JP2009102858A - デッキプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】金属ベースの一部を折り曲げて形成された突条部に鉄筋ユニットの鉄筋をスポット溶接する場合、わずかな溶接の不具合で金属ベースの裏側に通じる隙間などが生じることのないデッキプレートを提供する。
【解決手段】デッキプレート10は、金属ベース11とその表面に固着された鉄筋ユニット12とから構成され、金属ベース11には表面11cから上方へ突出すると共に相対向する一対の端縁部11a,11b間を延びる複数の突条部18が金属ベース11を折り曲げることにより並設されている。各突条部18は、その長さ方向に直交する断面形状が扇形を呈し、鉄筋ユニット12を構成するラチス筋15の下側屈曲部15bが突条部18の湾曲した上面壁21を横切るように載置され、その部分23が該突条部18の上面壁21にスポット溶接される。
【選択図】図1

Description

本発明は、デッキプレートに関し、さらに詳細には建造物等において鉄筋コンクリート製の床を形成する際に用いる鉄筋ユニット付きのデッキプレートに関する。
例えば、鉄筋コンクリート製建造物の施工において、デッキプレートと称する型枠を横梁のような躯体構成部材の間に架け渡し、該デッキプレートの上部にコンクリートを打設してスラブを構築する手法はよく知られている。このようなスラブ構築方法で用いるデッキプレートでは、所定の面積と厚みとを有する薄い鉄板などで形成された金属ベースと、その上部に並列して取り付けられた複数の鉄筋ユニットとが主たる構成要素となっている。デッキプレートは、金属プレートの上部に打設されるコンクリートを支持するのでスラブ形成用の捨て型枠としての機能を有し、同時に形成後のスラブにおける構造体の一部分ともなっている。
従来のデッキプレートには種々のものがあるが、その一例として特許文献1に開示されたデッキプレートが知られている。このデッキプレートは、前述したように金属ベースの表面に複数の鉄筋ユニット(自立型トラス)が取り付けられている。この鉄筋ユニットは、1本の第1鉄筋と、2本の第2鉄筋と、波状に屈曲させた2本のラチス筋とから構成され、第1鉄筋と第2鉄筋とが、相互に間隔をあけて並行にかつこれら第1鉄筋と第2鉄筋の端部側から見たとき仮想の三角形の各頂点に位置するように配置され、ラチス筋の上側屈曲部に第1鉄筋を、金属ベースに下側屈曲部を、また上側屈曲部と下側屈曲部との中間部を第2鉄筋にそれぞれスポット溶接したものである。
この鉄筋ユニットは、ラチス筋の下側屈曲部が金属ベースにスポット溶接されるとき、金属ベースの裏面に溶接痕が表れるのを避けるため金属ベースに形成された突条部の上部に溶接することによって該金属ベースに取り付けられている。この突条部は、金属ベースの一部分をその表面から上方へ向かって隆起させるように山折りすることで形成されている。この突条部の構造をさらに具体的に説明すると、突条部は、金属ベースの一部をその表面から上方へ向かって直角に突出するように谷折りと山折りを繰り返して形成され、金属ベースの表面から直角に立ち上がった相対面する側面壁から形成され、これら側面壁どうしは密着している。すなわち、金属ベースの一部が折り曲げられて隆起した部分は、あたかも一枚の壁のように金属ベースの表面から直角に立ち上がっている。したがって、金属ベースを上方(表面側)から見ると、これらの突条部の上部がほぼ線状となって金属ベースの相対向する両端縁部間を延びている。
かかるデッキプレートは、その複数が、例えば、建造物の躯体を構成する横梁のような構成部材間に架け渡して仮設(敷き込み)される。その際、デッキプレートは、鉄筋ユニットが延びる方向(便宜的に、配力筋方向という)における相対向する端部が建造物の躯体構成部材に乗せられて架け渡され、隣接するデッキプレートの側部どうしは相互に係止されて連続的に敷き込まれ、その後にデッキプレートの表面にコンクリートが鉄筋ユニットに対して所定のかぶりを得るように打設される。
