JPWO2020096038A1 - 粒子群計測装置 - Google Patents

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Abstract

非接触かつ極短時間で、被計測粒子の粒径と、粒径の平均値、粒径の分散、粒子の数、屈折率を推定することが可能な、粒子群計測装置を提供する。粒子群計測装置は、予め予備演算処理によって散乱光強度理論値テーブルを作成しておく。そして、予備演算処理の時点で定めた散乱角度±θの位置に、第一偏光カメラ、第二偏光カメラを設置する。距離極小値演算部は、第一偏光カメラから出力される計測第一波長第一散乱光強度(I1λ1)、計測第一波長第二散乱光強度(I2λ1)と、第二偏光カメラから出力される計測第二波長第一散乱光強度(I1λ2)、計測第二波長第二散乱光強度(I2λ2)に最も類似度が高い、散乱光強度理論値テーブルのレコードを特定し、屈折率m、標準偏差σg、平均粒径Dg、粒子数nを出力する。

Description

本発明は、粒子群計測装置に関する。
自動車の排気ガスに含まれる微粒子や、大陸から飛来する黄砂のようなエアロゾルは、粒径が1μmを下回るサブミクロン粒子を多く含むことが知られている。また、近年の液体微粒化技術の発展と共に、算術平均粒径が数μmオーダの微細噴霧生成が可能となってきており、その粒径分布の下限は、もはや1μm以下の領域にあると推定される。このようなサブミクロン粒子の振る舞いを把握するためには、その粒径計測法の確立が必須の課題である。
本発明の技術分野に近い先行技術文献を特許文献1及び非特許文献1に示す。
特許文献1には、本願発明者による本願発明の基礎技術である、粒径計測装置及び粒径計測方法が開示されている。
非特許文献1には、1nm〜10μmオーダのサブミクロン領域を含む粒径範囲を対象とした粒径計測法について記載されており、それぞれの粒径範囲に応じた計測法の特性についての記載がある。なお、粒径計測法は、主に非接触式と採取式に大別される。
非接触式粒径計測法は、主にレーザ光を用いたものであり、散乱パターンを用いたレーザ回折法、散乱光強度を用いた光散乱法、粒子運動による散乱光の周波数変動を用いた動的光散乱法などが知られている。これらは、プローブとしてレーザ光を用いるため、非接触計測が可能であり、手法によっては2次元計測が可能という大きな利点を有する。
レーザ回折法及び光散乱法は、100nm〜100μmオーダの粒径計測範囲を有し、燃料噴霧、粉体などの粒径計測に幅広く用いられている。しかしながら現状では、平均粒径が1μm以下の粒子にそのまま適用するには多くの困難を伴う。
動的光散乱法は、1nm〜1μmオーダと極めて微小な粒径計測が可能であり、火炎中の微粒子生成過程の観察に適用されて大きな成果を挙げている。しかしながら、強力なレーザ光源と複雑な信号処理が必要なため、また点計測を基本とするため2次元データ取得には、数多くの実験を必要とするため、その実用に至るまでには、多くの困難があった。
粒子を採取して分析する採取式粒径計測法としては、光学・電子顕微鏡を用いた計測法、慣性衝突法、重力沈降・遠心沈降法、電気的検知帯法、静電分級法など数多くの手法が知られている。このような採取式粒径計測法では、手法によっては1nmオーダと極めて微小な粒径計測が可能である。しかしながら、粒子を採取して分析する必要があるため、粒径の空間分布や時間変化といった貴重な情報が失われてしまうという問題がある。
一方、レーザ光を用いたサブミクロン粒径計測法として、偏光比法が知られている。偏光比法は、エアロゾルの粒径計測法として発展してきた手法であり、火炎中の微粒子生成過程の観察に適用され、大きな成果をあげている。偏光比法は、粒子からの散乱光に含まれる2つの偏光成分の強度比がその粒径に依存する性質を利用したものである。
