JP6659062B2 - ナノ粒子評価方法およびナノ粒子観察装置 - Google Patents

ナノ粒子評価方法およびナノ粒子観察装置 Download PDF

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Description

本発明は、ナノ粒子の分散状態を評価する方法と、ナノ粒子の形状等を観察する装置に関する。
ナノ材料の性能向上や安全性評価に向けて、ナノ粒子の形状評価の精密化が求められている。電子顕微鏡(TEM、SEM)や原子間力顕微鏡(AFM)を用いれば、ナノメートルオーダーの個々の粒子が観察できる。このため、ナノ粒子の形状等の観察は、TEM等を用いて行われている。しかしながら、TEM等は、空間分解能が高い分、視野が狭い。不均一に分散されたナノ粒子を有する試料は、粒子が凝集して積み重なっている部分もあれば、粒子が存在しない部分もある。したがって、不均一に分散されたナノ粒子を有する試料では、TEM等でどの部分を観察すべきかが容易にわからない。従来は、観察者の勘を頼りに試料のいろいろな部分を見て、ナノ粒子が均一に分散された最適な観察部分を選定していた。
一方、光学顕微鏡は視野が広いので、ナノ粒子が重なってしまっている部分など、明らかに観察に適さない部分を特定することが可能である。しかし、光の回折限界のため、直径が1μm以下の粒子の分散状態を直接観察することは困難である。光学顕微鏡を用いた一度の観察によって、試料の数百μm角の広い領域から、TEM等で観察すべき部分を短時間で選定できれば望ましい。TEM等を用いた精密測定の視野は数μm角であるため、TEM等を用いたナノ粒子の精密測定の前段階で、試料の数μm角の部分でナノ粒子の分散状態が光学顕微鏡を用いて評価できれば、効率的にナノ粒子の精密測定ができる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、TEMやAFM等でナノ粒子を定量的に精密観察すべき試料の部分を、光学顕微鏡等を用いた簡便な手法によって選定することを目的とする。
本発明のナノ粒子評価方法は、分散しているナノ粒子を含む試料のナノ粒子に、三原色を含む光を照射する照射工程と、ナノ粒子による光の散乱光の波長と強度を測定する測定工程と、測定工程で測定された散乱光の波長と強度から、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度と、青色の光の強度である青色光強度と、全散乱光強度に対する青色光強度の割合である青色光比率とを、試料の所定の領域内で算出する算出工程と、青色光比率を指標として、ナノ粒子の分散状態を領域内の所定の部分ごとに評価する評価工程を有している。
本発明のナノ粒子観察装置は、分散しているナノ粒子を含む試料を載置するためのステージと、試料が載置された状態で、ステージの上面に対して斜め方向から、ナノ粒子に三原色を含む光を照射するように設けられた光源と、光源から照射された光のナノ粒子による散乱光のうち、試料の所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録するデジタル機器と、デジタル機器が記録したデジタルデータに基づいて、青色の光の強度である青色光強度と、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度とを算出するデジタル処理装置と、ステージの上面と対向するように設けられた探針、およびステージを三次元に移動するステージ制御装置を備える走査型プローブ顕微鏡を有している。
本発明の他のナノ粒子観察装置は、分散しているナノ粒子を含む試料を載置するためのステージと、試料が載置された状態で、ステージの上面に対して斜め方向から、ナノ粒子に三原色を含む光を照射するように設けられた光源と、光源から照射された光のナノ粒子による散乱光のうち、試料の所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録するデジタル機器と、デジタル機器が記録したデジタルデータに基づいて、青色の光の強度である青色光強度と、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度とを算出するデジタル処理装置と、ステージの上面と対向するように設けられた電子銃と、ステージを三次元に移動するステージ制御装置とを備える電子顕微鏡を有している。
