JP6650886B2 - ヘッドレストの製造方法及びヘッドレスト - Google Patents

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Description

本発明は、座席構造のシートバックに取り付けられるヘッドレストの製造方法及びヘッドレストに関する。
乗物用シートなどの座席構造では、シートバックにヘッドレストが設けられている。特許文献1及び2に示されているように、ヘッドレストは、通常、ヘッドレストフレームに支持される前後方向の厚さ数cm〜20cm、幅20〜30cm程度のポリウレタンフォームから構成されている。また、これらのヘッドレストは、ヘッドレストフレームを芯材として袋状に形成した表皮部材内に設けておき、ポリウレタンフォーム原料を注入して表皮部材と一体発泡により製造している。
特開2011−208006号公報 特開2014−233351号公報
特許文献1及び2に示されているように、ヘッドレストはポリウレタンフォーム原料を発泡させたポリウレタンフォームをパッドとして用いるのが一般的である。しかし、従来の製造方法は、型に取り付けた表皮部材内にポリウレタンフォーム原料を所定の箇所に所定量注入するだけで、該ポリウレタンフォーム原料の発泡によって、基本的には表皮部材内に全ての範囲がパッド層となる。これは、表皮部材内は、ヘッドレストフレームの一部以外、ポリウレタンフォーム原料の発泡を妨げる物がないためである。その一方、近年、例えば、軽量化のためにパッド層の厚さを薄くする機構、ヘッドレストの前後位置を調整するための機構、スピーカーなどの音響を提供するための機構などを表皮部材内に挿入したヘッドレストが求められるようになっている。このような場合に、パッド層を表皮部材と一体発泡しようとすると、これらの機構がポリウレタンフォーム原料の発泡作用の妨げとなり、均等な発泡ができず、ガスだまりなどにより欠肉が生じやすいという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、各種の機能を有する機構が内蔵されたものであっても、パッド層を必要な箇所に形成することができるヘッドレストの製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、このヘッドレストの製造方法により、内蔵された各種の機能を有する機構と表皮部材との間に、間隙が狭い部位も含めてパッド層が一体的に形成されているヘッドレストを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のヘッドレストの製造方法は、
ヘッドレストフレームに支持されるパッド層を備えてなるヘッドレストの製造方法であって、
前記パッド層を被覆する表皮部材を金型内に配置すると共に、
前記ヘッドレストのシート取り付け時の姿勢で上下方向となる方向にほぼ沿うように形成され、前記パッド層を形成する発泡原料が注入される発泡原料注入経路を有する注入経路形成部材を、前記表皮部材内にセットし、
前記発泡原料を、前記発泡原料注入経路を通じて注入し、前記発泡原料注入経路を経て、前記表皮部材と前記注入経路形成部材との間隙を含む、前記ヘッドレストの中心よりも前記表皮部材に近い前記ヘッドレストの外側寄りに拡散させて発泡させ、前記パッド層を前記表皮部材に一体発泡成形することを特徴とする。
前記注入経路形成部材として、その前部に、中途部を中心として前後に揺動し得る頭部支持プレートを有するものを用い、
前記発泡原料が前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に拡散される際には、前記頭部支持プレートが前記発泡原料の流動圧力によって揺動し、前記発泡原料の当該間隙における流動が促進される構成とすることが好ましい。
前記頭部支持プレートが、ばね部材によって揺動可能に支持されており、前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に、前記発泡原料が、前記頭部支持プレートのいずれかの端部側から浸入する際、浸入側の端部を前記発泡原料の流動圧力によって後方に変位させ、通過面積を一時的に増加させて浸入させやすくする一方、前記ばね部材の復元力によって前記頭部支持プレートを復帰させ、前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に位置する、前記発泡原料の発泡によって形成される前記パッド層の厚さの偏りを抑制する構成とすることが好ましい。
前記頭部支持プレートを含む前記注入経路形成部材として、前記発泡原料が流動しやすい外面を有するものを用いることが好ましい。
前記注入経路形成部材における前記発泡原料と接触する面が、0.12mlの水滴を乗せて測定される転落角で30度以下であることが好ましい。
前記発泡原料の拡散を、発泡開始時までに実施することが好ましい。
前記注入経路形成部材として、衝撃吸収部材、音響機構及び位置調整機構のうちいずれか少なくとも一つから構成される機能性部品であって、その略中央部に前記発泡原料注入経路が形成されているものを用いることが好ましい。
前記衝撃吸収部材として、ビーズ発泡体から形成されたものを用いることが好ましい。
また、本発明は、上記のヘッドレストの製造方法により製造されたヘッドレストを提供する。
