以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
なお、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る照明器具1の概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、天井2に埋め込み配設された実施の形態1に係る照明器具1を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、照明器具1は、ダウンライト等の天井埋込型の照明器具であり、建物の天井2に埋め込み配設されることにより下方(床等)に照明光を照射する。
照明器具1は、光源部110を有する灯具ユニット100と、電源回路210を有する電源ユニット200とを備える。本実施の形態において、灯具ユニット100と電源ユニット200とは、構造上分離されており、天井2の異なる箇所に設置される。
具体的には、灯具ユニット100は、天井2の開口部2aに埋め込み配設されており、電源ユニット200は、天井2の裏面(天井裏)に配置されている。天井2の開口部2aは、灯具ユニット100を天井2に取り付けるための取付用孔である。開口部2aは、天井2を貫通する貫通孔であり、例えば円形開口の円形孔である。
灯具ユニット100は、光源部110を有する灯体であり、照明光を出射する。また、灯具ユニット100は、赤外線信号(赤外光)を受信する赤外線通信モジュール101を有する。赤外線通信モジュール101は、照明器具1を制御するための赤外線信号を受信する。赤外線信号の波長は、一例として945nmであるが、これに限らない。赤外線信号は、例えば、赤外線送信機能を有する赤外線リモコン3から送信される。つまり、灯具ユニット100及び赤外線リモコン3は、いずれも赤外線通信機能を有する。
赤外線通信モジュール101との間で赤外線通信を行う赤外線リモコン3は、ユーザによって操作される。ユーザが赤外線リモコン3を操作することによって、赤外線リモコン3からは、照明器具1を制御するための赤外線信号が送信される。
本実施の形態では、例えば、赤外線リモコン3からは、灯具ユニット100(光源部110)から出射する照明光の照明態様を制御するための赤外線信号(個別照明制御用赤外線信号)が送信される。この場合、照明器具1の赤外線通信モジュール101は、照明器具1を制御するための赤外線信号として、光源部110の照明光の照明態様を制御するための赤外線信号(個別照明制御用赤外線信号)を受信する。
具体的には、ユーザが赤外線リモコン3を操作して照明制御用赤外線信号を照明器具1に送信することで、照明器具1の点消灯制御を行ったり、照明器具1の調光制御又は調光制御を行ったりできる。つまり、ユーザは、1台の照明器具1を個別制御したいような場合に、赤外線リモコン3を操作する。これにより、赤外線リモコン3からは、灯具ユニット100(光源部110)の点消灯制御を行うための赤外線信号、又は、灯具ユニット100(光源部110)の調光制御又は調色制御を行うための赤外線信号等の赤外線信号が送信される。
また、赤外線リモコン3からは、照明器具1と無線リモコン4とのペアリングを行うための赤外線信号(ペアリング用赤外線信号)も送信される。この場合、照明器具1の赤外線通信モジュール101は、照明器具1を制御するための赤外線信号として、照明器具1を無線リモコン4に対応づけるための赤外線信号(ペアリング用赤外線信号)を受信する。
赤外線通信モジュール101と電源ユニット200とは、信号用ケーブル(制御線)等の第1電線310によって接続されており、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号は、制御信号として第1電線310を介して電源ユニット200に伝送される。つまり、第1電線310は、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号に応じた制御信号を電源ユニット200に伝送する。第1電線310は、例えば、信号用ケーブル等の制御線である。
電源ユニット200は、無線信号を受信する無線通信モジュール201を有する。無線通信モジュール201は、照明器具1を制御するための無線信号を受信する。無線通信モジュール201は、無線信号を受信する無線アンテナと、無線アンテナで受信した無線信号を処理する処理回路(IC)とを有する。無線アンテナは、例えば基板に設けられたパターンアンテナである。無線アンテナで受信された無線信号は、処理回路で所定の制御信号(電気信号)に変換されて、電源ユニット200の制御回路220に出力される。なお、無線通信モジュール201が受信する無線信号の周波数は、UHF帯であり、一例として920MHz帯であるが、これに限らない。
無線通信モジュール201で受信する無線信号は、例えば、無線送信機能を有する無線リモコン(電波リモコン)4から送信される。無線リモコン4は、移動可能な携帯端末であってもよいが、壁等に取り付けられていてもよい。無線リモコン4は、例えば、室内の壁に設置されており、室内に設置された1台又は複数台の照明器具1に対して各種制御を行う。
無線通信モジュール201との間で無線通信を行う無線リモコン4は、ユーザによって操作される。ユーザが無線リモコン4を操作することによって、無線リモコン4からは、照明器具1を制御するための無線信号が送信される。
本実施の形態では、無線リモコン4からは、当該無線リモコン4と照明器具1とのペアリングを行うための無線信号(ペアリング用無線信号)が送信される。この場合、照明器具1の無線通信モジュール201は、照明器具1を制御するための無線信号として、無線リモコン4と当該照明器具1とを対応づけるための無線信号(ペアリング用無線信号)を受信する。
