JP6653466B2 - 金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法、金属箔付き液晶ポリマーフィルム、多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法、金属箔付き液晶ポリマーフィルム、多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層プリント配線板の材料として好適に用いられる金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法、前記方法により製造された金属箔付き液晶ポリマーフィルム、前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムを用いた多層プリント配線板の製造方法に関する。
近年、多層プリント配線板には高周波特性が求められているため、高周波特性に優れる液晶ポリマーを用いた多層プリント配線板の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、片面金属張積層体の製造方法が記載されている。この方法では、金属箔、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる絶縁性フィルム、離間フィルムを重ねて熱圧着し、離間フィルムを剥離して片面金属張積層体を得るようにしている。
また特許文献2には、液晶ポリマーフィルム積層基材の製造方法が記載されている。この方法では、液晶ポリマーフィルムの表面をエッチング液で粗面化し、次いで、粗面化されたフィルム表面と被積層基材の表面とを対面させるように被積層基材と液晶ポリマーフィルムとを重ね合わした後、加熱加圧処理を行って積層一体化するようにしている。被積層基材は、金属配線を形成している液晶ポリマーフィルム又は金属箔である。
国際公開番号WO2011/093427 日本国特許出願公開番号2005−81649
特許文献1に記載の方法で製造された片面金属張積層体では、液晶ポリマーで形成されたボンディングシートとの密着性を確保することができないおそれがある。すなわち、上記の片面金属張積層体の絶縁フィルム及びボンディングシートはいずれも液晶ポリマーで構成されているが、一般に別部材の液晶ポリマー同士の密着力は弱いので、これが密着性低下の原因の1つとなる。
また特許文献2に記載の方法では、液晶ポリマーフィルムの両面を粗面化していると考えられるが、この液晶ポリマーフィルムの一方の面に被積層基材を重ねて積層一体化する場合、他方の面が平滑化されるおそれがある。そのためこの平滑化された面を再度、エッチング液で粗面化する必要があるが、この場合、反対の面の被積層基材をエッチング液から保護する必要が生じ、簡便さに欠ける。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、エッチングを行わなくても、金属箔付き液晶ポリマーフィルムの液晶ポリマーフィルムの表面を粗面化することができ、またこの粗面化された表面によって、液晶ポリマーで形成されたボンディングシートとの密着性を確保することができる金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法、金属箔付き液晶ポリマーフィルム、多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法は、
第1金属箔と、液晶ポリマーフィルムと、第2金属箔とをこの順に重ねて加熱加圧する工程を有し、
前記第1金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第1金属箔の前記マット面に離型処理が施されておらず、
前記第2金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1μm以上であり、前記第2金属箔の前記マット面に離型処理が施されている。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法において、前記第2金属箔はマット面とシャイニー面を有する電解金属箔であり、前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmであることが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法において、前記第2金属箔の前記マット面にはコブ付けの粗化処理が施されていないことが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法において、前記離型処理が施された前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmであることが好ましい。
本発明に係る金属箔付き液晶ポリマーフィルムは、
第1金属箔と、
前記第1金属箔に重ねて設けられた液晶ポリマーフィルムと、
前記液晶ポリマーフィルムに重ねて設けられた第2金属箔と
を備え、
前記第1金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第1金属箔の前記マット面に離型処理が施されておらず、
