以下、シール装置における一実施形態について、図1〜図11を参酌して説明する。なお、各図(図12及び図13も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致していない。本実施形態に係るシール装置は、ヒートシーラ(より具体的には、インパルス式ヒートシーラ)である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシール装置1は、台上や地上等に載置される本体2と、本体2と対象物(例えば、ポリエチレンの包装材)100を挟んでシールするために、対象物100を加熱するヒータ31を有し且つ本体2に対して可動な可動体3とを備えている。また、シール装置1は、ヒータ31に電力を供給する電源部4と、ヒータ31への通電(加熱温度、加熱時間等)を制御する制御部5とを備えている。
本体2は、可動体3と対象物100を挟む際に、対象物100を経由して、ヒータ31の熱を放出する放熱部21を備えている。なお、本体2は、放熱部21の一部を覆う放熱性に優れるシリコンシート22と、シリコンシート22を覆うガラステープ23とを備えている(図11参照)。
本体2は、シール条件(例えば、加熱時間、加熱温度等)を入力するために、ユーザに操作される操作部24を備えている。また、本体2は、放熱部21の底部に連結される基台部25を備えている。基台部25は、本体2の底部を構成し、そして、耐薬品性を有するポリカーボネートで形成されている。
放熱部21は、中空状に形成され、内部に、電源部4を収容している。即ち、電源部4は、本体2に配置されている。具体的には、電源部4は、本体2の内部に配置されている。そして、放熱部21は、放熱性に優れており、大きい熱伝導率を有している。本実施形態においては、放熱部21は、アルミニウムで形成されている。なお、放熱部21は、ヒータ31の熱を、対象物100、ガラステープ23、及びシリコンシート22を経由して、伝導される。
可動体3は、本体2に回転可能に機械的に接続(以下、単に「接続」という)されるベース体32と、ヒータ31を支持する導電性の支持体33と、支持体33とヒータ31との間に介在される絶縁体34と、支持体33をベース体32から離反するように付勢する弾性体35とを備えている。なお、可動体3は、支持体33とヒータ31との間に配置されるガラステープ36と、ヒータ31を外側から覆うガラステープ37とを備えている(図7、図10及び図11参照)。
ベース体32は、耐薬品性を有するポリカーボネートで形成されている。また、ベース体32は、中空状に形成されており、支持体33の一部は、ベース体32に収容されている。そして、支持体33は、本体2と可動体3とが対象物100を挟む際に、当該挟む方向においてベース体32に対して可動なようにベース体32に接続されている。これにより、本体2と可動体3とは、対象物100を適切に挟むことができる。
なお、ベース体32と支持体33とは、係合する係合部32a,33aをそれぞれ備えている。これにより、支持体33は、ベース体32に対して所定距離以上移動することを、規制されている。本実施形態においては、支持体33の係合部33aは、貫通孔であり、ベース体32の係合部32aは、支持体33の係合部33aに挿入される柱状部である。
可動体3は、本体2の上方に配置されている。また、本体2は、可動体3に接続される本体接続部26を長手方向の端部に備えており、可動体3のベース体32は、本体接続部26に回転可能に接続される可動接続部32bを長手方向の端部に備えている。そして、可動体3は、本体2に対して回転することで、本体2に接近又は離反する。
ヒータ31は、長尺に形成されている。そして、ヒータ31は、長手方向の第1の端部に配置される第1電極31aと、長手方向の第2の端部に配置される第2電極31bとを備えている。また、ヒータ31は、インパルス通電される(瞬間的に大電流を流す)ことにより発熱する導電性発熱材で形成されている。本実施形態においては、ヒータ31は、ニクロムで形成されている。
支持体33は、長尺に形成されている。そして、支持体33の長手方向は、ヒータ31の長手方向と同じ方向である。本実施形態においては、支持体33は、アルミニウムで形成されている。なお、支持体33の外気と接する表面積は、放熱部21の外気と接する表面積よりも、小さい。
絶縁体34は、長尺に形成されている。そして、絶縁体34の長手方向は、ヒータ31の長手方向及び支持体33の長手方向と同じ方向である。また、絶縁体34は、本体2と可動体3とが対象物100を挟む際に、ヒータ31の熱が支持体33に伝導されることを抑制するために、断熱性を有している。これにより、本体2と可動体3とが対象物100を挟む際(特に、ヒータ31への通電が停止された際)に、ヒータ31から支持体33への伝熱量がヒータ31から放熱部21への伝熱量よりも小さくなる。
