JP2010255201A - 拡径部付鉄筋および鉄筋用継手部材ならびに鉄筋接続方法 - Google Patents

拡径部付鉄筋および鉄筋用継手部材ならびに鉄筋接続方法 Download PDF

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Akira Fukuda
章 福田
Shigeki Kishihara
重樹 岸原
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Abstract

【課題】スペーサを使わなくても間隙Gを解消できるようにする。
【解決手段】拡径部付鉄筋60の拡径部12の端面61を軸心直交平面に対して傾斜角θほど傾けておき、端面61,61を平行に対向させて二本の鉄筋60,60を長手方向に連ね、それらの拡径部12を大径中空部に収めて周囲を覆うよう鉄筋用継手部材40を装着し、さらに鉄筋用継手部材40の結合を固定してから、鉄筋60を軸回転させて端面61,61を突っ張らせることにより、拡径部12,12の軸心方向移動を規制して軸心方向の緩みを無くす。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄筋を長くするために鉄筋同士を接続する技術に関し、詳しくは、鉄筋の端部に拡径部を設けた拡径部付鉄筋と、鉄筋の接続延伸のため二本の鉄筋の拡径部同士を突合わせた状態に拘束して鉄筋を連結する接続方法と、その拘束に用いる鉄筋用継手部材に関する。
鉄筋をコンクリートや他の鉄筋に定着させるための定着部を設けた鉄筋として、鉄筋の端部に拡径部を形成し、この拡径部を定着部とする拡径端部付鉄筋が実用化されて(例えば特許文献1参照)、鉄筋コンクリートの施工に貢献している。
また、拡径部を連結部として利用することにより鉄筋を接続して長手方向に延伸させる鉄筋接続方法や、それに用いる鉄筋用継手部材も、開発提供されている(例えば特許文献2参照)。この鉄筋用継手部材は、合体して筒状部を構成するものであり、筒状部の内腔の大径中空部に鉄筋の拡径部同士を突合わせ状態で収めて拘束するようになっている。
それらの拡径部付鉄筋10や鉄筋用継手部材40さらには鉄筋接続方法について、本願発明の説明に役立つ部分を、図面を引用しながら、説明する。図5は、(a)が拡径部付鉄筋10の側面図、(b)及び(c)が拡径部付鉄筋10の斜視図、(d)が一方の鉄筋用継手部材20の斜視図、(e)が他方の鉄筋用継手部材30の斜視図、(f)が双方の鉄筋用継手部材20,30を向い合わせたところの端面図、(g)が二本の鉄筋10の拡径部12を突き合わせた拡径部突合部分に鉄筋用継手部材40を装着して接続するときの接続部分に係る端面図、(h)が接続部分の側面図、(i)が鉄筋用継手部材40の筒状部21+31を断面で示した接続部分の一部断面図である。
拡径部付鉄筋10は(図5(a)〜(c)参照)、丸棒状の鉄筋の端部が首部11(鉄筋本体)よりも太い拡径部12になっている。この拡径部12は、鉄筋本体の片端だけに設けられることもあれば両端に設けられることもあるが、高周波誘導加熱を利用した熱間据込加工によって、鉄筋母材の端部を拡径することで形成されており、型規制の併用により高い寸法精度で各種形状のものがライン生産されている。定着部として機能させる上記拡径部の典型的な形状は、外径が鉄筋径の2〜5倍で厚さが鉄筋径の0.5〜2倍の円板状であり、規制型具を変更することでその他の形状も容易に形成することができるが、従来の鉄筋10では、拡径部12の端面13が、縁部の丸みや中央の凹みは別として、ほぼ平坦な円形状になっていて、鉄筋本体の軸心に垂直な平面である軸心直交平面に収まっていた。
鉄筋用継手部材40は(図5(d)〜(f)参照)、ペア編成の鉄筋用継手部材20,30をそれぞれ第1,第2セグメント(ペア編成の片割れ)とする結合体である。
