以下、実施の形態及びその変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び変形例は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態及び変形例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態及び変形例における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具について説明する。
[照明器具の全体構成]
図1〜図3を参照しながら、実施の形態に係る照明器具1の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1を斜め上方から見たときの斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。図3は、図1におけるIII−III線断面図である。なお、図3において、電源ケーブル110は2本の破線で概念的に表されている。
実施の形態に係る照明器具1は、被取付部(例えば住宅等の建物の天井又は壁等の造営材)に配設される照明器具である。具体的には、実施の形態に係る照明器具1は、天井4(図3参照)に形成された円形状の貫通孔6に埋込配設されることにより、下方に光を照射する天井埋込型の照明器具(いわゆるダウンライト)である。なお、図1〜図3において、Z軸のプラス側が天井4側(上方)、Z軸のマイナス側が床面側(下方)を表している。
図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る照明器具1は、器具本体部8と、器具本体部8に取り付けられた発光モジュール14とを備える。発光モジュール14は、発光モジュール14とは別体の直流電源回路92から供給される電流によって発光する。
本実施の形態では、直流電源回路92を有する電源ユニット90が、例えば天井4の裏側に配置され、電源ユニット90と照明器具1とはケーブルで接続される。具体的には、直流電源回路92は、図1に示すように、器具本体部8とは別体の回路ケース91に収容されており、直流電源回路92と発光モジュール14とは電源ケーブル110によって電気的に接続されている。つまり、発光モジュール14は、直流電源回路92から電源ケーブル110を介して供給される電流によって発光する。
また、本実施の形態に係る照明器具1はさらに、反射部材10及びカバー部材12を備えている。以下、照明器具1の各構成要素について個別に説明する。
[器具本体部]
器具本体部8は、発光モジュール14が取り付けられる部材である。具体的には、本実施の形態に係る器具本体部8は、図1〜図3に示すように、枠部材16と、ケース部材18と、一対の取付バネ20及び22とを有している。
枠部材16は、天井4の貫通孔6に埋込配設される部材であり、上端部から下端部に向けて直径が漸増するラッパ状に形成されている。枠部材16の内部には反射部材10が取り付けられている。
枠部材16の上端部には、円形状の上側開口部16aが形成されており、枠部材16の下端部には、円形状の下側開口部16bが形成されている。また、枠部材16の下端部の全周に亘って、径方向外側に突出するリング状の鍔部24が形成されている。
上記構成を有する枠部材16は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することで作製される。
ケース部材18は、発光モジュール14を収容する部材である。ケース部材18は、相互に組み合わされる下側ケース部材26及び上側ケース部材28を有している。
下側ケース部材26の長手方向における一端部(X軸方向のマイナス側に位置する端部)は、例えば図示しない1以上のネジで枠部材16の上端部に固定されている。下側ケース部材26の当該端部には、円形状の開口部30aが形成されている。開口部30aの直径は、枠部材16の上側開口部16aの直径と略同一であり、それらの中心軸は略一致している。
さらに、下側ケース部材26の当該端部には、図2に示すように、一対の取付部32及び34が設けられている。一対の取付部32及び34は、枠部材16の外周面に対向する位置に配置されている。
上側ケース部材28は、下側ケース部材26を上側から覆うように配置される部材である。上側ケース部材28と下側ケース部材26とは例えば図示しない1以上のネジによって結合される。
上側ケース部材28と下側ケース部材26との間に形成される空間には、発光モジュール14が配置される。発光モジュール14は、発光部71が、下側ケース部材26の開口部30aに対向し、かつ、基板68の裏面68bが上側ケース部材28の内面28aと接触した状態で配置される。
上記構成を有する上側ケース部材28及び下側ケース部材26のそれぞれは、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することで作製される。
