JP2007163315A - 透明材料中の欠陥の形状及び位置の計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属フッ化物単結晶からなるレンズ硝材などの透明材料中に存在する欠陥のXYZ座標位置及びその形状を迅速にかつ正確に評価する。
【解決手段】 被検体(透明材料)のZ軸延長線上であって、その焦点面がXY平面と平行となる位置にカメラを配置し、透過光照明下に該焦点面が存在するZ座標位置のXY平面を撮影するステップと、カメラと被検体との相対的なZ座標位置を変化させるステップとの2つのステップを交互に繰り返し、撮像と該像を撮影した時点のカメラと被検体との相対的なXYZ座標位置とから、該被検体中に存在する欠陥の形状及びそのXYZ座標位置を計測する。得られた撮像の形状から欠陥の原因を、撮影した被検体とカメラの相対位置から欠陥の位置を把握できる。位置情報と原因情報が同時に得られるため欠陥を生じた原因が把握しやすく、製造条件の改善が容易となる。また相対的に欠陥の少ない最終製品に加工することも容易である。
【選択図】 図3
【解決手段】 被検体(透明材料)のZ軸延長線上であって、その焦点面がXY平面と平行となる位置にカメラを配置し、透過光照明下に該焦点面が存在するZ座標位置のXY平面を撮影するステップと、カメラと被検体との相対的なZ座標位置を変化させるステップとの2つのステップを交互に繰り返し、撮像と該像を撮影した時点のカメラと被検体との相対的なXYZ座標位置とから、該被検体中に存在する欠陥の形状及びそのXYZ座標位置を計測する。得られた撮像の形状から欠陥の原因を、撮影した被検体とカメラの相対位置から欠陥の位置を把握できる。位置情報と原因情報が同時に得られるため欠陥を生じた原因が把握しやすく、製造条件の改善が容易となる。また相対的に欠陥の少ない最終製品に加工することも容易である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、透明材料中に存在する欠陥のXYZ座標位置及びその形状を正確に評価するための方法に関する。
半導体チップの高性能化、高集積化に伴い、半導体リソグラフィ技術においてはさらなる微細化加工が要求されている。この微細化加工を担うのがステッパー(縮小投影型露光装置)である。より詳細な微細化を追求するステッパーにはより解像度の高いレンズが必須となる。レンズ中に異物や気泡が存在すると、露光性能に重大な欠陥を及ぼす。微細化要求に伴いレンズ中の欠陥の制御に対する要求も厳しいものとなってきており、許容される異物や泡などの数や大きさは小さくなっており、さらには欠陥が存在しないことが求められている。
微細化加工の要求に伴い、ステッパーに用いられる光源の波長は短波長化してきており、また、開口数の大きい大口径のレンズが必要である。これらの要素技術をもとに最先端の露光技術としてArFエキシマレーザーが実用化されている。従来のステッパーでは非晶性の合成石英レンズが使用されているが、この技術ではフッ化カルシウム単結晶レンズが使用される。単結晶中には、合成石英と同様な異物や泡のような欠陥の他に、その構造の違いから負結晶と呼ばれる目視では観察しづらい微小な欠陥が発生することがある。負結晶とは単結晶の方位に沿って特定の形状をした一片が数ミクロンから数十ミクロンの大きさの欠陥である。
上記のようにステッパーには高品質なレンズ硝材が要求されており、欠陥の数、大きさ、形、種類を正確に評価することは、高品質なレンズ硝材を製造する技術を確立する上で重要であり、かつ、その品質を保証する上でも非常に重要である。
従来、一般的にレンズ中の欠陥の検査には目視が用いられている。しかし、大口径レンズの目視観察には多くの時間と労力を要する。また、欠陥の数や大きさに対する許容範囲が厳しくなっており目視では正確な評価を保証することが困難になってくることが予想される。さらに、単結晶レンズの場合、異物や泡の他に合成石英と異なる構造に起因する特定の方位と形状を持った微小な欠陥が存在し、目視での観察が難しいだけでなく、単に光散乱点としてしか認識できないことが多く、そのためそれぞれの種類の判別が困難である。しかしながら、レンズ中に観察される光散乱点が、ゴミ(異物)なのか、気泡なのか、あるいは負結晶なのかが不明であると、そのような光散乱点が生じる原因を特定することができない。そしてこのような欠陥がゴミなどの異物である場合と、負結晶である場合と、単なる空孔(気泡)である場合では、該欠陥を低減するための手法が全く異なるのが通常であるため、光散乱点が減じられたレンズを製造するために過大な試行錯誤が要求されてしまう。
