以下、本発明の実施の形態及びその変形例について説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び変形例は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態及び変形例で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。また、図面においては、発光素子など、同一の機能を有しかつ複数設けられる構造または部材については、1つの構造または部材にのみ符号が付されている場合がある。
さらに、以下の実施の形態において、平行及び直交などの、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る照明器具について説明する。
[1-1.照明器具の全体構成]
まず、図1~図3を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具2の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具2を、化粧カバー20、導光板22及び反射部材24を器具本体7から取り外した状態で示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具2の分解斜視図である。
照明器具2は、例えば住宅等の建物の天井4(図3参照)に設置され、天井4の下方の空間を照明するためのシーリングライトである。図1~図3に示すように、照明器具2は、器具本体7、電源ユニット12、第二本体14、発光モジュール16、レンズカバー18、化粧カバー20、導光板22、反射部材24及び拡散カバー26を備えている。器具本体7は、本実施の形態では、第一本体8と第二本体14とで構成されている。なお、図1~図3では、器具中心(平面視(Z軸方向から見た場合)における器具本体7の中心)を通る仮想的な軸Jが一点鎖線で表されている。本実施の形態では、照明器具2の平面視における外形は、軸Jを中心とする円形である。
次に、図1~図9を参照しながら、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。なお、図1~図9において、Z軸マイナス側が天井4側、Z軸プラス側が床面(図示せず)側を表している。つまり、図1~4における照明器具2は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
[1-2.器具本体]
まず、図3及び図4を参照しながら、器具本体7について説明する。図4は、図1のIV-IV線断面における一部を示す部分断面図である。
器具本体7は、電源ユニット12を収容する第一本体8と、発光モジュール16を支持する第二本体14とを有する。第一本体8は、中央部に、器具取付部材10が着脱自在に嵌合される円形状の開口部を有する円環状に形成されている。第一本体8の外周部には、第二本体14を支持するためのフランジ部8bが形成されている。なお、第一本体8は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上記形状に成形される。
また、図3に示すように、第一本体8の、第二本体14側の面には、第二本体14を支持するための絶縁ケース30が固定されている。絶縁ケース30は、略矩形状の筒状に形成され、器具取付部材10を囲む位置に配置されている。絶縁ケース30は、例えば樹脂等の絶縁性材料で形成されている。
第二本体14は、発光モジュール16を支持し、かつ、第一本体8に収容された電源ユニット12等を覆うカバーである。なお、第二本体14は、発光モジュール16からの光を反射する反射部材、及び、発光モジュール16からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
第二本体14は、中央部に略矩形状の開口部14aを有する円環状に形成されている。第二本体14の外周部にはフランジ部14bが形成されている。第二本体14は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって上記形状に成形される。なお、第二本体14の、発光モジュール16が配置される面には、反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、白色塗料が塗布、又は、反射性金属材料が蒸着されている。
本実施の形態では、第二本体14のフランジ部14bが、第一本体8のフランジ部8bに複数のネジで取り付けられることで、第二本体14が第一本体8に固定される。また、第二本体14の開口部14aの周縁部は、第一本体8に配置された絶縁ケース30の先端部に支持されている。
器具取付部材10は、本実施の形態では、天井4に設置された引っ掛けシーリングボディ34に第一本体8を着脱自在に取り付けるためのアダプタである。引っ掛けシーリングボディ34は、天井4の裏側に配置された電線(図示せず)を介して商用電源(図示せず)と電気的に接続されている。照明器具2が天井4に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディ34を介して照明器具2に供給される。
