以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具2について説明する。
[1.照明器具の構成]
[1−1.照明器具の全体構成]
まず、図1〜図3を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具2の床面側の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具2の天井4側の外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具2を分解して示す分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、照明器具2は、例えば住宅等の建物の天井4(造営材の一例)に設置される人感センサ付きのシーリングライトである。照明器具2は、器具本体6、器具取付部材8、グローブ10、発光モジュール12、一対の操作つまみ14,16、光源カバー18、回路カバー20、絶縁カバー22、支持部材24及びセンサ部26を備えている。
以下、図1〜図10を参照しながら、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。なお、図1〜図8において、Z軸のマイナス側が天井4側、Z軸のプラス側が床面(図示せず)側を表している。説明の都合上、図1及び図3〜図7では、照明器具2を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
[1−2.器具本体]
図2〜図8を参照しながら、器具本体6について説明する。図4は、グローブ10を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す斜視図である。図5は、グローブ10を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2の一部を分解して示す分解斜視図である。図6は、図4のVI−VI線断面図である。図7は、図4のVII−VII線断面図である。図8は、グローブ10、光源カバー18、回路カバー20及び絶縁カバー22を省略した状態での、実施の形態に係る照明器具2を示す平面図である。
図3〜図8に示すように、器具本体6は、グローブ10、発光モジュール12、光源カバー18、回路カバー20及び絶縁カバー22を支持するための筐体である。また、器具本体6は、発光モジュール12からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
器具本体6は、中央部に円形状の開口部6aを有するリング状に形成されている。なお、器具本体6は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上述した形状に成形される。器具本体6の一方側の面である内面(床面側の面)には、反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、白色塗料が塗布、又は、反射性金属材料が蒸着されている。
図3、図6及び図7に示すように、器具本体6には、発光モジュール12を支持するための突出部28が形成されている。突出部28は、器具本体6の開口部6aを囲むようにリング状に形成され、床面側に向けて突出している。突出部28の床面側の面は、発光モジュール12の基板46(後述する)を支持するための基板支持面として機能する。図3に示すように、突出部28には、複数のネジ孔30が形成されている。後述するようにネジ32がネジ孔30に捻じ込まれることにより、発光モジュール12、回路カバー20及び光源カバー18が突出部28に取り付けられる。
図3及び図5〜図7に示すように、器具本体6の開口部6aの周縁部には、器具本体6を器具取付部材8(後述する)に装着するための筒部材34が固定されている。筒部材34は、略円筒状に形成され、器具本体6の開口部6aの周縁部から床面側に延びている。後述するように、筒部材34の内部には器具取付部材8が着脱自在に嵌合される。
また、図3〜図5及び図8に示すように、器具本体6の内面の外周領域には、グローブ10を器具本体6に着脱自在に取り付けるためのグローブ取付部材36が複数設けられている。複数のグローブ取付部材36は、器具本体6の周方向に沿って等間隔で配置されている。
さらに、図2、図6及び図7に示すように、器具本体6の外面(天井側の面)には、例えばウレタン等で形成されたクッション部材38が複数取り付けられている。複数のクッション部材38は、器具本体6の周方向に沿って等間隔で配置されている。後述するようにして照明器具2が天井4に設置された際に、複数のクッション部材38が器具本体6と天井4との間に挟み込まれることにより、器具本体6のぐらつきが抑制される。