特開2007−138418号公報
前記特許文献1に開示のデッキプレートでは、鉄筋ユニットにおけるラチス筋の下側屈曲部が金属ベースに形成された突条部の上部にスポット溶接されるが、このラチス筋と突条部との溶接に不具合が生じることがあった。すなわち、ラチス筋の下側屈曲部を、金属ベースの一部を折り曲げてあたかも一枚の壁のようにその表面から直角に立ち上げた突条部の上部にスポット溶接すると、突条部の上部が溶接熱により溶融し、ラチス筋の外形状に沿った半円形状の凹部となり、その凹部にラチス筋が嵌合した状態で相互に溶着している。更に詳しくは、突条部は、前述したように、金属ベースの一部を隆起させるように折り曲げ、相対面する側面部を密着させた部分であるので、その上部はほぼ180度に山折りされて形成された線状部分である。そのため、このような突条部の上部である線状部分にラチス筋の下側屈曲部を交差させるように乗せてスポット溶接すると、突条部の上部と下側屈曲部との接触面が非常に少ないためその接触部に溶接熱が集中すると同時に下側屈曲部が所定の力で突条部に押し付けられていることにより突条部の上部が溶融しながら下側屈曲部の外形状に沿って窪む。この窪みは、突条部を上部からほぼ半円形状に欠損させた状態と同じである。
このように、ラチス筋の下側屈曲部との溶接時に突条部の上部が凹状に欠損するため、両側面壁の合わせ部が露出することになる。ラチス筋の下側屈曲部が突条部に現出した凹部にきちっと嵌合した状態で且つ完全な溶接状態であれば両側面壁の合わせ部はラチス筋により完全に塞がれるため大気につながることはないが、デッキプレートの使用上まったく問題がないものの溶接の良否としては若干問題があるような場合が時として起こると、両側面壁の合わせ部が大気につながり、デッキプレート上に打設されたコンクリート中の水分がその合わせ部から側面壁間に浸入し、金属ベースの裏側に回り込んで錆を発生させる恐れもあった。
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、金属ベースの一部を折り曲げて形成された突条部に鉄筋ユニットの鉄筋をスポット溶接する場合、わずかな溶接の不具合で金属ベースの裏側に通じる隙間などが生じることのないデッキプレートを提供することにある。
本発明は、表面から上方へ突出すると共に相対向する一対の端縁部間を延びる複数の突条部を並設した所定面積の金属ベースと、前記端縁部間を延びる鉄筋ユニットであって、前記端縁部間の方向に所定の間隔をあけて前記突条部の上部を横切るように乗った一部の鉄筋が前記突条部の上部に溶接されている少なくとも一組の鉄筋ユニットとを備えるデッキプレートであり、その特徴とするところは、前記各突条部の長さ方向に直交する断面の構造が、前記金属ベースの一部を折り曲げて前記表面側である上方向に立ち上がると共に、該上方向に延びるに連れて相互に離反する2つの側面壁と、これら各側面壁の上端どうしを連接する上面壁とから構成され、前記上面壁の前記断面の形状が、上方に向かって突出するように湾曲し、前記鉄筋ユニットを前記金属ベース上に固定すべく前記突条部を横切るように載置された前記鉄筋ユニットの一部が前記上面壁を押しつぶすようにして溶接されていることにある。
本発明のデッキプレートに係る実施形態の一例としては、前記各側面壁の下端と前記金属ベースの前記表面とを連接する折曲部どうしが突き合わされている。
本発明のデッキプレートに係る実施形態の他の例としては、前記突条部を構成する2つの前記側面壁が、前記金属ベースの前記表面から直線的に立ち上がっている。
