JP6508511B2 - 化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置 - Google Patents

化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置に関し、特に多数の化学強化用ガラスを強化液に浸漬する場合に、化学強化ガラス間の強化特性の変動幅を可及的に低減し得る化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置に関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ等の表示デバイスは、益々普及する傾向にある。これらの用途では、ディスプレイを保護するための保護部材として化学強化ガラスが使用されている(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
化学強化ガラスの製造工程では、化学強化用ガラスを所定温度まで予熱する工程と、予熱した化学強化ガラスをKNO溶融塩等の強化液に浸漬して、化学強化ガラスを得る工程と、得られた化学強化ガラスを強化液から取り出す工程とを有している。
これらの工程で、多数の化学強化用ガラスを同時に強化液に浸漬して強化処理を行うと、多数の化学強化ガラスを一挙に作製することが可能になり、化学強化ガラスの製造効率が向上する。
特開2006−83045号公報 特開2011−88763号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
ところで、化学強化用ガラスを強化液に浸漬すると、ガラス表面にイオン半径が大きいアルカリイオンが導入される。これにより、化学強化ガラスの表面に圧縮応力層が形成されることになる。そして、この圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さは、強化液の温度と強化液中の浸漬時間により調整することができる。
しかし、多数の化学強化用ガラスを強化液に浸漬すると、得られる化学強化ガラス間で圧縮応力値と応力深さが変動し易くなる。この変動幅が大きくなると、化学強化ガラスの品質が変動し易くなる。特に、一部の化学強化ガラスの強化特性が極端に低いと、機械的衝撃により割れが発生し易くなる。結果として、化学強化ガラスの製造効率を十分に高めることが困難になる。この傾向は、化学強化用ガラスのイオン交換性能が高い程、顕在化し易くなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、多数の化学強化用ガラスを強化液に同時に浸漬する場合でも、化学強化ガラス間の強化特性の変動幅を可及的に低減し得る化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置を創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、化学強化ガラスを強化液から取り出した後、イオン交換反応が進行し難い温度から冷却処理を開始することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、化学強化用ガラスを強化液に浸漬して強化処理を行った後、強化液から取り出した化学強化ガラスに対して、(強化液の融点+30℃)以下の温度から冷却処理を開始することを特徴とする。
本発明者等は、現時点で、強化液から取り出した後の冷却処理時の温度分布のばらつきが強化特性の変動の一因であると推定している。従来のように、強化液から複数の化学強化ガラスを取り出した後、強化液の温度、つまりイオン交換温度から冷却処理を開始すると、複数の化学強化ガラスの内、内側に配置された化学強化ガラスは、外側に配置された化学強化ガラスよりも高温になるため、ガラス表面に付着した強化液の残渣によりイオン交換反応が進行してしまう。その結果、内側に配置された化学強化ガラスは、外側に配置された化学強化ガラスよりも強化特性が高くなり、化学強化ガラス間で強化特性の変動幅が大きくなる。
そこで、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、化学強化ガラスを強化液から取り出した後、(強化液の融点+30℃)以下の温度から冷却処理を開始することを特徴にしている。このようにすれば、複数の化学強化ガラスの内、内側に配置された化学強化ガラスは、外側に配置された化学強化ガラスと同様にして、ガラス表面に付着した強化液の残渣によりイオン交換反応が進行し難くなる。その結果、化学強化ガラス間で強化特性の変動幅を可及的に低減することができる。
第二に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、(強化液の融点−50℃)以上の温度から冷却処理を開始することが好ましい。化学強化ガラスを強化液から取り出した後、直ちに室温まで急冷すると、強化液の残渣によりイオン交換反応が進行し難くなるものの、熱衝撃により化学強化ガラスが破損し易くなる。そこで、(強化液の融点−50℃)以上の温度から冷却処理を開始すると、そのような事態を防止し易くなる。