絶縁体34の熱伝導率は、本体2の放熱部21の熱伝導率よりも小さい。また、例えば、絶縁体34の熱伝導率は、本体2のシリコンシート22及びガラステープ23の熱伝導率よりも小さい。また、例えば、絶縁体34の厚みは、本体2のシリコンシート22及びガラステープ23の厚みより小さい。本実施形態においては、絶縁体34は、シリコンで形成されている。
電源部4は、本実施形態においては、外部から入力された電力(電圧)を変圧する変圧器としている。なお、例えば、電源部4は、電池(例えば、蓄電池、乾電池)でもよい。また、例えば、電源部4は、外部からの電力を中継する機構(例えば、ケーブル、バスバー、端子等)でもよい。
ところで、図2〜図10に示すように、シール装置1は、ヒータ31に電源部4の電力を供給するために、ヒータ31と電源部4とを電気的に接続(以下、「電気接続」ともいう)させる導電機構6を備えている。導電機構6は、電源部4とヒータ31の第1電極31aとを電気接続する第1導電経路7と、電源部4とヒータ31の第2電極31bとを電気接続する第2導電経路8とを備えている。
まず、第1導電経路7について、図2〜図7を参酌して説明する。
第1導電経路7は、図2〜図4に示すように、本体2に対して固定される本体導電部71と、可動体3に対して固定され、本体導電部71に滑る状態で接触する可動導電部72とを備えている。また、第1導電経路7は、本体導電部71と可動導電部72とを加圧接触させる加圧部(例えば、ウェーブワッシャ、板バネ等)73を備えている。
第1導電経路7は、導電材(例えば、ケーブル、バスバー等)74を経由して、本体導電部71と電源部4とを電気接続している。また、第1導電経路7は、導電材(例えば、ケーブル、バスバー等)75、支持体33、及び第1電極固定部76を経由して、可動導電部72とヒータ31の第1電極31aとを電気接続している。なお、絶縁体34は、支持体33とヒータ31の第2電極31bとを電気的に絶縁している。
図4及び図5に示すように、本体導電部71は、平板状に形成される本体平板部71aを備えている。また、本体導電部71は、導電材74に連結される端子部71bと、本体2に対して固定されるために、本体平板部71aから突出して本体接続部26と係合する係合片71c,71cとを備えている。
本体平板部71aは、環状に形成されている。具体的には、本体平板部71aは、円環状に形成されている。また、一方の係合片71cは、端子部71bと連結されている。即ち、一方の係合片71cは、本体平板部71aと端子部71bとを電気的に接続している。
可動導電部72は、平板状に形成される可動平板部72aを備えている。また、可動導電部72は、導電材75に連結される端子部72bと、可動体3に対して固定されるために、可動平板部72aから突出して可動接続部32bと係合する係合片72cとを備えている。
可動平板部72aは、環状に形成されている。具体的には、可動平板部72aは、円環状に形成されている。また、係合片72cは、端子部72bと連結されている。即ち、係合片72cは、可動平板部72aと端子部72bとを電気的に接続している。
本体導電部71は、可動平板部72aに接触するために、本体平板部71aから可動平板部72aに向けて突出する突出部71dを備えている。これにより、本体平板部71aと可動平板部72aとは、離間して対面している。具体的には、本体平板部71aと可動平板部72aとは、平行となるように配置されている。
突出部71dは、半球状に形成されている。また、突出部71dは、複数備えられている。本実施形態においては、突出部71dは、三つ備えられているが、一つ、二つ、又は四つ以上備えられていてもよい。そして、複数の突出部71dは、互いに離間して配置されている。具体的には、複数の突出部71dは、周方向に沿って延びて環状である本体平板部71aの当該周方向に沿って等間隔に配置されている。
そして、可動体3が本体2に対して回転する際には、本体導電部71の係合片71cは、可動体3が本体2に対して回転する方向で本体接続部26と係合しているため、本体導電部71は、本体2の本体接続部26に固定されている。同様に、可動導電部72の係合片72cは、可動体3が本体2に対して回転する方向でベース体32の可動接続部32bと係合しているため、可動導電部72は、可動体3の可動接続部32bに固定されている。