鉄筋用継手部材20は(図5(d)参照)、一個の半筒状部21と二個の外向きフランジ25との一体物であり、半筒状部21は、両端に内向きカラーの付いた筒状体を縦割り二分割したうちの一つとほぼ同じ形態を有し、元の筒状体の中空部に相当する内周側の軸線方向の両端部は内向きカラー22を含む厚肉部となっていて、半筒状部21の相互結合後は拡径部対12,12を係止する小径中空部を形成し、それらに挟まれた中間部分は薄肉部23となっていて、半筒状部21の相互結合後は拡径部対12,12の収容スペースとなる大径中空部を形成する。
外向きフランジ25(外向部)は、半筒状部21における二個所の直線状の各体内2辺24のそれぞれに一個ずつ立設されている。何れの外向きフランジ25も、半筒状部21が直線状の2辺24を境として折れ曲がった方位へ延長された形で半筒状部21の外周側(前記内周側の裏側)へ突き出て嘴状になっており、その厚さ方向に貫通させてボルト挿通孔26が穿孔形成されている。この継手部材20では(図5(f)参照)、2個の外向きフランジ25の夫々が半筒状部21の半径方向よりも鋭く折れ曲った方位に延びていて両フランジの突出方向に係る夾角が半筒状部21の外周側に向いた形となっており、その角度がほぼ90゜(直角)になっている。
鉄筋用継手部材30も(図5(e)参照)、基本的には上述した継手部材20と同様のものであり、半筒状部31は、内向きカラー32を含む厚肉部と、大径中空部に対応した部位である薄肉部33と、直線状の2辺34に設けられた外向きフランジ35(外向部)と、ボルト挿通孔36とを具えているが、この継手部材30では(図5(f)参照)、2個の外向きフランジ35の夫々が半筒状部31の半径方向よりも鈍く折れ曲がった方位に延びていて、両フランジの突出方向に係る夾角が、継手部材20とは逆に半筒状部31の内周側に向いた形となっており、その角度がほぼ90゜になっている。
そのため、継手部材20と継手部材30を向い合わせにしたとき、半筒状部21と半筒状部31とによって両端に内向きカラーの付いた筒状体21+31が形作られるとともに、両継手部材の外向きフランジ25と外向きフランジ35がぴったり重なり合ってボルト挿通孔26とボルト挿通孔36とが直線状に連なるようになっている。
なお、鉄筋用継手部材40は、筒状体21+31が両端に内向きカラーの付いた筒状体であって鉄筋10の拡径部12同士の突き合わせ部分に外嵌可能な寸法・形状になっていれば良く、両セグメント20,30の結合を固定するための外向きフランジ25,35やボルト挿通孔26,36は、少数でも良く、代替手段でも良い(特許文献2参照)。
このような鉄筋用継手部材40を用いて二本の鉄筋10を突き合わせ連結するには(図5(g)〜(i)参照)、先ず、二本の鉄筋10の拡径部12,12の突合わせ部位に対し、そこに継手部材20と継手部材30とを向かい合わせにしながら拡径部12,12に被せるようにして装着する。そうすると、向い合わせになった半筒状部21,31が拡径部12,12とその直近の首部11,11を囲って筒状に配置された状態となるので、その状態を保ちながら、直線状に連なったボルト挿通孔26,36にボルト41のネジ部を挿通させる。それから、それにナットを螺合させて適度なトルクで締め込むと、やはり向い合わせになっている外向きフランジ25,35同士が締結固定されるとともに、拡径部対12,12も当接状態で固定される。こうして、容易かつ確実に、二本の鉄筋10,10が固定的に連結された態様で接続され、二倍長の鉄筋が出来上がる。
特開2000−257209号公報 (第1頁) 特開2007−077590号公報