第三に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、同時に強化処理を行った複数の化学強化ガラスに対して同時に冷却処理を行うことが好ましい。
第四に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、一定間隔を置いて配列した状態で同時に強化処理を行った複数の化学強化ガラスに対して、その配列を保持した状態で同時に冷却処理を行うことが好ましい。
第五に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、冷却装置内で冷却処理を行うことが好ましい。
第六に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、冷却装置内に外気を取り込みながら冷却処理を行うことが好ましい。
第七に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、化学強化ガラスの面内中央部の位置よりも下方から冷却風を送風することが好ましい。
第八に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、化学強化ガラスの表面に沿って、冷却風を下方から上方に循環させることが好ましい。
第九に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、冷却装置に設置された循環手段により冷却風を循環させることが好ましい。
第十に、本発明の化学強化ガラスの製造装置は、強化槽内の強化液から取り出した化学強化ガラスをその内部に保持して冷却処理するための冷却装置を備える化学強化ガラスの製造装置であって、冷却装置が、冷却風を冷却装置の内部に送風するための送風口を有し、送風口が、化学強化ガラスの面内中央部の配置予定高さよりも下方に設けられていることを特徴とする。
第十一に、本発明の化学強化ガラスの製造装置は、冷却装置が少なくとも一対の送風口を有し、一対の送風口が、冷却風の吹き出し方向が正対するように配置されていることが好ましい。
第十二に、本発明の化学強化ガラスの製造装置は、冷却装置が、冷却装置の下方から上方への上昇気流を発生させる循環手段を備更にえることが好ましい。
第十三に、本発明の化学強化ガラスの製造方法は、更に強化槽を有し、冷却装置が強化槽の上方に設けられていることが好ましい。
化学強化用ガラス配列体(化学強化ガラス配列体)の一態様を例示する概略斜視図である。 化学強化用ガラス配列体を強化液に浸漬させて、イオン交換処理を行っている状態を示す断面概念図である。 化学強化ガラス配列体を強化液から取り出して、冷却装置に移動する状態を示す断面概念図である。 化学強化ガラス配列体を冷却装置内に収容し、冷却処理を行っている状態を示す断面概念図である。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、下記に示す化学強化用ガラスを用いることが好ましい。
化学強化用ガラスの厚みは、好ましくは1.5mm以下、1.0mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、特に0.6mm以下である。このようにすれば、表示デバイスの軽量化を図り易くなる。
化学強化用ガラスの寸法は、好ましくは0.1m以上、0.2m以上、1m以上、特に2m以上である。化学強化用ガラスの寸法が大きい程、化学強化ガラス間の強化特性が変動し易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。
化学強化用ガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。このようにすれば、ガラス表面の表面品位が良好になるため、化学強化ガラスの表面の機械的強度を高め易くなる。この理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、表面となるべき面が樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラスリボンに対して力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスリボンに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスリボンの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
化学強化用ガラスは、オーバーフローダウンドロー法以外にも、スロットダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法、リドロー法等で成形されていてもよい。
