JP6660660B2 - 強化ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強化ガラス板の製造方法に関し、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等の表示デバイスのカバーガラスに好適な強化ガラス板の製造方法に関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ等の表示デバイスは、益々普及する傾向にある。
従来、これらの用途では、ディスプレイを保護するための保護部材としてアクリル等の樹脂板が用いられていた。しかし、樹脂板は、ヤング率が低いため、ペンや人の指等でディスプレイの表示面が押された場合に撓み易い。このため、樹脂板が内部のディスプレイに接触して、表示不良が発生することがあった。また、樹脂板は、表面に傷が付き易く、視認性が低下し易いという問題もあった。これらの問題を解決する方法は、保護部材としてガラス板を用いることである。この用途のガラス板には、(1)高い機械的強度を有すること、(2)低密度で軽量であること、(3)安価で多量に供給できること、(4)泡品位に優れること、(5)可視域において高い光透過率を有すること、(6)ペンや指等で表面を押した際に撓み難いように高いヤング率を有すること等が要求される。特に、(1)の要件を満たさない場合は、保護部材として用を足さなくなるため、従来からイオン交換処理した強化ガラス板が用いられている(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
従来まで、強化ガラス板は、予め強化用ガラス板を所定形状に切断した後、イオン交換処理を行う方法、所謂、「強化前切断」で作製されていたが、近年、大型の強化用ガラス板をイオン交換処理した後、所定サイズに切断する方法、所謂、「強化後切断」が検討されている。強化後切断を行うと、強化ガラス板や各種デバイスの製造効率が飛躍的に向上するという利点が得られる。
特開2006−83045号公報 特開2011−88763号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
ところで、フロート法は、薄型のガラス板を安価、且つ大量に作製し得るため、強化用ガラス板の成形方法として一般的である。例えば、特許文献2には、フロート法で成形されてなると共に、ガラス組成として、モル%で、SiO 67〜75%、Al 0〜4%、NaO 7〜15%、KO 1〜9%、MgO 6〜14%、CaO 0〜1%、ZrO 0〜1.5%、SiO+Al 71〜75%、NaO+KO 12〜20%を含有し、且つ厚み1.5mm以下の強化用ガラス板が開示されている。
しかし、フロート法で成形された強化用ガラス板をイオン交換処理すると、ガラス製造工程中でスズ浴に接した側、所謂ボトム面と、その反対側、所謂トップ面とでは、表面近傍の性状、組成が相違し、強化ガラス板がトップ面側に凸に反るという問題が生じる。強化ガラス板の反り量が大きいと、強化ガラス板の歩留まりが低下する。
一方、フロート法以外の方法、例えばオーバーフローダウンドロー法で強化用ガラス板を成形すれば、表面と裏面の性状差、組成差を低減し得るため、これによる反り量を低減することができる。しかし、フロート法以外の方法で成形する場合であっても、強化用ガラス板が薄型化すると、強化ガラス板が反ってしまうことがある。
この現象は、薄型の強化用ガラス板をイオン交換処理して、強化ガラス板を得る場合に、顕在化し易くなる。また、複数の強化用ガラス板を同時にイオン交換処理して、強化ガラス板を得る場合に、更に顕在化し易くなる。なお、複数の強化用ガラス板を同時にイオン交換処理する場合、強化ガラス板の反り量が大き過ぎると、強化ガラス板同士が干渉し、傷が発生する虞もある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、技術的課題は、薄型、且つ複数の強化用ガラス板をイオン交換処理して、強化ガラス板を得る場合であっても、反り量を可及的に低減し得る強化ガラス板の製造方法を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、薄型、且つ複数の強化用ガラス板を所定間隔で支持体内に配置し、これをイオン交換処理した後に、徐冷することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の強化ガラス板の製造方法は、略矩形で且つ板厚1.0mm以下の強化用ガラス板を直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列して、強化用ガラス板配列体を得る配列工程と、強化用ガラス板配列体をイオン交換溶液に浸漬して、イオン交換処理し、強化ガラス板配列体を得る強化工程と、強化ガラス板配列体をイオン交換溶液から取り出した後、徐冷する徐冷工程と、支持体から強化ガラス板配列体を構成している各強化ガラス板を取り出す取出し工程と、を有することを特徴とする。ここで、「略矩形」とは、長方形のみならず、正方形も含む。更に部分的に曲面部、孔部等を有する場合、例えば、長方形の角部が曲面状又は切り欠き状に面取りされている場合を含み、表面内に孔部又は開口部を有する場合も含む。「10mm以下の間隔を置いて」とは、部分的に10mm超の間隔で強化用ガラス板が配列されていても、10mm以下の間隔を置いて強化用ガラス板を配列している領域が存在していれば、該当するものとする。但し、すべての強化ガラス板が10mm以下の間隔で配列されていることが好ましい。「直立姿勢」とは、完全な鉛直姿勢に限定されず、鉛直方向から0〜30°程度傾いた状態も含む。「徐冷」とは、イオン交換溶液から直接室温下に取り出すような急冷よりも、緩やかなスピードで冷却する場合を指し、例えば、150℃以上、歪点未満の温度域で60℃/分以下の降温速度で降温する場合を指す。
従来の強化ガラス板は、イオン交換溶液から取り出した後に、室温まで急冷することで作製されていた。本発明者等が鋭意検討したところ、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、反り量を低減し得ることを見出した。反り量を低減し得る理由は、不明であり、現在、調査中である。
現時点では、イオン交換処理後の冷却時の温度分布のばらつきが反りの一因であると推定される。従来のように、イオン交換溶液から強化ガラス板を取り出した後、直ちに室温まで急冷すると、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきが大きくなり、すなわち強化ガラス板の面内中央部が周縁部に比べて高温になるため、熱膨張差に起因して、強化ガラス板が反り易くなる。この反りは、強化ガラス板が常温まで冷却されて、強化ガラス板の面内の温度分布がなくなると、ある程度解消されるが、完全には解消されない。そこで、本願発明のように、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、冷却時に、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきを小さくすることができる。なお、現状では実証されていないが、アルカリイオンが、イオン交換処理の際に、圧縮応力層の表層部分において偏析した状態で固定されることが、反りの一因であり、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、アルカリイオンの移動が進むことにより、アルカリイオンの偏析状態が徐々に解消されて、結果として、反り量が改善されている可能性もある。
ガラス板は、歪点以下の温度では、熱変形しないことが知られており、従来の強化ガラス板は、イオン交換溶液から取り出した後に、室温まで急冷することで作製されていた。本発明者等が鋭意検討したところ、強化ガラス板の場合、意外なことに、歪点未満の温度環境下でも、反り量を低減し得ることを見出すと共に、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、反り量を低減し得ることを見出した。反り量を低減し得る理由は、不明であり、現在、調査中である。本発明者等は、強化ガラス板の場合、アルカリイオンが、イオン交換処理の際に、圧縮応力層の表層部分において偏析した状態で固定されることが、反りの一因になり、本願発明のように、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、アルカリイオンの移動が進むことにより、アルカリイオンの偏析状態が徐々に解消されて、結果として、反り量が低減されるものと推定している。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、略矩形で且つ板厚1.0mm以下の強化用ガラス板を直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列して、強化用ガラス板配列体を得る配列工程を有する。従来までは、強化用ガラス板を密に配列した状態でイオン交換処理すると、強化ガラス板の反り量が増大するという問題があった。一方、本願発明のように、イオン交換処理後に強化ガラス板を徐冷すると、強化用ガラス板を密に配列しても、強化ガラス板の反り量を低減することが可能になる。結果として、従来よりもイオン交換処理の効率を高めることができる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、強化ガラス板配列体を構成している全ての強化ガラス板についての平均反り率が0.5%未満になるように徐冷することが好ましい。