[1−3.器具取付部材]
次に、図3、図6及び図7を参照しながら、器具取付部材8について説明する。器具取付部材8は、天井4に設置された引っ掛けシーリングボディ40(図3参照)に器具本体6を着脱自在に取り付けるためのアダプタである。
図3、図6及び図7に示すように、器具取付部材8は、略円柱状に形成され、器具本体6の筒部材34の内部に着脱自在に嵌合される。器具取付部材8には、L字状の一対の金具(図示せず)が設けられている。これらの一対の金具がそれぞれ引っ掛けシーリングボディ40の一対の孔40aに引っ掛けられることにより、器具取付部材8が引っ掛けシーリングボディ40に着脱自在に取り付けられる。
照明器具2を天井4に設置する際には、ユーザ(操作者)は、まず、器具取付部材8を引っ掛けシーリングボディ40に取り付ける。その後、ユーザは、器具取付部材8が器具本体6の筒部材34の内部に挿入されるようにして、器具本体6を天井4側に押し上げることにより、筒部材34と器具取付部材8とを嵌合させる。これにより、器具本体6が器具取付部材8及び引っ掛けシーリングボディ40を介して天井4に取り付けられ、照明器具2が天井4に設置される。
なお、引っ掛けシーリングボディ40は、天井4の裏側に配置された商用電源(図示せず)と電線(図示せず)を介して電気的に接続されている。照明器具2が天井4に設置されることにより、商用電源からの交流電力が引っ掛けシーリングボディ40を介して照明器具2に供給される。
[1−4.グローブ]
次に、図1、図3、図6及び図7を参照しながら、グローブ10について説明する。グローブ10は、器具本体6の内面全体を覆うための外カバーであり、器具本体6に着脱自在に取り付けられている。すなわち、発光モジュール12、光源カバー18、回路カバー20及び絶縁カバー22は、グローブ10の内側に配置されている。
図1、図6及び図7に示すように、グローブ10は、円形状のドーム状に形成されている。図3に示すように、グローブ10には、センサ部26をグローブ10の外部に露出させるための円形状の孔10aが形成されている。孔10aは、グローブ10のセンサ部26に対応する位置、例えばグローブ10の中央部に形成されている。グローブ10の孔10aには、センサ部26を孔10aに固定するための固定リング42が取り付けられている。
また、図7に示すように、グローブ10の開口部には、器具本体6の複数のグローブ取付部材36に対応して、グローブ10の径方向内側に突出する複数の係合部44が設けられている。グローブ10を器具本体6に対して所定方向に回転させた際には、係合部44がグローブ取付部材36に係合されることにより、グローブ10が器具本体6に取り付けられる。一方、グローブ10を器具本体6に対して上記所定方向と反対方向に回転させた際には、係合部44がグローブ取付部材36から外れることにより、グローブ10が器具本体6から取り外される。
グローブ10は、透光性を有する樹脂材料、例えばアクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニル等で形成されている。これにより、発光モジュール12からグローブ10の内面に向けて出射した光は、グローブ10を透過してグローブ10の外部に取り出される。
なお、グローブ10を例えば乳白色の樹脂材料で形成することにより、グローブ10に光拡散性を持たせてもよい。このとき、グローブ10の光拡散性は、光源カバー18の光拡散性よりも大きくするのが好ましい。この場合、例えば光拡散性を有しない透明な光源カバー18を用いるとともに光拡散性を有するグローブ10を用いることにより、グローブ10の光拡散性を光源カバー18の光拡散性よりも大きくすることができる。あるいは、グローブ10及び光源カバー18がともに光拡散性を有する場合は、グローブ10に分散させる光拡散粒子の濃度を光源カバー18に分散させる光拡散粒子の濃度よりも大きくすることにより、グローブ10の光拡散性を光源カバー18の光拡散性よりも大きくしてもよい。
[1−5.発光モジュール]
次に、図3及び図5〜図8を参照しながら、発光モジュール12について説明する。発光モジュール12は、例えば白色光を発するための光源である。
図3及び図5〜図8に示すように、発光モジュール12は、基板46と、基板46の実装面46a(床面側の面)上に実装された複数の発光素子48及び複数の回路部品50とを有している。