化学強化用ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜15%、NaO 1〜20%、KO 0〜10%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は質量%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは50〜80%、53〜75%、56〜70%、58〜68%、特に好ましくは59〜65%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなる。
Alは、イオン交換性能を高める成分であり、また歪点やヤング率を高める成分である。Alの含有量は5〜25%が好ましい。Alの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなることに加えて、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、Alの好適な下限範囲は7%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、15%以上、特に16%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラスを成形し難くなる。また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなり、更には高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は22%以下、20%以下、特に19%以下である。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる成分である。またクラックレジスタンスを高める成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、イオン交換処理によって、ヤケと呼ばれる表面の着色が発生したり、耐水性が低下したり、圧縮応力層の圧縮応力値が低下したり、圧縮応力層の応力深さが小さくなる傾向がある。よって、Bの含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜12%、1〜10%、1超〜8%、1.5〜6%、特に2〜5%である。
NaOは、主要なイオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量は1〜20%である。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下したり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、NaOを導入する場合、NaOの好適な下限範囲は10%以上、11%以上、特に12%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの好適な上限範囲は17%以下、特に16%以下である。
Oは、イオン交換を促進する成分であり、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力層の応力深さを増大させる効果が大きい成分である。また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更には、耐失透性を改善する成分でもある。KOの含有量は0〜10%である。KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの好適な上限範囲は8%以下、6%以下、4%以下、特に2%未満である。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を導入してもよい。
LiOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。またヤング率を高める成分である。更にアルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を増大させる効果が大きい。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなる。また、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなると、かえって圧縮応力値が小さくなる場合がある。従って、LiOの含有量は、好ましくは0〜3.5%、0〜2%、0〜1%、0〜0.5%、特に0.01〜0.2%である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり易く、またガラスが失透し易くなる。よって、MgOの好適な上限範囲は12%以下、10%以下、8%以下、5%以下、特に4%以下である。なお、ガラス組成中にMgOを導入する場合、MgOの好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、1%以上、特に2%以上である。
CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める効果が大きい。CaOの含有量は0〜10%が好ましい。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり、またガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなったり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、CaOの好適な含有量は0〜5%、特に0〜1%未満である。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下する虞があり、また密度が高くなり過ぎる虞がある。よって、ZrOの好適な上限範囲は10%以下、8%以下または6%以下、特に5%以下である。なお、イオン交換性能を高めたい場合、ガラス組成中にZrOを導入することが好ましく、その場合、ZrOの好適な下限範囲は0.01%以上または0.5%、特に1%以上である。
清澄剤として、As、Sb、SnO、F、Cl、SOの群(好ましくはSnO)から選択された一種又は二種以上を0〜30000ppm(3%)導入してもよい。SnOの好適な含有範囲は0〜10000ppm、または500〜7000ppm、特に1000〜6000ppmである。
本発明の化学強化ガラスの製造方法において、同時に強化処理を行った複数の化学強化ガラスに対して同時に冷却処理を行うことが好ましい。この場合、複数の化学強化用ガラスを支持体内に配列することが好ましく、その配列状態を保持したままで、以下に説明する予熱処理、イオン交換処理、冷却処理を行うことが好ましい。このようにすれば、多数の化学強化ガラスを一挙に作製することが可能になり、化学強化ガラスの製造効率が向上する。
複数の化学強化用ガラスを支持体内に配列する場合、つまり化学強化用ガラス配列体とする場合、化学強化ガラスの配列間隔は、好ましくは30mm以下,25mm以下、特に20mm以下である。このようにすれば、支持体内での化学強化用ガラスの収容枚数が多くなるため、一度に多数の化学強化用ガラスをイオン交換処理することができる。また、配列間隔が小さい程、化学強化ガラスの強化特性が変動し易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。一方、配列間隔が小さ過ぎると、化学強化ガラス同士が干渉し、傷が発生する虞が生じる。よって、配列間隔は、好ましくは1mm以上、5mm以上、8mm以上、特に10mm以上である。
支持体は、複数の化学強化用ガラスを収納し得る限り、どのような構造でもよいが、枠部と、化学強化用ガラスの側縁部を支持する側縁支持部と、化学強化用ガラスの下端部を支持するための下端支持部とを有する構造が好ましい。側縁支持部及び/又は下端支持部に、V溝等の凹部を設けることも好ましい。このようにすれば、化学強化用ガラスを溝部に当接させることにより、化学強化用ガラスを所定間隔で支持することができる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法は、イオン交換処理前に、予熱処理を行うことが好ましい。予熱開始温度は100℃以下が好ましく、予熱終了温度は強化液の温度±20℃が好ましい。このようにすれば、化学強化用ガラスを強化液に浸漬する際に、熱衝撃により化学強化用ガラスが破損する事態を防止し易くなる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、化学強化用ガラスを強化液に浸漬させることにより、化学強化ガラスを作製する。つまりイオン交換処理により化学強化ガラスを作製する。イオン交換処理は、化学強化用ガラスの歪点以下の温度でガラス表面にイオン半径が大きいアルカリイオンを導入する方法である。強化液によりイオン交換処理すれば、化学強化用ガラスの厚みが小さい場合でも、圧縮応力層を適正に形成することができる。
強化液の組成、イオン交換温度及びイオン交換時間は、化学強化用ガラスの粘度特性等を考慮して決定すればよい。
強化液として、種々の強化液が使用可能であるが、KNO溶融塩又はNaNOとKNOの混合溶融塩が好ましい。このようにすれば、表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上(望ましくは500MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、特に700〜1500MPaになるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。圧縮応力値が大きい程、化学強化ガラスの機械的強度が高くなる。また、圧縮応力値が大きい程、化学強化ガラス間の圧縮応力値が変動し易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。