本発明によれば、光学顕微鏡等を用いた簡便な手法によって、TEMやAFM等でナノ粒子を定量的に精密観察すべき試料の部分が選定できる。
本発明の実施形態に係るナノ粒子観察装置の模式図。 各種真球粒子に白色光を照射したときの散乱光スペクトルの理論計算結果(a)と、入射光、粒子、散乱光、入射角、および散乱角の関係を説明するための図(b)。 青色光比率の粒子径依存性を示すグラフ。 実施例の試料からの散乱光をカラーデジタルカメラで撮影したときの画像。 実施例の試料の光学顕微鏡像と、全散乱光強度および青色光比率の解析画像。 実施例の試料AのSEM像。 実施例の試料BのSEM像。
以下、本発明のナノ粒子観察装置およびナノ粒子評価方法について、実施形態と実施例に基づいて詳細に説明する。図面は、ナノ粒子観察装置、ナノ粒子観察装置の構成部材、およびナノ粒子観察装置の周辺部材を模式的に表したものであり、これらの実物の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。重複説明は適宜省略する。なお、2つの数値の間に「〜」を記載して数値範囲を表す場合には、この2つの数値も数値範囲に含まれるものとする。
(ナノ粒子観察装置)
図1は、本発明の実施形態に係るナノ粒子観察装置10を模式的に示している。ナノ粒子観察装置10は、ステージ12と、光源である白色LED14と、集光レンズ16,18と、マルチモードファイバー20と、偏光フィルター22と、接眼レンズ24と、投影レンズ26と、デジタル機器であるカラーデジタルカメラ28と、デジタル処理装置であるコンピュータ30と、走査型プローブ顕微鏡であるAFM40とを備えている。
ステージ12は、三次元に移動可能で、その上面に試料Sを載置する。試料Sは、基板Pと、基板上で分散しているナノ粒子Nを備えている。ステージ12は、AFM40の構成部材である試料載置台を兼ねている。白色LED14は、ステージ12の上面、すなわち基板Pの上面に対して斜め方向から、ナノ粒子に白色光が照射されるように設置されている。なお、光源は、三原色、すなわち青色、緑色、および赤色を含む光が照射できれば、白色LED14でなくもよい。三原色を含む光源として、ハロゲンランプや蛍光灯などが例示できる。また、白色LED14は、ナノ粒子に照射する白色光の入射角が変更できるように設置されている。このため、様々な材質、大きさ、形状、および分散度等を備えるナノ粒子Nの観察に対応できる。
集光レンズ16は、白色LED14から射出された白色光を収束する。マルチモードファイバー20は、集光レンズ16から入射した白色光を多くのモードに分散して伝送する。集光レンズ18は、マルチモードファイバー20から入射した白色光を収束する。本実施形態では、偏光フィルター22は、白色LED14が射出した白色光の偏光を適宜変えることができる。このため、様々な材質、大きさ、形状、および分散度等を備えるナノ粒子の観察に対応できる。偏光フィルター22を通過した白色光は、基板Pの上面に対して斜め方向から試料Sに照射される。
試料Sに照射された白色光は、ナノ粒子Nによって散乱される。このうち、所定の散乱角、例えば散乱角110°の散乱光が対物レンズ24によって集光される。対物レンズ24を通過した散乱光は、さらに投影レンズ26を通過して、カラーデジタルカメラ28の焦点面に結像される。本実施形態では、カラーデジタルカメラ28は、ステージ12の上面と対向するように、すなわちステージ12上の試料Sからの散乱光像を撮影できるように設けられている。ステージ12とカラーデジタルカメラ28の間に光学顕微鏡を設置して、この光学顕微鏡の対物レンズと投影レンズをそれぞれ利用するのが好ましい。この場合、光学顕微鏡の実像焦点位置にカラーデジタルカメラ28を取り付け、カラーデジタルカメラ28のフォーカスを基板Pの上面に合わせる。光学顕微鏡の空間分解能は、1μm以上であってもよい。
カラーデジタルカメラ28は、白色LED14から照射された白色光のナノ粒子Nによる散乱光のうち、試料Sの所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録する。ここで、試料Sの所定の領域内とは、例えば、カラーデジタルカメラ28の全視野に対応する試料Sの数百μm角の範囲内である。試料Sの大きさによっては、所定の領域内が試料S全体の場合もある。なお、カラーデジタルカメラ28でナノ粒子Nからの光散乱による像が得られる。しかし、回折限界のため、個々のナノ粒子Nを分解して観察することはできない。