これにより、可動体3が本体2に対して回転する際には、可動体3と可動導電部72とは、一体となって、本体2と本体導電部71とに対して回転する。このとき、可動導電部72の可動平板部72aは、本体導電部71の突出部71dに加圧接触していると共に、滑りながら接触している。
なお、本体接続部26は、円柱状に突出する支軸26aを備えている。そして、環状の加圧部73、環状の本体平板部71a、環状の可動平板部72a、筒状の可動接続部32bは、支軸26aに挿入されている。したがって、可動体3は、支軸26aを軸として、本体2に対して回転する。
また、ベース体32は、電気絶縁性を有しており、また、本体導電部71及び可動導電部72を内部に収容している。これにより、本体導電部71及び可動導電部72が露出することを防止することができる。
また、突出部71dを有する本体導電部71の硬度は、可動導電部72の硬度よりも大きい。本実施形態においては、本体導電部71は、リン青銅で形成されており、可動導電部72は、黄銅で形成されている。なお、各導電部71,72の材質は、特に限定されない。
図6及び図7に示すように、第1電極固定部76は、支持体33とヒータ31の第1電極31aとを電気接続するために、支持体33と第1電極31aとにそれぞれ連結される導電体76aを備えている。そして、第1電極固定部76は、導電体76aと支持体33とを固定する固定体(例えば、ボルト)76bと、導電体76aと第1電極31aとを固定する固定体(例えば、ボルト)76cとを備えている。
次に、第2導電経路8について、図8〜図10を参酌して説明する。
第2導電経路8は、図8に示すように、本体2に対して固定される本体導電部81と、可動体3に対して固定され、本体導電部81に滑る状態で接触する可動導電部82とを備えている。また、第2導電経路8は、本体導電部81と可動導電部82とを加圧接触させる加圧部(図示していない)を備えている。なお、第2導電経路8の各導電部81,82の構成は、第1導電経路7の各導電部71,72の構成と略同様であるため、説明しない。
第2導電経路8は、導電材(例えば、ケーブル、バスバー等)83を経由して、本体導電部81と電源部4とを電気接続している。また、第2導電経路8は、導電材(例えば、ケーブル、バスバー等)84及び第2電極固定部85を経由して、可動導電部82とヒータ31の第2電極31bとを電気接続している。
図9及び図10に示すように、第2電極固定部85は、導電材84とヒータ31の第2電極31bとを電気接続するために、導電材84と第2電極31bとにそれぞれ連結される導電体85aを備えている。そして、第2電極固定部85は、導電体85aと導電材84とを固定する固定体(例えば、ボルト)85bと、導電体85aと第2電極31bとを固定する固定体(例えば、ボルト)85cとを備えている。
ところで、ヒータ31の第1電極31aは、第1電極固定部76を介在して、支持体33に対して固定されている。そして、ヒータ31は、自身の温度変化により、特に長手方向において伸縮する。
そこで、可動体3は、伸縮するヒータ31に引張力を付与する引張機構38を備えている。引張機構38は、支持体33とヒータ31の第2電極31bとを接続する接続体38aと、接続体38aを付勢する付勢体38bとを備えている。
接続体38aは、ヒータ31の第2電極31bに対して固定されている。そして、接続体38aは、支持体33に対して可動なように支持体33に接続されている。具体的には、接続体38aは、支持体33に回転可能に接続されている。これにより、ヒータ31が長手方向に伸縮することに対応して、接続体38aは、支持体33に対して可動である。
付勢体38bは、ヒータ31の第2電極31bが第1電極31aから離反するように、接続体38aを付勢している。これにより、付勢体38bは、ヒータ31に長手方向の引張力を付与している。本実施形態においては、付勢体38bは、弦巻バネとしている。
接続体38aは、ヒータ31の第2電極31bと支持体33とを電気的に絶縁させるために、電気絶縁性を有している。また、接続体38aは、第2電極固定部85の導電体85aを覆うように、該導電体85aを内部に収容している。これにより、接続体38aは、支持体33と第2電極固定部85とを電気的に絶縁させている。
本実施形態に係るシール装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るシール装置1を用いたシール方法について、図11を参酌して説明する。
図11に示すように、シールされる対象物100は、内容物110を内部に収容した包装袋100である。包装袋100は、ヒータ31の熱で溶融し且つ内視可能な透明可溶シート101と、ヒータ31の熱に溶融せず且つ内視不能な不透明不溶シート102とを備えている。例えば、透明可溶シート101は、ペットポリエチレンなどで形成されており、また、例えば、不透明不溶シート102は、不織布、紙等で形成されている。