また、無線リモコン4からは、無線リモコン4とペアリング済みの複数の照明器具1を1つのグループとして、この1つのグループに属する複数の照明器具1を同時に制御するための無線信号(一括照明制御用無線信号)も送信される。この場合、照明器具1の無線通信モジュール201は、照明器具1を制御するための無線信号として、無線リモコン4とペアリング済みの複数の照明器具1(1グループ内の複数の照明器具1)を同時に制御するための無線信号(一括照明制御用無線信号)を受信する。
ここで、赤外線リモコン3と無線リモコン4とを使って照明器具1の制御を行う場合の一例を説明する。特に、ペアリングの設定方法について説明する。
まず、無線リモコン4を操作して無線リモコン4をペアリングモードにして、無線リモコン4から照明器具1にペアリング用無線信号を送信する。これにより、照明器具1の無線通信モジュール201は、無線リモコン4からのペアリング用無線信号を受信する。このとき、無線リモコン4とペアリングさせる照明器具1は、1台又は複数台のいずれであってもよく、ペアリング用無線信号を受信した1台又は複数の照明器具1が、無線リモコン4とペアリングされる候補となる。
次に、無線リモコン4からペアリング用無線信号が送信されている間に、赤外線リモコン3を操作することによって、無線リモコン4とペアリングさせる特定の照明器具1に対してペアリング用赤外線信号を送信する。赤外線リモコン3から送信されるペアリング用赤外線信号は、照明器具1の赤外線通信モジュール101によって受信される。
これにより、ペアリング用赤外線信号を受信した特定の照明器具1が、ペアリング用無線信号を送信する無線リモコン4とペアリングされる。また、複数の照明器具1に対してペアリングを行う場合、各照明器具1に対応する赤外線リモコン3を順次操作して、ペアリング用赤外線信号を複数の照明器具1の各々に順次送信することによって、特定の1つの無線リモコン4と特定の複数の照明器具1とをペアリングすることができる。
そして、特定の無線リモコン4とペアリングされた1台又は複数の特定の照明器具1は、特定の無線リモコン4からの一括照明制御用無線信号によって同時に照明態様の制御が行われる。つまり、ペアリング設定が完了すると、1つの特定の無線リモコン4を操作することで、ペアリングされた1グループ内に属する複数の特定の照明器具1に対して、同時に点消灯制御を行ったり、同時に調光制御を行ったりできる。
また、複数の照明器具1とのペアリングが完了した後でも、各照明器具1に対応する赤外線リモコン3を操作することで、各照明器具1の照明態様を個別に制御することも可能である。
なお、本実施の形態において、無線通信モジュール201は、無線信号を受信する機能のみを有しているが、これに限らず、無線信号を送信する機能を有していてもよい。この場合、無線リモコン4が無線信号を受信できる機能を有していれば、無線通信モジュール201から送信された無線信号を無線リモコン4で受信することができる。
電源ユニット200は、光源部110を発光させるための電力を生成する電源機能を有する。具体的には、電源ユニット200は、電源回路210によって、電源端子台205から供給される商用電源からの交流電力を直流電力に変換する。
電源ユニット200と灯具ユニット100(光源部110)とは、第2電線320によって接続されており、電源ユニット200で生成された直流電力は、第2電線320を介して灯具ユニット100の光源部110に供給される。第2電線320は、電源ケーブル等の電力供給線である。
また、本実施の形態において、電源ユニット200は、さらに、灯具ユニット100(光源部110)の照明態様を制御する照明制御機能を有する。具体的には、電源ユニット200は、制御回路220によって、無線通信モジュール201で受信した無線信号又は赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号に応じて光源部110の照明態様(発光態様)を制御する。例えば、電源ユニット200は、制御回路220によって、灯具ユニット100(光源部110)を点灯させたり消灯させたり、灯具ユニット100(光源部110)の明るさを変えたり光色や色温度を変えたりする。本実施の形態において、制御回路200は、電源回路210とともに同じ回路基板に組み込まれている。
電源ユニット200は、無線通信モジュール201と、無線通信モジュール201を収納する筐体202とを有する。さらに、電源ユニット200は、回路基板203と、複数の回路素子204とを有する。
筐体202は、無線通信モジュール201と、複数の回路素子204が実装された回路基板203とを収納する。例えば、筐体202は、金属製又は絶縁樹脂製のケースである。本実施の形態において、筐体202は、金属ケースである。筐体202は、天井裏に配置される。
回路基板203は、所定形状の金属配線が形成されたプリント配線基板である。回路基板203には、複数の回路素子204が実装されている。
複数の回路素子204には、光源部110を発光させるための電力を生成する電源回路210を構成する電源回路素子と、光源部110の照明態様を制御する制御回路220を構成する制御回路素子とが含まれる。
電源回路210を構成する電源回路素子及び制御回路220を構成する制御回路素子は、例えば、容量素子(電解コンデンサ、セラミックコンデンサ等)、抵抗素子(抵抗器等)、整流回路素子、コイル素子、トランス、ノイズフィルタ、ダイオード、集積回路素子(IC)、又は、半導体素子(FET等)等である。
電源回路210は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換する。制御回路220は、調光制御回路及び調色制御回路等である。制御回路220によって電源回路210から出力する直流電力が制御される。
