JP5517000B2 - 粒径計測装置、及び粒径計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触にて粒径を計測することのできる偏光を用いた粒径計測装置、及び粒径計測方法に関する。
自動車の排気ガスに含まれる微粒子や、大陸から飛来する黄砂のようなエアロゾルは、粒径が1μmを下回るサブミクロン粒子を多く含むことが知られている。また、近年の液体微粒化技術の発展と共に、算術平均粒径が数μmオーダの微細噴霧生成が可能となってきており、その粒径分布の下限は、もはや1μm以下の領域にあると推定される。このようなサブミクロン粒子の振る舞いを把握するためには、その粒径計測法の確立が必須の課題である。
非特許文献1には、1nm〜10μmオーダのサブミクロン領域を含む粒径範囲を対象とした粒径計測法について記載があり、それぞれの計測法の特性についての記載がある。粒径計測法は、主に非接触式と採取式に大別される。
非接触式粒径計測法は、主にレーザ光を用いたものであり、散乱パターンを用いたレーザ回折法、散乱光強度を用いた光散乱法、粒子運動による散乱光の周波数変動を用いた動的光散乱法などが知られている。これらは、プローブにレーザ光を用いる為、非接触計測が可能であり、手法によっては2次元計測が可能という大きな利点を有する。
レーザ回折法及び光散乱法は、100nm〜100μmオーダの粒径計測範囲を有し、燃料噴霧、粉体などの粒径計測に幅広く用いられている。しかしながら現状では、平均粒径が1μm以下の粒子にそのまま適用するには多くの困難を伴う。
動的光散乱法は、1nm〜1μmオーダと極めて微小な粒径計測が可能である、火炎中の微粒子生成過程の観察に適用されて大きな成果を挙げている。しかしながら、強力なレーザ光源と複雑な信号処理が必要なため敷居が高く、また点計測を基本とするため2次元データ取得には、数多くの実験を必要とする。
粒子を採取して分析する採取式粒径計測法としては、光学・電子顕微鏡を用いた計測法、慣性衝突法、重力沈降・遠心沈降法、電気的検知帯法、静電分級法など数多くの手法が知られている。このような採取式粒径計測法では、手法によっては1nmオーダと極めて微小な粒径計測が可能である。しかしながら、粒子を採取して分析する必要がある為、粒径の空間分布や時間変化といった貴重な情報が失われてしまうという問題がある。
一方、レーザ光を用いたサブミクロン粒径計測法として、偏光比法が知られている。偏光比法は、エアロゾルの粒径計測法として発展してきた手法であり、火炎中の微粒子生成過程の観察に適用され、大きな成果をあげている。偏光比法は、粒子からの散乱光に含まれる2つの偏光成分の強度比がその粒径に依存する性質を利用したものである。
特許文献1には、偏光比を用いて浮遊粒子の粒径を計測するレーザ計測装置について記載されている。ここでは、浮遊粒子にレーザ光を照射してその散乱光を構成する垂直方向及び水平方向の偏波に分離して光強度を求め、その光強度の比を求めることにより粒径及び粒子の数密度を算出する構成とされている。
このような偏光比法を用いた粒径計測方法は、レーザ波長よりも小さい粒子でも計測が可能であり、非接触での粒径計測が可能であるという大きな利点を有する。しかしながら、計測可能な粒径範囲が狭く、現状では1nm〜100nmオーダ(後述する粒径パラメータα<2のオーダ)に限定される。
このため、偏光比法は、先述のレーザ回折法や散乱光法などと粒径計測範囲が重複しておらず、両者の間を埋める粒径計測法の開発が求められている。
特開平8−159948号公報
櫻井博、粒子の気中個数濃度と粒径分布の計測技術と標準、産総研計量標準報告、産業技術総合研究所、Vol.4、No.1、53-63。
上述の点に鑑み、本発明の目的は、被計測粒子に非接触で粒径を計測でき、かつ、計測可能な粒径範囲の拡大が可能とされた粒径計測装置、及び粒径計測方法を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の粒径計測装置は、光源と、散乱光検出装置と、算出部とを有して構成されている。光源は、複数の異なる波長の光を射出可能な構成とされている。散乱光検出装置は、被計測粒子によって散乱された散乱光のうち、第1の偏波面を有する散乱光からなる第1の散乱光と、第1の偏波面に垂直な第2の偏波面を有する散乱光からなる第2の散乱光とを光源の波長を変えながら取得するものである。算出部は、散乱光検出装置で取得された第1の散乱光と第2の散乱光との輝度を数値化し、数値化された第1の散乱光の輝度と第2の散乱光の輝度の比による偏光比を光源の波長毎に算出するものである。また、算出部では、波長毎に得られた複数の偏光比と、予め算出部に保持している解析解とを比較することにより、被計測粒子の粒径が算出される。
本発明の粒径計測方法は、以下の工程で行われる。まず、光源から波長の異なる複数の光を射出し、浮遊する被計測粒子又は被計測粒子群に照射する。次に、被計測粒子によって散乱された散乱光のうち、第1の偏波面を有する散乱光からなる第1の散乱光と、第1の偏波面に垂直な第2の偏波面を有する散乱光からなる第2の散乱光とを光源の波長を異ならせながら取得する。次に、散乱光検出装置で取得された第1の散乱光と第2の散乱光との輝度を数値化し、数値化された第1の散乱光の輝度と第2の散乱光の輝度の比による偏光比を、光源の波長毎に算出する。そして、波長毎に得られた複数の偏光比と理論的に導出された解析解とを比較することにより、被計測粒子の粒径を算出する。
本発明の粒径計測装置並びに粒径計測方法では、被計測粒子に光を照射することにより発生する散乱光を構成する第1の散乱光と、第2の散乱光との輝度の比を求めることにより、偏光比が求められる。また、複数の異なる波長の光を照射することにより、波長毎に複数の偏光比が求められる。そして、波長毎に計測された複数の偏光比と、理論的に求められている解析解とを比較することにより、被計測粒子の粒径が一意に決定される。
本発明によれば、計測の対象となる被計測粒子の粒径を非接触かつ2次元で計測することができる。また、複数の異なる波長の光を用いて計測することにより、計測可能な粒径範囲の拡大を図ることができる。