ここで、「平均反り率」は、一つの支持体から取り出した全ての強化ガラス板の反り率の平均値である。「反り率」は、レーザー変位計により、測定距離内での最大変位量を測定距離で除した値を指し、例えば、強化ガラス板を水平面に対して、87°に傾いた状態でステージに立て掛けて、強化ガラス板の上方端面から面内に向かって、5mmオフセットした直線測定領域を走査することで測定することが好ましい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、徐冷工程で、イオン交換溶液の温度から100℃までの冷却時間が1分間以上であることが好ましい。このようにすれば、反り量を低減し易くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、徐冷時に、100℃以上で且つ(歪点−100)℃未満の温度で保持することが好ましい。このようにすれば、反り量を低減し易くなると共に、熱処理によりイオン交換反応が進行し難くなり、所望の圧縮応力値を得易くなる。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。また、「保持」とは、所定温度±8℃の状態で一定時間維持することを指す。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、強化ガラス板配列体を断熱構造体内に配置し、徐冷することが好ましい。このようにすれば、強化ガラス板が徐々に冷却されることになり、結果として、強化ガラス板の反り量を低減することができる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比が、0.67超で且つ0.95以下になるように徐冷すること、つまり上記の比をRとした場合に、0.67<R≦0.95になるように徐冷することが好ましい。上記の通り、圧縮応力層の表層部分において、アルカリイオンの濃度勾配が緩やかであると、アルカリイオンの偏析が少ないものと考えられる。そこで、徐冷により、強化ガラス板の(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比を、0.67超で且つ0.95以下に規制すれば、アルカリイオンの移動が進み、アルカリイオンの偏析状態が徐々に解消されて、結果として、反り量が低減されるものと推定される。なお、「(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)」は、表面でのKの発光強度を1とした場合(この場合、深部のKの発光強度が0になる)、深さ方向における表面から内部に至るK濃度の減少が略収束したときの内部のKの発光強度(例えば応力深さよりも10μm深い領域のK発光強度)の割合を表し、GD−OESで測定可能である。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、徐冷時に、強化ガラス板配列体に送風することが好ましい。このようにすれば、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきを抑制することができ、結果として、強化ガラス板の反り量を低減することができる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、取り出し工程後に、更に強化ガラス板を所定サイズに切断する強化後切断工程を有することが好ましい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法で強化用ガラス板を成形することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法で成形すれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を作製し易くなり、また大型、薄型のガラス板を作製し易くなり、結果として、強化ガラスの表面の機械的強度を高め易くなる。更に表面と裏面とのそれぞれの面近傍の性状差、組成差が同等になり易く、これによる反りを抑制し易くなる。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を成形する方法である。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上、且つ圧縮応力層の応力深さが15μm以上になるように、イオン交換処理することが好ましい。ここで、「圧縮応力層の圧縮応力値」および「圧縮応力層の応力深さ」は、表面応力計(例えば、有限会社折原製作所製FSM−6000)を用いて、試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成中にNaOを1〜20質量%含む強化用ガラス板を使用することが好ましい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%を含有する強化用ガラス板を使用することが好ましい。このようにすれば、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立することができる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、歪点が500℃以上の強化用ガラス板を使用することが好ましい。このようにすれば、強化ガラス板の耐熱性が向上し、強化ガラス板の反り量を低減し易くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、表面の全部又は一部を研磨する研磨工程を有しないことが好ましい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、表示デバイスのカバーガラスに用いることが好ましい。
本発明の強化用ガラス板配列体は、略矩形の強化用ガラス板が、直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列されていることを特徴とする。
本発明の強化ガラス板配列体は、略矩形の強化ガラス板が、直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列されていることを特徴とする。
本発明の強化ガラス板配列体は、全ての強化ガラス板の平均反り率が0.5%未満であることが好ましい。
本発明の強化ガラス板は、略矩形の強化ガラス板であって、板厚が0.7mm以下であり、且つ反り率が0.5%未満であることを特徴とする。
本発明の強化ガラス板は、(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比が、0.67超で且つ0.95以下であることが好ましい。
本発明の支持体は、略矩形で且つ板厚1.0mm以下の強化ガラス板を直立姿勢で厚み方向に複数配列するための支持体であって、強化ガラス板を10mm以下の間隔を置いて複数配列するための支持部を有することを特徴とする。
強化用ガラス板(強化ガラス板配列体)を複数配列するための支持体の一態様を例示する概略斜視図である。 強化ガラス板配列体に送風するための構成の一態様を例示する概略斜視図である。 [実施例6]に係る試料No.5の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.6の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.7の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.8の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.9の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.10の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.11の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。 [実施例6]に係る試料No.12の表層近傍のアルカリ成分のGD−OESのデータである。
以下、強化用ガラス板(強化ガラス板)の寸法について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法において、強化用ガラス板の板厚を1.5mm以下、1.0mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下または0.5mm未満に規制することが好ましく、特に0.4mm以下に規制することが好ましい。このようにすれば、表示デバイスの軽量化を図り易くなると共に、強化後切断を行う場合に、表面の圧縮応力層の影響により、切断面に圧縮応力が生じ易くなり、切断面の機械的強度が低下し難くなる。一方、板厚が小さ過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。また強化工程後に、強化ガラス板が反り易くなる。よって、板厚は0.1mm以上が好ましい。なお、板厚が小さい程、強化ガラス板が反り易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。
