JP2017089268A - 鋼管のカプラー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周面に複数の窪み部が設けられた鋼管において、簡易な構造を用いて鋼管の座屈を抑制する。【解決手段】鋼管10のカプラー構造では、鋼管10の外周面に複数の窪み部11が設けられるとともに、鋼管10の外周面にカプラー20が取り付けられている。カプラー20は、鋼管10の外径と略同一の内径を有し、鋼管10の外周面に沿って設けられる枠部21と、枠部21の内周面から突起し、窪み部11に嵌め込まれる突起部22と、を有している。突起部22を窪み部11に嵌め込むことで鋼管10の座屈を抑制しつつ、鋼管10の外周面に枠部21を設けることで窪み部11の周辺を補強することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、外周面に複数の窪み部が設けられた鋼管のカプラー構造に関し、特に鋼管杭や鋼管柱に用いられる鋼管のカプラー構造に関する。
鋼管は、断面が円形であり様々な施工や加工が可能であること、且つ、断面性能の効率がよいことから、杭基礎や柱構造など多様な用途に利用されている。これらの各利用方法に応じて性能を高めるためには鋼管をそのまま活用する訳ではなく、利用方法に応じて加工を必要とすることが多い。
例えば鋼管杭においては、周面摩擦力を向上させ、地盤やコンクリートなどに埋設される際に鋼管杭がずれないようにするため、鋼管の外周面に窪み部を設けている。そして特許文献1では、圧入工法により、窪み部が地盤と接するように鋼管杭を打設することが提案されている。
また、特許文献2では、地山を補強するための鋼管において、周面摩擦力を向上させるため、鋼管の外周面に複数の凸条を設けることが提案されている。この凸条として、鋼管の外周面に凹溝を形成し、この凹溝に別部材からなるリングを嵌合させて固着させることが提案されている。
また、特許文献3には、液状化地盤用の鋼管杭において、液状化により消失した水平抵抗を回復させるため、地盤を攪乱する地盤攪乱体を設けることが提案されている。この地盤攪乱体として、例えば鋼管の外周面に凹面(窪み面)と凸面を交互に形成することが提案されている。
特許第5365462号公報 特許第5470212号公報 特許第2715261号公報
しかしながら、特許文献1に記載された鋼管杭において、鋼管の外周面の窪み部分は構造的に弱い。このため、特に鋼管杭にかかる軸力が大きい箇所では、窪み部分を起点に鋼管が座屈し、鋼管の圧縮耐力や曲げ耐力が低下するおそれがある。
また、特許文献2に記載された地山補強用鋼管では、鋼管の外周面の凹溝にリングを固着させているが、かかる構成は、鋼管の外周面から突起した凸条を設けることを目的とした実現方法の一つにすぎない。すなわち、凹溝にリングが設けられているものの、リングは凹溝を構造的に十分に補強するものではない。
また、特許文献3に記載された液状化地盤用鋼管杭において、鋼管の外周面に窪みを設ける場合、上述した特許文献1に記載された鋼管杭と同様に、特に鋼管杭にかかる軸力が大きい箇所では、窪み部分を起点に鋼管が座屈するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、外周面に複数の窪み部が設けられた鋼管において、簡易な構造を用いて鋼管の座屈を抑制することを提案することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、鋼管のカプラー構造であって、鋼管の外周面に複数の窪み部が設けられるとともに、鋼管の外周面にカプラーが取り付けられ、前記カプラーは、鋼管の外径と略同一の内径を有し、鋼管の外周面に沿って設けられる枠部と、前記枠部の内周面から突起し、前記窪み部に嵌め込まれる突起部と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、カプラーの突起部が鋼管の窪み部に嵌め込まれることで、鋼管の軸力が大きい場合でも、窪み部を起点に鋼管が座屈するのを抑制することができる。しかも、カプラーの枠部が、鋼管の外周面において窪み部周辺に設けられるので、当該窪み部周辺を補強することができる。したがって、本発明のカプラー構造によって、鋼管の座屈を抑制することができ、鋼管の圧縮耐力や曲げ耐力を向上させることができる。
