JP2013217069A - 吊り足場ユニットと足場の架設工法 - Google Patents

吊り足場ユニットと足場の架設工法 Download PDF

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Abstract

【課題】吊り足場を連続的に移動させて吊り足場の組立ができるようにした。
【解決手段】吊り足場ユニット6は、1単位の吊り足場14を連結部を介して折り曲げ可能に順次接続した。吊り足場ユニット6は、1単位の吊り足場14を連結部で山折りと谷折りを交互に繰り返して折り畳んだ。橋脚3の地盤に設置した吊り足場ユニット6は、先端側の吊り足場14から順次引き上げて、主桁の下フランジ2aの位置で吊り治具22に吊り下げ、吊り上げウインチから引き出しウインチに付け替える。吊り治具22に設けた回転可能な支持ローラーで下フランジ2a上を走行させ、下フランジ2aの両端縁にガイドローラーを当接させることで外れることなく走行する。これによって複数の吊り足場14を水平方向に引き出して連結部を介して平面状に広げて足場を組み立てる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼橋等の構築物の架設や床版工事等の各種工事に用いる吊り足場ユニットと足場の架設工法に関する。
従来、橋梁の主桁下部に吊り足場を設置したり解体したりする場合、例えば特許文献1及び2に記載された工法が提案されている。
特許文献1に記載された吊り足場とその架設工法では、橋梁の主桁に沿って下フランジに予めレールを取り付けておき、このレールの上を移動可能な吊り足場をステージの上で組み立てる。そして、組み立てられた吊り足場は、レール上にローラを組み込んだアングル製の治具を介して足場板を設置するためのころばしを組み込んだおやごパイプを吊り下げておき、その下部をネットで覆うことで組み立てられている。
組み立てられた吊り足場は、他方の橋台に設置したウインチ等で引き出しを行う位置に設置し、橋台の主桁の延びる方向に沿って吊り足場をウインチ等で引き出して移動させながら橋梁の点検や補修を行うものである。
また、特許文献2に記載された吊り足場では、橋梁の主桁の下フランジを移動可能な吊り治具を介しておやごパイプを吊り下げて1ユニット分の吊り足場を組み立てるものとし、この吊り足場を他方の橋脚側に移動させると共に、作業台上では次の吊り足場を組み立てる。吊り足場の移動式吊り治具は、上下2組のローラで主桁の下フランジを挟んで走行可能とした。
そのため、組立作業を繰り返して必要な数の吊り足場を順次組み立て、主桁の下フランジ上を移動式吊り治具で移動させて適宜位置に設置しておくことで、予めレールを取り付ける必要がなく吊り足場を短時間で効率的に設置できる、としている。
特開平5-295712号公報 特開2005-232677号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された吊り足場ユニットでは、主桁の下フランジに予めレールを溶接等で取り付けておく必要があり、煩雑である上にコスト高になる欠点があった。
これに対し、特許文献2に記載された足場ユニットでは、下フランジに予めレールを取り付ける必要がないため吊り足場の架設工事が簡単になりコストが低減されるが、作業台上で1組の吊り足場を組み立てては他の橋脚の方向に移動させる工程を繰り返す必要であるため、吊り足場の連続的な引き出し移動ができず、作業効率が悪いという欠点があった。
また、下フランジに沿って吊り足場を移動させる際、吊り治具に下フランジを挟んで走行する2組のローラーを上下に設置する構成であるため、多くの鋼橋にみられる下フランジの板厚の変化に対応することが困難であった。また、上述した吊り足場の吊り治具は下フランジに沿って移動させた吊り足場を桁本体から支持するためにレバーブロックで一旦引き上げて移動式吊り治具から固定式吊り治具に吊り替える場合に、下フランジの下に設置する吊り治具のローラーが吊り足場の引き上げを阻害するため対応できなかった。また、この吊り足場は隣接する下フランジ同士をボルト接合した添接部を乗り越えることができないという不具合もあった。