また、電源ユニット200には、電源端子台205が設けられている。電源端子台205にはVVFケーブル等の電線が接続されており、この電線によって商用電源からの交流電力が電源端子台205に供給される。電源端子台205に供給された交流電力は、電源回路210に供給される。
このように構成された照明器具1では、例えば、赤外線リモコン3から送信された赤外線信号が赤外線通信モジュール101で受信(受光)されると、赤外線信号の指示内容に応じて、灯具ユニット100(光源部110)が点灯したり消灯したり、また、灯具ユニット100(光源部110)の明るさが変化したり光色や色温度が変化したりする。
この場合、灯具ユニット100に搭載された赤外線通信モジュール101に赤外線信号が受信されると、この赤外線信号は、赤外線通信モジュール101で所定の制御信号(電気信号)に変換され、第1電線310によって電源ユニット200の制御回路220に送信される。
そして、第1電線310を介して赤外線通信モジュール101から電源ユニット200に送信された赤外線信号に基づく制御信号は、制御回路220及び電源回路210で処理され、所望の直流電力となって、第2電線320を介して灯具ユニット100の光源部110に供給される。これにより、光源部110は、赤外線信号の指示内容に応じて照明態様が変化する。
例えば、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号が点灯信号又は消灯信号である場合、電源ユニット200(電源回路210)から光源部110への直流電力の供給を開始したり停止したりする。また、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号が調光信号(PWM調光信号や位相制御調光信号)又は調色信号である場合、調光制御又は調色制御された直流電力が電源回路210から光源部110に供給される。これにより、光源部110が調光されて照明光の明るさが変化したり、光源部110が調色されて光色又は色温度が変化したりする。
なお、リモコン4を操作して照明器具1の照明態様を変更させる場合(点消灯制御や調光制御等を行う場合)も同様である。
[灯具ユニット]
次に、実施の形態1に係る照明器具1における灯具ユニット100の詳細な構成について、図2〜図4を用いて詳細に説明する。図2及び図3は、実施の形態1に係る照明器具1における灯具ユニット100の斜視図であり、図2は床側から見たときの斜視図、図3は床側とは反対側から見たときの斜視図である。図4は、同灯具ユニット100の断面図である。なお、図4では、灯具ユニット100の断面部分のみを図示している。また、図2〜図4において、第1電線310及び第2電線320は省略している。
図2〜図4に示すように、灯具ユニット100は、光源部110と、基台120と、反射板130と、レンズ140と、枠体部150とを有する。
[光源部]
図4に示される光源部110は、例えば照明光として白色光を照射する光源モジュールである。本実施の形態において、光源部110は、LEDによって構成されたLEDモジュール(LED光源)である。一例として、光源部110は、COB(Chip On Board)構造であり、基板と、基板に実装されたLEDと、LEDを封止する封止部材とを有する。LED及び封止部材は、光源部110の発光部となる。
基板は、LEDを実装するための実装基板であって、例えば、セラミックス基板、樹脂基板又はメタルベース基板等である。なお、基板には、直流電力を電源ユニット200から受電するための一対の電極端子と、LED同士を電気的に接続するための所定のパターンの金属配線とが形成されている。一対の電極端子には、第2電線320が接続されている。
LEDは、発光素子の一例であり、例えば、単色の可視光を発するベアチップである。具体的には、LEDは、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。LEDは、例えば基板にマトリクス状に複数個配置されている。なお、LEDは、少なくとも1つ配置されていればよい。
封止部材は、例えば透光性樹脂である。本実施の形態における封止部材は、LEDからの光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。蛍光体粒子としては、LEDが青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体を用いることができる。この場合、黄色蛍光体が、青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出する。そして、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光となって光源部110から出射する。
なお、封止部材は、全てのLEDを一括封止するように円形状に形成されているが、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよいし、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。
また、本実施の形態における光源部110は、調光制御及び調色制御を行うことができる光源モジュールである。したがって、光源部110は、例えば光色又は色温度が異なる複数の発光部を有する。この場合、光色の異なるLEDを用いたり、波長変換材(蛍光体)の種類及び量を調整したりすることによって、各発光部の光色及び色温度を異ならせることができる。