ユーザ200は、内容物110の位置を確認して、包装袋100をシールする。これにより、包装袋100は、透明可溶シート101が上方側に位置して且つ不透明不溶シート102が下方側に位置した状態で、本体2と可動体3とに挟まれる。そして、可動体3が本体2に対して適切に位置されると、ヒータ31が通電される。
これにより、ヒータ31は、発熱するため、包装袋100を加熱する。このとき、ヒータ31は、不透明不溶シート102を介在することなく、透明可溶シート101を加熱することができる。したがって、本実施形態に係るシール装置1は、適正な加熱条件(加熱温度、加熱時間)で対象物100をシールできるため、例えば、ヒータ31が本体2にのみ配置されている従来のシール装置に対して、例えば、ヒータ31の寿命を長くできたり、ヒータ31での消費電力を少なくできたりする。
そして、所定時間が経過することにより、ヒータ31への通電が停止される。このとき、絶縁体34が断熱性を有しているため、ヒータ31の熱が支持体33に伝導することを抑制している。これにより、ヒータ31の熱は、ガラステープ37、包装袋100、ガラステープ23、及びシリコンシート22を経由して、放熱部21から確実に放出する。その後、所定時間が経過した後に、可動体3が本体2から離反されることで、包装袋100のシールが完了する。
以上より、本実施形態に係るシール装置1は、本体2と、前記本体2と対象物100を挟んでシールするために、対象物100を加熱するヒータ31を有し且つ前記本体2に対して可動な可動体3と、を備えるシール装置1において、前記本体2に配置され、前記ヒータ31に電力を供給する電源部4と、前記ヒータ31と前記電源部4とを電気的に接続させる導電機構6と、を備え、前記導電機構6は、前記本体2に対して固定され且つ前記電源部4と電気的に接続される本体導電部71,81と、前記可動体3に対して固定され且つ前記ヒータ31と電気的に接続される可動導電部72,82と、を備え、前記可動導電部72,82は、前記本体導電部71,81に滑る状態で接触する。
斯かる構成によれば、可動体3は、対象物100を加熱するヒータ31を有していると共に、本体2に対して可動である。そして、可動体3と本体2とが対象物100を挟むことにより、対象物100をシールすることができる。このように、少なくとも可動体3がヒータ31を有しているため、例えば、図11に示すように、透明可溶シート101と不透明不溶シート102とからなる包装袋100をシールする際に、ヒータ31が不透明不溶シート102を介在することなく透明可溶シート101を加熱することができる。
また、本体導電部71,81は、本体2に対して固定されていると共に、電源部4と電気的に接続されている。そして、可動導電部72,82は、可動体3に対して固定されていると共に、ヒータ31と電気的に接続されている。さらに、可動導電部72,82は、本体導電部71,81に滑る状態で接触している。
これにより、本体導電部71,81及び可動導電部72,82を有する導電機構6は、可動体3のヒータ31と本体2に配置されている電源部4とを電気的に接続させている。したがって、本体2に配置されている電源部4の電力を、可動体3のヒータ31に供給することができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記本体導電部71,81は、平板状に形成される本体平板部71aを備え、前記可動導電部72,82は、平板状に形成され且つ前記本体平板部71aと対面する可動平板部72aを備え、前記本体導電部71,81及び前記可動導電部72,82のうち一方の導電部71,81は、他方の導電部72,82の前記平板部72aに接触するために、自身の前記平板部71aから他方の前記平板部72aに向けて突出する突出部71dを備える、という構成である。
斯かる構成によれば、本体導電部71,81は、平板状に形成される本体平板部71aを備えており、可動導電部72,82は、平板状に形成される可動平板部72aを備えている。そして、本体平板部71aと可動平板部72aとは、対面している。また、本体導電部71,81及び可動導電部72,82のうち一方の導電部(具体的には、本体導電部)71,81は、自身の平板部(具体的には、本体平板部)71aから他方の平板部(具体的には、可動平板部)72aに向けて突出する突出部71dを備えている。