前記第2金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1μm以上であり、前記第2金属箔の前記マット面に離型処理が施されている。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムにおいて、前記第2金属箔はマット面とシャイニー面を有する電解金属箔であり、前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmであることが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムにおいて、前記第2金属箔の前記マット面にはコブ付けの粗化処理が施されていないことが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムにおいて、前記離型処理が施された前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmであることが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムにおいて、前記液晶ポリマーフィルムと前記第2金属箔との剥離強度は0.4N/mm以下であることが好ましい。
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムにおいて、前記第2金属箔を剥離し、前記液晶ポリマーフィルムの前記第2金属箔を剥離した面にボンディングシート、コア材をこの順に重ね合わせて加熱加圧することにより得られる多層プリント配線板に用いられることが好ましい。
本発明に係る多層プリント配線板の製造方法は、
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムから前記第2金属箔を剥離する剥離工程と、
前記第2金属箔を剥離した前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムと、液晶ポリマーで形成されたボンディングシートと、液晶ポリマーで形成され、表面に導体パターンが設けられたコア材とをこの順に重ねて加熱加圧する積層工程と
を有し、
前記積層工程において、
前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムの前記第2金属箔を剥離した面を前記ボンディングシートに重ね、
前記コア材の前記導体パターンが設けられた面を前記ボンディングシートに重ねる。
前記多層プリント配線板の製造方法において、前記金属箔付き液晶ポリマーフィルム中の前記液晶ポリマーフィルムの融点は、前記ボンディングシートの融点よりも高く、
前記積層工程の加熱温度は、前記金属箔付き液晶ポリマーフィルム中の前記液晶ポリマーフィルムの融点よりも低く、前記ボンディングシートの融点よりも高いことが好ましい。
本発明によれば、エッチングを行わなくても、金属箔付き液晶ポリマーフィルムの液晶ポリマーフィルムの表面を粗面化することができ、またこの粗面化された表面によって、液晶ポリマーで形成されたボンディングシートとの密着性を確保することができる。
図1A〜図1Cは本発明の実施の形態における金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法の一例を示す概略断面図である。 図2A〜図2Cは本発明の実施の形態における多層プリント配線板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 図3は、実施例2における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。 図4は、実施例4における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。 図5は、比較例1における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1A〜図1Cは本実施形態の金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の製造方法の一例を示す。金属箔付き液晶ポリマーフィルム1は、第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とを備えている。金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の製造方法は、第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とをこの順に重ねて加熱加圧する工程を有する。
まず金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の製造に用いられる第1金属箔31、液晶ポリマーフィルム4、第2金属箔32について説明する。
第1金属箔31としては、例えば、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニクロム箔を挙げることができる。第1金属箔31の少なくとも片面はマット面31aであることが好ましい。この場合、第1金属箔31の一方の面がマット面31a、他方の面がシャイニー面31bでもよいし、両面がマット面31aでもよい。マット面31aは、細かい凹凸が形成された面である。具体的には、マット面31aの十点平均粗さRzは0.5〜5.0μmであることが好ましい。シャイニー面31bは、平滑な面である。シャイニー面31bの十点平均粗さRzは特に限定されないが、例えば0.5〜2.5μmである。上記のように第1金属箔31の両面がマット面31aでもよいが、以下では第1金属箔31の一方の面がマット面31a、他方の面がシャイニー面31bである場合について説明する。このような第1金属箔31は、圧延法でも電解法でも容易に得ることができる。圧延法では、例えば、粗面化処理など適宜の表面処理を施すことによって、上記のような十点平均粗さRzを有するマット面31aを第1金属箔31に形成することができる。電解法では、例えば、電解条件を調整したり、粗面化処理など適宜の表面処理を施したりすることによって、上記のような十点平均粗さRzを有するマット面31aを第1金属箔31に形成することができる。第1金属箔31の厚さは例えば5.0〜70.0μmである。