透明材料中の欠陥位置を測定する方法としては、例えば、平板ディスプレーに用いられるガラス基板内欠陥の深さ方向位置検出方法がある(例えば特許文献1)。
しかしながら、この技術は欠陥の深さ方向位置の検出方法としては優れた技術ではあるが、事前に該欠陥の平面方向の位置を把握しておくことが必要であり、この点で未だ改良の余地があった。また、深さ位置の検出に際しては、いちいちカメラを該欠陥の平面位置に動かして撮影する必要があり、自動化が困難であった。さらに被検体に対してカメラと同じ側に照明光源を配置するため、単結晶体中における負結晶などの光散乱の方位依存性のある欠陥が完全に検知できない場合があった。
従って本発明は、光学材料の内部の欠陥、より詳細には、欠陥の空間的な分布、形状、大きさを自動で正確に検査できる手段を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行ってきた。そして、欠陥が存在しない部分を撮影することの可否を検討した結果、そのような撮影を行っても余計に時間が必要となる以外の問題は生じず、むしろ、いちいち欠陥の平面方向位置を把握するための工程を省け、よって極めて自動化が容易であり、さらには、平面方向の欠陥位置把握精度はむしろ向上することを見出し、さらに検討を進めた結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、透明材料中に存在する欠陥の形状及び、そのXYZ座標位置を計測する方法であって、
被検体である透明材料のZ軸の延長線上であって、その焦点面がXY平面と平行となる位置にカメラを配置し、該Z軸の延長線上であって被検体を挟んだ反対側から該カメラ方向に光を照射しつつ、
(I)前記カメラにより、該焦点面が存在するZ軸位置のXY平面を所定の範囲撮影するステップと、
(II)カメラと被検体とのZ軸方向の相対位置を変化させるステップ、
との2つのステップを交互に繰り返し、
撮像と、該像を撮影した時点のカメラと被検体との相対的なXYZ座標位置とから、該被検体中に存在する欠陥の形状及びそのXYZ座標位置を計測する方法である。
被検体である透明材料のZ軸の延長線上であって、その焦点面がXY平面と平行となる位置にカメラを配置し、該Z軸の延長線上であって被検体を挟んだ反対側から該カメラ方向に光を照射しつつ、
(I)前記カメラにより、該焦点面が存在するZ軸位置のXY平面を所定の範囲撮影するステップと、
(II)カメラと被検体とのZ軸方向の相対位置を変化させるステップ、
との2つのステップを交互に繰り返し、
撮像と、該像を撮影した時点のカメラと被検体との相対的なXYZ座標位置とから、該被検体中に存在する欠陥の形状及びそのXYZ座標位置を計測する方法である。
また他の発明は、上記方法でレンズ硝材中の欠陥を計測し、ついで、該欠陥の影響が最も少なくなるように該レンズ硝材をレンズへと加工する、レンズの製造方法である。
さらにまた本発明は、被検体となる透明材料が単結晶である上記方法、及び、上記方法で該単結晶体中に存在する欠陥の形状を計測した後、(III)該欠陥の形状から、該欠陥が負結晶か、又はその他の欠陥のいずれであるのかを判定するステップを行うことを特徴とする透明材料の評価方法を提供する。
本発明によれば、XY平面と平行にカメラ及び/又は被検体を移動させて該XY平面の撮影の後、カメラと被検体とのZ軸方向の相対位置を変化させることにより、レンズ硝材等の透明材料内の欠陥の空間的な分布(XYZ座標)を正確に算出することができるとともに、その形状、大きさの情報を取得できる。さらに異物や泡に加えて、単結晶に特有な負結晶を識別できる。これによって、高品質なレンズ硝材を製造する技術を確立できるとともに、レンズ硝材の品質を保証することができるという効果を奏する。