本発明のデッキプレートに係る実施形態の更に他の例としては、前記鉄筋ユニットが、前記金属ベースの前記表面から上方へ離間して前記両端縁部間を延びる第1鉄筋と、該第1鉄筋の両側方で前記第1鉄筋より下方に配置され、前記第1鉄筋に沿って延びる一対の第2鉄筋と、前記金属ベースと前記第1鉄筋との間で上下方向へ波状に曲折を繰り返しながら前記端縁部間を延びる一対のラチス筋とを含み、前記各ラチス筋が、それぞれの前記突条部にスポット溶接されている。
本発明のデッキプレートによれば、金属ベースに形成された突条部の上部は、金属ベースを上方から見ると、所定幅の帯として端縁部間を延びている。言い換えれば、本発明のデッキプレートにおける金属ベースに形成された突条部は、上部が線状に形成されていた従来の突条部と異なり、上部が面状の帯となって金属ベースの両端縁部間を延びている。この突条部の上面壁は、突条部の長さ方向に直交する断面で見て上方に向かって突出する湾曲面に形成されていることから、鉄筋ユニットの一部は突条部の上面壁に点接触の状態で載り、この状態からスポット溶接が開始されることになる。そのため、スポット溶接の開始時には、点接触の部分に集中して電気が流れることから溶接開始時に確実に溶着し、その後、突条部の上面壁は、鉄筋ユニットの一部が突条部の上面壁に押し付けられていること、及び、上面壁の加熱により軟化されていること等によって上面壁がへこみ始めるため、点接触から次第に面接触に変化する。このことが、溶接熱の分散を促し、上面壁が溶融されて穴があくようなことはなくなり、また両部材の確実な溶接を得ることができる。
このようなことから、従来のデッキプレートのように鉄筋ユニットの一部と突条部とに僅かな溶接不良があったとしても、その部分から水が浸入するようなことはなく、従って、そのような場合に金属ベースの裏面に水が回り込んで該金属ベースに錆を発生させるようなことも起こらず、優れた品質のデッキプレートを提供することができる。
また、本発明のデッキプレートによれば、前記断面で見た上面壁の両端にそれぞれ連接する各側面壁の下端と金属ベースの平坦部とを連接する折曲部どうしが突き合わされているので、鉄筋ユニットの一部が溶接時に所定の力で突条部の上面壁に押し付けられるとき、両側面壁がその押し付け力を支えることができ、その結果、鉄筋ユニットの一部と突条部の上面壁との接触部にその押し付け力を集中させられることから、突条部の上面壁における鉄筋ユニットの一部と接触している部分だけがへこむだけで、それ以外の部分に変形を及ぼすことがない。
さらに、本発明のデッキプレートによれば、金属ベースの一部を折り曲げて平坦部から表面側である上方向に向かって相互に離反するように立ち上がる各側面壁が直線的であるので、前述した側面壁の下端と金属ベースの平坦部とを連接する折曲部どうしの突き合わせと相まって、スポット溶接時における一部の鉄筋ユニットの上面壁への押し付け力に対して一層の支持力を与えることができる。
さらに、本発明のデッキプレートによれば、第1鉄筋と、第2鉄筋と、ラチス筋とで構成された従来の鉄筋ユニットをそのまま金属ベースの突条部に溶接してデッキプレートとすることができるので、鉄筋ユニットの構成を変える必要がなく、そのため製造コストの上昇を抑えることもできる。
以下、本発明のデッキプレートを図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデッキプレートを概略的に示す斜視図、図2は、図1の2−2線で金属ベースを切断し、該金属ベースに形成されている突条部をその長さ方向に直交する断面方向から見た断面図である。図1において、デッキプレート10の縦方向(配力筋方向)を矢印Y、横方向を矢印Xで示す。また、図1に示されるデッキプレート10は、本発明を理解し易くするために配力筋方向の長さを実際のものに比べて極端に短くして描かれている。