図1は、単一粒子へ入射するランダム偏光Lと散乱光Lの関係を示した概略図である。 図2は、単一粒子へ入射する直線偏光Lと散乱光Ls1,Ls2の関係を示した概略図である。 図3は、偏光比ρと、幾何平均粒径パラメータαの関係を示した図である。 図4は、偏光比ρと幾何平均粒径Dの関係を示した図である。 図5は、本発明の一実施形態の形態に係る粒径計測装置の概略構成図である。 図6A,Bは、本発明の一実施形態の粒径計測装置における光学系の概略構成図である。 図7は、本発明の一実施形態の粒径計測装置で用いられる石英セルの概略構成、並びに、散乱光検出装置で撮影される典型的な散乱光像を示した図である。 図8A〜Cは、試料8の試験粒子による偏光比ρと幾何平均粒径Dgの関係を示した図である。 図9は、試料8において導出された幾何平均粒径の収束値εと対数幾何標準偏差lnσの関係を示した図である。 図10A〜Dは、偏光比ρと、幾何平均粒径Dの関係を示した図である。 図11A、Bは、散乱角度θと偏光比ρの関係を示した図である。 図12は、幾何平均粒径の収束値εと粒子数密度Nの関係を示した図である。 図13は、本発明の一実施形態の粒径計測方法における過濃及び希薄計測限界を示す。 図14A、Bは、本発明の一実施形態における粒径計測方法と従来用いられている遠心沈降法の計測結果の相関を示した図である。 図15は、変形例に係る粒径計測装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る粒径計測装置と粒径計測方法の一例を、図1〜図15を参照しながら説明する。本発明の実施形態は以下の順で説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
1.偏光比法を用いた粒径計測方法の原理説明
2.本発明の一実施形態に係る粒径計測装置
2−1 粒径計測装置の概略構成
2−2 粒径計測方法
〈1.偏光比を用いた粒径計測方法の原理説明〉
本発明の一実施形態に係る粒径計測装置及び粒径計測方法の説明に先立ち、偏光比法を用いた粒径計測方法の原理を説明する。
粒子による光散乱現象の理論的解析は、ミーの散乱理論によって行うことができる。ミーの散乱理論を用いることで、粒子からの散乱光強度は、粒径、媒質に対する粒子の相対屈折率、媒質中の入射光波長、散乱角度の関数で与えられることが知られている。
図1に、単一粒子11へ入射するランダム偏光Lと散乱光Lの関係を示す。単一粒子11に照射されたランダム偏光Lは散乱する。そして、散乱角θ方向に散乱された散乱光Lは2つの偏光成分からなり、偏光フィルタ12を介することにより観測平面10に垂直な偏波面を持つ偏光成分iと、観測平面と平行な偏波面を持つ偏光成分iとに分けることができる。
図1では、ランダム偏光Lを単一粒子11に照射した場合を示したが、直線偏光を単一粒子に照射した場合も光の散乱場を図1と等価に示すことができる。図2は、単一粒子11へ入射する直線偏光Lと散乱光Ls1,Ls2の関係を示す。図2では、図1と異なり入射光自体が直線偏光Lである。この場合、入射光の偏波面と垂直方向の観測点で観測される散乱光を偏光成分i、入射光の偏波面と平行方向の観測点で観察される散乱光を偏光成分iと見ることができる。これらの偏光成分i,iは、単一粒子11に入射する直線偏光Lと同じ偏波面を持つ偏光である。このように、図1と図2で示される光の散乱場は等価とみることができ同等の扱いができる。
以降、図1と図2の区別なく、散乱光について同じ定式化を行う。
ミーの散乱理論により、均質かつ球形の単一粒子からの散乱光強度Iは、粒径D、媒質に対する粒子の相対屈折率m、媒質中の入射光波長λ、散乱角度θ(入射光進行方向からの角度)の関数で与えられる。波長λの入射光が粒径D、相対屈折率mの粒子で散乱される場合、粒子中心から観測点までの距離R、散乱角度θでの光散乱強度は[数1]で表される。
Figure 0005517000
ここで、i及びiは、上述したようにそれぞれ、入射光の偏波面と垂直方向の観測点で観測される散乱光成分と、入射光の偏波面と平行方向の観測点で観測される散乱光成分であり、散乱角θ、相対屈折率m、粒径パラメータαの関数として[数2]、[数3]で表される。
Figure 0005517000
Figure 0005517000
[数2]及び[数3]において、Π及びτは、散乱角θを関数とするルジャンドル陪関数を含む式で表され、a、bは、相対屈折率m、粒径パラメータαを関数とする球ベッセル関数を含む式で表される。また、粒径パラメータαは、次の[数4]で表される。
Figure 0005517000
粒径計測法としての応用を考えた場合、その計測対象は単一粒子ではなく、粒子群の場合が多い。そこで、本実施形態例では粒径分布が対数正規分布であると仮定し、定式化を行う。対数正規分布を用いた場合、k番目の粒径パラメータαの頻度Δfは、次の[数5]で与えられる。
Figure 0005517000
対数正規分布を考慮しなければ、単一粒子からの散乱光を取り扱ったことになる。また、対数正規分布以外にも様々な粒径分布関数が適用可能であることは言うまでもない。本実施形態例では、対数正規分布を用いる例とするが、粒子群の生成過程に応じて様々な粒径分布関数が提案されており、ロジン・ラムラーの式(固体を粉砕して得られる粉体にしばしば適用される)、抜山・棚沢の式(気流噴射弁で得られる液滴にしばしば適用される)など、被計測粒子群に応じて様々な粒径分布関数が適用可能である。
ここで、Δαは粒径パラメータαの刻み幅、αは幾何平均粒径パラメータ、σは幾何標準偏差である。各粒径の粒子からの散乱光を積分したものが、粒子群全体からの散乱光となる。粒子群から散乱される各偏光成分I,Iは、次の[数6]及び[数7]で与えられる。
Figure 0005517000
Figure 0005517000
ここで、C,Cは、粒子数密度の因子である。粒子数密度が小さい場合、両者は一致する。そして、粒子群から散乱される各偏光成分I,Iの比は偏光比ρとよばれ、次の[数8]で与えられる。
Figure 0005517000
偏光比ρは、幾何平均粒径パラメータα、幾何標準偏差σ、媒質に対する粒子の相対屈折率m、媒質中の入射光波長λ、散乱角度θ(入射光進行方向からの角度)の関数で与えられる。
すなわち、偏光比ρを計測することが可能であり、その際のm,λ,θが既知であれば、幾何平均粒径パラメータα並びに幾何標準偏差σを決定できる。つまり、粒子群の粒径分布を決定できることになる。このため、偏光比ρの計測に先立ち、予め[数8]の関数形を解析的に求めておく必要がある。そして、以上のようにして導出される偏光比ρの解析解と、実際に計測される偏光比ρとを用いて、被計測対象粒子群の粒径分布の導出を行う。