このような鉄筋接続方法に供する鉄筋用継手部材や拡径部付鉄筋は、コストを掛ければ高精度品を製造することもできるが、実用的なコスト制約の下では鋳造や高周波誘導加熱によるアプセット(据込み)加工で製造されるので、加工精度がミリメートルのオーダになるのは避けられない。そのため、鉄筋用継手部材40の大径中空内に収めた拡径部12の端面13同士の間に間隙Gができてしまうことがあり(図5(i)参照)、ばらつきはあるが間隙Gが1mmや2mmになることもある。これに対しては、端面13,13の間にスペーサを挟み込んで間隙Gを削減することも提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、軸心方向のガタや遊び(以下、緩みと呼ぶ)を全く許さない応用分野の場合、そのような対処法では、厚さの異なる多数のスペーサを準備しておくことが必要なうえ、スペーサの選定や実装にも手間が掛かりすぎる。
そこで、スペーサを使わなくても鉄筋用継手部材の大径中空における鉄筋の拡径部の緩みを解消することができるように、而も簡便に行えるように、工夫を凝らすことが重要な課題となる。
本発明の拡径部付鉄筋は(解決手段1,出願当初請求項1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、鉄筋の端部に拡径部を形成した拡径部付鉄筋において、前記拡径部の端面が前記鉄筋の軸心に垂直な軸心直交平面に対して傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の鉄筋接続方法は(解決手段1,出願当初請求項2)、鉄筋の軸心に垂直な軸心直交平面に対して傾斜した端面を有する拡径部を端部に形成した拡径部付鉄筋を一直線状に二本連ねてそれぞれの拡径部の端面を対向させる工程と、小径中空部に挟まれた大径中空部を有する縦割り二分割した筒状部をなす一対の鉄筋用継手部材を前記拡径部付鉄筋に装着して前記拡径部を前記大径中空部に収める工程と、鉄筋用継手部材の結合を固定する工程と、前記拡径部付鉄筋の何れか一方または双方を軸回転させて前記端面同士を突っ張らせる工程とを備えている。
さらに、本発明の鉄筋用継手部材は(解決手段2,出願当初請求項3)、小径中空部に挟まれた大径中空部に鉄筋端部の拡径部同士を突合わせ状態で収めて拘束しうる筒状部を縦割り二分割した一方の片割れの形をした半筒状部と、この半筒状部と前記筒状部の他方の片割れの半筒状部との結合を固定するのに資する外向部とを備えた鉄筋用継手部材において、前記半筒状部のうち前記大径中空部に対応した部位に、留具を嵌挿させて先端を前記大径中空部へ突き出させうる留具嵌挿穴が、貫通形成されていることを特徴とする。
また、本発明の鉄筋用継手部材は(解決手段3,出願当初請求項4)、小径中空部に挟まれた大径中空部に鉄筋端部の拡径部同士を突合わせ状態で収めて拘束しうる筒状部を縦割り二分割した一方の片割れの形をした半筒状部と、この半筒状部と前記筒状部の他方の片割れの半筒状部との結合を固定するのに資する外向部とを備えた鉄筋用継手部材において、前記半筒状部のうち前記大径中空部に臨む内周面に、前記大径中空部に鉄筋の拡径部が収められるとその径方向移動を規制する突部が、形成されていることを特徴とする。
このような本発明の拡径部付鉄筋および鉄筋接続方法にあっては(解決手段1)、拡径部付鉄筋の拡径部の端面が軸心直交平面に対して傾斜している。そこで、そのような拡径部同士の端面をなるべく平行になるよう対向させて二本の拡径部付鉄筋を長手方向に連ね、それらの拡径部を大径中空部に収めて周囲を覆うよう鉄筋用継手部材を装着し、さらに鉄筋用継手部材の結合を固定してから、拡径部付鉄筋を軸回転させると、拡径部付鉄筋の拡径部の端面の傾斜に起因して端面同士が突っ張り合うこととなる。
これにより、両鉄筋の拡径部が離反しようとするが、拡径部は何れも大径中空部に収まっていて軸心方向移動が規制されているので、軸心方向の緩みが無くなる。
