JP6653870B2 - 耐震補強金具 - Google Patents
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Description
かかる天井下地における野縁は、野縁取付金具に形成された逆U字状溝内に挿入される野縁支持受け部によって支持受けされた構成となっており、地震等の揺れを受けた際に、その振動負荷により、野縁支持受け部が逆U字状溝から離間して変形を生じたり、野縁が野縁受けや野縁取付金具よりも薄板材で形成され、これらに比して強度的に弱いものである場合には、逆U字状溝の部位に変形を生じるなどして、野縁受けと野縁との間にガタツキが生じ、野縁取付金具などが位置ズレしてしまい、その様な状態で更なる振動を受けると、ガタツキや位置ズレが増大されて、天井下地全体が歪んだり、天井パネルの脱落につながる惧れがある。
すなわち、特許文献1のものは、耐震強度の劣る指圧変形可能な薄板材で形成された既設のシングル固定タイプの野縁取付金具(5)に対して、その表面全体を覆うように密着重合することのできる指圧変形不能な厚板材にて形成された新たな野縁取付金具(6)を外嵌して野縁受け(4)に挟圧させ、野縁係止片(62)を、既設係止片(52)と共同して逆U字状溝(71)を隣接支持受けする構成によって耐震補強する構造となっている。
しかしながら、このものは、既設の野縁取付金具(5)自体の変形を規制し、野縁(7)を逆U字状溝(71)内で共同して支持受けできるものの、依然として逆U字状溝(71)に依存した支持受け構造を補強するものであるため、野縁(7)が薄板材であるが故に、傾動等を伴う振動負荷が加わった際に、支持受け部位となる逆U字状溝(71)の変形や、直交する交差角度ズレを生じ、ガタツキや位置ズレを生じる危惧があるだけでなく、挟込み固定タイプのものを含め、耐震強度を有する指圧変形不能な厚板材で形成された野縁取付金具が用いられた天井下地に採用することができないという問題がある。
しかしながら、野縁支持受け部(52)の部位のみを野縁被嵌部(61)により野縁(7)に被嵌補強したものでは、特許文献1のものと同様に、逆U字状溝(71)に依存した支持受け構造を補強するものであるため、殊に、シングル固定タイプの野縁取付金具が用いられた天井下地においては、野縁(7)の長手方向への振り子状の傾動やねじれなどを伴う振動負荷が加わった際に、野縁(7)と野縁受け(4)の下面域との離間や、直交する交差角度ズレを生じてしてしまうだけでなく、野縁(7)が薄板材であるが故に、挟込み固定タイプのものを含め、野縁受け(4)下面の押圧負荷を受けて、補強されない当該部位の逆U字状溝(71)や両側面域に変形を生じる危惧がある。しかも、かかる耐震補強金具(6)を耐震強度の劣る指圧変形可能な薄板材で形成された野縁取付金具に採用することができないという問題がある。
図1は、本発明の実施形態に係る天井下地の概略全体説明図である。この図に示す天井下地には、躯体天井部1から所定の間隔を存して垂下される複数の吊りボルト2と、これら吊りボルト2間に野縁受けハンガー31を介して吊りボルト2の下端部に支持される野縁受け3(天井下地材)と、躯体天井部1と野縁受け3との間で吊りボルト2に振れ止め固定金具41を介して水平状に架設される振れ止め4(天井下地材)と、野縁受け3に挟込み固定タイプの野縁取付金具6を介して取り付けられる野縁5と、野縁取付金具6と併用されて野縁受け3と野縁5をそれぞれ一体化して組付け固定される耐震補強金具7と、野縁5にネジ固定される天井パネル8が含まれている。
振れ止め4は、側方が開口する断面コ字状のチャンネル材からなり、吊りボルト2の間隔を維持するために複数の吊りボルト2間に水平状に架設される梁タイプとなっている。そして、振れ止め固定金具41を、吊りボルト2と振れ止め4とを同時に被嵌することで両者が組付け固定される。