強化用ガラス板の板面積を0.01m以上、0.1m以上、0.25m以上、0.35m以上、0.45m以上、0.8m以上、1m以上、1.2m以上、1.5m以上、2m以上、1.2.5m以上、3m以上、3.5m以上、4m以上または4.5m以上に規制することが好ましく、特に5〜10mに規制することが好ましい。板面積が大きい程、強化後切断による強化ガラス板の採取枚数が多くなり、強化ガラス板や各種デバイスの製造効率が飛躍的に向上する。ここで、「板面積」とは、端面を除く板表面の面積を指し、表面と裏面のとの何れか一方の面積を指す。なお、板面積が大きい程、強化ガラス板が反り易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。
デジタルサイネージ用途の場合、強化ガラス板の板面積が例えば1m以上になり得るが、この場合、冷却時に、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきが大きくなり、熱膨張差に起因して、強化ガラス板の反り量を増大し易くなる。よって、この用途の場合、強化ガラス板が反り易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。
以下、配列工程について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法において、10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列するが、配列間隔は9mm以下、8mm以下または7mm以下であることが好ましく、もしくは0.1mm以上で且つ6mm以下、または1mm以上で且つ5mm未満であることが好ましく、特に1.5mm以上で且つ3mm未満が好ましい。配列間隔が大き過ぎると、強化ガラス板の製造効率が低下し易くなる。なお、配列間隔が小さ過ぎると、強化ガラス板同士が干渉し、傷が発生する虞が生じる。
強化用ガラス板を鉛直方向から0〜20°程度傾いた状態、または鉛直方向から0〜10°程度傾いた状態、特に鉛直方向から0〜5°程度傾いた状態で支持体に複数配列することが好ましい。このようにすれば、支持体への強化用ガラス板の収納率が向上する。
支持体は、複数の強化用ガラス板を狭ピッチで収納し得る限り、どのような構造でもよい。支持体は、例えば、枠部と、強化用ガラス板の側縁部を支持する側縁支持部と、強化用ガラス板の下端部を支持するための下端支持部とを有する構造が好ましい。側縁支持部及び/又は下端支持部に、V溝等の凹部を設けることが好ましい。このようにすれば、強化用ガラス板を溝部に当接させることにより、強化用ガラス板を所定間隔で支持することができる。なお、側縁支持部と下端支持部は、例えば、凹部を有する棒状又は針金状の部材が好ましい。
図1は、強化用ガラス板(強化ガラス板配列体)を複数配列するための支持体の一態様を例示する概略斜視図である。図1に示す支持体1は、枠部2と、強化用ガラス板3を支持する支持部4とを主要な構成要素とする。
支持部4は、複数枚の強化用ガラス板3を直立姿勢で厚み方向に10mm以下の隙間を置いて配列した状態で支持する。詳述すれば、支持部4は、強化用ガラス板3の一対の側縁部を支持する側縁支持部4aと、強化用ガラス板3の下端部を支持する下端支持部4bとで構成される。
側縁支持部4aは、その両端が、不図示のボルト等の締結部材によって着脱自在に梁枠部2eの上面に取り付けられる。側縁支持部4aは、強化用ガラス板3の同じ高さの側縁部を支持する一対が、同じ高さの梁枠部2eに取り付けられる。側縁支持部4aは、強化用ガラス板3の側縁部に対向する凹部を有し、この凹部が強化用ガラス板3の側縁部に当接して支持することよって、強化用ガラス板3を厚さ方向に位置決めする。
下端支持部4bは、その両端が、底枠部2aにおける一対の長辺部の上面に、不図示のボルト等の締結部材によって着脱自在に取り付けられる。下端支持部4bは、強化用ガラス板3を上面で支持するだけで、強化用ガラス板3を厚さ方向に位置決めする凹部等の要素を有さない。なお、下端支持部4bは、強化用ガラス板3を厚さ方向に位置決めする要素を有してもよい。
保温板5は、両側枠部2bに配設され、支持部4に支持される複数の強化用ガラス板3の両側縁部に対面した状態で、これらの強化用ガラス板3を保温するものであるが、必要に応じて、保温板5を除いてもよい。なお、本実施形態では、保温板5は、複数の強化用ガラス板3の両側方にのみ配設されている。したがって、枠部2のうち、強化用ガラス板3の厚み方向の最前面と最背面の強化用ガラス板3のそれぞれに対面する前枠部2cと後枠部2dには、開口部が存在している。また、強化用ガラス板3の下側に存する底枠部2aにも、開口部が存在している。
以下、強化工程について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、イオン交換溶液に浸漬して、イオン交換処理し、その表面に圧縮応力層を形成する。イオン交換処理は、強化用ガラス板の歪点以下の温度でガラス表面にイオン半径が大きいアルカリイオンを導入する方法である。イオン交換溶液によりイオン交換処理すれば、板厚が小さい場合でも、圧縮応力層を適正に形成することができる。
イオン交換溶液、イオン交換温度及びイオン交換時間は、ガラスの粘度特性等を考慮して決定すればよい。特に、強化用ガラス板中のNa成分をKNO溶融塩中のKイオンとイオン交換処理すると、表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上(望ましくは500MPa以上、600MPa以上または650MPa以上、特に望ましくは700MPa以上)、且つ圧縮応力層の応力深さが15μm以上(望ましくは20μm以上、25μm以上または30μm以上、特に望ましくは35μm以上)になるように、イオン交換溶液によりイオン交換処理することが好ましい。圧縮応力値が大きい程、強化ガラス板の機械的強度が高くなる。一方、圧縮応力値が大き過ぎると、強化ガラス板をスクライブ切断し難くなる。よって、圧縮応力層の圧縮応力値は、好ましくは1500MPa以下または1200MPa以下、特に好ましくは1000MPa以下である。なお、ガラス組成中のAl、TiO、ZrO、MgO、ZnOの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。
応力深さが大きい程、強化ガラス板に深い傷が付いても、強化ガラス板が割れ難くなると共に、機械的強度のばらつきが小さくなる。一方、応力深さが大き過ぎると、強化ガラス板をスクライブ切断し難くなる。応力深さは、好ましくは100μm以下、80μm未満または60μm以下、特に好ましくは52μm未満である。なお、ガラス組成中のKO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、応力深さが大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げれば、応力深さが大きくなる傾向がある。
以下、徐冷工程について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、強化ガラス板配列体をイオン交換溶液から取り出した後、徐冷する徐冷工程を有し、イオン交換溶液から取り出した後、連続的に徐冷することが好ましく、イオン交換槽の上部に断熱構造体を設けて、イオン交換溶液から強化ガラス板配列体を上方に取り出した時に、直ちに強化ガラス板配列体を徐冷することが好ましい。このようにすれば、強化ガラス板の製造効率が向上すると共に、強化ガラス板の反り量を低減し易くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法において、150℃以上で且つ歪点未満の温度域で、25℃/分以下または20℃/分以下の降温速度で降温する好ましく、その際の降温時間は好ましくは3分間以上、5分間以上、7分間以上または10分間以上である。降温速度が速くなると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。また、降温時間が短くなると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。
複数の強化ガラス板の平均反り率が0.5%未満、0.3%以下、0.23%未満、0.2%以下、0.18%以下、0.15%未満または0.13%以下、特に0.10%未満になるように徐冷することが好ましい。平均反り率が大きいと、強化ガラス板の製造歩留まりが低下し易くなる。なお、個別の強化ガラス板の反り率が0.3%以下、0.23%未満、0.2%以下、0.18%以下、0.15%未満または0.13%以下、特に0.10%未満になるように徐冷することも好ましい。反り率が大きいと、強化ガラス板の製造歩留まりが低下し易くなる。
イオン交換溶液の温度から100℃の温度までの冷却時間は、1分間以上、3分間以上、5分間以上、10〜250分間、または12〜200分間、特に15〜90分間が好ましい。冷却時間が短過ぎると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。一方、冷却時間が長過ぎると、強化ガラス板の製造効率が低下し易くなると共に、冷却時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。なお、「冷却」とは、徐冷と急冷を併せた概念である。