本発明は、このような課題に鑑みて、予め吊り足場を移動させるレールを取り付けておく必要がなく、しかも吊り足場を連続的に移動させて吊り足場の組立ができるようにした吊り足場ユニットおよび足場の架設工法を提供することを目的とする。
本発明による吊り足場ユニットは、1単位の吊り足場を連結部を介して折り曲げ可能に順次接続してなる複数の吊り足場を、連結部で折り畳んだ状態で保持してなり、複数の吊り足場をその一端部から順次引き出して連結部を介して広げることによって足場を組み立てるようにしたことを特徴とする吊り足場ユニット。
本発明によれば、1単位の吊り足場が連結部を介して連続して設けられているから、吊り足場を組み立てる際、折り畳んだ吊り足場ユニットを設置して一端部側の吊り足場から順次引き出して広げることでスムーズに且つ効率的に足場を架設することができ、1単位の吊り足場毎に組立と移動を交互に繰り返して足場を架設する必要がない。
また、複数の吊り足場は、連結部で山折りと谷折りを交互に繰り返して折り畳んでなることが好ましい。
吊り足場ユニットをこのように折り畳んでおけば、引き出す際に一端側の吊り足場の単体を引き出すことで複数の吊り足場を連続してスムーズに引き出して広げて足場を吊った状態で架設することができる。
また、1単位の吊り足場は、間隔を開けて複数本設置したおやごパイプと、該おやごパイプに直交する方向に間隔を開けて複数本配列させたころばしパイプと、おやごまたは/及びころばしパイプに接続されてなる安全ネットと、を備えることが好ましい。
おやごパイプところばしパイプと安全ネットを備えた1単位の吊り足場を、連結部を介して複数接続して広げた状態にして足場を架設できる。
また、連結部は、一の吊り足場の後端とこれに続く他の吊り足場の先端とを回動可能に接続するスイベルまたはヒンジであることが好ましい。
スイベルまたはヒンジを互いに直交する方向にそれぞれ回動可能に設定することで、複数の吊り足場を折り曲げた状態と広げた状態とにスムーズに切り替えることができる。
本発明による吊り足場の架設工法は、上述したいずれかに記載された吊り足場ユニットの複数の吊り足場を折り畳んで設置する工程と、吊り足場ユニットの先端側の1単位の吊り足場から順次引き出して複数の吊り足場を連結部を挟んで広げて連続した足場を架設する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、複数の吊り足場を折り畳んだ吊り足場ユニットを先端側の1単位の吊り足場から順次引き出すことで連結部を挟んで各吊り足場をスムーズに広げて連続した吊り足場を組み立てて足場を構築できる。
また、吊り足場ユニットは構築物の下部に設置されており、吊り足場ユニットの先端側の1単位の吊り足場から順次引き上げて、所定高さ位置で水平方向に引き出して複数の吊り足場を連結部を挟んで広げて連続した足場を架設するようにしてもよい。
橋梁等の構築物における橋脚等の下部に吊り足場ユニットを設置しておき、吊り足場ユニットの先端側の吊り足場から順次上方に引き上げて主桁等の所定高さに至ると、水平方向に吊り足場を順次引き出して連結物を挟んで連続して広げることで足場を架設することができる。
また、引き上げられた1単位の吊り足場に吊り治具を取り付け、構築物に設けたフランジに吊り治具に設けた支持ローラーを載置させて走行させることで、複数の吊り足場を構築物に沿って移動させて連続して架設することが好ましい。
吊り足場の架設に際し、吊り足場ユニットから吊り上げられた1単位毎の吊り足場に吊り治具を取り付け、吊り治具に設けた支持ローラーをフランジに載置させて走行させることで、連続する複数の吊り足場を構築物に沿ってスムーズに広げて吊り足場を組み立てて架設できる。
また、吊り治具には、フランジの両端を挟むガイドローラーが設けられていてもよい。