一対の取付バネ20及び22は、照明器具1を天井4に取り付けるための部材である。図1及び図2に示すように、一対の取付バネ20及び22はそれぞれ、下側ケース部材26の一対の取付部32及び34に取り付けられている。一対の取付バネ20及び22の各々は、例えばステンレス等の金属板で形成され、弾性復元力を有している。一対の取付バネ20及び22の各々と枠部材16の鍔部24との間に天井4を挟持することにより、図3に示すように照明器具1が天井4に取り付けられる。なお、図1〜図3に示すように、枠部材16の鍔部24と天井4の貫通孔6の周縁部との間には、天井4を保護するためのリング状のパッキン64が配置されている。
[反射部材]
反射部材10は、発光モジュール14の発光部71が有する複数の発光素子70の各々からの光を下方に向けて反射するための部材である。
反射部材10は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の白色の樹脂で形成されており、反射部材10の内周面には、複数の発光素子70の各々からの光を反射する反射面が形成されている。なお、反射部材10は、例えばアルミニウム等の金属で形成されていてもよい。
図2及び図3に示すように、反射部材10は、上端部から下端部に向けて直径が漸増するラッパ状に形成されている。反射部材10の上端部には、円形状の上側開口部10aが形成されており、反射部材10の下端部には、円形状の下側開口部10bが形成されている。反射部材10の下端部の全周に亘って、径方向外側に延びる断面L字状の支持部66が形成されている。支持部66は、カバー部材12を支持する部分である。
反射部材10は、例えば図示しない1以上のネジで、枠部材16の上端部に、下側ケース部材26とともに固定されている。反射部材10は、枠部材16の上側開口部16a及び下側ケース部材26の開口部30aに挿通され、枠部材16の内部とケース部材18の内部空間とに跨って配置されている。また、反射部材10の上側開口部10aの周縁部は、複数の発光素子70(発光部71)を囲むように配置されている。
[カバー部材]
カバー部材12は、発光モジュール14の発光部71及び反射部材10を覆う部材である。カバー部材12は、透光性を有する樹脂材料(例えばアクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニル等)で形成されている。図2及び図3に示すように、カバー部材12は、例えば嵌合等により反射部材10の支持部66に支持され、反射部材10の下側開口部10bを覆う位置に配置されている。
複数の発光素子70の各々からの光は、直接、又は、反射部材10の反射面で反射した後に、反射部材10の下側開口部10bを通過してカバー部材12の内面に入射する。カバー部材12の内面に入射した光は、カバー部材12を透過した後に、枠部材16の下側開口部16bを通過して下方に照射される。なお、カバー部材12を例えば乳白色の樹脂材料で形成することにより、カバー部材12に光拡散性を持たせてもよい。また、カバー部材12に、集光または光を拡散するレンズ機能を持たせてもよい。カバー部材12の素材は樹脂には限定されず、カバー部材12の素材として例えばガラスが採用されてもよい。
[発光モジュールの構成]
次に、図4〜図8を参照しながら、本実施の形態に係る発光モジュール14について説明する。図4は、実施の形態に係る発光モジュール14の構成概要を示す平面図である。図5は、実施の形態に係る発光モジュール14の構成概要を示すブロック図である。なお、図5では、発光モジュール14への電力の供給態様がわかるように、電源ユニット90等の要素も図示されている。
発光モジュール14は、発光部71と制御部80とを備える。発光部71は、互いに光色が異なる少なくとも2つの発光部を含み、制御部80は、当該少なくとも2つの発光部を制御する。
具体的には、発光モジュール14は、図4及び図5に示すように、基板68と、基板68に配置された互いに光色が異なる第一発光部71a及び第二発光部71bと、基板68に配置された制御部80とを備える。
発光モジュール14が有する複数の発光素子70は、互いに光色の異なる2種類の発光素子(発光素子70a及び発光素子70b)を含む。具体的には、第一発光部71aは、1以上(本実施の形態では6個)の発光素子70aを有し、第二発光部71bは、1以上(本実施の形態では6個)の発光素子70bを有する。
発光素子70a及び70bのそれぞれは、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。発光素子70a及び70bの各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、例えば、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が、波長変換材として含有されている。