100℃以上で且つ(歪点−100)℃未満の温度域、または150℃以上で且つ(歪点−150)℃未満の温度域、特に200℃以上で且つ(歪点−200)℃未満の温度域で徐冷することが好ましい。徐冷温度域が低過ぎると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。一方、徐冷温度域が高過ぎると、徐冷時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。徐冷時間は、1分間以上、3分間以上、5分間以上、10〜250分間、または2〜200分間、特に15〜90分間が好ましい。徐冷時間が短過ぎると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。一方、徐冷時間が長過ぎると、強化ガラス板の製造効率が低下し易くなると共に、徐冷時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。
徐冷時に、100℃以上で且つ(歪点−100)℃未満の温度、または150℃以上で且つ(歪点−150)℃未満の温度、特に200℃以上、(歪点−200)℃未満の温度で保持することが好ましい。保持温度が低過ぎると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。一方、保持温度が高過ぎると、徐冷時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。保持時間は、1分間以上、3分間以上、5分間以上、10〜250分間、または12〜200分間、特に15〜90分間が好ましい。保持時間が短過ぎると、強化ガラス板の反り量を低減し難くなる。一方、保持時間が長過ぎると、強化ガラス板の製造効率が低下し易くなると共に、徐冷時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。
徐冷後に、100℃未満の温度まで急冷する工程を設けることが好ましい。この際、降温速度は30℃/分超が好ましく、特に50℃/分以上が好ましい。このようにすれば、強化ガラス板の反り量を改善した上で、強化ガラス板の製造効率を高めることができる。
徐冷後に20℃以上、または30℃以上、特に40℃以上昇温する工程を設けてもよいが、工程を設けると、強化ガラス板の製造効率が低下し易くなると共に、昇温時にイオン交換反応が進行し、圧縮応力値が低下し易くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、強化ガラス板配列体を断熱構造体内に配置し、徐冷することが好ましい。このようにすれば、強化ガラス板配列体が徐々に冷却されることになり、強化ガラス板の反り量を低減し易くなる。断熱構造体は、ヒーター等の加熱手段を有していることが好ましい。具体的には、徐冷炉等が使用可能である。このようにすれば、降温速度を制御し易くなる。また、断熱構造体は、完全に気密である必要はなく、開口部を有していてもよい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比が、0.67超で且つ0.95になるように徐冷することが好ましい。(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の好適な下限比は0.68以上、0.70以上、0.72以上、または0.74以上、特に0.75以上であり、好適な上限比は0.92以下、0.90以下、または0.88以下、特に0.86以下である。(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)が大き過ぎると、アルカリイオンが、圧縮応力層の表層部分において偏析した状態で固定されるため、強化ガラス板の反り量が大きくなり易い。一方、(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)が小さ過ぎると、圧縮応力値が小さくなり易く、機械的強度を維持し難くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、徐冷時に、強化ガラス板配列体に送風することが好ましく、強化ガラス板の間隔に向けて送風することがより好ましく、強化ガラス板の間隔に向けて下方から送風することがより好ましい。このようにすれば、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきが小さくなり、強化ガラス板の反り量を低減することができる。なお、冷風を送風すれば、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきを低減しながら、強化ガラス板を冷却することができる。熱風を送付すれば、強化ガラス板の面内の温度分布のばらつきを低減しながら、強化ガラス板を徐冷することができる。なお、送風手段として、周知の送風機(ファンやブロワー等)を用いることができる。
図2は、徐冷時において強化ガラス板配列体に送風するための送風装置の一態様を例示する概略斜視図である。同図に示すように、この送風装置10は、内部を気体が上下方向に流通可能な管状(角管状)の包囲体11の内部空間に、複数の強化ガラス板3を直立姿勢で隙間を開けて支持体1に配列してなる強化ガラス板配列体12が収容されて構成されている。包囲体10の上端部には、ファンやブロワー等からなる送風手段13が設置される共に、包囲体10の下端部には、開口部11aが形成されている。そして、送風手段13の駆動に伴って、包囲体11の下端部の開口部11aからその内部空間に流入した気体は、矢印で示すように、強化ガラス板配列体12の配設箇所を通過して上方に流れ、包囲体10の上端部から外部に流出するように構成されている。なお、気体は、エアであるが、窒素やアルゴン等の不活性ガスであってもよい。
このような構成によれば、包囲体11の内部空間を上方に向かって流れる気体は、強化ガラス板配列体12を構成している全ての強化ガラス板3の表面及び裏面に接触する。この場合、包囲体11の内部空間における気体の流れ方向は、各強化ガラス板3の表面及び裏面と平行であるため、大きな通気抵抗が生じることはない。なお、上記の構成に代えて、包囲体11の下端部に送風手段13を設置すると共に、包囲体11の上端部に開口部11aを形成することによって、包囲体11の内部空間で気体が上方に向かって流れるようにしてもよい。また、包囲体11を設けることなく、支持体1と共に強化ガラス板配列体12を露出させた状態で、別途配設した送風手段によって、強化ガラス板配列体12に向かって送風するようにしてもよい。さらに、気体の流れる方向も、上方に向かうことが好ましいが、下方に向かう気体の流れが生成されるようにしてもよい。
以下、取り出し工程について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、支持体から強化ガラス板を取り出す取出し工程を有する。強化ガラス板を取り出す時の強化ガラス板の温度(又は環境温度)は、100℃未満、特に50℃以下が好ましい。このようにすれば、取り出し時に、強化ガラス板がサーマルショックで破損する事態を防止し易くなる。
以下、強化用ガラスについて説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、オーバーフローダウンドロー法で強化用ガラス板を成形することが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を成形し易くなり、結果として、強化ガラス板の表面の機械的強度を高め易くなる。この理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、表面となるべき面が樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラスリボンに対して力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスリボンに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスリボンの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、スロットダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法、リドロー法等で成形してもよい。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成中にNaOを1〜20質量%含むように、強化用ガラス板を作製することが好ましい。NaOは、主要なイオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。しかし、NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下したり、イオン交換性能が低下し易くなる。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%を含有するように、強化用ガラス板を作製することが好ましい。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は質量%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは50〜80%、52〜75%、55〜72%、または55〜70%、特に好ましくは55〜67.5%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなる。