光を散乱させるナノ粒子の粒径に応じて、散乱光のスペクトルはレーリー散乱やミー散乱理論に対応する。すなわち、理論的には、粒径100nm程度以下のナノ粒子では、光散乱スペクトルがレーリー散乱理論で説明できる。この場合、光散乱スペクトルの短波長成分ほど強度が大きくなる。一方、それよりも粒径が大きいナノ粒子では、光散乱スペクトルがミー散乱理論に従って複雑な形状となる。しかし、一般に、レーリー散乱条件より光散乱スペクトルの長波長成分の強度が大きくなる。したがって、孤立したナノ粒子が分散した試料では、凝集による大きなナノ粒子が多い試料と比較して青色光比率が高くなる。このため、光散乱スペクトルの比較により、孤立粒子の比率の高低について評価が可能である。一方、散乱光の強度はナノ粒子数が多いほど強くなるので、散乱光の強度から粒子密度がある程度推定できる。
そこで、カラーデジタルカメラ28の出力から三原色の光の強度の総和である全散乱光強度と、青色の光の強度である青色光強度と、全散乱光強度に対する青色光強度の比、すなわち「青色光強度/全散乱光強度」である青色光比率を算出して、青色光強度と青色光比率を指標として、ナノ粒子Nを精密観察するのに最適な試料Sの部分を求める。TEM、SEM、およびAFM等で求められる精密観察に適した条件は、なるべく孤立した粒子が高密度に分散している状態である。したがって、青色光比率が高い試料Sの部分や、全散乱光強度が大きい試料Sの部分を選択すればよい。なお、試料Sの所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録できれば、カラーデジタルカメラ28以外のデジタル機器を使用してもよい。
コンピュータ30は、カラーデジタルカメラ28が記録したデジタルデータに基づいて、すなわちカラーデジタルカメラ28の画像信号を取り込んで画像処理し、青色光強度と、全散乱光強度と、青色光比率を各画素で算出する。そして、試料Sの所定の領域内の所定の部分(例えば、AFM40の全視野に対応する約十μm角)ごとに、全散乱光強度と青色光比率の平均値を算出する。
こうして、カラーデジタルカメラ28の全視野にわたって、約十μm角の部分ごとに、青色光比率と全散乱光強度がわかる。その後、青色光比率が高い試料Sの部分、または青色光比率が高く全散乱光強度が大きい試料Sの部分を、AFM40で精密観察する。本実施形態ではAFM40を用いたが、AFM40に代えて、走査型トンネル顕微鏡等のAFM40以外の走査型プローブ顕微鏡を用いてもよいし、電子顕微鏡を用いてもよい。
AFM40は、ステージ12と、ステージ制御装置42と、AFMヘッド44と、AFMカンチレバー46と、探針48とを備えている。ステージ12は、カラーデジタルカメラ28で散乱光を撮影するときの試料載置台を兼ねている。すなわち、試料Sのナノ粒子Nの分散状態を評価するときに使用する試料載置台と、AFM40でナノ粒子Nを精密観察するときに使用する試料載置台が、ステージ12として共用されている。したがって、カラーデジタルカメラ28を用いた散乱光撮影とAFM40による精密観察が同じ座標軸上で、試料Sを管理することができる。
ステージ制御装置42は、ステージ12を三次元に移動する。すなわち、コンピュータ30によって、試料Sの最適観察部分の位置が計算され、この最適観察部分の位置の座標に基づいて、最適観察部分がAFMカンチレバー46の直下に移動するように、ステージ制御装置42でステージ12の位置が制御される。このように、カラーデジタルカメラ28を用いた散乱光撮影のための試料SをAFM40のステージ12上に置けば、試料Sの精密測定に最適な部分を選定した後、AFMカンチレバー46の直下にこの部分をすぐに移動できる。
その後、AFMヘッド44とAFMカンチレバー46を用いて、試料Sのナノ粒子のAFM画像が取得される。この画像に基づいて、ナノ粒子Nの形状や粒径等が評価できる。このように、ナノ粒子観察装置10によれば、試料Sの最適観察部分の選択のための時間と労力を大幅に省くことができる。このため、ナノ材料の精密観察を効率よく行うことができ、ナノ材料の開発が加速される。
(ナノ粒子評価方法)