偏光比法を用いた粒径計測方法は、レーザ波長よりも小さい粒子でも計測が可能であり、非接触での粒径計測が可能であるという大きな利点を有する。しかしながら、計測可能な粒径範囲が狭く、現状では1nm〜100nmに限定される。
このため、偏光比法は先述のレーザ回折法や散乱光法などと粒径計測範囲が重複しておらず、両者の間を埋める粒径計測法の開発が求められている。
特許第5517000号公報
櫻井博、粒子の気中個数濃度と粒径分布の計測技術と標準、産総研計量標準報告、産業技術総合研究所、Vol.4、No.1、53-63。
特許文献1に示す特許では、発明者は、被計測粒子に非接触で粒径を計測でき、かつ、計測可能な粒径範囲の拡大を可能とする粒径計測装置及び粒径計測方法を実現した。但し、特許文献1で計測可能な粒径範囲は、数百nm〜10μm程度であり、10nmを下回る数nm程度までの、極めて極小な粒径を有する粒子には、特許文献1に記載の技術も適用できていない。
乗用車等のエンジンのシリンダ内で燃料が燃焼する際、ピストン内部では瞬間的にすすが発生し、極僅かな時間の間にすすが成長する。これらのすす粒子は、数nmから数10nm程度の極めて極小な粒径を持つ。このような、極めて短時間の間に発生し成長する極小微粒子の粒径を計測することは、当然に非接触でないと不可能であり、これまで実現できる手法が存在しなかった。
また、炎の内部で発生するすすは、単一の粒径で構成されない。概ね対数正規分布に従い、平均値と分散を有する。また、粒子の構成元素とその結合構造から決まる特有の光学定数である屈折率を呈する。すす粒子の計測には、単に粒径を求めるだけでなく、粒径の平均値、粒径の分散、粒子の数、屈折率等を併せて把握する必要がある。
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、非接触かつ極短時間で、被計測粒子の粒径と、粒径の平均値、粒径の分散、粒子の数、屈折率を推定することが可能な、粒子群計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の粒子群計測装置は、計測対象を通過する光路に第一の波長を有する第一の光を照射する第一光源と、光路に、第一の波長と異なる第二の波長を有する第二の光を照射する第二光源と、光路から、計測対象を中心として、光路を含む観測面に平行な方向に予め定められた散乱角度+θの位置に配置される、第一光源の光を受光して第一の散乱光強度データを出力する出力する第一偏光カメラと、光路から、計測対象を中心として、観測面に平行な方向に予め定められた散乱角度−θの位置に配置される、第二光源の光を受光して、第二の散乱光強度データを出力する第二偏光カメラとを具備する。
更に、想定される粒子群における、散乱光強度理論値が格納される光強度フィールドと、屈折率が格納される屈折率フィールドと、標準偏差が格納される標準偏差フィールドと、平均粒径が格納される平均粒径フィールドと、粒子数が格納される粒子数フィールドとを有する散乱光強度理論値テーブルと、散乱光強度データと散乱光強度理論値とを比較して、最も類似度が高いレコードから屈折率、標準偏差、平均粒径、粒子数を出力する距離極小値演算部とを具備する。
本発明によれば、非接触かつ極短時間で、被計測粒子の粒径と、粒径の平均値、粒径の分散、粒子の数、屈折率を推定することが可能な、粒子群計測装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る粒子群計測装置の全体構成を示す概略図である。 粒子群計測装置にて使用される偏光カメラの内部構成と、使用する測定値を示す概略図である。 粒子群計測装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 粒子群計測装置のソフトウェア機能を示すブロック図である。 散乱値強度理論値テーブルのフィールド構成を示す表である。 散乱値強度理論値テーブルに記録されるレコードによって表現される粒子群のモデルを示すグラフである。 ある波長の光における、粒子群の粒径と偏光比の関係を示すグラフである。 2種類の波長の光における、粒子群の粒径と偏光比の関係を示すグラフである。 従来技術であるPAMS法と本発明の実施形態に係る粒子群計測装置とで、炎のすすを計測する実験を行った実験結果のグラフである。
