JP3175310B2 - 熱収縮率が小さいガラス基板を製造する方法 - Google Patents

熱収縮率が小さいガラス基板を製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子などの精
密電子デバイスのガラス基板として有用な、すなわちデ
バイス製作時の熱プロセスを受けても熱収縮が小さいガ
ラス基板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、所定形状の透明電極が
その表面に設けられた2枚のガラス基板が、透明電極パ
ターンに相対的にずれが生じないように精密に位置合わ
せして貼り合わせて製造される。そして、この2枚のガ
ラス基板を貼り合わせる前に、配向膜処理などの工程で
ガラス基板は一定時間高温度の処理(デバイス製作時の
熱プロセス)を受ける。このとき、ガラス基板は、その
ガラス基板が有するガラスの構造温度に基因する熱収縮
特性とデバイス製作時の熱プロセスの温度、時間等の条
件により熱収縮を起こす。この熱収縮が大きいと、後続
のガラス基板の貼り合わせ工程で2枚のガラス基板上に
設けられている透明電極やアクテイブ素子の位置を正確
に合わせることが困難になる。たとえば成形され引き続
き徐冷窯で徐冷されたソーダライムシリカ組成のフロー
トガラス素板を、高精細表示をするSTN液晶表示素子
やTFTのようなアクテイブタイプの液晶表示素子のガ
ラス基板として用いる場合、ガラス基板は表示素子の製
作時の熱プロセスを受けて熱収縮し、2枚のガラスを所
定位置で正確に貼り合わせるのが難しいという問題点が
あった。
【0003】また上記の熱収縮が生じないガラス素板と
しては石英ガラスがあるが、このガラス素板は極めて高
価であるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題点を解決するためになされたものであって、小さい
熱収縮率を有するガラス基板を、安価で大量に入手でき
るガラス素板から製造する方法を提供するものである。
さらに詳述すると、本発明は、成形され一次徐冷された
ガラス素板を短い加熱・徐冷スケジュールで熱処理して
デバイス製作時の熱プロセス温度に近いガラス構造温度
を有するガラスとすることにより、デバイス製作時の熱
プロゼスを受けても熱収縮が小さいガラス基板を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形され一次
徐冷されたガラス構造温度がT0℃であるガラス素板を
用いて、前記ガラス構造温度より低いT1℃のガラス構
造温度を有するガラスとすることにより、前記ガラス素
板より熱収縮率が小さいガラス基板を製造する方法であ
って、前記ガラス素板を(a)T0℃より低くT1℃より
高い雰囲気温度に初期設定された炉内で加熱し、(b)
その後前記炉内雰囲気温度を、前記炉内で低下過程にあ
るガラスの構造温度よりも常に低い温度になるように維
持しながらT1℃より低い温度まで徐冷する熱収縮率が
小さいガラス基板を製造する方法である。
【0006】本発明は、ガラスの構造温度の概念とその
ガラスが有する熱収縮との関係を鋭意研究した結果なさ
れたものである。ガラスの構造は、その温度で熱平衡状
態にある構造温度で表すことができる。ガラス素板は、
成形され一次徐冷された状態では、通常比較的高温状態
を保った構造で冷却固化されている。ガラスを構成する
元素のガラス内での配置は無規則であるが、高い温度で
凍結されたものほどいわゆるルーズな構造をしており、
それを熱処理することによりその条件(加熱温度、徐冷
条件)と熱平衡にあるガラス構造温度を有するガラスに
することができる。ガラス構造の凍結状態は、そのガラ
スの密度に反映されるためガラスの光の屈折率を精密に
測定することにより評価することができる。したがっ
て、ガラスの構造温度は、そのガラスの組成が一定範囲
であれば屈折率を測定することにより一義的に定まる。
