JP5002448B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5002448B2
JP5002448B2 JP2007340174A JP2007340174A JP5002448B2 JP 5002448 B2 JP5002448 B2 JP 5002448B2 JP 2007340174 A JP2007340174 A JP 2007340174A JP 2007340174 A JP2007340174 A JP 2007340174A JP 5002448 B2 JP5002448 B2 JP 5002448B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
image forming
forming apparatus
electrostatic latent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007340174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009162865A (ja
Inventor
慎也 中山
昭宏 小番
顕芳 左部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2007340174A priority Critical patent/JP5002448B2/ja
Publication of JP2009162865A publication Critical patent/JP2009162865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5002448B2 publication Critical patent/JP5002448B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、
画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
従来から電子写真方式の画像形成装置等において、電気的または磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。しかしながら、トナーの低温定着性を達成するためにはバインダー樹脂の軟化点を低くする必要がある。バインダー樹脂の軟化点が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生する。また、トナーの耐熱性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題があった。
これらの課題を達成した報告として、特許文献1〜4がある。バインダー樹脂に環化ゴムを用い、ワックスを溶融させることで、トナーの低温軟化を達成しながら、優れた耐熱保存性と耐ホットオフセット性を得ることができる。しかしながら、環化ゴムは溶融時の接着性(タッキネス)が非常に高く、定着時において、トナーが定着部材に強く接着し、定着ローラまたは定着ベルトへの用紙詰まり(ジャム)が発生する問題があった。また、定着時にトナー中のワックスは環化ゴムと相溶するため、ワックスが画像表面に移動し難く、ワックスによる離型機能が作用しない問題があった。
特許文献5では、バインダー樹脂に環化ゴムを用いると共に、着色剤の分散性を向上させる目的で、無機微粒子をトナー中に分散させたトナーの報告がなされている。これは、環化ゴムの接着性の良さを利用して、定着媒体への定着力にも優れるものであったが、必ずしも低温定着性や耐熱保存性に優れるものでは無かった。
前述したように、環化ゴムを用いたトナーは、ワックスを相溶させることで、トナーの低温軟化が可能であるが、更に優れた低温定着性と、耐熱保存性、耐ホットオフセット性の両立の為には、適正な環化ゴムと適正なワックスの組合せを行うことが重要である。しかしながら、これらの報告は適正な特性を持つ環化ゴムとワックスの組合せについて規定したものではなく、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性、定着離型性を全て両立できるものではなかった。
特開2002−23411号公報 特第3750798号公報 特開2002−287422号公報 特開2003−345064号公報 特開2004−325843号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、極めて優れた低温定着性と耐オフセット性、耐熱保存性を両立すると共に、定着離型性、耐久性のいずれにも優れたトナーを提供することを目的とする。更に、前記トナー用い、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、細線再現性に優れ、また、濃度低下、カブリ、カスレ等の異常画像の見られない極めて高品質な画像を形成できる画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1>静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電装置と、前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、トナーとを備え、前記静電潜像を該トナーにより現像して可視像を形成する現像装置と、前記可視像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着装置と、を少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像装置が、内部に固定された磁界発生装置を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有しており、前記トナーは、結着樹脂、ワックス及び着色剤を含み、前記結着樹脂は、環化ゴム及び環状オレフィン樹脂を含み、前記環化ゴムは、環化率が50〜75%、重量平均分子量Mwが1.0×10 〜5.0×10 、重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が3.0以下、ガラス転移点(Tg)が55〜70℃であり、前記環状オレフィン樹脂は、炭素数が2〜12の低級アルケンと、少なくとも1つの二重結合を有する炭素数が3〜17の環状オレフィンとの共重合体であり、前記ワックスは、融点が50〜85℃であり、前記環化ゴムに対する前記ワックスの含有量が25〜40質量%であることを特徴とするトナーであること。
<2><1>の画像形成装置において、前記環化ゴムの含有量が、前記トナーの質量に対して10〜75質量%であることを特徴とする画像形成装置であること。
<3><1>又は<2>の画像形成装置において、前記環化ゴムが、環化ポリブタジエン又は環化ポリイソプレンであることを特徴とする画像形成装置であること。
<4><1>ないし<3>のいずれかの画像形成装置において、前記環状オレフィン樹脂のガラス転移点(Tg)が、50〜80℃であることを特徴とする画像形成装置であること。
<5><1>ないし<4>のいずれかの画像形成装置において、前記環化ゴムと前記オレフィン樹脂の組成比が、15/85〜80/20であることを特徴とする画像形成装置であること。
<6><1>ないし<5>のいずれかの画像形成装置において、前記ワックスが、カルナウバワックス含むことを特徴とする画像形成装置であること。
<7><1>ないし<6>のいずれかの画像形成装置において、前記現像装置が、トナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材を有することを特徴とする画像形成装置であること。
<8><1>ないし<7>のいずれかの画像形成装置において、前記転写装置が、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に転写する転写装置であることを特徴とする画像形成装置であること。
<9><1>ないし<8>のいずれかの画像形成装置において、少なくとも静電潜像担持体、帯電装置、現像装置、及び転写装置を含む画像形成要素を複数配列してなり、前記転写装置は前記複数の画像形成要素の各静電潜像担持体との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体に、順次、前記各静電潜像担持体上に形成された可視像を転写する転写装置であることを特徴とする画像形成装置であること。
<10><1>ないし<8>のいずれかの画像形成装置において、前記転写装置が、静電潜像担持体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する二次転写装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
<11><1>ないし<10>のいずれかの画像形成装置において、前記現像装置が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成装置であること。
<12><1>ないし<11>のいずれかの画像形成装置において、前記定着装置が、ローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着することを特徴とする画像形成装置であること。
<13><1>ないし<11>のいずれかの画像形成装置において、前記定着装置がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着装置であることを特徴とする画像形成装置であること。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤からなるトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも環化ゴムを含み、前記環化ゴムの環化率が50〜75%であり、前記ワックスは融点が50〜85℃であることを特徴とするトナーである。
通常、トナーに用いられるワックスは、定着時にトナーと定着部材との離型性を向上させる為の離型剤として用いられるのが一般的である。本発明のトナーにおけるワックスは、離型剤としての機能の他に、樹脂の可塑剤としての重要な機能を持つことが特徴である。
環化ゴムは、従来よりトナー用バインダーとして用いられていたポリエステル樹脂やスチレン−アクリル系樹脂に比べて高いエラストマー弾性を持ち、ガラス転移点(Tg)以降のゴム状温度領域においても従来のトナー用バインダー樹脂より高い弾性率を維持する。一方、環化ゴムは多くのワックスと相溶性が高く、ワックスが微分散または/及び相溶した環化ゴムは可塑化が生じる。つまり、狙いとする定着温度で速やかに軟化するように環化ゴムを可塑化し、且つ、高温領域においても弾性率を維持するように環化ゴムとワックスの特性を制御することで、本発明の課題を解決することができる。環化ゴムは環化部と非環化部から構成され、環化ゴム中における環化部の割合を環化率で示すが、環化率は、可塑化の程度とゴム状温度領域における弾性率を決定する重要なファクターである。また、環化ゴムの環化率に応じて、環化ゴムを所望とする程度にまで可塑するための最適なワックスの融点が存在することが判明した。
更に、耐熱保存性と低温定着性の両立には、定着可能な最低温度で、樹脂が高弾性領域から、速やかに定着可能な弾性領域までに軟化すること、つまりシャープメルト性が必要であり、環化ゴムの分子量分布を特定範囲にすることでシャープメルト性が発現することが判った。すなわち、本発明者らは鋭意検討の結果、環化ゴムの環化率とワックスの融点を特定範囲に組合せ、また、環化ゴムの分子量分布を特定の範囲にすることで、従来のトナーでは得られなかったような優れた低温定着性と、耐熱保存性および耐ホットオフセット性を兼ね備えるトナーを発明するに至った。また、本発明のトナーは弾性が高い為に、機械的強度に優れ、現像器内の部材やキャリアを汚染することがない。また、結着樹脂とワックスの相溶性に優れる為、感光体へのワックスフィルミングが発生しない。また、加熱定着時には適度にワックスがトナー表面に染み出し、定着離型性に優れる。
また、本発明のトナーの特徴の一つとして、トナーのDSC測定によって得られる少なくとも1つの吸熱ピークが、結着樹脂である環化ゴム及びワックスのDSC測定によって得られる吸熱ピークの温度よりも低いことが挙げられる。これは、環化ゴムの全体もしくは一部とワックスが相溶し、環化ゴムが可塑化していることを表しており、環化ゴムとワックスそれぞれ単独での吸熱ピークとは別に、可塑化した環化ゴムに由来する新たな吸熱ピークが表れるためである。本発明における課題は、環化ゴムの環化率とワックスの融点及び環化ゴムの分子量分布によって、前記可塑化した環化ゴムに由来する吸熱ピークの温度や吸熱量を制御することで達成されるものでもある。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、前記トナーは少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤からなるトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも環化ゴムを含み、前記環化ゴムの環化率が50〜75%であり、前記ワックスは融点が50〜85℃である。
本発明の画像形成装置においては、前記帯電手段が、前記静電潜像担持体表面を一様に帯電させる。前記露光手段が前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。前記現像手段が、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する。前記転写手段が、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーを用いているので、省エネルギーでの定着が可能であり、オフセットの発生や定着離型不良がなく、キャリアや現像機内の汚染や感光体へのフィルミングがなく、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、また、濃度低下、カブリ、カスレ等の異常画像見られない。更に、定着時において、トナーは適度な弾性を持つためと予想されるが、定着紙上でトナーが過度に潰れず、細線再現性に優れた高品質な画像が得られる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、前記トナーは少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤からなるトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも環化ゴムを含み、前記環化ゴムの環化率が50〜75%であり、前記ワックスは融点が50〜85℃である。
本発明の画像形成方法においては、前記帯電工程において、前記静電潜像担持体表面を一様に帯電させる。前記露光工程において、前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。前記現像工程において、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する。前記転写工程において、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーを用いているので、省エネルギーでの定着が可能であり、オフセットの発生や定着離型不良がなく、キャリアや現像機内の汚染や感光体へのフィルミングがなく、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、また、濃度低下、カブリ、カスレ等の異常画像見られない。更に、定着時において、トナーは適度な弾性を持つためと予想されるが、定着紙上でトナーが過度に潰れず、細線再現性に優れた高品質な画像が得られる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であり、かつ前記トナーは少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤からなるトナーであって、前記結着樹脂が少なくとも環化ゴムを含み、前記環化ゴムの環化率が50〜75%であり、前記ワックスは融点が50〜85℃である。このとき、前記トナーを用いているので、キャリアや現像機内の汚染や感光体へのフィルミングがなく、長期間の使用にわたり色調の変化が無く、また、濃度低下、カブリ、カスレ等の異常画像の見られない高品質な画像が得られる。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂として環化ゴムを含む樹脂を用い、ワックス、及び着色剤を含有してなるトナーであり、更に必要に応じて磁性体、帯電制御剤、外添剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明における環化ゴムは、共役ジエン系モノマーから構成される天然ゴムや合成ゴムの分子内または/及び分子間に環状構造を持たせた樹脂であり、これらの天然ゴムや合成ゴムを酸触媒等の触媒を用いて反応させることで得ることができる。
天然ゴムとしては、主にシス−1,4−ポリイソプレンを主成分とする天然ポリイソプレンが挙げられる。天然ゴムは、本発明の効果に影響しない範囲で非ゴム成分等の不純物を含んでも問題ないが、環化率の制御の観点から、精製された天然ゴムを用いることが好ましい。
合成ゴムとしては、共役ジエン系モノマーを単独、もしくは2種以上を重合して得られるポリマーが主に挙げられる。共役ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく用いられ、特にはシス−1,4−ブタジエン構造を主成分とするポリブタジエン、シス−1,4−イソプレン構造を主成分とするポリイソプレンが好ましく用いられる。
また、本発明における合成ゴムは、前記共役ジエン系モノマーと共に、共役ジエン系モノマーと共重合可能なモノマーを重合して得られたポリマーであっても良い。共役ジエン系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−メトキシメチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、クロロメチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、ペンタフルオロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニルモノマー;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィンモノマー;等が挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく用いられる。これら共役ジエン系モノマーと共重合可能なモノマーの、ポリマー中における含有量は、特に限定されるものではないが、環化率の制御の観点から、60モル%以下、好ましくは40%以下、特に好ましくは20%以下である。
