JP5439796B2 - トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、画像形成方法、画像形成装置プロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式の画像形成方法において、高速化及び高画質化が一般的に求められている。特に、画質に重要な影響を与える要因の一つとされるトナーの定着性が、作像速度、即ち画像形成装置のシステム速度が高速になるにつれて悪化するため、高速化とトナーの定着性を両立させることが課題となっている。
近年ではプリントオンデマンド(POD)分野が成長し、印刷市場から、トナーに求める要求も更に高いものになってきている。電子写真方式のPODシステムは、少部数印刷、バリアブル印刷を得意とし、軽印刷の代替技術として大きく期待されている。電子写真技術をPODシステムに適用する場合、高線速(高システム速度)に対応するため、トナーの高度な低温定着化技術が要求されている。
一般的な電子写真方式の画像形成装置における定着装置は、高温に熱せられるローラー又はベルトからなる定着部材や、クリーニング部材等を有している。トナーは静電潜像担持体表面から記録媒体に転写された後、加熱された定着部材によって押し付けられた際にトナー中に分散されたワックスが溶融して染み出し、これが定着部材とトナーの間に介在することで、定着部材へのトナー付着力が低減し、トナーが定着部材に付着せずに記録媒体に付着する、いわゆるオイルレス定着トナー設計が主流となっている(特許文献1及び2参照)。
システム速度が高速になるとともに、トナーの定着性を落とさないために定着温度を上げることが考えられるが、機内温度上昇による副作用、定着部材の消耗寿命、省エネルギーの観点から限界があり、定着性改善の対応としては不十分である。そこで、高速機において、トナー自体の定着性能の向上が求められ、定着装置で高速作像、低熱量でも良好な定着性を有するトナー設計が必要とされている。
そこで、トナーの定着性を向上させるため、トナー設計についてさまざまな検討が試みられており、例えば、トナーの結着樹脂そのものの熱特性をコントロールする方法などが検討されている。
このようなトナーの低温定着化に対応するため、結着樹脂として従来より多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に代えて、低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良好なポリエステル樹脂の使用が試みられている(特許文献3〜8参照)。
また、低温定着性の改善を目的としてバインダー中にガラス転移温度でシャープメルト性(軟化開始温度と軟化終了温度との差が小さいこと)を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加することが提案されている(特許文献9参照)。
また、同じくシャープメルト性を有する結晶性ポリエステル樹脂を用いることが提案されている(特許文献10及び特許文献11参照)。
また、特許文献12では、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂の非相溶で海島状の相分離構造、樹脂のTHF不溶分の示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において吸熱側に出現する最大ピーク温度を規定することによって定着下限性と保存性の両立を図っている。
PODシステムにおける定着装置は、定着時に高速で定着ローラがトナーと接触するため、トナーの一部が定着ローラ表面に付着したまま残り、その結果、定着ローラが別の記録媒体と接触するときに定着ローラ表面に残っていたトナーが該記録媒体に付着して汚損したり、記録媒体がローラに付着して巻きついてしまうことがある。このような現象を防止するため、トナーに離型剤を添加するだけでなく、定着ローラにシリコーンオイル等の離型オイルを塗布することが行われている(特許文献13参照)。
しかしながら、印刷市場が求める印刷品質は、従来の複写機等に要求されるものよりも厳しく、電子写真方式の画像形成装置にとってはまだ幾つかの課題がある。PODに使用される画像形成装置には、従来の高速複写機のプリントスピードよりも遥かに速い超高速システムが要求され、また、連続紙出力システムでは、圧着はがきやプレプリント帳票、ダイレクトメール用の宛名ラベル等、印刷媒体を選ばない幅広い紙種対応性が求められている。特に、帳票や製本化された印刷物は、印刷の際に紙の高速移動を伴ったり、連帳紙印刷場合には巻き取りや、巻き取り後の再印刷によって印刷画像が強く摺擦され、画像が欠損したり、印刷面の擦れによって画像自体が汚れたりするといった新たな不具合が生じており、従来の複写機画像以上に優れた画像強度が必要である。つまり、定着画像の高強度化が新たに求められるようになった。これに対し、トナー中に特定構造のアルキレンオキサイド化合物を含有させ、トナーの定着性と定着画像の防汚染性を高めたトナーが報告されている(特許文献14、15参照)。しかしながら、これらの手段は実質的に重合トナー工法にしか適用できない手段であった。
特開2003−248339号公報 特許第3874082号公報 特開昭60−90344号公報 特開昭64−15755号公報 特開平2−82267号公報 特開平3−229264号公報 特開平3−41470号公報 特開平11−305486号公報 特開昭62−63940号公報 特許第2931899号公報 特開2001−222138号公報 特開2002−214833号公報 特開2003−295666号公報 特開2004−287422号公報 特開2004−295110号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高線速下での画像表面と紙との擦れによって生じる不具合を解決できるトナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、トナー中の結着樹脂の溶融挙動を調整し、低温定着性を高めたトナーを用いた場合では、定着媒体とトナーの接着性は充分であるが、高線速下での画像表面と紙との擦れによって、画像表面が削れ、定着画像を汚す現象が確認されており、低温定着性を高めるだけではこの問題を解決することは困難であることがわかった。
本発明者らは更に検討を進めた結果、JIS K7171に基づいてトナーを加熱圧縮成型して作成した試験片の曲げ強度が高いものほど、高線速下での画像削れが少なく、高線速下でも定着性に優れた画像形成方法が達成できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づいてなされたものであり、前記課題は以下(1)〜(13)により解決される。
(1)静電潜像を現像するためのトナーであって、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、かつトナーをプレート化し、JIS K7171に基づいて測定した曲げ強度が10〜20MPaであり、前記結着樹脂がポリエステルであり、該ポリエステルはアルコール成分としてネオペンチルグリコールを含み、且つ、軟化点Tm(A)が160.5℃以上210℃以下である樹脂Aを含み、混練・粉砕法で製造されたことを特徴とする。
(2)上記(1)のトナーにおいて、前記結着樹脂は、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満の樹脂Bをさらに含有してなることを特徴とする。
(3)上記(3)のトナーにおいて、前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合質量割合(A/B)が、20/80〜80/20であることを特徴とする。
(4)上記(2)または(3)に記載のトナーにおいて、前記樹脂Aおよび前記樹脂Bは、アルコール成分がポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、及びネオペンチルグリコールから選ばれる1種以上からなり、カルボン酸成分がテレフタル酸、無水トリメリット酸、及びアジピン酸から選ばれる1種以上からなることを特徴とする。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかのトナーにおいて、前記離型剤のトナーにおける含有量が、結着樹脂100質量部に対し1.5〜6.0質量部であることを特徴とする。
(6)キャリアとトナーとを含有する二成分現像剤であって、前記トナーが上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする。
(7)静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を上記(1)〜(5)のいずれかのトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程を有する画像形成方法であることを特徴とする。
(8)上記(7)の画像形成方法において、前記定着工程は定着部材にオイルを塗布する機構を有することを特徴とする。
(9)上記(7)又は(8)の画像形成方法において、システム線速が500〜2000mm/sであることを特徴とする。
(10)上記(7)〜(9)のいずれかの画像形成方法において、前記記録媒体が紙であり、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により測定される、下記数式1から求めた前記記録媒体上における炭酸カルシウム量が0.60以下であることを特徴とする。
<数式1>
炭酸カルシウム量=(炭酸カルシウム由来のピーク高さ1421cm−1)/(紙原料セルロース由来のピーク高さ1036cm−1
(11)静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記現像手段に上記(1)〜(5)のいずれかのトナーを充填したことを特徴とする。
(12)上記(11)の画像形成装置において、前記定着工程は定着部材にオイルを塗布する機構を有することを特徴とする。
(13)少なくとも静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に形成された静電荷像をトナーを用いて現像し可視像とする現像手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段に上記(1)〜(5)のいずれかのトナーを充填したことを特徴とする。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、トナーをプレート化しJIS K7171にも基づいて試験したときの曲げ強度が10〜25Mpaであることにより、定着性に優れ、高線速下での画像強度に優れ、極めて高品質な画像を形成できるトナーを提供することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンタ等に幅広く使用できる。
〔トナー〕
本発明の静電潜像を現像するためのトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、かつトナーをプレート化し、JIS K7171に基づいて測定した曲げ強度が10〜20MPaであることを特徴とするものである。なお、このトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤(ワックス)以外にも、例えば、荷電制御剤、外添剤、更に必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
本発明のトナーは、前記したように、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、プレート化したときの曲げ強度が10〜20MPaであるものが好ましい。曲げ強度の測定方法としては、「JIS K7171、プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して行った。曲げ強度はトナーの機械的強度を示す尺度であり、具体的には、トナーをプレート化した際に測定されるものである。なお、曲げ強度が10MPa未満であると、現像後紙等の記録媒体上に転写し形成された定着画像が紙同士の擦れにより削られ、また、その削られた定着画像が浮遊して紙や画像形成装置に付着することで画像や機器に汚れが生じてしまうことがある。20MPaを超えると、粉砕性が低下し、トナー生産性が悪化する。