さらに、本発明のヘッドレストは、
ヘッドレストフレームに支持されると共に、一体発泡により設けられた表皮部材及びパッド層を備えてなるヘッドレストであって、
前記ヘッドレストフレームに支持される機能性部品を内部に有すると共に、この機能性部品が、その前面側に、弾性部材によって支持され、略前後方向に弾性的に変位可能に支持された頭部支持プレートを備えてなり、
前記パッド層が、前記頭部支持プレートを含む前記機能性部品と前記表皮部材との間隙に設けられていることを特徴とする。
前記弾性部材が、前記機能性部品に支持される板ばねから構成され、
前記頭部支持プレートが、その上下方向の中途位置で前記板ばねに連結され、略前後方向に弾性的に変位可能であると共に、荷重のかかり方により、前記板ばねを中心として、前後に弾性的に揺動可能であることが好ましい。
前記機能性部品が、衝撃吸収部材、音響機構及び位置調整機構のうちいずれか少なくとも一つを備えてなることが好ましい。
前記衝撃吸収部材が、ビーズ発泡体であることが好ましい。
前記機能性部品が音響機構の場合、
開口部同士が所定間隔をおいて前記ヘッドレストフレームに支持される左右のエンクロージャーと、前記各エンクロージャー内に配設されるスピーカーユニットとを備えた左右のスピーカーと、
前記一方のエンクロージャーの開口部から他方のエンクロージャーの開口部に至るまで掛け渡され、前記各開口部を被覆するネット部材と
を有し、
前記ネット部材のうち、前記各開口部に対応する左右の音響透過部間に位置する中央部の前面に前記頭部支持プレートが配設されていると共に、
前記ネット部材の中央部には前記発泡原料が浸入して発泡成形された発泡体が充填され、左右の前記スピーカーユニットから出力される音響が前記中央部を伝播して相互に干渉することを抑制又は遮断する機能を備える構成であることが好ましい。
本発明によれば、シート取り付け時の姿勢でヘッドレストの上下方向となる方向にほぼ沿うように形成された発泡原料注入経路を有する注入経路形成部材を表皮部材内にセットし、発泡原料注入経路を通じてパッド層を形成する発泡原料を注入している。そして、発泡原料注入経路を経て、表皮部材と注入経路形成部材との間隙を含む、ヘッドレストの中心よりも表皮部材に近いヘッドレストの外側寄りに発泡原料を拡散させて発泡させている。すなわち、パッド層を形成する必要のあるヘッドレストの外側寄り、すなわち、表皮部材の内面寄りに発泡原料が拡散されているため、好ましくは、発泡開始時までに発泡原料を拡散させる構成であるため、拡散後に発泡が開始すると、表皮部材の内面と注入経路形成部材の外面との間に確実にパッド層が形成される。そのため、注入経路形成部材が表皮部材内に内蔵されていることを原因としてパッド層に欠肉が生じることが抑制される。しかも、ヘッドレストの外側寄り(表皮部材の内面寄り)に発泡原料を拡散してから発泡しているため、発泡原料は、注入経路形成部材自体に形成されている凹凸部や孔部、あるいは、発泡原料注入経路などを通じて、ヘッドレストの略中央に向かって成長しやすい。その結果、発泡によるガスだまりが、ヘッドレストの外側寄り(表皮部材の内面寄り)ではなく、略中央ないしはそれに近い内部に生じやすくなり、ガスだまりが外観やクッション性に影響を与えるヘッドレストの外側寄り(表皮部材の内面寄り)に生じることが抑制される。
本発明は、このように、注入経路形成部材を内蔵したことにより、パッド層の厚みを従来よりも薄くすることができ、パッド層を構成するポリウレタンフォーム等の使用量を低減して、軽量化を図ることができる。また、パッド層の厚みが薄くなるため、頭部が当接する前部において、頭部支持プレートを好ましくはばね部材を介して揺動可能に設けておくことにより、パッド層の厚みが薄くても、所定の衝撃吸収機能を確保することができる。しかも、この頭部支持プレートは、発泡原料の注入時においては、その流動圧力によって揺動するため、頭部支持プレートと表皮部材との間の間隙が狭い場合であっても、発泡原料の流動が促進され、発泡原料がこの狭い間隙の途中で留まってしまうことを抑制する機能も果たす。
注入路形成部材として、各種の機能を備えた部品(機能性部品)を用いることが好ましく、例えば、衝撃吸収部材、音響機構及び位置調整機構のうちいずれか少なくとも一つを採用することができる。衝撃吸収部材、好ましくはビーズ発泡体からなる衝撃吸収部材を配設することにより、衝撃力吸収機能を向上させることができる。また、音響機構を内蔵することでヘッドレストから音響を提供することができ、さらに、位置調整機構を内蔵することでヘッドレストの前後位置調整等が可能となる。いずれの機能性部品も、本発明では、パッド層によってその外面が取り囲まれており、これらを配設してもヘッドレスト本来の機能が損なわれることはない。