図3に、偏光比ρと、幾何平均粒径パラメータαの関係を示す。縦軸は、偏光比ρを示し、横軸は対数正規分布における幾何平均粒径パラメータαを示している。この図3では、媒質に対する粒子の相対屈折率m=1.20、対数幾何標準偏差lnσ=0.025、散乱角度θ=90degとし、幾何平均粒径パラメータαの刻み幅をΔα=0.001とし、0<α<10の範囲で解析した解析解を実線Aで示している。また、実際に計測される偏光比ρの実測値を鎖線Bで示す。ここでは、波長632.8nmのレーザ光源を用いた場合の結果を示す。この実線Aで示す解析解と、鎖線Bで示す偏光比ρの実測値とが交わる点で幾何平均粒径パラメータαが求められ、この幾何平均粒径パラメータαにより、被計測粒子群の幾何平均粒径Dが求められる。
図3からわかるように、幾何平均粒径パラメータαが、約2よりも小さい領域(α<2)では、偏光比ρの解析解は単調増加関数である。このため、この領域では偏光比ρから幾何平均粒径パラメータαを一意に決定することが可能である。そして、従来報告されてきた偏光比法による粒径計測は、この領域で実施されたものである。
しかしながら、幾何平均粒径パラメータαが約2より大きい領域(2<α)では、偏光比ρの解析解は大きく振動を開始する。この領域では、偏光比ρが幾何平均粒径パラメータαの多価関数となるため、幾何平均粒径パラメータαの値を一意に求めることができない。例えば、偏光比ρの計測値が、図3の鎖線Bで示すように、ρ=0.80であった場合、複数の幾何平均粒径パラメータαが候補にあがり、予測粒径を一意に決定することができない。
そこで、本実施形態例は、複数の波長の光源を組み合わせた偏光比法(多波長偏光比法)により、この問題を解決するものである。
図4に、偏光比ρと幾何平均粒径Dの関係を示す。縦軸は偏光比ρを示し、横軸は、幾何平均粒径Dを示す。幾何平均粒径Dは、幾何平均粒径パラメータαを[数4]に適用して導出したものであり、図4は、図3に示した解析解と実質的に同じものである。
図4では、実線Cで、波長632.8nmのレーザ光源を用いたときの解析解を示し、破線Dで、波長543.5nmのレーザ光源を用いたときの解析解を示している。[数4]で与えられるように、幾何平均粒径パラメータαは光源波長λの関数である。図4の横軸を幾何平均粒径Dとした場合、幾何平均粒径パラメータαが同じであっても、光源の波長λが異なるため、光源波長毎に異なる曲線が現れる。また、実際の偏光比ρの計測においても、光源波長ごとに異なる値が計測されることになる。波長632.8nmの光を被計測粒子群に照射して計測した実際の偏光比ρの計測値を実線Eで示し、波長543.5nmの光を被計測粒子群に照射して計測した実際の偏光比ρの計測値を破線Fで示す。
異なる光源波長を用いる場合、波長632.8nmのときに計測値(実線E)と解析解(実線C)とが交わることで決定される幾何平均粒径Dと、波長543.5nmのときに計測値(破線F)と解析解(破線D)とが交わることで決定される幾何平均粒径Dとが重複する値を被計測粒子群の幾何平均粒径Dとして一意に決定できる。すなわち、2つの波長で重複する幾何平均粒径Dを一意に決定することができる。これが、本発明の粒径計測法に用いられる多波長偏光比法の計測原理である。
上述の原理説明では、多波長光源として、異なる2つの波長のレーザ光を用いることで偏光比ρが幾何平均粒径パラメータαの多価関数になっている領域においても幾何平均粒径Dを求めることができることを説明した。多波長光源は、異なる2つの波長のレーザ光源に限定されるものではなく、2以上の複数の波長のレーザ光源を用いても、あるいは連続的に波長が変化する波長可変レーザを用いても、上述の理論と同様に、被計測粒子群の幾何平均粒径Dを一意に決定することができる。また多波長光源は、レーザ光源に限定されるものではなく、水銀灯、ハロゲン灯、白熱灯などの白色光源に色フィルタを設置しある波長帯の光のみを透過したものを用いても、上述の理論と同様に、被計測粒子群の幾何平均粒径Dを一意に決定することができる。
実際の偏光比の計測値には誤差が含まれており、2つの波長で求められる粒径は、完全には一致しない。このため、2組以上の候補が現れた場合には、どちらが正しい粒径であるか判別することが困難となる。このため、3つの異なる光源波長を用いることがより好ましい。
〈2.本発明の一実施形態に係る粒径計測装置〉
次に、以上の原理説明を踏まえて、本発明の一実施形態に係る粒径計測装置及び粒径計測方法について説明する。
[2−1. 粒径計測装置の概略構成]
図5は、本実施形態例の粒径計測装置1の概略構成図である。図5に示すように、本実施形態例の粒径計測装置1は、光源2と、光学レンズ3と、被計測粒子群4と、散乱光検出装置5と、算出部であるコンピュータ6とを有して構成されている。また、図6Aに本実施形態例の粒径計測装置1における光学系の概略構成図を示し、光の散乱場(直線偏光光源)を具体的に示す。図6Aにおいて、図5に対応する部分には同一符号を付して説明する。
光源2は、波長・出力・偏光の安定性からHe−Neレーザで構成され、図示しない光学台上水平に設置されている。また、本実施形態例では、3つの異なる波長のレーザ光を射出するHe−Neレーザを準備し、適宜、光源として用いる。表1に、本実施形態例で用いた光源2の仕様を示す。
Figure 0005517000
本実施形態例では表1に示すように、波長の異なる3つの光源2A,2B,2Cを準備した。光源2Aは緑(G)、光源2Bは黄色(Y)、光源2Cは赤(R)のレーザ光を射出するHe−Neレーザである。各光源2A,2B,2Cは、直線偏光のレーザ光を射出する仕様とされており、その消光比は500:1である。この場合、偏光の質に起因する誤差は1/500のオーダとなるため、計測に及ぼす影響は比較的小さいと考えられる。計測に用いた3つの光源2A,2B,2Cのうち、緑(G)のレーザ光を射出するHe−Neレーザの波長は、543.5nm(水中での波長は、408.6nm)であり、出力は1mWである。また、黄色(Y)のレーザ光を射出するHe−Neレーザの波長は、594.1nm(水中での波長は、446.7nm)であり、出力は2mWである。また、赤色(R)のレーザ光を射出するHe−Neレーザの波長は、632.8nm(水中での波長は、475.8nm)であり、出力は5mWである。また、これらの光源2A,2B,2Cではレーザヘッドを回転することで、図6Aに示すように直線偏光の偏波面を変化させ、レーザ光Lを偏光成分iのレーザ光Ll1、又は偏光成分iのレーザ光Ll2に変化させることができる。
本実施形態例では、直線偏光のレーザ光を使用する例としたが、ランダム偏光のレーザ光を用いることもできる。ランダム偏光のレーザ光源を用いる場合には、射出口に直線偏光フィルタを設け、それを回転することで任意の角度の偏波面を持つ直線偏光を生成することが可能である。