Alは、イオン交換性能を高める成分であり、また歪点やヤング率を高める成分である。Alの含有量は5〜25%が好ましい。Alの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなることに加えて、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、Alの好適な下限範囲は7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、または15%以上、特に16%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラス板を成形し難くなる。また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなり、更には高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は22%以下、20%以下、19%以下、または18%以下、特に17%以下である。なお、イオン交換性能を重視する場合、Alの含有量を可及的に増加させることが好ましく、例えばAlの含有量を17%以上、18%以上、19%以上または20%以上、特に21%以上とすることが好ましい。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる成分である。またクラックレジスタンスを高める成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、イオン交換処理によって、ヤケと呼ばれる表面の着色が発生したり、耐水性が低下したり、圧縮応力層の圧縮応力値が低下したり、圧縮応力層の応力深さが小さくなる傾向がある。よって、Bの含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜12%、1〜10%、1超〜8%、または1.5〜6%、特に好ましくは2〜5%である。なお、イオン交換性能を重視する場合、Bの含有量を可及的に増加させることが好ましく、例えばBの含有量を2.5%以上、3%以上、3.5%以上または4%以上、特に4.5%以上とすることが好ましい。
NaOは、主要なイオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量は1〜20%である。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下したり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、NaOを導入する場合、NaOの好適な下限範囲は10%以上または11%以上、特に12%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの好適な上限範囲は17%以下、特に16%以下である。
Oは、イオン交換を促進する成分であり、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力層の応力深さを増大させる効果が大きい成分である。また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更には、耐失透性を改善する成分でもある。KOの含有量は0〜10%である。KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの好適な上限範囲は8%以下、6%以下または4%以下、特に2%未満である。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を導入してもよい。
LiOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。またヤング率を高める成分である。更にアルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を増大させる効果が大きい。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなる。また、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなると、かえって圧縮応力値が小さくなる場合がある。従って、LiOの含有量は、好ましくは0〜3.5%、0〜2%、0〜1%または0〜0.5%、特に0.01〜0.2%である。
LiO+NaO+KOの好適な含有量は5〜25%、10〜22%、または15〜22%、特に17〜22%である。LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能や溶融性が低下し易くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎて、高い圧縮応力値が得られ難くなる場合がある。更に液相温度付近の粘性が低下して、高い液相粘度を確保し難くなる場合もある。なお、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり易く、またガラスが失透し易くなる。よって、MgOの好適な上限範囲は12%以下、10%以下、8%以下または5%以下、特に4%以下である。なお、ガラス組成中にMgOを導入する場合、MgOの好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上または1%以上、特に2%以上である。
CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める効果が大きい。CaOの含有量は0〜10%が好ましい。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり、またガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなったり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、CaOの好適な含有量は0〜5%、0.01〜4%、または0.1〜3%、特に1〜2.5%である。
SrOは、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分である。しかし、SrOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなったり、イオン交換性能が低下したり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなる。SrOの好適な含有範囲は0〜5%、0〜3%、または0〜1%、特に0〜0.1%未満である。
BaOは、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなったり、イオン交換性能が低下したり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなる。BaOの好適な含有範囲は0〜5%、0〜3%、または0〜1%、特に0〜0.1%未満である。
ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力値を増大させる効果が大きい成分である。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなったり、圧縮応力層の応力深さが小さくなる傾向がある。よって、ZnOの含有量は0〜6%、0〜5%、0〜1%、または0〜0.5%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞があり、また密度が高くなり過ぎる虞がある。よって、ZrOの好適な上限範囲は10%以下、8%以下または6%以下、特に5%以下である。なお、イオン交換性能を高めたい場合、ガラス組成中にZrOを導入することが好ましく、その場合、ZrOの好適な下限範囲は0.01%以上または0.5%、特に1%以上である。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力層の応力深さを大きくする成分である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。よって、Pの好適な上限範囲は10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下または1%以下、特に0.1%未満である。
清澄剤として、As、Sb、SnO、F、Cl、SOの群(好ましくはSnO、Cl、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0〜30000ppm(3%)導入してもよい。SnO+SO+Clの含有量は、清澄効果を的確に享受する観点から、好ましくは0〜10000ppm、50〜5000ppm、80〜4000ppm、または100〜3000ppm、特に300〜3000ppmである。ここで、「SnO+SO+Cl」は、SnO、SO及びClの合量を指す。
SnOの好適な含有範囲は0〜10000ppm、または0〜7000ppm、特に50〜6000ppmである、Clの好適な含有範囲は0〜1500ppm、0〜1200ppm、0〜800ppm、または0〜500ppm、特に50〜300ppmである。SOの好適な含有範囲は0〜1000ppm、または0〜800ppm、特に10〜500ppmである。
