JP2013100196A - ガラス強化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板ガラスを、処理剤の融点〜融点+70℃の温度範囲に調節された処理液に浸漬して化学強化するガラス強化装置。該装置は、少なくとも、前記板ガラスを前記処理液の温度近辺まで加熱する予熱炉、処理液の温度を保持するための制御手段、ヒーター及び処理液を排出するドレンバルブを有する化学処理槽、化学処理された板ガラスの温度を120〜80℃に冷却する徐冷炉、冷却された板ガラスを洗浄する水洗槽、乾燥手段;前記板ガラスを前記予熱炉、化学処理槽、徐冷炉、水洗槽、乾燥手段の順に搬送する手段、及び、前記化学処理槽に処理液を供給する供給槽を有すると共に、前記化学処理槽が処理液を攪拌する手段を有し、前記供給槽が、処理剤を融解する手段及び該手段によって得られた処理液を前記化学処理槽に供給する手段を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかしながら、この処理を繰り返すと、処理液中のカリウムイオンの濃度が低下し、ガラス内部のイオン交換が困難になる傾向があるので、ガラス強化がなされ難くなる。
従来の処理液の交換においては、劣化した処理液を全て化学処理槽から排出した後、硝酸カリウム等の処理剤を化学処理槽内に投入し、槽を加熱して融解していたが、硝酸カリウム等の無機化合物を加熱して融解するには長時間を要するので、処理剤を交換して処理を再開するのに1〜2日掛かる。従って、その間は化学処理を停止しなければならず、非効率的であった。
従って、前記イオン交換処理装置によるガラス強化は、全体としてのコストが高くなるという問題点があった。
また、前記処理液を供給する手段は、前記供給槽の側面下部又は底面に設置された供給パイプ及び該供給パイプを開閉するバルブからなる手段であることが好ましい。
また、1つの供給槽は、前記供給パイプを2つ以上有し、該パイプ各々が、対応する各化学処理槽に対して、各々独立に処理液を供給することができる手段であることが好ましい。
更に、前記供給槽は移動可能に配置されていてもよい。
前記予熱炉は、少なくとも、ヒーター、予め設定した昇温速度で炉内の温度を一定の温度から前記処理液の温度近辺まで昇温させる制御手段、及び、外気を導入して炉内の温度を一定の温度まで急冷する手段を有することが好ましい。
また、前記徐冷炉は、少なくともヒーター、及び、予め設定された降温速度で炉内の温度を前記処理液の温度近辺から80〜120℃まで徐冷させる制御手段を有することが好ましく、該徐冷炉の制御手段は、更に前記徐冷炉の何れかの箇所に設置された吸気口及び排気口、並びに、前記吸気口及び排気口の開口度を調節する手段であることが好ましい。
また、前記処理液の温度は、前記処理剤の融点〜処理剤の融点+50℃であることが好ましい。
本発明のガラス強化装置における前記予熱炉は、前記徐冷炉と同一の構造であってもよい。
また、ガラス強化に使用する処理剤はカリウム等の無機化合物であり、主に硝酸カリウムが使用される。
本発明のガラス強化装置は、図1に示されるように予熱炉、化学処理槽、徐冷炉、水洗槽、乾燥手段、板ガラスを搬送する手段、及び、供給槽を有する。
板ガラスはラック1に積載され、搬送手段2によって予熱炉3、化学処理槽4、徐冷炉5、2つの水洗槽6及び7、乾燥手段8の順に搬送される。
よって、長時間を要する処理剤の融解が独立に供給槽で行われるため、処理液の交換作業のために化学強化処理を長時間休止する必要がなく、溶融液交換の直前まで化学強化処理を行なうことができる。
カセット12及びラック1は、通常は耐熱性及び耐薬品性に優れたステンレス製であることが好ましい。
図1に示す搬送手段2は、ホイスト21を使用するものであり、フック22を有するホイスト21が、装置の上方からラック1を吊り上げ、装置の上方に設けられたレール23上を移動し、ラック1を予熱炉3から乾燥手段8まで順次搬送する。
そのため、室温下に置かれた板ガラスが直接処理液に浸漬されると、急激な温度変化によって破損する。
よって、化学処理を行なう前に、板ガラス自体を処理温度近辺まで徐々に加熱する必要があるため、本発明の装置は予熱炉3を有する。
予熱炉3によって加熱された板ガラスを積載したラック1は、搬送手段2(図1参照)によって、前記化学処理槽4へ搬送される。
昇温速度は、ガラスの寸法及び形状等を考慮して公知の手段により適宜設定される。
急冷する手段としては、ブロワー32等を用いる手段が挙げられる。
また、化学処理槽4はヒーター41を有し、処理液42が常に化学強化処理に適した液温を維持するために、処理液の温度を制御する手段を有する。
例えば、処理剤として硝酸カリウムを使用する場合、処理液の温度は340〜400℃であることが好ましい。
また、処理液の温度分布を均一化するために、公知の方法によって処理液を撹拌することが好ましく、槽内を攪拌する手段としては、ラックの出し入れに支障がない、空気又は窒素ガスを噴出するバブリング手段を使用することが好ましい。
供給手段としては、通常、供給槽2の側面下部又は底部に設置された供給パイプ92及び開閉バルブ93を用いる(図5参照)。