ガラスの構造温度が低いほどガラスは、いわゆる”しま
った構造”をしていると考えられ屈折率が大きくなり、
ガラス構造温度がより高いものに較べて収縮した状態す
なわち体積が小さくなる(長方形のガラス板では、辺の
長さが短くなる)。
【0007】より高い構造温度T0℃を有するガラス素
板を加熱・徐冷して、より低い構造温度T1℃を有する
ガラス基板を製造するには、そのガラス素板をT1℃の
一定温度に加熱しても得られるが、ガラスが構造温度T
1℃に近づくにしたがって、構造温度の低下のスピード
すなわちガラスの構造変化のスピードが小さくなり、長
時間の熱処理時間を必要とする。本発明の方法は、とり
わけ構造温度T0℃と構造温度T1℃との差が大きいガラ
ス素板が有するガラス構造温度よりも、大きくガラスの
構造温度を低下させたガラス基板を製造するときに、短
時間の加熱・徐冷で製造できるという特徴を有する。
【0008】炉内雰囲気温度を、炉内で低下過程にある
ガラスの構造温度よりも常に10℃以上低い温度になる
ように維持することは、ガラスの構造変化のスピードを
低下させない上で好ましく、さらに炉内で低下過程にあ
るガラスの構造温度よりも常に10℃以上50℃以下の
低い温度に維持することはさらに好ましい。
【0009】以下にガラスの構造温度と熱収縮を定量的
に説明する。Tf(0)の構造温度を有するガラスを雰
囲気温度T℃(Tは400〜550℃の範囲)の炉でt
分加熱処理し、ガラスの構造を熱平衡により変化させた
ときのガラスの構造温度Tf(t)とその時に生じるガ
ラスの収縮率△lは、(1)式〜(3)式で表されるこ
とを見い出した。
【0010】
【数1】
【0011】 Tf(0) 加熱・徐冷前のガラス素板の構造温度(℃)(ソーダラ イムシリカ組成では、550〜570℃) Tf(t) t分後のそのガラスの構造温度(℃) T 炉内雰囲気温度(℃) t 加熱時間(分) K 定数 b 定数(ソーダライムシリカ組成のガラスでは0.65) η ガラスの粘度(センチポアズ) 定数の温度変化(K’=K/η、) logK’=2.937×10ー52−0.00709×T−6.563 ・・・・・(2)式 そして、このときに生じるガラスの収縮率△lは、 △l=1.7×10ー5×(Tf(0)ーTf(t))・・・・・(3)式 (3)式で表せるガラスの熱収縮は、デバイス製作時の
熱プロセスをガラスが受けるときにも生じる。しかし本
発明の方法を用いて製造されたガラス基板は、その構造
温度がデバイス製作時の熱プロセス温度に近づけられて
いるため、デバイス製作時に生じる(3)式による熱収
縮率が小さい。
【0012】本発明の方法は、炉内雰囲気を、ガラス素
板をガラス素板の構造温度T0℃より低く、かつ目標と
するガラス構造温度(通常デバイス製作時の熱プロセス
温度に近い温度)T1℃より高い温度に初期設定して、
加熱・徐冷の初期段階では構造変化速度が大きい状態で
ガラスを構造変化させ、その後前記炉内雰囲気温度を、
前記炉内で低下過程にあるガラスの構造温度よりも常に
低い温度になるように制御することにより、ガラスの構
造温度がT1℃に近づいた状態でも構造温度の低下スピ
ードを小さくならないようにガラスの構造温度を低下さ
せることを特徴としている。
【0013】前記徐冷時の前記炉内雰囲気温度は、連続
的に低下させてもよく、ステップ状に低下させてもよ
い。炉内雰囲気温度をステップ状に設定するときは、一
定温度に維持するステップ数を、多くすると一つのステ
ップの温度にガラスを維持する時間が短くなり、とりわ
け多数のガラスを同時に加熱・徐冷するとき炉内の位置
差による温度のバラツキにより、得られるガラスの構造
温度の値のバラツキが大きくなるので好ましくない。ま
た、ガラス素板が有する構造温度よりも40℃以上構造
温度を低下させるときは、ステップ数を2以上にするの
が短時間に各ガラス素板の構造温度をバラツキを少なく
低下させる上で好ましい。また、炉の雰囲気温度をステ
ップ状態に一定に維持する時間はガラスの構造がその雰