Nd、La等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分であり、また補色となる色を加えると、消色して、ガラスの色味をコントロールし得る成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に導入すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の含有量は、好ましくは4%以下、3%以下、2%以下または1%以下、特に0.5%以下である。
本発明では、環境面の配慮から、実質的にAs、F、PbO、Biを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にAsを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Asの含有量が500ppm未満であることを指す。「実質的にFを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にFを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Fの含有量が500ppm未満であることを指す。「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にPbOを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、PbOの含有量が500ppm未満であることを指す。「実質的にBiを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にBiを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Biの含有量が500ppm未満であることを指す。
以下の特性を有するように、強化用ガラスを作製することが好ましい。
密度は、2.6g/cm以下、特に2.55g/cm以下が好ましい。密度が低い程、強化ガラス板を軽量化することができる。なお、ガラス組成中のSiO、B、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を低減すれば、密度が低下し易くなる。なお、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定可能である。
熱膨張係数は、好ましくは80×10−7〜120×10−7/℃、85×10−7〜110×10−7/℃、または90×10−7〜110×10−7/℃、特に90×10−7〜105×10−7/℃である。熱膨張係数を上記範囲に規制すれば、金属、有機系接着剤等の部材の熱膨張係数に整合し易くなり、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定した値を指す。なお、ガラス組成中のSiO、Al、B、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を増加すれば、熱膨張係数が高くなり易く、逆にアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を低減すれば、熱膨張係数が低下し易くなる。
歪点は、好ましくは500℃以上、520℃以上または530℃以上、特に550℃以上である。歪点が高い程、耐熱性が向上して、強化ガラス板が反り難くなる。更にタッチパネルセンサー等のパターニングにおいて、高品位な膜を形成し易くなる。なお、ガラス組成中のアルカリ土類金属酸化物、Al、ZrO、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物の含有量を低減すれば、歪点が高くなり易い。
104.0dPa・sにおける温度は、好ましくは1280℃以下、1230℃以下、1200℃以下または1180℃以下、特に1160℃以下である。ここで、「104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。104.0dPa・sにおける温度が低い程、成形設備への負担が軽減されて、成形設備が長寿命化し、結果として、強化用ガラス板の製造コストを低廉化し易くなる。なお、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、104.0dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1620℃以下、1550℃以下、1530℃以下または1500℃以下、特に1450℃以下である。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。102.5dPa・sにおける温度が低い程、低温溶融が可能になり、溶融窯等のガラス製造設備への負担が軽減されると共に、泡品位を高め易くなる。よって、102.5dPa・sにおける温度が低い程、強化用ガラス板の製造コストを低廉化し易くなる。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当する。また、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、102.5dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
液相温度は、好ましくは1200℃以下、1150℃以下、1100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、950℃以下または900℃以下、特に880℃以下である。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。なお、液相温度が低い程、耐失透性や成形性が向上する。また、ガラス組成中のNaO、KO、Bの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相温度が低下し易くなる。
液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.4dPa・s以上、105.6dPa・s以上、106.0dPa・s以上、または106.2dPa・s以上、特に106.3dPa・s以上である。ここで、「液相粘度」は、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。なお、液相粘度が高い程、耐失透性や成形性が向上する。また、ガラス組成中のNaO、KOの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相粘度が高くなり易い。
β−OH値は0.45mm−1以下、0.4mm−1以下、0.3mm−1以下、0.28mm−1以下、または0.25mm−1以下、特に0.10〜0.22mm−1が好ましい。β−OH値が小さい程、歪点が高くなると共に、イオン交換性能が向上する。ここで、「β−OH値」は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の式を用いて求めた値を指す。
β−OH値 = (1/X)log(T/T
X:試料厚み(mm)
:参照波長3846cm−1における透過率(%)
:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
β−OH値を低下させる方法として、例えば、以下の(1)〜(7)の方法が挙げられる。(1)含水量の低い原料を選択する。(2)原料中に水分を添加しない。(3)水分量を減少させる成分(Cl、SO等)の添加量を増やす。(4)炉内雰囲気中の水分量を低下させる。(5)溶融ガラス中でNバブリングを行う。(6)小型溶融炉を採用する。(7)溶融ガラスの流量を速くする。
以下、研磨工程、切断工程等について説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、表面を研磨する工程を有しないことが好ましく、また未研磨の表面の平均表面粗さ(Ra)は好ましくは10Å以下、より好ましくは5Å以下、より好ましくは4Å以下、更に好ましくは3Å以下、最も好ましくは2Å以下に制御することが望ましい。なお、平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7−97「FPDガラス板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定すればよい。ガラスの理論強度は本来非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。それ故、強化ガラス板の表面を未研磨とすれば、イオン交換処理後に、強化ガラス板の機械的強度が維持されて、強化ガラス板が破壊し難くなる。また、イオン交換処理後にスクライブ切断を行う際に、表面が未研磨であると、スクライブ切断時に不当なクラック、破損等が生じ難くなる。更に、強化ガラス板の表面を未研磨とすれば、研磨工程を省略し得るため、強化ガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、未研磨の表面を得るためには、オーバーフローダウンドロー法で強化用ガラス板を成形すればよい。