こうしたトナーは、例えば、軟化点Tm(A)が120℃以上210℃以下の樹脂Aと、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満の樹脂Bとを任意の割合で、好ましくは前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合質量割合(A/B)が20/80〜80/20となるようにして混合し、これに着色剤、離型剤等を加え、溶融混練し、冷却後粉砕、分級することにより得ることができる。
(結着樹脂)
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂の中から適宜選択して使用することができるが、例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体の2種以上又はこれらの単量体と他のモノマーとからなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられるが、低温定着性を発揮させ、樹脂の曲げ強度を確保する観点からポリエステル系重合体が好ましい。
前記結着樹脂は、低温定着性と耐ホットオフセット性、耐熱保存性の両立の観点から、軟化点Tm(A)が120℃以上210℃以下、好ましくは130℃以上200℃以下、より好ましくは135℃以上190℃以下の結着樹脂Aと、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満、好ましくは85℃以上115℃以下、より好ましくは90℃以上110℃以下の結着樹脂Bとの併用が有利である。特に結着樹脂Bの軟化点Tm(B)は低温定着性と保存安定性の観点から温度範囲は重要である。
結着樹脂(A)の軟化点Tm(A)が120℃未満であると、定着時の耐ホットオフセット性能が充分に確保できなくなるといった不具合が生じ、210℃を超えると樹脂が高分子量化して粉砕しにくくなるといった不具合が生じる。また、結着樹脂(B)の軟化点Tm(B)が80℃未満であると、保存安定性が極度に悪化するといった不具合が生じ、120℃以上であると低温での定着性が悪化し、機器の消費電力が増したり、定着部材の温度を高温に保持する必要があるため寿命が短くなるといった不具合が生じる。
また、前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合質量割合(A/B)は、好ましくは20/80〜80/20であり、より好ましくは30/70〜70/30である。この混合質量割合から外れると、高軟化点と低軟化点の樹脂を混合する理由として、トナーの定着可能な温度レンジを広げる目的があるが、これが充分に満足できなくなる、あるいは高軟化点の樹脂と、低軟化点の樹脂の混合性が悪化して帯電性能が不安定化するといった不具合が生じる場合がある。なお、樹脂A及び樹脂Bは、それぞれが1種の樹脂の使用に限られず、2種以上の樹脂の使用であってもよい。
前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フエニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン、又はその誘導体、などが挙げられる。
前記アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸、又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記メタクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマーの例としては、以下の(1)〜(18)が挙げられる。(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸等のα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、又はこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー。
前記トナーにおいて、結着樹脂のビニル重合体又は共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。前記架橋剤としては、芳香族ジビニル化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、などが挙げられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、などが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)などが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートなどが挙げられる。
これらの架橋剤は、前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
前記ビニル重合体又は共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2’,4’−ジメチル−4’−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパ−オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルべンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−エトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチル−オキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレート、などが挙げられる。
前記結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂の場合、樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)に可溶分のGPCによる分子量分布で、分子量3,000〜50,000(数平均分子量換算)の領域に少なくとも1つのピークが存在し、分子量100,000以上の領域に少なくとも1つのピークが存在する樹脂が、定着性、オフセット性、保存性の点で好ましい。また、THF可溶分としては、分子量分布100,000以下の成分が50%〜90%となるような結着樹脂が好ましく、分子量5,000〜30,000の領域にメインピークを有する結着樹脂がより好ましく、5,000〜20,000の領域にメインピークを有する結着樹脂が最も好ましい。
前記結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂等のビニル重合体のときの酸価としては、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gが更に好ましい。
前記ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上の多価アルコールを併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
前記結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合、酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などが挙げられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
前記結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合は、樹脂成分のTHF可溶成分のGPC測定による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が60%〜100%となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
前記結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合、その酸価としては、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gが更に好ましい。
ここで、前記結着樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記結着樹脂としては、前記ビニル重合体成分及びポリエステル系樹脂成分の少なくともいずれか中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物、などが挙げられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gを有する樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
ここで、前記結着樹脂の酸価は、以下の方法により求めることができ、基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5g〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mlを加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をSmlとし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をBmlとし、以下の式(1)で算出する。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W・・・(1)
ただし、前記式(1)中、fはKOHのファクターである。
トナーの結着樹脂及び結着樹脂を含む組成物は、トナー保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が55℃〜70℃が好ましく、57℃〜70℃がより好ましい。前記Tgが55℃未満であると、高温雰囲気下でトナーが劣化しやすく、また定着時にオフセットが発生しやすくなることがある。一方、前記Tgが70℃を超えると、定着性が低下することがある。
また、本発明では低温定着化を促進するために結晶性ポリエステル樹脂を用いてもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、その分子主鎖中に下記一般式(1)で表わされるエステル結合を少なくとも60モル%含有する結晶性脂肪族ポリエステル樹脂からなることが好ましい。
−OCO−R−COO−(CH)n− 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸残基を示し、炭素数2〜20、好ましくは2〜4の直鎖状不飽和脂肪族基である。nは2〜20、好ましくは2〜6の整数である。
ここで、前記一般式(1)の構造の存在は、固体13C−NMRにより確認することができる。
前記直鎖状不飽和脂肪族基の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等の直鎖状不飽和2価カルボン酸由来の直鎖状不飽和脂肪族基を挙げることができる。