このように構成された光源部110は、図4に示すように、ホルダによって基台120に取り付けられる。例えば、ホルダによって光源部110を基台120に押さえつけ、ホルダと基台120とをネジ等によって固定することで、光源部110を基台120の所定の位置に配置することができる。また、本実施の形態において、光源部110は、灯具ユニット100の光軸中心に配置されている。
[基台]
基台120は、光源部110が配置される器具本体である。基台120は、光源部110を支持するとともに、光源部110で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、基台120は、アルミニウム等の金属材料又は高熱伝導樹脂等の熱伝導率の高い材料によって作製されているとよい。本実施の形態において、基台120は、アルミダイカスト製である。
図4に示すように、基台120は、開口部120aを有する凹部が設けられている。基台120の凹部内には、光源部110及び反射板130が配置される。また、基台120の開口部120aには、レンズ140が配置される。
また、図2〜図4に示すように、基台120には、複数の放熱フィン120bが設けられている。複数の放熱フィン120bの各々は、平板状であり、基台120の凹部の反対側の部分の表面に立設されている。放熱フィン120bを設けることによって、光源部110で発生する熱を効率良く放熱させることができる。
[反射板]
図4に示される反射板130は、光源部110から出射した光を反射する反射部材である。具体的には、反射板130の内面は、光源部110からの光を反射させる反射面となっており、反射板130は、反射面によって光源部110から出射した光を所望の方向に向くように制御している。本実施の形態において、反射板130は、光源部110から出射した光がレンズ140に入射するように配光制御している。一例として、反射板130は、内面形状が漏斗状の円筒形状であり、内径が光入射側(光源側)の開口部から光出射側の開口部に向かって漸次大きくなるように構成されている。
反射板130は、例えば樹脂材料又は金属材料によって形成することができる。具体的には、反射板130は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材料を用いた作製された白色の樹脂成型品であってもよいし、樹脂成型品の内面にアルミニウム等の金属膜が形成されたものであってもよいし、アルミニウム等の金属材料によって形成された金属部品であってもよい。
このように構成される反射板130は、基台120に取り付けられている。具体的には、反射板130は、光源部110を基台120に保持するために基台120に固定されたホルダに取り付けられることで、基台120に間接的に取り付けられている。
[レンズ]
図2及び図4に示すように、レンズ140は、光源部110を覆うように配置される。具体的には、レンズ140は、反射板130の開口部を覆うように、基台120の開口部に取り付けられている。
レンズ140は、光源部110から出射した光及び反射板130で反射した光が透過する。具体的には、レンズ140は、光源部110から出射した光及び反射板130で反射した光を所定の方向に配光制御する機能を有する。本実施の形態において、レンズ140は、フレネルレンズ機能を有するフレネル構造を有する。レンズ140は、さらに、光拡散構造を有する。光拡散構造は、例えば、レンズ140の光出射側の表面に形成された複数の微小凹凸(ドット、プリズム)である。
レンズ140は、透光性を有する透光性材料によって形成されている。具体的には、レンズ140は、アクリル又はポリカーボネート等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって構成される。
[枠体部]
図1に示すように、枠体部150は、灯具ユニット100を天井2の開口部2aに取り付けるための取付部材である。具体的には、枠体部150は、基台120を天井2の開口部2aに保持させるために、天井2の開口部2aに取り付けられる。
本実施の形態において、枠体部150は、鉛直下方側の第1開口部と鉛直上方側の第2開口部とを有するカップ状の枠体そのものである。枠体部150は、アルミニウム等の金属材料によって構成されている。本実施の形態において、枠体部150は、アルミダイカスト製である。なお、枠体部150の材質は、金属材料に限るものではなく、樹脂材料であってもよい。
枠体部150の鉛直下方側の第1開口部にはフランジ状の鍔部が形成されている。この枠体部150の鍔部を天井2の天井面2bに当接させて枠体部150の外面に設けられた3つの取付バネ160によって天井2の開口部2aの内側面を押圧することで、灯具ユニット100を開口部2aに保持させることができる。取付バネ160は、灯具ユニット100を天井2の開口部2aに取り付けるための弾性部材であり、板バネ構造を有する。取付バネ160は、例えば長尺状の金属板によって形成されている。
また、枠体部150は、ねじ等によって基台120に固定されている。つまり、枠体部150を天井2に取り付けることで、枠体部150とともに基台120も天井2に固定される。
枠体部150には、レンズ140から出射した光が入射する。枠体部150に入射した光は、枠体部150の内部を通って灯具ユニット100の外部に出射する。なお、枠体部150は、補助反射板としても機能し、枠体部150の内面に入射した光は枠体部150の内面で反射して枠体部150の外部に出射する。
また、図2及び図4に示すように、枠体部150には、赤外線通信モジュール101を配置するための凹部150aが設けられている。凹部150aは、枠体部150の一部を枠体部150の裏側から枠体部150の内方に向かって突出させるように形成されている。
枠体部150には、赤外線通信モジュール101により受信される赤外線信号が通る貫通孔150bが設けられている。貫通孔150bは、赤外線信号受信用の小径孔であり、貫通孔150bには、光源部110から出射した照明光は通らない。