本発明の環化ゴムは上記の天然ゴムまたは合成ゴムを、環化触媒を用いて反応させることで得ることができる。環化触媒としては、例えば、硫酸;p−トルエンスルホン酸、モノフルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸;その無水物またはアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等の金属ハロゲン化合物;等が挙げられる。これらの環化触媒は、単独で用いても2種類以上を併用して用いても良い。これらの中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸が好ましく用いられる。
本発明における環化率とは、環化ゴム中における環化部の割合を表す。環化率は、H−NMR分析により測定される。環化反応前後におけるポリマー中の二重結合由来のプロトンのピーク面積をそれぞれ測定し、環化反応前の前記ピーク面積を(C0)、環化反応後の前記ピーク面積を(C1)とすると、式(1)より求めることができる。
環化率(%)={1−(C1/C0)}×100……式(1)
本発明における環化ゴムの環化率は50〜75%が好ましく、より好ましくは55〜70%、特に好ましくは60〜65%である。前記範囲は、後述される特定の融点範囲を持ったワックスを使用した場合に、低温定着性と耐熱保存性、耐ホットオフセット性を両立させることができる範囲である。50%より低い場合、定着温度域における樹脂の溶融弾性率が低くなりすぎるため、ホットオフセットが発生しやすくなる。逆に75%より高い場合、定着温度域におけるトナーの溶融粘性率が高くなりすぎるため、低温定着性が悪化する。また、弾性率の増大に伴い、混練性や粉砕性が著しく悪化する。
本発明における環化ゴムのガラス転移点(Tg)は、55〜100℃であることが好ましく、より好ましくは60〜80℃、特に好ましくは65〜70℃である。本発明のトナーは、環化ゴムにワックスを微分散、もしくは相溶させることによって、ワックスが環化ゴムの一部を可塑化し、優れた低温定着性を発揮する。ワックスによって可塑化された環化ゴムの一部のTgは、可塑化されていない環化ゴムのTgよりも低くなる。従って、環化ゴムのTgが前述した範囲より低いと、可塑化した環化ゴムのTgが低すぎるため、トナーの耐熱保存性は悪化する。また、Tgが高すぎる場合は、環化ゴムの可塑化に必要なワックス量が多くなり、フィルミングの原因になる。更に、トナーのTgが高くなり過ぎるため、低温定着性が損なわれる。
また、極めて高い次元で低温定着性と耐熱保存性を両立するためには、前述したように、環化ゴムが狙いの定着温度でシャープメルトすることが好ましい。環化ゴムの環化率及びワックスの融点を特定範囲に規定するだけでも、優れた低温定着性と耐熱保存性、耐ホットオフセット性を両立することが可能であるが、更に、環化ゴムにシャープメルト性を付与することで、本発明の効果は最大限に発揮される。環化ゴムのシャープメルト性は、環化ゴムの重量平均分子量及び分子量分布を特定範囲とすることで得られる。
即ち、環化ゴムの重量平均分子量Mwは、5.0×10〜1.0×10であることが好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10であり、特に好ましくは1.3×10〜3.5×10である。5.0×10より小さいと、環化ゴムの温度に対する緩和弾性率特性におけるゴム状平坦領域の幅が減少し、トナーの定着可能な温度幅が減少する。また、1.0×10より大きい場合は、環化ゴムの弾性率が高くなりすぎる為、低温定着性が得られなくなったり、粉砕性が低下する。更に、環化ゴムの分子量分布幅は環化ゴムのシャープメルト性に大きく影響しており、分子量分布幅を表す重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)((Mw/Mn)≧1.0)は10.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下であり、特に好ましくは2.5以下である。Mw/Mnが10.0より大きい場合、シャープメルト性が不足し、低温定着性と耐熱保存性が悪化する傾向が表れる。
本発明のトナーにおける前記環化ゴムの使用量は、トナーの質量に対して、10〜75質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%、特に好ましくは30〜40質量%である。10質量%未満の場合、本発明の効果である、優れた低温定着性と耐熱保存性が得られ難くなり、75質量%えると、定着離型性や粉砕性を悪化させる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂として上記環化ゴムと共に環状オレフィン樹脂を併用できる。環状オレフィン樹脂は、硬く脆い性状を持ち、環化ゴムとの相溶性に優れる。環化ゴムは弾性が高く、難粉砕性を示すが、環化ゴムと環状オレフィン樹脂を併用することで、トナーの微粉砕が容易になる。また、環状オレフィン樹脂は光透過性が高い無色透明の樹脂であるため、定着画像の光学的濃度を高めることができる。
本発明に用いる環状オレフィン樹脂は、1種の環状オレフィンが単独重合したポリマーや、2種以上の環状オレフィンが共重合したポリマーであっても良い。また、環状オレフィンと環状オレフィンと共重合可能な非環状オレフィンとの共重合体であっても良い。
環状オレフィン系のモノマーとしては、少なくとも1つの二重結合を有する炭素数3〜17、好ましくは5〜12のモノマーであり、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の単環式オレフィン化合物;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン等の環状共役ジエン化合物;ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン等の多環式オレフィン化合物;ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン等のビニル系環式オレフィン化合物;等が挙げられる。
上記環状オレフィンと共重合可能な非環状オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン;イソブテン、イソプレン等の分岐状オレフィン;等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは炭素数が2〜12、より好ましくは2〜6の低級アルケンが用いられ、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブチレン等が挙げられる。また、これらの非環状オレフィン系モノマーは、単独であっても2種以上を併せて用いても良い。
本発明における環状オレフィン樹脂のガラス転移点(Tg)は、45〜70℃であることが好ましく、より好ましくは55〜65℃である。この範囲よりTgが低いと、トナーの耐熱保存性が悪化し、逆に高い場合は、低温定着性を阻害する。
また、前記環化ゴムと前記環状オレフィン樹脂を併用する場合、前記環化ゴムと前記環状オレフィン樹脂の組成比は、15/85〜70/30であることが好ましい。より好ましくは、30/70〜65/35であり、特に好ましくは40/60〜60/40である。この範囲の組成比であれば、ワックスによる環化ゴムの可塑効果を阻害することなく、また、トナーの粉砕性を向上させることが可能である。
本発明に用いる結着樹脂として、前記環化ゴムや前記環状オレフィン樹脂の他に、その他の樹脂を併用しても良い。前記その他の結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができる。例えば、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン、又はその誘導体、などが挙げられる。
前記アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、あるいはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸、又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記メタクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマーの例としては、以下の(1)〜(18)が挙げられる。(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル重合体、又は共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、芳香族ジビニル化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、などが挙げられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、などが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。これらの架橋剤は、前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマー100質量部に対して、0.01〜10質量部用いることが好ましく、0.03〜5質量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組合せが好ましい。
ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
本発明のトナーに使用できる結着樹脂としては、前記ビニル重合体成分及びポリエステル系樹脂成分の少なくともいずれか中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物、などが挙げられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
本発明で用いるワックスは、定着時におけるトナーの離型性を向上させると共に、環化ゴムの可塑剤としての重要な機能を持つものである。なお、本発明において規定される融点範囲を持つワックスは、前述される特定の環化率を持つ環化ゴムとの組合せで初めて、本発明の効果を発揮するものである。
本発明のワックスとしては、融点が50〜85℃のものであれば良く、より好ましくは65〜85℃、特に好ましくは70〜80℃である。ワックスの融点が前記範囲内である、通常使用されるワックスであれば、本発明の環化ゴムに良好に微分散又は/及び相溶し、環化ゴムを可塑化することが可能である。ワックスの融点が50℃以下であると、環化ゴムの可塑化が過剰に促進され、トナーの耐熱保存性が不十分である。また、85℃以上であると、環化ゴムが十分に可塑化されず、優れた低温定着性を発揮することができない。
ワックスの種類としては、効果が確認されている範囲で例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナウバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの;等が挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類等の飽和直鎖脂肪酸;プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;等が挙げられる。
また、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン;放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス;水酸基又はカルボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックス等を用いることもできる。
上記ワックスの中でも、特に、ポリプロピレンワックス、ポリオレフィンワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス、カルナウバワックス、ライスワックスが好適であり、この中でも特に好ましくは、カルナウバワックス、パラフィンワックスである。
また、上記に挙げられるようなワックスの内、2種以上の異なる種類のワックスを併用して用いても良い。
前記ワックスの総含有量としては、前記環化ゴムの質量に対し、20〜65質量%が好ましく、更に好ましくは25〜40質量%、特に好ましくは30〜35質量%である。但し、環化ゴムと着色剤及びワックスの総量が、トナー総質量に対して少なくとも100質量%えてはならない。65質量%より多い場合は、環化ゴムが過度に可塑化されるため、耐熱保存性、耐ホットオフセット性、離型性が悪化する傾向にある。また、20質量%より少ない場合は、環化ゴムが十分に可塑化されず、低温定着性が悪化する。
また、上記に挙げられるようなワックスと共に、融点の高いワックスや、可塑化作用の少ないワックスを併用して用いることで、トナーの離型性を向上させることができる。例えば、上記に挙げられるワックスであって、融点が85〜160℃であるものが好ましく、更に好ましくは、90〜120℃である。環化ゴムに対して可塑化作用が少ないワックスとしては、例えば、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、あるいは長鎖アルキルアルコール等の飽和アルコール;ソルビトール等の多価アルコール;グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート等の脂肪酸と多価アルコールのエステル化合物;リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド;メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド;シリコーン、アクリル酸やメタクリル酸等で変性されたシリコーン等のシリコーンワックス類;が挙げられる。これらのワックスは、環化ゴムに対して可塑化作用が少ないが、好ましくは融点が85〜160℃、更に好ましくは、90〜120℃である。
これらのワックスの含有量としては、トナーの質量に対し、3〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5〜10質量%である。30質量%より多い場合は、トナー表面にワックスが露出しやすくなり、耐熱保存性やトナーの流動性が悪化しやすくなる。3質量%より少ない場合は、離型性向上の効果が得られにくい。
本発明では、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。前記ワックス又はトナーのDSC測定機器としては、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いる。
本発明に用いられる着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた本発明のトナーの結着樹脂に使用可能な各種樹脂を用いることができる。この中でも特に好適なものとしては、環化ゴムとの相溶性の観点から、例えば、共役ジエン系モノマーから構成される天然ゴム;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の合成ゴム;これらの天然ゴムや合成ゴムとから得られる環化ゴム;1種の環状オレフィンが単独重合したポリマー、2種以上の環状オレフィンが共重合したポリマー、環状オレフィンと環状オレフィンと共重合可能な非環状オレフィンとの共重合体等の環状オレフィン構造を有する樹脂;等が挙げられる。
前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得る事ができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の、水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため、乾燥する必要がなく、好適に使用される。混合混練するには、例えば二本ロールミルや三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に使用される。
前記マスターバッチの使用量としては、結着樹脂100量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
また、前記マスターバッチ用の樹脂は、酸価が30mgKOH/g以下で、着色剤を分散させて使用することが好ましく、20mgKOH/g以下がより好ましい。酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、顔料分散性も不十分となることがある。なお、酸価はJIS K0070に記載の方法により測定することができる。
また、前記マスターバッチ用の樹脂と着色剤と共に顔料分散剤を用いても良いが、顔料分散性の点で、結着樹脂との相溶性が高いことが好ましい。具体的な市販品としては、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」(味の素ファインテクノ社製)、「Disperbyk−2001」(ビックケミー社製)、「EFKA−4010」(EFKA社製)、などが挙げられる。
前記顔料分散剤は、トナー中に、着色剤に対して0.1〜10質量%の割合で配合することが好ましい。配合割合が0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
本発明では、結着樹脂、着色剤とともに磁性体を含有させることもできる。
本発明で使用できる磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物、などが用いられる。
磁性体として具体的に例示すると、Fe4、γ−Fe、ZnFe、YFe12、CdFe、GdFe12、CuFe、PbFe12O、NiFe、NdFeO、BaFe1219、MgFe、MnFe、LaFeO、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも特に、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が好適に挙げられる。
