JP6652980B2 - ステータ、サーミスタ固定構造およびサーミスタ固定方法 - Google Patents
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Description
図1は、第一実施形態に係る回転電機の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る回転電機1は、ケース2と、ステータ3と、ロータ4と、出力シャフト5とを備える。
本実施形態の回転電機1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車のような車両に搭載される走行用モータである。ただし、本実施形態の構成は、上記例に限られず、車両に搭載される発電用モータ等のその他の用途のモータにも適用可能である。また、本実施形態の構成は、車両に搭載される以外の回転電機であって、発電機を含むいわゆる回転電機全般に適用可能である。
なお、以下の説明では、ロータ4の回転中心の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線Cに直交する方向を径方向といい、軸線C周りの方向を周方向という場合がある。また、以下の説明では、上下方向は、鉛直方向の上下方向と一致している。
出力シャフト5は、ロータ4に接続されて、ロータ4の回転を駆動力として出力する。
ステータ3は、環状に形成されて、例えばケース2の内周面に取り付けられている。ステータ3は、ステータコア11と、ステータコア11に取り付けられた巻線12とを有し、ロータ4に対して回転磁界を作用させる。
図2に示すように、ステータ3は、ステータコア11と、巻線12とを備える。なお、ステータ3には、スロット23内において樹脂層や例えばワニス等の充填固着物がさらに備えられる場合があるが、本願においては説明の便宜上、図示および説明を省略する。
ステータコア11は、ロータ4を囲む環状に形成されている。ステータコア11は、例えば周方向に分割された複数のピースが互いに連結されることで形成される分割型ステータコアでもよく、複数枚の電磁鋼板が軸方向に積層されることで形成される積層型ステータコアでもよい。
複数のティース部22は、ヨーク部21からステータコア11の径方向の内側に向けて突出している。
各スロット23は、ステータコア11の周方向において互いに隣り合う2つのティース部22の間に形成されている。このため、複数のスロット23は、ステータコア11の周方向に並んで配置されている。各スロット23は、ステータコア11の軸方向にステータコア11を貫通している。本実施形態のスロット23は、径方向の内側が開放されたオープンスロットである。なお、本実施形態の構成は、これに限られず、径方向の内側が閉じられたクローズドスロットにも適用可能である。
図3に示すように、セグメントコイル14は、複数(例えば4つ)のセグメント導体14Aにより形成される。
セグメント導体14Aは、U字状に形成されている。セグメント導体14Aの両側部は、不図示の絶縁紙に覆われた状態で互いに異なるスロット23に分けて収容される。この絶縁紙は、後述するサーミスタ6の固定に使用される絶縁紙7(図4等参照)と同一のものである。セグメント導体14Aの両端部は、他のセグメントコイル14のセグメント導体14Aの両端部と接合される。これにより、複数のセグメントコイル14は、順次連結されている。複数のセグメントコイル14は、ステータコア11の周方向において、U相、U相、V相、V相、W相、W相、U相、U相・・・の順に配列されている。
図4に示すように巻線12は、中点コイル16と、ブリッジコイル17と、引き出しコイル18とを備える。中点コイル16は、各相のコイル(複数のセグメントコイル14)の中点(中性点)を接続している。ブリッジコイル17は、同相のセグメントコイル14を接続している。引き出しコイル18の一端は、各相の複数のセグメントコイル14の中で外部電源の端子台に接続されるセグメントコイル14に接続されている。引き出しコイル18の他端は、外部電源の端子台に接続されている。
サーミスタ6は、中点コイル16の温度を検出するものであり、中点コイル16の延在部161に接触している。絶縁紙7は、サーミスタ6が延在部161に接触した状態でサーミスタ6を延在部161に固定している。
具体的にサーミスタ6は、温度変化に伴う抵抗値の変化を利用して中点コイル16の温度を検出する。
