JP2004161538A - 化学強化ガラスの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学強化ガラスを製造する場合において、化学強化処理を行うための化学強化処理槽、予熱と冷却を行うための処理槽を有する化学強化ガラスの製造装置である。予熱と冷却を行うための処理槽が化学強化処理槽よりも高い位置にあること、移動可能であること、およびその下側のみが開閉可能であることを特徴とする化学強化ガラスの製造装置。さらに、化学強化用処理液の温度均一化機構を組み込んだ化学強化処理槽であること、化学強化用処理液が530℃を超えないような温度制御機構を組み込んだ化学強化処理槽である特徴も有す。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数十枚〜数百枚の化学強化ガラスを一度に生産できる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
省資源・省エネルギーの観点あるいは社会的なニーズの変化から、強化ガラスの薄板化や強化度アップが進んでいる。一般的に用いられている風冷強化法では、3mm以下、特に2mm以下の板厚をもったガラスの生産が難しいことから、2mm以下のガラスでは、化学強化法が多く用いられている。また、化学強化ガラスは一般的に風冷法による強化ガラスよりも高い強度を得ることができるという特徴も、市場に受け入れられている大きな理由である。
【0003】
化学強化ガラスの製造方法としては、種々の方法が考えられている。例えば、小さなイオン半径の原子を大きなイオン半径の原子に置き換える方法、ガラスの粘性流動を利用して大きなイオン半径の原子を小さなイオン半径の原子に置き換える方法、熱膨張率の差を利用する方法、結晶を晶出させる方法、上述の方法を組み合わせる方法など、多くの方法がある。一般に、ソーダ・ライム系ガラスでは小さなイオン半径の原子を大きなイオン半径の原子に置き換える方法が数多く用いられ、その中でも、多くの化学強化ガラスは化学強化処理槽中に浸漬する、いわゆる浸漬法で製造されている。すなわち、ガラスを高温の化学強化処理液、例えば硝酸カリウム溶液中に浸積し、ガラス中のナトリウムイオンを硝酸カリウム中のカリウムイオンと置換することにより、表層に圧縮応力層を形成する。また、ガラス中にリチウムを含む場合の化学強化処理液としては、硝酸ナトリウム、または硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合塩が多用される。
【0004】
浸漬法で化学強化ガラスを製造する場合、例えば、風冷法による強化ガラスを製造する場合と比較すると、その処理に多くの時間を要し、コスト高となる問題がある。このため、少しでも生産性を上げるよう、種々の工夫がなされている。ガラスを化学強化処理槽の中で移動させるタイプでは、その移動速度を上げるための工夫が、ガラスを化学強化処理槽の中で移動させないバッチタイプでは一回当たりの生産量を増やすことが検討されている。
【0005】
しかし、生産性を上げることは容易ではない。ガラスを化学強化処理槽の中で移動させるタイプではその移動速度の増大に、バッチタイプではその処理量に限界がある。特に、バッチタイプでは、一回当たりの処理量を増やすと、ガラスの浸漬時および化学強化処理槽からの引き上げ時に多くのガラスが破壊するという問題が発生する。
【0006】
公知技術をみれば、例えば、ハードディスクドライブの化学強化に関し、その工程が詳細に述べられている(例えば、特許文献1参照)。それをまとめると、
1)予備加熱槽での予備加熱(0.5〜2時間程度かけて380〜500℃に昇温)
2)硝酸カリウム又は硝酸ナトリウムの溶融塩溶液での化学強化処理(0.5〜6時間程度)
3)送風冷却槽での冷却(5〜25m3/分の冷却風で面内温度差が5℃以内で溶融塩溶液の融点以下たる室温まで強制冷却)
のようになる。
【0007】
さらに、公知技術をみれば、例えば、弗酸溶液とオゾン雰囲気下での紫外線照射による小突起を除去する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスク基板(例えば、特許文献2参照)の中では、リチウムの入ったガラスを250℃で予熱することが述べられている。
【0008】