圧縮応力層の応力深さが15μm以上(望ましくは20μm以上、25μm以上、30μm以上、特に35〜60μm)になるように、イオン交換処理を行うことが好ましい。応力深さが大きい程、化学強化ガラスの表面に傷が付いた場合に、化学強化ガラスが破損し難くなる。また、応力深さが大きい程、化学強化ガラス間の圧縮応力値が変動し易くなるため、本発明の効果を享受し易くなる。ここで、「圧縮応力値」と「応力深さ」は、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて、試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、化学強化用ガラスを強化液に浸漬して強化処理を行った後、強化液から取り出した化学強化ガラスに対して、(強化液の融点+30℃)以下の温度から冷却処理を開始する。冷却開始温度は、好ましくは(強化液の融点+20℃)以下、(強化液の融点+10℃)以下、特には(強化液の融点+5℃)以下である。冷却開始温度が高過ぎると、冷却処理の際に、ガラス表面に付着した強化液の残渣によりイオン交換反応が進行し易くなり、化学強化ガラス間の強化特性の変動幅が大きくなり易い。特に支持体内で内側に配置された化学強化ガラスにおいて、ガラス表面に付着した強化液の残渣によりイオン交換反応が進行し易くなり、化学強化ガラス間の強化特性の変動幅が大きくなり易い。一方、冷却開始温度が低過ぎると、熱衝撃により化学強化ガラスが破損し易くなる。よって、冷却開始温度は、好ましくは(強化液の融点−50℃)以上、(強化液の融点−35℃)以上、(強化液の融点−20℃)以上、特に(強化液の融点−5℃)以上である。
冷却処理を終了する温度、つまり冷却終了温度は、好ましくは20〜250℃、50〜200℃、特に100〜180℃である。このようにすれば、熱衝撃による化学強化ガラスの破損を防止した上で、化学強化ガラスの製造効率を高めることができる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、強化槽の上方に冷却装置を設けた上で、強化液から化学強化ガラス配列体を上方に取り出した後に、直ちに冷却装置内で冷却処理を開始することが好ましい。このようにすれば、化学強化ガラスの製造効率が向上し、熱衝撃により化学強化ガラスが破損し難くなる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、冷却装置内で冷却処理を行うことが好ましく、内部が断熱構造となる冷却装置内で冷却処理を行うことがより好ましい。このようにすれば、冷却条件を制御し易くなる。冷却装置は、ヒーター等の加熱手段を有していることが好ましい。このようにすれば、冷却時に降温速度を制御し易くなる。また、冷却装置は、完全に気密である必要はなく、開口部を有していてもよい。なお、冷却装置は、予熱処理を行う予熱装置として使用してもよい。このようにすれば、装置コストを低減することができる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、冷却装置内に外気を取り込みながら冷却処理を行うことが好ましい。このようにすれば、冷却効率が向上する。この場合、冷却風は、エアになるが、冷却風を窒素やアルゴン等の不活性ガスとしてもよい。
冷却装置内への外気の取り込み風量は、好ましくは0.1〜5m /s、0.5〜3m /s、特に1〜2m /sである。外気の取り込み風量が少な過ぎると、冷却効率が低下し易くなる。一方、外気の取り込み風量が多過ぎると、冷却速度を制御することが困難になる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、化学強化ガラスの面内中央部の位置よりも下方から冷却風を送風することが好ましく、また化学強化ガラス配列体の外側から冷却風を送風することが好ましい。このようにすれば、化学強化ガラスの表面に沿って、冷却風が下方から上方に送風され易くなり、化学強化ガラス間の表面温度の差を低減し易くなる。また化学強化ガラスの面内の温度分布の変動幅を小さくなり、化学強化ガラスの反り量を低減することもできる。
また化学強化ガラスの表面に沿って、冷却風を下方から上方に循環させることが好ましい。このようにすれば、化学強化ガラス間の表面温度の差を更に低減し易くなる。また化学強化ガラスの面内の温度分布の変動幅を小さくなり、化学強化ガラスの反り量を低減することもできる。
更に、冷却装置内に循環手段(例えば、循環ファン、循環ブロア−)を備え、その循環手段により冷却風を循環させることが好ましい。このようにすれば、冷却装置内の温度分布が小さくなり、化学強化ガラス間の表面温度の差を低減し易くなる。
冷却装置内の冷却風の循環風量は、好ましくは0.5〜10m /s、1〜6m /s、特に1.5〜4.5m /sである。循環風量が少な過ぎると、冷却効率が低下し易くなる。一方、循環風量が多過ぎると、冷却速度を制御することが困難になる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、冷却処理が完了した後に、化学強化ガラス(化学強化ガラス配列体)を冷却装置内から外気下に移動することが好ましい。これにより、化学強化ガラスの製造効率が向上する。
本発明の化学強化ガラスの製造方法は、冷却処理を行った後、化学強化ガラスの表面を洗浄することが好ましい。これにより、強化液の残渣、表面付着物等を除去し易くなり、化学強化ガラスの表面品位を高めることができる。
本発明の化学強化ガラスの製造方法において、所定寸法に切断する時期は特に限定されないが、化学強化用ガラスを所定寸法に切断した後に、強化液に浸漬させることが好ましい。このようにすれば、切断面(端面)にも圧縮応力層が形成されるため、化学強化ガラスの端面強度を高めることができる。結果として、端面を起点とした割れを防止し易くなる。