光学レンズ3は、例えば凸レンズで構成され、光源2から射出されるレーザ光Lの光軸上に配置されている。光学レンズ3では、光源2から射出されたレーザ光Lが同じく光軸上に配置された石英セル7に入射するように集光される。光を集光すれば光のエネルギー密度は高くなり、またある狭い領域に存在する粒子のみの計測が可能となる。
被計測粒子群4は、前述したように、光学レンズ3で集光されたレーザ光Lの光軸上に配置されている。本実施形態例では、粒径計測の対象となる被計測粒子群4が純水に懸垂された状態で石英セル7に封入されている。純水中に懸垂させる理由は、試験粒子の凝集・飛散を防ぐ為である。本実施形態例では、四角柱型で計測部の内法寸法が10mm×10mm×40mm、肉厚が1.25mmの石英セル(ジーエルサイエンス社製、品番F15−UV−10)を用いた。石英セル7は、粒径計測に用いる全ての光源波長に対して十分な透過率を有し、レーザ光Lが石英セル7を透過する際に、偏光の偏波面が保存されることが確認されている。また、純水についても同様に、偏光の偏波面が保存されることが確認されている。本実施形態例では、被計測粒子群4は純水中に懸垂されるもの、空気中に懸垂される状態と同等の計測が可能である。ただしこの場合、水中に入射するレーザ光Lの波長の変化や、水と被計測粒子の相対屈折率mを考慮する必要がある。
散乱光検出装置5は、例えば、デジタルCCD(Charge Coupled Device)カメラによって構成され、観測平面10において石英セル7に入射するレーザ光Lの光軸に対して散乱角度θの散乱光Lの光軸上に配置されている。本実施形態例では、図6Aに示すように散乱角度θ=90°の散乱光Lの光軸上であって石英セル7の側面を撮影できる位置に配置された例としている。ここで、本実施形態例における散乱角度θとは、レーザ光Lの進行方向に対する散乱光Lの角度とする。本実施形態例では、散乱角度θ=90°近傍を中心に解析・計測を行う例とする。
デジタルCCDカメラを用いた場合、被計測粒子群からの散乱光は画像データとして取得される。取得された画像上のピクセル毎に、あるいはいくつかのピクセルからなる小さな領域毎に粒径分布の計測が可能となり、光源で照射された領域の各位置における粒径分布を一度に知ることができる。また散乱光検出装置5は、本実施例に示したデジタルCCDカメラ以外にも、光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)やフォトダイオードで構成する例としてもよい。光電子増倍管やフォトダイオードを用いた場合、空間中のある1点のみの計測となるものの、より暗い散乱光を検出することが可能となる。
また、本実施形態例では、散乱光検出装置5として、輝度階調12ビットのデジタルCCDカメラ(浜松ホトニクス社製、品番C8484−05G01)を用い、入力強度に対して出力信号が飽和しないように、条件毎にレンズの絞り・露光時間を調整した。散乱光検出装置5では、石英セル7内の被計測粒子群4に光源2から射出されたレーザ光Lが照射されることで散乱された散乱光Lによる画像(散乱光像)が取得される。
コンピュータ6は、散乱光検出装置5で取得した散乱光強度データを取り込み、散乱光強度(輝度)を電気信号レベルに変換するものであり、ここにおいて、第1の散乱光像と第2の散乱光像の輝度により偏光比が算出される。またコンピュータ6には、上述した[数1]〜[数8]を用いて導出される幾何平均粒径Dおよび対数幾何標準偏差lnσに対する偏光比ρの解析解がデータベースとして予め保持されている。このコンピュータ6では、散乱光検出装置5で取得されたデータ(偏光比の計測値)と、予め保持された解析解とが随時比較可能となっており、比較することにより石英セル7に封入されている被計測粒子群4の粒径が算出され出力される。
なお、本実施形態例では、図6Aに示すように、散乱光検出装置5は、散乱角度θ=90°の散乱光Lの光軸上であって石英セル7の側面を撮影できる位置に配置された例としているが、これに限られるものではない。例えば、図6Bに示すように、散乱角度θ<90°の散乱光Lの光軸上に配置してもよく、また、散乱角度θ>90°としてもよい。解析・計測に好適な散乱光強度を取得できる散乱光Lの散乱角度θについては、後に説明する。
[2−2. 粒径計測装置を用いた粒径計測方法]
次に、本実施形態例の粒径計測装置1を用いた粒径計測方法を、実際の実験例を示しながら説明する。
まず、本実施形態例では、被計測粒子として、表2に示す試料1〜試料11までの試験粒子を準備した。
Figure 0005517000
本実施形態例の多波長偏光比法を用いた粒径計測装置1の有用性を示すため、既知の粒径分布ならびに物性値を持つ試験粒子を用いた。表2に示すように、試験粒子の材質はポリスチレンであり、球形かつ透明であり、屈折率nは1.59である。なお、本実施形態例では、ポリスチレンを用いる例としたが、すすや、金属粉体のような非透明粒子の場合にも光の吸収を考慮した複素屈折率を導入することで、先述の理論のまま計測が可能である。
また、表2に示すように、試料1〜試料11の試験粒子の算術平均粒径D10ならびに標準偏差σは、予め遠心沈降法により計測されている。試験粒子の算術平均粒径D10を、0.356μm<D10<3.004μmの範囲で変化させた。この粒径は、従来の偏光比法では計測不能な粒径領域に対応するものである。また、試験粒子の数密度は、1011[1/m]<N<1014[1/m]のオーダで変化させ石英セル7内に封入した。また、純水の屈折率はn=1.33であり、媒質に対する試験粒子の相対屈折率は、m=1.20である。
試料8を例に、実際の偏光比ρの計測方法を説明する。まず、試料8の試験粒子が封入された石英セルと、緑(G)の波長の光源2を配置する。次に、光源2のレーザヘッドを回すことにより光源2から出射するレーザ光Lを第1の偏波面を有する偏光成分iの直線偏光Ll1に調整し、その調整されたレーザ光Ll1を光学レンズ3により絞りこみ、石英セル7の底面中心に入射させる。石英セル7内へと透過したレーザ光Ll1は、試料8に係る試験粒子に散乱される。そして、散乱光検出装置5では、散乱角度θ=90°の方向に散乱された第1の散乱光像を撮影する。撮影された第1の散乱光像はコンピュータに取り込み、第1の散乱光像の輝度(散乱光強度)を数値化する。
次に、光源2のレーザヘッドを回すことにより、光源2から出射するレーザ光Lを第1の偏波面に垂直な第2の偏波面を有する偏光成分iの直線偏光Ll2に調整し、前述と同様に石英セル7に入射させる。そして、偏光成分iのレーザ光Ll2による第2の散乱光像を散乱光検出装置5で同様に撮影し、コンピュータに取り込み、第2の散乱光像の輝度(散乱光強度)を数値化する。