本発明の一実施形態に係るデッキプレート10は、所定の面積を有する金属ベース11の表面に2組の鉄筋ユニット12を取り付けて構成されている。2組の鉄筋ユニット12は、金属ベース11の表面に並行に配列され、金属ベース11の配力筋方向Y、すなわち相対向する一対の端縁部11a,11b間を延びている。各鉄筋ユニット12は、1本の第1鉄筋13と、一対(2本)の第2鉄筋14と、一対(2本)のラチス筋15とから組み立てられ、その詳細については後述する。
金属ベース11は、ほぼフラットな表面11cおよび裏面11dを有し、主に鉄板から作られ、その表裏面11c,11dにメッキ処理が施されている。この金属ベース11の面積については任意に設計可能であり、構築するスラブの大きさによって自由に設定される。また、金属ベース11を鉄以外の金属で作ることもできる。金属ベース11において横方向Xに位置する一対の側部11e,11fには、図1から明らかなように金属ベース11の側縁部を表面11c側に折り曲げた第1係合部16と、金属ベース11の側縁部を裏面11d側に折り曲げた第2係合部17とが形成されている。複数のデッキプレート10は、それぞれの側部11e,11fが隣接するように並列に配置され、隣接するデッキプレート10の第1係合部16と第2係合部17とを引っ掛けることで、互いに連結される。
金属ベース11には、その表面11cから上方へ突出する複数条の突条部18が形成されている。突条部18は、第1鉄筋13の横方向両側に位置し、金属ベース11上を配力筋方向Y、すなわち相対向する一対の端縁部11a,11b間を延びている。各突条部18は、基本的に金属ベース11の一部分をその表面11cから上方へ向かって山折りして形成されており、従って、各突条部18間は金属ベース11の表面11cそれ自体のままの平坦部19とされている。この突条部18についてさらに具体的に説明する。突条部18は、その断面形状が図2に示されるように扇形をしている。図2は、図1の2−2線で切断した形状を示しており、この切断面の形状は突条部18の長さ方向に直交する断面形状である。この図2から明らかなように、突条部18は、金属ベース11の一部を折り曲げて平坦部19から表面11c側である上方向に立ち上がると共に、該上方向に延びるに連れて相互に離反するように表面11cに対して傾斜する2つの側面壁20と、これら各側面壁20の上端20aどうしを連接する上面壁21とから構成され、上面壁21の断面形状が、上方に向かって突出するように湾曲している。各側面壁20の平坦部19に対する傾斜角度θは、スポット溶接時に上面壁21に掛かる力を支える必要性から45度〜70度の範囲であることが好ましい。
突条部18を構成する2つの側面壁20は、金属ベース11の平坦部19から直線的に立ち上がり、各側面壁20の下端20bと金属ベース11の平坦部19とを連接する折曲部22どうしが突き合わされている。突条部18は、表裏面11c,11dに直交する上下方向へ所定の高さ寸法Hを有し、図1に示されるように上方から見た形状は所定幅の帯状を呈している。突条部18の上下方向の高さ寸法Hに特に限定はないが、高さ寸法Hの好ましい範囲は5〜7mmである。また、突条部18における上面壁21の幅Wは、5〜6mmであるが、この幅Wの寸法についても特に限定はない。鉄筋ユニット12を構成している第1鉄筋13は、金属ベース11の表面11cから上方へ所定寸法離間して配力筋方向Yへ直線的に延びている。第2鉄筋14は、第1鉄筋13の下方かつ第1鉄筋13の横方向両側に位置し、かつ金属ベース11の表面11cから上方へ所定寸法離間して配力筋方向Yへ直線的に延びている。すなわち、1本の第1鉄筋13と2本の第2鉄筋14とは、相互に間隔をあけて並行に、かつこれら第1鉄筋13と第2鉄筋14とを端部側(配力筋方向)から見たとき仮想の三角形の各頂点に位置するように配置されている。2本のラチス筋15は、金属ベース11と第1鉄筋13との間に位置し、上下方向へ波状に屈曲を繰り返して配力筋方向Yへ延び、従って、上側屈曲部15aおよび下側屈曲部15bと、上側および下側屈曲部15a,15bの間の中間直線部15cとを形成している。