前記一般式(1)において、(CH)nは直鎖状脂肪族2価アルコール残基を示す。この場合の直鎖状脂肪族2価アルコール残基としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状脂肪族2価アルコールから誘導されたものを示すことができる。ポリエステル樹脂(A)は、その酸成分として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いたことから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を形成し易いという作用効果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、(i)直鎖状不飽和脂肪族2価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)直鎖状脂肪族ジオールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。この場合、多価カルボン酸成分には、必要に応じ、少量の他の多価カルボン酸を添加することができる。この場合の多価カルボン酸には、(i)分岐鎖を有する不飽和脂肪族二価カルボン酸、(ii)飽和脂肪族2価カルボン酸や、飽和脂肪族3価カルボン酸等の飽和脂肪族多価カルボン酸の他、(iii)芳香族2価カルボン酸や芳香族3価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸等が包含される。これらの多価カルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加することのできる多価カルボン酸の具体例を示すと、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の2価カルボン酸;無水トリメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の3価以上の多価カルボン酸等を挙げることができる。
前記多価アルコール成分には、必要に応じて、少量の脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコールの他、3価以上の多価アルコールを添加することができる。その添加量は、全アルコールに対して、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。必要に応じて添加される多価アルコールを例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、その分子量分布は、低温定着性の点から、シャープであるのが好ましく、また、その分子量は、比較的低分子量であるのが好ましい。前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、そのo−ジクロルベンゼン可溶分のGPCによる分子量分布において、その重量平均分子量(Mw)が5,500〜6,500、その数平均分子量(Mn)が1,300〜1,500及びそのMw/Mn比が2〜5であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂についての前記分子量分布は、横軸をlog(M:分子量)とし、縦軸を質量%とする分子量分布図に基づくものである。本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の場合、この分子量分布図において、3.5質量%〜4.0質量%の範囲に分子量ピークを有することが好ましく、また、そのピークの半値幅が1.5以下であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、そのガラス転移温度(Tg)及び軟化温度〔T(F1/2)〕は、トナーの耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましいが、一般的には、そのTgは80℃〜130℃、好ましくは80℃〜125℃であり、そのT(F1/2)は80℃〜130℃、好ましくは80℃〜125℃である。Tg及びT(F1/2)が前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
(ワックス)
前記ワックスとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、アミドワックス、長鎖炭化水素、脂肪族カルボン酸塩等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記アミドワックスとしては、例えばラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミド、ジメチトール油アミド、ジメチルラウリン酸アミド、ジメチルステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプロン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N−ブチル−N’ステアリル尿素、N−プロピル−N’ステアリル尿素、N−アリル−N’ステアリル尿素、N−ステアリル−N’ステアリル尿素などが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記脂肪族カルボン酸塩としては、例えばラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸水素カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸銀、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸水素カリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸銀、パルチミン酸リチウム、パルチミン酸カリウム、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸銅、パルチミン酸鉛、パルチミン酸タリウム、パルチミン酸コバルト、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸鉛、オレイン酸タリウム、オレイン酸銅、オレイン酸ニッケル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸タリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ベベリウム、イソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸カリウム、イソステアリン酸マグネシウム、イソステアリン酸カルシウム、イソステアリン酸バリウム、イソステアリン酸アルミニウム、イソステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸ニッケル、ベヘニン酸ナトリウム、ベヘニン酸カリウム、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸バリウム、ベヘニン酸アルミニウム、ベヘニン酸亜鉛、ベヘニン酸ニッケル、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸ニッケルなどが挙げられる。
前記ワックスの前記トナーにおける含有量は、前記結着樹脂100質量部に対し1.5質量部〜6質量部が好ましく、2質量部〜5質量部がより好ましい。前記ワックスの含有量が、1.5質量部未満であると、定着時の離型性が不充分となることがあり、6質量部を超えると、トナー表面にワックス成分が多くなり、トナー帯電量の低下を生じることがある。
前記ワックスの融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃〜165℃が好ましく、80℃〜150℃がより好ましい。前記融点が、70℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、165℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記ワックスの溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
(着色剤)
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
(荷電制御剤)
前記荷電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、正帯電のモノクロ用荷電制御剤としてはニグロシンが好適に用いられる。
前記荷電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カーリット社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。なお、正帯電のモノクロ用荷電制御剤としてはニグロシン顔料(オリエント化学社製:PBN-01)などが挙げられる。
前記荷電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記荷電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主荷電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(外添剤)
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えばHDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれも、ヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。
前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業社製);TAF−140(富士チタン工業社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ社製)などが挙げられる。
前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ社製);IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
また、無機微粒子にシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が、1nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけてしまうことがある。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmがより好ましい。また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、レーザー回折式粒径測定器等にて測定した際の体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
〔トナーの製造方法〕
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。本発明のトナーが軟化点Tm(A)が120℃以上210℃以下の樹脂Aと、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満の樹脂Bとを含有する場合には、その製造法としては、混練・粉砕法によるのが望ましい。
(混練・粉砕法)
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製のKTK型二軸押出機、東芝機械社製のTEM型押出機、ケイシーケイ社製の二軸押出機、池貝鉄工所社製のPCM型二軸押出機、ブス社製のコニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
前記トナーの体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。ここで、前記トナーの体積平均粒径は、次のようにして求めることができる。
〔トナーの体積平均粒径〕
・測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:100μm
・解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB=13.6)5質量%電解液