より詳細には、発光素子70aは、例えば色温度が2700K(ケルビン)程度の、電球色と呼ばれる暖色系の光色を発する発光素子である。発光素子70aは、例えば、青色LEDチップと黄色蛍光体及び赤色蛍光体との組み合わせにより上記電球色の光を発することができる。
また、発光素子70bは、例えば色温度が5000K(ケルビン)程度の、昼白色を発する発光素子である。発光素子70bは、例えば、青色LEDチップと黄色蛍光体との組み合わせにより上記昼白色の光を発することができる。
つまり、複数の発光素子70aを有する第一発光部71aは、例えば電球色の光を発し、複数の発光素子70bを有する第二発光部71bは、例えば昼白色の光を発する。
制御部80は、複数の回路部品81で構成された電子回路である。複数の回路部品81のそれぞれは、コンデンサ等の容量素子、抵抗素子、MOSFET等のスイッチング素子、ダイオード、または、集積回路(IC)等である。
基板68は、複数の発光素子70a及び70bと複数の回路部品81とを実装するためのプリント配線基板であり、横長の矩形状に形成されている。本実施の形態では、基板68の厚み方向の両面のうちの一方の面(図4における主面68a)に、パターン形成された金属配線(図示せず)が設けられている。複数の発光素子70a及び70bと複数の回路部品81とは、この金属配線にはんだ付けされている。なお、基板68の主面68aは、基板68の長手方向(図4におけるX軸方向)に並んで配置された発光領域74と回路領域82とを有し、複数の発光素子70a及び70bは、発光領域74に実装されている。また、複数の回路部品81は、回路領域82に実装されている。
複数の発光素子70aは、金属配線により例えば直列に接続され、複数の発光素子70bは、金属配線により例えば直列に接続される。複数の発光素子70aを有する第一発光部71a及び複数の発光素子70bを有する第二発光部71bのそれぞれには、金属配線を介して制御部80から電流が供給される。
このように、第一発光部71a、第二発光部71b及び制御部80が主面68aに配置された基板68は、例えば図2及び図3に示すように、主面68aと反対側の面(裏面68b)が、上側ケース部材28の内面28aに接触した状態で固定される。この固定には例えば1以上のネジ(図示せず)が用いられる。
なお、基板68の種類としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板、紙フェノール基板又はガラス基板等が採用される。
[制御部]
上記のように構成された発光モジュール14には、図5に示すように、正負一対の電線を有する電源ケーブル110を介して直流電源回路92が接続されている。発光モジュール14の制御部80は、直流電源回路92から供給される電流の大きさの変化に応じて、電流の供給先を切り替えるよう構成されている。
本実施の形態において、直流電源回路92は、交流から直流への変換を行う電源回路である。具体的には、直流電源回路92は、交流電源150から入力された交流電圧を整流し、整流後の電圧を平滑化して直流電圧を生成する電源回路である。なお、直流電源回路92は、上記整流及び平滑化等を行うための構成として、電源基板93と電源基板93に実装された複数の回路部品94とを有する(図1参照)。複数の回路部品94のそれぞれは、電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等である。
また、本実施の形態において、交流電源150と直流電源回路92との間には、位相制御式調光器(以下、「位相調光器」という。)120と、電源スイッチ130とが直列に接続されている。
位相調光器120は、供給された交流電圧を位相制御して供給する装置である。具体的には、位相調光器120は、交流電源150から供給される交流電圧のうち、直流電源回路92に供給する位相角(導通角)を制御することで、直流電源回路92から出力される電流を変化させることができる。位相調光器120は、例えば、ユーザが操作可能なスライダーまたはツマミなどの操作部を備え、ユーザによる操作部の操作に応じて位相角(導通角)を制御する。その結果、直流電源回路92から出力される電流は変化する。
電源スイッチ130は、交流電源150から照明器具1への電力供給のオン及びオフを行うスイッチである。なお、電源スイッチ130は、位相調光器120に備えられていてもよい。
このように、本実施の形態では、ユーザは、直流電源回路92から照明器具1(発光モジュール14)に供給される電流の大きさの調整が可能であり、発光モジュール14では、この電流の変化に応じて照明光の調整がなされる。