したがって、この発明によれば、鉄筋を軸回転させると両鉄筋の端面同士が突っ張り合うようにしたことにより、スペーサを使うまでもなく簡便に、鉄筋用継手部材の大径中空における鉄筋の拡径部の緩みを解消することができる。
また、本発明の鉄筋用継手部材にあっては(解決手段2)、拡径部付鉄筋の拡径部同士を向かい合わせたところに鉄筋用継手部材を被装させてから、留具嵌挿穴に留具を嵌挿させると、留具の先端が拡径部に突き当たって、鉄筋用継手部材に対する拡径部の移動が規制される。これにより、拡径部付鉄筋の軸回転や軸心方向移動が防止されるので、スペーサを使うまでもなく簡便に、鉄筋用継手部材の大径中空における鉄筋の拡径部の緩みを解消することができる。
しかも、この解決手段2が鉄筋の軸回転の防止に優れる一方、上記の解決手段1は軸心方向移動の防止に優れているところ、両者は併用が可能なので、解決手段1に解決手段2を併用することにより、本願の課題の解決を高度に達成することができる。
また、本発明の鉄筋用継手部材にあっては(解決手段3)、拡径部付鉄筋の拡径部同士を向かい合わせたところに鉄筋用継手部材を被装させると、大径中空部に収められた拡径部が径方向に移動するのを大径中空部の突部によって規制される。このように突部が拡径部付鉄筋の拡径部の芯合わせ機能を発揮することにより、鉄筋用継手部材の小径中空部が拡径部付鉄筋の首部より太くて径方向の遊びが過大なため小径中空部では芯合わせが十分になされない場合でも、連結される二本の拡径部付鉄筋の軸心が容易かつ的確に合うこととなる。
本発明の実施例1について、拡径部付鉄筋の構造と、鉄筋用継手部材を用いた拡径部付鉄筋の接続方法とを示し、(a)が継手装着時の接続部分の一部断面図、(b)が拡径部突合部分の拡大図、(c)が拡径部固定後の接続部分の一部断面図、(d)がその拡径部突合部分の拡大図である。 本発明の実施例2について、鉄筋用継手部材の構造とそれを用いた拡径部付鉄筋の接続方法とを示し、(a)が一方の鉄筋用継手部材の斜視図、(b)が他方の鉄筋用継手部材の斜視図、(c)が接続部分の一部断面図である。 (a)〜(c)何れもくさび形留具の斜視図である。 本発明の実施例3について、鉄筋用継手部材の構造とそれを用いた拡径部付鉄筋の接続方法とを示し、(a)が一方の鉄筋用継手部材の斜視図、(b)が他方の鉄筋用継手部材の斜視図、(c)が継手装着時の接続部分の一部断面図、(d)が拡径部固定後の接続部分の一部断面図である。 従来の拡径部付鉄筋および鉄筋用継手部材ならびに鉄筋接続方法を示し、(a)が拡径部付鉄筋の側面図、(b)及び(c)が拡径部付鉄筋の斜視図、(d)が一方の鉄筋用継手部材の斜視図、(e)が他方の鉄筋用継手部材の斜視図、(f)が双方の鉄筋用継手部材を向い合わせたところの端面図、(g)が接続部分の端面図、(h)が接続部分の側面図、(i)が接続部分の一部断面図である。
このような本発明の拡径部付鉄筋および鉄筋用継手部材ならびに鉄筋接続方法について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜3により説明する。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図2〜3に示した実施例2は、上述した解決手段2(出願当初の請求項3)を具現化したものであり、図4に示した実施例3は、上述した解決手段3(出願当初の請求項4)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
本発明の拡径部付鉄筋の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が二本の鉄筋60の拡径部12を突き合わせた拡径部突合部分に鉄筋用継手部材40を装着して接続するときの接続部分について鉄筋用継手部材40の筒状体21+31を断面で示した一部断面図、(b)及び(d)が拡径部突合部分の拡大図である。
