JP6658209B2 - 空気調和機 - Google Patents

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本発明は、空気調和機に関するものである。
ユーザが操作可能な「暑いときスイッチ」や「寒いときスイッチ」や「快適スイッチ」を設けたものがある。「暑いときスイッチ」や「寒いときスイッチ」が操作されたときには、室内機で検出した温度や湿度を基準にして、設定温度や湿度を調節し、「快適スイッチ」が操作されたときには、そのとき検出した温度を新たな設定温度として設定する。
特公平6−13933号公報
「暑いときスイッチ」や「寒いときスイッチ」や「快適スイッチ」が、リモコンに設けられており、このリモコンが手元にないと、ユーザは操作できなくなる。この場合、空気調和機がユーザにとっての快適な環境を判断するという、せっかくの機能を活かせなくなる。
本発明の課題は、ユーザにとっての快適な環境を判断するという機能を十分に活かした空気調和機を提供することである。
本発明の一態様に係る空気調和機は、室内の空気調和を行なう室内機と、室内機の持ち運び可能なリモートコントローラに設けられ、ユーザが空気調和環境に満足しているときに操作する満足操作部と、リモートコントローラの情報を室内機に送信する送信部と、室内機に設けられ、リモートコントローラがユーザの周囲にあるか否かを判定する信号判定部と、信号判定部でリモートコントローラがユーザの周囲にないと判定されたときに、室内の空気調和環境に満足しているか否かを問うメッセージを音声又は表示によってユーザに報知する案内部と、を備える。
本発明によれば、リモートコントローラがユーザの周囲にないと判定されたときに、室内の空気調和環境に満足しているか否かを問うメッセージをユーザに報知する。ユーザはボタン操作によってメッセージに応答しようとするため、間接的にリモコンの所在の確認を促すことができる。また、満足操作部の操作も促すことができるので、空気調和機がユーザにとっての快適な環境を把握するという機能を十分に活かすことができる。
空気調和機の構成である。 室内機及びリモコンの機能ブロック図である。 室内機のイメージ図である(冷房)。 室内機のイメージ図である(暖房)。 運転制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《構成》
図1は、空気調和機の構成図である。
空気調和機11は、室内12の壁面に取り付けられた室内機13と、戸外に設置された室外機14と、を備える。空気調和機11は、リモートコントローラ(以下、単にリモコンと称す)15を介した無線通信により、ユーザによって遠隔操作される。
図2は、空気調和機の機能ブロック図である。
室内機13は、受信部21と、室内機制御部22と、メインファン23と、左サイドファン24と、右サイドファン25と、案内部27と、を備える。
受信部21は、リモコン15からの各種信号を受信する。
室内機制御部22は、リモコン15からの各種信号を受け、室外機14、メインファン23、左サイドファン24、及び右サイドファン25を駆動制御する。ここで、メインファン23が「第一のファン」に対応し、左サイドファン24、及び右サイドファンが「第二のファン」に対応する。
室内機13と室外機14との間には、冷媒回路が形成されており、この冷媒回路を循環する冷媒と空気との間で熱エネルギーの交換が行われ、室内機13から冷気や暖気が室内12へ供給される。室内機制御部22は、室外機14のコンプレッサーや四方弁を駆動制御することにより、冷房/暖房の切り換えや室内機13から吹き出される冷気や暖気をコントロールする。
図3及び図4は、室内機のイメージ図である。
メインファン23は、室内機13に設けられ、冷媒回路を経て供給される冷気や暖気を吹き出す。つまり、冷媒と熱交換した空気を送風する。メインファン23により吹き出された空気は、筐体の吹出口に設けられた上下風向板、及び左右風向板の各々の風向板の向きによって、吹き出し方向を調整できる。
左サイドファン24は、室内機13本体における左側の側面に設けられ、右サイドファン25は、右側の側面に設けられ、何れも室内温度の空気のみを吹き出す。つまり冷媒と熱交換していない空気を送風する。左サイドファン24、及び右サイドファン25は、夫々、同一の軸周りに回動可能で、自らの回動位置、及び筐体の吹出口に設けられた風向板の向きによって、吹き出し方向を調整できる。尚、室内機13はメインファン23、左サイドファン24及び右サイドファンの回転軸が水平になるように室内12に設置される。