吊り足場を吊り治具に取り付けてフランジに沿って支持ローラーを走行させて移動させる際、フランジの両端にガイドローラーを当接させて移動させるため、支持ローラーの走行安定性が高く、支持ローラーのフランジ上からの脱落・位置ズレを起こすことなく吊り治具と吊り足場を移動できて、吊り治具と構築物のフランジが干渉することを防止できる。
また、構築物に設けたフランジ同士を連結する添接部の上に傾斜面を備えた乗り越えスロープを設置し、支持ローラーは乗り越えスロープを走行することで添接部を乗り越えるようにしてもよい。
吊り治具に設けた支持ローラーでフランジ上を走行させて吊り足場を移動させる際、フランジ同士の添接部の上に乗り越えスロープを設置することで支持ローラーは乗り越えスロープの傾斜面を走行して添接部をスムーズに移動できる。
なお、吊り足場ユニットの複数の吊り足場は昇降手段によって構築物のフランジ近傍まで順次吊り上げられ、その後、移動手段によって構築物に設けたフランジに沿った方向に引き出し移動させて複数単位の吊り足場を広げて架設させ、また吊り足場の撤去時には、吊り足場を逆方向に移動させて折り畳んで吊り足場ユニットを形成することができる。
本発明による吊り足場ユニット及び足場の架設工法によれば、連結部で接続された吊り足場ユニットを、複数の吊り足場を折り畳んだ状態から順次引き出して移動させることで吊り足場を連続的に引き出して足場を架設できるから、複数の吊り足場の移動がスムーズで足場の組立効率が向上する。また架設した足場を解体する場合も、複数の吊り足場を架設した状態から架設時と逆方向に吊り足場を順次移動させることで吊り足場が連結部で折り曲げられてコンパクトな折り畳み状態に畳むことができる。
本発明の第一実施形態による吊り足場ユニットを繰り出して橋脚間の主桁に足場を架設する工程を示す要部説明図である。 吊り足場ユニットの折り畳み状態を示す要部側面図である。 1単位の吊り足場を示す図であり、(a)は平面図、(b)はおやごパイプの延在方向から見た側面図、(c)はおやごパイプの長手方向に直交する方向の断面図部である。 図2に示す吊り足場ユニットの連結部の拡大図を示すもので、(a)は斜視図、(b)はおやごパイプの端部に連結部の端部を嵌入させて接続ピンで固定した状態を示す図である。 鈑桁タイプの主桁の下フランジに吊り治具を介して吊り足場を取り付けた状態の正面図である。 図5における下フランジに吊り治具の支持ローラーとガイドローラーを設置した状態を示す要部斜視図である。 主桁の接合部をボルトの添接部によって接合して乗り越えスロープを設置した状態を示す要部斜視図である。 図7に示す添接部の拡大図である。 (a)〜(f)は第一実施形態による吊り足場ユニットの吊り足場を順次引き上げて主桁の下フランジに足場として架設する工程を示す図である。 第二実施形態による箱桁タイプの主桁の下フランジに吊り治具を介して吊り足場を取り付けた状態を示す正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による吊り足場ユニットとこの吊り足場ユニットを用いた足場の架設工法について説明する。
図1乃至図9は第一実施形態による吊り足場ユニットとその架設工法を示す図である。
図1は吊り足場ユニットを用いた足場の架設工程を示す図である。図1において、例えば構築物の一例としての橋梁1は、その橋桁である主桁2の下側に所定間隔で橋脚3が設置されている。一の橋脚3の近傍には枠組み足場5が組み立てられており、その上部における主桁2の下フランジ2a近傍には作業員が組み立て作業を行う作業足場5aが設置されている。
そして、枠組み足場5の近傍の地盤上には吊り足場ユニット6が載置されている。また、枠組み足場5の近傍には、昇降手段として吊り上げウインチ8が設置され、つり上げウインチ8のワイヤー10を吊り足場ユニット6の上方に設置されたローラ9を介して吊り足場ユニット6に接続して主桁2の下フランジ2aまでつり上げることができるようになっている。また、一の橋脚3に隣接する他の橋脚3の近傍には、移動手段として引き出しウインチ11が設置されており、この引き出しウインチ11から繰り出されたワイヤー10は上方に設けたローラ12を介して吊り上げられた吊り足場14に接続して下フランジ2aに沿って水平方向に引き出し可能とされている。