[粒子群計測装置:全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る粒子群計測装置101の全体構成を示す概略図である。
図1において、炎102が粒子群計測装置101の計測対象である。
計測対象である炎102に対し、計測対象を通過する、概ね水平の面を観測面D103とする。
この観測面D103に平行な方向に、第一光源104と第二光源105、プリズム等の光合成体106、そして偏光フィルタ107と凸レンズ108によって、観測面D103に形成される光路D116を直進する直線偏光B109が形成される。
第一光源104は第一の波長の光(第一の光)を出力するレーザ光源である。レーザの波長は例えば405nmの、紫色のレーザである。
第二光源105は第二の波長の光(第二の光)を出力するレーザ光源である。レーザの波長は例えば488nmの、青色のレーザである。
これら紫色及び青色は、計測対象である炎102が発するオレンジ色の光に由来するノイズをできる限り除去するために選択される色である。
光合成体106は、第一光源104が発する紫色レーザと、第二光源105が発する青色レーザの、2個のレーザ光の光軸を揃えて一方向に出力する。
偏光フィルタ107は、斜め45°の偏光を透過させるべく設けられている。これは、縦方向と横方向に均等な出力の偏光を得るためである。
凸レンズ108は、レーザ光の光束を収束させるために設けられている。
直線偏光B109は計測対象である炎102を通過し、ビームトラップあるいはビームブロックとも呼ばれるビームストップ110に照射される。ビームストップ110は安全のために設けられているので、レーザ光が拡散しない構成であれば何を使用してもよい。
直線偏光B109が計測対象である炎102を通過する際、直線偏光B109は観測面D103に平行な方向に所定の散乱角度±θで拡散される。
散乱角度±θの一方の側+θには、第一偏光カメラ111が設置される。第一偏光カメラ111は、第一光源104の光の波長405nmのみを透過する第一色フィルタ112を通じて、第一光源104の光の強度を検出する。
また、散乱角度±θの他方の側−θには、第二偏光カメラ113が設置される。第二偏光カメラ113は、第二光源105の光の波長488nmのみを透過する第二色フィルタ114を通じて、第二光源105の光の強度を検出する。
なお、散乱角度±θの絶対値|θ|は、概ね30°〜80°および100°〜150°程度で設定が可能である。理想的には、60°〜80°および100°〜120°の範囲が好ましい。
なお、10nm程度の粒子の場合、90°は特異点である。90°にすると、第二散乱光強度がゼロとなり計測できなくなる。よって、90°を避け、かつ0°と180°に近すぎない位置が好適である。
[偏光カメラ]
図2を参照して、偏光カメラ201の構成と、後述する情報処理装置115にて使用するデータの種類を説明する。
図2は、粒子群計測装置101にて使用される偏光カメラ201の内部構成と、使用する測定値を示す概略図である。
偏光カメラ201は例えば648×488ピクセルの画素の撮像素子を有する。そして、この撮像素子には、各々の撮像ピクセルに微小偏光板202が設けられている。
微小偏光板202には、横方向の偏光、右斜め方向の偏光、縦方向の偏光、左斜め方向の偏光の、4種類の偏光フィルタが各々の撮像ピクセルに整列して設けられている。そして、偏光カメラ201は、各々の偏光に対応した画像データを出力する。
本発明の粒子群計測装置101は、縦方向の偏光の画像データD203及び横方向の偏光の画像データD204(324×244ピクセル)を使用し、右斜め方向の偏光の画像データD205及び左斜め方向の偏光の画像データD206は使用しない。