本発明の実施形態に係るナノ粒子評価方法は、照射工程と、測定工程と、算出工程と、評価工程と、観察工程とを備えている。本実施形態のナノ粒子評価方法は、ナノ粒子観察装置10を使って行ってもよいし、他の装置を使って行ってもよい。照射工程では、分散しているナノ粒子を含む試料のナノ粒子に、三原色を含む光を照射する。測定工程では、ナノ粒子による光の散乱光の波長と強度を測定する。測定工程では、撮像素子で認識された散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録する過程を含むことが好ましい。
算出工程では、測定工程で測定された散乱光の波長と強度から、全散乱光強度と、青色光強度と、青色光比率を、試料の所定の領域内で算出する。評価工程では、青色光比率を指標として、ナノ粒子の分散状態を領域内の所定の部分ごとに評価する。評価工程では、さらに全散乱光強度を指標として、ナノ粒子の分散状態を領域内の所定の部分ごとに評価してもよい。試料が、基板と、基板上で分散しているナノ粒子とを含み、照射工程では、基板上面に対して斜め方向に光を照射してもよい。
図2(a)は、粒子径50〜1000nmの9種類のSiO真球粒子に、入射角70°で白色光を照射したときの散乱光スペクトル(散乱角110°)を理論計算結果で示している。図2(b)は、入射光、粒子、散乱光、入射角、および散乱角の関係を示している。この散乱光スペクトルの計算は、ミー散乱理論に基づいて行った。図2(a)に示すように、レーリー散乱領域である粒子径50nmの粒子では、散乱光スペクトルが長波長側に向けて単調に減少している。一方、粒子径100nmを超える粒子では、散乱光スペクトルの重心が赤色側に偏移するとともに、散乱光スペクトルが複雑化している。
図3は、真球微粒子からの散乱光スペクトルを特徴づける青色光比率の粒子径依存性を示している。図2の計算結果から、青色光成分(420〜470nm)の可視域全散乱光強度(全散乱光強度)に対する比率を計算した。図3(a)によれば、入射角を変えることで、粒子径の変曲点を変えることができることがわかる。図3(b)では、入射光の偏光を選択することで、粒子径の変曲点が変化することがわかる。図3(a)および図3(b)により、入射角と偏光の選択によって、評価に必要なナノ粒子の粒径のしきい値(評価基準粒径)を変化させることが可能であることがわかる。
観察工程では、評価工程で評価した試料の所定の部分ごとのナノ粒子の分散状態に基づいて、試料の観察部分を選定し、電子顕微鏡および走査型プローブ顕微鏡の少なくとも一方で観察部分を観察する。試料の観察部分の選定では、試料の青色光比率が高い部分、または試料の青色光比率が高く全散乱光強度が大きい部分を選定する。本実施形態のナノ粒子評価方法は、ナノ粒子の平均粒径が50〜100nmであるときに特に有効である。
ステージとカラーデジタルカメラの間に光学顕微鏡を設置したナノ粒子観察装置を用いて、ナノ粒子を含む試料を観察した。光学顕微鏡は、長作動距離対物レンズ(倍率9倍、開口数0.28、無限焦点補正)と、投影レンズ(焦点距離200mm)を備えていた。光学顕微鏡の実像焦点面にカラーデジタルカメラ(2048×1536画素、画素ピッチ3.2μm)を設置した。これにより640×480μm角の範囲が、空間分解能約1μmで撮影可能であった。
試料は、平坦なSi基板上に平均直径100nmのシリカ粒子を3種類の手法で分散したものを用いた。試料Aは、凝集が比較的少ない凍結真空乾燥法により作製した。試料Bは、大きな凝集体ができやすい凍結真空乾燥法により作製した。試料Cは、通常一般に用いられている自然乾燥により作製した。光源は、高輝度白色パワーLED(投入電力3W)を用いた。白色LEDから射出された光は、集光レンズでマルチモードファイバー(コア径300μm)に集光され、このファイバーからの射出光を集光レンズで試料面上に集光した。
マルチモードファイバーの射出光側の集光レンズと試料の間に偏光フィルターを設けて、射出光の偏光を制御できるようにした。また、マルチモードファイバーの射出光側の集光レンズの位置を変えて、試料への入射角が変えられるようにした。本実施例では、無偏光で入射角45〜50°の白色光を用いて、試料のナノ粒子の分散状態を評価した。カラーデジタルカメラの露光時間は、各画素での強度オーバーが起きない程度に設定し、同じ露光時間でのバックグラウンドも測定した。撮影後、画素情報の損失が起きないように、TIFF形式のファイルとしてカラーデジタルカメラに保存した。試料A、試料B、および試料Cからの散乱光をカラーデジタルカメラで撮影したときの画像を図4に示す。