図5に示すように、中点コイル16は、芯線163と、芯線163を覆う絶縁性の被膜164とを備える。芯線163は、その断面が矩形状(平角線状)に形成されている。サーミスタ6の検出部61は、その断面が矩形状に形成されている。
絶縁紙7には、四本の筋目77が設けられている。四本の筋目77は、絶縁紙7の巻き方向に離間して設けられている。四本の筋目77は、絶縁紙7の四つの折曲部78(図5参照)と対応する位置に設けられている。各筋目77は、絶縁紙7の巻き方向と直行する方向に延在している。絶縁紙7は、四本の筋目77に沿って接着層74側に折り曲げられることにより、断面が矩形状になる。
サーミスタ6の固定方法は、サーミスタ配置工程と、絶縁紙巻き付け工程と、絶縁紙接着工程と、を備える。サーミスタ6の固定作業は、上記の工程を順に行う。
続いて、絶縁紙巻き付け工程では、最初に、絶縁紙7を四本の筋目77に沿って接着層74側に折り曲げる。次いで、絶縁紙巻き付け工程では、折り曲げた絶縁紙7をサーミスタ6及び中点コイル16の延在部161の外周に巻き付ける。
続いて、絶縁紙接着工程では、最初に、絶縁紙7の両側部71,72を重ね合わせて接着層74(熱硬化型接着剤)により仮接着させる。次いで、絶縁紙接着工程では、絶縁紙7を加熱する。これにより接着層74が加熱されて硬化し、両側部71,72が互いに接着される。これにより、サーミスタ6の検出部61は、中点コイル16の延在部161に接触した状態で固定される。
図7は、第二実施形態のステータのサーミスタ固定構造を示す断面図である。
次に、図7を参照して、第二実施形態のステータ3について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
第二実施形態のステータ3は、ステータコア11(図1等参照)と、巻線12と、サーミスタ6と、絶縁紙7とを備える。
絶縁紙7は、絶縁紙7の両側部71,72の各々には、第一接着層75と第二接着層76とが設けられている。両側部71,72は、第一接着層75と第二接着層76とにより接着されている。具体的には、一方側部71の内周側には、第一接着層75が設けられている。他方側部72の外周側には、第二接着層76が設けられている。両側部71,72は、一方側部71の内周側と他方側部72の外周側とが、第一接着層75と第二接着層76とにより接着されている。
図8は、第三実施形態のステータのサーミスタ固定構造を示す断面図である。
次に図8を参照して、第三実施形態のステータ3について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
第三実施形態のステータ3は、ステータコア11(図1等参照)と、巻線12と、サーミスタ6と、絶縁紙7と、ホルダ112とを備える。ホルダ112は、絶縁性を有する樹脂材料からなり、断面が矩形状の筒状に形成されている。ホルダ112は、絶縁紙7の外周側に外嵌されている。
第三実施形態のステータ3によれば、絶縁紙7の外周側には、絶縁性を有するホルダ112が設けられているので、サーミスタ6を巻線12の中点コイル16に確実に固定することができる。また、サーミスタ6と中点コイル16周辺の他部品との絶縁性を確実に確保できる。
図9は、第四実施形態のサーミスタ固定方法の絶縁紙接着工程の説明図である。
次に図9を参照して、第四実施形態のサーミスタ固定方法について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
第四実施形態の絶縁紙接着工程では、絶縁紙7の両側部71,72をサーミスタ6の検出部61に仮固定した状態で接着する。
クリップ121は、一対の挟持部122,122と付勢手段(不図示)とを備える。一対の挟持部122,122は、基端側が回動可能に結合されている。付勢手段は、一対の挟持部122,122を挟持方向に常時付勢している。
絶縁紙接着工程では、クリップ121は、一対の挟持部122,122が付勢手段の付勢力を利用して両側部71,72と、対向部79とを挟持する。これにより、両側部71,72は、検出部61に押し付けられて仮固定される。クリップ121は、両側部71,72の接着後に絶縁紙7から外される。なお、クリップ121は、付勢手段の付勢力を調整可能に構成して挟持力を調整するようにしてもよい。
図10は、第五実施形態のサーミスタ固定方法の絶縁紙接着工程の説明図である。