具体的には、発光モジュール14が有する制御部80は、図5に示すように、検出部84と電流供給部85とを備える。検出部84は、直流電源回路92から供給される電流を検出する。電流供給部85は、検出部84による検出結果に基づいて、第一発光部71a及び第二発光部71bそれぞれに供給する電流を制御する。なお、検出部84及び電流供給部85それぞれの機能は、1以上の回路部品81によって実現される。
具体的には、本実施の形態に係る制御部80は、図6に示すように、直流電源回路92から供給される電流の変化に応じて、電流の供給先を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方と、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方との間で切り替える。つまり、制御部80は、直流電源回路92から供給される電流の変化に応じて、第一発光部71a及び第二発光部71bの発光状態の組み合わせのパターンを切り替えることができる。
図6は、直流電源回路92から供給される電流の変化と、電流の供給先の切り替えとの関係を示す図である。図7A、図7B、及び図7Cは、図6に示される電流の供給先の切り替えを模式的に示す第1の図、第2の図、及び第3の図である。なお、図7A、図7B、及び図7Cにおいて、電流供給部85と第一発光部71a及び第二発光部71bのそれぞれとを結ぶ太線は導通状態にある配線を表している。また、電流供給部85と第一発光部71a及び第二発光部71bのそれぞれとを結ぶ点線は非導通状態にある配線を表している。
図6に示すように、制御部80は、(A)直流電源回路92から供給される電流が第一閾値より小さい場合、直流電源回路92から供給される電流を、第一発光部71aに供給する。具体的には、制御部80の検出部84は、直流電源回路92から供給される電流と第一閾値との比較を行う。この比較の結果、当該電流が第一閾値より小さい場合、電流供給部85は、直流電源回路92から供給される電流を、第一発光部71aに供給する。その結果、図7Aに示すように、第一発光部71aが発光し、第二発光部71bは消灯状態を維持する。
また、制御部80は、(B)直流電源回路92から供給される電流が第一閾値以上かつ第二閾値より小さい場合、直流電源回路92から供給される電流を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方に供給する。具体的には、制御部80の検出部84は、直流電源回路92から供給される電流と第一閾値及び第二閾値との比較を行う。この比較の結果、当該電流が第一閾値以上かつ第二閾値より小さい場合、電流供給部85は、直流電源回路92から供給される電流を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方に供給する。その結果、図7Bに示すように、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方が発光する。
さらに、制御部80は、(C)直流電源回路92から供給される電流が第二閾値以上である場合、直流電源回路92から供給される電流を、第二発光部71bに供給する。具体的には、制御部80の検出部84は、直流電源回路92から供給される電流と第二閾値との比較を行う。この比較の結果、当該電流が第二閾値以上である場合、電流供給部85は、直流電源回路92から供給される電流を、第二発光部71bに供給する。その結果、図7Cに示すように、第二発光部71bは発光状態を維持し、発光していた第一発光部71aは消灯する。
すなわち、ユーザが、電源スイッチ130をオンにし、位相調光器120の操作部を操作することで、直流電源回路92から出力される電流を下限値から上限値まで増加させた場合、照明器具1から放出される照明光は、以下のように変化する。
まず、(A)の場合、第一発光部71aのみが発光することで、照明器具1からは2700K程度の比較的に低い色温度の照明光が放出される。次に、(B)の場合、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方が発光することで、電球色と昼白色との間の光色の照明光が放出される。次に、(C)の場合、第二発光部71bのみが発光することで、照明器具1からは5000K程度の比較的に高い色温度の照明光が放出される。
また、直流電源回路92から出力される電流は徐々に増加するため、電流が供給されている第一発光部71a及び第二発光部71bの少なくとも一方の光束は増加する。つまり、照明器具1は、照明光の光束の変化を伴いながら、色温度を3段階で変化させることができる。このことは、例えば図8のように模式的に示される。
図8は、実施の形態に係る照明器具1が放出する照明光の光束と色温度とのおおよその関係を示す図である。