なお、上述した特許文献2に記載された構造では、単に鋼管外周面の凹溝にリングを設けているだけなので、その凹溝周辺までは補強できず、上述した本発明の効果を享受することはできない。
また、従来、鋼管を加工する際には、例えば溶接加工やセメント系材料を用いたグラウト接合などが用いられることが多かったが、これらの加工には、溶接時間やグラウト固化時間を要し、更なる現場での生産性の向上が求められていた。この点、本発明は、鋼管に対してカプラーを嵌め込む簡易な構造を有するので、短時間で加工を行うことができ、さらに加工コストも低廉化することができる。したがって、鋼管の加工を効率よく行い、現場での生産性を向上させることができる。
前記窪み部は鋼管の外周面において周方向あるいは軸方向に傾斜する方向に延伸して設けられ、前記窪み部と略同一周上の鋼管の外周面には、当該窪み部が設けられていない未成形部が残っていてもよい。
前記カプラーは周方向に複数に分割され、前記カプラーには、当該カプラーが鋼管に取り付けられる際、前記枠部を周方向に締結する治具が取り付けられていてもよい。かかる場合、前記治具は、筒状あるいはリング状の鋼材で構成されていてもよい。
前記カプラー構造は、二つの鋼管の継手構造に適用されてもよい。すなわち、前記カプラーは、二つの鋼管を縦継ぎする継手部分に取り付けられ、前記枠部は、一の鋼管の端部と他の鋼管の端部を跨いで設けられ、前記突起部は、鋼管の軸方向に少なくとも2箇所に設けられ、一の鋼管の端部に設けられた前記窪み部に嵌め込まれるとともに、他の鋼管の端部に設けられた前記窪み部に嵌め込まれていてもよい。
前記カプラー構造は、鋼管杭に適用されてもよい。すなわち、前記枠部の外周面には、当該外周面から突起した羽根部が設けられていてもよい。かかる場合、前記羽根部は、前記枠部の外周面に対して螺旋状に設けられていてもよい。また、前記羽根部は、側面視において、当該羽根部の一端部と他端部との間の距離が鋼管の外径の1.5倍以上となるように設けられていてもよい。
前記カプラー構造は、梁・柱接合構造に適用されてもよい。すなわち、鋼管は、梁材の端部に設けられた管材を挿通する柱材として用いられ、前記枠部の外周面は、前記管材側の一端部から他端部に向けて径が拡大するテーパー形状を構成し、前記カプラーの一端部は、前記管材に嵌め込まれてもよい。かかる場合、前記管材の内周面は、前記枠部の外周面に適合するテーパー形状を構成してもよい。
鋼管は前記窪み部とともに、熱間処理あるいは温間処理にて成形されていてもよい。
本発明によれば、外周面に複数の窪み部が設けられた鋼管において、簡易な構成のカプラー構造を用いて、鋼管の座屈を抑制することができる。
本実施の形態にかかる鋼管の一部の構成を示す図である。 図1のA−A断面図である。 本実施の形態にかかる鋼管のカプラー構造を示す図である。 鋼管のカプラー構造の作用効果を説明する図であり、(a)は鋼管の一部を示し、(b)は鋼管に軸力が作用した様子を示す模式図であり、(c)は窪み部にカプラーを取り付けた場合に鋼管に軸力が作用した様子を示す模式図である。 他の実施の形態にかかる鋼管の一部の構成を示す図である。 他の実施の形態にかかる鋼管の一部の構成を示す図である。 カプラー構造を鋼管の継手構造に適用した例を示す図である。 カプラー構造を鋼管杭に適用した例を示す図であり、(a)は鋼管杭を示し、(b)は鋼管に作用する軸力分布を示し、(c)は鋼管に作用する曲げモーメント分布を示す。 カプラー構造を鋼管杭に適用した例において、カプラーに羽根部を設けた例を示す図である。 カプラー構造を梁・柱接合構造に適用した例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.カプラー構造>