本発明の化学強化ガラスの製造装置は、強化槽内の強化液から取り出した化学強化ガラスをその内部に保持して冷却処理するための冷却装置を備える化学強化ガラスの製造装置であって、冷却装置が、冷却風を冷却装置の内部に送風するための送風口を有し、送風口が、化学強化ガラスの面内中央部の配置予定高さよりも下方に設けられていることを特徴とする。ここで、本発明の化学強化ガラスの製造装置の技術的特徴は、本発明の化学強化ガラスの製造方法の説明欄に一部記載済みであり、その部分については詳細な説明を省略する。
本発明の化学強化ガラスの製造装置は、冷却装置が少なくとも一対の送風口を有し、一対の送風口が、冷却風の吹き出し方向が正対するように配置されていることが好ましく、また化学強化ガラス配列体が配置される位置の外側になるように配置されていることが好ましい。このようにすれば、冷却装置内の中央部で冷却風が衝突して、化学強化ガラス配列体の下方から上方へ向かう上昇気流を発生させ易くなる。
本発明の化学強化ガラスの製造装置は、更に冷却装置の下方から上方への上昇気流を発生させる循環手段(例えば、循環ファン、循環ブロア−)を備えることが好ましい。このようにすれば、冷却効率を高め易くなる。
以下、図面を参酌しながら、本発明の化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造装置を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施態様に限定されるものではない。
図1は、化学強化用ガラス配列体(化学強化ガラス配列体)の一態様を例示する概略斜視図である。図1に示す支持体1は、枠部2と、板状の化学強化用ガラス3を支持する支持部4とを主要な構成要素とする。
支持部4は、複数枚の化学強化用ガラス3を直立姿勢で厚み方向に10mm以下の隙間を置いて配列した状態で支持する。詳述すれば、支持部4は、化学強化用ガラス3の一対の側縁部を支持する側縁支持部4aと、化学強化用ガラス3の下端部を支持する下端支持部4bとで構成される。
側縁支持部4aは、その両端が、不図示のボルト等の締結部材によって着脱自在に梁枠部2eの上面に取り付けられる。側縁支持部4aは、化学強化用ガラス3の同じ高さの側縁部を支持する一対が、同じ高さの梁枠部2eに取り付けられる。側縁支持部4aは、化学強化用ガラス3の側縁部に対向する凹部を有し、この凹部が化学強化用ガラス3の側縁部に当接して支持することよって、化学強化用ガラス3を厚さ方向に位置決めする。下端支持部4bは、その両端が、底枠部2aにおける一対の長辺部の上面に、不図示のボルト等の締結部材によって着脱自在に取り付けられる。下端支持部4bは、化学強化用ガラス3を上面で支持するだけで、化学強化用ガラス3を厚さ方向に位置決めする凹部等の要素を有さない。なお、下端支持部4bは、化学強化用ガラス3を厚さ方向に位置決めする要素を有してもよい。
保温板5は、両側枠部2bに配設され、支持部4に支持される複数の化学強化用ガラス3の両側縁部に対面した状態で、これらの化学強化用ガラス3を保温するものであるが、必要に応じて、保温板5を除いてもよい。なお、本実施形態では、保温板5は、複数の化学強化用ガラス3の両側方にのみ配設されている。したがって、枠部2のうち、化学強化用ガラス3の厚み方向の最前面と最背面の化学強化用ガラス3のそれぞれに対面する前枠部2cと後枠部2dには、開口部が存在している。また、化学強化用ガラス3の下側に存する底枠部2aにも、開口部が存在している。
図2は、図1に示す化学強化用ガラス配列体10を強化液11に浸漬させて、イオン交換処理を行っている状態を示す断面概念図である。図2では、化学強化用ガラス配列体10は、強化槽12内の強化液11中に浸漬されている。強化槽12は、例えばSUS304で成型された槽であり、強化槽12内には、温度センサーが複数設置されており、この温度センサーの信号を受けて、強化液11の温度が制御されている。強化槽12の上部は、開閉ドア13で閉じられている。これにより、強化液11から発生する蒸気が強化槽12の外部に漏洩し難い構造になっている。また、強化槽12の上方には、内部が断熱構造となる冷却装置14が設けられており、冷却装置14の下部は開閉ドア15により閉じられている。また、冷却装置14の上部には、冷却ファン16、取り込み口17、18が設けられており、冷却装置14の側面上方には循環ファン19、20が相対する位置に設けられている。そして、冷却装置14の外周側面を囲うようにヒーター21が設けられており、冷却装置14の内周側面には、取り込み口17、18から取り込んだ外気を下方へと送風する送風経路22が設けられている。