基板46は、複数の発光素子48及び複数の回路部品50を実装するためのプリント配線基板であり、中央部に円形状の開口部46bを有するリング状に形成されている。基板46は、器具本体6の筒部材34を囲むようにして、器具本体6の突出部28に支持されている。なお、基板46の開口部46bの中心軸は、器具本体6の開口部6aの中心軸と略一致している。基板46には、上述したネジ32を挿通するための貫通孔52が複数形成されている。ネジ32を基板46の貫通孔52に挿通するとともに、器具本体6のネジ孔30に捻じ込むことにより、基板46が器具本体6の突出部28に取り付けられる。なお、基板46としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、基板46は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
図5及び図8に示すように、基板46の実装面46a上には、所定形状の金属配線である第1の配線パターン54、第2の配線パターン56及び第3の配線パターン58が配置されている。第1の配線パターン54は、複数の発光素子48を実装するための配線パターンであり、基板46の実装面46aの外周領域に配置されている。第2の配線パターン56は、複数の回路部品50を実装するための配線パターンであり、基板46の実装面46aの内周領域に配置されている。第3の配線パターン58は、第1の配線パターン54と第2の配線パターン56とを電気的に接続するための配線パターンであり、基板46の実装面46aの内周領域に配置されている。すなわち、第3の配線パターン58は、複数の発光素子48と複数の回路部品50とを電気的に接続することにより、複数の回路部品50(後述する電源用回路部品)からの直流電力を複数の発光素子48の各々に供給するための配線パターンである。
複数の発光素子48は、基板46の第1の配線パターン54に実装されている。すなわち、複数の発光素子48は、複数の回路部品50及び一対の操作つまみ14,16を囲むようにして、基板46の実装面46aの外周領域に配置されている。複数の発光素子48の各々は、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。複数の発光素子48の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
このように、複数の発光素子48の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして発光素子48から白色光が出射される。
複数の回路部品50は、基板46の第2の配線パターン56に実装されている。複数の回路部品50は、基板46の開口部46bを囲むようにして、基板46の実装面46aの内周領域にリング状に配置されている。すなわち、図8に示すように、複数の回路部品50は、基板46を平面視した場合に、複数の発光素子48よりも基板46の径方向内側に配置されている。また、図6に示すように、複数の回路部品50は、基板46よりも器具本体6と反対側(Z軸のプラス側)に配置されている。複数の回路部品50は、複数の発光素子48を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路部品と、センサ部26からの信号に基づいて複数の発光素子48の発光状態を制御するための制御回路を構成する制御用回路部品(例えばマイクロコンピュータ等)とを含んでいる。
電源回路を構成する複数の回路部品50(電源用回路部品)は、上述した商用電源から引っ掛けシーリングボディ40及び器具取付部材8を介して供給された交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品50で生成された直流電力が複数の発光素子48の各々に供給されることにより、複数の発光素子48の各々が発光する。なお、基板46の実装面46aには、器具取付部材8から延びる電線(図示せず)が電気的に接続されるコネクタ端子(図示せず)が実装されていてもよい。電源回路を構成する複数の回路部品50(電源用回路部品)は、例えば、a)電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、b)抵抗器等の抵抗素子、c)整流回路素子、d)コイル素子、e)チョークコイル(チョークトランス)、f)ノイズフィルタ、g)ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいる。
なお、複数の回路部品50は、上述した電源用回路部品及び制御用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品50は、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。
[1−6.操作つまみ]
次に、図4、図5及び図7〜図9を参照しながら、一対の操作つまみ14,16について説明する。図9は、図4のIX−IX線断面斜視図である。