先ず、本実施の形態にかかる鋼管のカプラー構造について説明する。図1は、本実施の形態で用いられる鋼管10の本体の一部を示す図である。図1に示すように鋼管10の外周面には、複数の窪み部11が設けられている。窪み部11は、鋼管10の軸方向(以下、単に「軸方向」という。)に所定の間隔で複数設けられるとともに、同一円周上で互いに対称となる位置に複数設けられている。なお、後述の図6に示すように窪み部11は、鋼管10の軸方向に傾斜する方向に延伸して設けられていてもよい。
図2は、図1のA−A断面図である。図2に示すように同一円周上に設けられた一対の窪み部11は、それぞれ周方向に延伸して設けられる。一の窪み部11と他の窪み部11の間には、これら窪み部11が設けられていない未成形部12が残っている。なお、後述の図6に示すように窪み部11が鋼管10の軸方向に傾斜する方向に延伸して設けられる場合でも、窪み部11、11の間に未成形部12が残っている。
なお、鋼管10は窪み部11と共に、熱間処理あるいは温間処理にて成形される。鋼管10の製造ラインには一般的なものが用いられ、例えば特許第5365462号公報に記載された鋼管製造ラインを用いることができる。窪み部11は、該製造ラインにおいて造管工程後に、熱間または温間で、ロールにより鋼管10の外周面を押圧して設けられる。このため、鋼管10は製造ライン上で製造可能であり、例えば別途行われる機械加工にて窪み部11を成形する場合に比して、通常の造管工程により容易且つ経済的に製造される。
図3は、鋼管10のカプラー構造を示す図である。図3に示すように鋼管10の外周面にはカプラー20が取り付けられる。カプラー20は、枠部21と突起部22を有している。なお、カプラー20には、自在に成形可能な材料、例えば鋳鉄や鋳鋼などの鋳物が用いられる。
枠部21は、鋼管10の外径と同一の内径を有し、鋼管10の外周面に沿って設けられる。すなわち、枠部21は鋼管10の外周面と接触して設けられる。なお、鋼管10と枠部21の公差は当然に許容されるものであって、鋼管10の外径と枠部21の内径は略同一であればよい。
突起部22は、枠部21の内周面から突起し、窪み部11に適合する形状を有する。そして突起部22は、窪み部11に嵌め込まれる。なお、突起部22と窪み部11においても公差は当然に許容されるものであって、突起部22の形状と窪み部11の形状はほぼ適合していればよい。
そして、このように突起部22が窪み部11に嵌め込まれることで、カプラー20は軸方向に動かないで固定される。また、窪み部11の間に未成形部12が存在するため、突起部22が未成形部12に接触して引っかかり、カプラー20は周方向に回動しないで固定される。
カプラー20は周方向に複数に分割され、すなわち、枠部21と突起部22はそれぞれ周方向に複数に分割されている。このようにカプラー20を分割することで、突起部22を窪み部11に嵌め込んで、カプラー20を鋼管10に取り付けることができる。カプラー20を鋼管10に取り付ける際には、リング状の鋼材からなる治具23を枠部21の端部に取り付け、当該枠部21を周方向に締結する。なお、治具23の構成は、本実施の形態に限定されず、例えば筒状の鋼材を用いてもよいし、あるいはボルトを用いてもよい。
カプラー20は、鋼管10の外周面において周方向に略全周に設けられる。但し、分割されたカプラー20の間に僅かな隙間があっても許容される。
次に、以上のように構成された鋼管10のカプラー構造の作用効果について、図4に基づいて説明する。なお、図4(b)、(c)においては、説明を容易にするため、鋼管10の一の外周面のみを図示している。
図4(a)に示す窪み部11が設けられた鋼管10に対し、図4(b)に示すように軸力Npが作用すると、鋼管10が窪み部11を起点に座屈し、窪み部11が点線のように変形する。これに対して、図4(c)に示すように鋼管10にカプラー20を取り付けると、突起部22が窪み部11に嵌め込まれる。そうすると、窪み部11に作用する力を突起部22で受けることができるので、窪み部11が座屈により変形するのを抑制することができる。
しかも、枠部21が、鋼管10の外周面において窪み部11の周辺に設けられるので、当該窪み部11の周辺を補強することができる。したがって、本実施の形態のカプラー構造によって、鋼管10の座屈を抑制することができ、鋼管10の圧縮耐力や曲げ耐力を向上させることができる。