また、本実施の形態では、器具本体7は、化粧カバー20で覆われている。化粧カバー20は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井4側の端部)に向けてラッパ状に広がっており、第二本体14及び第一本体8を側方から覆うように配置されている。化粧カバー20は、例えば白色のポリスチレン樹脂等で形成されている。また、図3に示すように、化粧カバー20の、導光板22側の端部には、リング状の支持部20aが形成されている。支持部20aは、導光板22の湾曲部22b(後述する)の全周に亘って湾曲部22bの凹面側を支持している。
[1-3.電源ユニット]
電源ユニット12は、発光モジュール16を発光させるための電力を生成するための装置である。図3に示すように、電源ユニット12は、基板36と、基板36に実装された複数の回路部品38とを有している。
基板36は、複数の回路部品38を実装するためのプリント配線基板である。複数の回路部品38の各々は、発光モジュール16を発光させる電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路部品である。複数の回路部品38は、例えば、電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいる。
複数の回路部品38は、上述した商用電源から電線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品38で生成された直流電力が発光モジュール16に供給されることにより、発光モジュール16が発光する。
なお、複数の回路部品38には、上述した電源用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品38は、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。また、照明器具2が、照度センサまたは人感センサ等の他の装置を備える場合、複数の回路部品38は、当該他の装置の制御用の回路部品を含んでもよい。
[1-4.発光モジュール]
次に、図3~図6を参照しながら、発光モジュール16について説明する。図5は、実施の形態に係る発光モジュール16と導光板22との構造上の関係を示す平面図である。図6は、実施の形態に係る発光素子46の構成概要を示す平面図である。
なお、図5では、導光板22を、発光モジュール16に対して180°回転させて図示している。また、図5において、導光板22の端面22cは、視認しやすいようにドットを付して表されている。
発光モジュール16は、例えば白色光を発するための光源である。図3~図5に示すように、発光モジュール16は、光源基板42と、複数の発光素子44及び複数の発光素子46とを有する。なお、本実施の形態において、光源基板42は、円環状に並べられた互いに別体の4枚の基板が接続されることで構成されているが、説明の便宜上、これら4枚の基板の集合体を、1枚の光源基板42として扱う。
光源基板42は、複数の発光素子44及び46を実装するためのプリント配線基板であり、円環状に形成されている。光源基板42は、第二本体14の開口部14aを囲むようにして、第二本体14にネジで取り付けられている。光源基板42には、図示しないリード線を介して電源ユニット12と電気的に接続されており、電源ユニット12から供給される電力により、光源基板42に配置された複数の発光素子44及び46が発光する。
なお、光源基板42としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板又はガラス基板等を用いることができる。また、光源基板42は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
複数の発光素子44は、光源基板42の内周部に実装されている。具体的には、複数の発光素子44は、光源基板42の内周部において、光源基板42の径方向に例えば3列配置されている。各列において、複数の発光素子44は、光源基板42の周方向に間隔を置いて配置されている。
複数の発光素子46は、光源基板42の外周部に実装されている。具体的には、複数の発光素子46は、光源基板42の外周部において、光源基板42の周方向に間隔を置いて例えば1列のみ配置されている。すなわち、複数の発光素子46は、円環状に並んで配置されている。
発光素子44及び46の各々は、例えば、パッケージ化されたSMD型の白色発光素子である。すなわち、発光素子44及び発光素子46の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。
なお、本実施の形態に係る照明器具2では、発光素子44及び46のうち、導光板22への光の供給を行う発光素子46の配置の姿勢に関する特徴を有している。そのため、発光素子46の構成について詳細に説明し、発光素子44の構成の詳細についての説明は省略する。