図1に戻って、粒子群計測装置101の説明を続ける。
第一偏光カメラ111と第二偏光カメラ113は、パソコン等よりなる情報処理装置115に接続される。情報処理装置115は、後述する演算処理を行うことで、所定の瞬間における炎102に含まれるすす、すなわち粒子群の、屈折率、標準偏差、平均粒径及び粒子数を推定演算する。
[情報処理装置115]
図3は、情報処理装置115のハードウェア構成を示すブロック図である。
情報処理装置115は、バス301に接続された、CPU302、ROM303、RAM304、表示部305、操作部306、不揮発性ストレージ307、USB等のシリアルインターフェース(以下「シリアルI/F」と略)308を備える。
シリアルI/F308には、第一偏光カメラ111と第二偏光カメラ113が接続されている。
図4は、情報処理装置115のソフトウェア機能を示すブロック図である。
第一偏光カメラ111は、第一光源104が出力する紫色レーザに由来する縦偏光強度値である計測第一波長第一散乱光強度データ(I1λ1)と、横偏光強度値である計測第一波長第二散乱光強度データ(I2λ1)を出力する。
第二偏光カメラ113は、第二光源105が出力する青色レーザに由来する縦偏光強度値である計測第二波長第一散乱光強度データ(I1λ2)と、横偏光強度値である計測第二波長第二散乱光強度データ(I2λ2)を出力する。
各々がスカラ値である計測第一波長第一散乱光強度データ(I1λ1)、計測第一波長第二散乱光強度データ(I2λ1)、計測第二波長第一散乱光強度データ(I1λ2)及び計測第二波長第二散乱光強度データ(I2λ2)は、距離極小値演算部401に入力される。
距離極小値演算部401は、散乱光強度理論値テーブル402を読み込み、計測第一波長第一散乱光強度データ(I1λ1)、計測第一波長第二散乱光強度データ(I2λ1)、計測第二波長第一散乱光強度データ(I1λ2)及び計測第二波長第二散乱光強度データ(I2λ2)に最も近いレコードを探し出す。そして、距離極小値演算部401は、最も近いレコードに記憶されている、粒子群の屈折率、標準偏差、平均粒径及び粒子数を出力する。
露光制御部403は、第一偏光カメラ111と第二偏光カメラ113に対し、同時にシャッターパルスを出力すると共に、撮影に必要な露光時間を設定する。図4では省略しているが、露光制御部403は、外部から得られる所定の制御信号を受けて、第一偏光カメラ111と第二偏光カメラ113に対するシャッターパルスを出力する。
ここで、外部から得られる所定の制御信号とは、例えば、不図示のエンジンモデル等から得られるタイミングパルスである。露光制御部403は、制御信号に所定の時間遅延を与えたり、露光時間を厳密に制御することで、エンジンの燃焼サイクルにおける所望の瞬間のすすの状態を計測することを可能とする。
[散乱光強度理論値テーブル402]
図5は、散乱光強度理論値テーブル402のフィールド構成を示す表である。
散乱光強度理論値テーブル402は、第一波長第一散乱光強度フィールド、第一波長第二散乱光強度フィールド、第二波長第一散乱光強度フィールド、第二波長第二散乱光強度フィールド、屈折率フィールド、標準偏差フィールド、平均粒径フィールド、粒子数フィールドを有する。
第一波長第一散乱光強度フィールドには、第一波長第一散乱光強度(I1λ1)の理論値が格納される。第一波長第二散乱光強度フィールドには、第一波長第二散乱光強度(I2λ1)の理論値が格納される。第二波長第一散乱光強度フィールドには、第二波長第一散乱光強度(I1λ2)の理論値が格納される。第二波長第二散乱光強度フィールドには、第二波長第二散乱光強度(I2λ2)理論値が格納される。
すなわち、これら散乱光強度理論値のフィールドは、それぞれ第一偏光カメラ111及び第二偏光カメラ113が出力する同名のデータと同じものであり、後述する予備演算処理によって想定される粒子群の理論値(スカラ値)が格納される。