また、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、又はその混合物も使用できる。異種元素を例示すると、例えば、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、などが挙げられる。好ましい異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、又はジルコニウムから選択される。異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、又は表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
前記磁性体の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましい。これらの磁性体の個数平均粒径としては、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。前記個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無等によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。10質量部える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、勿論有機溶剤に直接溶解または分散する際に加えても良い。また、トナー母体粒子調製後にその表面に固定化させても良い。
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えばHDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれも、ヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−140(富士チタン工業株式会社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製);IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
また、無機微粒子にシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、1〜100nmが好ましく、3〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が1nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけてしまうことがある。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1〜100nmが好ましく、5〜70nmがより好ましい。また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の縮重合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、従来公知の混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等を用いることができるが、離型剤及び着色剤の分散性、生産性の観点や、材料選択性の高さから、混練・粉砕法が好適な手段として用いられる。
前記混練・粉砕法は、例えばトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
前記トナーの重量平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。
ここで、前記トナーの重量平均粒径は、次のようにして求めることができる。
〔トナーの重量平均粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。測定条件:ビーカーに電解液100mLと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から重量平均粒径を求める。
前記現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(重量平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(重量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、クリーニング手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含んでなり、クリーニング工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)静電潜像担持体と接触して帯電させる接触方式の帯電手段と、(2)静電潜像担持体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段とに大別される。
前記(1)の接触方式の帯電手段としては、例えば導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、前記帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、静電潜像担持体の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。
前記磁気ブラシは、例えばZn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブと、該スリーブに内包されるマグネットロールとから構成される。前記ファーブラシは、例えばカーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物等により導電処理されたファーを金属又は導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりして形成される。
ここで、図1は、帯電ローラの一例を示す断面図である。この帯電ローラ310は、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金311と、該芯金311の外周面上に形成された抵抗調整層312と、該抵抗調整層312の表面を被覆してリークを防止する保護層313とを有する。
前記抵抗調整層312は、少なくとも熱可塑性樹脂及び高分子型イオン導電剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を、芯金311の周面に押出成形又は射出成形することにより形成される。
前記抵抗調整層312の体積固有抵抗値は、10〜10Ω・cmが好ましい。前記体積固有抵抗値が10Ω・cmを超えると、帯電量が不足し、感光体ドラムがムラのない画像を得るために十分な帯電電位を得ることができなくなることがあり、体積固有抵抗値が10Ω・cm未満であると、感光体ドラム全体へのリークが生じるおそれがある。
前記抵抗調整層312に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)又はその共重合体(AS、ABS等)などが挙げられる。
前記高分子型イオン導電剤としては、単体での抵抗値が10〜1010Ω・cm程度であり、樹脂の抵抗を下げやすいものが用いられる。その一例として、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する化合物や、4級アンモニウム塩基含有高分子化合物が挙げられる。
前記保護層313は、その抵抗値が抵抗調整層312の抵抗値よりも大きくなるように形成される。これにより感光体ドラムへの欠陥部へのリークが回避される。ただし、保護層313の抵抗値を高くしすぎると、帯電効率が低下するため、保護層313の抵抗値と抵抗調整層312の抵抗値との差は10Ω・cm以下であることが好ましい。
前記保護層313の材料としては、成膜性が良好である点から樹脂材料が好適である。前記樹脂材料としては、例えばフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが非粘着性に優れ、トナーの付着を防止する観点から好ましい。また、前記樹脂材料は一般に電気的な絶縁性を有するため、樹脂材料単体で保護層313を形成すると帯電ローラの特性が満たされない。そこで、前記樹脂材料に対して各種導電剤を分散させることによって、保護層313の抵抗値を調整する。なお、保護層303と抵抗調整層302との接着性を向上させるため、前記樹脂材料にイソシアネート等の反応性硬化剤を分散させてもよい。
前記帯電ローラ310は、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。該電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。このようにAC電圧を印加することにより、感光体ドラム表面をより均一に帯電することができる。
ここで、図2は、図1に示すような接触方式の帯電ローラ310を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。図2において、静電潜像担持体としての感光体ドラム321の周囲には、該感光体ドラム表面を帯電するための帯電手段310、帯電処理面に静電潜像を形成するための露光手段323、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを付着することで可視像を形成する現像手段324、形成された感光体ドラム上の可視像を記録媒体326上に転写する転写手段325、記録媒体上の転写像を定着する定着手段327、感光体ドラム上の残留トナーを除去し、回収するためのクリーニング手段330、感光体ドラム上の残留電位を除去するための除電装置331が順に配設されている。前記帯電手段310としては、図1に示す接触方式の帯電ローラ310が設けられ、感光体ドラム321表面はこの帯電ローラ310によって一様に帯電される。
前記(2)の非接触の帯電手段としては、例えばコロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを静電潜像担持体の表面に与える非接触な帯電方法であり、静電潜像担持体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は静電潜像担持体表面から1.0〜2.0mm離れた位置に設けられている。
ここで、図3は、非接触方式のコロナ帯電器を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
前記帯電手段としては、非接触方式のコロナ帯電器311が設けられ、感光体ドラム321表面はコロナ帯電器311によって一様に帯電される。
前記静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラとしては、前記静電潜像担持体に対して微小なギャップを持つように前記帯電ローラを改良したものである。前記微小なギャップは10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
ここで、図4は、非接触の帯電ローラの一例を示す概略図である。この図4では、帯電ローラ310は、感光体ドラム321に対して微小ギャップHをもって配設されている。この微小ギャップHは、帯電ローラ310の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体ドラム321表面に当接させることで、設定することができる。なお、図4中304は電源である。
図4では、微小ギャップHの維持方法として、帯電ローラ310の両端部にフィルム302を巻きつけてスペーサ部材としている。このスペーサ302は、静電潜像担持体の感光面に接触させ、帯電ローラと静電潜像担持体の画像領域にある一定の微小ギャップHが得られるようになっている。また、印加バイアスは、AC重畳タイプの電圧を印加して、帯電ローラと静電潜像担持体との微小ギャップHに生じる放電により、静電潜像担持体を帯電させる。なお、図4に示すように、帯電ローラの軸311をスプリング303で加圧することで、微小ギャップHの維持精度が向上する。
なお、前記スペーサ部材は帯電ローラと一体成型してもよい。このとき、ギャップ部分は、少なくともその表面を絶縁体にする。これにより、ギャップ部分での放電をなくし、ギャップ部分に放電生成物が堆積し、該放電生成物の粘着性により、トナーがギャップ部分に固着し、ギャップが広がることを防止できる。
また、前記スペーサ部材としては、熱収縮チューブを用いてもよい。このような熱収縮チューブとしては、例えば105℃用のスミチューブ(商品名:F105℃、住友化学株式会社製)などが挙げられる。
前記露光工程は、帯電された静電潜像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とディジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持体上に投影する光学系であり、前記ディジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像手段を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像手段に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記一成分現像手段としては、例えばトナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材とを有する一成分現像装置が好適に用いられる。
図5は、一成分現像装置の一例を示す概略図である。この一成分現像装置は、トナーからなる一成分現像剤を使用し、現像剤担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を静電潜像担持体としての感光体ドラム1と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
図5において、ケーシング401内のトナーは、撹拌手段としてのアジテータ411の回転により攪拌され、機械的にトナー供給部材としての供給ロ−ラ412に供給される。この供給ローラ412は発泡ポリウレタン等で形成され、可撓性を有し、50〜500μmの径のセルでトナーを保持し易い構造となっている。また、供給ローラのJIS−A硬度は10〜30゜と比較的低く、現像ローラ402とも均一に当接させることができる。
供給ローラ412は現像ローラ402と同方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。また、両ローラの線速比(供給ローラ/現像ローラ)は0.5〜1.5が好ましい。また、供給ローラ412を、現像ローラ402と逆方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施形態では、供給ローラ412は現像ローラ402と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。供給ローラ412の現像ローラ402に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。本実施形態ではユニット有効幅が240mm(A4サイズ縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cmである。
現像ローラ402は、導電性基体上にゴム材料からなる表層を有してなり、直径が10〜30mmであり、表面を適宜荒らして表面粗さRzを1〜4μmとしたものである。この表面粗さRzの値はトナーの平均粒径に対して13〜80%が好ましい。これにより現像ローラ402表面に埋没することなくトナーが搬送される。特に、現像ローラ402の表面粗さRzは、著しく低帯電のトナーを保持しないように、トナーの平均粒径の20〜30%の範囲が好ましい。
前記ゴム材料としては、例えばシリコーンゴム、ブタジエンゴム、NBRゴム、ヒドリンゴム、EPDMゴムなどが挙げられる。また、現像ローラ402の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート層を被覆することが好ましい。前記コート層の材料としては、例えばシリコーン系材料、テフロン(登録商標)系材料などが挙げられる。前記シリコーン系材料はトナー帯電性に優れ、前記テフロン(登録商標)系材料は離型性に優れている。なお、導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させることもできる。前記コ−ト層の厚みは5〜50μmが好ましい。この範囲を外れると、割れ易い等の不具合が発生しやすくなることがある。
前記供給ローラ412上、又は内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ402と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また、現像ローラ402の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ402上に保持される。しかし、この時の現像ローラ402上のトナー層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3mg/cm)。そこで、層厚規制部材としての規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制ブレード413は先端が現像ローラ402の回転方向に対して下流側を向き、規制ブレ−ド413の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接であるが、逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。
前記規制ブレードの材料としては、SUS304等の金属が好ましく、厚みは0.1〜0.15mmである。前記金属以外にも厚み1〜2mmのポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコーン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。なお、金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成することも可能である。
前記層厚規制部材としての規制ブレード413は、ホルダーからの自由端長として10〜15mmが好ましい。前記自由端長が15mmを超えると、現像手段が大きくなって画像形成装置内にコンパクトに納めることができなくなり、10mm未満であると、規制ブレードが現像ローラ402表面と接触するときに振動が生じやすくなり、画像上に横方向の段々ムラ等の異常画像が発生し易くなることがある。