カラーデジタルカメラに保存したTIFFファイルをコンピュータで読み込んだ後、バックグラウンドを差し引いて、試料A、試料B、および試料Cの各画素の真の散乱光強度を三原色について求めた。なお、青色光の波長は420〜470nm、緑色光の波長は490〜600nm、赤色光の波長は540〜680nmとした。そして、32×32画素(10×10μm)の単位で平均化して、三原色の全散乱光強度および青色光比率を指標として、全領域の評価を行った。
図5は、試料A、試料B、および試料Cの光学顕微鏡の画像、全散乱光強度の大小を色の濃淡で表わした解析画像、および青色光比率の高低を色の濃淡で表わした解析画像である。図5では、色が薄いほど、全散乱光強度が大きい、または青色光比率が高い。試料Aでは、全散乱光強度が大きく、青色光比率が高い部分が島状に存在していた。図6は、グリセリンを添加した試料AのSEM画像である。図6(a)から図6(c)の順に、低倍率から高倍率になっている。図7は試料BのSEM画像である。図7(a)の倍率は、図7(b)の倍率より低い。図5および図6より、試料Aの全散乱光強度が大きく、青色光比率が高い島状の部分は、孤立粒子と微小凝集体で構成されており、マイクロメータークラスの大凝集体は存在しないことが確認された。
全散乱光強度は、ナノ粒子数が多いほど大きくなる。1回の精密観察でなるべく多くのナノ粒子を計測するためには、試料の全散乱光強度が大きな部分を測定することが有利である。一方、青色光比率は分散性の良さを示しており、試料の青色光比率が高い部分を測定することで、凝集体の影響を軽減できる。図5から図7より、試料Bと比較して試料Aは、孤立粒子の多い部分が広く分布することがわかった。
図5に示すように、試料Cの左側の領域は、粒子密度が高いものの、青色光比率が低いことから、凝集体が多いことがわかる。一方、試料Cの右側の領域は粒子密度が低い。粒子密度が低いほど凝集しにくいと一般的には予想できるが、図5の試料Cの画像より、必ずしも粒子密度が低ければ粒子が凝集しにくいわけではなく、粒子密度がある程度高く、かつ凝集が少ない(青色光比率が高い)部分があることがわかった。
図5に示すように、試料Bでは、全散乱光強度および青色光比率がほぼ均一であるが、青色光比率が0.6を超えている領域がなかった。図7より、試料Bの光学顕微鏡画像で観測される点状の領域は、大凝集体であることが確認された。この結果は、青色光比率と全散乱光強度から予想されるものであり、本発明の青色光比率、または青色光比率および全散乱光強度を指標として、ナノ粒子の分散状態を試料の所定の領域内の所定の部分ごとに評価する方法が有効であることを示している。
一方、図5に示すように、試料Cでは、全散乱光強度および青色光比率が場所により大きく異なる。全体的に見ると、全散乱光強度が大きい領域では青色光比率が小さい。全散乱光強度大きい領域は、多数のナノ粒子が凝集している領域であるからだと考えられる。また、全散乱光強度が小さい領域であっても、青色光比率が低い部分もあり、必ずしも粒子密度が低ければ粒子が凝集しにくいわけではないことが判明した。ナノ粒子が不均一に分散された試料では、一般的になるべく凝集体が少ない部分を観察するために、粒子濃度が低い部分を観察部分として選定する傾向があった。しかし、本実施例の結果から、必ずしも試料のナノ粒子の密度が低い部分が観察に適しているわけではなく、本発明により最適な場所を選択することが有効であることがわかった。
10 ナノ粒子観察装置
12 ステージ
14 白色LED
16,18 集光レンズ
20 マルチモードファイバー
22 偏光フィルター
24 対物レンズ
26 投影レンズ
28 カラーデジタルカメラ
30 コンピュータ
40 AFM
42 ステージ制御装置
44 AFMヘッド
46 AFMカンチレバー
48 探針
S 試料
P 基板
N ナノ粒子

Claims (12)

  1. 分散しているナノ粒子を含む試料の前記ナノ粒子に、三原色を含む光を照射する照射工程と、
    前記ナノ粒子による前記光の散乱光の波長と強度を測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された散乱光の波長と強度から、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度と、青色の光の強度である青色光強度と、前記全散乱光強度に対する前記青色光強度の割合である青色光比率とを、前記試料の所定の領域内で算出する算出工程と、