図4、図5及び図7〜図9に示すように、一対の操作つまみ14,16は、基板46の実装面46aにおける第3の配線パターン58の近傍(すなわち、基板46の実装面46aの内周領域)に実装され、基板46の周方向に沿って互いに隣接して配置されている。一方の操作つまみ14は、人感センサ(センサ部26)に基づく照明器具2の動作を調整するための回転式つまみである。他方の操作つまみ16は、明るさセンサ(センサ部26)に基づく照明器具2の動作を調整するための回転式つまみである。一対の操作つまみ14,16の各々の機能については後で詳述する。
操作つまみ14は、基板46の実装面46aに実装された本体部14aと、本体部14aから延びる細長い円柱状のつまみ部14bとを有している。つまみ部14bは、本体部14aに対して軸線周りに回転自在であり、基板46の実装面46aに対して略垂直に延びている。また、図7に示すように、つまみ部14bは、光源カバー18よりも器具本体6と反対側(Z軸のプラス側)に配置され、さらにセンサ部26は、つまみ部14bよりも器具本体6と反対側に配置されている。
ユーザがつまみ部14bを本体部14aに対して回転させることにより、人感センサ(センサ部26)による照明器具2の動作を調整することができる。なお、つまみ部14bの回転量は、人感センサ(センサ部26)による照明器具2の動作を調整するための調整量(制御量)を示す信号として、制御用回路部品である回路部品50に出力される。
操作つまみ16は、操作つまみ14と同様に、本体部16a及びつまみ部16bを有している。図7に示すように、つまみ部16bは、光源カバー18よりも器具本体6と反対側(Z軸のプラス側)に配置され、さらにセンサ部26は、つまみ部16bよりも器具本体6と反対側に配置されている。
ユーザがつまみ部16bを本体部16aに対して回転させることにより、明るさセンサ(センサ部26)による照明器具2の動作を調整することができる。なお、つまみ部16bの回転量は、明るさセンサ(センサ部26)による照明器具2の動作を調整するための調整量(制御量)を示す信号として、制御用回路部品である回路部品50に出力される。
[1−7.光源カバー]
次に、図3〜図7を参照しながら、光源カバー18について説明する。光源カバー18は、複数の発光素子48を覆うことにより、ユーザが複数の発光素子48に手で触れないようにするための保護カバーである。
図3〜図5に示すように、光源カバー18は、円形状の開口部18aを有するリング状に形成されている。図6及び図7に示すように、光源カバー18の断面形状は、光源カバー18の内周縁(開口部18aの周縁部)から直線状に立ち上る直線部と、光源カバー18の外周縁から直線部の先端まで曲線状に立ち上る曲線部とを有する凸形状である。これにより、光源カバー18の内部には空間が形成されるようになる。
光源カバー18は、複数の発光素子48を覆うようにして、基板46の実装面46aの外周領域に支持されている。複数の発光素子48は、光源カバー18の内部の空間に配置されている。光源カバー18の外径は基板46の外径よりも僅かに(例えば数mm程度)大きく、且つ、光源カバー18の内径は回路カバー20の外径よりも僅かに(例えば数mm程度)小さい。光源カバー18の内周縁には、光源カバー18の径方向内側に延びるリング状の押さえ部60が形成されている。押さえ部60には、上述したネジ32を挿通するための貫通孔62が複数形成されている。ネジ32を光源カバー18の貫通孔62及び基板46の貫通孔52に挿通するとともに、器具本体6のネジ孔30に捻じ込むことにより、光源カバー18が基板46とともに器具本体6の突出部28に取り付けられる。
光源カバー18は、透光性を有する透明の樹脂材料、例えば、アクリル、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレート等で形成されている。これにより、複数の発光素子48から光源カバー18の内面に向けて出射した光は、光源カバー18を透過して光源カバー18の外部に取り出される。なお、光源カバー18を例えば乳白色の樹脂材料で形成することにより光源カバー18に光拡散性を持たせてもよく、あるいは、光源カバー18にレンズ機能を持たせてもよい。
[1−8.回路カバー]
次に、図3〜図7を参照しながら、回路カバー20について説明する。回路カバー20は、複数の回路部品50を覆うことにより、例えば回路部品50が故障した場合に、回路カバー20の外部への類焼を抑制するための保護カバーである。
図3〜図5に示すように、回路カバー20は、円形状の開口部20aを有するリング状に形成されている。図6及び図7に示すように、回路カバー20の断面形状は、回路カバー20の外周縁から曲線状に立ち上る曲線部と、曲線部の先端から回路カバー20の内周縁(開口部20aの周縁部)まで直線状に且つ水平に延びる直線部とを有する凸形状である。これにより、回路カバー20の内部には空間が形成されるようになる。