屈折率フィールドには、後述する予備演算処理によって算出された、想定される粒子群の屈折率(スカラ値)が格納される。標準偏差フィールドには、後述する予備演算処理によって算出された、想定される粒子群の標準偏差(スカラ値)が格納される。
平均粒径フィールドには、後述する予備演算処理によって算出された、想定される粒子群の平均粒径(スカラ値)が格納される。粒子数フィールドには、後述する予備演算処理によって算出された、想定される粒子群の粒子数(スカラ値)が格納される。
[粒子群のモデル]
図6は、散乱光強度理論値テーブル402に記録されるレコードによって表現される粒子群のモデルを示すグラフである。
様々な研究等によって、自然現象に由来して発生する、粒径が分散している微粒子の粒子群は、図6に示すように、横軸を対数目盛とするガウス曲線に概ね一致することが知られている。なお、図6において、横軸は対数目盛による粒径であり、縦軸は粒子の数(出現頻度)である。
ガウス曲線、つまり正規分布は、平均と標準偏差でグラフの形態が一意に定まる。そこで、平均粒径、標準偏差、個数、屈折率の4パラメータを定めて、第一光源104が出力する紫色レーザの波長、第二光源105が出力する青色レーザの波長、第一偏光カメラ111及び第二偏光カメラ113が設置される、光軸に対する角度θを与えて計算を行うことにより、第一波長第一散乱光強度(I1λ1)、第一波長第二散乱光強度(I2λ1)、第二波長第一散乱光強度(I1λ2)及び第二波長第二散乱光強度(I2λ2)の理論値を算出することができる。
つまり、第一波長第一散乱光強度(I1λ1)、第一波長第二散乱光強度(I2λ1)、第二波長第一散乱光強度(I1λ2)及び第二波長第二散乱光強度(I2λ2)の理論値は、屈折率、標準偏差、平均粒径、粒子数を探索するための検索キーである。これら検索キーとなる理論値と、偏光カメラで実測した値との類似度を計算して、最も類似するレコードを、計測した粒子群のパラメータ群に概ね合致するものとして推定する。
類似度の計算では、理論値と実測値との距離が計算される。すなわち、距離極小値演算部401は、以下に示すように、各パラメータ毎に差の二乗を加算して距離DSを算出し、距離DSの値が最も小さいレコードを探す。
距離DS=
(第一波長第一散乱光強度理論値−計測第一波長第一散乱光強度データ)
(第一波長第二散乱光強度理論値−計測第一波長第二散乱光強度データ)
(第二波長第一散乱光強度理論値−計測第二波長第一散乱光強度データ)
(第二波長第二散乱光強度理論値−計測第二波長第二散乱光強度データ)
[粒径と偏光比]
図7は、ある波長の光における、粒子群の平均の粒径と偏光比の関係を示すグラフである。なお、図7及び図8の実線のグラフは青色のレーザ光、すなわち第二の光であり、後述する図8の点線のグラフは紫色のレーザ光、すなわち第一の光である。
標準偏差が異なると、平均粒径が同じ粒子群であっても、全く異なる偏光比を示す。このため、単一の光だけでは、ある偏光比に対して異なる粒径が該当してしまうため、粒子群を特定することができない。
図8は、2種類の波長の光における、粒子群の粒径と偏光比の関係を示すグラフである。
そこで、2種類の波長の光について、粒子群の粒径と偏光比の関係をグラフにプロットすると、波長が異なるために、ある偏光比に対して異なる粒径が該当しても、別の波長のグラフと重ね合わせることで、粒径の誤差が最も少ない値が目的の粒径であると推定することができる。
図7及び図8に示すグラフは、以下の式で理論散乱光強度を算出する。なお、以下の式において、fはミーの散乱理論の式、λは入射光波長、θは散乱角度、τλは露光時間、mは複素屈折率、σは幾何標準偏差、Dは幾何平均粒径、Cλは光学定数、nは粒子数である。
λ、θ、τλは既定値であり、m、σ、D、Cλ、nは未知数である。
λは第一の光であり、λは第二の光である。