    前記青色光比率を指標として、前記ナノ粒子の分散状態を前記領域内の所定の部分ごとに評価する評価工程と、
    を有するナノ粒子評価方法。
  2. 請求項1において、
    前記評価工程では、さらに前記全散乱光強度を指標として、前記ナノ粒子の分散状態を前記領域内の所定の部分ごとに評価するナノ粒子評価方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記試料が、基板と、前記基板上で分散しているナノ粒子とを含み、
    前記照射工程では、基板上面に対して斜め方向に前記光を照射するナノ粒子評価方法。
  4. 請求項1から3のいずれかにおいて、
    前記評価工程で評価した前記試料の所定の部分ごとの前記ナノ粒子の分散状態に基づいて、前記試料の観察部分を選定し、電子顕微鏡および走査型プローブ顕微鏡の少なくとも一方で前記観察部分を観察する観察工程をさらに有するナノ粒子評価方法。
  5. 請求項1から4のいずれかにおいて、
    前記ナノ粒子の平均粒径が50〜100nmであるナノ粒子評価方法。
  6. 請求項1から5のいずれかにおいて、
    前記測定工程では、撮像素子で認識された前記散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録する過程を含むナノ粒子評価方法。
  7. 分散しているナノ粒子を含む試料を載置するためのステージと、
    前記試料が載置された状態で、前記ステージの上面に対して斜め方向から、前記ナノ粒子に三原色を含む光を照射するように設けられた光源と、
    前記光源から照射された前記光の前記ナノ粒子による散乱光のうち、前記試料の所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録するデジタル機器と、
    前記デジタル機器が記録したデジタルデータに基づいて、青色の光の強度である青色光強度と、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度と、前記全散乱光強度に対する前記青色光強度の割合である青色光比率と、前記試料の所定の領域内で算出し、前記青色光比率を指標として、前記ナノ粒子の分散状態を前記領域内の所定の部分ごとに評価するデジタル処理装置と、
    前記ステージの上面と対向するように設けられた探針と、前記ステージを三次元に移動するステージ制御装置とを備える走査型プローブ顕微鏡と、
    を有するナノ粒子観察装置。
  8. 分散しているナノ粒子を含む試料を載置するためのステージと、
    前記試料が載置された状態で、前記ステージの上面に対して斜め方向から、前記ナノ粒子に三原色を含む光を照射するように設けられた光源と、
    前記光源から照射された前記光の前記ナノ粒子による散乱光のうち、前記試料の所定の領域内の散乱光の波長と強度をデジタルデータとして記録するデジタル機器と、
    前記デジタル機器が記録したデジタルデータに基づいて、青色の光の強度である青色光強度と、三原色の光の強度の総和である全散乱光強度と、前記全散乱光強度に対する前記青色光強度の割合である青色光比率と、前記試料の所定の領域内で算出し、前記青色光比率を指標として、前記ナノ粒子の分散状態を前記領域内の所定の部分ごとに評価するデジタル処理装置と、
    前記ステージの上面と対向するように設けられた電子銃と、前記ステージを三次元に移動するステージ制御装置とを備える電子顕微鏡と、
    を有するナノ粒子観察装置。
  9. 請求項7または8において、
    前記デジタル機器がカラーデジタルカメラであるナノ粒子観察装置。
  10. 請求項7から9のいずれかにおいて、
    前記ステージと前記デジタル機器の間に、光学顕微鏡をさらに有するナノ粒子観察装置。
  11. 請求項7から10のいずれかにおいて、
    前記ステージと前記光源の間に、前記光源が射出した光の偏光を変えられる偏光フィルターをさらに有するナノ粒子観察装置。
  12. 請求項7から11のいずれかにおいて、
    前記光源が、前記ナノ粒子に照射する前記光の入射角を変更できるナノ粒子観察装置。
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