また、ガラス基板の歪点以下150〜200℃の温度範囲で再加熱するガラス基板強化処理方法(例えば、特許文献3参照)の中でも、化学強化方法に関する記述がある。ここでは、溶融塩溶液温度(ガラス基板の歪点よりも50〜100℃低い温度)近くまで、10〜60分かけて徐々に温度上昇されて、加熱炉から1〜2分後に浸漬槽に入れる方法が紹介されている。また、浸漬槽から取り出された後、5分かけてほぼ200℃まで大気中に放冷された後に再び加熱炉に入れられて再加熱する手法が述べられている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−344550号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2001−195732号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−344549号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
数十枚〜数百枚の化学強化ガラスを一度に生産しようとしても、簡単にはできない。特に、例えば200mmx200mm以上の大きなガラスを多量に処理することは難しい。その最も大きな問題はガラスの浸漬時および引き上げ時のガラス破壊である。特に、引き上げ時には、ガラス破壊が多発する傾向にある。このガラス破壊が発生すると、化学強化処理槽内にガラス断片が入り込み、化学強化ガラス製品の表面キズや化学強化ガラス製品の破壊を招く原因ともなりうる。
【0013】
また、不適切な予熱条件下で一回当たりの生産量を増やそうとすると、化学強化処理液温度の一時的な低下を引き起こし、その温度変化により、化学強化処理が不安定になるという問題も発生する。この化学強化処理液温度の影響は、ガラス表面の圧縮応力値、圧縮応力層の厚さなど、化学強化ガラスの物性に大きく影響する。
【0014】
特開2000−344550号公報で示された化学強化方法は、直径60〜100mmのハードディスクドライブを化学強化する場合である。また、特開2001−195732号公報や特開2000−344549号公報で開示されている技術は、3.5インチ程度の磁気ディスク基板が対象である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の化学強化ガラス製造装置によれば、例えば200mmx200mm以上の大きなガラスに対しても、数十枚〜数百枚の化学強化ガラスを一度に、破壊することなく、生産できる。また、化学強化ガラスの品質も安定した供給が可能となる。
【0016】
本発明は、化学強化ガラスを製造する場合において、化学強化処理を行うための化学強化処理槽、予熱と徐冷を行うための処理槽を有する化学強化ガラスの製造装置である。
【0017】
また、予熱と冷却を行うための処理槽が化学強化処理槽よりも高い位置にあり、予熱工程のための処理槽への移動は下から上に、化学強化処理工程のための化学強化処理槽への移動は上から下に、冷却工程のための処理槽への移動は下から上にと、各槽への移動は上下を基本動作とする化学強化ガラスの製造装置である。
【0018】
予熱と冷却を行うための処理槽の下側のみが開閉可能であること、および槽内に温度均一化用装置を組み込んだ化学強化ガラスの製造装置である。
【0019】
予熱と冷却を行うための処理槽が移動可能、予熱と冷却を行うための処理槽の下側のみが開閉可能であること、および槽内に温度均一化用装置を組み込んだ化学強化ガラスの製造装置である。
【0020】
さらには、化学強化用処理液が530℃を超えないような温度制御機構と温度均一化機構を組み込んだ化学強化処理槽である化学強化ガラスの製造装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、化学強化ガラスを製造する場合において、例えば200mmx200mm以上の大きなガラスに対し、数十枚〜数百枚の化学強化ガラスを一度に、破壊することなく、品質を安定させ、さらにはその生産性を高めた供給を行うための化学強化ガラスの製造装置である。化学強化処理を行うための化学強化処理槽、予熱と冷却を行うための処理槽を有する化学強化ガラスの製造装置である。
【0022】
大きな流れとしては、
予熱工程→化学強化処理工程→冷却工程
の3工程をとる。予熱工程と冷却工程は、その予熱と冷却を兼ねる処理槽で行われる。その予熱冷却処理槽は、予熱中にセッティング場所から化学強化処理槽の上方に、および冷却中に化学強化処理槽の上方から取出位置まで、移動する特徴がある。