前記規制ブレード413の当接圧は0.049〜2.45N/cmの範囲が好ましい。前記当接圧が2.45N/cmを超えると、現像ローラ402上のトナー付着量が減少し、かつトナー帯電量が増加し過ぎるので、現像量が減少して画像濃度が低くなることがあり、0.049N/cm未満であると、薄層が均一に形成されずにトナーの固まりが規制ブレードを通過することがあり、画像品質が著しく低下することがある。本実施形態にでは、現像ローラ402のJIS−A硬度が30゜のものを、規制ブレード413は厚み0.1mmのSUS板を使用し、その当接圧は60gf/cmに設定した。このとき、目標の現像ローラ上のトナー付着量を得ることができた。
また、層厚規制部材としての規制ブレード413の当接角度は先端が現像ローラ402の下流側を向く方向で現像ローラ402の接線に対して10〜45゜が好ましい。前記規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれたトナーの薄層形成に不必要な分は、現像ローラ402から剥ぎ取られ、目標範囲である単位面積当たり0.4〜0.8mg/cmの均一な厚みを持った薄層が形成される。この時のトナー帯電は最終的に本実施例では−10〜−30μC/gの範囲であり、感光体ドラム1上の静電潜像と対向して現像される。
したがって本実施形態の一成分現像装置によれば、感光体ドラム1の表面と現像ローラ402の表面の距離が従来の二成分現像手段の場合より更に狭くなり、現像能力が高まり、更なる低電位でも現像が可能となる。
前記二成分現像手段としては、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する二成分現像装置が好適である。
ここで、図6は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。この図6の二成分現像装置では、二成分現像剤がスクリュー441によって攪拌及び搬送され、現像剤担持体としての現像スリーブ442に供給される。この現像スリーブ442に供給される二成分現像剤は層厚規制部材としてのドクターブレード443によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード443と現像スリーブ442との間隔であるドクターギャップによって制御される。このドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて静電潜像担持体としての感光体ドラム1上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。そこで、現像スリーブ442内部には、その周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁界発生手段としての磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ442上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ442と感光体ドラム1は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ442は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成しており、回転駆動機構(不図示)によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ442の回転によって現像領域に移送される。現像スリーブ442には現像用電源(不図示)から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ442と感光体ドラム1間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム1上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。
前記現像ギャップは、現像剤粒径の5〜30倍程度が好ましく、現像剤粒径が50μmであれば0.5〜1.5mmに設定することが好適である。これより現像ギャップ広くすると、望ましい画像濃度がでにくくなることがある。
また、前記ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくすることが好ましい。感光体ドラム1のドラム径やドラム線速、現像スリーブ442のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であり、転写手段を用いて行われる。前記転写手段としては。静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に直接転写する転写手段と、又は中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する二次転写手段とに大別される。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ローラなどが好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。このように中間転写体の体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にすることができる。
前記中間転写体の材質としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、以下のものが好適である。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、例えばPC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)とPAT(ポリアルキレンテレフタレート)とのブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)とPCとのブレンド材料、ETFEとPATとのブレンド材料、PCとPATとのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にリブズレが生じにくいという利点を有している。
(2)上記(1)のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を形成した2〜3層構成のベルトであり、このような2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因して発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
(3)樹脂、ゴム又はエラストマーを用いたヤング率の比較的低い弾性ベルトであり、このような弾性ベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じないという利点を有している。また、弾性ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止できるので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
これらの中でも、前記(3)の弾性ベルトが特に好ましい。
前記弾性ベルトは、転写部においてトナー層、平滑性の悪い記録媒体に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、トナー層に対して過度に転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けが無く、平面性の悪い記録媒体に対しても均一性の優れた転写画像が得られる。
前記弾性ベルトに用いる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリ−α−メチルスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば天然ゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDMゴム、NBRゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレア熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いる抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。なお、前記導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
また、前記弾性ベルトの表層は、弾性材料による静電潜像担持体への汚染防止、ベルト表面の摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくし、クリーニング性、二次転写性を高めることができるものが好ましい。前記表層は、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂と、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高めることができる材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体又は粒子とを含有することが好ましい。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行いフッ素リッチな表層を形成して、表面エネルギーを小さくしたものを使用することもできる。
前記弾性ベルトの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、(2)液体塗料を噴霧して膜を形成するスプレー塗工法、(3)円筒形の型を材料の溶液中に浸けて引き上げるディッピング法、(4)内型や外型の中に注入する注型法、(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付けて加硫研磨を行う方法などが挙げられる。
また、前記弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば(1)芯体層に伸びを防止する材料を添加する方法、(2)伸びの少ない芯体層にゴム層を形成する方法、などが挙げられる。
前記伸びを防止する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、綿、絹等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維などが挙げられ、これら材料を織布状又は糸状としたものが好適に用いられる。
前記芯体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、(2)筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面又は両面に被覆層を設ける方法、(3)糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法などが挙げられる。
前記被覆層の厚みは、該被覆層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなって画像の伸びや縮みが大きくなることから厚すぎる(約1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着画像を転写可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
これらの転写手段は、タンデム型画像形成装置においても好適に用いられる。前記タンデム型画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列したものである。このタンデム型画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の4つの画像形成要素を搭載し、各々の可視像を4つの画像形成要素で並列に作成し、記録媒体又は中間転写体上で重ね合わせることから、より高速にフルカラー画像を形成できる。
前記タンデム型の画像形成装置としては、(1)図7に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体Sに転写手段2により、順次、前記各静電潜像担持体1上に形成された可視像を転写する直接転写方式と、(2)図8に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1上の可視像を転写手段(一次転写手段)2により一旦中間転写体4に順次転写した後、中間転写体4上の画像を二次転写手段5により記録媒体Sに一括転写する間接転写方式とがある。なお、図8では二次転写手段として転写搬送ベルトを用いているが、ローラ形状であってもよい。
前記(1)の直接転写方式と、前記(2)の間接転写方式とを比較すると、前記(1)の直接転写方式は、静電潜像担持体1を並べたタンデム型画像形成部Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着手段としての定着装置7を配置しなければならず、記録媒体の搬送方向に大型化する。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、二次転写位置を比較的自由に設置することができ、給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成部Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となるという利点がある。
また、前記(1)の直接転写方式では、記録媒体の搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成部Tに接近して配置することとなる。そのため、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、記録媒体Sの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚い記録媒体で顕著となる)や、定着装置7を通過するときの記録媒体の搬送速度と、転写搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるので、定着装置7はほとんど画像形成に影響を及ぼさない。
以上のようなことから、最近では、特に間接転写方式のものが注目されている。このようなカラー画像形成装置では、図8に示すように、一次転写後に静電潜像担持体1上に残留する転写残トナーを、クリーニング手段としてのクリーニング装置8で除去して静電潜像担持体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、二次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程である。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有する定着装置が好適に用いられる。
前記定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、無端状ベルトとローラとの組合せや誘導加熱などによる前記定着部材の表面からの加熱方法を用いるのが好ましい。
前記定着部材としては、例えば、公知の加熱加圧手段(加熱手段と加圧手段との組合せ)が挙げられる。前記加熱加圧手段としては、前記無端状ベルトと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せが挙げられ、前記ローラと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着部材が無端状ベルトである場合、該無端状ベルトは、熱容量の小さい材料で形成されるのが好ましく、例えば、基体上にオフセット防止層が設けられてなる態様などが挙げられる。前記基体を形成する材料としては、例えば、ニッケル、ポリイミドなどが挙げられ、前記オフセット防止層を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記定着部材がローラである場合、該ローラの芯金は、高い圧力による変形(たわみ)を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。該非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、前記ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されていることのが好ましい。該オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
前記定着工程においては、前記トナーによる画像を前記記録媒体に転写し、該画像が転写された記録媒体を、前記ニップ部に通過させることにより、前記画像を前記記録媒体に定着させてもよいし、前記ニップ部にて前記画像の前記記録媒体への転写及び定着を同時に行ってもよい。
また、前記定着工程は、各色のトナーに対し、前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記ニップ部は、少なくとも2つの前記定着部材が互いに当接して形成される。
前記ニップ部の面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5N/cm以上が好ましく、7〜100N/cmがより好ましく、10〜60N/cmが更に好ましい。該ニップ部の面圧が高すぎると、ローラの耐久性が低下する場合がある。一方、前記ニップ部の面圧が5N/cm未満であると、オフセット防止性が不充分となることがある。
前記トナーによる画像の前記記録媒体への定着の温度(即ち、前記加熱手段による前記定着部材の表面温度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。前記定着温度が100℃未満であると、定着性が不十分となることがあり、170℃を超えると、省エネルギー化の実現の点で好ましくない。
前記定着手段としては、(1)定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する態様(内部加熱方式)と、(2)定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する態様(外部加熱方式)とに大別される。なお、両者を組み合わせたものを用いることも可能である。
前記(1)の内部加熱方式の定着手段としては、例えば、前記定着部材それ自体が内部に加熱手段を有するものが挙げられる。このような加熱手段としては、例えばヒーター、ハロゲンランプ等の熱源が挙げられる。