具体的には、発光素子46は、図6に示すように、容器46aと、容器46a内に収容された複数のLEDチップ48と、複数のLEDチップ48からの光の波長を変換する波長変換材47aとを有する。本実施の形態では、発光素子46は、2つのLEDチップ48を有している。
容器46aは、複数のLEDチップが並んで配置される基体の一例であり、例えば樹脂を素材とする部材である。本実施の形態では、容器46aの平面視における形状は矩形である。容器46aの中央部には、2つのLEDチップ48と、波長変換材47aを含む波長変換層47とを収容する凹部が形成されている。
なお、図6におけるB軸は、2つのLEDチップ48の輝度中心Pを結ぶ線分Lに平行な軸であり、A軸は、B軸に直交する軸である。本実施の形態では、A軸及びB軸は、平面視における容器46aの外形の隣り合う辺と平行である。
また、LEDチップ48の輝度中心Pは、LEDチップ48における発光中心または輝度中心の点であり、本実施の形態では、平面視におけるLEDチップ48の図形中心が、輝度中心Pとみなされている。輝度中心Pは、例えば、発光させた状態のLEDチップ48の輝度分布を実測することで求められてもよい。
本実施の形態では、LEDチップ48として、例えば青色光を発する青色LEDチップが採用されている。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm~470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子が採用される。
波長変換材47aは、本実施の形態では蛍光体粒子であり、当該蛍光体粒子及び透光性樹脂材料47bを含む波長変換層47として、発光素子46に備えられている。
波長変換材47aを含む波長変換層47は、LEDチップ48を構成する2つのLEDチップ48を覆うように、容器46a内に収容されており、LEDチップ48が発する光の波長(色)が波長変換材47aによって変換される。このような波長変換層47としては、例えば、蛍光体粒子を含有する絶縁性の樹脂材料(蛍光体含有樹脂)が例示される。蛍光体粒子は、LEDチップ48が発する光によって励起されて所望の色(波長)の光を放出する。
波長変換層47を構成する透光性樹脂材料47bとしては、例えば、シリコーン樹脂が用いられる。また、波長変換層47には、シリカなどの光拡散材が含まれていてもよい。なお、波長変換層47は、必ずしも樹脂材料によって形成される必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材のほか、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材によって形成されてもよい。
波長変換層47に波長変換材47aとして含有させる蛍光体粒子としては、例えば、LEDチップ48が発する青色光を用いて白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体粒子が採用される。
これにより、LEDチップ48が発した青色光の一部は、波長変換層47に含まれる波長変換材47aである黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と黄色蛍光体粒子による波長変換により得られた黄色光とが合成されて、波長変換層47から合成光(本例の場合、主として白色光)となって出射される。
なお、発光素子44は、上記の発光素子46と同一の構成を有していてもよく、また、発光素子46とは異なる構成を有してもよい。例えば、発光素子44はLEDチップを1つのみ有してもよい。また、複数の発光素子44のうちの1以上の発光素子44の発光色が、発光素子46と異なっていてもよい。
上記構成を有する発光素子46のそれぞれは、図3~図5に示すように、導光板22の端面22cに対向し、かつ、所定の姿勢で配置される。複数の発光素子46のそれぞれの、導光板22の端面22cに対する姿勢については図7を用いて後述する。
[1-5.レンズカバー]
レンズカバー18は、複数の発光素子44の各々からの光の配光角を拡大するための光学部材である。レンズカバー18は、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。図3に示すように、レンズカバー18は、環状の光源基板42の内周部を覆うようにして、第二本体14にネジで取り付けられている。このとき、レンズカバー18は、光源基板42の複数の発光素子44のそれぞれを覆い、かつ、光源基板42の複数の発光素子46を覆わない。
レンズカバー18には、複数の発光素子44に対応する複数のレンズ部が形成されている。複数の発光素子44の各々からの光は、対応するレンズ部を透過する。このとき、複数のレンズ部の各々は、例えば、透過する光の配光角を拡大させる。
[1-6.導光板]