次に本実施形態による吊り足場ユニット6について、図2乃至図4により説明する。
図2に示す吊り足場ユニット6は、図3に示す吊り足場14を1単位として複数の吊り足場14が連結部15によって折り曲げ可能とされ且つ谷折りと山折りを交互に繰り返す蛇腹状に接続されて折り畳み可能に構成されている。
図3に示す単体の吊り足場14は、平面視で例えば略長方形板状に形成され、その短手方向に複数のおやごパイプ16が平行に配列され、おやごパイプ16に直交する長手方向に複数のころばしパイプ17が配列され、これらおやごパイプ16ところばしパイプ17は交差部分で緊結金具(クランプ)により結合されている。そして、おやごパイプ16に対してころばしパイプ17の取り付け面と反対側の面に安全ネット18がおやごパイプ16ところばしパイプ17にナイロンロープ等で結束して取り付けられている。
そして、複数の吊り足場14を吊り上げ方向に見て、先端側の吊り足場14と隣接する後続側の吊り足場14とはおやごパイプ16同士の後端と先端が連結部15によって上下方向及び水平方向に回動可能に連結されている。連結部15は例えば図4(a)に示すようにヒンジとスイベルで構成され、水平回転可能な第一接続部15aと、第一接続部15aに対して上下方向に回転可能に支持する第二接続部15bとを備えている。また、図4(b)に示すように、おやごパイプ16の端部構造の一部である接続ピン16aに連結部15の連結部端部15cを挿入して溝部に沿って回転させて係止することで、おやごパイプ16と連結部15を接続して固定できる機能を備えている。
そして、吊り足場ユニット6は複数の吊り足場14を引き出して同一面状に広げた状態で、ころばしパイプ17が一方の面に位置することになる。なお、連結部15はヒンジとスイベルのいずれか一方で構成してもよい。
次に、吊り上げた吊り足場14を主桁2の下フランジ2aに取り付けて移動させるための吊り治具22について図5及び図6により説明する。
図5及び図6において、橋梁1の橋桁は、例えば3本の主桁2が所定間隔で橋軸方向に配列されており、その下端に下フランジ2aがそれぞれ設けられた鈑桁タイプである。そして、吊り治具22は各下フランジ2aに吊り足場14を吊り下げる治具をいい、下フランジ2aに沿って吊り足場14を支持して走行させる走行部23と、走行部23から吊り足場14を吊り下げるチェーン部24とが設けられている。主桁2は3本に限らず2本以上の複数本設置できる。
なお、本書では、各吊り足場14毎に下フランジ2aに吊り治具22で吊り下げて、複数の吊り足場14を一列に吊って足場を築いた構成を、吊り足場14と区別するために単に足場というものとする。
図6において、吊り治具22の走行部23において、下フランジ2aの下側に架台25が設置され、架台25の一方の端部にはガイドローラー26が回転可能に設けられていて、下フランジ2aの一方の端縁に当接されている。また、架台25の他方の端部には支持台27が支柱28を挟んで2つ設けられ、各々の支持台27上に下フランジ2aの他方の端縁に当接する回転可能なガイドローラー26が設けられている。支持台27上にはガイドローラ―26に隣接して支柱28が設置され、支柱28には下フランジ2aの上面に当接する支持ローラ―29が回転可能に設けられている。
また、架台25の下部にはアイボルト31が固着されており、このアイボルト31のリング31aには、チェーン部24の一端部に設けたフック等のクランプが係合されている。また、チェーン部24の下端にもフック等のクランプが設けられ、このクランプは吊り足場14のおやごパイプ16に係合されている。
そのため、吊り足場14は例えば3本の主桁2の下フランジ2aにそれぞれ引っ掛けられた支持ローラー29によって吊り下げ支持され、支持ローラー29が下フランジ2a上を回転することで吊り足場14を移動させることができる。その際、吊り治具22は架台25の両側に設けた一組のガイドローラー26が下フランジ2aの両端縁に当接することで、支持ローラー29が下フランジ2aを外れないように走行をガイドされる。
