JP6651969B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、像担持体上の画像情報に基づいてトナー像を形成し、該トナー像を紙やOHPシート等の記録材上に転写し、トナー像を担持した記録材を定着装置に通して熱と圧力によりトナー像を記録材上に固定する。その固定方法の一つとして、「熱ローラ方式」がある。
「熱ローラ方式」の定着装置は、ハロゲンヒータなどの加熱源により加熱される定着ローラと加圧ローラでニップ部を形成し、画像を担持した記録材をニップ部に通すことで、熱と圧力によりトナーを溶融させて定着させる。熱ローラ方式は安価であり、安全性や高速機への対応性等の観点からモノクロ機で広く用いられている。
一方、トナーは熱により溶融し、記録紙の繊維間に浸み込むことができる。また、同時に、定着ローラにも付着しやすい。また、トナーが溶融し、定着ローラあるいは定着ベルトに対する付着力が紙への接着力よりも大きくなると、溶融したトナーは、記録紙から定着ローラあるいは定着ベルトへ移行しオフセットとなる。この移行したオフセットトナーは、熱ローラ方式の場合には、定着ローラ表面、分離爪、サーミスタ等の温度センサに固着し、固着したトナーが記録紙に再付着し、いわゆる黒ポチが生じて画像を汚すことがある。
この再付着トナーの発生及び定着ローラや定着ベルトへの固着性は、トナー物性の違いによる差が大きく、また用紙に含まれる填料の影響も大きい。特に、粉砕法で作成された重質炭酸カルシウムを填料に含む用紙を使用した際には、トナー及び用紙の重質炭酸カルシウムによって形成された固着物の定着ないしは加圧ローラへの固着性が悪く、上記黒ポチを含む異常画像として発生しやすい。また、トナーとしてはオフセット性の悪いトナーにおいて悪化が顕著である。
印刷画像としては白紙の地汚れトナーがオフセット性、固着性ともに悪い。一方、定着ローラに発生した予兆段階の固着トナーは、セルフクリーニング効果により、未定着トナーとともに用紙に吐き出される。その効果は、画像面積率が高いほど大きく、トナーの固着がより発生しにくい。上記予兆段階とは、トナーが目視確認可能なサイズ以下の段階であり、例えば、1mm程度以下のトナーが固着している段階である。
このような問題点に鑑み、例えば、特許文献1では、クリーニングウェブを定着ローラ又は加圧ローラへ当接、摺擦させることにより、定着ローラ又は加圧ローラへ付着したトナーをクリーニングしている。
特許文献2では、従動回転する定着ローラに対して、所定の負荷トルクを付与することにより、定着ローラと加圧ローラとの間に微小な速度差を生じさせ、定着ベルト表面に付着したワックスをクリーニングすることにより、光沢ムラの異常の発生を防止する技術が開示されている。
しかし、特許文献1、2においては、通紙される紙情報によって動作を決定する仕組みは搭載されていない。このため、通紙される紙の炭酸カルシウム含有量が少なく、トナー固着が発生する可能性の少ない場合でも、クリーニングウェブを駆動したり、負荷付与手段が動作したりすることになり、定着部材や加圧部材の寿命低下に繋がる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、定着部材や加圧部材の寿命を低下させることなく、トナー固着による異常画像の発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着装置と、前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材と、少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得するデータ取得部と、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定する条件決定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、定着部材や加圧部材の寿命を低下させることなく、トナー固着による異常画像の発生を抑制することが可能となる。
普通紙の表面及び裏面におけるSEM写真の一例を示す図である。 ATR法を説明するための模式図である。 ATR法におけるクリスタルの違いによるサンプルの侵入深さの違いを説明するための図である。 ATR法で得られるスペクトルの一例を示す図である。 図4のスペクトルにおけるピーク面積A、Bを求める条件の一例を示す図である。 定着装置の一例を示す模式図である。 定着装置の他の例を示す模式図である。 回転負荷付与部材の一例を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す模式図である。 炭酸カルシウム/セルロース(重量比)に対してA/Bをプロットした一例を示す図である。 炭酸カルシウム濃度に対してA/Bをプロットした一例を示す図である。 ATR法における加圧力に対して炭酸カルシウム濃度をプロットした一例を示す図である。 炭酸カルシウム濃度(ATR法)と炭酸カルシウム濃度(JIS法)をプロットした一例を示す図である。
以下、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の画像形成装置は、定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着装置と、前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材と、少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得するデータ取得部と、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定する条件決定部と、を備えることを特徴とする。
以降、詳細を説明するが、データベースに従来とは異なる所定の普通紙表面の炭酸カルシウム量を用い、通紙される印刷媒体の炭酸カルシウム量に応じて、定着部材又は加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材の回転負荷を決定することにより、所期の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
なお、以下、普通紙(固体)の表面又は裏面に占める「炭酸カルシウム量」を「炭酸カルシウム濃度」と称して説明する。
まず、本発明の前提について、従来行われてきた炭酸カルシウム量(炭酸カルシウム濃度)の求め方に触れつつ説明する。普通紙は、基本的には紙の繊維であるセルロースと填料からなる。填料は、普通紙に白さを与え、透けにくくするとともに、普通紙の表面の平滑性や柔軟性を与えるために、紙に抄き込まれている。填料としては、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等が用いられるが、最近では紙の中性化の流れから、コストが低く、填料として優れている炭酸カルシウムが主に使われている。
普通紙にセルロースを十分に使い、透けにくい普通紙であれば、炭酸カルシウムをそれほど多く使用する必要はないが、コストを下げるため、セルロースの量を少なくした普通紙では、大量の炭酸カルシウムが抄き込まれている。また、針葉樹から作製される普通紙は、繊維が広葉樹に比べて太く、長いため、普通紙の強度を高めることができる反面、普通紙表面の凹凸が広葉樹に比べて大きいため、炭酸カルシウムを多く抄き込む必要がある。
電子写真方式における画像形成では、普通紙上にトナー像を転写し、定着工程でトナーを定着する。画像形成装置の感光体(直転システム)、中間転写体、搬送ベルト、定着部材は、画像形成のたびに、普通紙と接し、普通紙が押圧される。感光体、中間転写ベルト、搬送ベルト、定着部材は基本的に有機物であるため、炭酸カルシウムよりも柔らかく、画像形成を繰り返すと普通紙表面の炭酸カルシウムが部材を傷つけたり、部材に食い込み、様々な不具合を起こすことがある。不具合の発生のしやすさは、当然、炭酸カルシウムが多い普通紙ほど、発生しやすい。
画像形成装置メーカーは、炭酸カルシウムが多い普通紙は、不具合が発生しやすいことが分かっているため、推奨紙として、炭酸カルシウムの少ない普通紙を指定し、その普通紙を基準に装置開発を行い、ユーザーに対しても、推奨紙の使用を強く要請していた。
しかし、画像形成に対するコスト低減の要求から、ユーザーは推奨紙ではなく、安価な普通紙を用いることが非常に多くなってきた。特に安価な普通紙のほとんどは、コストの高いセルロースを少なくし、コストの低い炭酸カルシウムを多くし、PPC(Plain Paper Copier)用として販売している。これら炭酸カルシウムを多くした普通紙は白く、初期は画像形成が問題なく行われることが多いため、ユーザーは好んで使用するようになってきた。
また、炭酸カルシウムの多い普通紙は一般に、普通紙の表面と裏面の炭酸カルシウムの量の差が大きい。普通紙は、セルロース、填料等を水に分散したパルプを、網の上に抄かれ製造される。網に抄かれる際、網側は、炭酸カルシウムが流れ落ちやすいため、普通紙の表と裏とでは炭酸カルシウムの量が通常異なっており、全体の炭酸カルシウムの量が多いと、表と裏との炭酸カルシウムの量の差は大きくなる。