前記(2)の外部加熱方式の定着手段としては、例えば、前記定着部材の少なくとも1つにおける表面の少なくとも一部が加熱手段により加熱される態様が好ましい。このような加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電磁誘導加熱手段などが挙げられる。
前記電磁誘導加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁場を発生する手段と、電磁誘導により発熱する手段とを有するものなどが好適である。
前記電磁誘導加熱手段としては、例えば、前記定着部材(例えば、加熱ローラ)へ近接するように配置される誘導コイルと、この誘導コイルが設けられている遮蔽層と、この遮蔽層の誘導コイルが設けられている面の反対側に設けられている絶縁層とからなるものが好ましい。このとき、前記加熱ローラは、磁性体からなる態様、ヒートパイプである態様などが好ましい。
前記誘導コイルは、前記加熱ローラの、前記加熱ローラと前記定着部材(例えば、加圧ローラ、無端状ベルトなど)との接触部位の反対側において、少なくとも半円筒部分を包む状態にて配置されるのが好ましい。
図9は、内部加熱方式の定着手段の一例を示すベルト式定着装置である。この図9のベルト式定着装置510は、加熱ローラ511と、定着ローラ512と、定着ベルト513と、加圧ローラ514とを備えている。
定着ベルト513は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ511と定着ローラ512とによって張架され、加熱ローラ511により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ511は、内部には加熱源515が内蔵されており、加熱ローラ511の近傍に取り付けられた温度センサ517により温度調節可能に設計されている。定着ローラ512は、定着ベルト513の内側に、かつ定着ベルト513の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ514は、定着ベルト513の外側に、かつ定着ベルト513の外面に、定着ローラ512を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。また、定着ベルト513の表面硬度は、加圧ローラ514の表面硬度よりも低く、定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、定着ローラ512側に位置する。
図9に示すベルト式定着装置510において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ511まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源515の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ511及び定着ベルト513により記録媒体S上のトナー画像Tが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該記録媒体Sが定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nに挿入される。該ニップ部Nに挿入された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514の回転に連動して回転する定着ベルト513の表面に当接され、前記ニップ部Nを通過する際に押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514間を通過し、定着ベルト513から剥離され、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ514側に向けて排出され、記録媒体Sの定着ベルト513への巻き付きが防止される。なお、定着ベルト513はクリーニングローラ516で清浄化される。
また、図10に示す熱ロール式定着装置518は、前記定着部材としての加熱ローラ520と、これに当接されて配置された加圧ローラ530とを備えている。
加熱ローラ520は、中空の金属シリンダー521を有し、その表面がオフセット防止層522で被覆されて形成されており、内部に加熱ランプ523が配設されている。また、加圧ローラ530は、金属シリンダー531を有し、その表面がオフセット防止層532で被覆されて形成されている。なお、加圧ローラ530は、金属シリンダー531が中空形状を有し、その内部に加熱ランプ533が配設されていてもよい。
加熱ローラ520と加圧ローラ530とは、バネ(不図示)により付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられ、ニップ部Nを形成する。また、加熱ローラ520におけるオフセット防止層522の表面硬度は、加圧ローラ530におけるオフセット防止層532の表面硬度よりも低く、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、加熱ローラ520側に位置する。
図10に示す熱ロール式定着装置518において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ520と加圧ローラ530とのニップ部Nまで搬送される。そして、内蔵されている加熱ランプ523の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ520により記録媒体S上のトナーTが加熱されて溶融状態となると同時に、ニップ部Nを通過する際に、加圧ローラ530の押圧力により押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間を通過し、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ530側に向けて排出され、記録媒体Sの加圧ローラ530への巻き付きが防止される。なお、加熱ローラ520は、クリーニングローラ(不図示)で清浄化される。
図11は、外部加熱方式の定着手段の一例を示す電磁誘導加熱式定着装置570である。この電磁誘導加熱式定着装置570は、加熱ローラ566と、定着ローラ580と、定着ベルト567と、加圧ローラ590と、電磁誘導加熱手段560とを備えている。
定着ベルト567は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ566と定着ローラ580とによって張架され、加熱ローラ566により所定の温度に加熱されている。
加熱ローラ566は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル又はこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材を有し、例えば、外径が20〜40mm、肉厚が0.3〜1.0mmに設けられ、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ580は、例えば、ステンレススチール等の金属製の芯金581を有し、その表面が耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状又は発泡状にした弾性層582で被覆されて形成されており、定着ベルト567の内側に、かつ定着ベルト567の内面に当接しながら回転可能に配置されている。定着ローラ580は、加圧ローラ590からの押圧力により、加圧ローラ590と定着ローラ580との間に所定幅のニップ部Nを形成するために、外径を20〜40mm程度に設け、加熱ローラ566よりも大きくしている。弾性層582は、その肉厚を4〜6mm程度とし、加熱ローラ566の熱容量が定着ローラ580の熱容量よりも小さくなるように形成され、加熱ローラ566のウォームアップ時間の短縮化を図っている。
加圧ローラ590は、例えば、銅、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金591を有し、その表面を耐熱性及びトナー離型性の高い弾性層592で被覆されて形成されており、定着ベルト567の外側に、かつ定着ベルト567の外面に、定着ローラ580を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。なお、芯金591には上記金属以外にSUSを使用してもよい。
電磁誘導加熱手段560は、加熱ローラ566の近傍であって、加熱ローラ566の軸方向にわたって配設されている。電磁誘導加熱手段560は、磁界発生手段である励磁コイル561と、この励磁コイル561が巻き回されたコイルガイド板562とを有している。コイルガイド板562は加熱ローラ566の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル561は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板562に沿って加熱ローラ566の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル561は、発振回路が周波数可変の駆動電源(不図示)に接続されている。励磁コイル561の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア563が、励磁コイルコア支持部材564に固定されて励磁コイル561に近接配置されている。
図11に示す電磁誘導加熱式の定着装置570において、電磁誘導加熱手段560の励起コイル561へ通電すると、該電磁誘導加熱手段560の周囲に交番磁界が形成され、励起コイル561と近接し、かつ該励起コイル561により囲まれている状態の加熱ローラ566が、過電流の励起により均一かつ効率よく予熱される。定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sは、定着ローラ580と加圧ローラ590とのニップ部Nまで搬送される。そして、電磁誘導加熱手段560の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ566により、該加熱ローラ566との接触部位W1にて加熱された定着ベルト567により、記録媒体S上のトナー画像Tが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該記録媒体Sが定着ローラ580及び加圧ローラ590の間に形成されたニップ部Nに挿入される。該ニップ部Nに挿入された記録媒体Sは、定着ローラ580及び加圧ローラ590の回転に連動して回転する定着ベルト567の表面に当接され、前記ニップ部Nを通過する際に押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、定着ローラ580及び加圧ローラ590間を通過し、定着ベルト567から剥離され、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ590側に向けて排出され、記録媒体Sの定着ベルト567への巻き付きが防止される。なお、定着ベルト567がクリーニングローラ(不図示)で清浄化される。
また、図12に示す電磁誘導方式のロール式定着装置525は、前記定着部材としての定着ローラ520と、これに当接されて配置された加圧ローラ530と、定着ローラ520及び加圧ローラを外側から加熱する電磁誘導加熱源540とを備えた定着手段である。
定着ローラ520は、芯金521を有し、その表面は断熱弾性層522、発熱層523、及び離型層524がこの順に被覆されて形成されている。また、加圧ローラ530は、芯金531を有し、その表面は断熱弾性層532、発熱層533、及び離型層534がこの順に被覆されて形成されている。なお、離型層524及び離型層534は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)で形成されている。
定着ローラ520と加圧ローラ530とは、バネ(不図示)により付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられ、ニップ部Nを形成する。
電磁誘導加熱源540は、定着ローラ520及び加圧ローラ530の近傍にそれぞれ配設され、発熱層523及び発熱層533を電磁誘導により加熱する。
図12に示す定着装置においては、電磁誘導加熱源540により、定着ローラ520及び加圧ローラ530が均一かつ効率よく予熱される。また、ローラとローラとの組合せであるため、ニップ部Nの高面圧化を容易に実現することができる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
また、前記現像手段が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収することによって、クリーニング手段を設けることなくクリーニングを行うことができる(クリーニングレス方式)。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、クリーニングブレード、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。これらの中でも、トナー除去能力が高く、小型で安価であるクリーニングブレードが特に好ましい。
前記クリーニングブレードに用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
ここで、図13は、クリーニングブレード613における静電潜像担持体との接触部615近傍を拡大して示す説明図である。クリーニングブレード613には、接触部615から静電潜像担持体の回転方向上流側に向けて拡開する空間Sを感光体ドラム1の表面との間に形成するトナー阻止面617が設けられている。本実施の形態においては、空間Sが鋭角になるように、トナー阻止面617は接触部615から感光体ドラム1の回転方向上流側に延出している。
トナー阻止面617には、図13に示すように、クリーニングブレード613より摩擦係数の高い高摩擦部としてのコーティング部618が設けられている。このコーティング部618は、クリーニングブレード613を形成する材料よりも摩擦係数の高い材料(高摩擦材料)によって形成されている。このような高摩擦材料としては、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられる。なお、高摩擦材料は、DLCに限るものではない。コーティング部618は、トナー阻止面617において、感光体ドラム1の表面に接触しない範囲で設けられている。
なお、クリーニング手段は、図示を省略しているが、クリーニングブレードによって掻き取られた残存トナーを回収するトナー回収羽根、トナー回収羽根が回収した残存トナーを回収部まで搬送するトナー回収コイルなどを備えている。
図14は、現像手段がクリーニング手段を兼ねたクリーニングレス方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。
図14において、1は静電潜像担持体としての感光体ドラム、620は接触帯電手段としてのブラシ帯電装置、603は露光手段としての露光装置、604は現像手段としての現像装置、640は給紙カセット、650はローラ転写手段、Pは記録媒体を示す。
このクリーニングレス方式の画像形成装置では、感光体ドラム1表面の転写残トナーは引き続く感光体ドラム1の回転で、感光体ドラム1に接触している接触帯電装置620の位置に至り、感光体ドラム1に接触しているブラシ帯電部材621の磁気ブラシ部(不図示)に一時的に回収され、該回収されたトナーが再び感光体ドラム1の表面に吐き出されて最終的に現像装置604内に現像剤と共に現像剤担持体631で回収され、感光体ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
ここで、現像手段604がクリーニング手段を兼ねるとは、転写後に感光体ドラム1上に若干残留したトナーを現像バイアス(現像剤担持体631に印加する直流電圧と感光体ドラム1の表面電位間の電位差)によって回収する方法を意味する。
このような現像手段がクリーニング手段を兼ねたクリーニングレス方式の画像形成装置では、転写残トナーは現像装置604に回収され、次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスフリーとなり、かつクリーナーレスシステムになるため、スペース面での利点も際だって大きく、画像形成装置を大幅に小型化することが可能となる。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図15を参照しながら説明する。図15に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置による露光30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレード60と、除電手段としての除電ランプ70とを備えている。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図15に示す画像形成装置100においては、まず、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置(不図示)が感光体ドラム10上に像様に露光30を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像を形成する。該可視像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、記録媒体95上には転写像が形成される。なお、静電潜像担持体10上の残存トナーは、クリーニングブレード60により除去され、静電潜像担持体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図16を参照しながら説明する。図16に示す画像形成装置100は、図15に示す画像形成装置100において、現像剤担持体としての現像ベルト41を備えておらず、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図15に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図16においては、図15におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図17を参照しながら説明する。図17に示すタンデム型画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム型カラー画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図17中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像手段120が配置されている。タンデム型現像手段120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像手段120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、二次転写手段22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像手段120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図18に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図18中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。
こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写手段22との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着装置25へと送出され、この定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記トナーとして、本発明の前記トナーを用いる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、現像剤担持体に担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。具体的には、上記画像形成装置及び画像形成方法で説明した一成分現像手段、及び二成分現像手段のいずれかを好適に用いることができる。
また、前記帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段としては、上述した画像形成装置と同様なものを適宜選択して用いることができる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図19に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図19中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図19に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記実施例及び比較例において、「環化ゴムの環化率」、「樹脂のガラス転移温度(Tg)」、「樹脂の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mn」、及び「ワックスの融点」は、以下のようにして測定を行った。
(環化ゴムの環化率)
環化ゴムの環化率は、H−NMR(日本電子(株)製、JOEL JNM400 FT NMR SYSTEM)を用いて測定した。環化反応前後のポリマーそれぞれの1質量%重クロロホルム溶液を、試料管(WILMAD社製、高精度NMR試料管)に入れ、環化反応前後におけるポリマー中の二重結合由来のプロトンのピーク面積をそれぞれ測定した。環化反応前の前記ピーク面積を(C0)、環化反応後の前記ピーク面積を(C1)とし、式(1)より環化率を求めた。
環化率(%)={1−(C1/C0)}×100……式(1)
(樹脂のガラス転移温度(Tg))
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置(TA−60WS及びDSC−60、島津製作所製)を用いて測定した。試料10mgをアルミニウム製サンプルパンに計量し、窒素フロー(流量50mL/min)を行いながら、20℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、更に20℃まで降温速度10℃/minで降温した後、昇温速度10℃/minで20℃から200℃まで昇温した時のDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線から、吸熱ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度(Tg)とした。
(樹脂の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mn)
樹脂の分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置(東ソー(株)製、HLC−8220GPC)によって測定した。カラムにはTSK−GEL Hタイプ(東ソー(株)製)を使用した。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてHFIP(ヘキサフルオロ−2−プロパノール)、若しくはTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%調整した樹脂の試料溶液を50〜200μl注入して測定した。ここで、環化ゴムの溶媒としてはHFIP、その他の樹脂の溶媒としてはTHFを使用した。重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用いた。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
(ワックスの融点)
ワックスの融点は、示差走査熱量分析装置(TA−60WS及びDSC−60、島津製作所製)を用いて測定した。試料10mgをアルミニウム製サンプルパンに計量し、窒素フロー(流量50mL/min)を行いながら、20℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、更に20℃まで降温速度10℃/minで降温した後、昇温速度10℃/minで20℃から200℃まで昇温した時に測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とした。
(環化ゴムの製造例1)
窒素導入管、還流冷却管、攪拌器、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、ポリイソプレン(重量平均分子量Mw3.0×10、Mw/Mn2.1、シス−1,4構造86%、トランス−1,4構造7%、3,4構造7%)120質量部、トルエン1000質量部を仕込み、溶解した後、p−トルエンスルホン酸6質量部を投入し、窒素雰囲気下、85℃で2時間環化反応を行った。その後、炭酸ナトリウム10%溶液40質量部を投入し、1時間撹拌して環化反応を停止した。反応溶液を多量のメタノール溶液に投入して析出物を回収し、減圧乾燥を行うことで、環化ポリイソプレンAを得た。環化ポリイソプレンAの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例2)
環化ゴムの製造例1において、環化反応時間を4時間に変えたこと以外は、環化ゴムの製造例1と同様にして、環化ポリイソプレンBを得た。環化ポリイソプレンBの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例3)
環化ゴムの製造例1において、環化反応時間を6時間に変えたこと以外は、環化ゴムの製造例1と同様にして、環化ポリイソプレンCを得た。環化ポリイソプレンCの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例4)
環化ゴムの製造例1において、環化反応温度を75℃、反応時間を1時間に変えたこと以外は、環化ゴムの製造例1と同様にして、環化ポリイソプレンDを得た。環化ポリイソプレンDの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例5)
環化ゴムの製造例1において、環化反応時間を8時間に変えたこと以外は、環化ゴムの製造例1と同様にして、環化ポリイソプレンEを得た。環化ポリイソプレンEの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例6)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw1.3×10、Mw/Mn1.8、シス−1,4構造85%、トランス−1,4構造9%、3,4構造6%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンFを得た。環化ポリイソプレンFの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例7)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw5.0×10、Mw/Mn2.2、シス−1,4構造83%、トランス−1,4構造10%、3,4構造7%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンGを得た。環化ポリイソプレンGの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例8)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンの代わりとして、ポリブタジエン(重量平均分子量Mw3.2×10、Mw/Mn1.8、シス−1,4構造93%、トランス−1,4構造2%、1,2構造5%)を使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリブタジエンAを得た。環化ポリブタジエンAの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例9)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw5.1×10、Mw/Mn2.0、シス−1,4構造83%、トランス−1,4構造10%、3,4構造7%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンHを得た。環化ポリイソプレンHの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例10)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw9.8×10、Mw/Mn3.0、シス−1,4構造85%、トランス−1,4構造9%、3,4構造6%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンIを得た。環化ポリイソプレンIの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例11)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw3.0×10、Mw/Mn1.9、シス−1,4構造83%、トランス−1,4構造10%、3,4構造7%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンJを得た。環化ポリイソプレンJの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例12)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw1.5×10、Mw/Mn3.0、シス−1,4構造85%、トランス−1,4構造9%、3,4構造6%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンKを得た。環化ポリイソプレンKの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例13)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw3.0×10、Mw/Mn10.0、シス−1,4構造86%、トランス−1,4構造7%、3,4構造7%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンLを得た。環化ポリイソプレンLの物性を表1に示した。
(環化ゴムの製造例14)
環化ゴムの製造例2において、ポリイソプレンとして、重量平均分子量Mw3.1×10、Mw/Mn15.4、シス−1,4構造86%、トランス−1,4構造7%、3,4構造7%のものを使用すること以外は、環化ゴムの製造例2と同様にして、環化ポリイソプレンMを得た。環化ポリイソプレンMの物性を表1に示した。
Figure 0005002448

(ポリエステル樹脂の製造例)
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、テレフタル酸150質量部、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド207質量部、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド127質量部、エステル化触媒としてジブチル錫オキシド2.5質量部を投入し、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸115質量部を投入し、210℃まで3時間かけて昇温を行い、常圧(101.3kPa)下、10時間反応させた後に、210℃、20kPaにて3時間反応を行って、ポリエステル樹脂A(Mw1.5×10、Mw/Mn4.6、Tg60℃)を合成した。
(ビニル系樹脂の製造例)
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、スチレン440質量部、メタクリル酸105質量部、メタクリル酸ブチル68質量部、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド40質量部を投入し、窒素雰囲気下、135℃で撹拌を行いながら6時間反応を行って、ビニル系樹脂A(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチル共重合体、Mw5.2×10、Mw/Mn7.3、Tg65℃)を合成した。
(マスターバッチの製造例1)
下記の組成の顔料、環化ゴム、及び純水を1:1:0.5(質量比)の割合で、混合して、2本ロールにより混練した。混練は80℃で行い、その後、ロール温度を130℃まで上げて、水を蒸発させて、シアンマスターバッチ1(MB−C1)、マゼンタマスターバッチ1(MB−M1)、イエローマスターバッチ1(MB−Y1)、及びブラックマスターバッチ1(MB−K1)からなるマスターバッチ1(MB−1)を作製した。
〔シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)処方〕
環化ポリイソプレンA・・・100質量部
シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)・・・100質量部
純水・・・50質量部
〔マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)処方〕
環化ポリイソプレンA・・・100質量部
マゼンタ顔料(C.I.Pigment red 122)・・・100質量部
純水・・・50質量部
〔イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)処方〕
環化ポリイソプレンA・・・100質量部
イエロー顔料(C.I.Pigment yellow 180)・・・100質量部
純水・・・50質量部
〔ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)処方〕
環化ポリイソプレンA・・・100質量部
ブラック顔料(カーボンブラック)・・・100質量部
純水・・・50質量部
(マスターバッチの製造例2)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンBに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ2(MB−C2)、マゼンタマスターバッチ2(MB−M2)、イエローマスターバッチ2(MB−Y2)、及びブラックマスターバッチ2(MB−K2)からなるマスターバッチ2(MB−2)を作製した。
(マスターバッチの製造例3)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンCに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ3(MB−C3)、マゼンタマスターバッチ3(MB−M3)、イエローマスターバッチ3(MB−Y3)、及びブラックマスターバッチ3(MB−K3)からなるマスターバッチ3(MB−3)を作製した。
(マスターバッチの製造例4)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンDに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ4(MB−C4)、マゼンタマスターバッチ4(MB−M4)、イエローマスターバッチ4(MB−Y4)、及びブラックマスターバッチ4(MB−K4)からなるマスターバッチ4(MB−4)を作製した。
(マスターバッチの製造例5)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンEに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ5(MB−C5)、マゼンタマスターバッチ5(MB−M5)、イエローマスターバッチ5(MB−Y5)、及びブラックマスターバッチ5(MB−K5)からなるマスターバッチ5(MB−5)を作製した。
(マスターバッチの製造例6)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンFに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ6(MB−C6)、マゼンタマスターバッチ6(MB−M6)、イエローマスターバッチ6(MB−Y6)、及びブラックマスターバッチ6(MB−K6)からなるマスターバッチ6(MB−6)を作製した。
(マスターバッチの製造例7)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンGに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ7(MB−C7)、マゼンタマスターバッチ7(MB−M7)、イエローマスターバッチ7(MB−Y7)、及びブラックマスターバッチ7(MB−K7)からなるマスターバッチ7(MB−7)を作製した。