本発明の方法において、欠陥の形状及びそのXYZ座標位置の計測を行う対象は、透明材料であれば特に限定されるものではないが、本発明の効果が特に顕著に得られる点で、ステッパーに用いるレンズ材料用の硝材であることが好ましい。さらに他の材料とは異なり負結晶が生じるという特殊な要因があり、そのため、欠陥の形状を正確に把握する必要性が高い点で、単結晶であることが好ましく、フッ化物単結晶であることが特に好ましい。該フッ化物単結晶としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム等のフッ化アルカリ土類金属類;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等のフッ化アルカリ金属類;フッ化リチウムカルシウムアルミニウム、フッ化リチウムアルミニウム、フッ化リチウムバリウム等が例示される。
なお本発明において、透明材料中の欠陥とは、異物、負結晶、気泡のいずれをも含む。また本発明の方法で計測される欠陥の大きさに上限はないが、目視では位置の判別が容易にできない点で、最大径(最も長い部分の長さ)が300μm以下の欠陥の計測に適用することが効果的であり、100μm以下の欠陥の計測に適用することがより効果的である。一方、可視光を使用した撮影によってその把握が容易である点で、最大径が0.5μm以上の欠陥の計測に適用することが好ましく、1μm以上の欠陥であることがより好ましい。通常、フッ化物単結晶中の光散乱点として観測される負結晶もこの範囲の大きさにある。
本発明において、被検体となる透明材料の形状としては、少なくとも1組の平行な2面を持つことが好ましく、さらにはこの2面は平滑であることが好ましい。本発明の方法を適用するに際して、このような平滑な平行2面を光の入出射面とすることにより感度よく、欠陥の位置及び形状が計測できる。該面の平滑性としては、可視光の反射や散乱の影響を防ぐため、表面粗さがRq(RMS値)で50nm以下であることが好ましい。
このような透明材料を被検体として本発明の方法を実施する代表的な方法について、以下、図面を参照してより詳しく説明する。
図1は本発明の方法を実施するための装置の模式図である。図1において、上述したような平滑に研磨された平行2面を有する透明材料(1)は、XYステージ(2)上に、前記平滑平面がXY平面と平行になるように配置されており、また、該透明材料の上方(Z軸方向の位置)には、カメラ(3)が配置されている。なお図1ではZ軸が鉛直になる相対位置で透明材料及びカメラが配置されているが、かならずしもこのような相対位置ではなく、例えば、被検体である透明材料を縦置きにして、横方向にカメラを配することなども可能である。しかしながら、質量の大きな被検体でも誤差少なく測定できる点で、図1に示すようにZ軸が鉛直となるように配置することが特に好ましい。また該カメラの焦点面がXY平面と平行となる向きで配置する。
該XYステージ(2)としては、コンピュータ等の演算/記憶装置(7)により制御できる自動XYステージが望ましい。
用いるカメラは特に制限されるものではないが、自動化が容易な点でCCDセンサーやCMOSセンサーを用いた電子カメラであることが好ましい。またラインカメラでもエリアカメラでもよいが、測定対象である光学材料中の欠陥の大きさに対する分解能、被検体を連続的に移動させながら撮影が可能で、カメラ及び/又は被検体の移動機構との組み合わせにより自動化が容易な点を勘案すると、高画素数(1000−10000画素)のラインカメラを用いることが好ましい。必要な分解能を得るためにレンズの倍率、カメラの画素数等は適宜選択すればよい。
用いるカメラの焦点深さは任意に設定でき、浅い方が欠陥のZ軸位置の検出精度が高くなるが、欠陥が相対的に大きい場合にはボケた像となりやすく、また同一体積あたりの測定時間が長くなる。好ましくは10μm〜3mmであり、より好ましくは50μm〜2mmである。
図1に示す態様では、カメラ(3)は、水平方向支持具(4)及び垂直方向支持具(5)により保持されている。水平方向支持具(4)は、可動機構(6)により、垂直方向に可動可能とされており、これによりカメラ(3)はZ軸方向への移動が可能になっている。該可動機構(6)も、コンピュータ等の演算/記憶装置(7)により制御可能なものを用いることが好ましい。