また、ビーズ発泡体からなる衝撃吸収部材の場合、発泡原料注入経路には、注入ノズルの挿入量によっては、例えば、挿入量が比較的浅い場合には、発泡原料が発泡してなる発泡体(例えばポリウレタンフォーム)が、ビーズ発泡体内に固着しない状態で内蔵されることになる。そのため、ビーズ発泡体とポリウレタンフォームとの直列のばね構造となり、ビーズ発泡体にかかる圧縮荷重をポリウレタンフォームによって例えば荷重方向(例えばZ方向)に対して90度ずれた方向(例えばX,Y方向)に変換し、力を他方向に逃がすことができると共に、ばね定数が低くなり、衝撃吸収特性の向上の点で優れている。また、発泡原料注入経路への注入ノズルの挿入量が例えば比較的深い場合には、注入ノズルを引き抜いた際に、該発泡原料注入経路内がほぼ空洞のまま残る。それにより、衝撃を受けた際には、ビーズ発泡体は、その圧縮特性に加えて曲げ特性も機能し、より効率的にエネルギー吸収をすることができる。その結果、発泡原料入流経路内にポリウレタンフォームが残存する場合、あるいは、ほぼ空洞になる場合のいずれも、衝撃を受けた際の加速度を低下させ、頭部障害値を低減することができる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るヘッドレストの外観と内蔵される機能性部品である衝撃吸収部材のうち頭部支持プレートとをあわせて示した斜視図であり、図1(b)は、内蔵される機能性部品である衝撃吸収部材の全体を外観と共に示した斜視図である。 図2(a)は、図1(a),(b)のヘッドレストの表皮部材の内側の構造を示した平面図であり、図2(b)は、図1(b)のA−A線に沿った断面図であってパッド層を形成する発泡原料の流動の様子を矢印で示した図であり、図2(c)は、発泡成形体を正面側からみた斜視図であり、図2(d)は、発泡成形体を背面側からみた斜視図である。 図3(a)は、頭部支持プレートの中央付近に荷重がかかった場合の作用を説明するための図であり、図3(b)は、頭部支持プレートの上部寄りに荷重がかかった場合の作用を説明するための図であり、図3(c)は、頭部支持プレートの下部寄りに荷重がかかった場合の作用を説明するための図である。 図4(a)〜(d)は、上記第1の実施形態にかかるヘッドレストの製造工程のうち、発泡原料を注入してパッド層を形成する工程を説明するための図である。 図5(a)は、頭部支持プレートの荷重−たわみ特性を測定する方法を説明するための正面図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図であり、図5(c)はその測定結果である荷重−たわみ特性を示した図である。 図6は、転落角の測定方法を説明するための図である。 図7(a)は、本発明の第2の実施形態に係るヘッドレストの外観と内蔵される機能性部品である音響機構とをあわせて示した斜視図であり、図7(b)は、ネット部材を示した斜視図である。 図8(a)は、図7(a)のB−B線断面図であり、図8(b)は、図7(a)のC−C線に沿った断面図であってパッド層を形成する発泡原料の流動の様子を矢印で示した図である。 図9(a)は、本発明の第3の実施形態に係るヘッドレストの外観と内蔵される機能性部品である位置調整機構とをあわせて示した斜視図であり、図9(b)は、位置調整機構のケースを正面側からみた斜視図であり、図9(c)は、位置調整機構のケースを背面側からみた斜視図である。 図10(a)は、図9(a)のヘッドレストの表皮部材の内側の構造を示した平面図であり、図10(b)は、図10(a)のD−D線に沿った断面図であって、パッド層を形成する発泡原料の流動の様子を矢印で示した図である。 図11は、本発明の第3の実施形態の他のバリエーションを示した図であり、図11(a)は、ヘッドレストの外観と内蔵される機能性部品である位置調整機構とをあわせて示した斜視図であり、図11(b)は、位置調整機構のケースを正面側からみた斜視図であり、図11(c)は、位置調整機構のケースを背面側からみた斜視図である。 図12(a)は、図11(a)のヘッドレストの表皮部材の内側の構造を示した平面図であり、図12(b)は、図11(a)のE−E線に沿った断面図であって、パッド層を形成する発泡原料の流動の様子を矢印で示した図である。
以下、図面に示した実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の第1の実施形態に係るヘッドレスト10を示した図である。本実施形態のヘッドレスト10は、自動車などの乗物用シートとして用いられる座席構造において採用されるものであり、シートバックの上部に配置される。ヘッドレスト10は、ヘッドレストフレーム20、衝撃吸収部材30、パッド層40及び表皮部材50を有して構成される。
ヘッドレストフレーム20は、前面から見て例えば略コ字状に形成され、所定間隔離間した縦フレーム部21,21と、該縦フレーム部21,21の上部から前方に突出する方向に延びる突出フレーム部22,22と、突出フレーム部22,22の前部同士を結ぶ横フレーム部23を有して構成される。縦フレーム部21,21は、シートバックの上部に設けられるガイド孔(図示せず)に挿通されて配設される。ガイド孔には通常ストッパが設けられており、縦フレーム部21,21に長手方向に沿って設けられた複数の係合溝が、該ストッパに係合して、高さ調整がなされるようになっている。
衝撃吸収部材30は、ヘッドレスト10に内蔵される衝撃吸収機能を発揮する機能性部品であり、発泡成形体31と、側部支持部材32と、頭部支持プレート33とを有して構成される。発泡成形体31は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれか少なくとも一つを含む樹脂のビーズ法による発泡成形体を用いることができる。発泡倍率は限定されるものではなく、所望の衝撃吸収特性が得られるように適宜に設定でき、例えば、数倍〜数十倍の範囲とすることができる。
