JP6652803B2 - 管材の接続構造及び管材の接続方法 - Google Patents
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Description
本発明の管材の接続構造は、内部管材と、前記内部管材の外径以上の内径を有し前記内部管材と同一の軸線上に配置された外部管材とを着脱可能に接続するための管材の接続構造であって、前記内部管材の外周面に設けられ、前記内部管材の外周面から突出する係合部と、前記外部管材の内周面に形成され、前記外部管材の内周面から凹むとともに前記外部管材の内周面の前記軸線方向の端から前記軸線方向の一方側に延びるように配置され、内部を前記係合部が前記軸線方向に移動可能な案内部と、前記外部管材の内周面に形成され、前記外部管材の内周面から凹むとともに、前記案内部における前記軸線方向の中間部に連通して前記案内部から前記内部管材の周方向に延び、内部を前記係合部が前記周方向に移動可能な被係合部と、前記外部管材の管路に前記内部管材が挿通され、前記被係合部に前記係合部が係合したときに前記案内部内に嵌め込まれて前記案内部に係合する戻り防止部と、を備え、前記案内部の幅は、前記軸線方向の一方側に向かうにしたがって狭くなるとともに、前記内部管材の径方向外側に向かうにしたがって狭くなることを特徴としている。
一方で、案内部と戻り防止部との係合を解除し、被係合部及び案内部に沿って係合部を移動させると、内部管材と外部管材とが取外される(離脱される)。
一般的に、戻り防止部はねじ山に比べて大きな部材となるため、砂がかみこんだり変形したりしにくい。
この発明によれば、案内部内及び被係合部内に配置された係合部や、案内部内に嵌め込まれた戻り防止部が外部から見やすくなる。
請求項2に記載の管材の接続構造によれば、被係合部に係合する係合部や、案内部に係合する戻り防止部を被係合部及び案内部を通して外部から目視で確認することができる。
図1に示すように、本実施形態の管材の接続構造(以下、接続構造とも略称する)1は、第一の内部管材(内部管材)10と、第一の内部管材10の外径以上の内径を有する外部管材15とを着脱可能に接続するためのものである。
第一の内部管材10及び外部管材15は、鋼管等で形成することができる。以下では、接続構造1を図1の組立て図に代えて図2に示す分解図を用いて説明する。
駒部11は、第一の内部管材10の外周面10aに溶接等により固定されている。駒部11は、軸線C周りに等角度ごとに2つ設けられている(図3参照)。
スリット16は、外部管材15において内周面15aから凹んでいる。ここで言う内周面15aから凹むとは、文字通りに案内部が外部管材15の内周面15aから凹んで外部管材15の外周面15bに達しない場合だけでなく、案内部が外部管材15の内周面15aから凹んで外部管材15の外周面15bに達してスリット16になっている場合も含む。スリット16は、外部管材15の外周面15bに達するまで凹んでいる。すなわち、スリット16は、外部管材15を貫通している。
図2に示すように、スリット16の幅L(第一の内部管材10の周方向の長さ)は、軸線方向Xの一方側X1に向かうにしたがって狭くなる。幅Lを規定するスリット16の一方の側面16aは、軸線Cに対して平行である。幅Lを規定するスリット16のもう一方の側面16bは、軸線Cに対して傾斜している(捻じれの向きである)。
図3に示すように、スリット16の幅Lは、第一の内部管材10の径方向外側に向かうにしたがって狭くなる。内周面15aの端15cからスリット16内に挿入された駒部11は、スリット16の内部を軸線方向Xに移動することができる。
組となったスリット16及び鍵部17は、軸線C周りに等角度ごとに2組設けられている(図3参照)。
バンド部19の内周面における他方側X2の端部には、ストッパ部材22が設けられている。ストッパ部材22は、バンド部19を介して外部管材15に取付けられている。ストッパ部材22は、径方向におけるスリット16の中間部まで延びている。
ストッパ部材22及び前述のバンド部19は、第一の内部管材10と同一の材料で形成することができる。ストッパ部材22は、スリット16と軸線方向Xで重なるように、軸線C周りに等角度ごとに2つ設けられている(図4参照)。
第二の内部管材24は、外部管材15に溶接等の接続部25により固定されている。