本発明の強化ガラス板の製造方法において、強化ガラス板を所定サイズに切断する時期は特に限定されないが、イオン交換処理後に、所定サイズに切断する工程を設けると、すなわち強化後切断すると、徐冷工程で反り量が低減された強化ガラス板を切断することになるから、強化後切断の効率を高め易くなる。結果として、強化ガラス板の製造効率を高めることができる。また、イオン交換処理前に、所定サイズに切断する工程を設けることも好ましい。このようにすれば、強化用ガラス板の寸法が小さくなるため、強化ガラス板の反り量を低減し易くなる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、強化ガラス板の製造効率の観点から、強化後スクライブ切断されてなることが好ましい。強化ガラス板をスクライブ切断する場合、スクライブ傷の深さが応力厚みより大きく、且つ内部の引っ張り応力値が80MPa以下(望ましくは70MPa以下、60MPa以下、50MPa以下)であることが好ましい。また、強化ガラス板の端面から5mm以上内側に離れた領域から、スクライブを開始することが好ましく、対向する端面から5mm以上内側の領域で、スクライブを終了することが好ましい。このようにすれば、スクライブ時に意図しない割れが発生し難くなり、強化後スクライブ切断を適正に行い易くなる。ここで、内部の引っ張り応力値は、以下の式で算出される値である。
内部の引っ張り応力値=(圧縮応力値×応力深さ)/(厚み−応力深さ×2)
強化後スクライブ切断する場合、強化ガラス板の表面にスクライブラインを形成した後、該スクライブラインに沿って、分断することが好ましい。このようにすれば、切断時に意図しないクラックが進展し難くなる。スクライブラインに沿って、強化ガラス板を分断するには、スクライブラインの形成中に、強化ガラスが自己破壊しないことが重要になる。自己破壊とは、強化ガラス板の表面に存在する圧縮応力、内部に存在する引っ張り応力の影響により、応力深さより深いダメージを受けた場合に、強化ガラス板が自発的に破壊される現象である。スクライブラインの形成中に強化ガラス板の自己破壊が始まると、所望の切断を行うことが困難になる。このために、スクライブラインの深さを応力深さの10倍以内、5倍以内、特に3倍以内に規制することが好ましい。なお、スクライブラインの形成には、作業性の点で、ダイヤモンドホイールチップ等を用いることが好ましい。
強化後切断される場合、強化ガラス板の端面(切断面)と表面が交差する端縁領域の一部又は全部に面取り加工が施されていることが好ましく、少なくとも表示側の端縁領域の一部又は全部に面取り加工が施されていることが好ましい。面取り加工として、R面取りが好ましく、この場合、曲率半径0.05〜0.5mmのR面取りが好ましい。また、0.05〜0.5mmのC面取りも好適である。更に、面取り面の表面粗さRaは1nm以下、0.7nm以下または0.5nm以下、特に0.3nm以下が好ましい。このようにすれば、端縁領域を起点としたクラックを防止し易くなる。ここで、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。
本発明の強化用ガラス板配列体は、略矩形、且つ板厚1.0mm以下の強化用ガラス板が、直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列されていることを特徴とする。また、本発明の強化ガラス板配列体は、略矩形、且つ板厚1.0mm以下の強化ガラス板が、直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列されていることを特徴とする。ここで、本発明の強化用ガラス板配列体、強化ガラス板配列体の技術的特徴は、本発明の強化ガラス板の製造方法の説明欄に記載済みであり、ここでは、便宜上、詳細な記載を省略する。
本発明の支持体は、略矩形、且つ板厚1.0mm以下の強化ガラス板を直立姿勢で厚み方向に複数配列するための支持体であって、強化ガラス板を10mm以下の間隔を置いて複数配列するための支持部を有することを特徴とする。ここで、本発明の支持体の技術的特徴は、本発明の強化ガラス板の製造方法の説明欄に記載済みであり、ここでは、便宜上、詳細な記載を省略する。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)を示している。
次のようにして、強化用ガラス板を作製した。まずガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを連続溶融炉に投入し、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経て、オーバーフローダウンドロー法により板厚0.7mmの板状に成形した後、120mm×180mmの寸法に切断して、複数の強化用ガラス板を作製した。この強化用ガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 57.4%、Al 13%、B 2%、MgO 2%、CaO 2%、LiO 0.1%、NaO 14.5%、KO 5%、ZrO 4%を含有し、密度が2.54g/cm、歪点が517℃、熱膨張係数が99.9×10−7/℃、104.0dPa・sにおける温度が1098℃、102.5dPa・sにおける温度が1392℃、液相温度が880℃、液相粘度が105.5dPa・sである。そして、この強化用ガラス板は、表面が未研磨であり、また430℃のKNO溶融塩中に420分間浸漬すると、圧縮応力層の圧縮応力値が680MPa、応力深さが43μmになる。
次に、得られた強化用ガラス板を直立姿勢で厚み方向に6mmの間隔を置いて、支持体に24枚配列して、強化用ガラス板配列体とした。この強化用ガラス板配列体を予熱した後、430℃のKNO溶融塩中に420分間浸漬することにより、強化ガラス板配列体とした。
続いて、この強化ガラス板配列体をKNO溶融塩から取り出した後、直ちに断熱容器内に移動し、表中の温度まで炉冷した。表中の温度に到達した後、強化ガラス板配列体を室温(20℃)下に移動して、急冷した。なお、急冷温度域において、炉冷終了温度から100℃までの降温速度は60℃/分超であった。その後、強化ガラス板配列体から24枚の強化ガラス板を取り出した。
試料No.1〜4の各強化ガラス板につき、反り率を評価した。具体的に説明すると、強化ガラス板を水平面に対して、87°に傾いた状態でステージに立て掛けて、強化ガラス板の上方端面から面内に向かって、5mmオフセットした直線測定領域を走査するレーザー変位計(キーエンス社製)により、該直線測定領域のプロファイルを取得し、このプロファイルの両端を結んだ直線に対するプロファイルの最大変位量を求めて、これを反り量とし、反り量を測定距離で除した値を反り率とした。表中では、24枚の強化ガラス板の反り率の平均値が記載されている。なお、強化用ガラス板についても同様にして反り率が評価されている。
表1から明らかなように、試料No.1〜4では、炉冷(徐冷)により、反り量の増加幅が抑制されている。また、表1から、徐冷時間が長い程、反り量を抑制し易いことが分かる。更に、徐冷終了温度が高いと、反り量を改善し得るものの、圧縮応力層の圧縮応力値が低下し、応力深さが大きくなり易いため、熱処理によりイオン交換反応が進行し易いことが予想される。
[実施例1]と同様にして、強化ガラス板配列体を作製した後、KNO溶融塩から直ちに310℃に保持された徐冷炉内に移動し、60分間保持した後、強化ガラス板配列体を室温(20℃)下に移動して、急冷した。その後、強化ガラス板配列体から24枚の強化ガラス板を取り出し、[実施例1]と同様にして、各強化ガラス板の反り率を評価したところ、平均値で0.13%であった。なお、各強化用ガラス板の反り率は、平均値で0.03%であった。
[実施例1]と同様にして、強化ガラス板配列体を作製した後、KNO溶融塩から直ちに310℃に保持された徐冷炉内に移動し、60分間保持した後、電源を切った徐冷炉内で炉冷した。その後、強化ガラス板配列体から24枚の強化ガラス板を取り出し、[実施例1]と同様にして、各強化ガラス板の反り率を評価したところ、平均値で0.01%であった。なお、各強化用ガラス板の反り率は、平均値で0.03%であった。
[実施例1]と同様にして、強化ガラス板配列体を作製した後、KNO溶融塩から直ちに410℃に保持された徐冷炉内に移動し、10分間保持した後、徐冷炉の電源を切って、送風手段により、強化ガラス板配列体を室温(20℃)まで強制冷却した。その後、強化ガラス板配列体から24枚の強化ガラス板を取り出し、[実施例1]と同様にして、各強化ガラス板の反り率を評価したところ、平均値で0.07%であった。なお、各強化用ガラス板の反り率は、平均値で0.03%であった。
なお、[実施例1]〜[実施例4]で示された傾向は、表2に記載の強化用ガラス板(試料a〜e)でも同様になると考えられる。
次のようにして、強化用ガラス板を作製した。まずガラス組成として、質量%で、SiO 61.4%、Al 18%、B 0.5%、LiO 0.1%、NaO 14.5%、KO 2%、MgO 3%、BaO 0.1%、SnO 0.4%を含有するように、ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを連続溶融炉に投入し、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経て、オーバーフローダウンドロー法にて板状に成形した後、1800mm×1500mm×厚み0.5mmの寸法に切断して、強化用ガラス板(親板)を作製した。なお、この強化用ガラス板は、密度が2.45g/cm、歪点が563℃、熱膨張係数が91.3×10−7/℃、104.0dPa・sにおける温度が1255℃、102.5dPa・sにおける温度が1590℃、液相温度が970℃、液相粘度が106.3dPa・sである。そして、この強化用ガラス板は、表面が未研磨であり、また430℃のKNO溶融塩中に240分間浸漬すると、圧縮応力層の圧縮応力値が900MPa、応力深さが43μmになる。なお、算出に当たり、試料の屈折率を1.50、光学弾性定数を29.5[(nm/cm)/MPa]とする。