そして、該突出部71dは、他方の導電部(具体的には、可動導電部)72,82の平板部(具体的には、可動平板部)72aに接触している。これにより、例えば、本体導電部71,81と可動導電部72,82との構造(特に、本体平板部71aと可動平板部72aとが対面する方向の寸法)を小さくすることができる。また、例えば、本体導電部71,81と可動導電部72,82との間に生じる摩擦力を小さくすることができると共に、本体導電部71,81と可動導電部72,82とを確実に電気的に接続することができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記突出部71dは、複数備えられると共に、互いに離間して配置される、という構成である。
斯かる構成によれば、突出部71dは、複数備えられている。そして、複数の突出部71dが互いに離間して配置されている。これにより、例えば、粉塵等が本体平板部71aと可動平板部72aとの間に侵入した場合には、粉塵等は、突出部71d,71d同士間から退出し、本体平板部71aと可動平板部72aとの間から退出する。したがって、例えば、粉塵等が本体導電部71,81と可動導電部72,82との間に堆積することを抑制することができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記本体導電部71,81及び前記可動導電部72,82のうち前記突出部71dを有する一方の導電部71,81の硬度は、他方の導電部72,82の硬度よりも大きい、という構成である。
斯かる構成によれば、本体導電部71,81及び可動導電部72,82のうち突出部71dを有する一方の導電部(具体的には、本体導電部)71,81の硬度は、他方の導電部(具体的には、可動導電部)72,82の硬度よりも大きい。これにより、例えば、突出部71dが、他方の導電部(具体的には、可動導電部)72,82の平板部(具体的には、可動平板部)72aに滑るように接触し続けた場合でも、突出部71dが摩耗して削れることを抑制することができる。したがって、時間の経過に関わらず、本体導電部71,81と可動導電部72,82とを確実に電気的に接続することができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記可動体3は、前記本体2に回転可能に接続されるベース体32と、前記本体2と対象物100を挟む際に、当該挟む方向において前記ベース体32に対して可動なように前記ベース体32に接続され、前記ヒータ31を支持する導電性の支持体33と、前記支持体33と前記ヒータ31との間に介在される絶縁体34と、を備え、前記支持体33は、前記電源部4と電気的に接続されると共に、前記ヒータ31の第1電極31aと電気的に接続され、前記絶縁体34は、前記支持体33と前記ヒータ31の第2電極31bとを電気的に絶縁する、という構成である。
斯かる構成によれば、支持体33は、ヒータ31を支持している。そして、ベース体32は、本体2に回転可能に接続されており、支持体33は、ベース体32に対して可動なようにベース体32に接続されている。これにより、可動体3と本体2とが対象物100を挟む際に、支持体33は、当該挟む方向において、ベース体32に対して可動である。したがって、可動体3と本体2とが対象物100を適切に挟むことができるため、対象物100を確実にシールすることができる。
また、支持体33は、導電性を有しており、ヒータ31に電力を供給する電源部4と電気的に接続されると共に、ヒータ31の第1電極31aと電気的に接続されている。そして、絶縁体34は、支持体33とヒータ31との間に介在され、支持体33とヒータ31の第2電極31bとを電気的に絶縁している。これにより、支持体33を経由して、電源部4とヒータ31の第1電極31aとを電気的に接続しているため、例えば、電源部4とヒータ31の第1電極31aとの間の第1導電経路7の構造を簡素にすることができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記ヒータ31は、長尺に形成され、前記第1電極31aは、前記ヒータ31の長手方向の第1の端部に配置され、前記第2電極31bは、前記ヒータ31の長手方向の第2の端部に配置され、前記ヒータ31の前記第1電極31a及び前記第2電極31bのうち一方の電極31aは、前記支持体33に対して固定され、前記可動体3は、前記ヒータ31に引張力を付与する引張機構38を備え、前記引張機構38は、他方の電極31bに対して固定されて且つ前記ヒータ31が長手方向に伸縮することに対応して前記支持体33に対して可動なように前記支持体33に接続される接続体38aと、前記ヒータ31に長手方向の引張力を付与するために、前記接続体38aを付勢する付勢体38bと、を備える、という構成である。