図3は、冷房運転の一例を示している。ここでは、破線で示すように、メインファン23により吹き出された冷気は水平方向に吹き出し、点線で示すように、左サイドファン24、及び右サイドファン25による送風は斜め下方向に吹き出している。このようにして、冷気が直接身体に当たらないようにしつつも、快適な温度の送風をユーザが浴びられるようにすることで、控えめな冷房運転でも自然な涼しさを感じることができる。
図4は、暖房運転の一例を示している。ここでは、破線で示すように、メインファン23により吹き出された暖気は真下に吹き出し、点線で示すように、左サイドファン24、及び右サイドファン25による送風は斜め下方向に吹き出している。このように、暖気の吹き上がりを左サイドファン24及び右サイドファンの送風によって押さえ込むことにより、暖気が室内12の奥まで広がり、床面全体を暖めることができる。
信号判定部26は、リモコン15がユーザの周囲にあるか否かを判定する。
案内部27は、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを問う音声メッセージをユーザに報知する。例えば「今の温度はどうですか?」や「今は快適ですか?」といった音声を、スピーカから出力させる。この案内に対して、後述するいいねボタン33が操作されたときには、音声によって感謝を意味するメッセージをユーザに報知する。例えば「ありがとうございます」といった音声を、スピーカから出力させる。
リモコン15は、持ち運び可能であり、暑いボタン31と、寒いボタン32と、いいねボタン33(満足操作部)と、センサユニット34と、記憶部35と、リモコン制御部36と、送信部37と、を備える。
暑いボタン31は、ユーザが暑いと感じているときに操作するボタンである。
寒いボタン32は、ユーザが寒いと感じているときに操作するボタンである。
いいねボタン33は、ユーザが温度、湿度、及び風速について快適であると感じているとき、つまり室内12の空気調和環境に満足しているときに操作するボタンである。
センサユニット34は、リモコン周囲の温度を検出する温度センサ、及びリモコン周囲の風速を検出する風速センサを有する。温度センサは、温度変化に伴って電気抵抗が変化するサーミスタを用いる。風速センサは、一対のサーミスタを用いて風速(気流)を検出する。
記憶部35は、ユーザによってなされた運転設定、つまり温度設定、風量設定、及び風向設定等、各種情報を記憶する。
リモコン制御部36は、各ボタンからのボタン信号、及びセンサユニット34からのセンサ信号を受け、送信部37へ送る。具体的には、暑いボタン31が押されたときのボタン信号、寒いボタン32が押されたときのボタン信号、いいねボタン33が押されたときのボタン信号(満足信号)、センサユニット34で検出した温度信号、風速信号である。
各種信号を受けた送信部37は、各種信号を室内機13へ送信する。また、送信部37は、所定の時間間隔で随時センサ信号を室内機13へ送信している。
次に、室内機制御部22で実行する運転制御処理について説明する。
ここでは、本発明に係る処理を中心に説明しており、冷媒回路の制御等の一般的な処理は省略する。
図5は、運転制御処理を示すフローチャートである。
運転制御処理は、ユーザが室内機13に対して運転開始を指示する操作が行われたら開始され、以後、所定の演算周期に従って繰り返し実行される。
ステップS101では、いいねボタン33が操作されたか否かを判定する。ここで、いいねボタン33が操作されていないときには(S101−No)、ステップS102に移行する。一方、いいねボタン33が操作されたときには(S101−Yes)、ステップS105に移行する。
ステップS102では、リモコン15がユーザの周囲にあるか否かを判定する。ここでは、下記の(1)〜(3)の何れかに該当するときに、リモコン15がユーザの周囲になく、リモコン15がユーザの周囲にないと判定する。
(1)センサユニット34で検出した温度tと設定温度tsとの温度差Δtが、予め定めた温度差用の閾値t1よりも大きい。ここで、閾値t1は例えば10℃程度である。なお、運転を開始した直後は、温度tと設定温度tsとの温度差Δtが大きいため、運転を開始してから予め定めた時間(例えば10分)が経過した以降に、センサユニット34で検出した温度tと設定温度tsとの温度差Δtについて判定する。
(2)センサユニット34で検出した風速uが、略無風であるか、又は予め定めた風速用の閾値u1よりも速い。ここで、略無風とは、例えば0.2[m/s]以下の値であり、閾値u1は例えば1.5[m/s]程度の値である。
(3)リモコン15から送信信号のない無通信時間Tnが、予め定めた無通信時間用の閾値T1よりも長い。ここで、閾値T1は例えば30分〜1時間程度の長さである。
リモコン15リモコン15がユーザの周囲にないときには(S102−Yes)、ステップS103に移行する。一方、リモコン15リモコン15がユーザの周囲にあるときには(S102−No)、ステップS104に移行する。