導光板22は、入射した複数の発光素子46の各々からの光を、照明器具2の下方の空間に導くための光学部材であり、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。導光板22は、図3~図5に示すように、略円形状の開口部22aを有するリング状に形成されている。具体的には、導光板22は、発光素子46からの光が入射される端面22cと、湾曲部22bと、端面22cから導光板22の内部に入射された光を出射する出射部22dと、複数の取付部22eとを有している。
湾曲部22bは、発光モジュール16側から前方(Z軸プラス側)に向けてラッパ状に広がっている。また、湾曲部22bよりも径方向内側に開口部22aが形成されており、複数の発光素子44を覆うレンズカバー18は、開口部22aから露出する位置に配置されている。湾曲部22bは、端面22cから入射された光を出射部22dに導く光路を形成する部分である。湾曲部22bは、化粧カバー20の支持部20aと反射部材24の反射部24aとの間に挟持されている。
端面22cは、図5に示すように、湾曲部22bの発光モジュール16側の端部の全周に亘ってリング状に形成されており、かつ、複数の発光素子46に対向し、かつ、近接する位置に配置されている。
出射部22dは、湾曲部22bの前方端部の全周から導光板22の径方向外側に延設された円環状の部分である。出射部22dは、略水平な姿勢で(すなわち、天井4に対して平行な姿勢で)配置されている。出射部22dの前方の面(床面側の面)は、光を出射する面である。出射部22dの裏側の面(天井4側の面)には、例えばドット加工によりプリズム形状(図示せず)が形成されている。
複数の取付部22eは、端面22cから導光板22の径方向内側に向けて延びている。複数の取付部22eの各々は、対応する光源基板42の所定の領域(複数の発光素子44と、複数の発光素子46との間の領域)にネジで取り付けられている。これにより、導光板22は、器具本体7に対して固定される。
[1-7.反射部材]
反射部材24は、導光板22の湾曲部22bの内部で導かれた光を反射するための部材である。反射部材24は、図3に示すように、リング状に形成されている。具体的には、反射部材24は、図4に示すように、反射部24a、押さえ部24b及び仕切部24cを有している。なお、反射部材24は、例えば白色のポリカーボネート樹脂等で形成されている。
反射部24aは、導光板22の湾曲部22bに沿ってラッパ状に広がる形状を有しており、導光板22の湾曲部22bの全周に亘って湾曲部22bを覆うように配置されている。
押さえ部24bは、反射部24aの発光モジュール16側の端部の全周から反射部材24の径方向内側に延設されている。押さえ部24bは、複数の取付部22eとともに、複数の光源基板42の各々の所定の領域にネジで取り付けられている。これにより、図4に示すように、押さえ部24bの先端部は、レンズカバー18の外周部を光源基板42に向けて押さえる状態となる。その結果、光源基板42は、第二本体14に押さえ付けられる。
仕切部24cは、押さえ部24bの全周に亘ってリング状に形成され、レンズカバー18の外周部と導光板22の端面22cとの間を仕切るように突出している。仕切部24cによって、レンズカバー18と導光板22との間が遮光される。なお、レンズカバー18と導光板22との間を遮光する必要がない場合、反射部材24は仕切部24cを有していなくてもよい。または、仕切部24cが透光性の部材で形成されていてもよい。
[1-8.拡散カバー]
拡散カバー26は、複数の発光素子44の各々からの光を拡散させるためのカバーであり、透光性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂等)で形成されている。拡散カバー26は、反射部材24に着脱自在に取り付けられる部材であり、導光板22の開口部22aを覆うように配置されている。つまり、拡散カバー26を反射部材24から取り外すことにより、レンズカバー18が導光板22の開口部22aから露出する。図3及び図4に示すように、拡散カバー26は、拡散部26a及び取付部26bを有している。
本実施の形態において、拡散部26aは円板状に形成され、拡散部26aの外周部は、出射部22dの内周部を覆っている。取付部26bは、反射部材24の反射部24aの凸面側を覆うように配置されている。取付部26bは、反射部材24の押さえ部24bに設けられた係合部と係合する。つまり、本実施の形態では、拡散カバー26は、反射部材24を介して器具本体7に固定される。
[1-10.導光板の端面と発光素子の姿勢との関係]
次に、図7~図9を参照しながら、実施の形態に係る照明器具2の特徴的構成について説明する。図7は、実施の形態に係る複数の発光素子46と、導光板22の端面22cとの位置関係を示す平面図である。図8は、実施の形態に係る発光素子46が有する2つの電極端子49a及び49bの位置を示す透視図である。図9は、複数の発光素子46の電気的な接続の態様を表す電気回路図である。
なお、図7は、図5における点線の矩形領域VIIに対応する部分の図であり、Z軸プラス側から発光モジュール16を見た場合における、複数の発光素子46と、導光板22の端面22cとの位置関係を表す図である。また、図7では、端面22cの幅方向(延設方向と直交する方向)の中心を通る中心線Cが一点鎖線で表されている。