くさび30は、スリット16に対応した形状に形成されている。すなわち、くさび30の幅は、軸線方向Xの一方側X1に向かうにしたがって狭くなる。くさび30の幅は、径方向外側に向かうにしたがって狭くなる。くさび30の軸線方向Xの一方側X1の端の幅は、スリット16の軸線方向Xの一方側X1の端の幅よりも広いか、この端の幅に均しい。
外部管材15の管路に第一の内部管材10が挿通され、鍵部17に係合部11が係合したときに、くさび30はスリット16内に嵌め込まれる。スリット16内にくさび30を嵌め込むと、スリット16がくさび30で塞がれることで駒部11がスリット16内に戻れなくなる。
図2に示すように、外部管材15及び第一の内部管材10を軸線C上に配置した状態で、外部管材15のスリット16に対して第一の内部管材10の駒部11の周方向Yの位置を合わせる。
図5に示すように、外部管材15の管路に第一の内部管材10を挿通させる。駒部11をスリット16内で軸線方向Xの一方側X1に移動させる。このとき、駒部11はスリット16内の位置P1に配置される。外部管材15に対して第一の内部管材10を周方向Yの一方側Y1に回転させて、鍵部17に駒部11を係合させる。このとき、駒部11は鍵部17内の位置P2に配置される。
一般的に、くさび30はねじ山に比べて大きな部材となるため、砂がかみこんだり変形したりしにくい。
スリット16及び鍵部17は外部管材15の外周面15bに達するまで凹んでいるため、スリット16及び鍵部17内で駒部11が移動するのを外部から目視で確認することができる。
スリット16の幅Lは、軸線方向Xの一方側X1に向かうにしたがって狭くなるため、スリット16に対してくさび30を軸線方向Xの一方側X1に嵌め込むにしたがって、スリット16とくさび30との間に作用する摩擦力が大きくなる。
スリット16内にくさび30を嵌め込むことで、スリット16にくさび30を係合させる。
以上の工程で、第一の内部管材10に外部管材15を介して第二の内部管材24が取付けられる(装着される)。スリット16にくさび30が係合している限り、第一の内部管材10と外部管材15とが確実に接続された状態が保持される。
まず、スリット16からくさび30を取外す。このとき、ストッパ部材22、バンド部19、及び第一の内部管材10を適宜撓ませて、くさび30がストッパ部材22を軸線方向Xの他方側X2に乗り越えるようにする。外部管材15に対して第一の内部管材10を周方向Yの他方側Y2に回転させ、スリット16内に駒部11を配置させる。
外部管材15に対して第一の内部管材10を軸線方向Xの他方側X2に移動させ、スリット16内から駒部11を取外す。
以上の工程で、外部管材15から第一の内部管材10が取外される(離脱される)。
内部管材10、24として長さ2m程度の鋼管を用い、本実施形態の接続構造1で内部管材10、24を接続していく。第二の内部管材24に駒部11を形成することで、第二の内部管材24を第一の内部管材10として用いることができる。連結部材Dに軸線C周りの一方側に回転力を与え、内部管材10、24を回転させながら、略水平方向となる軸線Cに沿う方向に10m程度圧入して施工する。
施工途中で地中G2に障害物があった場合、連結部材Dに軸線C周りの他方側に回転力を与えて逆回転させ、内部管材10、24を引き抜く。この際に、内部管材10、24から接続構造1を取外す。
内部管材10、24として長さ1m程度の鋼管を用い、本実施形態の接続構造1で内部管材10、24を接続していく。連結部材Dに軸線C周りの一方側に回転力を与え、図中(A)に示すように鉛直方向に10m程度内部管材10、24を圧入して、杭40とする。
杭40を一定期間使用したら、図中(B)に示すように杭40を軸線C周りの他方側に回転して引き上げる。杭40から接続構造1を取外す。地盤G4に形成された穴G5は、砂等で埋める。
一方で、スリット16とくさび30との係合を解除し、鍵部17及びスリット16に沿って駒部11を移動させると、第一の内部管材10と外部管材15とが取外される。
スリット16にくさび30が係合している限り、第一の内部管材10と外部管材15とが確実に接続された状態が保持されるため、管材10、15を確実に接続するとともに管材10、15を容易に着脱することができる。
本接続構造1ではねじ山を用いず駒部11と、スリット16及び鍵部17との係合で両管材10、15を着脱させているため、接続構造1を防食処理する際に後処理が不要になる。
スリット16及び鍵部17は、外部管材15の外周面15bに達するまで凹む。スリット16内及び鍵部17内に配置された駒部11や、スリット16内に嵌め込まれたくさび30が外部から見やすくなる。