図3に示すように、回路カバー20の内周部(上述した直線部に対応する部分)には、一対のネジ孔64が形成されている。後述するようにネジ66がネジ孔64に捻じ込まれることにより、支持部材24が回路カバー20に取り付けられる。
回路カバー20は、複数の回路部品50を覆うようにして、基板46の実装面46aの内周領域に支持されている。複数の回路部品50は、回路カバー20の内部の空間に配置されている。すなわち、基板46の第2の配線パターン56は回路カバー20の内部に配置され、第1の配線パターン54は回路カバー20の外部に配置されている。これにより、回路カバー20は、基板46の第3の配線パターン58を跨ぐようにして配置され、第3の配線パターン58は、回路カバー20の内外に亘って延びるようになる。また、回路カバー20の内径は、基板46の内径よりも僅かに(例えば数mm程度)小さい。
回路カバー20の外周縁には、径方向内側に延びる突片68が複数形成されている。複数の突片68は、回路カバー20の周方向に沿って等間隔で配置されている。複数の突片68の各々には、上述したネジ32を挿通するための貫通孔70が形成されている。ネジ32を光源カバー18の貫通孔62、回路カバー20の貫通孔70及び基板46の貫通孔52に挿通するとともに、器具本体6のネジ孔30に捻じ込むことにより、回路カバー20が光源カバー18及び基板46とともに器具本体6の突出部28に取り付けられる。
このとき、図6及び図7に示すように、回路カバー20の外周縁は、基板46の実装面46aに接触するようになる。また、複数の突片68は、光源カバー18の押さえ部60と基板46との間に挟み込まれ、押さえ部60によって基板46に向けて押さえ付けられている。なお、器具本体6の筒部材34の先端は、回路カバー20の開口部20aの周縁部の近傍に配置される。
回路カバー20は、複数の回路部品50がグローブ10を介してユーザの目に映らないようにするため、遮光性を有する金属材料、例えば、アルミニウム等で形成されている。このことに関連して、図5に示すように、回路カバー20には、回路カバー20の外周縁から略矩形状に切り欠かれた切り欠き部72が形成されている。第3の配線パターン58及び一対の操作つまみ14,16は、基板46の実装面46aの切り欠き部72に対応する領域に配置されている。これにより、回路カバー20の外周縁が第3の配線パターン58に接触することが無い。
[1−9.絶縁カバー]
次に、図4、図5、図7、図9及び図10を参照しながら、絶縁カバー22について説明する。図10は、絶縁カバー22を抜き出して示す斜視図である。図10の(a)は、絶縁カバー22の正面側を示す斜視図であり、図10の(b)は、絶縁カバー22の背面側を示す斜視図である。
絶縁カバー22は、回路カバー20の切り欠き部72を塞ぐための保護カバーである。絶縁カバー22は、難燃性を有する樹脂材料、例えばポリプロピレン等で形成されている。図4、図5、図7、図9及び図10に示すように、絶縁カバー22は、第1のカバー部22aと、第1のカバー部22aに接続された第2のカバー部22bとを有している。第1のカバー部22a及び第2のカバー部22bは、樹脂で一体成形されている。
第1のカバー部22aは、回路カバー20の側面(上述した曲線部に対応する面)に対応した形状を有しており、回路カバー20の切り欠き部72を塞ぐように配置されている。すなわち、第1のカバー部22aは、切り欠き部72から露出された一対の操作つまみ14,16を覆うように配置されている。これにより、例えば複数の回路部品50の一部が故障した場合に、回路カバー20の外部への類焼を抑制することができる。
また、第1のカバー部22aは、その周縁部が第3の配線パターン58に接触するように配置されている。これにより、金属製の回路カバー20が第3の配線パターン58に接触しないので、第3の配線パターン58と回路カバー20との電気的絶縁距離を十分に確保することができる。
図10の(a)及び(b)に示すように、第1のカバー部22aの周縁部には、一対の突出片74,76が形成されている。一方の突出片74は、回路カバー20の径方向外側に向けて突出しており、図7に示すように、光源カバー18の押さえ部60と基板46との間に挟み込まれ、押さえ部60により基板46に向けて押さえ付けられている。他方の突出片76は、回路カバー20の径方向内側に向けて突出しており、図7に示すように、回路カバー20の切り欠き部72の周縁部により基板46に向けて押さえ付けられている。このように、絶縁カバー22は、光源カバー18及び回路カバー20によって基板46に向けて押さえ付けられることにより、基板46の実装面46a上に固定されている。