液晶ポリマーフィルム4は、第1金属箔31に重ねて設けられる。液晶ポリマーフィルム4は、液晶ポリマーでフィルム状に形成されている。液晶ポリマーとしては、例えば、ポリアリレート系液晶ポリマー、全芳香族ポリエステル、半剛直性芳香族ポリエステル、ポリエステルアミドを挙げることができる。また液晶ポリマーとして、(1)芳香族又は脂肪族ジヒドロキシ化合物、(2)芳香族又は脂肪族ジカルボン酸、(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸、(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミン又は芳香族アミノカルボン酸を原料とする共重合体を挙げることができる。液晶ポリマーフィルム4の表面は粗面でも平滑面でもよい。液晶ポリマーフィルム4の厚さは例えば12〜200μmである。
第2金属箔32は、液晶ポリマーフィルム4に重ねて設けられる。第2金属箔32としては、例えば、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニクロム箔を挙げることができる。好ましくは第2金属箔32の材質は第1金属箔31の材質と同じである。これにより、図1Bに示す金属箔付き液晶ポリマーフィルム1において反りを抑制することができる。第2金属箔32の少なくとも片面はマット面32aである。この場合、第2金属箔32の一方の面がマット面32a、他方の面がシャイニー面32bでもよいし、両面がマット面32aでもよい。マット面32aは、細かい凹凸が形成された面である。具体的には、マット面32aの十点平均粗さRzは0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜5.0μmであることがより好ましい。第2金属箔32自体のマット面32aの十点平均粗さRzが0.5〜5.0μmであれば、離型処理が施されたマット面32aの十点平均粗さRzを0.5〜5.0μmとすることができる。同様に、第2金属箔32自体のマット面32aの十点平均粗さRzが1.0〜5.0μmであれば、離型処理が施されたマット面32aの十点平均粗さRzを1.0〜5.0μmとすることができる。シャイニー面32bは、平滑な面である。シャイニー面32bの十点平均粗さRzは特に限定されないが、例えば0.5〜2.5μmである。上記のように第2金属箔32の両面がマット面32aでもよいが、以下では第2金属箔32の一方の面がマット面32a、他方の面がシャイニー面32bである場合について説明する。このような第2金属箔32は、圧延法でも電解法でも容易に得ることができる。圧延法では、例えば、粗面化処理など適宜の表面処理を施すことによって、上記のような十点平均粗さRzを有するマット面32aを第2金属箔32に形成することができる。電解法では、例えば、電解条件を調整したり、粗面化処理など適宜の表面処理を施したりすることによって、上記のような十点平均粗さRzを有するマット面32aを第2金属箔32に形成することができる。具体的に、電解法で得られる電解金属箔は、チタン等からなるドラムを陰極として、金属イオンを含む電解液にドラムを浸漬し、ドラムを回転させながら陽極と陰極との間に電流を流すことによりドラム上に所定厚さに金属を電着させることができ、ドラムから電着した金属箔を剥離することにより連続的に作製することができる。例えば、電解金属箔が銅箔の場合は、電解液としては硫酸銅溶液が挙げられる。
第2金属箔32が電解金属箔である場合、第2金属箔32におけるマット面32aとは、第2金属箔32である電解金属箔の作製時にドラムに面していなかった側の面を示す。また、第2金属箔32におけるシャイニー面32bとは、第2金属箔32である電解金属箔の作製時にドラムに面していた側の面を示す。
シャイニー面32bの表面の形状は、ドラムの表面状態が転写された形状になるので、一般に平滑である。
一方、マット面32aは、第2金属箔32である電解金属箔の作製時において、金属が電着して析出していく面である。電着時の電着速度はドラム表面全体にわたって全く均一というわけではなく、ドラムのわずかな表面状態の違いや電解液の流れ方によってばらつきが発生し、電着した金属箔の厚さにばらつきが生じる。電着した金属箔の厚さのばらつきにより突起部が生じると、突起部近傍の電解液中の電解密度が高くなって、その突起部は周囲よりも更に金属が電着されやすくなる。その結果、マット面32a全体に凹凸ができ、粗面化された表面状態が得られる。この粗さは電解液濃度や添加剤、電解条件を調整することにより制御することができる。
プリント配線板に用いられる電解銅箔は、絶縁層を構成する樹脂との密着性を確保するため、マット面にはさらに微細銅粒を形成する粗化処理、いわゆるコブ付けの粗化処理が施されアンカー効果を向上させるのが一般的である。一方、本実施形態では第2金属箔32のマット面32aにはコブ付けの粗化処理は施されていないことが好ましい。第2金属箔32のマット面32aにコブ付けの粗化処理を施すと、液晶ポリマーフィルム4と第2金属箔32との密着強度が強くなりすぎ、液晶ポリマーフィルム4から第2金属箔32を剥離するのが困難となるおそれがある。また、第2金属箔32を剥離する際に微細銅粒であるコブが第2金属箔32から脱落して液晶ポリマーフィルム4内に残存して多層プリント配線板2に埋め込まれた状態になり、これが原因となって回路間にショートを引き起こしたり、マイグレーションを生じさせたりすることが懸念される。