図1に一例として、同一の普通紙の表と裏のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を示す。なお、図1はHAMMERMILL COLOR COPY DIGITAL(普通紙、INTERNATIONAL PAPER製)表面のSEM像であり、炭酸カルシウムが多い面を(a)表面、少ない面を(b)裏面と表記している。図示されるように、普通紙の表と裏とでは、炭酸カルシウムの量が大きく異なることが分かる。
普通紙表面の炭酸カルシウムの量は、普通紙の白さに大きく影響するとともに、環境に対する機械的特性、表面の潤滑性にも影響を与える。表と裏の炭酸カルシウム量の差が多いと、画像形成を行った後の普通紙がカールしてしまう場合があり、普通紙の両面に画像形成を行うと、その傾向が大きくなることがある。
画像形成を行う普通紙が、一定であれば、画像形成装置メーカーは、その普通紙に対して、品質と耐久性を両立した画像形成方法を行うことができる。しかし、現在販売されている普通紙の種類は多く、ユーザーはその都度、購入した普通紙を用いるため、必ずしも一定の普通紙を使うとは限らない。
そのため、画像形成装置メーカは、市場に出回っている普通紙に対して、常に情報を集め、それぞれの普通紙の情報を蓄積している。特に、前述のように炭酸カルシウムによる不具合の発生の事例が多いため、炭酸カルシウム量のデータを蓄積している。
普通紙全体の炭酸カルシウムの定量方法としては、JIS P 8251により普通を燃焼させた灰分の量を測定し、炭酸カルシウムに換算する方法が広く用いられている。しかし、この方法では、普通紙全体での炭酸カルシウムの量しか分からず、表、裏の炭酸カルシウムの量は分からない。
その他の分析方法としては、蛍光X線分析法(XRF)により、普通紙中のCaを定量し、炭酸カルシウムに換算する方法があるが、分析領域が深く、普通紙の厚み方向全てを測定してしまうため、普通紙表面のみの炭酸カルシウム量を測定することはできない。
また、普通紙表面のエネルギー分散型X分析(EDS/EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)によりCaの量を測定し、炭酸カルシウムの量に換算する方法も考えられる。しかし、測定領域(面積)が非常に狭いため、測定点による測定値のバラツキが極めて大きく、普通紙表面の炭酸カルシウムの量を提示することができるものではなかった。
赤外分光光度法(IR)による分析では、表面分析としてATR法(全反射法)が用いられてきた。ATR法は、サンプルをATRクリスタルに接触させ、クリスタル側から入ったIR光が、クリスタル界面で全反射する際、IR光がサンプル側にわずかに滲みだす際にIR光が吸収され、IRスペクトルが得られる。図2にATR法を説明するための概略模式図を示す。
特に、クリスタルにGeを用いた場合には、IR光の侵入深さが0.2〜0.8μmしかないため、サンプル表面に薄く付着した付着物を定量することができる(特許第5555997号公報、特許第5470902号公報)。また、トナー表面のワックスの存在比率の測定にもATR法が用いられている(特許第5546271号公報)。
また、特開2010−117586号公報には、ATR法により測定したIRスペクトルの炭酸カルシウムの1421cm-1のピーク面積とセルロースの1036cm-1のピーク高さの比から、紙表面の炭酸カルシウムを相対的に評価する方法が開示されている。
しかし、特開2010−117586号公報に開示されている炭酸カルシウム量とあるのは、それぞれのピーク高さの比でしかなく、具体的に普通紙表面に存在する炭酸カルシウムの量を定量したものではない。また、特開2010−117586号公報に開示されているそれぞれのピーク高さ比の値は、実際に存在する普通紙表面の炭酸カルシウムの量が圧倒的に異なる場合の上下関係を評価できるものの、普通紙の同一面であっても、IRスペクトルのピーク高さの比は非常に大きくバラツキ、一定にならなかった。
これは、図1で示したように、普通紙表面は凹凸が激しく、むしろ平面がなく、そのため、ATR法におけるIR光の侵入深さでは、測定される普通紙の領域が浅いためである。また、特開2010−117586号公報の方法は、普通紙とクリスタルを接触させる際の加圧力が規定されていないため、普通紙とクリスタルとの接触状態が測定のたびに変わってしまい、普通紙とクリスタルとの間に隙間が生じてしまう。このため、IR光が実際に普通紙に侵入する深さが変わってしまい、ピーク高さの比がばらついてしまう。
また、ATR法によるIR光の侵入深さは、IR光の波数により変化するため、注目するIRスペクトルの2つのピークの波数が離れていると、普通紙とクリスタルとの間に隙間が生じやすい場合には、IR光が実際に普通紙に侵入する深さがそれぞれの波数で大きく変わってしまう。このため、ピークの比が大きくばらついてしまい、普通紙表面の炭酸カルシウムの指標としても、用いることができなかった。このようにATR法による普通紙表面の炭酸カルシウムの定量を行うことには問題があった。
以上のような理由から、普通紙の表裏それぞれの炭酸カルシウムの量は、画像形成に大きな影響を与えるにも関わらず、炭酸カルシウムの濃度に関しては、普通紙全体に対する濃度しか得られていなかった。
これに対し、本発明における炭酸カルシウム量の求め方について説明する。
上記の問題を考慮しつつ、本発明者は、普通紙表面の付着物を一般的に用いられるGeをクリスタルとするATR法による定性分析を行っていたところ、同じ普通紙の面内であれば、IRスペクトルの吸光度は測定箇所により最大の吸光度は変化するものの、全体的な形状は大きく変化するものではないことに気が付いた。
そこで、IR光の侵入深さの深いダイヤモンドをクリスタルに用いたところ、クリスタルにGeを用いた場合に比べ、測定ごとの吸光度のばらつきが小さくなることが分かった。
クリスタルであるダイヤモンドは、Geより圧倒的に硬いため、Geの場合に比べてクリスタルにサンプルを強く押し付けることができる。そこで、サンプルをクリスタルに押し付ける加圧力を徐々に上げていったところ、80N以上で、IRスペクトルがほぼ安定することを見出した。
特に、炭酸カルシウムのIRピークとして873cm-1のピーク面積と、セルロースのIRピークとして897cm-1のピーク面積の比は、同じ紙の同じ面であれば、ほぼ一定となることを見出した。
さらに、様々な普通紙について873cm-1のピーク面積と897cm-1のピーク面積の比が、前述の(JIS P 8251)普通紙の燃焼灰分から求めた炭酸カルシウムの濃度と良い相関が得られることが分かり、ATR法による普通紙表面の炭酸カルシウム濃度の定量が可能であることが判明した。これにより、従来のデータベースにはなかった、普通紙表面の炭酸カルシウム濃度という、非常に重要なデータをデータベースに追加させることができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明では、少なくとも普通紙の製品名(品名(型番))、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有する普通紙情報のデータベースから、印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得する。なお、データベースは必要に応じて、製造会社名等のその他の情報を有していてもよく、製造会社名、ロット番号、登録日、データの登録番号があることが好ましい。
普通紙表面の炭酸カルシウム濃度は、表面と裏面の値がデータベースに記録されている。普通紙は通常、包装されていることが多く、包装を開封した際の開封面を表面、その背面を裏面と呼ぶとよいが、データベース内のデータが統一されていれば、どちらでも構わない。
本発明において、普通紙表面の炭酸カルシウム濃度は、ATR法におけるクリスタルとしてダイヤモンド、ZnSe又はダイヤモンド/ZnSeのいずれかを用い、80N以上の圧力でクリスタルと普通紙を密着させて測定し求める。これにより求められるIRスペクトルの、炭酸カルシウム由来のピーク面積と、セルロース由来のピーク面積から普通紙表面の炭酸カルシウム濃度を算出する。
普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法においては、クリスタルとしてダイヤモンド、ZnSe、ダイヤモンド/ZnSeのいずれかを用いる。これらのクリスタルは、屈折率が2.4である。ATR法によるIR光の侵入深さは、サンプルの屈折率とIR光の入射角から計算することができる。図3にIR光の侵入深さを説明するためのグラフを示す。図3ではサンプルの屈折率を1.5として計算している。図に示されるように、ダイヤモンド、ZnSeはGeに比べてIR光の侵入深さが大きくなっている。
普通紙表面には平滑面はなく、凹凸が激しいため、炭酸カルシウムの濃度を安定に定量するためには、IR光の侵入深さはできるだけ深いことが好ましい。ダイヤモンド、ZnSe、ダイヤモンド/ZnSeのクリスタルでは、IR光の侵入深さがGeよりも深く、特に1000cm-1より低端数側では、侵入深さは2μm以上となり特に好ましい。普通紙の厚みは通常、90〜180μmであるため、上記IR光の侵入深さは、普通紙の厚みに比べれば非常に浅く、測定領域が普通紙表面のみであることが分かる。
普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法において、ATR法でのIR光の入射角、反射回数は、安定にIRスペクトルが測定できるのであれば特に制限はないが、ATR装置の入射角は45°の製造コストが最も低く、安定なIRスペクトルが得られるため好ましい。反射回数は、複数回の場合、IRスペクトルが測定箇所でばらつくことがあるため、1回反射が好ましい。