図10の(a)に示すように、第1のカバー部22aには、第2のカバー部22b側に窪んだ凹部78が形成されている。凹部78は、第1のカバー部22aの側面から水平方向に延びる水平壁部78aと、水平壁部78aから第1のカバー部22aの周縁部まで垂直方向に延びる垂直壁部78bとを有している。水平壁部78aには、一対の支持孔80,82が形成されている。図7及び図9に示すように、一対の支持孔80,82にはそれぞれ、一対の操作つまみ14,16の各々のつまみ部14b,16bが回転自在(操作自在)に支持されている。これにより、一対のつまみ部14b,16bはそれぞれ、一対の支持孔80,82から絶縁カバー22の外部に突出している。このような構成によって、ユーザがつまみ部14b,16bを回転させた際に、つまみ部14b,16bの各々の根元に大きな応力が加わって操作つまみ14,16が破損するのを抑制することができる。
なお、一対の操作つまみ14,16の各々の基板46からの高さは、回路カバー20の基板46からの高さよりも低い方が好ましい。すなわち、一対のつまみ部14b,16b各々の先端は、回路カバー20の高さよりも低い(Z軸のマイナス側に)位置に位置するのが好ましい。これにより、複数の発光素子48の各々から出射した光が一対のつまみ部14b,16bによって遮られるのを抑制することができる。
図10の(b)に示すように、第2のカバー部22bは、一対の操作つまみ14,16に対して第1のカバー部22aの反対側に配置されている。すなわち、図4、図7及び図9に示すように、第1のカバー部22a及び第2のカバー部22bは、一対の操作つまみ14,16の各々の全周を囲むように配置されている。これにより、例えば一対の操作つまみ14,16が故障した場合に、回路カバー20の外部への類焼を抑制することができる。
[1−10.支持部材]
次に、図3、図4、図6及び図8を参照しながら、支持部材24について説明する。支持部材24は、センサ部26が発光モジュール12から離間するようにセンサ部26を支持するためのアングル部材である。
図4及び図6に示すように、支持部材24は、センサ部26を支持する支持部84と、支持部84から延びる一対の脚部86とを有している。一対の脚部86は、支持部84の中心に対して対称な位置に配置されている。図3及び図8に示すように、一対の脚部86の各々の先端部には、ネジ66を挿通するための貫通孔88が形成されている。ネジ66を支持部材24の貫通孔88に挿通するとともに、回路カバー20のネジ孔64に捻じ込むことにより、支持部材24が回路カバー20に取り付けられる。
これにより、支持部材24は、回路カバー20から器具本体6と反対側(Z軸のプラス側)に延び、且つ、回路カバー20の開口部20aを跨ぐように配置される。また、図6及び図8に示すように、支持部84(センサ部26)は、回路カバー20の開口部20aに対向する位置、すなわち、基板46の開口部46bに対向する位置に配置される。このとき、図4及び図8に示すように、一対の脚部86の各々は、支持部84と一対の操作つまみ14,16との間に配置されていない。換言すると、一対の脚部86はそれぞれ、基板46の中心に対して操作つまみ14(16)から約+90°及び−90°ずれた位置に配置されている。
[1−11.センサ部]
次に、図1、図3、図4、図6及び図8を参照しながら、センサ部26について説明する。センサ部26は、複数の発光素子48の発光状態として複数の発光素子48の点消灯を制御するためのセンサである。
図1、図3、図4及び図6に示すように、センサ部26は、支持部材24の支持部84に支持され、固定リング42を介してグローブ10の孔10aに固定されている。これにより、センサ部26は、グローブ10の孔10aを通してグローブ10の外部に露出されている。すなわち、センサ部26は、グローブ10上に配置されている。また、図8に示すように、センサ部26は、基板46の開口部46bに対向する位置に配置される。すなわち、図6及び図7に示すように、センサ部26は、複数の回路部品50及び操作つまみ14,16よりも器具本体6と反対側(Z軸のプラス側)に配置される。なお、センサ部26と基板46の電極端子(図示せず)とは、リード線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
センサ部26は、熱線(赤外線)により人を検知する人感センサと、照明器具2の周囲の明るさを検知する明るさセンサとを有している。より具体的には、センサ部26は、開口部を有する樹脂筐体と、樹脂筺体の開口部に配置されたレンズと、樹脂筐体内に収納された人感センサ及び明るさセンサとを有している。