また、このように鋼管10に対してカプラー20を嵌め込む簡易な構造を有するので、短時間で加工を行うことができ、さらに加工コストも低廉化することができる。したがって、鋼管10の加工を効率よく行い、現場での生産性を向上させることができる。
なお、鋼管10に対する窪み部11の配置は本実施の形態に限定されず、任意の配置の窪み部11に対して、本実施の形態のカプラー構造を適用できる。例えば図5に示すように窪み部11は、軸方向に所定の間隔を開けて互いに対称となる位置、すなわち側面視において千鳥状に複数設けられていてもよい。あるいは図6に示すように、窪み部11は、鋼管10の軸方向に傾斜して設けられていてもよい。
また、窪み部11の形状も本実施の形態に限定されず、その側面視形状は、三角形状、四角形状、台形状、半円形状などにすることができる。
さらに、窪み部11は同一円周上で円周全体に形成され、未成形部12が省略されてもよい。但し、上述したように未成形部12があると、カプラー20が周方向に回動しないで固定されるため、未成形部12が残されているのが好ましい。
以上のように本実施の形態のカプラー構造は簡易な構造を有し、種々の用途に応じた鋼管10の加工が可能となる。以下、カプラー構造を、鋼管10の継手構造に適用した例、鋼管杭に適用した例、梁・柱接合構造に適用した例について説明する。
<2.鋼管の継手構造>
先ず、本実施の形態の構成されたカプラー構造を、鋼管10の継手構造に適用した例について説明する。図7に示すようにカプラー20は、二つの鋼管10を縦継ぎする継手部分に取り付けられる。
枠部21は、一の鋼管10の端部と他の鋼管10の端部を跨いで設けられる。突起部22は、枠部21の内周面から軸方向に2箇所において突起している。一の突起部22は、一の鋼管10の端部に設けられた窪み部11に嵌め込まれるとともに、他の突起部22は、他の鋼管10の端部に設けられた窪み部11に嵌め込まれる。
カプラー20は周方向に複数に分割され、治具23を枠部21の端部に取り付け、当該枠部21を周方向に締結する。そしてカプラー20は、鋼管10の外周において周方向に略全周に設けられる。
かかる場合、突起部22が窪み部11に嵌め込まれることで、カプラー20は軸方向に動かないで固定され、また突起部22が未成形部12に接触して引っかかることで、カプラー20は周方向に回動しないで固定される。したがって、カプラー構造によって二つの鋼管10は適切に縦継ぎされる。
また、鋼管10の継手構造は、カプラー20と治具23のみで構成されており、またカプラー20も枠部21に突起部22を設けたのみであるため、加工度は極めて小さく、既存の継手構造に比較して、加工コストを大幅に低廉化することができる。
<3.鋼管杭>
次に、本実施の形態のカプラー構造を、鋼管杭に適用した例について説明する。図8(a)は、鋼管10の外周面に複数のカプラー20が取り付けられた鋼管杭を示す図である。鋼管杭は基礎杭であって、鋼管10の基端部がコンクリート基礎30に埋め込まれ、他部分が地盤に埋設される。かかる鋼管杭の寸法は次のとおりである。鋼管10の長さは例えば2m〜20mである。鋼管10の外径は例えば40mm〜200mmである。鋼管10の厚み(板厚)は例えば2.3mm〜9mmである。窪み部11の軸方向の間隔は例えば200mm〜300mmである。窪み部11の深さは例えば7mm〜11mmである。未成形部12の周方向の長さは例えば10mm〜20mmである。
図8(b)は鋼管10に作用する軸力分布を示し、図8(c)は鋼管10に作用する曲げモーメント分布を示す。鋼管10においてカプラー20は、軸力が大きく応力状態が厳しい箇所に取り付けられる。具体的には、例えば地表面から鋼管10の先端部までの距離をLとした場合に、地表面から距離L/3までの間に設けられた窪み部11に対して、カプラー20が取り付けられる。
かかる場合、応力状態が厳しく座屈が生じやすい窪み部11に対しては、カプラー20によって当該窪み部11が補強され、鋼管10の座屈を抑制することができる。一方、応力状態が緩い箇所に設けられた窪み部11に対しては、カプラー20を設ける必要がない。かかる窪み部11は、周面摩擦力を向上させる機能を発揮し、地盤に埋設される際に鋼管杭がずれるのを抑制することができる。したがって、本実施の形態の鋼管杭によれば、カプラー20によって構造的に弱い箇所を補強しつつ、窪み部11の機能も発揮させることができる。