第2金属箔32のマット面32aには離型処理が施されている。離型処理は、離型剤をマット面32aに塗布して離型層32cを形成するようにして施すことができる。離型剤としては、例えば、フッ素系離型剤、シリコン系離型剤を挙げることができる。
離型処理が施されたマット面32aの十点平均粗さRzは0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜5.0μmであることがより好ましい。離型処理が施された第2金属箔32の厚さは例えば12〜35μmである。離型処理が施されたマット面32aの十点平均粗さRzが0.5μm未満であると、後述する多層プリント配線板2において、液晶ポリマーフィルム4とボンディングシート5との界面での密着力を十分なものとすることができないおそれがある。一方、離型処理が施されたマット面32aの十点平均粗さRzが5.0μmを超えると、液晶ポリマーフィルムと第2金属箔との密着強度が強くなりすぎ、液晶ポリマーフィルムから第2金属箔を剥離するのが困難となるおそれがある。なお、離型処理の前後において、第2金属箔32のマット面32aの十点平均粗さRz及び第2金属箔32の厚さはほとんど変化しない。
本実施形態の金属箔付き液晶ポリマーフィルム1は、第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とをこの順に重ねて加熱加圧して製造される。そして、得られる金属箔付き液晶ポリマーフィルム1から第2金属箔32を剥離することにより、液晶ポリマーフィルム4の第2金属箔を剥離した面4aに粗化面を得る。さらに液晶ポリマーフィルム4の第2金属箔32を剥離した面4aにボンディングシート5、コア材7をこの順に重ね合わせて加熱加圧することにより多層プリント配線板2を得ることができる。このように、本実施形態の金属箔付き液晶ポリマーフィルム1は、第2金属箔32を剥離し、液晶ポリマーフィルム4の第2金属箔32を剥離した面にボンディングシート5、コア材7をこの順に重ね合わせて加熱加圧することにより得られる多層プリント配線板に好適に用いられる。
次に金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の具体的な製造方法について説明する。
図1A及び図1Bに示すように、第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とをこの順に重ねる。このとき、第1金属箔31の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面はマット面31aであることが好ましく、第2金属箔32の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面はマット面32aであり、このマット面32aには離型処理が施されて離型層32cが形成されている。上記のように重ねた状態で所定時間、加熱加圧して成形する。この成形は連続式でも枚葉式でもよい。連続式では、第1金属箔31、液晶ポリマーフィルム4、第2金属箔32をいずれも長尺に形成し、これらを長手方向に搬送しながら成形する。枚葉式では、第1金属箔31、液晶ポリマーフィルム4、第2金属箔32をいずれも所定の大きさに切りそろえて1セットとし、1セットずつ成形する。成形条件は例えば250〜350℃、0.5〜6MPa、1〜120分間である。加熱加圧により液晶ポリマーフィルム4が軟化し、この軟化した液晶ポリマーフィルム4が第1金属箔31及び第2金属箔32と接着される。その後、加熱加圧を止めて必要に応じて冷却すると、軟化していた液晶ポリマーフィルム4が固化し、第1金属箔31及び第2金属箔32と共に一体化して、図1Bに示すような金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を得ることができる。
上記のようにして得られた金属箔付き液晶ポリマーフィルム1において、第1金属箔31の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面がマット面31aであることによって、アンカー効果により、第1金属箔31と液晶ポリマーフィルム4との密着力が向上している。一方、第2金属箔32のマット面32aの細かな凹凸の形状が液晶ポリマーフィルム4に転写される。図1Cに示すように、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1から第2金属箔32を剥離すると、液晶ポリマーフィルム4の粗面4aが露出する。この粗面4aは、第2金属箔32のマット面32aが転写されて、細かい凹凸が形成された面である。このように、エッチングを行わなくても、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の液晶ポリマーフィルム4の表面を粗面化することができる。
離型処理が施された第2金属箔32のマット面32aの十点平均粗さRzが0.5μm以上であれば、後述するボンディングシート5との密着性をより高めることのできる粗面4aを液晶ポリマーフィルム4に形成することができる。第2金属箔32のマット面32aには離型処理が施されて離型層32cが形成されているので、上記の十点平均粗さRzが5.0μm以下であれば、第2金属箔32を金属箔付き液晶ポリマーフィルム1から容易に剥離することができる。具体的には、液晶ポリマーフィルム4と第2金属箔32との剥離強度は0.4N/mm以下であることが好ましい。これにより第2金属箔32を金属箔付き液晶ポリマーフィルム1からさらに容易に剥離することができる。剥離強度の実質的な下限は0.01N/mmである。