本実施の形態において、貫通孔150bは、凹部150aの底面に設けられている。つまり、貫通孔150bは、ユーザから見えるところに設けられている。これにより、ユーザは、貫通孔150b周辺に赤外線リモコン3の赤外線送信部を向けることで、照明器具1との赤外線通信を容易に行うことができる。
[赤外線通信モジュール]
赤外線通信モジュール101は、灯具ユニット100に設けられており、赤外線信号を受信する機能を有する。具体的には、赤外線通信モジュール101は、受信した赤外線信号を所定の制御信号(電気信号)に変換する。本実施の形態における赤外線通信モジュール101は、赤外線通信機能のみを有しているので、小型のモジュールとなっている。
赤外線通信モジュール101は、枠体部150に設けられている。具体的には、赤外線通信モジュール101は、枠体部150の外面に配置されている。本実施の形態において、赤外線通信モジュール101は、枠体部150の裏側に設けられた凹部150aに収納されている。これにより、赤外線通信モジュール101を隠すことができるので、ユーザは、赤外線通信モジュール101の存在に気がつかない。
図4及び図5に示すように、赤外線通信モジュール101は、赤外線受信部101aと、回路基板101bと、ケース101cと、透光カバー101dとを有する。
赤外線受信部101aは、赤外線信号を受信する受信部である。具体的には、赤外線受信部101aは、赤外線信号である赤外光を受光する赤外線受光部である。例えば、赤外線受信部101aは、赤外線リモコン3から送信された赤外線信号を受光する。赤外線受信部101aは、ケース101cに設けられた貫通孔101c1に対向する位置に配置される。
回路基板101bには、赤外線受信部101aが実装されているとともに、複数の回路素子(不図示)が実装されている。回路基板101bに実装された複数の回路素子は、赤外線受信部101aで受光した赤外線信号を所定の制御信号(電気信号)に変換する処理回路を構成している。この処理回路で生成された制御信号は、第1電線310を介して電源ユニット200の制御回路220に伝送される。
ケース101cは、赤外線受信部101aと、複数の回路素子が実装された回路基板101bとを収納する筐体である。ケース101cは、例えば樹脂製であるが、これに限らない。本実施の形態におけるケース101cは、2つに分割されているが、一体物であってもよい。
ケース101cには、赤外線信号を通過させるための貫通孔101c1が設けられている。赤外線通信モジュール101の貫通孔101c1は、枠体部150の貫通孔150bに対向する位置に配置されている。これにより、赤外線受信部101aは、ケース101cの貫通孔101c1を介して枠体部150の貫通孔150bに対向する位置に配置される。
透光カバー101dは、ケース101cに設けられた貫通孔101c1を覆う。透光カバー101dは、赤外線信号を透過する材料によって構成されている。透光カバー101dは、矩形状の透明板であり、例えば透明樹脂材料又はガラス材料によって構成されている。透光カバー101dによって貫通孔101c1を覆うことで、貫通孔101c1からケース101c内に塵埃等の異物が入り込むことを抑制できる。これにより、塵埃等が赤外線受信部101aに付着して赤外線信号が正しく受信できなくなることを抑制することができる。
[作用効果]
次に、本実施の形態における照明器具1の作用効果について、本発明に至った経緯も含めて説明する。
これまで、シーリングライト等の天井面に設置された照明器具については、無線通信機能及び赤外線通信機能を有するものが提案されている。一方、ダウンライト等の天井埋込型の照明器具については、シーリングライトとは異なり、電源ユニットが天井裏に配置されているため、無線通信及び赤外線通信の両方を行うことができなかった。
特に、赤外線信号を受信する赤外線受信部は、金属や天井材等で赤外線信号が遮蔽されない位置に設置されていなければ、赤外線信号を受信することができない。また、赤外線通信モジュール(赤外線受信部)の位置をユーザが分からなければ、ユーザはどこに向けて赤外線信号を送信すればよいのかが分からない。
この点、シーリングライトでは、電源ユニットが天井面から室内側に位置しており、かつ、電源ユニットと灯具ユニット(光源部)とが器具本体に支持されていて同じ位置に配置されている。このため、シーリングライトでは、無線通信部(無線アンテナ、無線処理回路)と赤外線通信部(赤外線受信部、赤外線処理回路)とが一体化された通信モジュールを電源ユニットに搭載することで、ユーザがシーリングライトに向けて赤外線信号を送信するだけで、無線通信だけではなく、赤外線通信を行うことができる。
しかしながら、ダウンライト等の天井埋込型の照明器具では、電源ユニットが天井裏に配置されているため、無線通信部と赤外線通信部とが一体化された通信モジュールを電源ユニットに搭載すると、赤外線信号を受光することができない。
そこで、天井埋込型の照明器具において、無線通信部と赤外線通信部とが一体化された通信モジュールを、電源ユニットではなく灯具ユニットに搭載することも考えられる。しかしながら、無線通信部と赤外線通信部とが一体化された通信モジュールを灯具ユニットに搭載すると、灯具ユニットのサイズが大きくって、灯具ユニットの配置スペースが不足したり、灯具ユニットを設置する天井2の開口部2aが大きくなったりする。
このように、ダウンライト等の天井埋込型の照明器具については、シーリングライトとは異なり、無線通信及び赤外線通信の両方を行うことができなかった。