図3は、イオン交換処理により得られた化学強化ガラス配列体23を強化液11から取り出して、冷却装置14に移動する状態を示す断面概念図である。図3では、強化槽12の開閉ドア13と冷却装置の開閉ドア15は開放されており、冷却装置14の外周側面の下方からスカート部24が伸びて、強化槽12と連結されている。これにより、強化槽12と冷却装置14は、内部空間が繋がった状態になっている。ここで、強化槽12の開閉ドア13と冷却装置14の開閉ドア15は、不図示のシリンダーにより開閉動作が制御されており、スカート部24も不図示のシリンダーにより上下動作が制御されている。その後、化学強化ガラス配列体23は、強化液11から引き上げられて、上方の冷却装置14内に移動する。この冷却装置14の内部は、予め所定温度(冷却開始温度)に設定されている。
図4は、化学強化ガラス配列体23を冷却装置14内に収容し、冷却処理を行っている状態を示す断面概念図である。図4では、強化槽12の開閉ドア13と冷却装置14の開閉ドア15は閉じられており、冷却装置14の外周側面の下方から伸びていたスカート部24は、冷却装置14内に格納されている。冷却処理の際、冷却装置14内のヒーター21は、予め設定された冷却条件になるように、冷却装置14内に設置された温度センサーの信号を読み取り、運転と停止の動作を繰り返し行っている。また、冷却装置14の取り込み口17、18から取り込んだ外気(冷却風)は、循環ファン19、20の回転により送風経路22を通って、冷却装置14の底部に到達した後、冷却装置14の相対する位置に設置された送風口25、26から冷却装置14の内部に向かって送風されている。ここで、循環ファン19、20の回転速度を制御すれば、冷却風の循環風量を制御することができる。その後、冷却風は、冷却装置14の底部の中央部で衝突し、冷却ファン16の回転により上昇気流となって、各化学強化ガラス間の隙間を通り、外部に排出される。これと同時に、外気が取り込み口17、18から冷却装置14内に取り込まれる。ここで、冷却ファン16の回転速度を制御すれば、外気の取り込み風量を制御することができる。なお、取り込み口17、18、送風口25、26は、外気の取り込み量を制御するために、開閉割合を自動制御する機構を有していてもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)と比較例(試料No.5〜7)を示している。
次のようにして、化学強化用ガラスを作製した。まずガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製した。次に、このガラスバッチを連続溶融炉に投入し、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経て、オーバーフローダウンドロー法により表中に示す厚みを有する板状に成形した後、表中に示す寸法に切断して、表中に示す枚数の化学強化用ガラスを作製した。ここで、化学強化用ガラスのガラス組成Aは、質量%で、SiO 61.4%、Al 18%、B 0.5%、LiO 0.1%、NaO 14.5%、KO 2%、MgO 3%、BaO 0.1%、SnO 0.4%を含有する。化学強化用ガラスのガラス組成Bは、質量%で、SiO 65.9%、Al 14.2%、B 2.3%、LiO 0.1%、NaO 13.4%、KO 0.6%、MgO 3%、BaO 0.1%、SnO 0.4%を含有する。
次に、表中に示す枚数の化学強化用ガラスを直立姿勢で厚み方向に表中に示す間隔を置いて、図1に示された支持体内に配列し、この化学強化用ガラス配列体を表中に示す条件で予熱処理を行った後、図2に示すように、表中に示す条件で強化液(KNO溶融塩:融点333〜334℃)に浸漬させた。
続いて、図3に示すように、得られた化学強化ガラス配列体を強化液から取り出した後、表中に示す冷却開始温度に設定された冷却装置内に直ちに移動させて、冷却処理を開始し、表中に示す冷却終了温度まで冷却処理を行った。
ここで、冷却処理は、図4に示された冷却装置により行った。冷却条件は、冷却装置内のヒーターと表中に示す循環風量及び外気の取り込み量により制御されている。冷却処理の際に、冷却風が、各化学強化ガラス間の隙間を通って、下方から上方に向かって送風されるように制御した。例えば、冷却風を循環ファンの回転により冷却装置の底部に到達させた後、その冷却風を相対位置の一対の送風口から冷却装置の内部に向かって吹き出すことにより、冷却装置の底部の中央部で冷却風を衝突させると共に、冷却装置の上方に設けられた冷却ファンの回転により上昇気流とし、各化学強化ガラス間の隙間を経由して、外部に排出した。
次に、表中に示す冷却終了温度に到達した後、化学強化ガラス配列体を外気(20℃)下に移動して、急冷した。更に、化学強化ガラス配列体から、表中に示す枚数の化学強化ガラスを採取した後、化学強化ガラスの表面を洗浄、乾燥した。
最後に、得られた化学強化ガラスについて、強化特性を評価した。具体的には、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力層の圧縮応力値と応力深さを算出し、その平均値と変動幅を評価した。その結果を表1に示す。なお、算出に当たり、化学強化ガラスの屈折率を1.50、光学弾性定数を30[(nm/cm)/MPa]とした。
表1から分かるように、試料No.1〜4は、冷却開始温度が低いため、試料No.5〜7よりも強化特性の変動幅が小さかった。特に、試料No.1、3は、循環風量が多いため、強化特性の変動幅が特に小さかった。なお、試料No.1に係る化学強化ガラス配列体について、冷却開始温度を250℃以下とすると、熱衝撃により化学強化ガラスが破損する虞がある。