囲気温度に追随するに必要な時間にするのが好ましく、
そのような観点からステップ状態に維持する設定時間
は、30分以上さらに好ましくは50分以上が好まし
い。多くのガラス素板を同時にバッチ炉で加熱・徐冷し
て短時間で各ガラスの構造温度を小さいバラツキで低下
させるには、ステップ数は上記の理由から2〜6が好ま
しく、さらに3〜5が好ましい。
【0014】ガラスの構造温度は、そのガラスの光に対
する屈折率を小数点以下4桁まで精密に測定することに
より決められる。ガラス組成がある一定の範囲内であれ
ば、ガラスの構造温度は屈折率により一義的に定まる。
【0015】本発明に用いるガラスとしては、ソーダラ
イムシリカ組成のガラス素板(主要成分が重量%でSi
270〜73、Al231.0〜1.8、CaO7〜
12、MgO1.0〜4.5、R2O(アルカリ)13
〜15)や硼珪酸ガラスなどの組成のガラス素板を用い
ることができる。溶融錫上で成形され引き続き徐冷窯で
徐冷された熱履歴を有する上記組成範囲のフロートガラ
スは、550〜570℃の構造温度を有する。
【0016】本発明に用いられる加熱炉としては、温度
プログラム制御ができる加熱炉で有ればバッチ炉、連続
炉のいずれも用いることができる。加熱スケジュールを
精度よく制御できる、デバイス製作時の種々のプロセス
条件に合わせた温度制御を容易にできる、という観点か
らバッチ炉が好ましい。
【0017】
【作用】ガラス溶融窯から引き出され引き続き徐冷され
たガラスは高温状態の分子配列で凍結固化されており、
比較的高温度のガラス構造を有する。このようなガラス
はその凍結温度より低い温度で加熱されると、その温度
に相当す構造温度に向けて構造変化する。その温度が初
期の構造温度よりも低ければガラスは密な構造に向かう
ため体積が収縮し、ガラス板の寸法は短くなる。
【0018】ガラスの構造温度T0℃と雰囲気温度T1
(T0>T1)との差が大きくかつT1が大きいときは、
ガラスの構造温度の低下のスピードは、ガラス内部での
原子の再配列が容易に起こるので大きい。一方、ガラス
の構造温度T0℃と雰囲気温度T1℃(T0>T1)との差
が小さくかつT1が小さいときは、ガラスの構造温度の
低下のスピードは、ガラス内部での原子の再配列が緩慢
に起こるので構造温度変化はゆっくりと起こり、すなわ
ち構造温度の低下のスピードは小さい。
【0019】本発明の方法では、炉内で低下していくガ
ラスの構造温度よりも常に雰囲気温度を低くなるように
低下していくことにより、加熱・徐冷処理過程の全体に
亘ってガラスの構造温度の低下のスピードを大きく維持
できる。これにより短時間でガラスの構造温度を大きく
低下させることができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の方法を実施するのに用いた炉の概略断面
図である。用いた炉は、内容積が1立方メートル(縦横
高さが各1m)の電気炉で、炉内雰囲気温度の分布をガ
ラス積載時に±5℃となるようにした。この炉の中に3
00×300×1.1mmのソーダライムシリケート組
成のフロートガラス板(主成分が重量%でSiO272
%、CaO8%、Na2O13%、MgO4%、K2
0.5%、Al231.7%で、フロートバスに続く徐
冷炉で一次徐冷されたもの)を図1に示すように重ねて
セットした。但し最下段にはベースとなる平坦なセラミ
ック製の板6を敷きガラスの反りが発生するのを防止し
た。電気炉内1の雰囲気温度は、電源2及び加熱ヒータ
ー6へ投入する電力を複数の温度センサー4、4のフイ
ードバックを受けて制御するプログラム制御機構3によ
り温度制御される。上記ガラスの構造温度はその屈折率
の測定から約560℃であった。 実施例1 電気炉の炉内雰囲気温度プログラム制御を図2で示すよ
うに520℃で300分、500℃で300分、480
℃で300分、470℃で150分(合計1050分)
の4つのステップ状に低下するように設定した。電気炉