また、図8では、発光素子46の裏面(光源基板42側の面)に配置された2つの電極端子49a及び49bのおおよその配置領域が、ドットを付した領域として表されている。このことは、後述する図10にも適用される。また、図7及び図8では、波長変換層47の図示は省略されており、このことは、後述する図10及び図11にも適用される。
図7に示すように、1つの発光素子46に着目した場合、その発光素子46が有する複数のLEDチップ48の並び方向は、導光板22の端面22cの延設方向に沿っている。本実施の形態では、発光素子46は、発光素子46が有する2つのLEDチップ48が、端面22cの延設方向、つまり、中心線Cの延設方向に沿う姿勢で、光源基板42(図5参照)に配置されている。
このように、本実施の形態に係る照明器具2は、器具本体7と、器具本体7に取り付けられた光源基板42と、光源基板42に配置された発光素子46と、発光素子46が発する光が入射される端面22cを有する導光板22とを備えている。発光素子46は、容器46aと、容器46aに並んで配置された複数のLEDチップ48とを有する。発光素子46は、複数のLEDチップ48の並び方向が、端面22cの延設方向に沿う姿勢で光源基板42に配置されている。
この構成によれば、容器46aに配置された複数(本実施の形態では2つ)のLEDチップ48が、導光板22の端面22cの幅方向ではなく延設方向に沿うため、複数のLEDチップ48それぞれが発する光が、端面22cの側方(幅方向の側方)に漏れにくい。つまり、複数のLEDチップ48が放出した光が端面22cに入射される確率が高くなる。すなわち、発光素子46から放出される光は、導光板22の出射部22dから出射される照明光として、効率よく使われる。このように、本実施の形態に係る照明器具2によれば、複数のLEDチップ48を有する発光素子46から放出される光を、導光板22からの照明光として効率よく利用することができる。
より具体的には、本実施の形態では、発光素子46は、複数のLEDチップ48それぞれの輝度中心Pの並び方向が、端面22cの延設方向に沿う姿勢で光源基板42に配置されている。
すなわち、2つのLEDチップ48それぞれの輝度中心Pが、端面22cの延設方向から見た場合に揃えられている。これにより、当該延設方向から見た場合における発光素子46の輝度のピーク位置を、端面22cの幅方向の中心または中心の近傍に位置させることができる。
つまり、発光素子46の輝度のピーク位置は、端面22cの幅方向の両端から遠い位置に配置される。従って、例えば導光板22の膨張または収縮等に起因して、発光素子46の端面22cに対する位置が正規の位置からずれた場合であっても、発光素子46が放出される光が、端面22cの側方から漏れる可能性は低い。つまり、発光素子46の導光板22への光の入射効率の低下が抑制される。また、本実施の形態のように、複数の発光素子46を端面22cに沿って並べる場合に、発光素子46ごとの、導光板22への光の入射効率のばらつきは比較的に小さくなる。その結果、例えば、導光板22の出射部22dから出射される光における輝度ムラが抑制される。
なお、より詳細には、本実施の形態では、発光素子46は、2つのLEDチップ48それぞれの輝度中心Pを結ぶ線分Lが、一旦から他端までの間の少なくとも一か所において、端面22cの中心線C(図7参照)と交差する姿勢で光源基板42に配置されている。典型的には、発光素子46は、2つのLEDチップ48それぞれの輝度中心Pが端面22cの中心線C上に位置するように、光源基板42に配置されている。
また、本実施の形態では、図8に示すように、発光素子46は、2つのLEDチップ48への電力供給を行うための2つの電極端子49a及び49bを有している。電極端子49a及び49bのそれぞれは、光源基板42が有する配線パターン(図示せず)にはんだ付けされる。
また、本実施の形態では、電極端子49aはカソードであり、電極端子49bはアノードである。また、平面視における大きさ(面積)は、電極端子49aの方が電極端子49bよりも大きく、かつ、器具中心(軸J)から見た場合に、電極端子49aの方が電極端子49bよりも遠くに位置する。
つまり、本実施の形態において、発光素子46が備える容器46a(図6参照)は、光源基板42側の面に配置された2つの電極端子49a及び49bを有する。発光素子46は、2つの電極端子49a及び49bのうちの、平面視における面積が大きい電極端子49aが、器具中心(軸J)とは反対側に位置する姿勢で光源基板42に配置されている。
この構成によれば、2つの電極端子49a及び49bのうちの面積が大きい電極端子49aが外側に配置される。そのため、比較的に熱伝導率の高い電極端子49aを用いて、発光素子46からの熱を効率よく放出することができる。これにより、例えば、温度上昇による2つのLEDチップ48の効率低下が抑制される。
また、本実施の形態では、例えば、図5に示すように、導光板22の端面22cは、平面視において環状に形成されており、光源基板42には、端面22cに沿って環状に並べられた複数の発光素子46が配置されている。