カプラー構造を鋼管杭に適用する場合、図9に示すようにカプラー20に羽根部24を設けてもよい。羽根部24は、枠部21の外周面から突起して設けられる。この羽根部24により、鋼管10の引き抜き抵抗を向上させることができる。
ここで、従来、羽根部は鋼管に直接溶接されて設けられていた。かかる場合、鋼管と羽根部の溶接部分は鋼管の厚み(板厚)が小さいため、構造的に弱く耐力が小さい。そうすると、この溶接部分が、例えば引き抜き力によって損傷を被るおそれがあった。この点、本実施の形態の羽根部24はカプラー20に設けられるので、当該羽根部24が設けられた部分は、鋼管10の厚みにカプラー20(枠部21)の厚みが加わり補強される。したがって、鋼管10の引き抜き抵抗を向上させることができる。
また、従来のように羽根部を鋼管に直接溶接する必要がなく、羽根部24が設けられたカプラー20を量産することができる。このため、鋼管10とカプラー20を分割して輸送することができる。ここで、従来、羽根部が設けられた鋼管を現場まで輸送する際、当該羽根がスペースをとり邪魔になるため、輸送効率が悪かった。この点、本実施の形態によれば、鋼管10とカプラー20を分割して輸送することで搬送効率を格段に向上させることができる。また、現場では鋼管10に対してカプラー20を取り付けるだけでよく、現場での生産性を向上させることができる。さらに、現場での地盤条件などに応じて、カプラー20に対して羽根部24の追加や削除を容易に行うことができる。
カプラー20においては、突起部22が窪み部11に嵌め込まれることで、カプラー20は軸方向に動かないで固定される。このため、羽根部24に引き抜き力が作用しても、当該引き抜き力は鋼管10の軸方向に伝達される。
また、窪み部11の間に未成形部12が存在するため、突起部22が未成形部12に接触して引っかかり、カプラー20は周方向に回動しないで固定される。鋼管10は回転されながら地盤に打設されるが、この際、カプラー20に回転力が作用する。かかる場合でも、カプラー20が回動しないので、当該回転力が鋼管10に伝達され、回転抵抗を発揮することが可能となる。
羽根部24の形状は、特に限定されるものではないが、枠部21の外周面に対して螺旋状、すなわち側面視において軸方向より傾斜して設けられているのが好ましい。かかる場合、鋼管10を回転させながら地盤に打設する際の施工性を向上させることができる。
また、側面視において、羽根部24の一端部と他端部との間の距離Sは、鋼管の外径Dの1.5倍以上であるのが好ましい。かかる場合、鋼管10の引き抜き抵抗をさらに向上させることができる。
なお、かかる鋼管杭において、二つの鋼管10を縦継ぎする際には、図7に示した継手構造を用いてもよい。
<4.梁・柱接合構造>
次に、本実施の形態のカプラー構造を、梁・柱接合構造に適用した例について説明する。図10に示すように鋼管10は、梁材40の端部に設けられた管材41を挿通する柱材として用いられる。なお、管材41には例えば鋼管が用いられる。
枠部21の一端部(管材41側の端部)の外径C1は、他端部の外径C2よりも小さい。すなわち、枠部21の外周面は、一端部から他端部に向けて径が拡大するテーパー形状を構成する。そして、鋼管10を管材41に挿通させて、枠部21を管材41に嵌め込むと、当該枠部21が管材41に係止される。こうして、柱・梁接合構造が構成される。
なお、本実施の形態の梁・柱接合構造では、枠部21が管材41に嵌め込まれることによって、分割された複数の枠部21が周方向に締結される。このため、上述した治具23が不要となる。
管材41の内周面の形状は特に限定されるものではないが、枠部21の外周面に適合するテーパー傾向を有するのが好ましい。かかる場合、枠部21の外周面と管材41の内周面が面接触するため、枠部21が管材41により適切に係止される。