また、好ましくは、吊り足場14のおやごパイプ16は主桁2の数と少なくとも同数設けられていて、各主桁2の下フランジ2aに取り付けた吊り治具22のチェーン部24にそれぞれ支持されている。
また、橋桁は、複数の主桁2をボルト等で順次接続して構成されており、例えば、図7及び図8に示すように主桁2の接続部である添接部31は、隣接する下フランジ2a同士の端部を突き合わせてその上下に重ねて補強板32を当接させ、各下フランジ2aと補強板32とを重ねてボルトを挿通して締結している。
下フランジ2aの添接部31がこのような構成であると、吊り足場14を移動させる際、吊り治具22の支持ローラー29が添接部31のボルトを乗り越えることはできない。そのため、添接部31の上に平面部とその両側の傾斜部とで形成された乗り越えスロープ33を被せて固定した。これによって、吊り治具22の支持ローラー29はスムーズに添接部31を乗り越えられる。
本実施形態による吊り足場ユニット6は上述の構成を備えており、次に吊り足場14の架設工法について図9により説明する。
吊り足場14を足場として架設するに際し、図9(a)において、吊り足場14を連結部15を介して順次接続して吊り足場14同士を重ねて折り畳んだものを吊り足場ユニット6として、橋脚3と枠組み足場5に近接する位置の地盤等に設置する。そして、吊り足場ユニット6の上端の吊り足場14の先端を吊り上げウインチ8のワイヤー10と連結して、図9(b)に示すように先端の吊り足場14を上方に吊り上げる。
これによって、吊り足場ユニット6の複数の吊り足場14は先端のものから順に蛇腹を引き延ばすように吊り上げウインチ8によって吊り上げられる。
そして、吊り足場ユニット6の先端の吊り足場14が主桁2の下フランジ2aの領域に到達すると、作業足場5aに乗った作業員が、図5及び図6に示すように、吊り治具22におけるチェーン部24の上端のクランプをアイボルト31のリング31aに係合させると共に、先端の吊り足場14における先端部のおやごパイプ16にチェーン部24の下端のクランプを取り付け、支持ローラー29を下フランジ2aの上面に当接させることで吊り下げる。
そして、図9(c)に示すように、最初の吊り足場14の先端を引き出しウインチ11のワイヤー10に接続して水平方向に引っ張ると共に、つり上げウインチ8のワイヤー10を吊り足場14の後端に接続して最初の吊り足場14が略水平になるように更に引き上げる。
吊り足場14は、引き出しウインチ11で引っ張ることで、支持ローラー29が下フランジ2a上を転がり、架台25の両側のガイドローラー26が下フランジ2aの両端に当接してガイドされることで、吊り治具22と共に下フランジ2aに沿って水平方向に移動する。そして、図9(d)に示すように、最初の吊り足場14の後端側を吊り治具22によって下フランジ2aに吊り下げて移動可能とする。
次に、図9(e)、(f)に示すように、二番目以降の吊り足場14については、その後端を吊り上げウインチ8で吊り上げて、吊り治具22によって下フランジ2aに吊り下げた後、引き出しウインチ11で最初の吊り足場14の先端を引き出すことで連結部15で接続された複数の吊り足場14を順次前方に移動させる。
このとき、最初の吊り足場14は先端と後端を吊り治具22によって下フランジ2aに吊り下げるが、2番目以降の吊り足場14は後端をつり上げウインチ8で吊り上げて、後端だけを吊り治具22によって下フランジ2aに吊り下げられる。
こうして、吊り治具22で吊り下げられた各吊り足場14を、下フランジ2aに沿って引き出しウインチ11で引っ張ることで、主桁2の下フランジ2aに沿って複数の吊り治具14を平面状に並べることができる。複数の吊り足場14の引き出しによる架設は、遅くとも先端側の吊り足場14が吊り足場ユニット6側と反対側の引き出しウインチ11を設けた橋脚3の近傍まで移動した状態で引き出しが終了するが、必要に応じて、これより早い段階で引き出しウインチ11による吊り足場14の引き出しを終了して足場の架設を完了させてもよいことはいうまでもない。