・分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、更に超音波分散機にて1分間分散させる。
・測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から質量平均粒径を求める。
〔現像剤〕
前記現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
(キャリア)
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10μm〜200μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、キャリアとトナーとの混合割合は、一般に、キャリア100質量部に対し、トナー1質量部〜10.0質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。
〔画像形成方法及び画像形成装置〕
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含んでなり、クリーニング工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、クリーニング手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
そして、本発明の画像形成方法においては、現像工程で前記本発明のトナーが用いられ、また、本発明の画像形成装置においては、現像手段に前記本発明のトナーが充填されている。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができる。即ち、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
本発明の画像形成方法においては、システム線速が500mm/sec〜2000mm/secである時に大きな効果を発揮するものである。高システム線速下では紙同士の擦れ応力が低システム線速に比べて極めて大きくなるため、高度な定着性を要求される。更に定着媒体である紙上に存在する炭酸カルシウムは、定着後画像と接触した際に画像を削るため、研磨に対しても、高度な耐久性を要求される。このため、本発明の画像形成方法では上記トナーが用いられ、また、定着媒体(記録媒体)として、表面にFTIR−ATR法(全反射吸収赤外分光法)により測定される、下記数式1から求めた炭酸カルシウム量が0.60以下である紙の使用が好ましい。これは、紙上に存在する炭酸カルシウムが、定着後画像と接触した際に画像を削るため、研磨に対しても、高度な耐久性を要求されるのに応えるものである。
<数式1>
炭酸カルシウム量=(炭酸カルシウム由来のピーク高さ1421cm−1)/(紙原料セルロース由来のピーク高さ1036cm−1
(静電潜像担持体)
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
(帯電工程及び帯電手段)
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程であり、前記露光手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)静電潜像担持体と接触して帯電させる接触方式の帯電手段と、(2)静電潜像担持体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段とに大別される。
−接触方式の帯電手段−
前記(1)の接触方式の帯電手段としては、例えば導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、前記帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、静電潜像担持体の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。
前記磁気ブラシは、例えばZn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブと、該スリーブに内包されるマグネットロールとから構成される。前記ファーブラシは、例えばカーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物等により導電処理されたファーを金属又は導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりして形成される。
ここで、図1は、帯電ローラの一例を示す断面図である。この帯電ローラ310は、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金311と、該芯金311の外周面上に形成された抵抗調整層312と、該抵抗調整層312の表面を被覆してリークを防止する保護層313とを有する。
前記抵抗調整層312は、少なくとも熱可塑性樹脂及び高分子型イオン導電剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を、芯金311の周面に押出成形又は射出成形することにより形成される。
前記抵抗調整層312の体積固有抵抗値は、10Ω・cm〜10Ω・cmが好ましい。前記体積固有抵抗値が10Ω・cmを超えると、帯電量が不足し、感光体ドラムがムラのない画像を得るために十分な帯電電位を得ることができなくなることがあり、体積固有抵抗値が10Ω・cm未満であると、感光体ドラム全体へのリークが生じるおそれがある。
前記抵抗調整層312に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)又はその共重合体(AS、ABS等)などが挙げられる。
前記高分子型イオン導電剤としては、単体での抵抗値が10〜1010Ω・cm程度であり、樹脂の抵抗を下げやすいものが用いられる。その一例として、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する化合物が挙げられる。前記抵抗調整層312の抵抗値を上記のような値にするため、その配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して30質量部〜70質量部が好ましい。
また、前記高分子型イオン導電剤として、4級アンモニウム塩基含有高分子化合物を用いることもできる。該4級アンモニウム塩基含有高分子化合物としては、例えば4級アンモニウム塩基含有ポリオレフィン等が挙げられる。前記抵抗調整層312の抵抗値を上記のような値にするため、その配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して10質量部〜40質量部が好ましい。
前記高分子型イオン導電剤の熱可塑性樹脂中への分散は、二軸混練機、ニーダー等により行うことができる。前記高分子型イオン導電剤は熱可塑性樹脂組成物中に分子レベルで均一に分散するので、前記抵抗調整層312には導電性顔料が分散する抵抗調整層に見られる導電性物質の分散不良に伴う抵抗値のばらつきが生じない。また、前記高分子型イオン導電剤が高分子化合物であるため、熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散して固定され、ブリードアウトが生じにくくなっている。
前記保護層313は、その抵抗値が抵抗調整層312の抵抗値よりも大きくなるように形成される。これにより感光体ドラムへの欠陥部へのリークが回避される。ただし、保護層313の抵抗値を高くしすぎると、帯電効率が低下するため、保護層313の抵抗値と抵抗調整層312の抵抗値との差は10Ω・cm以下であることが好ましい。
前記保護層313の材料としては、成膜性が良好である点から樹脂材料が好適である。前記樹脂材料としては、例えばフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが非粘着性に優れ、トナーの付着を防止する観点から好ましい。また、前記樹脂材料は一般に電気的な絶縁性を有するため、樹脂材料単体で保護層313を形成すると帯電ローラの特性が満たされない。そこで、前記樹脂材料に対して各種導電剤を分散させることによって、保護層313の抵抗値を調整する。なお、保護層303と抵抗調整層302との接着性を向上させるため、前記樹脂材料にイソシアネート等の反応性硬化剤を分散させてもよい。
前記帯電ローラ310は、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。該電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。このようにAC電圧を印加することにより、感光体ドラム表面をより均一に帯電することができる。
ここで、図2は、図1に示すような接触方式の帯電ローラ310を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。図2において、静電潜像担持体としての感光体ドラム321の周囲には、該感光体ドラム表面を帯電するための帯電手段310、帯電処理面に静電潜像を形成するための露光手段323、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを付着することで可視像を形成する現像手段324、形成された感光体ドラム上の可視像を記録媒体326上に転写する転写手段325、記録媒体上の転写像を定着する定着手段327、感光体ドラム上の残留トナーを除去し、回収するためのクリーニング手段330、感光体ドラム上の残留電位を除去するための除電装置331が順に配設されている。前記帯電手段310としては、図1に示す接触方式の帯電ローラ310が設けられ、感光体ドラム321表面はこの帯電ローラ310によって一様に帯電される。
−非接触方式の帯電手段−
前記(2)の非接触の帯電手段としては、例えばコロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを静電潜像担持体の表面に与える非接触な帯電方法であり、静電潜像担持体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は静電潜像担持体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
ここで、図3は、非接触方式のコロナ帯電器を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
前記帯電手段としては、非接触方式のコロナ帯電器311が設けられ、感光体ドラム321表面はコロナ帯電器311によって一様に帯電される。
前記静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラ(非接触の帯電ローラ)としては、前記静電潜像担持体に対して微小なギャップを持つように前記帯電ローラを改良したものである。前記微小なギャップは10μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
ここで、図4は、非接触の帯電ローラの一例を示す概略図である。この図4では、帯電ローラ310は、感光体ドラム321に対して微小ギャップHをもって配設されている。この微小ギャップHは、帯電ローラ310の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体ドラム321表面に当接させることで、設定することができる。なお、図4中304は電源である。
図4では、微小ギャップHの維持方法として、帯電ローラ310の両端部にフィルム302を巻きつけてスペーサ部材としている。このスペーサ302は、静電潜像担持体の感光面に接触させ、帯電ローラと静電潜像担持体の画像領域にある一定の微小ギャップHが得られるようになっている。また、印加バイアスは、AC重畳タイプの電圧を印加して、帯電ローラと静電潜像担持体との微小ギャップHに生じる放電により、静電潜像担持体を帯電させる。なお、図4に示すように、帯電ローラの軸311をスプリング303で加圧することで、微小ギャップHの維持精度が向上する。