内雰囲気の温度センサーが520℃を示すように電気炉
を予熱した後、500枚のガラス板を炉内にセットし、
図2で示す加熱・徐冷を行った後、炉より取り出した。
これらのガラス板にITO(錫をドープした酸化インジ
ウム)透明導電膜をスパッタリング法で約160nm被
覆した。次にこれらのガラスの4つのコーナー部分に測
定点としてITO膜を残した所定形状の電極パターン加
工を行った。同時に上記の熱処理を行わなかったITO
膜付きガラス板を1枚測長標準用ガラスとして同じよう
に電極パターン加工をした。上記の500枚の加熱・徐
冷したガラス基板を液晶表示素子製作時の熱プロセスと
同じ温度条件である480℃、30分の加熱テストを行
った結果、辺の寸法の収縮率は、平均値が28.5pp
m、その分散が2.4であった。すなわち、液晶表示素
子製作時の熱プロセスを受けてもガラスの熱収縮が30
ppm以下に抑えられたガラス基板を、約15.8時間
の熱処理により得ることができた。
【0021】図2の曲線ハは、上記加熱・徐冷中に生ず
るガラスの構造温度変化をそのガラスの屈折率を測定し
て求めたものである。熱処理温度の切り替え点P1
2、P3でガラス構造温度の低下速度が大きくなること
分かる。ガラスの構造温度は熱処理開始から300時間
以後の約532℃から低い領域でも、下記の比較例1の
イ、比較例2のロでそれぞれ示される構造温度曲線より
も構造温度の低下のスピードが大きいことが分かる。す
なわち、本実施例では比較例1、2よりも短い熱処理時
間で504℃の構造温度を有するガラス基板が得られた
ことが分かる。 実施例2 電気炉の炉内雰囲気温度プログラム制御を図3に示すよ
うに520℃で300分、500℃で300分、490
℃で300分(合計900分)の3つのステップ状に低
下するように設定した。電気炉内雰囲気の温度センサー
が520℃を示すように電気炉を予熱した後、500枚
のガラスを炉内にセットし、上記の熱処理を行った後炉
より取り出した。この時のガラスの構造温度の変は、別
に加熱・徐冷過程のガラスが有する屈折率測定し調べた
図3の実線で示される。これらのガラス板にITO透明
導電膜をスパッタリング法で約160nm被覆し、ガラ
スの4つのコーナー部分に測定点としてITO膜を残し
た所定形状の電極パターン加工を行った。同時に上記の
熱処理を行わなかったITO膜付きガラス板を1枚測長
標準用ガラスとして同じように電極パターン加工をし
た。上記の500枚の熱処理したガラスについて500
℃、60分の加熱テストをおこない、各ガラス板の辺の
寸法を測定した結果、辺の寸法の熱収縮率は平均値で2
2.5ppm、分散で7.4ppmであった。
【0022】すなわち、液晶表示セル製作時の500
℃、60分の熱プロセスを経ても熱収縮が30ppm以
下に抑えられるガラス基板を、約60時間の加熱・徐冷
で得ることができた。このときのガラスの構造温度は屈
折率測定を行って508℃であることが分かった。炉内
雰囲気温度を500℃の一定にして熱処理をした比較例
2では、508℃のガラス構造温度のガラスとするのに
図2の曲線ロから約2000分(約33.3時間)を要
するので、本実施例の熱処理時間は比較例2に対し55
%短縮した。
【0023】図3のガラス構造温度曲線が示すように、
炉内雰囲気設定温度の切り替え点P4、P5でガラス構造
温度の低下速度は大きくなることが分かる。これにより
ガラスの構造温度は加熱開始から340時間後の約51
6℃から508℃の低い領域でも構造変化の速度が大き
いことが分かる。 比較例1 雰囲気温度を480℃の一定温度にして、実施例1で用
いたのと同じガラスを種々の時間熱処理して屈折率を測
定し、熱処理時間とガラスの構造温度との関係をプロッ
トしたものが図2の曲線イで示されている。実施例1と
同じガラスが構造温度を504℃まで低下させるのに3
300分(55時間)を要することが分る。 比較例2 雰囲気温度を500℃の一定温度にして、実施例1で用
