取り合い部の接合工事を行うことが可能となる。これらの接合工事は1箇所または2箇所においてデッキプレートを開放して実施される。
また、他方の端部位置では2個のデッキプレート1P,1Qと、デッキプレート1Qと隣接する隣接位置のデッキプレート1Rとが、長さ方向の2箇所の位置でヒンジ付き連結機構3を介して連結されているので、端部位置の2個のデッキプレート1P,1Qを隣接位置のデッキプレート1R上へ折り返して開くことにより大梁91との間に開放部分が形成され、柱9と大梁91との間の接合工事や大梁91と小梁92との取り合い部の接合工事を行うことが可能となる。これらの接合工事は1箇所または2箇所においてデッキプレートを開放して実施される。なお、ヒンジ付き連結機構3は、上記の接合作業終了後に取り外して再利用する。
1 デッキプレート
3 ヒンジ付き連結機構
7 ネジ金具
10 基板
11 トラス
13 上端筋
31 第1の帯板材
32 第2の帯板材
33 ヒンジ金具
39 挿通孔
71,72 ネジ軸
73 ナット
74 座金

Claims (3)

  1. 金属製の基板の上面に複数の鉄筋トラスが並設された鉄筋トラス付きデッキプレートを鉄筋トラスの長さ方向と直交する方向に基板が連なるように複数個並べて組み立てられる床版ユニットであって、少なくとも一方の端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートと、その鉄筋トラス付きデッキプレートと隣接する隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレートとが、長さ方向の少なくとも2箇所の位置でヒンジ付き連結機構を介して連結されており、
    前記ヒンジ付き連結機構は、前記端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートの各鉄筋トラスの上端筋間に鉄筋トラスの長さ方向と直交させて取り付けられる第1の部材と、前記隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレートの各鉄筋トラスの上端筋間に鉄筋トラスの長さ方向と直交させて取り付けられる第2の部材と、同一直線上に位置させた第1の部材と第2の部材の相対する端部間を連結するヒンジ金具とを含み、
    前記端部位置の少なくとも1個の鉄筋トラス付きデッキプレートを前記ヒンジ金具の枢軸を回動中心として回動させることにより前記隣接位置の鉄筋トラス付きデッキプレート上へ折り返し可能となっている床版ユニット。
  2. 前記の複数個の鉄筋トラス付きデッキプレートは、全てが同じ幅の複数個の鉄筋トラス付きデッキプレートよりなるか、または同じ幅の複数個の第1の鉄筋トラス付きデッキプレートと、第1の鉄筋トラス付きデッキプレートより幅が狭い一方の端部に位置する第2の鉄筋トラス付きデッキプレートとからなるものである請求項1に記載の床版ユニット。
  3. 前記の第1、第2の各部材は、それぞれ鉄筋トラスの上端筋上に取付け固定される帯板材であって、帯板材の各上端筋と交差する位置にネジ軸を通す挿通孔が設けられ、前記挿通孔に、上端筋に対して下方より係合させたU字状のネジ金具の両端のネジ軸を通し、帯板材上へ突出した各ネジ軸にナットを装着して帯板材を上端筋上に締付け固定している請求項1に記載の床版ユニット。
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