スリット16の幅Lは、軸線方向Xの一方側X1に向かうにしたがって狭くなる。したがって、スリット16に対して軸線方向Xの一方側X1に移動させることで嵌め込まれたくさび30を、スリット16とくさび30との間に作用する摩擦力により確実に係合させることができる。スリット16とくさび30との遊び(隙間)、及び鍵部17と駒部11との遊びが小さくなり、くさび30をスリット16に、駒部11を鍵部17により確実に係合させることができる。
管材の接続構造1がストッパ部材22を備えることで、スリット16内に嵌め込まれたくさび30がスリット16に対して軸線方向Xの他方側X2に移動して、スリット16内からくさび30が外れるのをより確実に抑制することができる。
例えば、前記実施形態では、駒部11が第一の内部管材10の外周面10aに設けられ、スリット16及び鍵部17が外部管材15の内周面15aに形成されるとした。しかし、図8に示すように、駒部35が外部管材15の内周面15aに設けられ、スリット36及び鍵部37が第一の内部管材10の外周面10aに形成されるとしてもよい。
この変形例では、くさび40は第一の内部管材10に形成されたスリット36に嵌め込まれる。
第一の内部管材10には駒部11が2つ設けられ、外部管材15にはスリット16及び鍵部17が2組設けられているとした。しかし、第一の内部管材10に設けられる駒部11の数及び外部管材15に設けられるスリット16及び鍵部17の組数は互いに等しければ制限はなく、1つでもよいし3つ以上でもよい。
案内部及び被係合部は、外部管材15の内周面15aから外周面15bに達するまで凹むとしたが、これら案内部及び被係合部は、外部管材15の外周面15bに達するまで凹まなくてもよい。
スリット16とくさび30との間に作用する摩擦力が充分大きい場合等には、外部管材15にストッパ部材22は設けられなくてもよい。
10 内部管材
10a 外周面
11、35 駒部(係合部)
11c 端
15 外部管材
15a 内周面
15b 外周面
16、36 スリット(案内部)
17、37 鍵部(被係合部)
22 ストッパ部材
30、40 くさび(戻り防止部)
C 軸線
L 幅
X 軸線方向
X1 一方側
X2 他方側
Y 周方向
Claims (4)
- 内部管材と、前記内部管材の外径以上の内径を有し前記内部管材と同一の軸線上に配置された外部管材とを着脱可能に接続するための管材の接続構造であって、
前記内部管材の外周面に設けられ、前記内部管材の外周面から突出する係合部と、
前記外部管材の内周面に形成され、前記外部管材の内周面から凹むとともに前記外部管材の内周面の前記軸線方向の端から前記軸線方向の一方側に延びるように配置され、内部を前記係合部が前記軸線方向に移動可能な案内部と、
前記外部管材の内周面に形成され、前記外部管材の内周面から凹むとともに、前記案内部における前記軸線方向の中間部に連通して前記案内部から前記内部管材の周方向に延び、内部を前記係合部が前記周方向に移動可能な被係合部と、
前記外部管材の管路に前記内部管材が挿通され、前記被係合部に前記係合部が係合したときに前記案内部内に嵌め込まれて前記案内部に係合する戻り防止部と、
を備え、
前記案内部の幅は、前記軸線方向の一方側に向かうにしたがって狭くなるとともに、前記内部管材の径方向外側に向かうにしたがって狭くなることを特徴とする管材の接続構造。 - 前記案内部及び前記被係合部は、前記外部管材を貫通していることを特徴とする請求項1に記載の管材の接続構造。
- 前記案内部内に嵌め込まれた前記戻り防止部が、前記案内部に対して前記軸線方向の他方側に移動するのを抑制するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の管材の接続構造。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の管材の接続構造を用い、前記内部管材と前記外部管材とを着脱可能に接続する管材の接続方法であって、
前記外部管材の管路に前記内部管材を挿通させ、
前記係合部を、前記案内部内で移動させ、
前記被係合部に前記係合部を係合させ、
前記案内部内に前記戻り防止部を嵌め込んで前記案内部に前記戻り防止部を係合させる
ことを特徴とする管材の接続方法。
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