(マスターバッチの製造例8)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリブタジエンAに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ8(MB−C8)、マゼンタマスターバッチ8(MB−M8)、イエローマスターバッチ8(MB−Y8)、及びブラックマスターバッチ8(MB−K8)からなるマスターバッチ8(MB−8)を作製した。
(マスターバッチの製造例9)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンHに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ9(MB−C9)、マゼンタマスターバッチ9(MB−M9)、イエローマスターバッチ9(MB−Y9)、及びブラックマスターバッチ9(MB−K9)からなるマスターバッチ9(MB−9)を作製した。
(マスターバッチの製造例10)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンIに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ10(MB−C10)、マゼンタマスターバッチ10(MB−M10)、イエローマスターバッチ10(MB−Y10)、及びブラックマスターバッチ10(MB−K10)からなるマスターバッチ10(MB−10)を作製した。
(マスターバッチの製造例11)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンJに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ11(MB−C11)、マゼンタマスターバッチ11(MB−M11)、イエローマスターバッチ11(MB−Y11)、及びブラックマスターバッチ11(MB−K11)からなるマスターバッチ11(MB−11)を作製した。
(マスターバッチの製造例12)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンKに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ12(MB−C12)、マゼンタマスターバッチ12(MB−M12)、イエローマスターバッチ12(MB−Y12)、及びブラックマスターバッチ12(MB−K12)からなるマスターバッチ12(MB−12)を作製した。
(マスターバッチの製造例13)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンLに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ13(MB−C13)、マゼンタマスターバッチ13(MB−M13)、イエローマスターバッチ13(MB−Y13)、及びブラックマスターバッチ13(MB−K13)からなるマスターバッチ13(MB−13)を作製した。
(マスターバッチの製造例14)
マスターバッチの製造例1において、環化ポリイソプレンAを環化ポリイソプレンMに変えた以外は、マスターバッチの製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ14(MB−C14)、マゼンタマスターバッチ14(MB−M14)、イエローマスターバッチ14(MB−Y14)、及びブラックマスターバッチ14(MB−K14)からなるマスターバッチ14(MB−14)を作製した。
(トナーの製造例1)
以下のようにして、シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1、及びブラックトナー1からなるトナー1を製造した。
〔シアントナー1の製造〕
下記の表2に示すトナー1の原材料である結着樹脂、ワックス、及びマスターバッチ4色の内シアンマスターバッチを、表2に示される各々の処方量で、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が6.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、重量平均粒径が7.0±0.2μm、4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、シアントナー1を製造した。
なお、表2に記載されている環状オレフィンAとは、ノルボルネン−エチレン共重合体(TOPAS COC、ティコナジャパン(株)製、Mw1.8×10、Mw/Mn2.0、Tg62℃)である。また、ワックスAは融点78℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製)、ワックスBは融点53℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製)、ワックスCは融点47℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製)、ワックスDは融点85℃のパラフィンワックス(フィッシャートロプシュワックス)(日本精蝋(株)製)、ワックスEは融点93℃のパラフィンワックス(フィッシャートロプシュワックス)(日本精蝋(株)製)、ワックスFは融点81℃のカルナウバワックス(東亞化成(株)製)、ワックスGは融点73℃の合成エステルワックス(日本油脂(株)製)である。
〔マゼンタトナー1の製造〕
シアントナー1の製造方法において、表2に示すトナー1の使用原料であるマスターバッチの内シアンマスターバッチの代わりに、マゼンタマスターバッチを、表2に示す処方量で使用したこと以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、マゼンタトナー1を製造した。
〔イエロートナー1の製造〕
シアントナー1の製造方法において、表2に示すトナー1の使用原料であるマスターバッチの内シアンマスターバッチの代わりに、イエローマスターバッチを、表2に示す処方量で使用したこと以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、イエロートナー1を製造した。
〔ブラックトナー1の製造〕
シアントナー1の製造方法において、表2に示すトナー1の使用原料であるマスターバッチの内シアンマスターバッチの代わりに、ブラックマスターバッチを、表2に示す処方量で使用したこと以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、ブラックトナー1を製造した。
(トナーの製造例2〜31)
上記トナー1の製造例と同様にして、シアントナー2〜31、マゼンタトナー2〜31、イエロートナー2〜31、及びブラックトナー2〜31からなるトナー2〜31を、表2に示される原料の組合せ及び処方量でそれぞれ製造した。

Figure 0005002448

Figure 0005002448

次に、得られたトナー1〜31について、以下のようにして、粉砕性、耐熱保存性を評価した。結果を表3に示す。
(トナーの粉砕性)
各トナーの製造時に得られる原材料の溶融混練物を、ハンマーミルにて粒径200〜300μmに粗粉砕したものを10.00g精秤し、ミル&ミキサーMM−I型(株式会社日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない溶融混練物の質量(A)gを精秤し、下記式(2)により、残存率を求め、この操作を3回行い、平均した残存率の平均値を粉砕性の指標とし、下記の評価基準に従って粉砕性を評価した。残存率の平均値が小さいほど粉砕性に優れる。なお、各トナー4色の測定結果の内、最も悪い結果をそのトナーの評価値とした。
残存率=〔(A)/粉砕前の溶融混練物質量(10.00g)〕×100……式(2)

〔評価基準〕
◎:残存率が5%未満
○:残存率が5%以上10%未満
△:残存率が10%以上15%未満
×:残存率が15%以上20%未満
××:残存率が20%以上
(トナーの耐熱保存性)
耐熱保存性は、針入度試験器(日科エンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。具体的には、各トナーを10g計量し、温度20〜25℃、40〜60%RHの環境下で30mlのガラス容器(スクリューバイアル)に入れ、蓋を閉めた。トナーを入れたガラス容器を100回タッピングした後、温度を50℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度試験器で針入度を測定し、下記の評価基準により耐熱保存性を評価した。針入度の値が大きいほど、耐熱保存性に優れる。なお、各トナー4色の測定結果の内、最も悪い結果をそのトナーの評価値とした。
〔評価基準〕
◎:針入度が30mm以上
○:針入度が20mm〜29mm
△:針入度が15mm〜19mm
×:針入度が8mm〜14mm
××:針入度が7mm以下
(実施例1〜17及び比較例1〜8)
以上作製したトナー1〜24について、図20に示す画像形成装置Aに装填して、画像形成を行い、以下のようにして、低温定着性、耐ホットオフセット性、定着離型性、キャリア汚染性、感光体フィルミング性、初期画像品質、経時画像品質の評価を行った。結果を表3示す。
図20に示す画像形成装置Aは、非接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置である。
図20に示す画像形成装置Aにおいて、帯電手段311として図3に示すような非接触のコロナ帯電器を採用している。現像手段324として図6に示すような二成分現像装置を採用している。クリーニング手段330として図10に示すようなクリーニングブレードを採用している。定着手段327として図12に示すような電磁誘導加熱方式のローラ式定着装置を採用している。
図20に示す画像形成装置Aにおける画像形成要素351は、感光体ドラム321の周辺に帯電手段311、露光手段323、現像手段324、一次転写手段325、クリーニング手段330が配設されている。画像形成要素351における感光体ドラム321は、回転しながら、帯電手段310による帯電、露光手段323による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段324でイエロートナーにより現像され、感光体ドラム321上にイエロートナーによる可視像が形成される。この可視像が一次転写手段325によって中間転写ベルト355上に転写され、クリーニング手段330によって感光体ドラム321上に残ったイエロートナーが除去される。同様にして、各画像形成要素352、353、354によって、中間転写ベルト355上にマゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーによる可視像が形成される。そして中間転写ベルト355上のカラー画像は、転写器356によって記録媒体326上に転写され、中間転写ベルトクリーニング手段358によって中間転写ベルト355上に残ったトナーが除去される。記録媒体326上に形成されたカラー画像は定着手段327によって定着される。
(キャリアの製造)
下記処方のコート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と、芯材(Cu−Znフェライト粒子、質量平均径=35μm)5,000質量部を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成して、キャリアを作製した。
〔コート材処方〕
トルエン・・・450質量部
シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、不揮発分50質量%)・・・450質量部
アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)・・・10質量部
カーボンブラック・・・10質量部
(二成分現像剤の作製)
作製したトナー1〜24を各5質量%と、上記作製したキャリア95質量%からなる二成分現像剤を常法により調製した。
(定着性)
<低温定着性>
前記評価機Aを用い、厚紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<135>)に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色で、トナー付着量0.85±0.1mg/cmの単色ベタ画像を作成し、定着ローラ又はベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器(AD−401、上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とし、下記基準により低温定着性を評価した。なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、各トナー4色の測定結果の内、最も悪い結果をそのトナーの評価値とした。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が110℃以下
○:定着下限温度が111℃以上120℃以下
△:定着下限温度が121℃以上135℃以下
×:定着下限温度が136℃以上140℃以下
××:定着下限温度が141℃以上
<耐ホットオフセット性>
前記評価機Aを用い、普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色で、トナー付着量0.85±0.1mg/cmの単色ベタ画像を作成し、定着ローラ又はベルトの温度を変化させて定着試験を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度を定着上限温度とし、下記基準で耐ホットオフセット性を評価した。なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、各トナー4色の測定結果の内、最も悪い結果をそのトナーの評価値とした。
〔評価基準〕
◎:定着上限温度が220℃以上
○:定着上限温度が210℃以上220℃未満
△:定着上限温度が190℃以上210℃未満
×:定着上限温度が180℃以上190℃未満
××:定着上限温度が180℃未満
(定着離型性)
前記評価機Aを用い、普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200(縦目))にトナー付着量0.85±0.1mg/cmのベタ画像を作成し、定着ローラ又はベルトの温度を変化させて定着試験を行い、定着ニップ出口付近に定着紙と定着ベルトを分離させる為に配置された分離爪に、A4横方向に排紙された定着画像が接触することで発生する定着画像上の傷跡の程度を目視評価した。傷跡の程度は、ランク見本により5段階で評価され、傷跡若しくはジャムが全く発生しない上限温度を定着離型性の指標とした。なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から0.5cmの位置に作成した。
〔評価基準〕
◎:上限温度が200℃以上
○:上限温度が190℃以上200℃未満
△:上限温度が170℃以上190℃未満
×:上限温度が160℃以上170℃未満
××:上限温度が160℃未満
(キャリア汚染性)
キャリア汚染性は、トナーのキャリア汚染の指標となる特性であり、トナーの機械的強度が高い程、キャリア汚染が少ない。
評価法として具体的には、上記評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と30,000枚ランニング出力した後の現像剤を抜き取り、現像剤を目開き32μmのメッシュが張られたゲージ内に適量入れ、エアブローを行い、トナーとキャリアを分離した。得られたキャリア1.0gを50mlガラス瓶に入れ、クロロホルム10mlを加えて、50回手振りして、10分間静置させた。その後、上澄みのクロロホルム溶液をガラスセルに入れ、濁度計を用いてクロロホルム溶液の透過率を測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:透過率が95%以上
○:透過率が90%以上94%以下
△:透過率が80%以上89%以下
×:透過率が70%以上79%以下
××:透過率が69%以下
(感光体フィルミング性)
前記評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と50,000枚ランニング出力した後に、感光体上のトナーフィルミング状態を目視評価を行った。出力画像の異常の有無も考慮し、以下の5段階に分けて判定した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全くなく、感光体上のトナーフィルミングはない。
○:画像異常が全くないが、感光体上にうっすらとトナーフィルミングが見られる。
△:若干の異常画像が見られ、感光体上にも明らかなトナーフィルミングが見られる。
×:明らかな画像異常が見られ、感光体上のトナーフィルミングがひどく、問題のあるレベル。
××:明らかな画像異常が見られ、感光体上のトナーフィルミングがひどく、正常な画像が得ることができない。
(初期画像品質)
初期の画像品質は、前記評価機Aを用いて、画像評価チャートをフルカラーモードで出力し、色調(色合い)変化、カブリ、画像濃度、及びカスレなどの有無について評価した。異常の有無、及び画質のランク評価を目視評価し以下の5段階に分けて判定した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全く観察されず良好である。
○:原画と比較するとごく僅かな色合い、画像濃度、地肌部の汚れなどの違いが観察されるが、実用上問題なく良好である。
△:色調(色合い)、画像濃度、地肌部の汚れなどにやや変化が感じられる。
×:色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどが明らかで問題となる。
××:色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどがひどく、正常な画像が得ることができない。
(経時画像品質)
前記評価機Aを用い、フルカラーモードで80%画像面積(各色20%画像面積)の画像チャートを50,000枚ランニング出力した後、前記初期画質評価と同様の評価を行い、初期画像との比較を行って、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全く観察されず良好である。