次に図2A〜図2Cを示しながら、上記の方法により製造された金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を用いた多層プリント配線板2の製造方法について説明する。
まず多層プリント配線板2の製造に用いられるボンディングシート5、コア材7について説明する。
ボンディングシート5は、液晶ポリマーでシート状に形成されている。液晶ポリマーは、液晶ポリマーフィルム4を形成する液晶ポリマーと同様のもの、又はこれよりも融点の低い液晶ポリマーを例示することができる。ボンディングシート5の表面は粗面でも平滑面でもよい。ボンディングシート5の厚さは例えば25〜200μmである。
コア材7は、液晶ポリマーでシート状又は長尺状に形成され、表面に導体パターン6が設けられている。この液晶ポリマーも、液晶ポリマーフィルム4を形成する液晶ポリマーと同様のものを例示することができる。コア材7の少なくとも片面には導体パターン6が設けられている。コア材7の一方の面に導体パターン6が設けられている場合、他方の面には金属箔33が全面に接着されて設けられていてもよいし、特に何も設けられていなくてもよい。以下ではコア材7の一方の面に導体パターン6が設けられ、他方の面に金属箔33が設けられた場合について説明する。このようなコア材7は、例えば、シート状の液晶ポリマーの両面に金属箔のマット面を重ねて、液晶ポリマーに金属箔を接着した後、片面の金属箔の不要部分をエッチングで除去して導体パターン6を設けるようにして得ることができる。コア材7の導体パターン6が設けられた面において、液晶ポリマーが露出している部分は、エッチングで除去された金属箔のマット面の形状が転写されているので粗面7aとなる。これにより、多層プリント配線板2を製造する際にボンディングシート5との密着性をより高めることができる。コア材7の厚さは例えば12〜200μmである。導体パターン6及び金属箔33の厚さは例えば5〜70μmである。
次に多層プリント配線板2の具体的な製造方法について説明する。この方法は、剥離工程と、積層工程とを有する。
剥離工程では、図1B及び図1Cに示すように、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1から第2金属箔32を剥離する。第2金属箔32のマット面32aには離型処理が施されて離型層32cが形成されているので、上記の剥離は容易に行うことができる。
積層工程では、図2A及び図2Bに示すように、第2金属箔32を剥離した金属箔付き液晶ポリマーフィルム1と、ボンディングシート5と、コア材7とをこの順に重ねて加熱加圧する。
積層工程において、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の第2金属箔32を剥離した面(粗面4a)をボンディングシート5の一方の面に重ね、コア材7の導体パターン6が設けられた面(粗面7aを含む)をボンディングシート5の他方の面に重ねる。このように重ねた状態で所定時間、加熱加圧して成形する。この成形は連続式でも枚葉式でもよい。連続式では、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7をいずれも長尺に形成し、これらを長手方向に搬送しながら成形する。枚葉式では、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7をいずれも所定の大きさに切りそろえて1セットとし、1セットずつ成形する。成形条件は例えば250〜350℃、0.5〜6MPa、1〜120分間である。金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7を構成している液晶ポリマーが加熱加圧により軟化し、この軟化した液晶ポリマーによって、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5とが接着され、ボンディングシート5とコア材7とが接着される。その後、加熱加圧を止めて必要に応じて冷却すると、軟化していた液晶ポリマーが固化し、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7が一体化して、図2Bに示すような多層プリント配線板2(例えば3層板)を得ることができる。金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7を構成している液晶ポリマーは固化して、多層プリント配線板2において絶縁層8となる。コア材7の導体パターン6は、絶縁層8の内部に配置されて、内層パターン6aとなる。
上記のようにして得られた多層プリント配線板2において、ボンディングシート5の表面は粗面であることが好ましいが、たとえ平滑であったとしても、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1は粗面化された表面(粗面4a)を有しているので、この粗面4aによって、ボンディングシート5との密着性を確保することができる。またコア材7は粗面化された表面(粗面7a)を有しているので、この粗面7aによって、ボンディングシート5との密着性を確保することができる。このように、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5との界面45及びボンディングシート5とコア材7との界面57で十分な接着を行うことができ、層間剥離を抑制することができる。