普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法においては、普通紙をクリスタルに押し付ける際の加圧力が非常に重要である。測定箇所が全く同じであれば、加圧力が同じなら、同じIRスペクトルを得ることができる。ただし、全く同じ測定箇所であっても、加圧力を変化させると、IRスペクトルは変化し、特に加圧力が弱いとその変化が大きい。これは、加圧力が弱いと、普通紙表面とクリスタルの間に隙間が生じてしまうため、図3のIR光の侵入深さから、普通紙表面の普通紙表面とクリスタルの間に隙間を差し引いた領域しか測定できなくなるためである。
このため、普通紙をクリスタルに押し付ける際の加圧力は強ければ強いほどIRスペクトルは安定して測定することができる。しかし、あまり強すぎると、ATR装置を破損させる危険性もある。そのため、装置が壊れず、かつ、安定したIRスペクトルが得られる加圧力を選択する必要がある。具体的な加圧力は、80N以上、好ましくは90〜150N、さらに好ましくは95〜120Nである。加圧力が80Nより弱いと、IRスペクトルは変化しやすい。
普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法において、ATR法により得られたIRスペクトルから、炭酸カルシウムに起因するピーク面積(A)とセルロースに起因するピーク面積(B)の比A/Bより、炭酸カルシウムの濃度に換算し、普通紙表面の炭酸カルシウムを定量することができる。
普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法に用いる炭酸カルシウムのピークとしては、セルロースのIRスペクトルにピークがない波数のピークであればどのピークであってもよい。また、普通紙表面の炭酸カルシウムの定量方法に用いるセルロースのピークとしては、炭酸カルシウムのIRスペクトルにピークがないピークであればどのピークであってもよい。
とはいえ、ATR法におけるIR光の侵入深さは前述のように波数依存性があるため、炭酸カルシウムの定量方法に用いる炭酸カルシウムとセルロースのピークの組としては、波数の近いピークの組を選ぶことが好ましい。これは、炭酸カルシウムに起因するピーク面積(A)とセルロースに起因するピーク面積(B)の比A/Bは、同じ深さの領域の炭酸カルシウムとセルロースの量の比となるため、A/Bは安定な値になりやすいためである。
普通紙表面についてATR法により得られたスペクトルの一例を図4に示す。また、各ピーク面積の算出に用いるベースラインと領域の一例を図5に示す。具体的に用いるIRピークとしては、図4に示す各IRピークが最も好ましい。
図4、図5では、ピーク面積A、Bを求める際の領域をそれぞれ、約879〜867cm-1、904〜890cm-1としている。ベースライン、領域の取り方は、適宜変更することが可能であるが、ベースラインは、ピーク両側の極小値の付近に共通接線を引き、ベースラインとピークとの差分が、半分程度まで下がるところまでの領域面積を計算する。別サンプルにおいても図5に示す領域は変えないようにする。なお、炭酸カルシウムに起因するピークとセルロースに起因するピークが近くに出現するため、1つのベースラインでピーク面積A、Bを求めることができる。
A/Bの値を計算する際のそれぞれのピークは、波数が近く、IR光の侵入深さが非常に近いため、凹凸のある普通紙であっても、それぞれのピークのピーク面積は、相対的に変化はするものの、それらの比であるA/Bは、ほぼ一定の値となる。
A/Bは、測定領域(普通紙表面)の炭酸カルシウムの重量とセルロースの重量の比に相関している。そのため、A/Bの値だけであっても、普通紙表面の相対的な比較を行うことができる。A/Bの値を具体的な炭酸カルシウムの濃度(wt%、炭酸カルシウム/(炭酸カルシウム+セルロース)×100)とするためには、表面の炭酸カルシウムとセルロースの重量比が既知である普通紙のA/Bを測定して検量線を作り、炭酸カルシウム濃度に換算することで普通紙表面の炭酸カルシウム濃度を定量することができるようになる。
しかし、表面の炭酸カルシウムとセルロースの重量比が既知である普通紙を用意することは難しい。そのため、市販されている炭酸カルシウム粉とセルロース粉を十分に混合し、この混合粉を表面の炭酸カルシウムとセルロースの重量比が既知である普通紙として代用することができる。
ATR法におけるクリスタル、入射角が同じであっても、測定装置によって、IRスペクトルが若干異なって測定される。測定装置によって、測定条件(測定波数領域、間隔、加圧力)を完全に同じにすることはできないため、それぞれの測定装置において、検量線を作成することが好ましい。また、測定装置のメンテナンスの際にも検量線を作り直すことが好ましい。測定条件が一定であれば、炭酸カルシウムの量は正確な値となる。
普通紙は通常、例えば500枚ごとに一枚の包装紙に包装された状態で販売されている。包装紙は普通紙を内封して折り畳められ、普通紙の片面の中央で貼り合わして密封している。ユーザーは貼り合わせた面を上にして包装紙を開封し、その状態で画像形成装置に普通紙をセットするため、包装紙を貼り合わせている面を表面と定義し、包装紙を貼り合わせていない面を裏面と定義する。
普通紙のデータベースにおいては、普通紙表面の炭酸カルシウム濃度の他、例えば、基本特性である坪量、厚さや、密度、平滑度、透気度、静摩擦係数等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
また、普通紙の物理強度特性として、クラー剛度、曲げ剛度、SST縦繊維配向、潤滑引張強さ、耐屈折回数、表面強度、内部結合強さ等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
さらに、光学特性として、ISO白色度、ISO不透明度、色調、蛍光強度、光沢度、ヘーズ度等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
電気特性としては、表面抵抗、体積抵抗等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
水特性としては、水分、ステキヒトサイズ度、コップ給水度、浸水伸度等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくても良い。
成分特性として、灰分、填料の種類、紙面pH等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
製品特性として、生カール、オープンカール、切口ランク、チリ等、既存の方法により測定した値があると、非常に有用であるが、全てのデータがなくてもよい。
上記データが、一つの普通紙に対してひも付けされたデータ群を、各普通紙に対して蓄積したデータベースは、各普通紙を用いて画像形成を行う際に、非常に有用なデータ群となる。
普通紙は、同じメーカーの同じ品名のものであっても、常に一定であるとは限らないため、データベースの値は更新することが好ましい。
これらのデータべースから、各ユーザーの使用する普通紙を識別し、それぞれの普通紙に適した画像形成条件を設定することで、高品質の画像が長期にわたって形成可能となる。
普通紙のデータベースは、画像形成装置に内蔵する記憶装置やインターネット等を介した外部記憶装置に記憶されており、ユーザーが使用する普通紙に応じて、データを入手し、活用する。
ユーザーが使用する普通紙を画像形成装置が認識する方法としては、ユーザーあるいはサービスマンが入力する。入力はタッチパネル等による入力の他、バーコードやICチップ等による読み取りを行うことで行うことができる。
なお、画像形成しようとする印刷媒体がデータベースにない場合は、特殊な普通紙でない限り発生しないと想定されるが、データベースからデータを取得できない場合は、例えばユーザーが手動で設定できる、デフォルト値による設定が適用されるなどの態様にしておくことが好ましい。
(定着装置)
<定着装置の一実施形態>
次に、本発明の画像形成装置が有する定着装置について説明する。定着装置においては、定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる。本発明における定着装置の一実施形態の構成について説明する。
まず、定着装置に熱ローラ方式を採用した構成について説明する。本実施形態の定着装置は、中空の芯金と離型層から成り、内部に熱源を有する定着ローラと、定着ローラに圧接して配置され、定着ローラの回転に従動して回転する弾性層を有する加圧ローラと、を有する。
図6に本実施形態に係る定着装置の模式図を示す。図6は、熱ローラ方式を採用した定着装置12の構成を示す図である。図6に示すように、定着装置12が有する定着ローラ28は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周に、加圧ローラ30とニップを形成し、表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。
離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂からなる耐熱性チューブとして使用される。