供給槽9は、硝酸カリウム等の溶融液を取り扱うため、化学処理槽4と同様、耐熱性、耐薬品性に優れた材質によって製造されている必要があると共に、前記化学処理槽と同様、断熱材で覆われていることが好ましい。
また、供給槽9は、化学処理槽4よりも高い位置に設置されることが好ましく、特に、図5に示す通り、供給槽9の底面が化学処理槽4の上端部よりも高くなるように設置されることが好ましい。
供給槽9に固体の硝酸カリウムを投入した後、ヒーター91で加熱して硝酸カリウムを融解し、処理液を調製する。
次に、処理液を交換する必要がある化学処理槽の工程を停止した後、ドレンバルブ43を開けて、劣化した処理液を排出する。
化学処理槽4のドレンバルブ43を閉めた後、供給槽の開閉バルブ93を開けて化学処理槽4に処理液42を供給する。
化学処理槽4のヒーター41によって、処理液の温度を340〜400℃の範囲内に保持し、化学強化処理を開始する。
2以上の化学処理槽に処理液を供給するための手段としては、供給槽9に2本以上の供給パイプ92を設置し、それぞれ異なる化学処理槽に処理液を供給する、又は、供給槽を移動可能とする、等の方法がある。
板ガラスを積載したラックが搬送される前に、予め徐冷炉内を処理液の温度近辺に加熱し、前記ラックが徐冷炉内に搬入された後、予め設定された降温速度で炉内の温度を80〜120℃まで徐冷する。こうすることにより、板ガラスは破損することなく冷却される。
徐冷炉5は、少なくともヒーター51及び予め設定した降温速度で、炉内の温度を処理液の温度近辺から80〜120℃まで降温させる制御手段を有する。
降温速度はガラスの寸法及び形状等を考慮して設定される。
前記排気口は、徐冷炉の上部に設けられていることが好ましく、前記吸気口は徐冷炉の下部に設けられていることが好ましい。
徐冷後、前記ラックが搬出されると、次のラックを搬入するため、炉内を処理液の温度近辺に昇温させる。
また本発明においては、徐冷炉は、前述した予熱炉と同一の構造であってもよい。
本発明においては、少なくとも、徐冷後の板ガラスに付着した処理剤の結晶を除去する第1水洗槽6、及び結晶を除去した後、更に板ガラスを洗浄する第2水洗槽7を有することが好ましい。水洗槽は前記した2槽より多くてもよいが、少なくとも最終的な洗浄には、純水を使用することが好ましい。
また、最終洗浄以外の水洗槽には、洗浄水を循環させて使用することができる。
2 搬送手段
3 予熱炉
4 化学処理槽
5 徐冷炉
6 第1水洗槽
7 第2水洗槽
8 乾燥手段
9 供給槽
11 板ガラス
12 カセット
21 ホイスト
22 フック
23 レール
31 ヒーター
32 ブロアー
33 上蓋
41 ヒーター
42 処理液
43 ドレンバルブ
44 ノズル
45 上蓋
51 ヒーター
52 吸気口
53 排気口
54 フラップ
55 アクチュエーター
56 上蓋
91 ヒーター
92 供給パイプ
93 開閉バルブ
Claims (8)
- 板ガラスを、処理剤の融点〜融点+70℃の温度範囲に調節された処理液に浸漬して化学強化するガラス強化装置であって、該装置が、少なくとも、前記板ガラスを前記処理液の温度近辺まで加熱する予熱炉、処理液の温度を保持するための制御手段、ヒーター及び処理液を排出するドレンバルブを有する化学処理槽、化学処理された板ガラスの温度を120〜80℃に冷却する徐冷炉、冷却された板ガラスを洗浄する水洗槽、乾燥手段;前記板ガラスを前記予熱炉、化学処理槽、徐冷炉、水洗槽、乾燥手段の順に搬送する手段、及び、前記化学処理槽に処理液を供給する供給槽を有すると共に、前記化学処理槽が処理液を攪拌する手段を有し、前記供給槽が、処理剤を融解する手段及び該手段によって得られた処理液を前記化学処理槽に供給する手段を有することを特徴とするガラス強化装置。
- 前記攪拌する手段が、前記化学処理槽の底面及び/又は側面下部から空気又は窒素ガスによるバブリングを行なう手段である、請求項1に記載されたガラス強化装置。
- 前記処理液を供給する手段が、前記供給槽の側面下部又は底面に設置された供給パイプ及び該供給パイプを開閉するバルブからなる手段である、請求項1又は2に記載されたガラス強化装置。
- 1つの供給槽が、2つ以上の前記パイプを有し、該パイプ各々に対応する各化学処理槽に対して処理液を供給する、請求項3に記載されたガラス強化装置。
- 更に、前記供給槽が移動可能に配置されている、請求項3又は4に記載されたガラス強化装置。
- 前記予熱炉が、少なくとも、ヒーター、予め設定した昇温速度で炉内の温度を一定の温度から前記処理液の温度近辺まで昇温させる制御手段、及び、外気を導入して炉内の温度を一定の温度まで急冷する手段を有する、請求項1〜5の何れかに記載されたガラス強化装置。
- 前記徐冷炉が、少なくともヒーター、及び、予め設定された降温速度で炉内の温度を前記処理液の温度近辺から80〜120℃まで徐冷する制御手段を有する、請求項1〜6の何れかに記載されたガラス強化装置。
- 前記制御手段が、前記徐冷炉の下部に設置された吸気口、前記徐例炉の上部に設置された排気口、及び、前記吸気口及び排気口の開口度を調節する制御手段である請求項7に記載されたガラス強化装置。
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