人感センサは、人感センサの検知エリアに人が入ってきた際に、人の存在を検知する。この場合、制御用回路部品である回路部品50は、人感センサからの信号に基づいて、複数の発光素子48の各々を自動的に点灯させる。複数の発光素子48の各々が点灯してから一定時間が経過した際には、制御用回路部品である回路部品50は、複数の発光素子48の各々を自動的に消灯させる。
なお、上述した操作つまみ14を操作することにより、人感センサによる照明器具2の動作を調整することができる。具体的には、操作つまみ14を操作することにより、a)人感センサの感度(検知範囲)、b)人感センサのオン・オフ、及び、c)人感センサが人を検知することにより複数の発光素子48の各々が点灯してから消灯するまでの時間(点灯保持期間)のうち少なくとも一つを調整する。例えば、ユーザが操作つまみ14のつまみ部14bを所定方向(又は上記所定方向と反対方向)に回転させることにより、人感センサの検知範囲を大きく(又は狭く)調整することができ、あるいは、点灯保持期間を長く(又は短く)調整することができる。
明るさセンサは、照明器具2の周囲の明るさが一定の明るさ以下になったことを検知する。この場合、制御用回路部品である回路部品50は、明るさセンサからの信号に基づいて、複数の発光素子48の各々を自動的に点灯させる。複数の発光素子48の各々が点灯してから一定時間が経過した際には、制御用回路部品である回路部品50は、複数の発光素子48の各々を自動的に消灯させる。
なお、上述した操作つまみ16を操作することにより、明るさセンサによる照明器具2の動作を調整することができる。具体的には、操作つまみ16を操作することにより、a)明るさセンサの感度(人を検知して点灯動作をする際の周囲の明るさの設定)、b)明るさセンサのオン・オフ、及び、c)明るさセンサによる照明器具2の光出力のうち少なくとも一つを調整する。例えば、ユーザが操作つまみ16のつまみ部16bを所定方向(又は上記所定方向と反対方向)に回転させることにより、明るい時にも人を検知して点灯させるように(又は暗くならないと人を検知しても点灯させないように)、人の検知で動作する周囲の明るさを設定することができ、あるいは、ユーザが希望する照明器具2の明るさ(光量)を大きく(又は小さく)調整することができる。
[2.効果]
次に、図11A及び図11Bを参照しながら、本発明に至った経緯について説明する。図11Aは、比較例に係る照明器具100の天井側の外観を示す斜視図である。図11Bは、比較例に係る照明器具100を示す側面図である。
図11A及び図11Bに示すように、比較例に係る照明器具100は、人感センサ108付きのシーリングライトである。この照明器具100では、器具本体102の上面(天井側の面)に一対の電源ユニット104が支持されている。一対の電源ユニット104の各々には、発光モジュール106を発光させるための電力を生成するための複数の回路部品(図示せず)が内蔵されている。このような構成では、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、一対の電源ユニット104が天井(図示せず)と器具本体102との間に配置されるため、天井からの照明器具100全体の高さH2が高くなる傾向にある。そのため、照明器具100全体の高さH2を抑えるために、人感センサ108は、なるべく発光モジュール106に近い位置に配置されている。
しかしながら、人感センサ108と発光モジュール106の発光部との距離D2が短くなると、発光モジュール106からの熱によって人感センサ108の周囲温度が高くなるため、人感センサ108の感度が低下するという課題が生じてしまう。
これに対して、本実施の形態の照明器具2は、天井4に取り付けられる器具本体6と、器具本体6の一方側の面を覆い、透光性を有するグローブ10と、器具本体6の一方側の面に支持され、開口部46bを有するリング状の基板46と、基板46上に実装され、基板46の周方向に並んで配置された複数の発光素子48と、グローブ10の内側に配置された回路部品50であって、基板46を平面視した場合に複数の発光素子48よりも径方向内側に配置され、基板46よりも器具本体6と反対側に配置された回路部品50と、複数の発光素子48の発光状態を制御するためのセンサ部26であって、グローブ10上に配置され、回路部品50よりも器具本体6と反対側に配置されたセンサ部26とを備える。
この構成によれば、回路部品50は、基板46よりも器具本体6と反対側に配置されているので、回路部品50が器具本体6と天井4との間に配置されることが無く、天井4からの照明器具2全体の高さH1(図6参照)を抑えることができる。さらに、センサ部26は、回路部品50よりも器具本体6と反対側に配置されているので、センサ部26と複数の発光素子48との距離D1(図6参照)を十分に確保することができる。したがって、照明器具2全体の高さH1を抑えながら、センサ部26の感度を向上させることができる。