図8に示すように、(A)の場合、第一発光部71aのみが発光し、かつ、第一発光部71aを流れる電流は比較的に小さいため、照明器具1からの照明光の光色は、例えば電球色であり、かつ光束の範囲は比較的に低い位置にある。また、(B)の場合、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方が発光し、かつ、第一発光部71a及び第二発光部71bを流れる電流の合計値が上記(A)の場合より増加する。そのため、照明器具1からの照明光の光色は、例えば白色であり、かつ光束の範囲は上記(A)の場合より高い位置となる。また、(C)の場合、第二発光部71bのみが発光し、かつ、第二発光部71bを流れる電流は比較的に大きいため、照明器具1からの照明光の光色は、例えば昼白色であり、かつ光束の範囲は比較的に高い位置となる。
[効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明器具1は、器具本体部8と、器具本体部8に取り付けられた発光モジュール14であって、発光モジュール14とは別体の直流電源回路92から供給される電流によって発光する発光モジュール14とを備える。発光モジュール14は、基板68と、基板68に配置された、互いに光色が異なる第一発光部71a及び第二発光部71bと、基板68に配置された制御部80とを備える。制御部80は、直流電源回路92から供給される電流の大きさに応じて、電流の供給先を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方と、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方との間で切り替える。
この構成によれば、発光モジュール14は、直流電源回路92から供給される電流の大きさの変化に応じて、照明光として放出する光の色を変化させることができる。言い換えると、出力する電流の大きさを変えることができる直流電源回路であれば、発光モジュール14に発光のための電力供給を行う電源回路として採用することができ、かつ、発光モジュール14から放出される照明光の調整が可能である。従って、本実施の形態に係る照明器具1は、既存の電源回路からの電力供給により照明光を発することができ、かつ、照明光の調整が可能な照明器具1である。
また、例えば、照明器具1の器具本体部8に、発光モジュール14とは異なる照明光調整機能を有する発光モジュールを取り付けることで、直流電源回路92等の既存の電源回路と接続された、照明光の調整が可能な照明器具であって、外観が照明器具1と同一の新たな照明器具を構成することができる。この場合、例えば照明器具1が配置されていた天井の孔等を利用して新たな照明器具を配置することができる。また、このように、照明器具1を新たな照明器具に取り換えた場合であっても、外観上、違和感を生じさせないことができる。なお、照明器具1の天井4への設置後に、器具本体部8に収容された発光モジュール14を、他の発光モジュールと取り換える作業が行われてもよい。
また、発光モジュール14に電流を供給する電源回路は、既存の電源回路でなくてもよく、新たに設計または作製された電源回路であってもよい。つまり、直流電源回路92は、発光モジュール14の仕様に合わせて、新たに設計または作製されてもよい。
本実施の形態において、制御部80は、以下の(A)〜(B)の動作を行う。(A)直流電源回路92から供給される電流が第一閾値より小さい場合、電流を第一発光部71aに供給する。(B)直流電源回路92から供給される電流が第一閾値以上かつ第二閾値(>第一閾値)より小さい場合、電流を第一発光部71a及び第二発光部71bの両方に供給する。(C)直流電源回路92から供給される電流が第二閾値以上である場合、電流を第二発光部71bに供給する。
このように、本実施の形態に係る発光モジュール14では、直流電源回路92からの電流の大きさ(電流値)に応じて、第一発光部71a及び第二発光部71bの発光状態の組み合わせを3段階で切り替えることができる。また、第一発光部71a及び第二発光部71bは互いに光色が異なる。すなわち、本実施の形態に係る照明器具1は、照明光の光色(色温度)を少なくとも3段階で切り替えることができる。
本実施の形態において、第一発光部71aが発する光の色温度は、第二発光部71bが発する光の色温度よりも低い。
第一発光部71aは、色温度が例えば2700K程度の発光素子70aを複数有し、第二発光部71bは、色温度が例えば5000K程度の発光素子70bを複数有する。そのため、照明器具1は、照明光の光色を、例えば電球色と昼白色との間において3段階で切り替えることができる。
なお、本実施の形態では、照明器具1と電源ユニット90とを区別して扱ったが、照明器具1は、直流電源回路92を備えてもよい。この場合、直流電源回路92は、例えば、器具本体部8に収容されてもよく、また、図1に示すように、器具本体部8とは別体の回路ケース91に収容されてもよい。つまり、照明器具1及び電源ユニット90の組み合わせを「照明器具」と称することもできる。