本発明においては、上記カメラ(3)による撮影は、該カメラ(3)を配置したのと同じZ軸の延長線上(同じXY座標位置)であって被検体(1)を挟んだ反対側から該カメラ方向に光を照射しつつ、即ち、透過光で撮影する必要がある。被検体が単結晶体である場合、異物の混入に対して十分な注意を払えば、欠陥としては負結晶が大きな割合を占めることが多い。負結晶はその結晶系に応じ、特定の方向に光を散乱する場合があり、そのため散乱光を用いて検出しようとしても照明の位置によっては該負結晶が検出されない場合がある。さらに散乱光では、実際の形状とは異なった形状の撮像となる場合がある。
それに対し本発明の如く透過光での撮影を行えば、被検体(1)中に散乱体となる欠陥が存在する場合には、該欠陥が光を散乱するため、その部分だけがコントラストの低い部分として観察/撮影される。
上記のことから理解されるように、該照明光源の位置としては、撮影が透過光により行われる位置であればよい。図1に示す態様では、被検体(1)を挟んでカメラ(3)の反対側の、カメラ(3)のXY座標位置と同じXY座標位置(同じZ軸の延長線上)に、可視光の照明光源(8)が設置されているが、反射鏡などを用いれば、見かけの光源位置を同じ位置することができるため、配置のためのスペースなどを考慮して実際の光源位置を任意の場所にすることができる。
該光源(8)は特に限定されるものではないが、可視光光源であることが好ましい。具体的には、重水素ランプ、水銀ランプ、ハロゲンランプ等が使用できる。該光源(8)の出力は特に限定されるものではないが、微小な欠陥を捕らえるためには高量の大きな光源であることが好ましい。例えば、該光源がハロゲンランプである場合には50〜1500Wであることが好ましく、100〜800Wであることがより好ましい。
図1に模式図を示す装置を用いて本発明を実施する方法は以下の通りである。即ち、上記の通りXYステージ(2)上に被検体(1)を設置し、可動機構(6)によりカメラ(3)をZ軸方向に移動させて、該カメラの焦点面が被検体(1)中になる位置として撮影を開始する。該計測を開始する位置は任意に設定できるが、自動化が容易であり、また移動の際の位置精度を高くしやすい点で、Z軸方向においては被検体(1)の上端部又は下端部が好ましく、またXY平面方向においては、被検体(被検位置)のいずれかの端部となる位置が好ましい。
被検体(披検面積)の大きさやカメラの撮影面積によるが、通常は、固定した位置での撮影で該Z座標位置における披検面積を一度に全て撮影することはできないため、XYステージ(2)により被検体(1)の位置を移動させて、カメラ(3)との相対的なXY座標位置を変化させて撮影を行う。被検体とカメラのXY相対位置を変化させる場合、光源にもよるが、XY方向の移動をカメラ側とすると、光源も同時に移動させる必要のあることが多い。従って、本発明の方法を実施する場合には、XY方向の移動は被検体(1)側を移動させることが好ましい。
一般的なラインカメラのように、被写体を移動させながら連続的に撮影できるカメラを用いる場合には、被検体の一方の端部から撮影を開始し、被検体(1)を連続的に移動させて、他方の端部に到達するまで連続的に撮影する方法が好ましい。一方、シャッター機構を有するエリアカメラを用いる場合には、一回の撮影ごとに被検体(1)を移動させる方法が好適である。むろんこのようなエリアカメラを用いた場合でも、シャッター速度と被検体(1)の移動速度を適宜調節して、被検体(1)を連続的に移動させながら撮影することも可能である。
XY平面方向に被検体(1)を移動させる速度は、用いるカメラ(3)の性能に応じて適宜設定すればよいが、ラインカメラを用いた場合、移動速度が変わると、画像が歪むことがあるため一定速度で移動させる。
本発明においては、上記のようにして所望の披検面積を撮影することにより、用いたカメラ(3)の焦点深さ相当の厚みを持って、該Z軸位置にある散乱体を検出することができる。一方、カメラ(3)の焦点深さ以上にZ座標位置の異なる部分にある散乱体は実質的に撮影されない。従って、カメラのZ座標位置から、検出された散乱体のZ座標位置を把握することができる。またXY平面における位置は、撮影時のXYステージ(2)位置から把握可能である。
このようにして特定のXY平面(但し、カメラの焦点深さ相当の厚みを有する)における散乱体を撮影した後、可動機構(6)を用いてカメラ(3)のZ座標位置を変化させる。該変化量も特に制限されないが、やはり自動化が容易で、位置精度にも優れる点で、撮影したZ座標位置からカメラ(3)の焦点深さに相当する距離の1〜0.5倍相当の距離とすることが好ましい。