この構成によれば、例えば、本実施の形態に係る照明器具2のように、全体として円形の外形を有する照明器具2において、軸Jを中心とする放射方向に均等に、導光板22からの光を放射することができる。
また、このように、環状に形成された端面22cと、環状に並べられた複数の発光素子46とを位置合わせする場合、発光素子46それぞれは、正規の位置(設計通りの位置)からの、端面22cの幅方向へのずれが生じやすい。しかしながら、この場合であっても、各発光素子46において、2つのLEDチップ48は、端面22cの延設方向に沿って並べられている。そのため、上述のように、発光素子46ごとの、導光板22への光の入射効率のばらつきは比較的に小さい。
ここで、本実施の形態では、図9に示すように、1つの発光素子46において、2つのLEDチップ48は、電気的に並列に接続されている。
この構成によれば、1つの発光素子46において、複数のLEDチップ48が並列に接続されていることで、1つのLEDチップ48に流れる電流量が抑制されるとともに、発光素子46全体としての輝度は維持される。そのため、発光素子46全体として所定の輝度を実現することができ、かつ、例えば、各LEDチップ48の温度上昇に伴う効率低下が抑制される。
なお、照明器具2における発光素子46の配置態様(姿勢または位置等)は、上記実施の形態で説明された配置態様に限定されない。そこで、以下に、照明器具2における発光素子46の配置態様ついての変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
(変形例1)
図10は、実施の形態の変形例1に係る複数の発光素子46の姿勢を示す透視図である。例えば、図10に示すように、複数の発光素子46のうちの少なくとも1つが、その発光素子46が有する複数のLEDチップ48の並び方向が、端面22cの延設方向と交差する姿勢で光源基板42に配置されてもよい。
言い換えると、照明器具2はさらに、複数の発光素子46により形成される環状の発光素子列に含まれる他の1以上の発光素子46であって、当該1以上の発光素子46それぞれにおける複数のLEDチップ48の並び方向が、端面22cの延設方向と交差する姿勢で配置された他の1以上の発光素子46を備える、としてもよい。
例えば、複数の発光素子46を電気的に接続する配線パターンの形状との関係で、2つの電極端子49a及び49bを、環状の光源基板42における周方向に並べた方が、都合がよい場合を想定する。この場合、図10における右端の発光素子46のように、2つのLEDチップ48の並び方向が、端面22cの延設方向と交差する姿勢で発光素子46が配置されてもよい。
このように、統一された姿勢で配置された複数の発光素子46の中に、イレギュラーな姿勢で配置された発光素子46が存在する場合、導光板22の出射部22dから放出される照明光おいて、輝度ムラが観察される可能性はある。しかしながら、光源基板42に配置された発光素子46の全数の中で、イレギュラーな姿勢で配置された発光素子46の数を少数に限定することで、実質的に、輝度ムラを認識させない程度に抑えることは可能である。また、例えば、イレギュラーな姿勢で配置する発光素子46を、環状に形成された発光素子列の中で分散して配置することでも、実質的に、輝度ムラを認識させない程度に抑えることは可能である。
(変形例2)
上記実施の形態では、発光素子46は、例えば図6に示すように、2つのLEDチップ48は、それぞれの輝度中心Pを結ぶ線分が、矩形の容器46aの辺に平行となるように、容器46aに配置されている。しかしながら、基体である容器46aに対する複数のLEDチップ48の配置位置はこれには限定されない。
図11は、実施の形態の変形例2に係る発光素子66の構成概要を示す平面図である。本変形例に係る発光素子66は、上記実施の形態に係る発光素子46と同じく、SMD型の白色発光素子であり、容器66aと、容器66aに一次実装された2つのLEDチップ48を有している。また、図示は省略されているが、青色光を発するLEDチップ48から白色光を得るための波長変換層が、2つのLEDチップ48を封止するように形成されている。
しかし、本変形例に係る発光素子66では、2つのLEDチップ48は、それぞれの輝度中心Pを結ぶ線分Lが、平面視において矩形の容器66aの辺と平行ではない姿勢で容器66aに配置されている点で、上記実施の形態に係る発光素子46とは異なる。
この場合であっても、発光素子66は、2つのLEDチップ48の並び方向が、端面22cの延設方向に沿う姿勢で、光源基板42(図5参照)配置されている。従って、2つのLEDチップ48が放出した光が端面22cに入射される確率が高くなる。すなわち、発光素子46の導光板22への光の入射効率は向上される。従って、発光素子46から放出される光は、導光板22の出射部22dから出射される照明光として、効率よく使われる。