表層には、さらに耐摩耗性を確保するために、カーボン、SiCのような耐磨耗性添加剤が10質量%添加されている。添加剤は3質量%以上添加すると十分な耐摩耗性が得られる一方、20質量%以上添加されると定着ローラ28の表面に露出する割合が増え、トナー離型性が悪化することがある。
さらに、定着ローラ28の芯金中には定着ローラ28の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ等の熱源33が配設される。熱源33はハロゲンヒータに限ったものではなく、誘導加熱や面状発熱体が用いられてもよい。
加圧ローラ30は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層を適度な厚みで備え、定着ローラ28と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ30は、定着ローラ28に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を弾性変形させることにより、定着ローラ28との間で一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部Nを形成する。
また、定着された転写紙を剥離するための分離爪34が定着ローラに接して、設置される。分離爪34は、定着ローラ軸方向に必要に応じ数箇所配置してもよい。分離爪34は、トナー固着を抑制するためにPTFE、PFA、FEPなどの高分子樹脂で表面が形成される。
さらに、定着ローラ28、加圧ローラ30等のヒータを制御するために、各部材の温度を検知するためにサーミスタ等の温度センサ36を設け、加熱制御手段である加熱制御コントローラにより温度が制御される。本実施形態における定着設定温度は、トナー粘弾性及び定着性試験の結果から、160℃に設定されている。
<定着装置のその他の実施形態>
次に、定着装置のその他の実施形態について説明する。本実施形態ではベルト定着方式の定着装置である。本実施形態の定着装置は、加熱源により加熱される加熱回転体と、加熱回転体に平行して配置された定着回転体と、加熱回転体と定着回転体との間に架け回された無端状の定着ベルトと、定着ベルトを介して定着回転体を押圧する加圧回転体と、を有する。
図7に本実施形態に係る定着装置の模式図を示す。ベルト定着方式は、可撓性を有する無端状の定着ベルト251と、加圧ローラ252の他に、定着ローラ253と、加熱ローラ254と、ハロゲンヒータ25を備えている。
定着ベルト251は、定着ローラ253及び加熱ローラ254により支持されている。
定着ローラ253は、芯金41上に、弾性層42が形成されている。
芯金41を構成する材料としては、特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
弾性層42を構成する材料としては、特に限定されないが、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料が挙げられる。
加熱ローラ254の内部(内周面側)には、ハロゲンヒータ25が設けられている。
定着ベルト251は、基材上に、弾性層及び離型層が順次積層されている。
定着ベルト251の全体の厚さは、通常、1mm以下である。
基材の厚さは、通常、20〜50μmである。
基材を構成する材料としては、特に限定されないが、ポリイミド等の樹脂材料が挙げられる。
弾性層の厚さは、100μm以上であることが好ましい。弾性層の厚さが100μm未満であると、トナー像の表面の微小な凹凸に追従することができず、低温定着性が低下することがある。
弾性層を構成する材料としては、特に限定されないが、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料が挙げられる。
離型層の厚さは、通常10〜40μmである。
離型層を構成する材料としては、特に限定されないが、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルスルフィド)等が挙げられる。
<トナー固着>
次に、トナー固着について説明する。図6に示したように、定着装置12では、記録紙上のトナーは定着装置12における定着ローラあるいは定着ベルトと加圧ローラのニップ内で熱と圧力を受ける。このときに、熱によりトナーは溶融状態になり、粘弾性が低下する。また、同時に、圧力を受けることで記録紙上に広がるとともに記録紙の繊維中に入り込む。そして記録紙がニップ内から抜け出して、熱ローラ方式の場合には両方のロ−ラから分離爪34により剥離され離れてゆく。
トナーは熱により溶融し、記録紙の繊維間に浸み込むことができる。また、同時に、定着ローラにも付着しやすい。また、トナーが溶融して粘性が大きくなり、定着ローラあるいは定着ベルトに対する付着力が紙への接着力よりも大きくなると、溶融したトナーは、記録紙から定着ローラあるいは定着ベルトへ移行しオフセットとなる。この移行したオフセットトナーは、熱ローラ方式の場合には分離爪34やサーミスタ等の温度センサ36に堆積し、定着ローラあるいは定着ベルトが回転停止を繰り返すことで、堆積したトナーが定着ローラあるいは定着ベルトに落下して記録紙に再付着し、いわゆる黒ポチが生じて画像を汚すことがある。
この再付着トナーの発生及び定着ローラや定着ベルトへの固着性は、トナー物性の違いによる差が大きく、また用紙に含まれる填料の影響も大きい。特に、粉砕法で作成された重質炭酸カルシウムを填料に含む用紙を使用した際には、トナー及び用紙の重質炭酸カルシウムによって形成された固着物の定着ないしは加圧ローラへの接着性が高く、上記黒ポチを含む異常画像として発生しやすい。また、トナーとしてはオフセット性の悪いトナーにおいて悪化が顕著である。
印刷画像としては白紙の地汚れトナーがオフセット性、固着性ともに悪い。一方、定着ローラに発生した予兆段階の固着トナーは、セルフクリーニング効果により、未定着トナーとともに用紙に吐き出される。その効果は、画像面積率が高いほど大きく、トナーの固着がより発生しにくい。上記予兆段階とは、トナーが目視確認可能なサイズ以下の段階であり、例えば、1mm程度以下のトナーが固着している段階である。
このように、トナーが定着ローラや定着ベルトに再固着して黒ポチを含む異常画像を生じさせる要因としては、用紙に対して画像が占める面積の割合を示す画像面積率、印刷画像がモノクロ印刷されている割合を示すモノクロ印刷率、用紙の品質を定める填料が含まれる割合を示す用紙の重質炭酸カルシウム量等の印刷条件によって、その発生頻度が左右されるといえる。上記モノクロ印刷率は、ブラック(K)が有するトナー物性が用紙に与える影響を示す指標であると考えることができる。すなわち、用紙に対する画像面積率やその画像の印刷時に用いられるトナーの物性等の画像を形成する側の印刷条件、あるいは用紙の品質等の印刷媒体側の印刷条件によって、上記黒ポチを含む異常画像の発生が左右されるといえる。
(回転負荷付与部材)
本発明において、回転負荷付与部材は定着装置の定着部材又は加圧部材に回転負荷を付与する。そして、回転負荷付与部材が付与する回転負荷は、印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて決定される。回転負荷の決定は画像形成装置における条件決定部により行われる。
本実施形態の模式図を図8に示す。熱ローラ方式を採用した定着装置12では、例えば、図8に示す回転負荷付与機構により、定着ローラ28に対する回転負荷(回転負荷トルク)が付与される。上記定着装置12が有する定着ローラ28は、通常、定着装置12外部の画像形成装置本体に備えられた駆動源51から駆動力Mを得て回転する。図8に示す例では、駆動源51からの駆動力が伝達された定着ローラ28と圧接した加圧ローラ30が従動回転することを示している。
従来、加圧ローラ30は、定着ローラ28との間に生じる摩擦力によって、定着ローラ28と回転速度を同じくして回転する。一方、本実施の形態で示す加圧ローラ28の軸の端部には、上記従動回転に対する負荷トルクを付与するためのオイルダンパ55を使用することができる。図8に示すように、従動回転する加圧ローラ30の軸に対して、駆動力伝達部材であるギヤ57を介して接続される。
また、オイルダンパ55の種類だけでなく、ギヤ57の比率を変更することで回転負荷トルクを調整することもできる。オイルダンパ55としては、例えばトックベアリング社製のロータリーダンパーTD88、TD62等を使用することができる。オイルダンパ55と加圧ローラ30の軸は、不図示の接離機構により接離することが可能である。
回転負荷付与部材としては、他にトルクリミッタ56も使用することができ、上記のオイルダンパ55と同様の使用方法が可能である。トルクリミッタ56としては、例えばトックベアリング社製のマグネット式トルクリミッタTLES1−816−40Wを使用することができる。
駆動源51からの駆動力が加圧ローラ30側に伝えられる場合には、定着ローラ28に対して回転負荷を付与することになる。
回転負荷は印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて決定される。印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量について、下記式で表される炭酸カルシウム量の比が1.5以上であり、かつ、印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量が10wt%以上である場合、回転負荷付与部材の回転負荷を0.1〜0.6N・mにすることが好ましい。