側部支持部材32は、金属製(鉄等)あるいは合成樹脂(例えばポリプロピレン)製の板状部材から構成することができ、2枚の側部支持部材32,32の各上縁部をヘッドレストフレーム20の突出フレーム部22,22に固定し、各後縁部を縦フレーム部21,21に固定して配設される。なお、突出フレーム部22,22又は縦フレーム部21,21に固定する際には、締結部材32aによりそれらに直接固定してもよいし、ブラケットを介するなどして固定してもよい。そして、発泡成形体31は、この2枚の側部支持部材32,32間に、各側部が支持されて配設される。
頭部支持プレート33は、発泡成形体31の前部において、中途部を中心として前後に揺動するように構成されている。本実施形態では、各側部支持部材32の前縁部における上下方向中途部に、いずれも内方に延びるように設けた板ばねからなるばね部材34,34を配設し、このばね部材34,34に頭部支持プレート33の上下方向中途部が連結される。これにより、図3(a)に示したように、前面側から後方へ略中央部に負荷がかかった場合には、頭部支持プレート33は全体がほぼ均等に後方に変位するが、図3(b)及び図3(c)に示したように、後方への負荷が上部寄り又は下部寄りに偏ってかかった場合には、ばね部材34,34との連結位置を中心として前後に揺動する。頭部が当接する部位においては、従来、パッド層の厚さを所定以上確保することで所望のクッション特性を持たせていたのに対し、本実施形態によれば、ばね部材34,34に支持された頭部支持プレート33が上記のように動作するため、頭部支持プレート33の前面に位置するパッド層40の厚さが従来より薄くても所望のクッション特性を得ることができる。なお、頭部支持プレート33のこの動きは製造時において所定の機能を果たすが、それについては後述する。
発泡成形体31、側部支持部材32及び頭部支持プレート33を含む衝撃吸収部材30の周囲にはパッド層40が設けられ、さらにその外面に表皮部材50が設けられる。パッド層40としては、本実施形態ではポリウレタンフォームを用いている。
次に、本実施形態のヘッドレスト10の製造方法について説明する。まず、金型内に、表皮部材50をセットすると共に、上記の衝撃吸収部材30を備えたヘッドレストフレーム20を、表皮部材50内の所定位置にセットする。金型内にセットする場合、ヘッドレストフレーム20の縦フレーム部21,21は、シートバックへの取り付け時に下端となる端部が、金型に形成された貫通孔を介して外方に突出するようにセットされる。そして、縦フレーム部21,21が突出している部分間に形成されている金型の注入孔に注入ノズルを挿入し、発泡原料(本実施形態ではポリウレタンフォーム原料)を注入する。
この工程は、ヘッドレストフレーム20と共に衝撃吸収部材30をセットすることを除いて、従来の製造方法と同様であるが、本実施形態の衝撃吸収部材30は、製造時においは、発泡原料の注入を制御する注入経路形成部材として機能する。具体的には、衝撃吸収部材30を構成する発泡成形体31には、シートバックへの取り付け時の姿勢で上下方向となる方向に沿うように発泡原料注入経路311が形成されており、この発泡原料注入経路311に注入ノズルが挿入され、所定の圧力で発泡原料が注入される(図4(a)参照)。発泡成形体31は、図2(a)〜(d)に示したように、左右の側部支持部材32,32間に収まる幅を有する略直方体形状に形成されていると共に、幅方向略中央部に上下方向に貫通する発泡原料注入経路311が形成されている。また、発泡成形体31の前面側には、凹状部312が形成されている。凹状部312は、正面から見て頭部支持プレート33の形状とほぼ同じ形状及び面積で形成され、本実施形態は正面から見て略方形に形成されている。そして、ばね部材34,34に支持される頭部支持プレート33は、この凹状部312の開口端付近に位置するように設けられ、頭部支持プレート33は、この凹状部312の深さ方向である後方に変位可能となっている(図3(a)〜(c)参照)。
注入ノズルから注入された発泡原料は、発泡原料注入経路311を通過して、ヘッドレストの頂部側へと流入し、図4(b)に示したように、衝撃吸収部材30を構成する発泡成形体31、側部支持部材32及び頭部支持プレート33の各外面と、表皮部材50の内面との間隙に頂部側から下部側へ流動するように拡散する。このとき、頭部支持プレート33と、表皮部材50のうちその前面に位置する部位との間隙を通過する際、発泡原料の流動圧力によって頭部支持プレート33が揺動する。具体的には、図4(b)の矢印Aに示したように、頭部支持プレート33の上部側から両者の間隙に発泡原料が流入しようとすると、その流動圧力によって頭部支持プレート33の上部側が後方に押圧される方向に揺動する。そのため、頭部支持プレート33の上部と表皮部材50との間隙が拡大し、発泡原料が流入しやすくなる。発泡原料がさらにヘッドレストの下部側へ流動していくと、図4(c)に示したように、頭部支持プレート33の下部側を押圧すると共に、ばね部材34,34の復元力によって、該下部側を後方へ揺動させ、頭部支持プレート33の下部と表皮部材50との間隙を拡大させて通過する。頭部支持プレート33がばね部材34,34によって支持されて揺動可能であることにより、頭部支持プレート33と表皮部材50との間隙が狭くても発泡原料を行き渡らせることができ、それにより、頭部支持プレート33と表皮部材50との間に形成されるパッド層40の厚さをより薄くすることが可能である。また、頭部支持プレート33の揺動作用によって、発泡原料が速やかに流動するため、発泡原料が流動せずに留まってしまう箇所が生じにくく、発泡によって形成されるパッド層40の厚さの偏りも抑制される。