図7に、本実施形態例で用いられる石英セル7の概略構成、並びに、散乱光検出装置5で撮影される典型的な散乱光像を示す。図7の(I)は、試料8に係る試験粒子を計測したときの第1の散乱光像であり、(II)は、第2の散乱光像である。本実施形態例では、石英セル7の底面中心を原点とし、レーザ光進行方向にx軸をとる。また、本実施形態例では、12mm<x<15mmを計測領域とした。石英セル7の底面近傍7bでは、レーザ光が底面を透過する際の拡散散乱光が重畳するため、計測が困難であることが確認されている。また、石英セル7のキャップ近傍7aでは、特に、数密度の大きい条件において、レーザ光の減衰が顕著なため、十分なS/N比を確保できない。このため、本実施形態例のように、12mm<x<15mmの範囲を計測領域zとすることが好ましい。コンピュータ6では、この計測領域z内の第1及び第2の散乱光像が写された全ピクセルの輝度平均値から偏光成分i及び偏光成分iの散乱光強度が算出される。
図7に示すように、試料8の試験粒子を封入した石英セル7における偏光成分iで構成される第1の散乱光像(図7の(I))と、偏光成分iで構成される第2の散乱光像(図7の(II))を比較すると、両者の散乱光強度に顕著な差があることがわかる。この場合、偏光成分iによる第1の散乱光像の光強度の方が偏光成分iによる第2の散乱光像の光強度よりも大きい。
本実施形態例では、偏光成分iによる第1の散乱光像と、偏光成分iによる第2の散乱光像とをそれぞれ100枚ずつ取得し、コンピュータにより上述の散乱光強度を算出した。そして、散乱光強度を100枚の画像で平均化することにより、光源の波長・強度・消光比の変動、散乱光検出装置の感度変動、光学機器設置の再現性などに起因する誤差を極力排除する。
そして、上述のようにして取得された偏光成分iによる散乱光強度と、偏光成分iによる散乱光強度とから、緑(G)の波長のレーザ光を射出する光源2Aを用いた場合の偏光比ρを求める。
光源2Aを、随時光源2B(黄色(Y)のレーザ光)、及び光源2C(赤(R)のレーザ光)に取り替えて同様の計測をすることにより、3種類の異なる波長のレーザ光による偏光比をレーザ光の波長毎にそれぞれ計測することができる。
本実施形態例では、試料1〜試料7及び試料9〜試料11の試験粒子についても、同様の計測を行い、異なる3つの波長のレーザ光を用いた場合の偏光比を、波長毎にそれぞれ計測した。
図8A〜Cに、試料8の試験粒子による偏光比ρと粒径Dの関係を示す。縦軸は偏光比ρ、横軸は対数正規分布における幾何平均粒径Dを示す。図8Aは光源2Aを用いたときの偏光比であり、図8Bは光源2Bを用いたときの偏光比であり、図8Cは光源2Cを用いたときの偏光比である。図8A〜Cの実線G,I,Kで示す解析解は、上述した[数8]の関数形を数値解析により求めた結果である。図8A〜Cの鎖線H,J,Lで示す計測値は、上述の計測方法により散乱光検出装置5を用いて実測された偏光比である。
図8A〜Cに示すように、横軸を幾何平均粒径Dとした場合、幾何平均粒径パラメータαが同じであっても光源から射出されるレーザ光の波長が異なるため、[数8]を用いて導出される解析解は光源波長毎に異なる曲線となる。図8A〜Cにおいて解析解における幾何平均粒径パラメータαの刻みは、Δα=0.001であり、対数幾何標準偏差lnσの刻みは、Δlnσ=0.005である。各光源波長λ(ただし純水中での値)を用い、偏光比ρを幾何平均粒径Dの関数として求めた。
また、図8A〜Cにおける偏光比ρの計測値も、光源波長毎に異なる値が計測される。
以上のように導出された偏光比ρの解析解と、計測値とを比較する。異なる波長のレーザ光を用いた図8A〜Cの偏光比ρ毎に、解析解と計測値の交点は複数現れる。この図8A〜Cに現れた交点を比較することにより、図8A〜C間でもっとも近接している交点を求め、その交点を予測粒径として求める。
実際の偏光比ρの計測値には、誤差が含まれるため、緑(G)、黄色(Y)、赤(R)の3つの光源を用いて導出された幾何平均粒径Dは完全には一致しない。図8A〜Cにおいて候補となる幾何平均粒径Dの最大値と最小値の差から、下記の[数9]を用いて収束値εを求める。
Figure 0005517000
続いて、対数幾何標準偏差lnσを変化させ、収束値εの最小値を与える条件を求める。このときの幾何平均粒径D並びに、対数幾何標準偏差lnσの組み合わせを最終的な計測結果とする。本実施形態例では、収束値εが1%以下まで収束したときのみ、計測可能と判定した。
図9に、試料8において導出された幾何平均粒径の収束値εと対数幾何標準偏差lnσの関係を示す。対数幾何標準偏差を増大していくと、lnσ=0.015において幾何平均粒径の収束値εは最小値をとることが分かる。このときの幾何平均粒径と対数幾何標準偏差の組み合わせを最終的な計測結果とする。3つの異なる波長のレーザ光で得られた幾何平均粒径の平均値は、D=0.790μmである。本実施形態例では、計測対象の粒子群が対数正規分布を持つと仮定している。対数正規分布における算術平均粒径D10は、次の[数10]で与えられる。
Figure 0005517000
[数10]より、算術平均粒径はD10=0.790μmとなる。この値は、遠心沈降法で予め計測された算術平均粒径D10=0.771μmと比較し、+2.4%である。遠心沈降法は、従来の粒径計測法において比較的信頼性の高い計測方法であるため、遠心沈降法で計測された粒径と、本実施形態例で計測された粒径との誤差で本実施形態例の粒径計測装置及び粒径計測方法の有用性を確認することができる。本実施形態例の粒径計測装置及び粒径計測方法では、試料8における試験粒子を、遠心沈降法で予め計測された粒径に比較的少ない誤差で計測できたということができる。従来の偏光比法を用いた粒径計測方法では、粒径計測範囲の上限は100nmオーダであったが、本実施形態例では、複数の異なる波長の光源を用いた多波長偏光比法を用いることで、粒径計測範囲の上限を3μmオーダまで、すなわち従来技術の10倍程度と大幅に拡大することができた。
ここで、本実施形態例の粒径計測装置1を用いた粒径計測方法における散乱光の散乱角度θの適用範囲について説明する。