いずれの場合であっても、発光モジュール14と、直流電源回路92とが別体であることで、既存の電源回路を、発光モジュール14に電流を供給する直流電源回路92として採用することは可能である。また、直流電源回路92を回路ケース91に収容し、器具本体部8とは別置きにすることで、例えば、照明器具1の小型化または薄型化が図られる。
ここで、照明器具1が備える発光モジュールにおいて、上記実施の形態の発光モジュール14とは異なる態様で照明光の調整(変更)が行われてもよい。そこで、以下に、照明器具1が備える発光モジュールに関する変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
(実施の形態の変形例)
図9は、実施の形態の変形例に係る発光モジュール14aの構成概要を示すブロック図である。なお、図9では、発光モジュール14aへの電力の供給態様がわかるように、電源ユニット90等の要素も図示されている。
図9に示す照明器具1aは、器具本体部8と、器具本体部8に取り付けられた発光モジュール14aとを備える。発光モジュール14aは、基板68に配置された第一発光部71a及び第二発光部71bと制御部80aとを備える。制御部80aは、直流電源回路92から供給される電流の大きさに応じて、電流の供給先を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方と、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方との間で切り替える。制御部80aは、直流電源回路92から供給される電流を検出する検出部84aと、検出部84aによる検出結果に基づいて、第一発光部71a及び第二発光部71bそれぞれに供給する電流を制御する電流供給部86とを有する。
上記構成において、制御部80aは、上記実施の形態に係る制御部80と共通する。しかし、電流供給部86は、第一供給部86aと第二供給部86bとを含み、第一発光部71a及び第二発光部71bそれぞれに供給する電流の大きさを互いに独立して制御可能である。この点において、制御部80aは、上記実施の形態に係る制御部80と異なる。
具体的には、制御部80aは、直流電源回路92から供給される電流を第一発光部71a及び第二発光部71bに供給する場合、直流電源回路92から供給される電流の大きさに応じて、第一発光部71a及び第二発光部71bそれぞれに互いに異なる大きさの電流を供給する。
より詳細には、本変形例では、制御部80aには、第一発光部71aに電流を供給する第一供給部86aと、第二発光部71bに電流を供給する第二供給部86bとが設けられている。これにより、第一発光部71aの光色と、第二発光部71bの光色との混合の割合を変化させることができる。
なお、本実施の形態において、第一発光部71aは、色温度が例えば2200K程度の発光素子70aを複数有し、第二発光部71bは、色温度が例えば6500K程度の発光素子70bを複数有する。
図10は、実施の形態の変形例に係る照明器具1aが放出する照明光の光束と色温度との関係の一例を示す図である。
図10に示すように、本変形例に係る照明器具1a(発光モジュール14a)は、照明光の色温度を連続的に変化させることができる。
例えば、ユーザが、電源スイッチ130をオンにし、位相調光器120の操作部を操作することで、直流電源回路92から出力される電流を下限値から上限値まで増加させた場合、照明器具1から放出される照明光は、以下のように変化する。
まず、(A´)制御部80aの電流供給部86は、第一供給部86aを用いて、実質的に第一発光部71aのみに電流を供給する。この時、照明器具1からは2200K程度の非常に低い色温度の照明光が放出され、光束も非常に小さい。その後、(B´)直流電源回路92から出力される電流の増加に伴い、第一供給部86aは第一発光部71aへの電流の供給量を増加させ、かつ、第二供給部86bも第二発光部71bへの電流の供給を開始し、その供給量を増加させる。その結果、照明器具1から放出される照明光の光束は増加し、かつ、色温度も上昇する。その後、(C´)直流電源回路92から出力される電流が上限値またはその近傍になった場合、制御部80aの電流供給部86は、第二供給部86bを用いて、実質的に第二発光部71bのみに電流を供給する。この時、照明器具1からは6500K程度の非常に高い色温度の照明光が放出され、光束も非常に大きい。
このように、本変形例に係る照明器具1aは、互いに光色が異なる第一発光部71a及び第二発光部71bの合計光量と合成光色とを連動させて連続的に変化させることができる。これにより、例えばユーザが心地よく感じる照明環境を作り出すことができる。