【0023】
図1に示すように、化学強化ガラスを製造する場合において、化学強化処理槽2の他に予熱と冷却を行うための処理槽1(以下、予熱時は予熱処理槽1、冷却時は冷却熱処理槽1と表現)を有する。ガラス処理用ラック4の中に装着されたガラス板3は、当初のセッティング位置からガラスラック移動用レール6を用いて予熱処理槽1の下まで移動した後、ガラス処理用ラックの上下移動用シリンダ9でAの位置にいる予熱処理槽1の中に搬入される。
【0024】
この予熱と冷却を行うための処理槽1には、予熱と冷却を行うための処理槽上部の温度測定用熱電対14と処理槽下部の温度測定用熱電対15があり、予熱と冷却を行うための処理槽内の温度を測定する。予熱と冷却を行うための処理槽内の温度分布が悪くなった場合には、予熱と冷却を行うための処理槽1の温度均一化ファン13で予熱と冷却を行うための処理槽内の温度は均一化されるようになっている。予熱と冷却を行うための処理槽1は、その下部にのみ開閉ドア8がある。この温度均一化用ファン13は予熱と冷却を行うための処理槽1の下部開閉ドア8、および予熱と冷却を行うための処理槽内の加熱素子と組み合わせることにより、予熱時および冷却時の温度管理を容易に行うことができる。予熱をする中で、予熱処理槽1は処理槽移動用レール5を利用することによりAからBに移動する。
【0025】
予熱が終了したガラスは、化学強化処理槽2の中に浸漬される。このとき、予熱処理槽の下部開閉ドア7に引き続き化学強化処理槽の上部開閉ドア8が開き、化学強化処理槽2の温度低下を抑える機構となっている。化学強化処理槽2の中には、化学強化処理槽上部の温度測定用熱電対11と化学強化処理槽下部の温度測定用熱電対12が組み込まれており、化学強化処理槽2内の温度差が大きくなると、温度均一化装置10が稼動するように設計されている。また、化学強化処理槽1内の温度は局部的にも530℃を超えないよう、加熱素子および温度均一化装置10が連結制御されている。
【0026】
化学強化処理を行った後、ガラス処理用ラック4の中に装着されたガラス板3をガラス処理用ラックの上下移動用シリンダ9で冷却処理槽1の中に移動させる。冷却を行う中で、冷却処理槽1がBからAへ移動し、この状態で冷却工程が終了となる。その後、ガラス処理用ラックの上下移動用シリンダ9でガラス板3は冷却処理槽の下部に下ろされる。さらに、ガラス処理用ラックの移動用レール6で移動し、洗浄や取出工程に移る。
【0027】
予熱と冷却を行うための処理槽は一つで良い。化学強化ガラスを製造する場合において、予熱工程と冷却工程は必要であるが、予熱処理槽と冷却処理槽をそれぞれ準備する必要はない。化学強化ガラスを生産する場合、常温のガラスを予熱処理槽の中に入れ、化学強化処理液温度近傍に達した後に、化学強化処理槽に浸漬する。そして、化学強化処理が終了後、化学強化処理液温度近傍から冷却を開始し、ガラスを大気中に放置しても破壊しない温度になった後、冷却工程が終わる。このように、予熱工程と冷却工程の温度は極めて近い条件のところがあるので、その温度域を利用することにより、効率的な生産とすることができる。
【0028】
予熱処理槽や冷却処理槽は、予熱時や冷却時の作業工程を容易にするため、化学強化処理槽と同じ位置としてきた。しかし、予熱と冷却を行うための処理槽が化学強化処理槽よりも高い位置にあることは重要である。この予熱と冷却を行うための処理槽が化学強化処理槽よりも高い位置にないと、化学強化処理槽から予熱と冷却を行うための処理槽へのガラスの移動距離が長くなり、移動時間を多く要すことから、ガラスの破壊につながる。予熱時および徐冷時における予熱と冷却を行うための処理槽の位置は実質的に化学強化処理槽の真上にあることが望ましい。
【0029】
当初のセッティング位置から予熱処理槽、予熱処理槽から化学強化処理槽、化学強化処理槽から冷却処理槽への移動など、各槽への移動は上下を基本動作とする必要がある。上下ではない動作の方が一般的にその作業効率は上がるが、移動時のガラス破壊が増加する。予熱工程のための処理槽への移動は下から上に、化学強化処理工程のための化学強化処理槽への移動は上から下に行うのが、ガラス破壊防止のためにも、生産性を上げるためにも最適である。それぞれの移動において、その逆の方向は生産性を下げる。
【0030】