図10A〜Dに、[数1]〜[数8]を用いて導出した、幾何平均粒径Dと偏光比ρの関係を示す。相対屈折率はm=1.20、対数幾何標準偏差はlogσ=0.015、光源波長はλ=632.8nmである。図10Aは、散乱角度θ=90°で散乱される散乱光から求めた偏光比ρである。図10Bは、散乱角度θ=80°で散乱される散乱光から求めた偏光比である。図10Cは、散乱角度θ=70°で散乱される散乱光から求めた偏光比である。図10Dは、散乱角度θ=60°で散乱される散乱光から求めた偏光比である。これはあくまで一例であるが、本実施例の条件の範囲内であれば、図10A〜図10Dと、定性的な傾向は同じである。
まず、幾何平均粒径D=0.20μmの結果に注目する。散乱角度θ=90°(図10A)の場合、偏光比はρ=2.0×10−3程度となる。つまり、粒子群から散乱される各偏光成分i、iの散乱光強度の差は約500倍にも達する。同一の散乱光検出装置5を用いて、約500倍もの輝度の差がある2つの対象を、同時に精度良く観測することは困難である。一般に、光検出装置のダイナミックレンジは1000倍程度である。散乱光強度の差が約500倍もある場合には、輝度の大きい条件では信号が飽和し、輝度の小さい条件では信号が計測下限レベルとなり検出できなくなる。このため、散乱角度θ=90°の条件での計測は、実用上困難を伴う。一方、散乱角度θを、80°、70°、60°と減じていくと、偏光比は増大してρ=1(ρ=10)に近づいていき、粒子群から散乱される各偏光成分i、iの散乱光強度の差は10倍程度以内(ρ=10−1〜10程度)に収まるようになる。この条件であれば、実用上問題なく計測が可能である。
次に、図10A〜Dにおいて、幾何平均粒径D=0.70μmのときの偏光比ρに注目する。散乱角度θ=90°(図10A)〜60°(図10D)の範囲内で散乱される散乱光Lから求めた偏光比は、常にρ=10−1〜10程度の範囲内となる。つまり散乱光強度の差は10倍程度の範囲内に収まる。この条件であれば、実用上問題なく計測が可能である。このように、幾何平均粒径Dに応じて、撮影に好適な散乱光Lの散乱角度θは変化することが分かる。
図11A,Bに、[数1]〜[数8]を用いて導出した、散乱角度θと偏光比ρの関係を示す。図11A,Bは、図10A〜Dを別の見方で示したものといえる。図11Aは、比較的小粒径の条件(D=0.10〜0.20μm)において偏光比ρを求めたものであり、図11Bは、比較的大粒径の条件(D=0.30〜1.0μm)で偏光比ρを求めたものである。
まず、比較的小粒径の条件の結果(図11A)に注目する。散乱角度がθ<50°程度の場合、ならびにθ>130°程度の場合、粒径によらず偏光比はρ=10すなわちρ=1に漸近していく。これは、レイリー散乱と呼ばれる光源波長以下の小粒径粒子の光散乱現象に特徴的な現象である。偏光比がρ=1に漸近する、すなわち散乱光強度の差が無くなるため、粒径の違いが検出できなくなる。このため、撮影する散乱光の散乱角度としては不適である。一方、散乱角度が80°<θ<100°程度の場合、偏光比はρ=10−3〜10−4に達し、散乱光強度の差は著しく大きくなる。この領域では、先に述べたように散乱光検出装置5のダイナミックレンジが対応できず、やはり撮影する散乱光Lの散乱角度θとしては不適である。
比較的小粒径の条件(図11A)の場合、散乱角度が50°≦θ≦80°程度の範囲と、散乱角度が100°≦θ≦130°程度の範囲で散乱される散乱光を撮影する構成が好適であるといえる。
次に、比較的大粒径の条件の結果(図11B)に注目する。図11Aと比較し、偏光比ρはばらつき・変動が大きくなることが分かる。これは、ミー散乱と呼ばれる、光源波長と同程度あるいはそれ以上の粒径の粒子の光散乱現象に特徴的な現象である。散乱角度θ<50°程度の場合、粒径によらず偏光比はρ=1に漸近していく。散乱光強度の差が無くなるため、粒径の違いが検出できなくなる。このため、散乱角度としては不適である。一方、散乱角度θ>90°程度の場合、偏光比ρはばらつきを生じ全体的に減少していく。それでも、偏光比は10−2<ρ<10のオーダにあり、散乱光強度の差は最大でも100倍程度である。この領域では、最も好ましいとまでは言えないものの、計測が不可能というわけではない。すなわち、比較的大粒径の条件の場合、散乱角度θ>90°で散乱される散乱光を撮影する構成はやや好適と言える。
比較的大粒径の条件(図11B)の場合、散乱角度が50°≦θ≦90°の範囲で散乱される散乱光を撮影する構成が最も好適であるといえる。
可能な限り光学系配置を変化せずに、幅広い粒径範囲の粒子の計測をできることが望ましいことは言うまでもない。したがって、散乱角度θは、50°≦θ≦90°程度、特に光源波長以下の小粒径粒子を含む場合には散乱角度50°〜80°程度で散乱される散乱光を撮影する構成が最も好適といえる。
次に、本実施形態例の粒径計測装置を用いた粒径計測方法における計測可能範囲を検証する。
図12に、幾何平均粒径の収束値εと粒子数密度Nの関係を示す。図12では、試料3〜試料6の試験粒子の結果を示す。希釈の度合いが異なるものの、全て同一粒径の粒子(遠心沈降法による算術平均粒径D10=0.465μm)の結果である。図12により、数密度Nの増大とともに、幾何平均粒径の収束値εは急激に増大することが分かる。また、数密度N=1014[1/m]のオーダで、収束値ε=1%を超えることがわかる。図12に示される結果より、散乱光が粒子に入射し再度散乱する多重散乱の影響が数密度Nの増大とともに顕著になったと推察される。収束値ε=1%以下まで収束する時のみ計測可能とすると、試料3〜試料6のうち、試料3〜試料5の条件の試験粒子の粒径が計測可能な範囲にあるということができる。このように、従来のレーザ回折法を用いた粒径計測装法などと同様に、高濃度場での計測には制約があることがわかる。
図13に、本実施形態例の粒径計測方法の過濃及び希薄計測限界を示す。縦軸は、粒子数密度N、横軸は遠心沈降法で計測された算術平均粒径D10を示す。図13に示すように、本実施形態例で用いた試料1〜試料11のうち、試料1,3,4,5,8,10及び11は、収束値ε<1%となり、計測可能であった条件である。また、試料6及び9は、収束値ε>1%となり、計測不可能であった条件である。また、試料2及び7は、散乱光強度が小さく十分なS/N比を確保できなかった条件を示す。
数密度が大きい側の計測限界は、多重散乱の影響によるものと考えられる。多重散乱の影響は、粒子の平均間隔δと粒径Dにより評価され、一般にδ/D=50程度を閾値としてその影響が顕著になる。図13の過濃計測限界ラインは、δ/Dが一定となる条件を示したものであり、図12で与えられた過濃計測限界をもとに定数を決定した。なお、本実施形態例の場合、散乱体積の厚さは、5mm程度(石英セルの内法断面寸法法10mm×10mm)である。過濃計測限界は、本実施形態例の粒径計測方法に限らず、散乱光を用いた粒径計測法の本質的な限界を示す特性である。