次に、得られた強化用ガラス板を直立姿勢で厚み方向に5mmの間隔を置いて、支持体に24枚配列して、強化用ガラス板配列体とした。この強化用ガラス板配列体を予熱した後、430℃のKNO溶融塩中に240分間浸漬することにより、強化ガラス板配列体とした。
続いて、この強化ガラス板配列体をKNO溶融塩から取り出した後、直ちに断熱容器内に移動し、310℃まで15分間かけて炉冷した。310℃に到達した後、強化ガラス板配列体を室温(20℃)下に移動して、急冷した。なお、急冷温度域において、炉冷終了温度から100℃までの降温速度は60℃/分超であった。その後、強化ガラス板配列体から24枚の強化ガラス板を取り出した。
得られた強化ガラス板につき、反り率を評価した。具体的に説明すると、強化ガラス板を水平面に対して、87°に傾いた状態でステージに立て掛けて、強化ガラス板の上方端面から面内に向かって、5mmオフセットした直線測定領域を走査するレーザー変位計(キーエンス社製)により、該直線測定領域のプロファイルを取得し、このプロファイルの両端を結んだ直線に対するプロファイルの最大変位量を求めて、これを反り量とし、反り量を測定距離で除した値を反り率とした。その結果、24枚の強化ガラス板の反り率の平均値が0.14%であった。なお、強化用ガラス板についても同様にして反り率を評価したところ、平均値が0.05%であった。
更に、得られた強化ガラス板の表面にスクライブラインを形成し、そのスクライブラインに沿って、折り割り操作を行い、7インチサイズに分断した。なお、スクライブラインの形成に際し、端面からスクライブを開始し、対向する端面から5mm以上内側の領域で、スクライブを終了するようにした。また、スクライブ切断に際し、スクライブ傷の深さを応力深さより大きくなるようにした。
まずガラス組成として、質量%で、SiO 61.4%、Al 18%、B 0.5%、LiO 0.1%、NaO 14.5%、KO 2%、MgO 3%、BaO 0.1%、SnO 0.4%を含有するように、ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを連続溶融炉に投入し、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経て、オーバーフローダウンドロー法にて板状に成形した後、1800mm×1500mm×厚み0.5mmの寸法に切断して、強化用ガラス板(親板)を作製した。なお、この強化用ガラス板は、密度が2.45g/cm、歪点が563℃、熱膨張係数が91.3×10−7/℃、104.0dPa・sにおける温度が1255℃、102.5dPa・sにおける温度が1590℃、液相温度が970℃、液相粘度が106.3dPa・sである。
次に、得られた強化用ガラス板(親板)を直立姿勢で厚み方向に5mmの間隔を置いて、支持体に24枚配列して、強化用ガラス板配列体とした。この強化用ガラス板配列体を予熱した後、430℃のKNO溶融塩中に240分間浸漬することにより、強化ガラス板配列体とした。続いて、上記と同様の方法により、強化ガラス板の圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さを算出したところ、圧縮応力値が900MPa、応力深さが43μmであった。なお、算出に当たり、試料の屈折率を1.50、光学弾性定数を29.5[(nm/cm)/MPa]とした。
更に、得られた強化ガラス板の表面にスクライブラインを形成し、そのスクライブラインに沿って、折り割り操作を行い、所定サイズの個片(7インチサイズ)に分断した。なお、スクライブラインの形成に際し、端面からスクライブを開始し、対向する端面から5mm以上内側の領域で、スクライブを終了するようにした。また、スクライブ切断に際し、スクライブ傷の深さを応力深さより大きくなるようにした。
更に、得られた強化ガラス板(個片)に対して、表3に記載の熱処理(昇温速度:5℃/分、降温速度:炉冷)を行い、試料No.6〜12を作製した。得られた熱処理試料につき、GD−OES(堀場製作所製GD−Profiler2)により(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比を測定した。その結果を表3、図3〜10に示す。なお、表3における試料No.5は、熱処理を行う前の強化ガラス板である。また、測定条件は、放電電力:80W、放電圧力:200Paとした。
表3に係る実験は、厳密に言えば、徐冷工程によるものではなく、別途の熱処理である。しかし、表3に係るデータは、徐冷工程後の強化ガラス板について、(内部のK発光強度)/(表層のK発光強度)の比を見積もるために利用可能である。
本発明に係る強化ガラス板は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等の表示デバイスのカバーガラスに好適である。また、本発明に係る強化ガラス板は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、固体撮像素子用カバーガラス、食器等への応用が期待できる。
本発明の強化ガラス板の製造方法は、平板形状の強化ガラス板のみならず、表面が面方向に湾曲した2D、2.5D、3Dの強化ガラス板に適用することもできる。2D、2.5D、3Dの強化ガラス板に適用する場合、所望の湾曲形状以外の変形が反り量に該当することになる。
1 支持体
2 枠部
2a 底枠部
2b 両側枠部
2c 前枠部
2d 後枠部
2e 梁枠部
3 強化用ガラス板
4 支持部
4a 側縁支持部
4b 下端支持部
5 保温板
10 送風装置
11 包囲体
12 強化ガラス板配列体
13 送風手段

Claims (13)

  1. 略矩形で且つ板厚1.0mm以下の強化用ガラス板を直立姿勢で厚み方向に10mm以下の間隔を置いて、支持体に複数配列して、強化用ガラス板配列体を得る配列工程と、
    強化用ガラス板配列体をイオン交換溶液に浸漬して、イオン交換処理し、強化ガラス板配列体を得る強化工程と、
    強化ガラス板配列体をイオン交換溶液から取り出した後、強化ガラス板の間隔に向けて、下方から上方に送風することにより徐冷する徐冷工程と、
    支持体から強化ガラス板配列体を構成している各強化ガラス板を取り出す取出し工程と、を有することを特徴とする強化ガラス板の製造方法。
  2. 強化ガラス板配列体を構成している全ての強化ガラス板についての平均反り率が0.5%未満になるように徐冷することを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス板の製造方法。
  3. 徐冷工程で、イオン交換溶液の温度から100℃の温度までの冷却速度60℃/分以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ガラス板の製造方法。
  4. 徐冷時に、100℃以上で且つ(歪点−100)℃未満の温度に保持することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  5. 強化ガラス板配列体を断熱構造体内に配置し、徐冷することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  6. 取り出し工程後に、更に強化ガラス板を所定サイズに切断する強化後切断工程を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  7. オーバーフローダウンドロー法で成形した強化用ガラス板を使用することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  8. 圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上、且つ圧縮応力層の応力深さが15μm以上になるように、イオン交換処理することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  9. ガラス組成中にNaOを1〜20質量%含む強化用ガラス板を使用することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  10. ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%を含有する強化用ガラス板を使用することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  11. 歪点が500℃以上の強化用ガラス板を使用することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  12. 表面の全部又は一部を研磨する研磨工程を有しないことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
  13. 表示デバイスのカバーガラスに用いることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の強化ガラス板の製造方法。
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