ステップS103では、案内部27により、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを問う音声メッセージをユーザに報知する。すなわち、「今の温度はどうですか?」や「今は快適ですか?」といった音声を、スピーカから出力させる。なお、一度音声を出力したなら、予め定めた時間(例えば1、2時間)が経過するまでは、温度tが設定温度tsを維持しているとしても音声の出力を禁止する。
続くステップS104では、現在の運転設定を維持したままステップS101に戻る。すなわち、記憶部35に記憶されている現在の温度設定、風量設定、及び風向設定を維持したままにする。
ステップS105では、ステップS103の処理で音声を出力した後、つまり室内12の空気調和環境に満足しているか否かを問う音声メッセージをユーザに報知した後であるか否かを判定する。例えば、音声を出力してからの経過時間が予め定めた時間(例えば数分)以内であるか否かを判定する。ここで、音声を出力した後であるときには(S105−Yes)、ステップS106に移行する。一方、音声を出力した後でないときには(S105−No)、ステップS107に移行する。
ステップS106では、案内部27により、音声によって感謝を意味するメッセージをユーザに報知する。すなわち、「ありがとうございます」といった音声を、スピーカから出力させる。
続くステップS107では、運転設定を更新してステップS101に戻る。すなわち、いいねボタン33が操作されたときに、センサユニット34で検出された温度及び風速を検出目標温度及び検出目標風速として記憶部35に記憶し、以降、センサユニット34で検出された温度が検出目標温度のまま維持されるように、検出された風速が検出目標風速のまま維持されるように温度設定、風量設定、及び風向設定に更新する。例えば、まずリビングでユーザがいいねボタン33を操作した場合、その時にセンサユニット34で検出された温度が検出目標温度、風速が検出目標風速として記憶部に記憶される。その後、ユーザがリモコン15を携えてダイニングへ移動して、センサユニット34で検出される温度及び風速が検出目標温度及び検出目標風速から変化していた場合、温度が検出目標温度となるように、また、風速が検出目標風速となるように室内機13側の温度設定、風量設定、及び風向設定を更新する。
上記が運転制御処理である。
《作用効果》
次に、作用効果について説明する。
暑いボタン31や寒いボタン32やいいねボタン33を、リモコン15に設けても、このリモコン15がユーザの周囲にないと、ユーザは操作できなくなる。この場合、空気調和機がユーザにとって快適な環境を判断して室内12の空調を行うという、せっかくの機能を活かせなくなる。
そこで、リモコン15がユーザの周囲にないと判定されたときには(ステップS102の判定が“Yes”)、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを問う音声メッセージをユーザに報知する(ステップS103)。これによりユーザはボタン操作によって応答しようとするため、間接的にリモコン15の所在の確認を促すことができる。よって、もしユーザがリモコン15の所在がわからなくなっていた場合は、リモコン15を紛失したということをユーザに気付かせることができる。また、いいねボタン33の操作も促すことができるので、空気調和機がユーザにとって快適な環境を把握するという機能を十分に活かすことができる。なお、室内機13は、いいねボタン33が操作されていないときには、現在の運転設定、つまり温度設定、風量設定、及び風向設定を維持したままにする(ステップS104)。
まず、運転を開始してからある程度の時間が経過しているのに、検出した温度tと設定温度tsとの温度差Δtが閾値d1よりも大きいときに、リモコン15がユーザの周囲に無いと判定する。すなわち、例えばリモコン15が何かの物陰に隠れていると判定することができる。
また、検出した風速uが、略無風であるか、又は閾値u1よりも速いときに、リモコン15がユーザの周囲に無いと判定する。すなわち、例えばリモコン15が何かの物陰に隠れていると判定することができる。
また、リモコン15から送信信号のない無通信時間Tnが閾値T1よりも長いときに、リモコン15がユーザの周囲に無いと判定する。すなわち、例えばリモコン15を別の居室に置き忘れられていると判定することができる。
その後、いいねボタン33が操作されたときには(ステップS101及びS105の判定が共に“Yes”)、案内部27により、音声によってユーザに感謝を意味するメッセージを報知する(ステップS106)。すなわち、「ありがとうございます」といった音声を、スピーカから出力させる。このように、会話形式にすることで、作業感を抑制することができる。また、いいねボタン33が操作されたときには、そのときの温度及び風速に応じて、運転設定を更新する(ステップS107)。