これに対して、本実施の形態における照明器具1では、図1に示すように、天井裏に配置された電源ユニット200に無線通信モジュール201を搭載し、天井2の開口部2aに埋め込み配設された灯具ユニット100に赤外線通信モジュール101を搭載している。つまり、赤外線通信モジュール101と無線通信モジュール201とを分離して、赤外線通信モジュール101をユーザから見える灯具ユニット100に搭載している。
このように、天井2の開口部2aに埋め込み配設された灯具ユニット100に赤外線通信モジュール101を搭載することで、ユーザは、照明器具1との赤外線通信を容易に行うことができる。
具体的には、ユーザが、灯具ユニット100(光源部110)から出射する照明光の照明態様を制御したい場合、赤外線リモコン3を操作して灯具ユニット100に向かって赤外線信号を送信することで、灯具ユニット100(光源部110)の照明態様を制御することができる。例えば、灯具ユニット100(光源部110)を点灯させたり消灯させたり、照明光の明るさを変えたり光色や色温度を変えたりできる。
また、電源ユニット200に無線通信モジュール201が搭載されているので、ユーザは、容易に照明器具1との無線通信を容易に行うことができる。具体的には、ユーザが、照明器具1の各種設定を行いたい場合又は灯具ユニット100(光源部110)から出射する照明光の照明態様を制御したい場合、無線リモコン4を操作して無線信号を送信することで、照明器具1の各種設定を行ったり、灯具ユニット100(光源部110)の照明態様を制御したりすることができる。
しかも、無線通信モジュール201を灯具ユニット100ではなく電源ユニット200に搭載しているので、灯具ユニット100のサイズが大きくなることを抑制できるとともに、天井2の開口部2aのサイズを大きくすることも不要となる。
以上、本実施の形態における照明器具1によれば、天井埋込型の照明器具でありながらも、無線通信及び赤外線通信の両方を行うことができる。
また、本実施の形態における照明器具1では、赤外線通信モジュール101と無線通信モジュール201とが分離して配置されているので、無線通信部と赤外線通信部とが一体化された通信モジュールと比べて、各モジュールを小型化できる。これにより、天井2の開口部2aの開口径を大きくすることなく、赤外線通信モジュール101及び無線通信モジュール201を搭載することができる。
特に、本実施の形態における照明器具1では、赤外線通信モジュール101をユーザから見える灯具ユニット100に搭載されているが、赤外線通信モジュール101は赤外線通信機能のみを有する小型のモジュールである。これにより、赤外線通信モジュール101を搭載することによって灯具ユニット100の意匠性が悪くなることを抑制することもできる。
また、本実施の形態における照明器具1は、さらに、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号に応じた制御信号を電源ユニット200に伝送する第1電線310を備えている。
これにより、赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号に応じた制御信号を電源ユニット200で処理することで、灯具ユニット100(光源部110)から出射する照明光の照明態様を制御することができる。つまり、天井2の開口部2aに埋め込み配設された灯具ユニット100に設けられた赤外線通信モジュール101で受信した赤外線信号は、一旦天井裏に配置された電源ユニット200に制御信号として伝送されて電源回路210及び制御回路220で処理されてから、灯具ユニット100(光源部110)に再び伝送されることで、照明光の照明態様が制御されている。これにより、灯具ユニット100に別途電源回路又は制御回路等を実装する必要がないので、コストが増加することを抑制できる。
また、図4に示すように、本実施の形態における照明器具1では、赤外線通信モジュール101が、天井2の開口部2aに取り付けられた枠体部150に設けられている。
枠体部150は、その裏側に天井裏との空間スペースを有しつつ、ユーザから見える位置に配置されている。したがって、赤外線通信モジュール101を枠体部150に設けることで、枠体部150の裏側で赤外線通信モジュール101のケース101cを隠しながら、赤外線通信モジュール101の赤外線受信部101aをユーザから見える位置に配置することができる。これにより、赤外線通信モジュール101を設けることで意匠性が悪くなることを抑制しつつ、照明器具1との赤外線通信を容易に行うことができる。つまり、ユーザは、赤外線リモコン3を赤外線受信部101aに向けて赤外線信号を送信することで、灯具ユニット100の照明光の照明態様を容易に制御することができる。
また、図4に示すように、本実施の形態における照明器具1において、枠体部150には、赤外線通信モジュール101により受信される赤外線信号が通る貫通孔150bが設けられている。
これにより、赤外線通信モジュール101による赤外線信号の感度を向上させることができるとともに、ユーザは、貫通孔150bの位置によって赤外線通信モジュール101(赤外線受信部101a)の位置を容易に認識することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1に係る照明器具1Aについて、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態1の変形例1に係る照明器具1Aにおける灯具ユニット100Aの断面図である。なお、図6では、灯具ユニット100Aの断面部分のみを図示している。
上記実施の形態1における照明器具1では、赤外線通信モジュール101が、灯具ユニット100の枠体部150に設けられていたが、本変形例における照明器具1Aでは、赤外線通信モジュール101が、灯具ユニット100Aの光源部110付近に配置されている。