Figure 2020096038
上式のうち、第2の式を第1の式で除すると、あるいは第4の式を第3の式で除すると、τλ、Cλ、nは消去される。この比は偏光比とよばれる。上式をそのまま用いるよりも変数の数が減り、かつm、σ、Dの算出にも利用できる。しかしながら、すす粒子のような数nmから数十nm程度の粒子の場合、平均の粒径を変化させたときの偏光比の変化は非常に小さく、計測が困難となる問題がある。
ある粒径Dを有する1個の粒子は、ある入射光波長λに対し、複素屈折率m、光学定数Cλを以て、散乱角度θに所定の強度の散乱光を出力する。粒子は1個だけではないので、粒子の数だけ散乱光の強度が累積加算される。また、粒子の粒径も1個だけではないので、異なる粒径の粒子においても同様に計算する必要がある。その粒子の粒径の出現頻度が、対数目盛による正規分布に概ね従う。
粒径の平均値と粒径の標準偏差、粒子数がわかれば、粒子群が出力する散乱光の強度を算出することができる。
そこで、予め入射光波長λと散乱角度θと露光時間τλを固定しておき、複素屈折率m、幾何標準偏差σ、幾何平均粒径D、光学定数Cλを様々に変化させながら、第一波長第一散乱光強度理論値(I1λ1)、第一波長第二散乱光強度理論値(I2λ1)、第二波長第一散乱光強度理論値(I1λ2)、第二波長第二散乱光強度理論値(I2λ2)を演算することが、予備演算処理である。そして、予備演算処理の演算結果をテーブルに記録したものが、散乱光強度理論値テーブル402である。
予備演算処理では、散乱角度θを適切な値に定めている。したがって、粒子群計測装置101が実際に計測を行う際には、第一偏光カメラ111及び第二偏光カメラ113は、計測対象物に対して散乱角度±θを以て配置されていなければならない。
[実験]
図9は、従来技術であるPAMS法と本発明の実施形態に係る粒子群計測装置101とで、炎のすすを計測する実験を行った実験結果のグラフである。グラフの形態は図6とほぼ同じであり、横軸は対数目盛による粒径であり、縦軸は正規化粒子密度(出現頻度)である。
実験は、ブタンガスの炎102を計測対象とした。
従来技術であるPAMS法とは、Portable aerosol mobility spectrometerの略で、発生源の粒子をパイプの横に開けた採取口から直接採取して、ふるいをかけるように分級したのち各粒径の粒子数をカウントする方法である。なお、火炎中のすすが計測対象であるため、炎による酸化反応を凍結させるため、またすす粒子同士の凝集を抑制するため、パイプに窒素ガスを流通して、冷却と希釈を行いながらすすを採取した。
図9を見ると、PAMS法による実測結果のグラフの頂点P901と、本発明の実施形態にかかる粒子群計測装置101の推定演算結果のグラフの頂点P902における粒径が、概ね近似することがわかる。
本発明の実施形態では、粒子群計測装置101を開示した。
粒子群計測装置101は、予め予備演算処理によって散乱光強度理論値テーブル402を作成しておく。そして、予備演算処理の時点で定めた散乱角度±θの位置に、第一偏光カメラ111、第二偏光カメラ113を設置する。
距離極小値演算部401は、第一偏光カメラ111から出力される計測第一波長第一散乱光強度(I1λ1)、計測第一波長第二散乱光強度(I2λ1)と、第二偏光カメラ113から出力される計測第二波長第一散乱光強度(I1λ2)、計測第二波長第二散乱光強度(I2λ2)に最も類似度が高い、散乱光強度理論値テーブル402のレコードを特定し、屈折率m、標準偏差σ、平均粒径D、粒子数nを出力する。
粒子群計測装置101は、非接触かつ極短時間で、粒子群の屈折率m、標準偏差σ、平均粒径D、粒子数nを推定演算することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