この拡径部付鉄筋60が既述した従来の鉄筋10と相違するのは、拡径部12の端面61の全部が軸心直交平面に対して傾斜角θほど傾斜している点である。
傾斜角θは、図では強調して大きく描いたが、大抵は2゜や3゜程度で足りる。その傾斜角θを持った直径Dの端面61を軸心に射影した幅Mは、式[M=D×tanθ]で表される。例えば、直径Dが50mmの場合、傾斜角θが2゜なら端面射影幅Mは約1.7mmになり、傾斜角θが3゜なら端面射影幅Mは約2.6mmになる。
このような拡径部付鉄筋60同士を鉄筋用継手部材40にて連結する鉄筋接続方法を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が継手装着時の接続部分の一部断面図、(b)が拡径部突合部分の拡大図、(c)が拡径部固定後の接続部分の一部断面図、(d)がその拡径部突合部分の拡大図である。また、図2は、鉄筋60の拡径部12の端面61の当接部位を示す側面図であり、(a)が一方の鉄筋60を軸回転させた状態、(b)が双方の鉄筋60,60を逆向きに半分ほど軸回転させた状態である。
鉄筋60を一直線状に二本連ねてそれぞれの拡径部12の端面61を対向させ、それに鉄筋用継手部材40を装着して拡径部12,12を鉄筋用継手部材40の大径中空部に収め、それから、鉄筋用継手部材40をペア編成で構成している鉄筋用継手部材20(第1セグメント)と鉄筋用継手部材30(第2セグメント)の結合を固定するのは、既述したのと同様であり、従来の鉄筋接続方法を踏襲しているが、鉄筋60を対象とした鉄筋接続方法では次の二点が従来と相違する。
すなわち、従来との第1の相違点は、両端面61,61を対向させるときに両端面61,61をなるべく平行にすることである。両端面61,61の平行度が極端に悪いと拡径部12,12の合計長が長くなって拡径部12,12が鉄筋用継手部材40の大径中空部に収まらなくなるので、先ずは、両端面61,61を平行かそれに近い状態にしてから突き合わせることで、拡径部12,12の合計長を短くして、両拡径部12,12が鉄筋用継手部材40の大径中空部に収まるようにしておくのである。
次に、従来との第2の相違点は、鉄筋用継手部材40の結合固定の後、さらに、一方の鉄筋60を固定して他方の鉄筋60を軸回転させる操作か、両鉄筋60,60を反対の向きに軸回転させる操作か、何れかの操作を行うことである。その操作では、両端面61,61が傾斜していることに起因して両端面61,61の平行度が悪化するうちにやがて両端面61,61が相互干渉するに至りこれによって両端面61,61が鉄筋本体軸心方向に突っ張り合うまで行うことと、例えばパイプレンチやトルクレンチ等を使用して強力に行うことが、大切である。
そうすると、拡径部12,12が鉄筋用継手部材40の中で強く拘束されて遊びが無くなる。この結果が得られるためには、鉄筋用継手部材40の大径中空部に両拡径部12,12を収めてから、両首部11,11を引っ張って両拡径部12,12を引き離したとき、両端面61,61の間隙Gが端面射影幅Mより狭くなれば良い。言い換えれば、鉄筋用継手部材40の大径中空部の長さと二本の鉄筋60の両拡径部12,12の合計長とを合わせた鉄筋本体軸心方向のバラツキが端面射影幅Mまで許容される。また、端面61の傾斜角θが小さいので、軸回転操作を止めても、拘束が勝手に解けることはない。
本発明の鉄筋用継手部材と鉄筋接続方法に係る実施例2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図2は、(a)が一方の鉄筋用継手部材82(第1セグメント)の斜視図、(b)が他方の鉄筋用継手部材83(第2セグメント)の斜視図、(c)が拡径部突合部分にネジ形留具付き鉄筋用継手部材80を装着した接続部分の一部断面図である。また、図3(a)〜(c)は、何れも、くさび形留具の斜視図である。