続いて該Z座標位置にて、上述したのと同様の方法でXY方向に走査しながら撮影を行う。
このようにして、被検体である透明材料(1)における所望の体積分の撮影を行うことにより、該透明材料中に存在する散乱体を実質的に全て撮影することができる。
本発明においては、このようにして得られた撮像から、該散乱体の形状を把握することができる。通常、散乱体が負結晶である場合には、該結晶構造に応じた幾何学的な角張った形状をした像として撮影される。例えば、被検体がフッ化カルシウム単結晶である場合、フッ化カルシウムは立方晶系に属し、その負結晶は通常、正八面体もしくはそれに近似した形状となる。従って、その観察方向に依存して四角形又は六角形の像が観察される。そのため上記以外の形状、あるいは四角形でもアスペクト比が概ね2を超えるような形状である場合には、負結晶以外の、気泡や異物に基づく欠陥である可能性が高い。負結晶である場合の撮像の形状は、被検体の種類、及びその結晶のどの軸方向から観察するかにより予測することができる。
該散乱体の位置は上述したように、撮影時の被検体(1)とカメラ(3)とのの相対位置から把握できる。これにより、被検体である透明材料(1)中のどの部位に、如何なる要因に起因する散乱体が存在するのかを把握することができる。
従って本発明によれば、散乱体の種類及びその位置から、該散乱体が如何なる要因で透明材料中に生じたのかを推測しやすくなり、よって、そのような散乱体を無くす(又は減ずる)ための対策が容易となる。例えば、散乱体が負結晶である場合には、製造条件を負結晶の生じ難い条件へ変更するように検討すればよい。さらに、例えば融液成長法などの単結晶を特定の方向へ成長させる方法で製造した場合に、負結晶が特定の部位に集中して存在しているような計測結果が得られていれば、結晶成長中の特定の時間に何等かの特殊要因が発生していることが予測でき、その対策方法を絞り込むことができる。
また、散乱体位置を把握した透明材料をさらに切断・研削等して最終製品にする場合、例えば、透明材料がレンズ硝材であり、本発明の方法で計測した後にレンズ加工する場合等には、可能な限りレンズ中に散乱体が少なくなるように、あるいは光学的性能等に対する影響の少ない部位に存在するように加工を行うことが容易となる。
より具体的には、例えば図3に模式的に示すように、レンズ硝材中にa〜eの5個の欠陥が観察された場合、図示するように中央上方の位置からレンズを得れば、いずれの欠陥も最終的に得られるレンズ中に取り込まれることはなく、よって高性能のレンズとすることが可能となる。
本発明において、撮像から欠陥の形状や位置を解析する方法は公知の方法を適宜用いることができる。前述したようにカメラ(3)として電子カメラを採用すれば、撮影によりカメラが得たデータを電子データとしてコンピュータ(7)などの演算(解析)装置に送りデータ処理すればよい。例えば、画像をある定めた階調により二値化処理することでその部分を欠陥とみなし、その二値化された領域の形状から欠陥の形状を把握することができる。またXYステージ(2)の位置及びカメラ(3)の位置(可動機構(6)の位置)も同じコンピュータで処理し、その位置情報と、上記欠陥が存在した場合における撮影視野内における位置情報とから、該欠陥の3次元(XYZ座標)位置情報を得ることができる。
このようなデータ処理は一回の撮影ごとに逐次行っても良いし、被検体(1)中の所望体積分の全ての撮影が終了してから一括して行っても良い。例えば、用いた電子データ記憶装置の記憶容量が少ない場合などは、一回の撮影ごとに欠陥の有無を判別させ、欠陥が検出された場合のみ、該撮影データを記憶させておく方法を採用することなどができる。
さらに計測時間を短縮するなどの目的で、比較的低解像度で、一回あたりの撮影面積(及び/又は体積)を広くして撮影し、所望の体積分の全てを撮影した後に、欠陥が検出された部分のみ、より高解像度で撮影することなども可能である。
以下、本発明を、実施例を掲げて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
以下に説明する装置を用いて、次の測定条件にて、フッ化カルシウム単結晶中の欠陥位置及び形状を評価した。