金属箔付き液晶ポリマーフィルム1中の液晶ポリマーフィルム4の融点はボンディングシート5の融点よりも高いことが好ましい。また、積層工程の加熱温度は、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1中の液晶ポリマーフィルム4の融点よりも低く、ボンディングシート5の融点よりも高いことが好ましい。これにより、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1中の液晶ポリマーフィルム4の表面に形成した粗面4aの粗化状態を保持したままの状態でボンディングシート5が軟化し、ボンディングシート5を形成する液晶ポリマーを液晶ポリマーフィルム4の粗面4aの凹部にも流れ込ませることができ、液晶ポリマーフィルム4とボンディングシート5との間に強いアンカー効果が得られ、密着を確保することができる。
図2Bに示す多層プリント配線板2に例えばサブトラクティブ法を使用すると、図2Cに示すような多層プリント配線板2を得ることができる。すなわち、第1金属箔31及び金属箔33の不要部分をエッチングで除去して外層パターン6bを設けることができる。また絶縁層8を貫通するように穴あけを行い、この穴の内面にめっきを行って、多層プリント配線板2の両面の外層パターン6b同士を導通するスルーホール9aを設けることができる。また内層パターン6aに到達するまで絶縁層8に穴あけを行い、この穴の内面にめっきを行って、内層パターン6aと外層パターン6bとを導通するバイアホール9bを設けることができる。
以上、説明したように本実施形態の多層プリント配線板2は、界面45及び界面57での密着力が強く、層間剥離を抑制することができる。しかも絶縁層8の全てが液晶ポリマーで構成されているので高周波特性に優れている。したがって、本実施形態の多層プリント配線板2は、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、ネットワークサーバー機器、デジタルカメラ、ビデオカメラ、車載機器などの高速伝送機器に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31として、銅箔(古河電気工業株式会社製「F2WS」、厚さ12μm)を用意した。
液晶ポリマーフィルム4として、株式会社クラレ製「ベクスターCT−Z」(厚さ50μm、融点330℃)を用意した。
第2金属箔32として、マット面32aに離型処理が施された電解銅箔(マット面32aの十点平均粗さRz4.8μm、厚さ18μm)を用意した。
上記の第1金属箔31、液晶ポリマーフィルム4、第2金属箔32を用いて、次のようにして金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
図1A及び図1Bに示すように、第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とをこの順に重ねた。このとき、第1金属箔31の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面はマット面31aであり、第2金属箔32の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面はマット面32aである。上記のように重ねた状態で、330℃、3MPa、5分間の成形条件で加熱加圧して成形することによって、図1Bに示すような金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を得た。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5として、株式会社クラレ製「ベクスターCT−F」(厚さ50μm、融点280℃)を用意した。
コア材7は、株式会社クラレ製「ベクスターCT−Z」(厚さ100μm、融点330℃)の両面に銅箔(古河電気工業株式会社製「F2WS」、厚さ12μm)を接着した後、片面の金属箔の不要部分をエッチングで除去して導体パターン6を設けるようにして得た。導体パターン6は、黒色酸化処理法により酸化処理した。
上記の金属箔付き液晶ポリマーフィルム1、ボンディングシート5、コア材7を用いて、次のような剥離工程及び積層工程を経て多層プリント配線板2を製造した。
剥離工程では、図1B及び図1Cに示すように、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1から第2金属箔32を剥離した。液晶ポリマーフィルム4と第2金属箔32との剥離強度は0.08N/mmであった。
積層工程では、図2A及び図2Bに示すように、第2金属箔32を剥離した金属箔付き液晶ポリマーフィルム1と、ボンディングシート5と、コア材7とをこの順に重ねて加熱加圧した。
積層工程において、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1の第2金属箔32を剥離した面(粗面4a)をボンディングシート5の一方の面に重ね、コア材7の導体パターン6が設けられた面(粗面7aを含む)をボンディングシート5の他方の面に重ねた。このように重ねた状態で、300℃、1MPa、10分間の成形条件で加熱加圧して成形することによって、図2Bに示すような多層プリント配線板2を得た。この多層プリント配線板2の絶縁層8の全ては液晶ポリマーで構成されているので高周波特性に優れている。
(実施例2)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
第2金属箔32として、マット面32aの十点平均粗さRzが4.8μmの電解銅箔の代わりに、マット面32aの十点平均粗さRzが3.5μmの電解銅箔を用意した。