また、本変形例に係る発光素子66は、2つのLEDチップ48それぞれの輝度中心Pを結ぶ線分Lが端面22cの延設方向に沿う姿勢で光源基板42(図5参照)配置されている。従って、当該延設方向から見た場合における発光素子66の輝度のピーク位置は、端面22cの幅方向の両端から遠い位置に配置される。そのため、例えば、複数の発光素子66が、端面22cに沿って環状に並べられた場合であっても、発光素子66ごとの、導光板22への光の入射効率のばらつきは比較的に小さくなる。その結果、例えば、導光板22の出射部22dから出射される光における輝度ムラが抑制される。
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、発光素子46及び66のそれぞれは、2以上のLEDチップ48を有してもよい。例えば、3つのLEDチップ48が容器46a内において直線状に並べられた発光素子の場合、当該発光素子は、3つのLEDチップ48の並び方向が、導光板22の端面22cの延設方向に沿う姿勢で光源基板42に配置されればよい。この場合であっても、発光素子46の導光板22への光の入射効率についての向上効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、発光ジュール16と電源ユニット12とは、互いに別体で構成されているが、例えば、発光モジュール16が電源ユニット12を有していてもよい。具体的には、光源基板42にさらに複数の回路部品38を配置し、これら複数の回路部品38によって、複数の発光素子44及46に発光のための電力を供給する電源回路を構成してもよい。つまり、複数の発光素子44及46と、電源回路を構成する複数の回路部品38とが同一基板上に配置されてもよい。
また、照明器具2は、平面視において、全体として円形の外形を有するとしたが、照明器具2の形状に特に限定はない。例えば、平面視において矩形の導光板であって、環状ではなく直線状の端面を有する導光板を備える照明器具に、本実施の形態に係る発光素子46の配置態様が適用されてもよい。つまり、この場合、直線状の端面に沿って複数の発光素子46を並べ、かつ、各発光素子46を、当該発光素子46が有する複数のLEDチップ48の並び方向が、端面の延設方向(長手方向)に沿う姿勢で光源基板に配置する。
これにより、上記実施の形態に係る照明器具2と同じく、複数のLEDチップ48を有する発光素子46から放出される光を、導光板22からの照明光として効率よく利用することができる照明器具を得ることができる。
また、導光板22の端面22cに光を入射する発光素子46は、複数のLEDチップ48を収容する凹部を有する容器46aを備えているが、凹部を有する容器は、導光板22の端面22cに光を入射する発光素子に必須の要素ではない。
例えば、平板状の基体と、当該基体の1つの面に並んで配置された複数のLEDチップ48とを有する発光素子が、導光板22の端面22cに光を入射する光源として採用されてもよい。なお、この場合、複数のLEDチップ48が、波長変換材を含む封止部材で封止されてもよい。
また、照明器具2は、環状に配置された複数の発光素子46の内側に、複数の発光素子44を有するとしたが、導光板22に光を供給する複数の発光素子46以外に、照明光を生成するための発光素子を備えなくてもよい。つまり、照明器具2は、導光板22のみから照明光を放出する構成であってもよい。
また、照明器具2は、例えば、人感センサまたは明るさセンサ等のセンサを備え、当該センサの検出結果を用いて、発光モジュール16の動作を制御してもよい。また、例えば、人感センサとして、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサが採用されてもよい。例えば、照明器具2が天井4に設置された場合に、下方の空間をCMOSイメージセンサで撮像することで、当該空間内の人の有無または人の存在位置等を検出し、その検出結果に応じて、発光モジュール16の調光制御または調色制御が行われてもよい。
また、照明器具2は、有線または無線によって照明器具2が受信した音声を出力するスピーカーを内蔵してもよい。この場合、例えば、発光モジュール16の点灯に同期してスピーカーから音声が出力されるように、スピーカーが制御されてもよい。
また、照明器具2はイオン発生器を備えてもよい。これにより、例えば、照明器具2が照明する空間の空気の除菌を行うことができる。この場合、例えば、発光モジュール16の点灯に同期してイオン発生器からイオンが放出されるように、イオン発生器が制御されてもよい。
また、上記実施の形態では、照明器具2が取り付けられる造営材が天井4である場合について説明したが、これに限定されず、造営材は例えば建物の内部の壁等であってもよい。
また、上記実施の形態では、照明器具2をシーリングライトとしたが、これに限定されず、例えばシャンデリア、ペンダントライト、ブラケットライト、バスルームライト又はキッチンライト等としてもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子44及び発光素子46を実装するための光源基板42と、回路部品38を実装するための基板36とが別々の基板である場合について説明した。しかし、発光素子44、発光素子46及び回路部品38は、同一の基板に実装されてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。