また、発泡原料が、衝撃吸収部材30を構成する発泡成形体31、側部支持部材32及び頭部支持プレート33のそれぞれと表皮部材50との間隙を速やかに流動し、好ましくは発泡開始時までにそれらの間隙に行き渡る工夫として、上記の頭部支持プレート33の揺動作用に加えて、これらの外面は、発泡原料との摩擦抵抗が小さくなっていることが好ましい。そのため、発泡成形体31の外面は、ビーズ発泡体に形成されるスキン層が外面となっていることが好ましく、頭部支持プレート33は、ポリプロピレンなどの合成樹脂により形成されることが好ましい。次表は、ビーズ発泡体のスキン層が形成されていない面、ビーズ発泡体のスキン層が形成された面、頭部支持プレート33に用いたポリプロピレン製のプレート(PPプレート)の三種類の材料面(平板)に、図6に示したように、それぞれ水滴を3滴(0.12ml)滴下し、当該平板を水平から徐々に傾斜させていき、水滴が滑り始めたときの傾斜角度(転落角)θを5回測定したものである。なお、使用したビーズ発泡体は、30倍発泡の発泡ポリエチレンである。
表1は水滴による実験結果であるが、ビーズ発泡体のスキン層の形成されていない面のように微小な凹凸がある面の場合、スキン層が形成された面やPPプレートと比較して転落角が大きいことがわかる。従って、発泡原料が接触した際にできるだけ速やかに流動するように、発泡成形体31における発泡原料が接触する面はビーズ発泡体のスキン層が位置するように設け、また、頭部支持プレート33としてはPPプレートのような転落角の小さいものを用いることが好ましい。側部支持部材32として鉄等の金属製のものを用いる場合も、発泡原料との接触面は転落角が小さくなるように加工されていることが好ましい。表1から、上記の条件で測定される水滴の転落角で、30度以下の面が発泡原料との接触面となる構成とすることが好ましい。より好ましくは25度以下である。
本実施形態によれば、発泡原料が、発泡原料注入経路311を経て四方に拡散し、上記のように、衝撃吸収部材30を構成する発泡成形体31、側部支持部材32及び頭部支持プレート33のそれぞれと表皮部材50との間隙を速やかに流動し、好ましくは発泡開始時までにそれらの間隙に行き渡る。従って、発泡原料が発泡し始めると、ヘッドレストの外側寄り(表皮部材50の内面寄り)から、ヘッドレストの略中央に向かって発泡原料が成長する。そのため、表皮部材50との境界面にガスだまりが生じにくく、外観不良の発生を抑制できる(図4(d)参照)。
また、このようにして製造した場合、発泡原料注入経路311内には、ポリウレタンフォームが残存し、発泡成形体31内にポリウレタンフォームが固着しない状態で内蔵されることになる。これにより、発泡成形体31を構成するビーズ発泡体と、ポリウレタンフォームとの直列のばね構造が形成されることになり、ビーズ発泡体にかかる圧縮荷重をポリウレタンフォームによって他方向に逃がすことができると共に、ばね定数が低くなり、衝撃吸収特性が向上する。また、発泡原料注入経路311への注入ノズルの挿入量が例えば比較的深い場合には、注入ノズルを引き抜いた際に、該発泡原料注入経路311内がほぼ空洞のまま残る。それにより、衝撃を受けた際には、ビーズ発泡体が変形しやすくなる。なお、発泡原料注入経路311内にポリウレタンフォームを残存させるか、ほぼ空洞の状態にするかは、上記のように注入ノズルの挿入量によって調整できるが、いずれの場合も、発泡原料入流経路に相当する分も含めて全体をビーズ発泡体で形成する場合よりも、ビーズ発泡体自体の厚さが薄くなる。
なお、本実施形態のヘッドレスト10をシートバックに装着した通常使用時においては、図3(a)に示したように、頭部支持プレート33の略中央部を中心として荷重がかかった際には全体が後方に変位してばね部材34,34の弾性によって振動や衝撃を吸収し、上部寄り又は下部寄りに荷重がかかった際には、図3(b)及び図3(c)に示したように、ばね部材34,34を中心として上部又は下部が前後に揺動して振動や衝撃を吸収する。このため、頭部支持プレート33とその前面に位置する表皮部材50との間のパッド層40は、厚みが薄くても所定のクッション特性を発揮することができる。
図5(c)は、発泡成形体31の前面に、ばね部材34,34によって支持された状態の頭部支持プレート33への荷重−たわみ特性を示す図であり、図5(a),(b)に示したように、「上部負荷」が、頭部支持プレート33の上部寄りに負荷をかけた場合、「中央負荷」が頭部支持プレート33の中央付近に負荷をかけた場合、「下部負荷」が頭部支持プレート33の下部寄りに負荷をかけた場合の測定データである。いずれも直径50mmの負荷板を用いて図5(a),(b)に示した位置に負荷をかけている。これらの測定データのうち、それぞれの直線部におけるばね定数は、「上部負荷」が6N/mm、「下部負荷」が8N/mm、「中央負荷」が15N/mmであった。通常の着座時においては、頭部の支持荷重は多少なりとも上部寄り又は下部寄りにかかることが多いが、このように荷重がかかった場合には、人の頭部荷重を柔らかなばね定数で支持できる。一方、所定以上の衝撃が加わった場合には、頭部支持プレート33全体が後方に変位するため、その場合の指標は「中央負荷」が相当し、相対的に高いばね定数が作用する。また、ストロークが約6mm以上になると、そのばね定数は急激に高くなり、高い衝撃に耐え得ることがわかる。