式:炭酸カルシウム量の比=印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量(wt%)/印刷媒体における炭酸カルシウム量の少ない面の炭酸カルシウム量(wt%)
この場合、定着部材又は加圧部材と印刷媒体の表面との間で摩擦力が生じるため、定着部材又は加圧部材上の固着トナー等の微小固着物が剥がされること、及びその微小固着物が目視可能な程度にまで成長しない。これにより、トナー固着による異常画像の発生を抑制することができる。
また、上記条件の場合(炭酸カルシウム量の比が1.5以上であり、かつ、印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量が10%以上である場合)、回転負荷付与部材の回転負荷が0.2〜0.4N・mであることがより好ましい。この場合、トナー固着による異常画像の発生をより抑制することができる。
上記条件以外の場合、すなわち、炭酸カルシウム量の比が1.5未満であるか、印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量が10%未満である場合、回転負荷をかけないことが好ましい。この場合、不必要に回転負荷をかけることを防止することができるため、定着部材や加圧部材の寿命が低下することを抑制することができる。
上記のように、本実施形態の回転負荷付与部材は、ギヤ57(駆動力伝達部材)を介して加圧ローラ30(加圧部材)の回転軸に接続され、印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、ギヤ57(駆動力伝達部材)と接離する。
(画像形成装置及び画像形成方法の詳細)
次に、本発明の画像形成装置及び画像形成方法について詳細を説明する。
本発明の画像形成装置は、定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着装置と、前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材と、少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得するデータ取得部と、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定する条件決定部と、を備える。
本発明の画像形成方法は、定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着工程を有する画像形成方法であって、該定着工程は、前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材を用いて定着を行うとともに、少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得し、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定し定着を行う。
本実施形態の画像形成装置は、上記の他に、像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、保護層形成手段と、定着手段とを有しており、好ましくはクリーニング手段を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
本実施形態の画像形成方法は、上記定着工程の他に、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、保護層形成工程とを含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記保護層形成工程は前記保護層形成手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
−像担持体−
前記像担持体(「静電潜像担持体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
画像形成装置に用いる像担持体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、及び電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20〜150mmが好ましく、24〜100mmがより好ましく、28〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料又は染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができる。該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
また、前記感光層中にはレベリング剤を添加しても構わない。該レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコンオイル類;測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、又はオリゴマーが使用される。前記レベリング剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対して、0〜1質量部が好ましい。
次に、静電潜像の形成は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、画像形成装置が白黒専用機であれば、記憶媒体である普通紙に直接転写する。画像形成装置がカラー機であれば、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記像担持体は、感光体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に記録媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写体であってもよい。
感光体あるいは中間転写体が普通紙に接する転写工程において、普通紙の転写面から感光体あるいは中間転写体へ、炭酸カルシウムが移行してしまう。炭酸カルシウムの移行は普通紙表面の炭酸カルシウムの量が多いほど多くなるため、普通紙の片面にのみ画像形成を行う場合は、炭酸カルシウムが少ない面に転写を行うことが好ましい。
また、転写が行われる感光体あるいは中間転写体と普通紙とのニップでは、感光体あるいは中間転写体に普通紙は押し当てられ、その際に普通紙表面の炭酸カルシウムが感光体あるいは中間転写体に移行する。これとともに、炭酸カルシウムが感光体あるいは中間転写体を傷つけ、ひどい場合には感光体あるいは中間転写体に炭酸カルシウムが突き刺さってしまい、異常画像を発生させることがあるため、普通紙の転写面の炭酸カルシウムが多い場合には、ニップでの圧力を弱くすることが好ましい。
前記中間転写体としては、体積抵抗1.0×10〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗が1.0×10Ω・cmを下回る場合には、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを上回る場合には、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷(カウンターチャージ)が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独又は併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができるが、ダイレクトメールとして用いることを考慮すると、記録媒体自体は白色であることが好ましい。また、記録媒体表面には、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等の白色顔料のコート層を有していることが好ましい。
白色顔料の大きさは、平均粒径0.1μm以上、好ましくは0.5〜5μmである。白色顔料の平均粒径が0.1μm未満では、白色顔料の層(コート層)の強度が極めて弱く、白色顔料の粉落ち、白色顔料の層の割れが激しくなり、再剥離させる際に、画像の剥がれが生じやすくなる。
白色顔料の層(コート層)の厚みは、情報シートの見た目の良さを維持するためには、1μm以上、好ましくは1.5〜3μm以上であることが好ましい。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写するごとに行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、上述の定着装置を用いて行う。上述したように、例えば加熱加圧の手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。加圧ローラは、通常加熱の必要はないが、加熱を行うことにより、加熱ローラや無端ベルト表面の温度差を低くすることで、画像形成された普通紙を平坦にすることができ、定着後の普通紙がカールすることにより、再び定着に巻き込まれてしまう、いわゆるジャムの発生を抑えることができるとともに、大量に画像形成された普通紙が、整然とスタックすることができるようになり、好ましい。