なお、本変形例に係る制御部80aは、例えば、上記合計光量と上記合成光色とを連動させて変化させるための特性テーブルを内部のメモリ(図示せず)に記憶しており、当該特性テーブルに基づいて、第一供給部86a及び第二供給部86bを制御する。この制御は、例えば制御部80aが回路部品81として有するMCU(Micro−Control Unit)によって行われる。
(他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態または変形例に各種の変形を施してもよい。
例えば、上記実施の形態及び変形例において、発光モジュール14及び14aは、電流の供給先を、第一発光部71a及び第二発光部71bの両方と、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方との間で切り替えるとした。しかし、発光モジュールは、例えば、発光モジュールとは別体の直流電源回路からの電流の供給のオン及びオフの切り替えのタイミングを利用して、電流の供給先を、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方から他方に切り替えてもよい。
図11は、第一発光部71a及び第二発光部71bの一方から他方への切り替えを行う発光モジュール14bの構成概要を示すブロック図である。なお、図11では、発光モジュール14bへの電力の供給態様がわかるように、電源ユニット90a等の要素も図示されている。
図11に示す照明器具1bは、器具本体部8と、器具本体部8に取り付けられた発光モジュール14bとを備える。発光モジュール14bは、基板68に配置された第一発光部71a及び第二発光部71bと制御部80bとを備える。制御部80bは、直流電源回路92aから受け取る電流の供給先を制御する電子回路である。なお、直流電源回路92aは、交流電源150から供給される交流電力を直流電力に変換し、得られた直流電力を用いて、一定電流を生成する電源回路である。
図11に示す照明器具1bには、直流電源回路92aを有する電源ユニット90aが接続されており、直流電源回路92aと交流電源150との間には電源スイッチ130が接続されている。つまり、電源スイッチ130のオン及びオフに基づき、交流電源150から照明器具1bへの電力供給のオン及びオフが切り替えられ、これにより、直流電源回路92aから発光モジュール14bへの電流供給のオン及びオフが切り替えられる。
上記構成において、ユーザが、電源スイッチ130を一時的にオフにした場合、つまり、電源スイッチ130が、オンの状態から、オフ、オンと短時間で切り替えられた場合、発光モジュール14bの制御部80bは、電流の供給先を第一発光部71a及び第二発光部71bの一方から他方に切り替える。
具体的には、制御部80bは、電源スイッチ130が一時的にオフされることで、検出部84bで検出される電流が予め定められた基準値より低くなった場合、電流供給部87は、電流の供給先を第一発光部71a及び第二発光部71bの一方から他方に切り替える。なお、制御部80bは、例えば、直流電源回路92aにより生成された一定電流を平滑化するために用いられるコンデンサを、回路部品81として有している。そのため、電源スイッチ130がオンからオフにされた場合、コンデンサの電圧がゼロになるまでの間に電源スイッチ130がオンされることで、上記の切り替え動作(例えばスイッチング素子の制御等)を行うことができる。つまり、コンデンサが、電源スイッチ130が一時的にオフされたか否かを判断するためのタイマとして機能する。
図12は、図11に示す発光モジュール14bの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図12に示すタイミングチャートでは、時刻t1より前の状態において電源スイッチ130はオンであり、発光モジュール14bでは、第一発光部71aが点灯しており、第二発光部71bが消灯している。この状態において、電源スイッチ130が時刻t1においてオフにされ、その後時刻t2でオンにされる。
時刻t1において電源スイッチ130がオフにされると、それに伴い、直流電源回路92aの出力が停止し、第一発光部71aの電流も減少する。その結果、第一発光部71aは消灯する。この段階では、制御部80bはコンデンサの残留電荷を用いて動作する。具体的には、検出部84bにより検出された電流が基準値よりも低いことで、電流供給部87は、電流の供給先を第一発光部71aから第二発光部71bに切り替える。
その後、時刻t2において電源スイッチ130がオンにされると、それに伴い、直流電源回路92aが定電流出力を開始し、出力電圧が上昇する。その結果、第二発光部71bが発光する。つまり、第二発光部71bが点灯状態となる。
さらにその後に、電源スイッチ130が一時的にオフにされた場合(時刻t3及びt4)、第二発光部71bが消灯し、第一発光部71aが点灯する。