上記のマット面32aの十点平均粗さRzが3.5μmの電解銅箔を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意し、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(実施例3)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
第2金属箔32として、マット面32aの十点平均粗さRzが4.8μmの電解銅箔の代わりに、マット面32aの十点平均粗さRzが2.1μmの電解銅箔を用意した。
上記のマット面32aの十点平均粗さRzが2.1μmの電解銅箔を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意し、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(実施例4)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
第2金属箔32として、マット面32aの十点平均粗さRzが4.8μmの電解銅箔の代わりに、マット面32aの十点平均粗さRzが1.3μmの電解銅箔を用意した。
上記のマット面32aの十点平均粗さRzが1.3μmの電解銅箔を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意し、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(実施例5)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
第2金属箔32として、マット面32aの十点平均粗さRzが4.8μmの電解銅箔の代わりに、マット面32aの十点平均粗さRzが0.8μmの電解銅箔を用意した。
上記のマット面32aの十点平均粗さRzが0.8μmの電解銅箔を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意し、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(比較例1)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
第2金属箔32として、マット面32aの十点平均粗さRzが4.8μmの電解銅箔の代わりに、シャイニー面32bの十点平均粗さRzが2.1μmの電解銅箔を用意した。
第1金属箔31と、液晶ポリマーフィルム4と、第2金属箔32とをこの順に重ねるとき、第2金属箔32の液晶ポリマーフィルム4に重ねられる面をシャイニー面32bにしたこと以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意し、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(比較例2)
<金属箔付き液晶ポリマーフィルム>
第1金属箔31及び液晶ポリマーフィルム4として、実施例1と同様のものを用意した。
実施例1の第2金属箔32の代わりに、ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製「ユーピレックス−S」、厚さ25μm)を用意した。
上記のポリイミドフィルムを用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1を製造した。
<多層プリント配線板>
ボンディングシート5及びコア材7として、実施例1と同様のものを用意した。
剥離工程を省略した以外は、実施例1と同様にして、多層プリント配線板2を製造した。
(評価方法)
以上のようにして得られた実施例および比較例における多層プリント配線板2において、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5との界面45での密着力を測定した。密着力は、JIS C 6471に準拠して測定した。
(評価結果)
実施例1〜5、比較例1の評価結果を表1に示す。表1中の「M面」とはマット面を指し、「S面」とはシャイニー面を指す。
また、第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製の「S−4800」)を用いて撮影した。得られたSEM写真を図3〜5に示す。
図3は、実施例2における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。図4は、実施例4における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。図5は、比較例2における第2金属箔32を剥離した後の液晶ポリマーフィルム4の表面を撮影したSEM写真(撮影倍率:1000倍)である。
表1中の評価結果からわかるように第2金属箔32である銅箔のマット面32aを液晶ポリマーフィルム1に重ねた場合において、マット面32aの十点平均粗さが0.8μm〜4.8μmである実施例1〜5の場合の液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5との界面45での密着力は良好であった。
しかしながら、比較例1に示したように、第2金属箔32である銅箔のシャイニー面32bを液晶ポリマーフィルム1に重ねた場合は、その面の十点平均粗さが2.1μmであっても、液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5との界面45での密着力は実施例1〜5よりも劣るものであった。
また、比較例2では、金属箔付き液晶ポリマーフィルム1とボンディングシート5との界面45の密着力の評価結果は0.3N/mmであり、品質上、問題があることが確認された。