斯かる構成によれば、第1電極31aは、長尺なヒータ31の長手方向の第1の端部に配置されており、第2電極31bは、長尺なヒータ31の長手方向の第2の端部に配置されている。また、ヒータ31の第1電極31a及び第2電極31bのうち一方の電極(具体的には、第1電極)31aは、支持体33に対して固定され、他方の電極(具体的には、第2電極)31bは、接続体38aに対して固定されている。
そして、接続体38aは、ヒータ31が長手方向に伸縮することに対応して、支持体33に対して可動なように支持体33に接続されている。さらに、付勢体38bは、接続体38aを付勢するため、ヒータ31に長手方向の引張力を付与する。これにより、接続体38a及び付勢体38bを有する引張機構38は、長手方向に伸縮するヒータ31に引張力を付与し続けることができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記接続体38aは、前記ヒータ31の前記第2電極31bに対して固定されると共に、前記ヒータ31の前記第2電極31bと前記支持体33とを絶縁させるために、絶縁性を有する、という構成である。
斯かる構成によれば、接続体38aがヒータ31の第2電極31bに対して固定されているため、ヒータ31の第2電極31bと支持体33とは、接続体38aにより、接続されている。そして、接続体38aが電気絶縁性を有しているため、支持体33とヒータ31の第2電極31bとを確実に電気的に絶縁させることができる。
また、本実施形態に係るシール装置1においては、前記本体2は、前記可動体3と対象物100を挟む際に、対象物100を経由して、前記ヒータ31の熱を放出する放熱部21を備え、前記絶縁体34は、前記本体2と前記可動体3とが対象物100を挟む際に、前記ヒータ31の熱が前記支持体33に伝導されることを抑制するために、断熱性を有する、という構成である
斯かる構成によれば、放熱部21は、本体2と可動体3とが対象物100を挟む際に、対象物100を経由して、ヒータ31の熱を放出する。そして、絶縁体34が断熱性を有しているため、本体2と可動体3とが対象物100を挟む際に、ヒータ31の熱が支持体33に伝導することを抑制することができる。したがって、ヒータ31の熱を放熱部21から確実に放出することができる。
なお、シール装置は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、シール装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
また、「電気的に接続(電気接続)」は、接して直接的に電気的に接続されている構成だけでなく、他の部材等を介在させて間接的に電気的に接続されている構成も含む。また、「(機械的に)接続」は、接して直接的に機械的に接続されている構成だけでなく、他の部材等を介在させて間接的に機械的に接続されている構成も含む。また、「固定」とは、接して直接的に固定されている構成だけでなく、他の部材等を介在させて間接的に固定されている構成も含む。
上記実施形態に係るシール装置1においては、ヒータ31は、可動体3のみに配置されている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、ヒータは、可動体3だけでなく、本体2にも配置されていている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、突出部71dは、本体導電部71,81に備えられている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、突出部は、可動導電部72,82に備えられている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、本体導電部71,81は、本体平板部71aと突出部71dとを備え、可動導電部72,82は、可動平板部72aを備え、突出部71dと可動平板部72aとは、接触する、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。