加圧ローラに加熱機構がない場合においては、加圧ローラは加熱された加熱ローラや無端ベルトに接して、温度が上昇していく。そのため、普通紙表面の表面、裏面の炭酸カルシウムの量に応じて、画像形成を行う際に、画像形成を行わずに定着器を稼働させる時間を調整することにより、定着後の普通紙のカールを抑えることができる。
また、普通紙表面の炭酸カルシウムは、定着のニップで加熱ローラあるいは無端ベルトと加圧ローラに挟まれるため、加熱ローラあるいは無端ベルトと加圧ローラに炭酸カルシウムが移行したり、炭酸カルシウムが傷をつけたり、炭酸カルシウムが突き刺さたりして様々な不具合を発生させやすい。そのため、普通紙表面の炭酸カルシウムの量に応じて、定着での圧力を調整することが好ましい。
普通紙表面の炭酸カルシウムによる加熱ローラあるいは無端ベルト、加圧ローラの表面の傷は、普通紙表面に炭酸カルシウムが存在している限り、防止することができない。当然、傷の発生は、普通紙表面の炭酸カルシウムの量が多いほど発生しやすい。そのため、定着部材の交換の頻度や、加熱ローラあるいは無端ベルト及び/又は加圧ローラ表面をクリーニングする間隔(画像形成枚数)を変えることが好ましい。具体的には、基準の普通紙で設定したクリーニングの間隔(画像形成枚数)に対して、炭酸カルシウムの量が基準の普通紙と異なる場合は、基準の普通紙表面の炭酸カルシウムとの比に応じた係数を画像形成枚数にかけて、グリーニングの間隔を決定する。
定着部材のクリーニングとしては、ウェブクリーニングが好適に行われる。
また、表面にダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム等の研磨剤を担持させたローラを加熱ローラあるいは無端ベルト、及び/又は加圧ローラに摺擦し、加熱ローラあるいは無端ベルト、及び/又は加圧ローラ表面を均一にすることも、所謂定着リフレッシュも、定着クリーニングの一種として行われる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記除電工程は、前記像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
また、感光体あるいは中間転写体表面には炭酸カルシウムが移行しているため、その炭酸カルシウムを除去するためのクリーニングが重要となる。
前記クリーニング工程は、前記像担持体上に残留する前記電子写真用トナーを除去するとともに、普通紙表面から移行した炭酸カルシウムを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段は、転写手段より下流側かつ帯電器より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。中でも、ブレードクリーニングが転写残トナーと炭酸カルシウムの除去には最も効率が良く好ましい。ブレードクリーニングでは、一般に耐摩耗性に優れるポリウレタンが用いられる。ブレードクリーニングにおいて、ポリウレタンそのものを用いても良いが、炭酸カルシウムはトナーよりも硬く、角ばった形状であるため、ポリウレタン表面をアクリル化合物でコーティングしたり、アクリル化合物やイソシアネート化合物をポリウレタンに含浸し、ブレードの強度を向上させていることが好ましい。
画像形成を行う普通紙表面の転写面の炭酸カルシウム量が多い場合は、感光体あるいは中間転写体への炭酸カルシウムの移行が多くなるため、ブレードがせき止める炭酸カルシウムの量が多くなってしまう。そのため、画像形成を行う普通紙表面の転写面の炭酸カルシウム量に応じて、画像形成が終わり、感光体あるいは中間転写体が停止する際、感光体あるいは中間転写体を反転させたり、反転させる距離を変えることにより、ブレードが集めた炭酸カルシウムをブレードより外し、ブレードの耐久性を大きく向上させることができる。
<画像形成装置の一実施形態>
次に、以上の各手段を用いた複写機100Bの基本的な構成について図を用いて説明する。なお、本実施形態では、データベース、データ取得部、条件決定部の図示を省略する。上述したようにデータベースは画像形成装置の内部に備えていてもよいし、画像形成装置の外部に備えていてもよい。
図9は、複写機100Bの構成を示す概略構成図である。複写機100Bは、タンデム型カラー画像形成装置であり、画像形成装置本体部であるプリンタ部150と、給紙装置200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
プリンタ部150には、無端ベルト状の中間転写ベルト50が中央部に設けられている。そして、中間転写ベルト50は、ベルト駆動ローラ14、クリーニング対向ローラ15及び二次転写対向ローラ16の三つの支持ローラに張架され、図9中の時計回りに回転可能とされている。クリーニング対向ローラ15の近傍には、中間転写ベルト50上の残留トナーを除去するための中間転写ベルトクリーニング手段である中間転写ベルトクリーニング装置17が配置されている。
また、プリンタ部150には、中間転写ベルト50におけるベルト駆動ローラ14とクリーニング対向ローラ15との間の張架面に対向するように、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの四つの画像形成ユニット18が対向して並置されたタンデム型画像形成部120が配置されている。
タンデム型画像形成部120の上方には、露光装置21が配置されている。中間転写ベルト50を挟んでタンデム型画像形成部120が配置された側とは反対側(中間転写ベルト50の下方)には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである転写搬送ベルト24が一対の転写搬送支持ローラ23に張架されており、転一対の転写搬送支持ローラ23の一方が駆動ローラとして回転駆動することにより、転写搬送ベルト24は図9中の反時計回り方向に回転駆動する。また、図9中の右側の転写搬送支持ローラ23と二次転写対向ローラ16とは、中間転写ベルト50及び転写搬送ベルト24を挟んで当接しており、この当接による中間転写ベルト50と転写搬送ベルト24との接触部分が二次転写ニップとなる。
プリンタ部150における二次転写装置22の記録媒体Sの搬送方向下流側(図9中の左側)には、トナー像を記録媒体S上に定着する定着装置25が配置されている。定着装置25は、内部に不図示のヒータが設けられた加熱手段26と、図示しないバネによって加圧されて加熱手段26と圧接し圧接部であるニップ部を形成する加圧ローラ27を有している。
プリンタ部150における二次転写装置22及び定着装置25の下方には、記録媒体Sの両面に画像形成を行う際に記録媒体Sを反転させる反転装置28が配置されている。
次に、複写機100Bを用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
使用者が不図示の操作パネルのスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは直ちに、スキャナ300が駆動し、第一走行体33及び第二走行体34が走行する。このとき、第一走行体33により、光源からの光が照射されることでこの光が原稿面で反射し、この反射光が第一走行体33及び第二走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光される。これにより、カラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報とされる。
ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、露光装置21に伝達され、各画像情報に応じた露光光がタンデム型画像形成部120における各画像形成ユニット18の各感光体10に向けてそれぞれ照射される。これにより、各画像形成ユニット18において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。
なお、四つの画像形成ユニット18(Y,C,M,K)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図9においては各符号に付すY,C,M,Kという添字を省略している。画像形成ユニット18は、ドラム状の感光体10を備え、この感光体10の周りに、帯電手段としての帯電装置、現像装置、一次転写手段としての一次転写ローラ62、感光体クリーニング装置、除電装置等を備えている。
プリンタ部150における各画像形成ユニット18(ブラック用画像形成ユニット、イエロー用画像形成ユニット、マゼンタ用画像形成ユニット及びシアン用画像形成ユニット)は、それぞれの対応する色の画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を各感光体10の表面上に形成可能となっている。
各画像形成ユニット18により形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、ベルト駆動ローラ14、クリーニング対向ローラ15及び二次転写対向ローラ16により回転移動される中間転写ベルト50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。