具体的には、本変形例において、赤外線通信モジュール101は、反射板130と基台120との間に配置されている。また、反射板130には、赤外線通信モジュール101により受信される赤外線信号が通る貫通孔130aが設けられている。なお、レンズ140は、上記実施の形態1と同様に、透明樹脂材料又はガラス材料によって構成されているので、赤外線信号はレンズ140を透過する。これにより、赤外線信号は、レンズ140及び貫通孔130aを介して赤外線通信モジュール101の赤外線受信部101a(不図示)に到達することができる。
また、本変形例において、枠体部150Aには、赤外線通信モジュール101が設けられていないので、枠体部150Aには、上記実施の形態1における枠体部150のように、凹部150aが設けられていない。
なお、本変形例において、赤外線通信モジュール101の位置及び枠体部150Aの形状以外は、電源ユニット200を含めて上記実施の形態1における照明器具1と同様の構成である。
このように、本変形例における照明器具1Aによれば、赤外線通信モジュール101が灯具ユニット100Aの光源部110付近に配置されている。
光源部110は、灯具ユニット100の光軸中心に配置されているので、赤外線通信モジュール101を光源部110付近に配置することで、赤外線通信モジュール101も灯具ユニット100の光軸中心付近に配置される。これにより、赤外線通信モジュール101によって赤外線信号を受信しやすくなる。つまり、赤外線通信モジュール101(赤外線受信部)の位置をユーザが認識できなくても、あるいは、赤外線通信モジュール101(赤外線受信部)の位置をユーザが認識しようとしなくても、赤外線リモコン3を概ね灯具ユニット100Aに向けて赤外線信号を送信するだけで、灯具ユニット100Aの照明光の照明態様を制御することができる。
また、本変形例における照明器具1Aでは、赤外線通信モジュール101が反射板130と基台120との間に配置されている。
これにより、赤外線通信モジュール101のケース101cを隠すことができるので、赤外線通信モジュール101を搭載することによって灯具ユニット100Aの意匠性が悪くなることを抑制できる。つまり、本変形例における照明器具1Aによれば、外観上、既存の照明器具と同様の意匠性を実現できる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2に係る照明器具1Bについて、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態1の変形例2に係る照明器具1Bにおける灯具ユニット100Bの断面図である。なお、図7では、灯具ユニット100Bの断面部分のみを図示している。
上記実施の形態1における照明器具1では、赤外線通信モジュール101は、灯具ユニット100の枠体部150に設けられていたが、本変形例における照明器具1Bでは、上記変形例1における照明器具1Aと同様に、赤外線通信モジュール101は、灯具ユニット100Bの光源部110付近に配置されている。
また、上記変形例1における照明器具1Aでは、赤外線通信モジュール101は、反射板130と基台120との間に配置されていたが、本変形例における照明器具1Bでは、赤外線通信モジュール101は、反射板130とレンズ140との間に配置されている。
このように、本変形例における照明器具1Bによれば、上記変形例1における照明器具1Aと同様に、赤外線通信モジュール101が灯具ユニット100Bの光源部110付近に配置されている。
これにより、赤外線リモコン3を概ね灯具ユニット100Bに向けて赤外線信号を送信するだけで、灯具ユニット100Bの照明光の照明態様を制御することができる。
また、本変形例における照明器具1Aでは、赤外線通信モジュール101は、反射板130とレンズ140との間に配置されている。
これにより、赤外線信号は、レンズ140を透過するだけで、赤外線通信モジュール101に到達する。したがって、上記変形例1における照明器具1Aと比べて、赤外線信号の感度が向上する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明器具1Cについて、図8〜図10を用いて説明する。図8は、実施の形態2に係る照明器具1Cにおける灯具ユニット100Cの斜視図である。図9は、同灯具ユニット100Cの斜視図である。図10は、同灯具ユニット100Cの部分拡大図である。なお、図8及び図9において、第1電線310及び第2電線320は省略している。また、図10では、灯具ユニット100Cの断面部分のみを図示している。
本実施の形態における照明器具1Cと上記実施の形態1における照明器具1とは、灯具ユニットの枠体部の構成が異なる。
本実施の形態における灯具ユニット100Cの枠体部150Cは、上記実施の形態1と同様に、灯具ユニット100Cを天井2の開口部2aに取り付けるための取付部材であって、天井2の開口部2aに取り付けられるが、本実施の形態における枠体部150Cは、補助反射板151と枠板152とを有する枠体ユニットとして構成されている。
補助反射板151は、カップ状の枠体である。補助反射板151は、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成されている。補助反射板151には、赤外線通信モジュール101により受信される赤外線信号が通る貫通孔151aが設けられている。貫通孔151aは、赤外線通信モジュール101の赤外線受信部と対向する位置に設けられている。具体的には、貫通孔151aと赤外線受信部とは、灯具ユニット100の光軸方向に沿って並んでいる。
枠板152は、金属板によって構成されたリング状の枠部材である。枠板152は、基台120を囲むように配置されている。