このような2本のラチス筋15の各々は、第1鉄筋13を挟んでその両側部に対称に配置され、かつ図1に示されるように上側屈曲部15aから下側屈曲部15bに向かって横方向へ末広がりを呈するように金属ベース11に対して所定角度で傾斜している。各ラチス筋15の上側屈曲部15aは、第1鉄筋13の横方向両側に当接した状態で、第1鉄筋13にスポット溶接されている。下側屈曲部15bは、金属ベース11の表面11cと並行するように、横方向外方へ折り曲げられている。下側屈曲部15bは、突条部18を越えて横方向外方へ張り出しており、従って下側屈曲部15bは突条部18と二点で交差している。下側屈曲部15bのうちの突条部18と交差する部分23は、突条部18にスポット溶接されている。各ラチス筋14の中間直線部15cには第2鉄筋14が接触し、ラチス筋15の中間直線部15cのうちの第2鉄筋14と交差する部分が第2鉄筋14にスポット溶接されている。
ここで、ラチス筋15の下側屈曲部15bが突条部18の上面壁21を横切るように交差する部分23を上面壁21に固着するスポット溶接について詳述すると、鉄筋ユニット12を金属ベース11上に固定すべく該金属ベース11の表面11cにおける所定の位置に配置すると、図1から明らかなように各ラチス筋15の下側屈曲部15bが金属ベース11の表面11cに存在する断面形状扇形の突条部18における上面壁21に、該突条部18を横断するように載ることになる。その際、断面形状円形のラチス筋15の下側屈曲部15bが、断面形状弧状の上面壁21を横切るように該上面壁21に載るので、鉄筋ユニット12を金属ベース11の適所に配置した直後では、図2に仮想線で示されるように下側屈曲部15bが突条部18の上面壁21に点接触した状態で支持されことになる。
その後、金属ベース11と鉄筋ユニット12とをそれぞれ電極で挟み、これら電極に高電圧を印加する。その時、突条部18の上面壁21とラチス筋15の下側屈曲部15bとが点接触をしているため、その接触部に集中的に電流が流れ、瞬時に溶着を始めると共に、溶接熱で突条部18の上面壁21とその近傍の側面壁20とが加熱されて軟化する。スポット溶接を行う場合、鉄筋ユニット12は所定の力で金属ベース11に押し付けられているためこの押し付け力によりラチス筋15の下側屈曲部15bは、軟化した突条部18の上面壁21と近傍の側面壁20とを押しつぶすように変形させる。図3では、突条部18の上面壁21とラチス筋15の下側屈曲部15bとのスポット溶接部を、突条部10の長さ方向に直交する面で切断して見た端面図として示している。かかる変形が始まると、ラチス筋15の下側屈曲部15bと突条部18の上面壁21との接触部は、次第に点接触から面接触に移行する。そのため、両部材(ラチス筋15の下側屈曲部15bと突条部18の上面壁21)との接触部に作用していた溶接熱は次第に分散を始め、突条部18の上面21を溶かして穴を開けるほどにはならず、両部材を良好に溶接する程度の熱を維持した状態で推移して溶接が完了する。
なお、突条部18を構成する各側面壁20が、図2に示されるように金属ベース11の一部を折り曲げて平坦部19から表面側である上方向に、相互に離反するように45度〜70度の角度θで傾斜しながら直線的に立ち上がり、さらに各側面壁20の下端20bと金属ベース11の平坦部19とを連接する折曲部22どうしが突き合わされているので、鉄筋ユニット12の一部が溶接時に所定の力で突条部18の上面壁21に押し付けられるとき、側面壁20がその押し付け力を支えることができ、その結果、ラチス筋15の下側屈曲部15bと突条部18の上面壁21との接触部にその押し付け力を集中させることができる。これにより、下側接触部15bと接触している突条部18の上面壁21とその近傍の側面壁20とが溶接熱による軟化により部分的にへこむだけで、それ以外の部分に変形を及ぼすことはない。