本実施例で示す野縁取付金具6は、図2に示す指圧変形可能な薄板材で形成されるシングル固定タイプであり、野縁受け3の上面で折曲固定される上固定片62と、野縁受け3の側面に面当てされる中央に補強リブを有する野縁受け取付け部61と、その下方に野縁5の開口内に延出された垂下部61aの両端側に、逆U字状溝5a内に挿入させて野縁5を支持受けする野縁支持受け部63とを備えて一体成形される。
これら図に示すように、耐震補強金具7は、板厚が1.2〜1.6mmの厚板材でプレス成型され、野縁受け取付け部61に対向被覆するよう形成された野縁受け被覆部71と、該野縁受け被覆部71の両側に延出されて野縁受け3に側方から外嵌される側面視コ字状に形成された一対の野縁受け嵌装固定部72、72と、この野縁受け嵌装固定部72、72の下面片723にL字状に折曲形成されて、野縁5の両側面にそれぞれ面接嵌挿される一対の野縁嵌挿固定部73、73とを一体的に備える。
なお、耐震補強金具7を野縁受け3の開口側に取り付けする場合には、通しネジ9a(ドリルビスや締結ボルト)を用い、野縁受け3の側面に挿通してネジ固定すれば良く、この側面へのネジ固定と野縁支持受け部63との共同作用により、野縁受け3の下面と逆U字状溝5aとの振動による離間をより強固に規制することができる。
2 吊りボルト
3 野縁受け
31 野縁受けハンガー
4 振れ止め
41 振れ止め固定金具
5 野縁
5a 逆U字状溝
6 野縁取付金具
61 野縁受け取付け部
61a 垂下部
62 上固定片
63 野縁支持受け部
7 耐震補強金具
71 野縁受け被覆部
71a バカ孔
72 野縁受け嵌装固定部
721 野縁受け固定片
72a ネジ孔
722 上面片
723 下面片
73 野縁嵌挿固定部
73a ネジ孔
73b ネジ孔
8 天井パネル
9 ネジ
9a 通しネジ
Claims (4)
- 吊り部材を介して躯体天井部に開口側を側方に向けて支持される複数の野縁受けと、開口側を上方に向けてその両側面の上端が内方に折曲された逆U字状溝を有する複数の野縁とを、野縁受けに取り付けられる野縁受け取付け部と、その垂下部の両端側に、前記逆U字状溝内に挿入させて野縁を支持受けする野縁支持受け部とを有する野縁取付金具を介して組付けられた天井下地において、
前記野縁取付金具による野縁受けと野縁の組付け構造を補強する耐震補強金具であって、
該耐震補強金具は、前記野縁受け取付け部に対向被覆するよう形成された野縁受け被覆部と、該野縁受け被覆部の両側に延出されて野縁受けに側方から外嵌される側面視コ字状に形成された一対の野縁受け嵌装固定部と、該野縁受け嵌装固定部の下面片にL字状に折曲形成されて、野縁の両側面にそれぞれ面接嵌挿される一対の野縁嵌挿固定部とを一体的に備えると共に、
該野縁嵌挿固定部を、野縁受け嵌装固定部を野縁受けに外嵌させた際に、その先端側が野縁受けの下面域を通過する長さ幅をもって延出形成せしめ、
前記野縁受け嵌装固定部と野縁嵌挿固定部は、それぞれ野縁受けに外嵌させ、野縁に嵌挿させた状態で、野縁受け嵌装固定部を野縁受けの側面にネジ固定し、かつ、野縁嵌挿固定部を、その基端側部位と野縁受けの下面域よりも外方に位置する先端側部位の2個所で、野縁の側面にネジ固定するよう構成してあることを特徴とする耐震補強金具。 - 請求項1において、前記野縁受け嵌装固定部の下面片の先端側は、野縁受けの下面域を通過する長さ幅をもって延出され、前記野縁嵌挿固定部は、当該下面片に折曲形成されていることを特徴とする耐震補強金具。
- 請求項1または2において、前記野縁嵌挿固定部は、その基端側が野縁受けの側面よりも外方に延出形成され、該基端側の延出部位と前記先端側の延出部位とを、それぞれ野縁受けの下面域よりも外方に位置する2個所で、野縁の側面にネジ固定されていることを特徴とする耐震補強金具。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、前記野縁受け被覆部は、前記野縁受け取付け部と離間して非接触状態で対向被覆するよう平面視略凹状に形成されていることを特徴とする耐震補強金具。
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