数密度が小さい側の計測限界は、散乱光強度が小さく十分なS/N比を確保できないことによるものである。粒子群からの散乱光強度は、粒子数密度N及び粒子の散乱断面積Dに概ね比例する。図13の希薄計測限界ラインは、NDが一定となる条件を示したものであり、試料7の計測限界を元に定数を決定した。希薄計測限界は、光源の出力強度の増大、散乱光検出装置における検出感度の増大、散乱光検出装置における露光時間の増大、光学レンズ等のレンズ系の見直しといった対策で拡大できると考えられる。
図14A,Bに、本実施形態例における粒径計測方法と従来用いられている遠心沈降法の計測結果の相関を示す。図14A,Bには、図13の計測可能範囲にある全ての試料の結果が示されている。図14Aは、幾何平均粒径の収束値εを示し、図14Bは、本実施形態例の粒径計測方法及び従来の遠心沈降法の2つの方法で求められた算術平均粒径D10の相関を示している。また、図14Bには、試料の計測誤差も併せて示されている。
本実施形態例の粒径計測方法と従来の遠心沈降法の計測誤差は粒径によって異なり、最小で+0.1%(試料1)、最大で+7.6%(試料5)である。
このように、本実施形態例の粒径計測装置1を用いた粒径計測方法では、粒子数密度が大きすぎても小さすぎても計測が困難となる。被計測粒子の粒径が小さい場合、数密度の小さい希薄な条件で計測が困難となる傾向がある。被計測粒子の粒径が大きい場合、数密度の大きい過濃な条件で計測が困難となる傾向がある。このため、計測可能な数密度の範囲を一概に規定することは難しい。しかしながら数密度の範囲を限定すれば、本実施例で検討した全ての粒径の試料粒子について計測可能であることが示された。従来の単波長偏光比法と比較し、計測可能な粒径を拡大することができることが検証された。また、粒子数密度に応じて計測が困難となるという問題は、従来の単波長偏光比法も全く同様に抱える問題であり、本発明特有の欠点ではない。
そして、本実施形態例の粒径計測装置1及び粒径計測方法では、波長の異なる複数のレーザ光を用いることにより、偏光比ρの解析解が、幾何平均粒径パラメータαの多価関数となり大きく振動するような範囲においても、粒径分布を一意に決定することができる。そして、これにより従来の偏光比法では計測不可能だった3μmオーダの粒径の粒子を計測することが可能であることがわかる。
ところで、本実施形態例の粒径計測装置1では、3つの波長の異なる光源を随時取り替えて、散乱光の計測を行う例としたが、1つの光源にて複数の異なる波長のレーザ光を照射できる光源を用いる例としてもよい。また、本実施形態例では、3つの異なる波長のレーザ光を粒子に照射する例としたが、2つ以上の異なる波長のレーザ光を粒子に照射する構成であれば、本発明の効果を得ることができる。本実施形態例のように、3つの異なる波長のレーザ光による被計測粒子の散乱を計測することにより、より精度よく被計測粒子の粒径を求めることができる。
本実施形態例の粒径計測装置、及び粒径計測方法によれば、従来の偏光比法を多波長のレーザ光で実施する構成とすることにより、従来の偏光比法における計測可能な粒径範囲である1nm〜100nmを10倍程度拡大し、3μmオーダの粒径を計測することができる。また、従来非接触による粒径計測方法として用いられてきたレーザ回折法や散乱光法の計測範囲の最小値と重複する3μmオーダまで拡大することができる。これにより、本実施形態例の粒径計測方法を、従来の非接触による粒径計測方法と併せることにより、計測可能な粒径範囲を連続的に拡大することができる。
また、本実施形態例では、緑(G)、黄色(Y)、赤(R)の3つの波長の異なるレーザ光を用いる例としたが、その他の波長のレーザ光を組み合わせてもよい。この場合、3つの波長のうち、2つの光源波長が接近しすぎると解析解に差が現れず、図3で示した結果と同様の結果となってしまう。このため、図4に示される解析解の曲線群が十分に離れて表示される程度の波長の差があるレーザ光を組み合わせることが必要となる。
また、本実施形態例の粒径計測装置では、直線偏光のレーザ光を射出する光源を用いる例としたが、ランダム偏光のレーザ光を射出する光源を用いてもよい。この場合は、例えば、石英セルに入射する前段の光軸上に偏光フィルタを配置することにより、石英セルに入射する偏光を観測平面に垂直な成分と水平な成分に調整可能な構成にすればよい。そして、偏光フィルタによって石英セルに入射するレーザ光の偏光成分を変えることで、上述と同様に、第1の散乱光像と第2の散乱光像を撮影することができる。
また、本実施形態例では、散乱角度θ=90°の散乱光像を撮影する構成としたが、これに限定されず、所望の散乱角度θで散乱された光による散乱光像を撮影することによっても、本実施形態例と同様に被計測粒子の粒径を求めることができる。この散乱角度θの設定は、第1の散乱光像の輝度と、第2の散乱光像の輝度の差が散乱光検出器5のダイナミックレンジの範囲内にあり、かつ十分に違いを検出できるだけの差があることが好ましい。本実施形態例のように、散乱角度θ=90°の近傍、最も好適な条件で言えばθ=50°〜80°程度で散乱される散乱光からなる散乱光像を計測する構成とすれば、例えば、光源からシート状のレーザ光を射出するような場合に、石英セル内に封入された被計測粒子の2次元計測が可能となるという利点を有する。
ここで、2次元計測を行う上で、散乱光像の観測は、厳密に、散乱角度θ=90°の散乱光による散乱光像を観測する設定である必要は無い。やや斜め方向からの観測、例えば散乱角度θ=70°の散乱光による散乱光像の観測であっても、画像処理による台形補正(画像のゆがみ補正)を行うことで、散乱角度θ=90°の散乱光による散乱光像と全く同様の可視化像を取得することが可能であるためである。
このように、本発明の粒径計測装置は、波長の異なる複数の偏光による偏光比を計測できる構成であればよく、その光学系の構成には種々の変更が可能であり、本発明は、本実施形態例の仕様に限定されるものではない。また、本実施形態例では粒径分布が対数正規分布を持つと仮定し解析解を求めたが、これに限られるものではない。その他の手法で求めた解析解のデータベースを予め算出部となるコンピュータに保持する構成としてもよい。