そして、中間転写ベルト50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙装置200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録媒体Sを繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送してプリンタ部150内の本体側給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、手差し給紙ローラ51を回転して手差しトレイ54上の記録媒体Sを繰り出し、手差し分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、上記同様にレジストローラ49に突き当てて止める。
レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体Sの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
レジストローラ49に突き当てて止めた後、中間転写ベルト50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、上記二次転写ニップに向けて記録媒体Sを送出させる。二次転写ニップにおける二次転写装置22側の転写搬送支持ローラ23と二次転写対向ローラ16との間に形成される転写電界により中間転写ベルト50上の合成カラー画像(カラー転写像)が記録媒体S上に転写(二次転写)され、記録媒体S上にカラー画像が形成される。二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト50上の転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された記録媒体Sは、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出される。この定着装置25において、加熱手段26と加圧ローラ27とによって形成されるニップ部で、熱と圧力とが付与されることにより上記合成カラー画像(カラー転写像)が記録媒体S上に定着される。
定着装置25を通過した記録媒体Sは、定着後、搬送ローラ対56によって搬送力を付与され、切換爪55の位置に到達する。記録媒体Sは、切換爪55で搬送方向を切り換えられることで排出ローラ対により排出されて排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で搬送方向を切り換えられることで反転装置28に到達し、ここで反転されて再びレジストローラ49に突き当たる位置まで導かれ、二次転写ニップで裏面にも画像が形成され定着装置25で定着された後、排出ローラ対により排出されて排紙トレイ57上にスタックされる。
以下、本発明を試験例により詳細に説明するが、本発明は下記試験例に限定されるものではない。
(ATR法の検証)
ATR測定装置(クリスタル:ダイヤモンド/ZnSe、入射角:45°、1回反射)をセットしたフーリエ変換赤外分光分析装置Frontier MIR/FIR(パーキンエルマー社製)を用い、炭酸カルシウム粉/セルロース粉の混合粉のIRスペクトルを測定した。IRスペクトルの測定条件を表1に示す。
なお、表1中、フォースゲージ100は、サンプルをクリスタルに100Nで加圧したことを表している。
炭酸カルシウム粉/セルロース粉の混合粉は、炭酸カルシウム粉(試薬特級、和光純薬工業製)とセルロース粉(38μm、和光純薬工業製)をそれぞれ秤量し、メノウ乳鉢で3分間混合し、作製した。
測定したIRスペクトルから炭酸カルシウムに起因するピーク面積(A)とセルロースに起因するピーク面積(B)の比A/Bを算出し、炭酸カルシウム/(炭酸カルシウム+セルロース)に対してプロットしたところ、非常に良い相関関係が得られた。図10に炭酸カルシウム/(炭酸カルシウム+セルロース)に対してA/Bをプロットした結果を示す。
図10では、873cm-1のピークを炭酸カルシウムに起因するピークとして採用し、897cm-1のピークをセルロースに起因するピークとして採用した。ベースラインは、916〜852cm-1とし、ピーク面積A、Bを求める際の領域をそれぞれ、約879〜867cm-1、904〜890cm-1とした。
次に、図10の横軸を炭酸カルシウム濃度(炭酸カルシウム/(炭酸カルシウム+セルロース)×100)に変換し、炭酸カルシウムの検量線(図11)を得た。
次に、普通紙HAMMERMILL COLOR COPY DIGITAL(INTERNATIONAL PAPER製)の表と裏のIRスペクトルを炭酸カルシウム/セルロース混合粉と同様にして測定し、A/Bを算出した。なお、ベースライン、ピーク面積A、Bを求める際の領域は混合粉と同じである。
A/Bを求めた結果、表面が7.31、裏面が2.47であった。これらA/Bの値と図11の炭酸カルシウムの検量線から、表面の炭酸カルシウム濃度は、表面が32.1wt%、裏面が13.8wt%となった。
ここで、測定を行った普通紙HAMMERMILL COLOR COPY DIGITALの表面のSEM写真が図1である。炭酸カルシウム濃度が32.1wt%と測定された表面(a)の炭酸カルシウムの方が、13.8wt%の裏面(b)に比べて圧倒的に多いことが分かる。
またHAMMERMILL COLOR COPY DIGITALの表面を、70、80、90、120Nの各加圧力でIRスペクトルを測定し、A/Bの値と図11から炭酸カルシウムの濃度を求めたところ、図12のように、加圧力が80N以上でほぼ一定の値が得られた。
次に、様々な品種の普通紙の両面のIRスペクトルを100Nの加圧力で測定し、測定されたA/Bの値と図11から普通紙表面の炭酸カルシウムの濃度を求めた。また、IRスペクトルを測定した各普通紙を、JIS P 8251により普通を燃焼させ、灰分から普通紙中の炭酸カルシウム濃度を求めた。
JIS法により測定した炭酸カルシウム濃度(JIS法)と、ATR法で測定された炭酸カルシウム濃度(ATR法)をプロットした。この結果を図13に示す。ただし、ATR法により測定された普通紙表面の炭酸カルシウム濃度は、表面と裏面で異なるため、表面と裏面の平均値を炭酸カルシウム濃度(ATR法)とした。
図13に示すように、炭酸カルシウム濃度(JIS法)と炭酸カルシウム濃度(ATR法)には、傾きがほぼ1の良い直線関係が得られ、ATR法により定量される炭酸カルシウム濃度が正しい値であることが証明された。
(データベースの作成)
国内外で市販されている160種類のPP用普通紙及びPPC/インクジェット共用普通紙についてATR法により各面の炭酸カルシウム濃度を測定した。
各普通紙について、登録番号、製品名、統一商品コード、ロット番号、販売国、坪量、厚さ、密度開封面の炭酸カルシウム濃度、開封面と逆の面の炭酸カルシウム濃度、及び備考を入力し、普通紙のデータベースを作成した。
作成したデータベースは、クラウド環境に記録しており、インターネットに接続した画像形成装置が読み込むことが可能とした。データベースの値は、定期的に追加されるようにした。
画像形成装置をメーカーがユーザーに納入した際、ユーザーが使用する普通紙の箱に印刷されているバーコードを読み込み、バーコードの値(統一商品コード)から、データベースを検索し、ユーザーが使用する普通紙表面の炭酸カルシウム濃度を、画像形成装置が認識できる。この普通紙表面の炭酸カルシウム濃度に応じて、画像形成条件を適切な状態とし、高品質の画像形成を常に行うことができるようになる。
(検証内容)
株式会社リコー製複写機imagio NEO451を用いて検証を行った。図9に示される画像形成装置、図6に示される定着ローラを備える定着装置を用いた。
検証では、画像形成装置に炭酸カルシウム量が異なる普通紙A(炭酸カルシウム量:3.0wt%(表面)、3.2wt%(裏面))、普通紙B(炭酸カルシウム量:1.5wt%(表面)、1.8wt%(裏面))、普通紙C(炭酸カルシウム量:14.0wt%(表面)、9.0wt%(裏面))、普通紙D(炭酸カルシウム量:24.0wt%(表面)、27.1wt%(裏面))をA4Yでセットし、印刷テストを行った。
その検証結果を表2に示す。印刷条件として、画像は、画像面積率が3%となるように、ランダムに文字画像を形成したものを用いた。
紙情報は、複写機imagio NEO451に接続したバーコードリーダーで普通紙の番号を読み取り、クラウド上に保管させている普通紙データベースにアクセスし、各普通紙表面の炭酸カルシウム濃度を認識させた。
<トナー固着性>
トナー固着性については、上記画像を総通紙枚数100k枚、1枚ごとに10秒間欠で印刷して白紙部への固着トナーの落下を確認し、評価した。ここで、評価基準は以下の通りである。なお、「◎」を合格レベルとした。
[評価基準]
◎:固着発生なし
△:固着発生が1k枚のうち1%以下で発生
×:固着画像が1k枚のうち1%以上発生
<定着ユニット耐久性>
定着ユニット耐久性については、通紙評価を200k枚まで継続し、(1)加圧ローラ30の弾性層42の破損、(2)定着ローラ28の離型層の磨耗(芯金41の露出)の判定を行い、評価した。ここで、評価基準は以下の通りである。なお、「△」以上を合格レベルとした。
[評価基準]
◎:200k枚まで(1)、(2)の発生無し、または、160k〜200k枚で(1)、(2)のいずれかが発生