この鉄筋用継手部材80をペア編成で構成する鉄筋用継手部材82,83(第1,第2セグメント)が既述した従来の鉄筋用継手部材20,30と相違するのは(図2(a),(b)参照)、留具嵌挿穴84が追加工されている点である。
留具嵌挿穴84は、鉄筋用継手部材82(第1セグメント)の半筒状部21のうち大径中空部に対応している薄肉部23に貫通して形成されるとともに、鉄筋用継手部材83(第2セグメント)の半筒状部31のうち大径中空部に対応している薄肉部33にも貫通して形成されている。何れも(図2(c)参照)、留具を嵌挿させて先端を大径中空部へ突き出させうるものであり、留具に盲ネジ85を採用した場合、留具嵌挿穴84には全長に亘って雌ネジが加工形成されている。
このような鉄筋用継手部材80を使用して二本の鉄筋60を接続する場合、上述した鉄筋用継手部材40の使用時と同様にして二本の鉄筋60の両拡径部12,12に鉄筋用継手部材80を被装してから結合を固定し更にその後の鉄筋60の軸回転操作を完了させたうえで、それぞれの留具嵌挿穴84に一つずつ盲ネジ85をねじ込んでおく。盲ネジ85のねじ込みは盲ネジ85の先端が留具嵌挿穴84から鉄筋用継手部材80の筒状部(21+31)の大径中空部の中に突き出て拡径部12に食い込むまで行うのが望ましく、そうすることで、確実に、鉄筋60の軸回転ばかりか軸心方向移動も防止されることとなる。
なお、留具嵌挿穴84と盲ネジ85の設置箇所は、図示した端面61,61同士の対向位置に限られるものでなく、拡径部12の外周面に対応した所であっても良い。
また、留具に打ち込み部材を採用した場合は、留具嵌挿穴84は単純な貫通穴でも良い。留具としての打ち込み部材に楔86〜88を用いて(図3(a)〜(c)参照)、それを両端面61,61の間に打ち込めば、鉄筋60の軸回転防止に加えて両端面61,61の突っ張り力の増強まで簡便に実現することができる。
本発明の鉄筋用継手部材と鉄筋接続方法に係る実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図4は、(a)が一方の鉄筋用継手部材92(第1セグメント)の斜視図、(b)が他方の鉄筋用継手部材93(第2セグメント)の斜視図、(c)が拡径部突合部分に鉄筋用継手部材90を装着した接続部分の一部断面図、(d)が拡径部固定後の接続部分の一部断面図である。
この鉄筋用継手部材90をペア編成で構成する鉄筋用継手部材92,93が既述した従来の鉄筋用継手部材20,30と相違するのは、突部94が形成されている点である。
突部94は、鉄筋用継手部材92(第1セグメント)の半筒状部21のうち大径中空部に対応している薄肉部23の内周面に形成されるとともに、鉄筋用継手部材93(第2セグメント)の半筒状部31のうち大径中空部に対応している薄肉部33の内周面にも形成されている。何れも半円状・半環状であり、鉄筋用継手部材92,93を結合させた鉄筋用継手部材90の筒状部(21+31)の大径中空部においては両突部94,94が連なって円状・環状をなすものとなっている。
この場合、二本の鉄筋60の両拡径部12,12を付き合わせて鉄筋用継手部材90の筒状部(21+31)の大径中空部に収めると、突部94が大径中空部に突き出て両拡径部12,12の径方向移動を規制するので、鉄筋用継手部材90の小径中空部における鉄筋60の首部11と鉄筋用継手部材90との間隙91が大きくても、両鉄筋60の軸心がほぼ一直線になる。例えば、楕円のように径が一定でない断面を持つ鉄筋などでは、長径に合わせて鉄筋用継手部材90の小径中空部を作らざるを得ないが、そのようにすると短径方向の間隙91が過大になりやすいところ、鉄筋用継手部材90に突部94を形成しておくことによって簡便に不都合な遊びを無くすことができる。