補助反射板151と枠板152とは、一対の連結部材153によって連結されている。各連結部材153には、枠体部150Cを天井2の開口部2aに取り付けるための取付金具154が設けられている。取付金具154を天井2の開口部2aの縁部に掛止させることで、枠体部150Cが開口部2aに取り付けられる。
なお、取付金具154を用いるのではなく、枠板152を天板として用いて枠板152と天井2とをボルト及びナットで締め付けて固定することで、枠体部150Cを天井2の開口部2aに取り付けてもよい。
本実施の形態でも、上記実施の形態1と同様に、赤外線通信モジュール101は、枠体部150Cに設けられている。具体的には、赤外線通信モジュール101は、枠体部150Cの枠板152に取り付けられている。
したがって、本実施の形態における照明器具1Cでも、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。すなわち、本実施の形態における照明器具1Cは、天井2の開口部2aのサイズを変えることなく、無線通信及び赤外線通信の両方を行うことができる。
また、本実施の形態における照明器具1Cにおいて、赤外線通信モジュール101は枠板152に取り付けられており、補助反射板151には、赤外線通信モジュール101により受信される赤外線信号が通る貫通孔151aが設けられている。
これにより、赤外線通信モジュール101による赤外線信号の感度を向上させることができるとともに、ユーザは、貫通孔151aの位置によって赤外線通信モジュール101(赤外線受信部101a)の位置を容易に認識することができる。したがって、ユーザは、赤外線リモコン3を操作することで、灯具ユニット100の照明光の照明態様を容易に制御することができる。
また、図11に示すように、本実施の形態における照明器具1Cにおいて、補助反射板151の貫通孔151aには、貫通孔151aを塞ぐキャップ155が設けられているとよい。キャップ155は、透光カバーであり、赤外線信号を透過する材料によって構成されている。この場合、キャップ155の材料としては、レンズ140と同様に、透明樹脂材料又はガラス材料を用いるとよい。
このように、補助反射板151の貫通孔151aを、赤外線信号を透過するキャップ155で塞ぐことによって、貫通孔151aを介して赤外線信号を赤外線通信モジュール101に受信させつつ、貫通孔151aから塵埃等の異物が進入したり貫通孔151aから光源部110の光が漏れたりすることを抑制できる。
なお、キャップ155については、実施の形態1における照明器具1にも適用することができる。
また、実施の形態1における変形例1、2の構成を本実施の形態に適用してもよい。つまり、本実施の形態において、赤外線通信モジュール101を、図6及び図7に示すように光源部110周辺に配置してもよい。
(その他の変形例)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、赤外線通信モジュール101は、灯具ユニット100に1つ設けられていたが、これに限らない。赤外線通信モジュール101は、灯具ユニット100に複数設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、光源部110から出射する光に含まれる赤外線成分をカットするための赤外線カットフィルタを、光源部110の周辺等に配置してもよい。例えば、赤外線通信モジュール101が枠体部150に設けられている場合、レンズ140に赤外線カットフィルタを貼り合わせたり、レンズ140の前段又は後段に、赤外線カットフィルタを有する部材を取り付けたりすることができる。また、赤外線カットフィルタを用いるのではなく、赤外線成分をカットするための赤外線吸収材料をレンズ140に含ませてもよい。このように、光源部110から出射する光に含まれる赤外線成分をカットすることで、不要な赤外線が赤外線通信モジュール101に到達することを抑制できるので、赤外線通信モジュール101の誤検知を抑制することができる。
また、上記実施の形態において、光源部110は、青色LEDと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、この蛍光体含有樹脂と青色LEDとを組み合わせることで白色光を放出するように構成しても構わない。
また、上記実施の形態において、LEDとして、青色LEDを用いたが、これに限らない。例えば、LEDとしては、青色以外の色の光を発光するものや、紫外光を発するものを用いてもよい。この場合、蛍光体としては、LEDが発する光の波長に応じて適宜選択すればよい。
また、上記実施の形態において、光源部110は、実装基板上にLEDチップを直接実装したCOB構造としたが、これに限らない。例えば、COB構造のLEDモジュールに代えて、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いても構わない。SMD構造のLEDモジュールは、樹脂製のパッケージ(容器)の凹部の中にLEDチップ(発光素子)を実装して当該凹部内に封止部材(蛍光体含有樹脂)を封入したパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)を1個又は複数個、実装基板に実装した構成である。
また、上記実施の形態では、光源部110の光源としてLEDを例示したが、これに限らない。例えば、光源部110の光源としては、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等、LED以外の固体発光素子を用いてもよいし、蛍光ランプや高輝度ランプ等の既存のランプを用いてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。