例えば、シール装置においては、本体導電部71,81は、本体平板部71aを備え、可動導電部72,82は、本体平板部71aと対面する可動平板部72aを備え、本体平板部71aと可動平板部72aとは、接触する、という構成でもよい。また、本体導電部71,81及び可動導電部72,82の少なくとも一方は、平板部71a,72aを備えていない、という構成でもよい。要するに、本体導電部71,81及び可動導電部72,82の構成は、特に限定されず、可動導電部72,82は、本体導電部71,81に滑る状態で接触する、という構成であればよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、突出部71dは、半球状に形成されている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、突出部は、周方向に沿って延びる本体平板部71aの周方向に沿って、環状に連続して突出している、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、突出部71dを有する一方の導電部71の硬度は、他方の導電部72の硬度よりも大きい、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、突出部71dを有する一方の導電部71の硬度は、他方の導電部72の硬度と同じ、という構成でもよく、また例えば、突出部71dを有する一方の導電部71の硬度は、他方の導電部72の硬度より小さい、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、本体2に対する可動体3の位置に関わらず、本体導電部71,81と可動導電部72,82とは、接触している、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、可動体3が本体2と対象物100を挟む位置に位置する際に、本体導電部71,81と可動導電部72,82とは、接触しており、可動体3が本体2から離間する位置に位置する際に、本体導電部71,81と可動導電部72,82とは、離間している、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、第1導電経路7の可動導電部72は、導電材75、支持体33、及び第1電極固定部76を経由して、ヒータ31の第1電極31aと電気接続されている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、第1導電経路7の可動導電部72は、支持体33を経由することなく、導電材75及び第1電極固定部76を経由して、ヒータ31の第1電極31aと電気接続されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、付勢体38bは、弦巻バネである、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、図12及び図13に示すように、絶縁体34は、付勢体38bとして機能するために、弾性を有し、接続体38aを付勢するように接続体38aに接触する、という構成でもよい。
斯かる構成によれば、絶縁体34は、弾性を有している。そして、絶縁体34は、接続体38aを付勢するように接続体38aに接触している。これにより、絶縁体34が付勢体38bとして機能することができるため、例えば、引張機構38の構成を簡素にすることができる。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、ヒータ31の第1電極31aは、基端側(例えば、図1の右側)で本体2に接続される可動体3に対して、可動体3の先端側(例えば、図1の左側)に配置されている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、ヒータ31の第1電極31aは、基端側で本体2に接続される可動体3に対して、可動体3の基端側に配置されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、引張機構38の接続体38aは、ヒータ31の第2電極31bに対して固定されると共に、支持体33に対して可動なように支持体33に接続されている、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、引張機構38の接続体38aは、ヒータ31の第1電極31aに対して固定されると共に、支持体33に対して可動なように支持体33に接続されている、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係るシール装置1においては、絶縁体34は、断熱性を有する、という構成である。しかしながら、シール装置は、斯かる構成に限られない。例えば、シール装置においては、絶縁体34は、熱伝導性を有し、ヒータ31の熱は、絶縁体34を経由し、支持体33から放出される、という構成でもよい。