なお、前記スペーサ部材は帯電ローラと一体成型してもよい。このとき、ギャップ部分は、少なくともその表面を絶縁体にする。これにより、ギャップ部分での放電をなくし、ギャップ部分に放電生成物が堆積し、該放電生成物の粘着性により、トナーがギャップ部分に固着し、ギャップが広がることを防止できる。
また、前記スペーサ部材としては、熱収縮チューブを用いてもよい。このような熱収縮チューブとしては、例えば105℃用のスミチューブ(商品名:F105℃、住友化学社製)などが挙げられる。
(露光工程及び露光手段)
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とディジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持体上に投影する光学系であり、前記ディジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の導電性支持体が露光光に透明である場合には、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
(現像工程及び現像手段)
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記の本発明トナー又は二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。即ち、前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明のトナー又は二成分現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
また、前記現像手段は、そこに本発明のトナー又は二成分現像剤が充填され、前記静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像手段を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記二成分現像剤が充填された現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
現像手段としては、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する二成分現像装置が好適である。
ここで、図5は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。この図5の二成分現像装置では、二成分現像剤がスクリュー441によって攪拌及び搬送され、現像剤担持体としての現像スリーブ442に供給される。この現像スリーブ442に供給される二成分現像剤は層厚規制部材としてのドクターブレード443によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード443と現像スリーブ442との間隔であるドクターギャップによって制御される。このドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて静電潜像担持体としての感光体ドラム1上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。そこで、現像スリーブ442内部には、その周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁界発生手段としての磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ442上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ442と感光体ドラム1は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ442は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成しており、回転駆動機構(不図示)によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ442の回転によって現像領域に移送される。現像スリーブ442には現像用電源(不図示)から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ442と感光体ドラム1間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム1上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。
前記現像ギャップは、現像剤粒径の5〜30倍程度が好ましく、現像剤粒径が50μmであれば0.5mm〜1.5mmに設定することが好適である。これより現像ギャップ広くすると、望ましい画像濃度がでにくくなることがある。
また、前記ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくすることが好ましい。感光体ドラム1のドラム径やドラム線速、現像スリーブ442のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であり、転写手段を用いて行われる。前記転写手段としては、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に直接転写する転写手段と、又は中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する二次転写手段とに大別される。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する二次転写手段とを有する態様が好ましい。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ローラなどが好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。このように中間転写体の体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にすることができる。
前記中間転写体の材質としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、以下のものが好適である。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、例えばPC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)とPAT(ポリアルキレンテレフタレート)とのブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)とPCとのブレンド材料、ETFEとPATとのブレンド材料、PCとPATとのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にリブズレが生じにくいという利点を有している。
(2)上記(1)のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を形成した2〜3層構成のベルトであり、このような2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因して発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
(3)樹脂、ゴム又はエラストマーを用いたヤング率の比較的低い弾性ベルトであり、このような弾性ベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じないという利点を有している。また、弾性ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止できるので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
これらの中でも、前記(3)の弾性ベルトが特に好ましい。
前記弾性ベルトは、転写部においてトナー層、平滑性の悪い記録媒体に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、トナー層に対して過度に転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けが無く、平面性の悪い記録媒体に対しても均一性の優れた転写画像が得られる。
前記弾性ベルトに用いる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリ−α−メチルスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば天然ゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDMゴム、NBRゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレア熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いる抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。なお、前記導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
また、前記弾性ベルトの表層は、弾性材料による静電潜像担持体への汚染防止、ベルト表面の摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくし、クリーニング性、二次転写性を高めることができるものが好ましい。前記表層は、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂と、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高めることができる材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体又は粒子とを含有することが好ましい。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行いフッ素リッチな表層を形成して、表面エネルギーを小さくしたものを使用することもできる。
前記弾性ベルトの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、(2)液体塗料を噴霧して膜を形成するスプレー塗工法、(3)円筒形の型を材料の溶液中に浸けて引き上げるディッピング法、(4)内型や外型の中に注入する注型法、(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付けて加硫研磨を行う方法などが挙げられる。
また、前記弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば(1)芯体層に伸びを防止する材料を添加する方法、(2)伸びの少ない芯体層にゴム層を形成する方法、などが挙げられる。
前記伸びを防止する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、綿、絹等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維などが挙げられ、これら材料を織布状又は糸状としたものが好適に用いられる。
前記芯体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、(2)筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面又は両面に被覆層を設ける方法、(3)糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法などが挙げられる。
前記被覆層の厚みは、該被覆層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなって画像の伸びや縮みが大きくなることから厚すぎる(約1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