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態では、機能性部品として音響機構60を配設した構造である。音響機構60は、ヘッドレストフレーム20に支持される左右2個のスピーカー61,61を有して構成される。左右のスピーカー61,61を有する音響機構60が本実施形態の注入路形成部材を構成する。2つのスピーカー61,61は、左右に所定の間隙をおいて配設されており、この間隙は、シートバックへの取り付け時の姿勢で上下方向に沿って延びることになる。従って、この間隙が、製造時において注入経路形成部材として用いられる本実施形態の音響機構60における発泡原料注入経路611となる。
スピーカー61,61は、ヘッドレストフレーム20の縦フレーム部21,21に取り付けられるエンクロージャー61a,61aと、エンクロージャー61a,61a内に取り付けられ、音響を出力するスピーカーユニット61b,61bとを有して構成される。本実施形態のスピーカー61,61は、音が拡散しやすいように、エンクロージャー61a,61aの開口部がそれぞれ前方に対して約45度外方に向き、エンクロージャー61a,61aの開口部同士が所定間隔を有する姿勢で配設される。また、一方のエンクロージャー61aの開口部の外側の縁部から他方のエンクロージャー61aの開口部の外側の縁部に至るまでの長さを有し、それぞれの開口部を被覆するネット部材62を設けている。ネット部材62としては、二次元ネット又は三次元立体布帛を用いることができる。これにより、所定の音響透過機能を確保しつつ、頭部を支持する際に必要なクッション特性、振動吸収特性を併有させることができる。
三次元立体布帛のなかでも、三次元立体編物を用いることが好ましい。三次元立体編物は、互いに離間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結合することにより形成されている。各グランド編地は、例えば、繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)に形成したり、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する編地組織に形成したりすることができる。連結糸は、一方のグランド編地と他方のグランド編地とが所定の間隔を保持するように、三次元立体編物に所定の剛性を付与している。これにより、高いクッション特性、振動吸収特性を発揮することができる。また、面方向に張力が付与されることにより、三次元立体編物を構成する対向するグランド編地の糸、あるいは、対向するグランド編地間を連結する連結糸を弦振動させることが可能となる。それにより、スピーカーユニット61b,61bの出力音によって弦振動が生じ、三次元立体編物の面方向に伝播され、この三次元立体編物から前方に放射される音波は、該三次元立体編物を面音源とする音波となる。すなわち、三次元立体編物は、スピーカーユニット61b,61bの出力音を点音源とするとより広い面積の面音源からの音波に変換して外部に放射する機能を果たす。
ネット部材62は、上記のように45度外方に向けた2つのエンクロージャー61a,61aに跨るように配設されるため、各エンクロージャー61a,61aの開口部に対応して、スピーカーユニット61b,61bの前方に位置する部位は、音響透過部62b,62bとなり、該音響透過部62b,62b間の中央部62aは、本実施形態では、図7(b)及び図8(a)に示したように前方に突出した配設位置となる。ヘッドレストフレーム20の縦フレーム部21,21及び突出フレーム部22,22には、上記実施形態と同様に、側部支持部材63,63が取り付けられ、この側部支持部材63,63の前縁部に内方に突出するように設けられた板ばねからなる2つのばね部材65,65によって頭部支持プレート64が支持されている。このとき、頭部支持プレート64は、ネット部材62の中央部62aの前面に位置するように設けられる。なお、本実施形態の音響機構60は、製造時に注入経路形成部材となる機能性部品を構成するため、上記したスピーカー61,61及びネット部材62のみならず、側部支持部材63,63、頭部支持プレート64及びばね部材65,65まで含まれる。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、音響機構60が取り付けられたヘッドレストフレーム20を金型内にセットして発泡原料を注入する。注入ノズルは、発泡原料注入経路611である2つのスピーカー61,61間の間隙に挿入され、注入ノズルから注入される発泡原料は、この発泡原料注入経路611を経てヘッドレスト10の頂部側から四方へ拡散し、シートバックの取り付け時に下部側となる方向に流動していく(図8(b)参照)。発泡原料が頭部支持プレート64とその前面に位置する表皮部材50との間隙通過する際には、頭部支持プレート64がネット部材62の中央部62aの前面を被覆して配置されている。このため、ネット部材62のクッション特性により、発泡原料が拡散して頭部支持プレート64の上部側から該間隙に流入すると、頭部支持プレート64の上部側が後方に押圧されてネット部材62をその分変形させる。