なお、複数の吊り足場14を下フランジ2aに沿って引き出す際、吊り治具22の支持ローラー29が主桁2同士を連結したボルト結合による添接部31に到達することがあるが、この場合でも、支持ローラー29が乗り越えスロープ33の傾斜部を通って容易に乗り越えることができる。
二つの橋脚3間で吊り足場14の引き出しが終了した段階で、主桁2に沿って平面状に架設された複数の吊り足場14のころばしパイプ17上に図示しない足場板を敷設する。また、複数の吊り足場14を吊り治具22に代えて主桁2から吊り下げ支持するために、レバーブロックで引き上げて吊り治具22を外して主桁2の下フランジ2aに吊り替える。そして、吊り足場14の端部に手すりを設置することで足場の架設が完成する。
なお、架設された足場の使用が終了した場合には、上述した吊り足場14の架設手順とは逆の手順で複数の吊り足場14を順次吊り足場ユニット6に戻すことで吊り足場14を橋梁1の主桁2から容易に撤去できる。
上述のように、本実施形態による吊り足場ユニット6と足場の架設工法によれば、複数の吊り足場14を連結部15を介して折り畳んだ吊り足場ユニット6の状態に保持でき、この状態から先端側の吊り足場14を順次吊り上げた後に主桁2の下フランジ2aに沿って引き出すことで、吊り足場14を連続して移動させて架設することができる。また、撤去する際も、吊り足場14を連続して移動させて連結部15で順次折り畳むことで、主桁2近傍での足場の架設状態から撤去できる。そのため、吊り足場14の組立と解体を短時間で効率よく行える。
また、吊り足場14の接続についても、複数の吊り足場14の前端と後端をヒンジとスイベル等の連結部15で順次接続することで吊り足場ユニット6を製作できるから、架設の現場でも簡単且つ迅速に組み立てることができる。
また、吊り足場14を主桁2の下フランジ2aに吊り下げる吊り治具22は、下フランジ2aの上面に載置させた支持ローラー29と下フランジ2aの両端縁に当接して吊り治具22の移動をガイドする一組のガイドローラー26とを備えたから、下フランジ2aの板厚が変化しても、或いは異なる板厚の下フランジ2aであっても吊り足場14を安定して支持して移動させて架設と撤去を容易に行うことができる。
また、下フランジ2aの添接部31に乗り越えスロープ33を設けたから、吊り足場14を吊り下げた吊り治具22は支持ローラー29によって簡単に添接部31を乗り越えてスムーズに移動できる
本発明による吊り足場ユニット6及び足場の架設工法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜の変更や置き換えが可能である。
例えば、上述した第一実施形態による吊り足場14を架設する橋梁1の主桁2は銘桁タイプのものであるが、これに代えて箱桁タイプのものに吊り治具22を介して吊り足場14を架設してもよい。図10は変形例として、箱桁タイプの主桁2に吊り治具36によって吊り足場14を吊り下げた構成を示す図である。
図10に示す吊り足場の架設工法の変形例において、橋梁1の主桁2として箱桁37が設けられており、その下部に下フランジ37aが設けられている。下フランジ37aの下側には架台39が配設され、その両端部には支持台27の上に下フランジ37aの端縁に当接する回転可能なガイドローラー26がそれぞれ設けられている。また、両端部の支持台27上にはそれぞれ支柱28が設置され、支柱28には下フランジ37aの上面に当接する支持ローラー29が回転可能に支持されている。
そして、架台39の下側にはアイボルト31が設けられ、このアイボルト31にチェーン部24を介して吊り足場14が吊り下げられている。
そのため、本変形例では、主桁2が箱桁37であるため、橋軸の延在方向に直交する方向の架台39が長くなるが、その両端に吊り治具36を吊り下げ支持するための支持ローラー29を設置したから吊り治具36と吊り足場14を支持して下フランジ37aに沿って往復移動させることができる。
また、上述の実施形態では、吊り足場ユニット6は連結部15において山折りと谷折りを交互に繰り返す折り畳み可能な構成を採用したが、本発明による吊り足場ユニット6はこのような構成に限定されない。例えば、橋梁1の平面形状が曲線である場合に対応するために、吊り足場ユニット6として、1単位の吊り足場14が台形板状に形成され、各角部に連結部15を設けて接続して、台形板状の吊り足場14を複数段に積層する構成を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、枠組み足場5近傍の地盤に吊り足場ユニット6を設置したが、これに代えて地盤上に作業台を設けてその上に吊り足場ユニット6を設置してもよい。或いは作業台の構築位置は主桁2の下フランジ2a近傍に設けて、吊り上げウインチ8による吊り上げ高さを少なくできる形態を採用してもよい。
1 橋梁
2 主桁
2a 下フランジ
3 橋脚
6 吊り足場ユニット
8 吊り上げウインチ
11 引き出しウインチ
14 吊り足場
15 連結部
16 おやごパイプ
17 ころばしパイプ
18 安全ネット
22 吊り治具
24 チェーン部
26 ガイドローラー
29 支持ローラー
31 添接部
33 乗り越えスロープ

Claims (9)

  1. 1単位の吊り足場を連結部を介して折り曲げ可能に順次接続した複数の吊り足場を、前記連結部で折り畳んだ状態で保持してなり、前記複数の吊り足場をその一端部から順次引き出して前記連結部を介して広げることによって足場を組み立てるようにしたことを特徴とする吊り足場ユニット。
  2. 前記複数の吊り足場は、前記連結部で山折りと谷折りを交互に繰り返して折り畳み可能である請求項1に記載された吊り足場ユニット。
  3. 前記1単位の吊り足場は、間隔を開けて複数配列させたおやごパイプと、該おやごに直交する方向に間隔を開けて複数配列させたころばしパイプと、前記おやごまたは/及びころばしパイプに接続されてなる安全ネットと、を備えた請求項1または2に記載された吊り足場ユニット。
  4. 前記連結部は、一の前記吊り足場の後端とこれに続く他の前記吊り足場の先端とを回動可能に接続するスイベル及び/またはヒンジである請求項1乃至3のいずれか1項に記載された吊り足場ユニット。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載された吊り足場ユニットの複数の吊り足場を連結部で折り畳んで設置する工程と、
    前記吊り足場ユニットの先端側の1単位の前記吊り足場から順次引き出して複数単位の前記吊り足場を連結部を挟んで広げて連続した足場を架設する工程と、
    を備えたことを特徴とする足場の架設工法。
  6. 前記吊り足場ユニットは構築物の下部に設置されており、
    前記吊り足場ユニットの先端側の1単位の前記吊り足場から順次引き上げて、所定高さ位置で水平方向に引き出して複数の前記吊り足場を連結部を挟んで広げて連続した吊り足場を架設するようにした請求項5に記載された足場の架設工法。
  7. 引き上げられた1単位の前記吊り足場に吊り治具を取り付け、
    前記構築物に設けたフランジに前記吊り治具に設けた支持ローラーを載置させて走行させることで、前記複数の吊り足場を前記構築物のフランジに沿って移動させて連続して架設するようにした請求項5または6に記載された足場の架設工法。
  8. 前記吊り治具には、前記フランジの両端を挟むガイドローラーが設けられている請求項7に記載された足場の架設工法。
  9. 前記構築物に設けたフランジ同士を連結する添接部の上に傾斜面を備えた乗り越えスロープを設置し、前記支持ローラーは乗り越えスロープを走行することで添接部を乗り越えるようにした請求項7または8に記載された足場の架設工法。
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