〔記録媒体〕
本発明で使用される記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、通常は紙が好適に使用される。該紙は白色度を上げるなどの理由から、炭酸カルシウムなどの無機粒子が塗布されている。ここで、紙上に存在する炭酸カルシウムは、定着後画像と接触した際に画像を削るため、研磨に対しても、高度な耐久性を要求される。
そうした要求から、前記記録媒体としては、例えばThermoElectron社製のAvator370を用いFTIR−ATR法により、下記数式1で求めた記録媒体上に存在する炭酸カルシウムの量は0.6以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。前記記録媒体上の炭酸カルシウムの量が少ない場合においては特に問題は見られないが、記録媒体上の炭酸カルシウムの量が0.6を超えると、画像が充分に定着していても記録媒体を重ねたり、擦り合わせた時に記録媒体上の炭酸カルシウムが画像を擦り、定着画像が削れやすくなるため好ましくない。
<数式1>
炭酸カルシウム量=(炭酸カルシウム由来のピーク高さ1421cm−1)/(紙原料セルロース由来のピーク高さ1036cm−1
なお、記録媒体としては、代表的には紙であるが、転写後の未定着画像を定着可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−タンデム型画像形成装置の転写手段−
前記タンデム型画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列したものである。このタンデム型画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の4つの画像形成要素を搭載し、各々の可視像を4つの画像形成要素で並列に作成し、記録媒体又は中間転写体上で重ね合わせることから、より高速にフルカラー画像を形成できる。
前記タンデム型の画像形成装置としては、(1)図6に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体Sに転写手段2により、順次、前記各静電潜像担持体1上に形成された可視像を転写する直接転写方式と、(2)図7に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1上の可視像を転写手段(一次転写手段)2により一旦中間転写体4に順次転写した後、中間転写体4上の画像を二次転写手段5により記録媒体Sに一括転写する間接転写方式とがある。なお、図7では二次転写手段として転写搬送ベルトを用いているが、ローラ形状であってもよい。
前記(1)の直接転写方式と、前記(2)の間接転写方式とを比較すると、前記(1)の直接転写方式は、静電潜像担持体1を並べたタンデム型画像形成部Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着手段としての定着装置7を配置しなければならず、記録媒体の搬送方向に大型化する。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、二次転写位置を比較的自由に設置することができ、給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成部Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となるという利点がある。
また、前記(1)の直接転写方式では、記録媒体の搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成部Tに接近して配置することとなる。そのため、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、記録媒体Sの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚い記録媒体で顕著となる)や、定着装置7を通過するときの記録媒体の搬送速度と、転写搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるので、定着装置7はほとんど画像形成に影響を及ぼさない。
以上のようなことから、最近では、特に間接転写方式のものが注目されている。このようなカラー画像形成装置では、図7に示すように、一次転写後に静電潜像担持体1上に残留する転写残トナーを、クリーニング手段としてのクリーニング装置8で除去して静電潜像担持体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、二次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程である。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有する定着装置が好適に用いられる。
前記定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、無端状ベルトとローラとの組合せや誘導加熱などによる前記定着部材の表面からの加熱方法を用いるのが好ましい。
前記定着部材が無端状ベルトである場合、該無端状ベルトは、熱容量の小さい材料で形成されるのが好ましく、例えば、基体上にオフセット防止層が設けられてなる態様などが挙げられる。前記基体を形成する材料としては、例えば、ニッケル、ポリイミドなどが挙げられ、前記オフセット防止層を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記定着部材がローラである場合、該ローラの芯金は、高い圧力による変形(たわみ)を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。該非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、前記ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されていることのが好ましい。該オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
前記定着工程においては、前記トナーによる画像を前記記録媒体に転写し、該画像が転写された記録媒体を、前記ニップ部に通過させることにより、前記画像を前記記録媒体に定着させてもよいし、前記ニップ部にて前記画像の前記記録媒体への転写及び定着を同時に行ってもよい。
また、前記定着工程は、各色のトナーに対し、前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記ニップ部は、少なくとも2つの前記定着部材が互いに当接して形成される。
前記ニップ部の面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5N/cm以上が好ましく、7N/cm〜100N/cmがより好ましく、10N/cm〜60N/cmが更に好ましい。該ニップ部の面圧が高すぎると、ローラの耐久性が低下する場合がある。一方、前記ニップ部の面圧が5N/cm未満であると、定着性が不充分となることがある。
前記トナーによる画像の前記記録媒体への定着の温度(即ち、前記加熱手段による前記定着部材の表面温度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、120℃〜220℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。前記定着温度が、120℃未満であると定着性が不十分となることがあり、200℃を超えると省エネルギー化の実現の点で好ましくない。
加熱方式としては、例えば、前記定着部材それ自体が内部に加熱手段を有する、内部定着方式が挙げられる。このような加熱手段としては、例えばヒーター、ハロゲンランプ等の熱源が挙げられる。
図8は、内部加熱方式の定着手段の一例を示すベルト式定着装置である。この図8のベルト式定着装置510は、加熱ローラ511と、定着ローラ512と、定着ベルト513と、加圧ローラ514とを備えている。
定着ベルト513は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ511と定着ローラ512とによって張架され、加熱ローラ511により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ511は、内部には加熱源515が内蔵されており、加熱ローラ511の近傍に取り付けられた温度センサ517により温度調節可能に設計されている。定着ローラ512は、定着ベルト513の内側に、かつ定着ベルト513の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ514は、定着ベルト513の外側に、かつ定着ベルト513の外面に、定着ローラ512を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。また、定着ベルト513の表面硬度は、加圧ローラ514の表面硬度よりも低く、定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、定着ローラ512側に位置する。
図8に示すベルト式定着装置510において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ511まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源515の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ511及び定着ベルト513により記録媒体S上のトナー画像Tが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該記録媒体Sが定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nに挿入される。該ニップ部Nに挿入された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514の回転に連動して回転する定着ベルト513の表面に当接され、前記ニップ部Nを通過する際に押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514間を通過し、定着ベルト513から剥離され、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ514側に向けて排出され、記録媒体Sの定着ベルト513への巻き付きが防止される。なお、定着ベルト513はクリーニングローラ516で清浄化される。
また、図9に示す熱ロール式定着装置515は、前記定着部材としての加熱ローラ520と、これに当接されて配置された加圧ローラ530とを備えている。
加熱ローラ520は、中空の金属シリンダー521を有し、その表面がオフセット防止層522で被覆されて形成されており、内部に加熱ランプ523が配設されている。また、加圧ローラ530は、金属シリンダー531を有し、その表面がオフセット防止層532で被覆されて形成されている。なお、加圧ローラ530は、金属シリンダー531が中空形状を有し、その内部に加熱ランプ533が配設されていてもよい。
加熱ローラ520と加圧ローラ530とは、バネ(不図示)により付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられ、ニップ部Nを形成する。また、加熱ローラ520におけるオフセット防止層522の表面硬度は、加圧ローラ530におけるオフセット防止層532の表面硬度よりも低く、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、加熱ローラ520側に位置する。