また、本実施形態例では、光学レンズ3を一枚の凸レンズで構成する例としているが、複数のレンズを組み合わせたレンズ群で構成する例としてもよい。また光学レンズ3は、本実施形態例に示した凸レンズ以外にも、光の光路を調整するものであれば種々適用可能であり、例えば、凹レンズ又はシリンドリカルレンズで構成する例としてもよい。凹レンズを用いた場合、光は拡散する。光を拡散すれば光のエネルギー密度は低下するものの、広い領域に存在する粒子の計測が可能となる。シリンドリカルレンズを用いた場合、光はシート状に広がる。シート光を生成すれば、ある平面上に存在する粒子の2次元計測が可能となる。シート光を順次移動しながら計測を実施すれば、空間中に存在する粒子の3次元計測が可能となる。凹レンズの場合も、シリンドリカルレンズの場合も、複数のレンズを組み合わせたレンズ群で構成する例としてもよい。
また、本実施形態例では、被計測粒子群4を石英セル7内に封入する例としたが、例えば火炎中で生成されるすす粒子や、加湿器などで生成される微細水滴の粒径計測も可能である。その場合には、空気中の粒子にレーザ光を照射する構成とすればよい。また、本実施形態例では、複数の被計測粒子からなる被計測粒子群4を被計測物として準備したが、例えば1つの粒子を計測することも可能である。
以下に、光学レンズの構成と被計測粒子(被計測粒子群)を配置する構成を異ならせた例を本実施形態例における変形例として説明する。
[変形例]
図15は、変形例における粒径計測装置20の概略構成図である。図15において図6A,Bに対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
変形例では、図15に示すように、光学レンズとしてシリンドリカルレンズ23を用い、光源から射出されるレーザ光Lを、シリンドリカルレンズ23にて光がシート状に形成されたシート光24としている。この場合、シート光24は、例えば、CCDカメラで構成される散乱光検出装置5の観察画面に対して平行な面を有するように形成される。また、本実施形態例では、被計測粒子発生源21をシート光24のシート面に沿った面上に配置し、その被計測粒子発生源21から、所望の被計測粒子群22をシート光24の面に沿うように発生する構成としている。被計測粒子発生源21からは、被計測粒子群22がシート光24の面内に到達するように発生されている。
変形例では、発生された被計測粒子群22と、シート光24との交わる領域において、散乱光が発生し、その散乱光が、2次元的に散乱光検出装置5により検出される。そして、上述の実施形態例と同様の方法により、被計測粒子群22の粒径が計測される。
シリンドリカルレンズ23を用いてレーザ光Lをシート光24とすることにより、被計測粒子群22の2次元平面上での状態を観察することが可能となる。また、上述したが、変形例を用いることにより、シート光24を順次移動しながら計測を実施すれば、空間中に存在する粒子の3次元計測が可能となる。シリンドリカルレンズ23の場合も、複数のレンズを組み合わせたレンズ群で構成する例としてもよい。
1・・粒径計測装置
2(2A,2B,2C)・・光源
3・・光学レンズ
4・・被計測粒子群
5・・散乱光検出装置
6・・コンピュータ
7・・石英セル

Claims (10)

  1. 複数の異なる波長の光を浮遊する被計測粒子又は被計測粒子群に照射するために射出する光源と、
    被計測粒子又は被計測粒子群に前記光が照射されることによって散乱された散乱光のうち、第1の偏波面を有する散乱光からなる第1の散乱光と、前記第1の偏波面に垂直な第2の偏波面を有する散乱光からなる第2の散乱光を、前記光源から射出される光の波長を変えながら検出する散乱光検出装置と、
    前記散乱光検出装置で検出された前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との輝度を数値化し、数値化された前記第1の散乱光の輝度と前記第2の散乱光の輝度の比による偏光比を前記光源から射出される光の波長毎に算出し、波長毎に得られた複数の偏光比と予め保持している解析解とを比較することにより、前記被計測粒子又は前記被計測粒子群の粒径を算出する算出部と、
    を有して構成される粒径計測装置。
  2. 前記光源からは、3つの異なる波長のレーザ光が射出され、前記偏光比は3つの異なる波長毎に算出される、
    請求項1に記載の粒径計測装置。
  3. 前記光源から射出されるレーザ光は、直線偏光である、
    請求項1又は2に記載の粒径計測装置。
  4. 前記光源と前記被計測粒子又は前記被計測粒子との間の領域であって、前記光源から射出される光の光軸上には、前記光の光路を調整する光学レンズが構成されている
    請求項1〜3のいずれかに記載の粒径計測装置。
  5. 前記散乱光検出装置は、前記光源から射出される光の光軸に対して、散乱角度50°〜80°で散乱される散乱光を検出できる位置に配置されている、
    請求項1〜4のいずれかに記載の粒径計測装置。
  6. 光源から波長の異なる複数の光を射出し、浮遊する被計測粒子又は被計測粒子群に照射する工程と、
    前記被計測粒子によって散乱された散乱光のうち、第1の偏波面を有する散乱光からなる第1の散乱光と、前記第1の偏波面に垂直な第2の偏波面を有する散乱光からなる第2の散乱光を前記光の波長を異ならせながら所望の散乱光検出装置で検出する工程と、
    前記散乱光検出装置で検出された前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との輝度を数値化し、数値化された前記第1の散乱光の輝度と前記第2の散乱光の輝度の比による偏光比を、前記光源から射出された光の波長毎に算出し、波長毎に得られた複数の偏光比と理論的に導出された解析解とを比較することにより、前記被計測粒子の粒径を算出する工程と、
    を含む粒径計測方法。
  7. 前記光源からは3つの異なる波長の光を射出し、前記偏光比は3つの異なる波長毎に算出する、
    請求項6に記載の粒径計測方法。
  8. 前記光源から射出される光は、直線偏光である、
    請求項6又は7に記載の粒径計測方法。
  9. 前記光源と前記被計測粒子又は前記被計測粒子との間の領域であって、前記光源から射出される光の光軸上には、前記光の光路を調整する光学レンズが構成されている
    請求項6〜8のいずれかに記載の粒径計測方法。
  10. 前記散乱光検出装置での検出は、前記光源から射出される光の光軸に対して散乱角度50°〜80°で散乱される散乱光を検出できる位置から行う、
    請求項6〜9のいずれかに記載の粒径計測方法。
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