さらに、複数の発光素子48は、基板46の外周領域に実装されている。また、回路部品50は、基板46の内周領域に複数実装されている。
この構成によれば、複数の発光素子48と複数の回路部品50とが同一の基板46上に実装されるので、照明器具2の部品点数を低減することができる。
さらに、センサ部26は、基板46の開口部46bに対向する位置に配置されている。
この構成によれば、基板46の全周に亘って、センサ部26と複数の発光素子48の各々との距離D1を十分に確保することができる。
さらに、照明器具2は、さらに、基板46の内周領域に支持され、複数の回路部品50を覆うリング状の回路カバー20と、回路カバー20から器具本体6と反対側に延び、センサ部26を支持する支持部材24とを備える。
この構成によれば、支持部材24を回路カバー20に取り付けることにより、センサ部26が複数の発光素子48から離間するようにセンサ部26を支持部材24に支持させることができる。
さらに、回路部品50は、複数の発光素子48を発光させるための電力を生成するための電源用回路部品を含んでいてもよい。
さらに、回路部品50は、センサ部26からの信号に基づいて複数の発光素子48の発光状態を制御するための制御用回路部品を含んでいてもよい。
さらに、センサ部26は、人の存在を検知することにより、複数の発光素子48の発光状態として複数の発光素子48の点消灯を制御するための人感センサを含んでいてもよい。
さらに、センサ部26は、周囲の明るさを検知することにより、複数の発光素子48の発光状態として複数の発光素子48の点消灯を制御するための明るさセンサを含んでいてもよい。
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、照明器具2が取り付けられる造営材が天井4である場合について説明したが、これに限定されず、造営材を例えば鉄柱等で構成してもよい。この場合、照明器具2は、例えば防犯灯等で構成される。
また、上記実施の形態では、支持部材24を回路カバー20に取り付けたが、これに限定されず、例えば基板46の実装面46a上にネジ等で取り付けてもよい。この場合、支持部材24の支持部84は、回路カバー20の開口部20aを通して回路カバー20の外部に突出するようになる。
また、上記実施の形態では、複数の発光素子48の実装構造をSMD構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップを基板46に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板46上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記実施の形態では、発光モジュール12を1つの基板46で構成したが、これに限定されず、例えば、発光素子48が実装された円弧状の基板を複数個並べることにより、1つのリング状の発光モジュールを構成してもよい。
また、上記実施の形態では、複数の発光素子48と複数の回路部品50とを同一の基板46上に実装したが、これに限定されず、複数の発光素子48を実装する基板と複数の回路部品50を実装する基板とが別々の基板であってもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子48としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、センサ部26に明るさセンサ及び人感センサを設けたが、明るさセンサ及び人感センサの一方が設けられていてもよく、あるいは、これら以外のセンサが設けられていてもよい。例えば、照明器具2の周囲の画像を撮像する画像センサ、又は、照明器具2を遠隔操作するためのリモコン受光装置等の機能ユニットが内蔵されていてもよい。例えば照明器具2がセンサ部26としてカメラ機能を有する画像センサを有する場合には、人感センサで人を検知したときに防犯用として画像を撮像してメモリ等に記憶しておくことができる。
また、照明器具2は、有線又は無線によって照明器具2が受信した音声を出力するスピーカーを内蔵してもよい。この場合、例えば、発光モジュール12の点灯に同期してスピーカーから音声が出力されるように、スピーカーが制御されてもよい。
また、上記実施の形態では、2個の操作つまみ14,16を設けたが、これに限定されず、1個又は3個以上の操作つまみを設けてもよい。また、上記実施の形態では、操作つまみ14,16を回転式つまみとしたが、これに限定されず、例えば、角型のスライドスイッチ又はディップスイッチでもよく、あるいは、棒状のつまみを倒すことにより設定するトグルスイッチのようなものでもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。