図9に示す熱ロール式定着装置515において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ520と加圧ローラ530とのニップ部Nまで搬送される。そして、内蔵されている加熱ランプ523の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ520により記録媒体S上のトナーTが加熱されて溶融状態となると同時に、ニップ部Nを通過する際に、加圧ローラ530の押圧力により押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間を通過し、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ530側に向けて排出され、記録媒体Sの加圧ローラ530への巻き付きが防止される。なお、加熱ローラ520は、クリーニングローラ(不図示)で清浄化される。
上記の定着装置の定着ローラ(ヒートローラ)又は加熱された定着ベルトの表面には、離型性オイルを塗布するオイル塗布手段をさらに備えることが好ましく、これにより定着ローラへのトナーの付着が無くなる。なお、オイル塗布手段 の下方に、オイル受け手段を備えていることが好ましい。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
また、前記現像手段が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収することによって、クリーニング手段を設けることなくクリーニングを行うことができる(クリーニングレス方式)。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、クリーニングブレード、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。これらの中でも、トナー除去能力が高く、小型で安価であるクリーニングブレードが特に好ましい。
前記クリーニングブレードに用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
ここで、図10は、クリーニングブレード613における静電潜像担持体1との接触部615近傍を拡大して示す説明図である。クリーニングブレード613には、接触部615から静電潜像担持体1の回転方向上流側に向けて拡開する空間Sを感光体ドラム1の表面との間に形成するトナー阻止面617が設けられている。本実施の形態においては、空間Sが鋭角になるように、トナー阻止面617は接触部615から感光体ドラム1の回転方向上流側に延出している。
トナー阻止面617には、図10に示すように、クリーニングブレード613より摩擦係数の高い高摩擦部としてのコーティング部618が設けられている。このコーティング部618は、クリーニングブレード613を形成する材料よりも摩擦係数の高い材料(高摩擦材料)によって形成されている。このような高摩擦材料としては、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられる。なお、高摩擦材料は、DLCに限るものではない。コーティング部618は、トナー阻止面617において、感光体ドラム1の表面に接触しない範囲で設けられている。
なお、クリーニング手段は、図示を省略しているが、クリーニングブレードによって掻き取られた残存トナーを回収するトナー回収羽根、トナー回収羽根が回収した残存トナーを回収部まで搬送するトナー回収コイルなどを備えている。
<その他の工程及びその他の手段>
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
−画像形成装置の実施態様−
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図11を参照しながら説明する。図11に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置による露光30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレード60と、除電手段としての除電ランプ70とを備えている。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図11に示す画像形成装置100においては、まず、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置(不図示)が感光体ドラム10上に像様に露光30を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像を形成する。該可視像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、記録媒体95上には転写像が形成される。なお、静電潜像担持体10上の残存トナーは、クリーニングブレード60により除去され、静電潜像担持体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図12を参照しながら説明する。図12に示す画像形成装置100は、図11に示す画像形成装置100における様な現像剤担持体としての現像ベルト41を備えておらず、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図11に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図12においては、図11におけるものと同じものは同符号で示した。
−タンデム型画像形成装置及び画像形成方法−
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図13を参照しながら説明する。図13に示すタンデム型画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム型カラー画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図13中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像手段120が配置されている。タンデム型現像手段120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像手段120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、二次転写手段22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像手段120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図14に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図14中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写手段22との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着装置25へと送出され、この定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にストックされる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像が形成される潜像担持体と、潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像する現像装置を、少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、適宜選択したその他の手段をさらに一体に支持してもよい。
図15に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。このプロセスカートリッジは、感光体10を内蔵し、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、クリーニング装置60及び転写装置80を有する。これらの各部材は、前記の画像形成装置と同様のものを用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例において、樹脂の特性、トナー粒径、記録媒体上の炭酸カルシウム量は、以下のようにして測定を行った。
<樹脂の軟化点の測定>
フローテスター(島津製作所社製、CFT−500D)を用い、1gの樹脂を昇温速度3℃/分で加熱しながら、プランジャーにより0.98MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<樹脂のガラス転移温度の測定>
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料0.005gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
<曲げ強度測定>
測定機:インストロン5566(インストロン社製)、ロードセルは2kNを使用。
測定条件:クロスヘッド速度 2mm/s、スパン間距離 50mmとした。
試験片:180℃に加熱した熱ブレスを用いてトナーまたは樹脂をプレスし、その後冷却して、3mm厚の板を作成する。これを10mm×60mm×3mmの大きさに,平和テクニカ社製ダイアモンドカッター切り出した。切削時のバリ、欠けは#240紙やすりで研磨し、除去した。
測定環境:23℃×50%で実施。この環境下に試験片を1日間放置し、温度をなじませてから測定した。
試験数:N=5(最大値、最小値を除いた平均値とした。)
<トナーの体積平均粒径の測定>
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2μm〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5質量%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度で3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積平均粒径を求めた。
<記録媒体上の炭酸カルシウム量の測定>
FT−IR測定装置(Avator370、ThermoElectron社製)を用いて記録媒体である紙表面の分析を行った。分析結果から炭酸カルシウム由来1421cm−1の吸収ピーク高さと紙の原料であるセルロース由来1036cm−1のピーク高さを測定し、下記数式1から紙表面の炭酸カルシウム量を求めた。
<数式1>
炭酸カルシウム量=(炭酸カルシウム由来のピーク高さ1421cm−1)/(紙原料セルロース由来のピーク高さ1036cm−1
(ポリエステル樹脂の合成例)
表1に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、樹脂1、3を除いて無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステル系結着樹脂1〜5を合成した。
Figure 0005439796
*BPA−PO:ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
*BPA−EO:ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(トナー製造例)
表1に示すポリエステル系結着樹脂を表2の処方のように配合し、更に着色剤としてカーボンブラックを10質量部、離型剤としてカルナウバワックスを3質量部、及び帯電制御剤としてサリチル酸亜鉛1質量部を、ヘンシェルミキサー「MF20C/I型」(三井三池加工機株式会社製)に仕込み、混合条件:1500rpm、5サイクル(1サイクルにおいて、60秒間攪拌後、60秒間停止)攪拌混合した後、2軸押出機(東芝機械株式会社製)にて混練し、溶融物を1mm隙間の圧延ローラーを通した後、スチールベルト上で固形状態となるまで冷却し固形物を得た。ここで前記混練は、2軸押出機出口での混練生成物の温度が120℃前後となるように設定して行った。