このように、突条部18の断面形状を扇形にすることにより従来のデッキプレートで問題となっていた、鉄筋ユニット12と金属ベース11の突条部18とのスポット溶接箇所から金属ベースの11の裏面に水が回り込むことがなくなり、金属ベース11に錆などを発生させる原因を完全に取り除くことができる。また、この実施形態では、鉄筋ユニット12それ自体は、何ら構成上の変更をしないので、従来の鉄筋ユニットをそのまま使用することができるため、製造コストを大きく高めることなく、優れたデッキプレートを提供することができる。
前述した実施形態のデッキプレート10では、金属ベース11に形成された複数の突条部18が、図2に示されるようにその長さ方向に直交する断面で見て、扇形の形状をしていたが、本発明は、突条部18の断面形状が扇形に限定されるものではなく、少なくともラチス筋15が突条部18を横切ってその上に載る部分が上方に向かって突出する湾曲面をしていれば同様な効果を奏する。したがって、突条部18のその長さ方向に直交する断面で見た形状が、図4に示されるように円形であってもよいし、また図5に示されるように卵形に近い楕円形であってもよい。なお、これら図4及び図5のそれぞれに示される突条部18の変形例に関し、それらを示す図4及び図5において、図1〜図3に示される実施形態のデッキプレート10における突条部18の構成要素と同一又は相当する部分には同一の参照符号を付けることでその部分の詳細な説明を省略する。
このようなデッキプレート10は、スラブを構築するとき捨て型枠として使用されるが、その場合、鉄筋ユニット12を上にした状態で、鉄骨造については躯体の横梁(図示せず)にその両端縁部11a,11bが乗せられて横梁の間に架け渡される。この作業を「敷き込み」と称するが、この敷き込みが終了した後に金属ベース11上にコンクリート(図示せず)が打設される。そのようなときに、金属ベース11上に打設されたコンクリートの重量とデッキプレート10それ自体の重量とのほぼ全荷重が鉄筋ユニット12に掛かることになる。言い換えれば、金属ベース11上に打設されたコンクリートのほぼ全重量は、金属ベース11の突条部18にラチス筋15の各下側屈曲部15bが溶接されているので鉄筋ユニット12に掛かり、鉄筋ユニット12に掛かる荷重は鉄骨造躯体の横梁で受けることとなる。
前述したデッキプレート10では、金属プレート11の表面に設置される鉄筋ユニット12がその両側に位置するそれぞれ1つの突条部18にラチス筋15の下側屈曲部15bを溶接して固定した例についての実施形態であったが、本発明は、このようなデッキプレート10に限定されるものではなく、図6に示される他の実施形態に係るデッキプレート30のように、金属プレート11の表面11cに形成される突条部18を鉄筋ユニット12の両側にそれぞれ2条並設し、これら2条の突条部18における上面壁21に鉄筋ユニット12のラチス筋15における下側屈曲部15bを横切るように載置し、その接触部を溶接して固定することも好ましい。このような実施形態に係るデッキプレート30によると、鉄筋ユニット12と金属ベース11との溶接箇所が多いことから固定強度が非常に高く、デッキプレート上に打設されるコンクリートの重量を十分に支えることができる。もちろん、図6に示されるデッキプレート30でも、各突条部18におけるその長さ方向に直交する断面の形状を図4又は図5に示される円形又は卵形にすることができる。