次に図10を参照して、第五実施形態のサーミスタ固定方法について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
第五実施形態の絶縁紙接着工程では、第四実施形態の絶縁紙接着工程と同様に、絶縁紙7の両側部71,72をサーミスタ6の検出部61に仮固定した状態で接着する。
絶縁紙接着工程では、両側部71,72を検出部61の上で重ね合わせた後、熱収縮チューブ131を絶縁紙7に外嵌する。次いで、加熱し、熱収縮チューブ131を収縮させる。これにより、熱収縮チューブ131は、絶縁紙7を締め付ける。また、接着層74は、加熱されて硬化する。これにより、サーミスタ6の検出部61は、中点コイル16の延在部161に接触した状態で固定される。なお、熱収縮チューブ131は、接着層74の硬化後に除去してもよいし、除去しなくてもよい。
第五実施形態のサーミスタ固定方法によれば、絶縁紙7の両側部71,72を重ね合わせた後に、熱収縮チューブ131により締め付けて両側部71,72を仮固定するので、絶縁紙7の両側部71,72を確実に接着させることができる。
また、第五実施形態では、締付手段の一例として熱収縮チューブ131を用いた場合を説明したが、熱収縮チューブ131に限定されない。締付手段として、例えば、弾性力を有するチューブを用いてもよい。
6 サーミスタ
7 絶縁紙
11 ステータコア
12 巻線(導体)
16 中点コイル(導体)
23 スロット
71,72 両側部
74 接着層(接着剤)
75 第一接着層(接着剤)
76 第二接着層(接着剤)
112 ホルダ
121 クリップ(挟持手段)
131 熱収縮チューブ(締付手段)
Claims (9)
- ステータコアのスロットに収容されて前記ステータコアに装着されている導体と、
前記導体の温度を検出するサーミスタと、
前記サーミスタと前記導体の外周とに巻き付けられ、巻き付け前の広げた状態での両側部が巻き付け後に接着されることにより前記サーミスタを前記導体に接触させた状態で固定する絶縁紙と、
を備えることを特徴とするステータ。 - 前記絶縁紙の前記両側部の各々には、接着剤が設けられており、
前記両側部は、双方の前記接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。 - 前記絶縁紙の外周側には、絶縁性を有するホルダが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
- ステータコアのスロットに収容されて前記ステータコアに装着されている導体と、
前記導体の温度を検出するサーミスタと、
前記サーミスタと前記導体の外周とに巻き付けられ、巻き付け前の広げた状態での両側部が巻き付け後に接着されることにより前記サーミスタを前記導体に接触させた状態で固定する絶縁紙と、
を備えることを特徴とするサーミスタ固定構造。 - ステータコアのスロットに収容されて前記ステータコアに装着されている導体にサーミスタを接触させて配置するサーミスタ配置工程と、
絶縁紙を前記サーミスタと前記導体の外周とに巻き付ける絶縁紙巻き付け工程と、
前記絶縁紙の巻き付け前の広げた状態での両側部を前記絶縁紙巻き付け工程での巻き付け後に接着させることにより前記サーミスタを前記導体に接触させた状態で固定する絶縁紙接着工程と、
を備えることを特徴とするサーミスタ固定方法。 - 前記絶縁紙接着工程では、前記絶縁紙の前記両側部を前記サーミスタおよび前記導体の少なくとも一方に仮固定した状態で接着させることを特徴とする請求項5に記載のサーミスタ固定方法。
- 前記絶縁紙接着工程では、前記絶縁紙の前記両側部を熱硬化型接着剤で仮接着させた後に加熱して硬化させ、前記両側部を接着させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のサーミスタ固定方法。
- 前記絶縁紙接着工程では、前記絶縁紙の前記両側部を重ね合わせた後に、挟持手段により挟持して前記両側部を仮固定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のサーミスタ固定方法。
- 前記絶縁紙接着工程では、前記絶縁紙の前記両側部を重ね合わせた後に、締付手段により締め付けて前記両側部を仮固定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のサーミスタ固定方法。
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