いたのと同じガラスを種々の時間熱処理して屈折率を測
定し、熱処理時間とガラスの構造温度との関係をプロッ
トしたものが図2の曲線ロで示されている。実施例1と
同じガラスが構造温度を504℃まで低下させるのに3
700分(約62時間)を要することが分かる。
【0024】上記の実施例から分かるように、ガラスが
後に受けるデバイス製作時の熱プロセス温度よりも高い
温度とそれに引き続き低い温度で熱処理を行うことによ
り、デバイス製作時の熱プロセスによる熱収縮が抑制さ
れたガラス基板を短時間の熱処理で製造することができ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形され一次徐
冷されたガラス素板を、短時間の加熱・徐冷によりその
ガラス構造温度を小さくして、熱収縮が小さいガラス基
板とすることができる。これにより、加熱プロセスを用
いて製造される電子デバイスのガラス基板に必要な熱収
縮特性を有するガラス基板を、熱収縮が大きいガラス素
板から製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに用いた炉の概略断
面図。
【図2】実施例1、比較例1、比較例2の熱処理のガラ
ス構造変化過程を説明するための図。
【図3】実施例2の熱処理のガラス構造変化過程を説明
するための図。
【符号の説明】
1・・・炉内雰囲気、2・・・加熱用電源、3・・・炉
内雰囲気温度制御機構、4・・・温度センサー、5・・
・ガラス素板、6・・・セラミック基板、7・・・ヒー
ター、8・・・炉

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形され一次徐冷されたガラス構造温度が
    0℃であるガラス素板を用いて、前記ガラス構造温度
    より低いT1℃のガラス構造温度を有するガラスとする
    ことにより、前記ガラス素板より熱収縮率が小さいガラ
    ス基板を製造する方法であって、前記ガラス素板を、
    (a)T0℃より低くT1℃より高い雰囲気温度に初期設
    定された炉内で加熱し、(b)その後前記炉内雰囲気温
    度を、前記炉内で低下過程にあるガラスの構造温度より
    も常に低い温度になるように維持しながらT1℃より低
    い温度まで徐冷する熱収縮率が小さいガラス基板を製造
    する方法。
  2. 【請求項2】前記加熱・徐冷を、前記炉内雰囲気温度が
    常にガラス構造温度よりも10℃以上低くなるようにす
    る請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記加熱・徐冷を、前記炉内雰囲気温度が
    常にガラス構造温度よりも10℃以上50℃以下低くな
    るようにする請求項1または2に記載のガラス基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記加熱・徐冷時の前記炉内雰囲気温度を
    ステップ状に低下させ、前記ステップの数を2以上6以
    下とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のガラス
    基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ガラス素板にソーダライムシリカ組成
    のガラス素板を用い、そのガラス構造温度をT1≦51
    0℃とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のガラ
    ス基板の製造方法。
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JP2017081796A (ja) * 2015-10-29 2017-05-18 株式会社フジクラ 光ファイバの製造方法
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