なお、上述した2つの実施形態に係るデッキプレート10,30において、鉄筋ユニット12を構成する第1鉄筋13、第2鉄筋14及びラチス筋15それぞれの太さは特に限定されるものではなく、構築するスラブの大きさやスラブに必要な強度に合わせて自由に設定される。第1鉄筋13、第2鉄筋14、ラチス筋15に用いられる金属は鉄が好ましいが、鉄以外の金属を使用することもできる。また、第1鉄筋13、第2鉄筋14、ラチス筋15に鉄を用いる場合はメッキ等の防食処理を施すことも好ましい。ラチス筋15において、単位長さ(m)当たりの屈曲を繰り返す回数や、ラチス筋15を配置する際の金属ベース11に対する傾斜角度についても特に限定はなく自由に設定することができる。さらに、上述した各実施形態に係るデッキプレート10,30では、第1鉄筋13、第2鉄筋14及びラチス筋15から形成された2組の鉄筋ユニット12が金属ベース11上に並設されていたが、鉄筋ユニット12の個数を2組に限定するものではなく、金属ベース11上に3組以上の鉄筋ユニット12が形成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。 図1の2−2線に沿って切断し、金属ベースに形成された突条部の断面形状を示す断面図である。 突条部の上面壁にラチス筋の下側屈曲部をスポット溶接した部分を、突条部の長さ方向に直交する断面で見た端面図である。 金属ベースに形成された突条部における変形例を示す図2と同様な断面図である。 金属ベースに形成された突条部における他の変形例を示す図2と同様な断面図である。 本発明の他の実施形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。
符号の説明
10,30 デッキプレート
11 金属ベース
11a,11b 端縁部
11c 表面
11d 裏面
12 鉄筋ユニット
13 第1鉄筋
14 第2鉄筋
15 ラチス筋
15a 上側屈曲部
15b 下側屈曲部
18 突条部
19 平坦部
20 突条部の側面壁
21 突条部の上面壁

Claims (4)

  1. 表面から上方へ突出すると共に相対向する一対の端縁部間を延びる複数の突条部を並設した所定面積の金属ベースと、前記端縁部間を延びる鉄筋ユニットであって、前記端縁部間の方向に所定の間隔をあけて前記突条部の上部を横切るように乗った一部の鉄筋が前記突条部の上部に溶接されている少なくとも一組の鉄筋ユニットとを備えるデッキプレートにおいて、
    前記各突条部の長さ方向に直交する断面の構造が、前記金属ベースの一部を折り曲げて前記表面側である上方向に立ち上がると共に、該上方向に延びるに連れて相互に離反する2つの側面壁と、これら各側面壁の上端どうしを連接する上面壁とから構成され、前記上面壁の前記断面の形状が、上方に向かって突出するように湾曲し、前記鉄筋ユニットを前記金属ベース上に固定すべく前記突条部を横切るように載置された前記鉄筋ユニットの一部が前記上面壁を押しつぶすようにして溶接されていることを特徴とするデッキプレート。
  2. 前記各側面壁の下端と前記金属ベースの前記表面とを連接する折曲部どうしが突き合わされている請求項1に記載のデッキプレート。
  3. 前記突条部を構成する2つの前記側面壁が、前記金属ベースの前記表面から直線的に立ち上がっている請求項1又は2に記載のデッキプレート。
  4. 前記鉄筋ユニットが、前記金属ベースの前記表面から上方へ離間して前記両端縁部間を延びる第1鉄筋と、該第1鉄筋の両側方で前記第1鉄筋より下方に配置され、前記第1鉄筋に沿って延びる一対の第2鉄筋と、前記金属ベースと前記第1鉄筋との間で上下方向へ波状に曲折を繰り返しながら前記端縁部間を延びる一対のラチス筋とを含み、前記各ラチス筋が、それぞれの前記突条部にスポット溶接されている請求項1〜3のいずれかに記載のデッキプレート。
JP2007274645A 2007-10-23 2007-10-23 デッキプレート Pending JP2009102858A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112112918A (zh) * 2020-09-19 2020-12-22 重庆大学 一种圆杆化的三维点阵结构

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