具体的には、頭部支持プレート64の動きによってネット部材62の中央部62aが押圧されるため、中央部62aを若干圧縮しつつ、各エンクロージャー61a,61aの縁部に接する、音響透過部62b,62bとの境界部62c,62cから該中央部62aを若干後方に湾曲させるような変形を起こさせる。その後、ばね部材65,65の復元力により元の姿勢に復帰しようとし、さらに、頭部支持プレート64の下部側が後方に押圧され、再度ばね部材65,65の復元力で元の姿勢に復帰しようとする。このように頭部支持プレート64は揺動するため、上記実施形態と同様に、頭部支持プレート64とその前面に位置する表皮部材50との僅かな間隙においても発泡原料を流動、拡散させることができる。拡散した発泡原料が発泡を開始すると、ヘッドレストの10の外側(表皮部材50の内面)寄りの部位から内方へと主に成長していくが、これにより、表皮部材50との境界面にガス溜まりが生じにくい点は上記実施形態と同様である。
ここで、発泡原料は、上記のように、頭部支持プレート64とその前面に位置する表皮部材50との間隙では該頭部支持プレート64の動きにより円滑に流動するが、頭部支持プレート64の存在により、頭部支持プレート64側であるネット部材62の正面側からは該ネット部材62の内部に発泡原料が浸入しにくい。しかしながら、ネット部材62の背面側からは発泡原料が該ネット部材62内に浸入する。この際、ネット部材62は、各境界部62c,62cが各エンクロージャー61a,61aの縁部に押し付けられているため、発泡原料は中央部62aの内部には浸入するものの、各境界部62c,62cより外方にはほとんど流動しない。そのため、スピーカーユニット61b,61bの前方に位置する音響透過部62b,62bの音響透過機能を阻害しない。その一方、中央部62a内に浸入した発泡原料が発泡成形されることによって発泡体(本実施形態ではポリウレタンフォーム)が充填されることになる。それにより、中央部62aは、スピーカーユニット61b,61bから出力される音が、該中央部62aを伝播して相互に干渉することを抑制あるいは遮断する機能を果たし、左右の音響透過部62b,62bを透過する音響エネルギーの独立性を高め、ステレオ感を強調させる。
なお、頭部の荷重を、ばね部材65,65によって支持された頭部支持プレート64がストロークして支持する点は、上記第1の実施形態と同様である。
図9及び図10は、本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態では、機能性部品として位置調整機構70を配設した構造である。位置調整機構70は、ヘッドレストフレーム20に支持されるケース71と、そのケース71内に収容される機構部72とを有して構成される。ケース71は、下部がヘッドレストフレーム20の横フレーム部23に固定ブラケット71aを介して固定されると共に、前面に開口部71bが形成されている。機構部72は、ケース71側に連結される連結フレーム72aと、この連結フレーム72aに回転可能に支持されるウォーム72bと、下部が固定ブラケット71aに回動可能に支持され、上部側に形成された歯がウォーム72bの歯に噛み合うセクタギヤ72cとを有して構成される。ヘッドレスト10を把持して前方又は後方に移動させると、ケース71が前方又は後方に移動して前後位置調整できるが、ケース71が前後に移動すると、セクタギヤ72cが前後に回動し、それに噛み合っているウォーム72bが回転する。このため、ヘッドレスト10の移動を止めると、両者の噛み合いにより無段階位置でロックすることができる。
位置調整機構70は、製造時においては注入経路形成部材として機能する。そのため、ケース71における機構部72が配設されていない箇所に、本実施形態では、ケース71の後部寄りにシートバックに取り付けた際に上下となる方向に沿って2箇所に発泡原料注入経路711,711が形成されている。
また、ケース71の前面に形成された開口部71bには、図9(a)に示すように、開口部71bの左右の枠部に取り付けられる板ばねからなるばね部材74,74によって上下方向中途部が支持される頭部支持プレート73が取り付けられる。頭部支持プレート73は、開口部71bを塞ぐことができる程度の形状及び面積で形成される。
製造時においては、上記各実施形態と同様に、発泡原料注入経路711,711に注入ノズルを挿入して発泡原料を注入する。発泡原料は、ヘッドレスト10の頂部側から四方へ拡散して流動するが(図10(b)参照)、頭部支持プレート73とその前面に位置する表皮部材50との間隙を通過する際には、上記各実施形態と同様に、頭部支持プレート73がばね部材74,74を中心として揺動し、流動を促す。その後、発泡が開始されるが、その他の作用、効果は、上記各実施形態と同様である。なお、ケース71は、コスト、重量の軽減の観点から、ビーズ発泡体から形成することもできる。
上記第3の実施形態では、ケース71内における機構部72の配設位置に対して、発泡原料注入経路711,711をオフセットしているが、図11及び図12に示したように、発泡原料注入経路712をケース71の略中央部に上下方向に沿って形成し、機構部721,721を2組に分けるなどして、発泡原料注入経路712の左右に配設するようにしてもよい。