カプラー20においては、突起部22が窪み部11に嵌め込まれることで、カプラー20は軸方向に動かないで固定される。このため、梁材40から受ける鉛直荷重は、鋼管10の軸方向に伝達される。
また、窪み部11の間に未成形部12が存在するため、突起部22が未成形部12に接触して引っかかり、カプラー20は周方向に回動しないで固定される。したがって、カプラー構造によって梁材40と鋼管10は適切に接合される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、外周面に複数の窪み部が設けられた鋼管を、鋼管杭や鋼管柱に用いる際に有用である。
10 鋼管
11 窪み部
12 未成形部
20 カプラー
21 枠部
22 突起部
23 治具
24 羽根部
30 コンクリート基礎
40 梁材
41 管材

Claims (11)

  1. 鋼管のカプラー構造であって、
    鋼管の外周面に複数の窪み部が設けられるとともに、鋼管の外周面にカプラーが取り付けられ、
    前記カプラーは、
    鋼管の外径と略同一の内径を有し、鋼管の外周面に沿って設けられる枠部と、
    前記枠部の内周面から突起し、前記窪み部に嵌め込まれる突起部と、を有することを特徴とする、鋼管のカプラー構造。
  2. 前記窪み部は鋼管の外周面において周方向あるいは軸方向に傾斜する方向に延伸して設けられ、
    前記窪み部と略同一周上の鋼管の外周面には、当該窪み部が設けられていない未成形部が残ることを特徴とする、請求項1に記載の鋼管のカプラー構造。
  3. 前記カプラーは周方向に複数に分割され、
    前記カプラーには、当該カプラーが鋼管に取り付けられる際、前記枠部を周方向に締結する治具が取り付けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼管のカプラー構造。
  4. 前記治具は、筒状あるいはリング状の鋼材で構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の鋼管のカプラー構造。
  5. 前記カプラーは、二つの鋼管を縦継ぎする継手部分に取り付けられ、
    前記枠部は、一の鋼管の端部と他の鋼管の端部を跨いで設けられ、
    前記突起部は、鋼管の軸方向に少なくとも2箇所に設けられ、一の鋼管の端部に設けられた前記窪み部に嵌め込まれるとともに、他の鋼管の端部に設けられた前記窪み部に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼管のカプラー構造。
  6. 前記枠部の外周面には、当該外周面から突起した羽根部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鋼管のカプラー構造。
  7. 前記羽根部は、前記枠部の外周面に対して螺旋状に設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の鋼管のカプラー構造。
  8. 前記羽根部は、側面視において、当該羽根部の一端部と他端部との間の距離が鋼管の外径の1.5倍以上となるように設けられていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の鋼管のカプラー構造。
  9. 鋼管は、梁材の端部に設けられた管材を挿通する柱材として用いられ、
    前記枠部の外周面は、前記管材側の一端部から他端部に向けて径が拡大するテーパー形状を構成し、
    前記カプラーの一端部は、前記管材に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼管のカプラー構造。
  10. 前記管材の内周面は、前記枠部の外周面に適合するテーパー形状を構成することを特徴とする、請求項9に記載の鋼管のカプラー構造。
  11. 鋼管は前記窪み部とともに、熱間処理あるいは温間処理にて成形されたことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の鋼管のカプラー構造。
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