なお、電源スイッチ130がオフにされている期間が十分に長い場合、コンデンサの電荷の減少に伴い、制御部80bも非動作状態となる。この場合、その後に電源スイッチ130がオンにされた際には、制御部80bがリセットされる。これにより、予め定められた発光素子群(本例では第一発光部71a)が点灯する。
このように、図11に示す照明器具1bは、直流電源回路92bからの電力供給のオン及びオフの切り替えのタイミングを利用して、照明光の光色(色温度)の切り替えを行うことができる。具体的には、電源スイッチ130を一時的にオフすることにより、点灯(発光)する発光部を、互いに光色が異なる第一発光部71a及び第二発光部71bの一方から他方に切り替えることができる。
また、上記切り替え動作を可能とする直流電源回路は、電力供給のオン及びオフの切り替えが可能な直流電源回路であればよいため、例えば、一定電流を生成する既存の直流電源回路を、照明器具1bへの電力供給源として採用することができる。
ここで、本実施の形態及び変形例に係る発光モジュール14及び14aが有する複数の回路部品81のそれぞれは、表面実装型であってもよく、リードスルー実装型であってもよい。
複数の回路部品81の全てが表面実装型である場合、基板68の主面68aに、複数の発光素子70及び複数の回路部品81の全てを、リフロー方式で実装することができる。この場合、例えば発光モジュール14の製造を効率よく行うことができる。また、基板68の裏面68bに、部品のリード線及びはんだ等の突出物が形成されないため、裏面68bがフラットの状態に維持される。そのため、例えば、器具本体部8(上側ケース部材28)の内面28aと基板68の裏面68bとの接触面積が比較的に大きい状態で、器具本体部8に発光モジュール14を固定することができる。これにより、複数の発光素子70及び複数の回路部品81それぞれで発生する熱は、効率よく器具本体部8に伝導される。つまり、発光モジュール14からの熱は器具本体部8を介して効率よく放出され、その結果、例えば、発光モジュール14の劣化(発光素子70の光束の低下など)が抑制される。
なお、基板68に発光素子70及び回路部品81等の電子部品をリフロー方式で実装する場合、例えば、基板68の主面68aにおける複数の実装位置(電子部品を配置すべき位置)にペースト状のはんだ(例えば「クリームはんだ」とも呼ばれる)が塗布される。また、各はんだと接触するように複数の電子部品が配置される。その後、例えば数分程度の期間、180℃〜240℃程度の熱を加える工程(加熱工程)等を経ることで、各電子部品と、主面68aに設けられた金属配線とが接続される。リフロー方式の部品実装は、このような工程で行われる。
また、基板68と、上側ケース部材28の内面28aとは直接的に接触している必要はなく、例えば、電気的な絶縁性を有する熱伝導シートまたは熱伝導グリス等を介して、基板68が、上側ケース部材28の内面28aに沿って配置されてもよい。
また、本実施の形態及び変形例では、発光素子70aは、色温度が2700K程度または2200K程度であり、発光素子70bは、色温度が5000Kまたは6500K程度であるとした。しかし、これらの色温度は例示である。発光素子70a及び発光素子70bは互いに光色が異なっていればよい。これにより、照明器具1または1aでは、複数の発光素子70aを有する第一発光部71a及び複数の発光素子70bを有する第二発光部71bの発光状態の組み合わせに応じて、照明光の光色を切り替える(変化させる)ことができる。
また、基板68の主面68aにおいて、複数の発光素子70が配置された発光領域と、複数の回路部品81が配置された回路領域とは所定の方向に並んで配置されていなくてもよい。例えば、基板68の主面68aにおいて、発光領域を囲むように、回路領域が配置されていてもよい。つまり、複数の発光素子70を囲むように、複数の回路部品81が配置されていてもよい。これにより、例えば、平面視における照明器具1の外形を略円形にすることが可能となる。
また、発光素子70(発光素子70a及び70bのそれぞれ)は、SMD型のLED素子であるとしたが、これに限定されない。例えば発光モジュール14は、LEDチップを基板68に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、波長変換材を含有する封止部材によって、基板68上に実装された複数のLEDチップを一括に封止、または、個別に封止することで、所定の色温度の照明光を得ることができる。
また、発光素子70としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、照明器具1を天井4に形成された貫通孔6に埋込配設したが、これに限定されず、例えば被取付部としての建物等の壁に形成された貫通孔に、照明器具1が埋込配設されてもよい。
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。