次に、得られた固形物をACM−10パルベライザ(ホソカワミクロン社製)で約50μmまで粉砕した後、ジェットミルIDS−2(日本ニューマチック工業社製)にて粉砕し、次いで、風力分級を行って、体積平均粒径が8.0μm±0.5μmとなるように、トナー母体を作製した。得られたトナー母体100質量部に対し、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル社製)1.0質量部を添加し、ミキサー(三井鉱山社製、2OBヘンシェルミキサー)混合条件:2800rpm、5サイクル(1サイクルにおいて、60秒間攪拌後、60秒間停止)で混合し、45μm目開き篩でふるって、トナーを作製した。
Figure 0005439796
<トナー粉砕性評価>
トナーの製造時に得られる原材料の溶融混練物を、ハンマーミルにて粒径200〜300μmに粗粉砕したものを10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM−I型(日立リビングサプライ社製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない樹脂の質量(A)gを精秤し、下記数式(i)により、残存率を求め、この操作を3回行い、平均した残存率の平均値を粉砕性の指標とし、下記の評価基準に従って粉砕性を評価した。残存率の平均値が小さいほど粉砕性に優れる。
残存率(%)=〔(A)/粉砕前のトナー質量(10.00g)〕×100 数式(i)
<評価基準>
◎:残存率が5%未満
○:残存率が5%以上10%未満(従来のトナー並)
×:残存率が10%以上
(キャリアの作製)
下記に示す原材料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂のブレンド被覆層溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0、平均粒径=35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に厚み0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥させた。得られたキャリアを電気炉中にて、150℃で1時間放置し焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを作製した。
−キャリア被覆層の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0質量部
・グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4質量部
・アルミナ粒子(粒径=0.3μm、固有抵抗=1014Ω・cm) 7.6質量部
・シリコーン樹脂溶液(固形分23質量%、SR2410、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) 65.0質量部
・アミノシラン(固形分100質量%、SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
0.3質量部
・トルエン 60質量部
・ブチルセロソルブ 60質量部
(現像剤の作製)
表4に記載した配合で製造したトナーをそれぞれ5質量部と、前記キャリア95質量部とを、ターブラーミキサー(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik社製、T2F)で5分間攪拌して試験に用いる現像剤を作製した。
(実施例及び比較例の評価方法)
<画像強度評価>
負帯電トナー用に改造した超高速電子写真方式印刷機(株式会社リコー製、Infoprint4100)を用い、これに各現像剤、所定の紙をセットし、線速1676mm/sで印刷テストを行った。
定着性の評価用画像は、ベタ部の画像濃度IDがX−Rite 938型(X−Rite社製)で測定し1.3となる画像濃度にて、文字列の並んだ画像面積率25%の画像(20cm×20cm四方)を出力した。表3に示す記録媒体を使用して定着性評価を行った。
出力した画像をクロックメーター(Atras Electric Devices社製、Model 1)を使用して、定着媒体と同種の紙を20mm×20mmに加工し、その紙片にて10回擦り、擦った際に画像表面が削れて着色した紙片のIDをX−Rite 938型(X−Rite社製)で測定した。この測定は紙による画像擦れを加速的に確認するために実施しており、擦った紙の着色が濃いほど、画像が削れ、画質低下および機器の汚染性が高まることを意味する。得られたIDを下記の基準で評価した。前記の理由からIDは低いほど画像強度が高いと判断できる。結果を表3に示す。
〔評価結果〕
◎:IDが0.08未満
○:IDが0.08以上0.10未満
△:IDが0.10以上0.15以下
×:IDが0.15超
−記録媒体−
a:表面炭酸カルシウム量0.02の紙
b:表面炭酸カルシウム量0.49の紙
c:表面炭酸カルシウム量0.62の紙
Figure 0005439796
表3の結果から、実施例1〜15は、比較例1〜6に比べて、トナーの製造性が高く定着媒体を変更しても画像が紙との擦りに対して強く、定着性に優れ、極めて高品質な画像を形成できることがわかった。
本発明の画像形成装置における帯電ローラの一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置における接触方式の帯電ローラを画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置における非接触方式のコロナ帯電器を画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置における非接触方式の帯電ローラの一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置における二成分現像手段の一例を示す概略図である。 本発明のタンデム型画像形成装置の直接転写方式の一例を示す概略図である。 本発明のタンデム型画像形成装置の間接転写方式の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置におけるベルト方式の定着手段の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置における熱ローラ方式の定着手段の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 本発明のタンデム型画像形成装置の一例を示す概略図である。 図13に示す各画像形成要素の拡大図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2 転写手段(一次転写手段)
3 搬送ベルト
4 中間転写体
5 二次転写手段
6 給紙装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング手段
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像手段
45Y イエロー用現像手段
45M マゼンタ用現像手段
45C シアン用現像手段
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング手段
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像手段
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
302 フィルム
303 スプリング
311 芯金
312 抵抗調整層
313 保護層
310 帯電ローラ
321 静電潜像担持体
323 露光手段
324 現像手段
325 転写手段
326 記録媒体
327 定着手段
330 クリーニング手段
331 除電装置
400 原稿自動搬送装置(ADF)
401 ケーシング
402 現像ローラ
411 アジテータ
412 供給ローラ
413 規制ブレード
510 ベルト式定着装置
511 加熱ローラ
512 定着ローラ
513 定着ベルト
514 加圧ローラ
515 熱ロール式定着装置
525 ロール式定着装置
613 クリーニングブレード
S 記録媒体
P 記録媒体

Claims (13)

  1. 静電潜像を現像するためのトナーであって、前記トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、かつトナーをプレート化し、JIS K7171に基づいて測定した曲げ強度が10〜20MPaであり、
    前記結着樹脂がポリエステルであり、
    該ポリエステルはアルコール成分としてネオペンチルグリコールを含み、且つ、軟化点Tm(A)が160.5℃以上210℃以下である樹脂Aを含み、
    混練・粉砕法で製造されたことを特徴とするトナー。
  2. 前記結着樹脂は、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満の樹脂Bをさらに含有してなる請求項1に記載のトナー。
  3. 前記樹脂Aと前記樹脂Bとの混合質量割合(A/B)が、20/80〜80/20である請求項2に記載のトナー。
  4. 記樹脂Aおよび前記樹脂Bは、アルコール成分がポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、エチレングリコール、及びネオペンチルグリコールから選ばれる1種以上からなり、カルボン酸成分がテレフタル酸、無水トリメリット酸、及びアジピン酸から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項2または3に記載のトナー。
  5. 前記離型剤のトナーにおける含有量が、結着樹脂100質量部に対し1.5〜6.0質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  6. キャリアと請求項1〜5のいずれかに記載のトナーとを含有することを特徴とする二成分現像剤。
  7. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を請求項1〜5のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  8. 前記定着工程は定着部材にオイルを塗布する機構を有する請求項7に記載の画像形成方法。
  9. システム線速が500〜2000mm/sである請求項7又は8に記載の画像形成方法。
  10. 前記記録媒体が紙であり、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により測定される、下記数式1から求めた前記記録媒体上における炭酸カルシウム量が0.60以下である請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成方法。
    <数式1>
    炭酸カルシウム量=(炭酸カルシウム由来のピーク高さ1421cm−1)/(紙原料セルロース由来のピーク高さ1036cm−1
  11. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを備えた画像形成装置であって、前記現像手段に請求項1〜5のいずれかに記載のトナーを充填したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 前記定着工程は定着部材にオイルを塗布する手段を有する請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 少なくとも静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に形成された静電荷像をトナーを用いて現像し可視像とする現像手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジであって、前記現像手段に請求項1〜5のいずれかに記載のトナーを充填したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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