なお、上記した各実施形態で示した製造時において注入経路形成部材を構成する機構部品である衝撃吸収部材30、音響機構60、位置調整機構70は、いずれも例示であり、上記した構造に限定されるものではないことはもちろんである。
10 ヘッドレスト
20 ヘッドレストフレーム
30 衝撃吸収部材
31 発泡成形体
311 発泡原料注入経路
32 側部支持部材
33 頭部支持プレート
34 ばね部材
40 パッド層
50 表皮部材
60 音響機構
61 スピーカー
611 発泡原料注入経路
62 ネット部材
63 側部支持部材
64 頭部支持プレート
65 ばね部材
70 位置調整機構
71 ケース
711,712 発泡原料注入経路
72,721 機構部
73 頭部支持プレート
74 ばね部材

Claims (9)

  1. ヘッドレストフレームに支持されるパッド層を備えてなるヘッドレストの製造方法であって、
    前記パッド層を被覆する表皮部材を金型内に配置すると共に、
    前記ヘッドレストのシート取り付け時の姿勢で上下方向となる方向にほぼ沿うように形成され、前記パッド層を形成する発泡原料が注入される発泡原料注入経路を有しかつ中途部を中心として前後に揺動し得る頭部支持プレートを前部に有する注入経路形成部材を、前記表皮部材内にセットし、
    前記発泡原料を、前記発泡原料注入経路を通じて注入し、前記発泡原料注入経路を経て、前記表皮部材と前記注入経路形成部材との間隙を含む、前記ヘッドレストの中心よりも前記表皮部材に近い前記ヘッドレストの外側寄りに拡散させて発泡させ、前記パッド層を前記表皮部材に一体発泡成形し、前記発泡原料が前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に拡散される際には、前記頭部支持プレートが前記発泡原料の流動圧力によって揺動し、前記発泡原料の当該間隙における流動が促進されることを特徴とするヘッドレストの製造方法。
  2. 前記頭部支持プレートが、ばね部材によって揺動可能に支持されており、前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に、前記発泡原料が、前記頭部支持プレートのいずれかの端部側から浸入する際、浸入側の端部を前記発泡原料の流動圧力によって後方に変位させ、通過面積を一時的に増加させて浸入させやすくする一方、前記ばね部材の復元力によって前記頭部支持プレートを復帰させ、前記頭部支持プレートと前記表皮部材との間隙に位置する、前記発泡原料の発泡によって形成される前記パッド層の厚さの偏りを抑制する請求項記載のヘッドレストの製造方法。
  3. 前記頭部支持プレートを含む前記注入経路形成部材として、前記発泡原料が流動しやすい面を有するものを用いる請求項1又は2記載のヘッドレストの製造方法。
  4. 前記注入経路形成部材における前記発泡原料と接触する面が、0.12mlの水滴を乗せて測定される転落角で30度以下である請求項記載のヘッドレストの製造方法。
  5. 前記注入経路形成部材として、衝撃吸収部材、音響機構及び位置調整機構のうちいずれか少なくとも一つから構成される機能性部品であって、その略中央部に前記発泡原料注入経路が形成されているものを用いる請求項1〜のいずれか1に記載のヘッドレストの製造方法。
  6. ヘッドレストフレームに支持されると共に、一体発泡により設けられた表皮部材及びパッド層を備えてなるヘッドレストであって、
    前記ヘッドレストフレームに支持される機能性部品を内部に有すると共に、この機能性部品が、その前面側に、弾性部材によって支持され、略前後方向に弾性的に変位可能に支持された頭部支持プレートを備えてなり、
    前記パッド層が、前記頭部支持プレートを含む前記機能性部品と前記表皮部材との間隙に設けられ
    前記弾性部材が、前記機能性部品に支持される板ばねから構成され、
    前記頭部支持プレートが、その上下方向の中途位置で前記板ばねに連結され、略前後方向に弾性的に変位可能であると共に、荷重のかかり方により、前記板ばねを中心として、前後に弾性的に揺動可能である
    ことを特徴とするヘッドレスト。
  7. 前記機能性部品が、衝撃吸収部材、音響機構及び位置調整機構のうちいずれか少なくとも一つを備えてなる請求項記載のヘッドレスト。
  8. 前記衝撃吸収部材が、ビーズ発泡体である請求項記載のヘッドレスト。
  9. 前記機能性部品が音響機構であり、
    開口部同士が所定間隔をおいて前記ヘッドレストフレームに支持される左右のエンクロージャーと、前記各エンクロージャー内に配設されるスピーカーユニットとを備えた左右のスピーカーと、
    前記一方のエンクロージャーの開口部から他方のエンクロージャーの開口部に至るまで掛け渡され、前記各開口部を被覆するネット部材と
    を有し、
    前記ネット部材のうち、前記各開口部に対応する左右の音響透過部間に位置する中央部の前面に前記頭部支持プレートが配設されていると共に、
    前記ネット部材の中央部には前記発泡原料が浸入して発泡成形された発泡体が充填され、左右の前記スピーカーユニットから出力される音響が前記中央部を伝播して相互に干渉することを抑制又は遮断する機能を備える請求項記載のヘッドレスト。
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