○:160k枚まで(1)、(2)のいずれかが発生
△:120k枚まで(1)、(2)のいずれかが発生
×:80k枚以下で(1)、(2)のいずれかが発生
得られた結果を表2に示す。
(試験例1〜8)
試験例1〜4の画像形成装置ではデータ取得部、条件決定部を備えている。試験例5〜8の画像形成装置ではデータ取得部、条件決定部を備えておらず、回転負荷付与部材の接離を試験例1〜4とそれぞれ逆になるように設定した。
試験例1では、普通紙Aを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.1、炭酸カルシウム量が10wt%以下であるため、回転負荷付与部材は離間としたところ、トナー固着◎、定着ユニット耐久性◎であった。
試験例2では、普通紙Bを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.2、炭酸カルシウム量が10wt%以下であるため、回転負荷付与部材は離間としたところ、トナー固着は◎、定着ユニット耐久性◎であった。
試験例3では、普通紙Cを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.6、炭酸カルシウム量が10wt%以上であるため、回転負荷付与部材は接続、負荷トルク付与部材はオイルダンパを用い、負荷トルクは0.3N・mとしたところ、トナー固着◎、定着ユニット耐久性○であった。
試験例4では、普通紙Dを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.1、炭酸カルシウム量が10wt%以上であるため、回転負荷付与部材は接続、負荷トルク付与部材はトルクリミッタを用い、負荷トルクは0.5N・mとしたところ、トナー固着◎、定着ユニット耐久性△であった。
試験例5では、普通紙Aを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.1、炭酸カルシウム量が10wt%以下であるが、回転負荷付与部材は接続、負荷トルク付与部材はオイルダンパを用い、負荷トルクは0.3N・mとしたところ、トナー固着◎、定着ユニット耐久性○であった。
試験例6では、普通紙Bを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.2、炭酸カルシウム量が10wt%以下であるが、回転負荷付与部材は接続、負荷トルク付与部材はトルクリミッタを用い、負荷トルクは0.5N・mとしたところ、トナー固着◎、定着ユニット耐久性△であった。
試験例7では、普通紙Cを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.6、炭酸カルシウム量が10wt%以上であるが、回転負荷付与部材は離間としたところ、トナー固着△、定着ユニット耐久性◎であった。
試験例8では、普通紙Dを通紙し、表裏の炭酸カルシウム量の比が1.1、炭酸カルシウム量が10wt%以上であるが、回転負荷付与部材は離間としたところ、トナー固着×、定着ユニット耐久性◎であった。
試験例1、2と試験例5、6を比較すると、定着ユニット耐久性について試験例1、2は良好な結果が得られているが、試験例5、6は結果が劣っている。試験例5、6では炭酸カルシウム量が少ない場合(固着が発生しにくい場合)にまで回転負荷付与部材により回転負荷を付与しているため、定着部材や加圧部材の寿命が低下している。
また、試験例3、4と試験例7、8を比較すると、トナー固着について試験例3、4は良好な結果が得られているが、試験例7、8は結果が劣っている。試験例7、8では炭酸カルシウム量が多い場合(固着が発生しやすい場合)に回転負荷付与部材により回転負荷を付与していないため、トナー固着が発生している。
(図6〜図8の符号)
12 定着装置
25 ハロゲンヒータ
28 定着ローラ
30 加圧ローラ
33 熱源
34 分離爪
36 温度センサ
41 芯金
42 弾性層
51 駆動源
55 オイルダンパ
56 トルクリミッタ
57 ギヤ
251 定着ベルト
252 加圧ローラ
253 定着ローラ
254 加熱ローラ
(図9の符号)
10 感光体ドラム
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14、15、16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写ローラ
100B 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
151 手差しトレイ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
L 露光光
特許第5495892号公報 特開2014−81610号公報

Claims (10)

  1. 定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着装置と、
    前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材と、
    少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得するデータ取得部と、
    前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定する条件決定部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量について、下記式で表される炭酸カルシウム量の比が1.5以上であり、かつ、前記印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量が10wt%以上である場合、
    前記条件決定部は前記回転負荷付与部材の回転負荷を0.1〜0.6N・mにすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
    式:炭酸カルシウム量の比=前記印刷媒体における炭酸カルシウム量の多い面の炭酸カルシウム量(wt%)/前記印刷媒体における炭酸カルシウム量の少ない面の炭酸カルシウム量(wt%)
  3. 前記回転負荷付与部材の回転負荷が0.2〜0.4N・mであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記データベースにおける前記普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量は、前記普通紙の両面それぞれに対し、下記条件のATR法(全反射法)測定によりスペクトルを求め、炭酸カルシウムに起因するピーク面積(A)とセルロースに起因するピーク面積(B)の比(A/B)から求められたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
    条件:ダイヤモンド、ZnSe又はダイヤモンド/ZnSeをクリスタルとして用い、前記普通紙を前記クリスタルに80N以上の加圧力で押し付ける。
  5. 前記回転負荷付与部材は、オイルダンパであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記回転負荷付与部材は、トルクリミッタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記回転負荷付与部材は、駆動力伝達部材を介して前記加圧部材の回転軸に接続され、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記駆動力伝達部材と接離することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記定着装置は、中空の芯金と離型層から成り、内部に熱源を有する定着ローラと、前記定着ローラに圧接して配置され、前記定着ローラの回転に従動して回転する弾性層を有する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記定着装置は、加熱源により加熱される加熱回転体と、前記加熱回転体に平行して配置された定着回転体と、前記加熱回転体と前記定着回転体との間に架け回された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記定着回転体を押圧する加圧回転体と、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 定着部材と加圧部材とを当接させてトナーを印刷媒体に定着させる定着工程を有する画像形成方法であって、
    該定着工程は、前記定着部材又は前記加圧部材に回転負荷を付与する回転負荷付与部材を用いて定着を行うとともに、少なくとも普通紙の製品名、普通紙の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を有するデータベースから、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量を取得し、前記印刷媒体の表面及び裏面の炭酸カルシウム量に応じて、前記回転負荷付与部材の回転負荷を決定し定着を行うことを特徴とする画像形成方法。

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