表2は、本発明の化学強化ガラスの製造方法を適用可能なガラス組成を例示している。本発明の化学強化ガラスの製造方法により冷却処理を行うと、表2に記載の化学強化用ガラス(試料a〜d)でも[実施例1]で示された傾向と同様の効果が得られるものと考えられる。
本発明に係る化学強化ガラスは、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等の表示デバイスのカバーガラスに好適である。また、本発明に係る化学強化ガラスは、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、固体撮像素子用カバーガラス、食器等への応用が期待できる。
1 支持体、2 枠部、2a 底枠部、2b 両側枠部、2c 前枠部、2d 後枠部、2e 梁枠部、3 化学強化用ガラス、4 支持部、4a 側縁支持部、4b 下端支持部、5 保温板10 化学強化用ガラス配列体、11 強化液、12 強化槽、13、15 開閉ドア、14 冷却装置、15 開閉ドア、16 冷却ファン、17、18 取り込み口、19、20 循環ファン、21 ヒーター、22 送風経路、23 化学強化ガラス配列体、24 スカート部、25、26 送風口

Claims (13)

  1. 化学強化用ガラスを強化液に浸漬して強化処理を行った後、強化液から取り出した化学強化ガラス、(強化液の融点+30℃)以下の温度に保持された冷却装置内に移動させて冷却処理を開始し、
    前記化学強化ガラスの面内中央部の位置よりも下方から冷却風を送風して前記冷却処理を行うことを特徴とする化学強化ガラスの製造方法。
  2. (強化液の融点−50℃)以上の温度から前記冷却処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  3. 同時に前記強化処理を行った複数の前記化学強化ガラスに対して同時に前記冷却処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  4. 一定間隔を置いて配列した状態で同時に前記強化処理を行った複数の前記化学強化ガラスに対して、その配列を保持した状態で同時に前記冷却処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
  5. 前記冷却装置内に外気を取り込みながら前記冷却処理を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
  6. 前記冷却装置内への前記外気の取り込み風量は、0.5〜5m /sであることを特徴とする請求項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  7. 表示デバイスのカバーガラス用途の化学強化ガラスの製造方法であって、
    前記強化処理において、圧縮応力値が700〜1500MPaになるように前記化学強化用ガラスの表面に圧縮応力層を形成する請求項〜6の何れかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
  8. 前記化学強化ガラスの表面に沿って、冷却風を下方から上方に送風することを特徴とする請求項〜7の何れかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
  9. 前記冷却装置に設置された循環手段により前記冷却風を循環させることを特徴とする請求項の何れかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
  10. 強化槽内の強化液から取り出した化学強化ガラスをその内部に保持して冷却処理するための冷却装置を備える化学強化ガラスの製造装置であって、
    前記冷却装置が、冷却風を前記冷却装置の内部に送風するための送風口を有し、
    前記送風口が、前記化学強化ガラスの面内中央部の配置予定高さよりも下方に設けられており、
    (強化液の融点+30℃)以下の温度から前記化学強化ガラスの前記冷却処理を開始することを特徴とする化学強化ガラスの製造装置。
  11. 前記冷却装置が少なくとも一対の前記送風口を有し、一対の前記送風口が、前記冷却風の吹き出し方向が正対するように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の化学強化ガラスの製造装置。
  12. 前記冷却装置が、前記冷却装置の下方から上方への上昇気流を発生させる循環手段を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の化学強化ガラスの製造装置。
  13. 前記冷却装置が前記強化槽の上方に設けられていることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の化学強化ガラスの製造装置。
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