101…粒子群計測装置、102…炎、104…第一光源、105…第二光源、106…光合成体、107…偏光フィルタ、108…凸レンズ、110…ビームストップ、111…第一偏光カメラ、112…第一色フィルタ、113…第二偏光カメラ、114…第二色フィルタ、115…情報処理装置、201…偏光カメラ、202…微小偏光板、301…バス、302…CPU、303…ROM、304…RAM、305…表示部、306…操作部、307…不揮発性ストレージ、308…シリアルインターフェース、401…距離極小値演算部、402…散乱光強度理論値テーブル、403…露光制御部

Claims (4)

  1. 計測対象を通過する光路に第一の波長を有する第一の光を照射する第一光源と、
    前記光路に、前記第一の波長と異なる第二の波長を有する第二の光を照射する第二光源と、
    前記光路から、前記計測対象を中心として、前記光路を含む観測面に平行な方向に予め定められた散乱角度+θの位置に配置される、前記第一光源の光を受光して第一の散乱光強度データを出力する出力する第一偏光カメラと、
    前記光路から、前記計測対象を中心として、前記観測面に平行な方向に予め定められた散乱角度−θの位置に配置される、前記第二光源の光を受光して、第二の散乱光強度データを出力する第二偏光カメラと、
    想定される粒子群における、散乱光強度理論値が格納される光強度フィールドと、屈折率が格納される屈折率フィールドと、標準偏差が格納される標準偏差フィールドと、平均粒径が格納される平均粒径フィールドと、粒子数が格納される粒子数フィールドとを有する散乱光強度理論値テーブルと、
    前記散乱光強度データと散乱光強度理論値とを比較して、最も類似度が高いレコードから屈折率、標準偏差、平均粒径、粒子数を出力する距離極小値演算部と
    を具備する、粒子群計測装置。
  2. 前記第一偏光カメラが出力する前記第一の散乱光強度データは、前記第一の光に由来する縦偏光強度値である計測第一波長第一散乱光強度データと、前記第一の光に由来する横偏光強度値である計測第一波長第二散乱光強度データであり、
    前記第二偏光カメラが出力する前記第二の散乱光強度データは、前記第二の光に由来する縦偏光強度値である計測第二波長第一散乱光強度データと、前記第二の光に由来する横偏光強度値である計測第二波長第二散乱光強度データである、
    請求項1に記載の粒子群計測装置。
  3. 前記光強度フィールドは、
    前記計測第一波長第一散乱光強度データに対応する第一波長第一散乱光強度理論値が格納される第一波長第一散乱光強度フィールドと、
    前記計測第一波長第二散乱光強度データに対応する第一波長第二散乱光強度理論値が格納される第一波長第二散乱光強度フィールドと、
    前記計測第二波長第一散乱光強度データに対応する第二波長第一散乱光強度理論値が格納される第二波長第一散乱光強度フィールドと、
    前記計測第二波長第二散乱光強度データに対応する第二波長第二散乱光強度理論値が格納される第二波長第二散乱光強度フィールドと
    を有し、
    前記距離極小値演算部は、前記計測第一波長第一散乱光強度データ、前記計測第一波長第二散乱光強度データ、前記計測第二波長第一散乱光強度データ及び前記計測第二波長第二散乱光強度データの入力を受けて、前記散乱光強度理論値テーブルの、前記第一波長第一散乱光強度理論値、前記第一波長第二散乱光強度理論値、前記第二波長第一散乱光強度理論値及び第二波長第二散乱光強度理論値と最も類似度が高いレコードを特定して、特定された前記レコードから前記屈折率、前記標準偏差、前記平均粒径、前記粒子数を出力する、
    請求項2に記載の粒子群計測装置。
  4. 更に、
    前記第一光源及び前記第二光源と前記計測対象との間に配置され、前記第一の光と前記第二の光を、前記観測面に対して45°の偏光を通過する偏光フィルタと
    を具備する、請求項3に記載の粒子群計測装置。
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