[その他]
上記実施例では、拡径部12の形状について端面13の傾きは別として外径や厚みに言及しなかったが、本発明を実施する場合、外径が鉄筋径の1.2〜2倍で厚さが鉄筋径の0.3〜1.2倍の辺りが実施しやすい。
また、予め鉄筋用継手部材40,80,90に対して大径中空部を内外へ貫通する複数の充填用穴を離隔部位に形成しておき、本発明の鉄筋接続方法を実施後に、一方の充填用穴からグラウト剤を充填し、他方の充填用穴を見て充填完了を確認し、それから充填用穴に栓をして充填用穴を塞ぐ、ということまで行うようにしても良い。その場合、複数の留具嵌挿穴84が対向位置などに形成されている鉄筋用継手部材80については、充填用穴として留具嵌挿穴84を利用することができる。充填用穴は、栓がネジならネジ穴が良く、栓が打ち込み部材や圧入部材なら単純なキリ穴で良い。
10…鉄筋、11…首部、12…拡径部、13…端面、
20…鉄筋用継手部材(第1セグメント)、
21…半筒状部、22…内向きカラー(小径中空の壁部)、
23…薄肉部(大径中空の壁部)、24…直線状の2辺、
25…外向きフランジ、26…ボルト挿通孔、
30…鉄筋用継手部材(第2セグメント)、
31…半筒状部、32…内向きカラー(小径中空の壁部)、
33…薄肉部(大径中空の壁部)、34…直線状の2辺、
35…外向きフランジ、36…ボルト挿通孔、
40…鉄筋用継手部材、41…ボルト、
60…鉄筋、61…端面、
80…鉄筋用継手部材、
82…鉄筋用継手部材(第1セグメント)、
83…鉄筋用継手部材(第2セグメント)、
84…留具嵌挿穴、85…盲ネジ、86〜88…楔、
90…鉄筋用継手部材、91…間隙、
92…鉄筋用継手部材(第1セグメント)、
93…鉄筋用継手部材(第2セグメント)、94…突部

Claims (4)

  1. 鉄筋の端部に拡径部を形成した拡径部付鉄筋において、前記拡径部の端面が前記鉄筋の軸心に垂直な軸心直交平面に対して傾斜していることを特徴とする拡径部付鉄筋。
  2. 鉄筋の軸心に垂直な軸心直交平面に対して傾斜した端面を有する拡径部を端部に形成した拡径部付鉄筋を一直線状に二本連ねてそれぞれの拡径部の端面を対向させる工程と、小径中空部に挟まれた大径中空部を有する縦割り二分割した筒状部をなす一対の鉄筋用継手部材を前記拡径部付鉄筋に装着して前記拡径部を前記大径中空部に収める工程と、鉄筋用継手部材の結合を固定する工程と、前記拡径部付鉄筋の何れか一方または双方を軸回転させて前記端面同士を突っ張らせる工程とを備えている鉄筋接続方法。
  3. 小径中空部に挟まれた大径中空部に鉄筋端部の拡径部同士を突合わせ状態で収めて拘束しうる筒状部を縦割り二分割した一方の片割れの形をした半筒状部と、この半筒状部と前記筒状部の他方の片割れの半筒状部との結合を固定するのに資する外向部とを備えた鉄筋用継手部材において、前記半筒状部のうち前記大径中空部に対応した部位に、留具を嵌挿させて先端を前記大径中空部へ突き出させうる留具嵌挿穴が、貫通形成されていることを特徴とする鉄筋用継手部材。
  4. 小径中空部に挟まれた大径中空部に鉄筋端部の拡径部同士を突合わせ状態で収めて拘束しうる筒状部を縦割り二分割した一方の片割れの形をした半筒状部と、この半筒状部と前記筒状部の他方の片割れの半筒状部との結合を固定するのに資する外向部とを備えた鉄筋用継手部材において、前記半筒状部のうち前記大径中空部に臨む内周面に、前記大径中空部に鉄筋の拡径部が収められるとその径方向移動を規制する突部が、形成されていることを特徴とする鉄筋用継手部材。
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