より、効率的にかつガラス破壊を発生させないようにするには、予熱と冷却を行うための処理槽が移動可能であることが必要である。この処理槽の移動機構を設けないと、実質的にガラスを破壊させないで、予熱処理槽に入れること、予熱したガラスを化学強化処理槽に漬けること、化学強化処理後のガラスを化学強化処理槽から冷却処理槽に入れること、さらには冷却されたガラスを冷却処理槽から取り出すことができない。
【0031】
予熱と冷却を行うための処理槽の下側のみが開閉可能であることも重要である。予熱と冷却を行うための処理槽は、その上下に開閉機構を設けた方が一見効率的にみえる。しかしながら、処理槽の上部に開閉機構を設けると、処理槽内の温度管理は難しいものとなり、数十枚〜数百枚の化学強化ガラス生産を破壊することなく行うのは難しくなる。このため、予熱と冷却を行うための処理槽はその下部のみに開閉機構を有する。
【0032】
化学強化用処理液の温度均一化機構を組み込んだ化学強化処理槽であることも重要である。一般に、高温の液体は化学強化処理槽の上方に、低温の液体は化学強化処理槽の下方に位置することになる。化学強化処理槽の大きさにもよるが、化学強化処理槽内の温度差は十数度に及ぶこともある。化学強化処理槽にガラスを入れるとき、ガラスは最初に高温の処理液に接することになり、破壊が増長される。また、この温度差は化学強化ガラス製品としての品質としても問題がある。このため、化学強化処理液の温度均一化機構を組み込むことが必要である。なお、化学強化処理槽の加熱構造にもよるが、温度均一化機構としては、回転物による拡散、バブリングなどで良い。
【0033】
化学強化処理液が530℃を超えないような温度制御機構を組み込んだ化学強化処理槽であることも重要である。例えば、化学強化処理液として硝酸カリウムを用いる場合、530℃を超えると処理液の急激な劣化が生じる。このため、530℃を超えないような温度制御機構を組み込んだ化学強化処理槽とする必要がある。このための温度検知方法としては、液体の膨張率を利用した温度計や熱電対がある。この温度測定時には局部的な温度を拾うことのないよう、温度均一化機構と組み合わせながら、測定することが望ましい。
【0034】
化学強化ガラスの圧縮応力層の厚さおよび圧縮応力の値は、化学強化時の処理温度と処理時間、さらには処理液の選択およびその活性特性に影響される。また、ガラス内のイオン交換状況や結晶化状況によっても異なる。一般的には、処理温度が高いほど、処理時間が長いほど、圧縮応力層は厚くなる。しかし、この操作は、場合によっては圧縮応力の値を小さくする方向に働く。
【0035】
このように、化学強化処理条件と化学強化ガラスの物性は複雑に絡み合っているため、所定の物性をもった化学強化ガラスを生産するのは容易ではない。しかし、本装置を用いることにより、化学強化ガラス製造時の破壊を防止することができ、かつ化学強化ガラスの品質安定が図ることができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例に基づき、述べる。
【0037】
(実施例1)
ガラスは、板厚が1.1mmで300mmx300mmのソーダライムガラス、360枚を準備した。本発明の装置を使い、予熱開始温度は310℃、予熱終了温度は460℃、化学強化処理液温度は460℃、冷却開始温度は460℃、冷却終了温度は180℃の条件で生産した。大気温度は30℃であった。この生産中、化学強化処理液温度は460℃±2℃であった。
【0038】
生産後、このガラスを洗浄し、その品質を確認したところ、化学強化ガラス製品としての品質には問題がなく、1枚のガラス破壊も認められなかった。なお、化学強化処理槽の温度が不均一になると、化学強化処理槽の温度均一化装置が稼動するが、今回は化学強化処理開始後1時間50分の時点で、温度均一化装置が稼動した。また、途中で、冷却速度が不十分であったので、冷却処理槽の下部ドアをわずかに開け、冷却処理槽内のファンを稼動させて、冷却速度を管理する操作も行った。
【0039】
(実施例2)
板厚が0.55mmで200mmx200mmのソーダライムガラス、480枚を準備した。予熱開始温度は250℃、予熱終了温度は520℃、化学強化処理液温度は500℃、冷却開始温度は500℃、冷却終了温度は120℃、大気温度は20℃であった。この生産中、化学強化処理開始直後数分の約503℃を除けば、化学強化処理液温度は500℃±2℃であった。
【0040】
このガラスを洗浄し、その品質を確認したところ、化学強化ガラス製品としての品質には問題がなく、1枚のガラス破壊も認められなかった。なお、予熱処理に要した時間は約25分、冷却熱処理に要した時間は約55分であったが、化学強化処理槽での温度均一化装置稼動は認められなかった。