これにより、ユーザにとっての快適さを学習し、ユーザが快適と感じた環境をリモコン周囲に再現することができる。したがって、例えばリビングとダイニングが一体になっており、まずリビングでユーザがいいねボタン33を操作したとする。その後、ユーザがリモコン15を携えてダイニングへ移動すると、リビングでユーザが快適と感じた快適な環境を、ダイニングでも再現することができる。
なお、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを尋ねた後に、暑いボタン31や寒いボタン32が操作されたときには、操作されたボタンに応じて、運転設定を更新すればよい。これにより、ユーザにとって快適な環境に近づけることができる。
また、センサユニット34をリモコン15に組み込むことで、ユーザはセンサユニット34を容易に携行することができる。リモコン15は、ユーザの手が届く範囲に置かれることが多いため、ユーザ周囲の温度及び風速、つまりユーザが感じている温度及び風速を把握することができる。また、いいねボタン33を容易に操作することもできる。
《変形例》
本実施形態では、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを、音声によって尋ねているが、これに限定されるものではない。例えば「今の温度はどうですか?」や「今は快適ですか?」といった内容を、リモコン15に表示してもよい。
また、唐突にメッセージを報知すると、ユーザに煩わしさを与えてしまう可能性がある。そこで、リモコン15に、お知らせランプ、及びお知らせボタンを設け、先ずお知らせランプを点灯させて、このお知らせランプに気付いたユーザがお知らせボタンを操作すると、室内12の空気調和環境に満足しているか否かを問う音声メッセージを報知するようにしてもよい。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
11 空気調和機
12 室内
13 室内機
14 室外機
15 リモコン
22 室内機制御部
23 メインファン
24 左サイドファン
25 右サイドファン
26 信号判定部
27 案内部
31 暑いボタン
32 寒いボタン
33 いいねボタン
34 センサユニット
35 記憶部
36 リモコン制御部
37 送信部

Claims (4)

  1. 室内の空気調和を行なう室内機と、
    前記室内機の持ち運び可能なリモートコントローラに設けられユーザが空気調和環境に満足しているときに操作する満足操作部と、
    前記リモートコントローラの情報を前記室内機に送信する送信部と、
    前記室内機に設けられ前記リモートコントローラがユーザの周囲にあるか否かを判定する信号判定部と、
    前記信号判定部で前記リモートコントローラがユーザの周囲にないと判定されたときに前記室内の空気調和環境に満足しているか否かを問うメッセージを音声又は表示によってユーザに報知する案内部と、を備えることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記リモートコントローラに設けられ周囲の温度を検出するセンサユニットを備え、
    前記送信部は、前記センサユニットで検出した温度情報を前記室内機に送信し、
    前記信号判定部は、
    前記センサユニットで検出した温度と設定温度との温度差が、予め定めた温度差用の閾値よりも大きいときに、前記リモートコントローラがユーザの周囲にないと判定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記リモートコントローラに設けられ周囲の風速を検出するセンサユニットを備え、
    前記送信部は、前記センサユニットで検出した風速情報を前記室内機に送信し、
    前記信号判定部は、
    前記センサユニットで検出した風速が、無風であるか、又は予め定めた風速用の閾値よりも速いときに、前記リモートコントローラがユーザの周囲にないと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
  4. 前記信号判定部は、
    前記送信部から送信信号のない無通信時間が、予め定めた無通信時間用の閾値よりも長いときに、前記リモートコントローラがユーザの周囲にないと判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の空気調和機。
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