1 金属箔付き液晶ポリマーフィルム
2 多層プリント配線板
4 液晶ポリマーフィルム
5 ボンディングシート
6 導体パターン
7 コア材
31 第1金属箔
32 第2金属箔
32a マット面

Claims (12)

  1. 第1金属箔と、液晶ポリマーフィルムと、第2金属箔とをこの順に重ねて加熱加圧する工程を有し、
    前記第1金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第1金属箔の前記マット面に離型処理が施されておらず、
    前記第2金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1μm以上であり、前記第2金属箔の前記マット面に離型処理が施されている
    金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  2. 前記第2金属箔はマット面とシャイニー面を有する電解金属箔であり、
    前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmである
    請求項1に記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  3. 前記第2金属箔の前記マット面にはコブ付けの粗化処理が施されていない
    請求項1又は2に記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  4. 前記離型処理が施された前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmである
    請求項1乃至3のいずれかに記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  5. 第1金属箔と、
    前記第1金属箔に重ねて設けられた液晶ポリマーフィルムと、
    前記液晶ポリマーフィルムに重ねて設けられた第2金属箔と
    を備え、
    前記第1金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第1金属箔の前記マット面に離型処理が施されておらず、
    前記第2金属箔の前記液晶ポリマーフィルムに重ねられる面がマット面であり、前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1μm以上であり、前記第2金属箔の前記マット面に離型処理が施されている
    金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  6. 前記第2金属箔はマット面とシャイニー面を有する電解金属箔であり、
    前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmである
    請求項5に記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  7. 前記第2金属箔の前記マット面にはコブ付けの粗化処理が施されていない
    請求項5又は6に記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  8. 前記離型処理が施された前記第2金属箔の前記マット面の十点平均粗さRzが2.1〜5.0μmである
    請求項5乃至7のいずれかに記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  9. 前記液晶ポリマーフィルムと前記第2金属箔との剥離強度は0.4N/mm以下である
    請求項5乃至8のいずれかに記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  10. 前記第2金属箔を剥離し、前記液晶ポリマーフィルムの前記第2金属箔を剥離した面にボンディングシート、コア材をこの順に重ね合わせて加熱加圧することにより得られる多層プリント配線板に用いられる
    請求項5乃至9のいずれかに記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルム。
  11. 請求項5乃至10のいずれかに記載の金属箔付き液晶ポリマーフィルムから前記第2金属箔を剥離する剥離工程と、
    前記第2金属箔を剥離した前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムと、液晶ポリマーで形成されたボンディングシートと、液晶ポリマーで形成され、表面に導体パターンが設けられたコア材とをこの順に重ねて加熱加圧する積層工程と
    を有し、
    前記積層工程において、
    前記金属箔付き液晶ポリマーフィルムの前記第2金属箔を剥離した面を前記ボンディングシートに重ね、
    前記コア材の前記導体パターンが設けられた面を前記ボンディングシートに重ねる
    多層プリント配線板の製造方法。
  12. 前記金属箔付き液晶ポリマーフィルム中の前記液晶ポリマーフィルムの融点は、前記ボンディングシートの融点よりも高く、
    前記積層工程の加熱温度は、前記金属箔付き液晶ポリマーフィルム中の前記液晶ポリマーフィルムの融点よりも低く、前記ボンディングシートの融点よりも高い
    請求項11に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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