【0041】
(比較例1)
板厚が0.55mmで200mmx200mmのソーダライムガラス、10枚を準備した。予熱開始温度は250℃、予熱終了温度は550℃、化学強化処理液温度は510℃の当初設定を行ったが、530℃上限設定を解除し、化学強化処理温度の設定を550℃まで上げた。最終的には、化学強化処理温度は540℃まで上昇した。
【0042】
このガラスを洗浄し、その品質を確認したところ、表面圧縮応力の値が小さく、変形や若干ではあるがガラス表面に白濁現象が認められた。化学強化ガラス製品としては使用できる品質にはなかった。
【0043】
(比較例2)
予熱と冷却を行うための処理槽を化学強化処理槽と同じフロアに置き、実施例1と同条件となるように設定し、生産を試みた。しかし、予熱処理が終了し、化学強化処理槽に入れるとき、予熱処理槽のドアを開いてから浸漬処理終了まで約15秒要した。予熱処理槽から取り出した直後から割れ始め、浸漬したときも十枚程度のガラスが破壊した。さらに、冷却処理槽に入れるまでにも割れが発生し、冷却処理槽から取り出したときにはガラスの大半が破壊していた。
【0044】
以上の結果から示されるように、本発明の化学強化ガラス製造装置によれば、数十枚〜数百枚の化学強化ガラス生産を一度に、生産時の破壊することなく、製造できる。また、化学強化ガラスの品質も安定した供給が可能となる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造設備を使うことにより、数十枚〜数百枚の化学強化ガラス生産を一度に、生産時の破壊することなく、製造できる上、品質が安定した化学強化ガラスの供給も可能となる。建築用、電子材料用および自動車用など、化学強化ガラスが用いられている多くの分野での生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化学強化ガラスの製造装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 予熱と冷却を行うための処理槽
2 化学強化処理槽(浸漬槽)
3 ガラス板
4 ガラス処理用ラック
5 予熱と冷却を行うための処理槽の移動用レール
6 ガラス処理用ラックの移動用レール
7 予熱と冷却を行うための処理槽の下部開閉ドア
8 化学強化処理槽の上部開閉ドア
9 ガラス処理用ラックの上下移動用シリンダ
10 化学強化処理槽の温度均一化装置
11 化学強化用処理槽上部の温度測定用熱電対
12 化学強化用処理槽下部の温度測定用熱電対
13 予熱と冷却を行うための処理槽の均一化用ファン
14 予熱と冷却を行うための処理槽上部の温度測定用熱電対
15 予熱と冷却を行うための処理槽下部の温度測定用熱電対
A 予熱開始位置(冷却終了位置)
B 予熱終了、浸漬および冷却開始位置
Claims (5)
- 化学強化ガラスを製造する場合において、化学強化処理を行うための化学強化処理槽の他、予熱と冷却を行うための処理槽を有することを特徴とする化学強化ガラスの製造装置。
- 予熱と冷却を行うための処理槽が化学強化処理槽よりも高い位置にあり、予熱工程のための処理槽への移動は下から上に、化学強化処理工程のための化学強化処理槽への移動は上から下に、冷却工程のための処理槽への移動は下から上にと、各槽への移動は上下を基本動作とすることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラスの製造装置。
- 予熱と冷却を行うための処理槽が移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化学強化ガラスの製造装置。
- 予熱と冷却を行うための処理槽の下側のみが開閉可能であること、および槽内に温度均一化用装置を組み込んだことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化学強化ガラスの製造装置。
- 化学強化用処理液が530℃を超えないような温度制御機構と温度均一化機構を組み込んだ化学強化処理槽であることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラスの製造装置。
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