装置の構成は図1に模式的に示すとおりである。カメラは倍率3.5倍のレンズを装着した4096画素のラインカメラを用いた。なお作動距離は100mmである。可視光光源(8)としては、100Wのハロゲンランプを用いた。このハロゲンランプはカメラ(3)の直下に配置されている。XYステージ(2)及び可動機構(6)はコンピュータ(7)により制御を行い、同時にXYZの移動量に関するデータも該コンピュータにより記憶させるようにした。
被検体としては、特開2004−182588号に記載されるチョクラルスキー法により製造したフッ化カルシウム単結晶を、直径約140mm、厚さ約20mmの円柱状に加工し、さらに上下2面を、表面粗さがrmsで50nmとなるまで研磨したものを用いた。このフッ化カルシウム単結晶をXYステージ上に固定し、以下の手順でラインカメラにより散乱光を撮影した。
カメラ(3)の焦点がフッ化カルシウム単結晶の上端部から僅かに内側に入った部分となるように調整した後、フッ化カルシウム単結晶をXYステージ(2)により20mm/秒の速度で移動させて該Z軸位置におけるXY平面を走査(撮影)した。その後、カメラ(3)の位置を1mm下方へ移動させ、上記と同様にしてXY平面の走査を行った。
これをZ軸方向(縦方向)の移動距離が20mmとなるまで繰り返した。なおこれら操作はすべてコンピュータ(7)の制御により自動化して行った。撮影開始から終了までに要した時間は50分であった。
得られた撮像のデータもまたコンピュータ(7)に送り、上記の位置情報と併せて解析を行った。その結果、直径140mm、高さ20mmの円柱状の範囲中、図3に示す位置に合計18個の散乱体が検知された。これら欠陥位置の情報から、この単結晶体からは、厚さ20mm近いレンズで欠陥の少ないものを得ることは困難であるが、薄めのものであれば、上の方から比較的欠陥の少ないレンズを得るのが可能であることがわかる。
また、これら散乱体の撮像を図4として示した。この撮像中、欠陥(s)は丸みを帯びた形状であるため、気泡若しくは異物であると判断した。また、欠陥(a)〜(r)はいずれも概ね四角形であるが、そのうち(o)のみはアスペクト比が少なくとも6はあるため、異物である可能性が高いと判断した。
この欠陥(o)について、SEM/EDS元素分析を行ったところ、炭素が検出されたため、該欠陥は炭素繊維が混入したものであると結論した。一方、欠陥(s)については、異常元素は検出されず気泡であると確認された。また残る欠陥16個のうち4個について確認したところ、いずれの欠陥部位からも異常元素は検出されず、上記の負結晶であるとの判断に合致していた。
1.透明材料(被検体)
2.XYステージ
3.カメラ
4.水平方向支持具
5.垂直方向支持具
6.Z軸方向可動機構
7.測定・データ処理・解析用コンピュータ
8.可視光光源
2.XYステージ
3.カメラ
4.水平方向支持具
5.垂直方向支持具
6.Z軸方向可動機構
7.測定・データ処理・解析用コンピュータ
8.可視光光源
Claims (4)
- 透明材料中に存在する欠陥の形状及び、そのXYZ座標位置を計測する方法であって、
被検体である透明材料のZ軸の延長線上であって、その焦点面がXY平面と平行となる位置にカメラを配置し、該Z軸の延長線上であって被検体を挟んだ反対側から該カメラ方向に光を照射しつつ、
(I)前記カメラにより、該焦点面が存在するZ座標位置のXY平面を所定の範囲撮影するステップと、
(II)カメラと被検体とのZ座標方向の相対位置を変化させるステップ、
との2つのステップを交互に繰り返し、
撮像と、該像を撮影した時点のカメラと被検体との相対的なXYZ座標位置とから、該被検体中に存在する欠陥の形状及びそのXYZ座標位置を計測する方法。 - 請求項1記載の方法を用いてレンズ硝材中の欠陥を計測し、ついで、該欠陥の影響が最も少なくなるように該レンズ硝材をレンズへと加工する、レンズの製造方法。
- 被検体となる透明材料が単結晶体である請求項1記載の方法。
- 請求項3記載の方法で単結晶体中に存在する欠陥のXYZ座標位置及びその形状を計測した後、欠陥が存在した場合には、(III)該欠陥の形状から、該欠陥が負結晶か、又はその他の欠陥のいずれであるのかを判定するステップを行うことを特徴とする透明材料の評価方法。
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