○:初期画像と比較すると、ごく僅かな色合い、画像濃度、地肌部の汚れなどの違いが観察されるが通常温湿度の環境下では問題無いレベルである。
△:初期画像と比較すると、色調(色合い)、画像濃度、地肌部の汚れなどにやや変化が感じられる。
×:初期画像と比較すると、色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどが明らかで問題となる。
××:初期画像と比較すると、色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどがひどく、正常な画像が得ることができない。
(実施例18及び比較例9)
以上作製したトナー2及び19について、図21に示す画像形成装置Bに装填して、画像形成を行い、以下のようにして、低温定着性、耐ホットオフセット性、定着離型性、感光体フィルミング性、初期画像品質、経時画像品質の評価を行った。結果を表3示す。
図21に示す画像形成装置Bは、接触帯電方式、一成分現像方式、直接転写方式、クリーナーレス方式、及び内部加熱のベルト定着方式を採用した直接転写方式のタンデム型画像形成装置である。
この図21に示す画像形成装置Bにおいて、帯電手段310として図1に示すような接触方式の帯電ローラを用いている。現像手段324として図5に示すような一成分現像装置を用いており、この現像装置が残留トナーを回収できるクリーナーレス方式を採用している。定着手段327として図9に示すようなベルト式定着装置を採用しており、この定着装置は、加熱ローラの熱源としてハロゲンランプを用いている。なお、図21中、330は搬送ベルトである。
図21に示す画像形成装置Bにおける画像形成要素341は、感光体ドラム321の周辺に帯電手段310、露光手段323、現像手段324、転写手段325が配設されている。画像形成要素341における感光体ドラム321は、回転しながら、帯電手段310による帯電、露光手段323による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段324でイエロートナーにより現像され、感光体ドラム321上にイエロートナーによる可視像が形成される。この可視像は転写手段325により記録媒体326上に転写され、その後、現像手段324によって感光体ドラム321上に残ったトナーが回収される。同様にして、各画像形成要素342、343、344によって、記録媒体326上にマゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーによる可視像が重ね合わされ、記録媒体326上に形成されたカラー画像が定着手段327によって定着される。
低温定着性、耐ホットオフセット性、定着離型性、感光体フィルミング性、初期画像品質、経時画像品質の評価は、画像形成装置Aの代わりに画像形成装置Bを使用したこと以外は前述と同様にして評価を行った。
Figure 0005002448


本発明のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、定着離型性、耐熱保存性、現像器やキャリアに対する汚染性、感光体へのフィルミング性及び粉砕性のいずれにも優れており、電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに好適に用いられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを用いており、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、カブリ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1は、本発明の画像形成装置における帯電ローラの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の画像形成装置における接触方式の帯電ローラを画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 図3は、本発明の画像形成装置における非接触方式のコロナ帯電器を画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 図4は、本発明の画像形成装置における非接触方式の帯電ローラの一例を示す概略図である。 図5は、本発明の画像形成装置における一成分現像手段の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置における二成分現像手段の一例を示す概略図である。 図7は、本発明のタンデム型画像形成装置の直接転写方式の一例を示す概略図である。 図8は、本発明のタンデム型画像形成装置の間接転写方式の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の画像形成装置におけるベルト方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図10は、本発明の画像形成装置における熱ローラ方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図11は、本発明の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図12は、本発明の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着手段の他の一例を示す概略図である。 図13は、本発明の画像形成装置におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 図14は、本発明の画像形成装置におけるクリーニングレス方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図15は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図16は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 図17は、本発明のタンデム型画像形成装置の一例を示す概略図である。 図18は、図17の各画像形成要素の拡大図である。 図19は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図20は、実施例で用いた画像形成装置(評価機A)を示す概略図である。 図21は、実施例で用いた画像形成装置(評価機B)を示す概略図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2 転写手段(一次転写手段)
3 搬送ベルト
4 中間転写体
5 二次転写手段
6 給紙装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング手段
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像手段
45Y イエロー用現像手段
45M マゼンタ用現像手段
45C シアン用現像手段
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニングブレード
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニングブレード
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像手段
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブ
00 スキャナ
302 フィルム
303 スプリング
311 芯金
312 抵抗調整層
313 保護層
310 帯電ローラ
321 静電潜像担持体
323 露光手段
324 現像手段
325 転写手段
326 記録媒体
327 定着手段
330 クリーニング手段
331 除電装置
400 原稿自動搬送装置(ADF)
401 ケーシング
402 現像ローラ
411 アジテータ
412 供給ローラ
413 規制ブレード
510 ベルト式定着装置
511 加熱ローラ
512 定着ローラ
513 定着ベルト
514 加圧ロー
515 加熱源
518 熱ロール式定着装
520 加熱ローラ
530 加圧ローラ
25 ロール式定着装置
570 電磁誘導加熱式定着装置
613 クリーニングブレード
S 記録媒体
P 記録媒体

Claims (13)

  1. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体表面を帯電させる帯電装置と、前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光装置と、トナーとを備え、前記静電潜像を該トナーにより現像して可視像を形成する現像装置と、前記可視像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着装置と、を少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記現像装置が、内部に固定された磁界発生装置を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有しており、
    前記トナーは、結着樹脂、ワックス及び着色剤を含み、
    前記結着樹脂は、環化ゴム及び環状オレフィン樹脂を含み、
    前記環化ゴムは、環化率が50〜75%、重量平均分子量Mwが1.0×10 〜5.0×10 、重量平均分子量Mwと個数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が3.0以下、ガラス転移点(Tg)が55〜70℃であり、
    前記環状オレフィン樹脂は、炭素数が2〜12の低級アルケンと、少なくとも1つの二重結合を有する炭素数が3〜17の環状オレフィンとの共重合体であり、
    記ワックスは、融点が50〜85℃であり、前記環化ゴムに対する前記ワックスの含有量が25〜40質量%である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記環化ゴムの含有量が、前記トナーの質量に対して10〜75質量%である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記環化ゴムが、環化ポリブタジエン又は環化ポリイソプレンである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記環状オレフィン樹脂のガラス転移点(Tg)が、50〜80℃である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記環化ゴムと前記オレフィン樹脂の組成比が、15/85〜80/20である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記ワックスが、カルナウバワックス含む
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記現像装置が、トナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記転写装置が、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に転写する転写装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
    少なくとも静電潜像担持体、帯電装置、現像装置、及び転写装置を含む画像形成要素を複数配列してなり、
    前記転写装置は前記複数の画像形成要素の各静電潜像担持体との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体に、順次、前記各静電潜像担持体上に形成された可視像を転写する転写装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記転写装置が、静電潜像担持体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する二次転写装置とを有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記現像装置が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記定着装置が、ローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記定着装置がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
JP2007340174A 2007-12-28 2007-12-28 画像形成装置 Expired - Fee Related JP5002448B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007340174A JP5002448B2 (ja) 2007-12-28 2007-12-28 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007340174A JP5002448B2 (ja) 2007-12-28 2007-12-28 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009162865A JP2009162865A (ja) 2009-07-23
JP5002448B2 true JP5002448B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=40965592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007340174A Expired - Fee Related JP5002448B2 (ja) 2007-12-28 2007-12-28 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5002448B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027165A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2548091B2 (ja) * 1995-03-10 1996-10-30 キヤノン株式会社 現像方法
JP4597417B2 (ja) * 2000-05-01 2010-12-15 株式会社リコー 電子写真用トナー
JP3750798B2 (ja) * 2001-07-23 2006-03-01 株式会社リコー オイルレストナー
JP4011513B2 (ja) * 2003-04-25 2007-11-21 株式会社巴川製紙所 電子写真用トナー
JP4849850B2 (ja) * 2005-09-16 2012-01-11 株式会社リコー トナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009162865A (ja) 2009-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4808695B2 (ja) トナー、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749939B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP5054443B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749937B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749925B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP5392450B2 (ja) 電子写真用白色トナー、これを用いる画像形成装置、及び画像形成方法
JP5245421B2 (ja) トナーの製造方法
JP4749938B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4874878B2 (ja) 二成分現像剤、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749929B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749940B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4971756B2 (ja) トナー、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749928B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4909233B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4728935B2 (ja) 現像剤の製造方法
JP5625230B2 (ja) トナー、並び現像剤、及び画像形成装置
JP4749924B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP4749927B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP5365773B2 (ja) 画像形成用トナー、現像剤、トナー入り容器、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4749926B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP5002448B2 (ja) 画像形成装置
JP5439796B2 (ja) トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5245419B2 (ja) トナーの製造方法
JP2010085456A (ja) トナー、現像剤、トナー入り容器、画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2009163052A (ja) トナー、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5002448

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees