JP6642962B2 - 車両の風向制御機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の外部から流入する空気の流通方向を調整可能な風向制御機構に関する。
特許文献1には、車両のフロントグリル開閉制御装置が記載されている。フロントグリルは、左右方向に水平に延びて上下方向に所定間隔で配置された複数のフィンを備えており、各フィンは、その左右両端の前後方向中間部がピンで車体に揺動自在に支持されるとともに、その後端が共通の駆動ロッドに枢支される。駆動ロッドをアクチュエータの出力軸に固定したアームで上下に押し引きすることで、フィンは、走行風を通過させてラジエータに導く開放状態と、走行風の通過を遮断する閉鎖状態との間で揺動する。
特許文献2には、ラジエーターシャッターが記載されている。ラジエーターシャッターは、矩形枠状のフレームと、フレームの軸受部に回動可能に支持される矩形平板状の複数のベーンと、各ベーンから突設されるアームと、アームに連結される連結プレートとで構成される。アームの先端部には円孔が形成され、連結プレートにはピンが突設される。アームの円孔に連結プレートのピンを嵌め込むことによって、全てのベーンが連結プレートによって連結される。連結プレートの下端部に取り付けられるアクチュエータが連結プレートを上下動させることによって全てのベーンがフレームの軸受部を中心として回動し、フレームの開口部が開閉される。
特許文献3には、空気調和機の吸入口開閉装置が記載されている。吸入口開閉装置は、吸入口を開閉するための複数の吸入グリル手段と、吸入グリル手段の両側の回転軸を回転可能に支持する支持手段と、吸入グリル手段の回転軸に取り付けられた従動ピニオンと、従動ピニオンと噛合するラックと、ラックを移動させる駆動手段とから構成される。従動ピニオンは、吸入グリル手段の下側に設置されたものほど順に小さな歯車比を有する。遅く回転する従動ピニオンを装着した上部の吸入グリル手段は開放角範囲が狭く、速く回転する従動ピニオンを装着した下部の吸入グリル手段は開放角範囲が広い。
特開2010−241228号公報 特開2008−260447号公報 特開平10−26393号公報
特許文献1に記載のフロントグリル(風向制御機構)では、各フィンの前後方向中間部がピンで車体に揺動自在に支持され、各フィンの後端が共通の駆動ロッドに直接枢支される。また、複数のフィンは、上下方向に所定間隔で配置されるので、各フィンの回転軸から後端までの距離がそれぞれ略同一である。このため、駆動ロッドを上下方向に所定の距離移動させた際の各フィンの傾動角度は略同一であり、開放状態(開状態)の複数のフィンが全て同じ角度となる。
しかし、車両の走行時に車両に流入する走行風の風向きや風速等は、流入時には車両前部の形状(例えば、フロントバンパの形状など)による影響を受け、流入後には車両の内部の構造体(例えば、フロントクロスメンバなど)による影響を受けるので、一様ではない。このため、例えば、冷却ファンを有する車両の熱交換器の上流側に特許文献1に記載の風向制御機構を配置した場合、開状態の複数のフィンの角度が全て同じなので、風向きや風速等が一様ではない走行風に対応することができず、熱交換器へ向かわない走行風の増大や、局所的な高風速の領域の発生に伴う通風抵抗の上昇などにより、冷却ファンの動力損失が生じるおそれがある。
特許文献2に記載のラジエーターシャッター(風向制御機構)では、複数のベーン(フィン)は、各フィンから突設されるアームの円孔に連結プレートのピンを嵌め込むことによって連結プレートに連結され、連結プレートを上下に移動させると、全てのフィンがフレームの軸受部を中心として回動する。このため、フィンを回動させる際の各フィンのアームの円孔の軌跡は、フレームの軸受部と中心とする同一半径の円弧状となる。すなわち、各フィンのフレームの軸受部からアームの円孔までの距離がそれぞれ略同一であるので、連結プレートを上下方向に所定の距離移動させた際の各フィンの傾動角度は略同一であり、開状態の複数のフィンが全て略同じ角度となり、上記特許文献1に記載されたフロントグリルと同様の不具合が生じるおそれがある。
特許文献3に記載の吸入口開閉装置(風向制御機構)では、径の大きさが異なる複数の従動ピニオンをラックに連結させることにより、ラックを上下方向に所定の距離移動させた際の各吸入グリル手段(フィン)の傾動角度に差を設け、開状態の複数のフィンの角度をフィンごとに変化させている。しかし、従動ピニオンの半径は、従動ピニオンの回転軸からラックまでの最短距離に規定されるので、従動ピニオンの回転軸及びラックの位置が決まった状態で、従動ピニオンの径を上記規定される半径以外の任意の大きさに設定すると、その従動ピニオンはラックと噛合せず、ラックに連動しない。例えば、特許文献3に記載の風向制御機構の従動ピニオンの回転軸を移動させることなくいずれか1つの従動ピニオンの径を小さくすると、その従動ピニオンがラックに噛合せず、従動ピニオンをラックに連動させるためには、従動ピニオンとラックとの間に補助の歯車を設けるなど、構造が複雑になるおそれがある。また、従動ピニオンをラックに噛合させるために従動ピニオンの回転軸をラック側に移動すると、従動ピニオンに連結されるフィンの閉状態から開状態への回転軌跡が他のフィンと異なるので、開状態のフィンの位置が前後方向に大きくずれて配置され、外観上の見栄えが悪くなる可能性がある。
そこで、本発明は、簡単な構造で開位置のフィンを所望の角度に設定可能な車両の風向制御機構の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本開示は、車両の外部から流入する空気の流通方向を調整可能な風向制御機構であって、フレームと第1の整流板と第2の整流板と可動部材と駆動手段とを備える。
フレームは、空気が流通する流路の外縁を区画する。第1の整流板は、流路に配置され空気の流通方向と交叉する所定方向に沿って延びる板状の第1のフィンと、空気の流通方向の上流側又は下流側に向かって第1のフィンから延びる第1のアーム部と、第1のアーム部に設けられる第1の係合部とを有し、第1のフィンと第1の係合部との間で上記所定方向に沿って延びる第1の回転軸を中心としてフレームに傾動自在に支持される。第2の整流板は、流路に配置され上記所定方向に沿って延びる板状の第2のフィンと、第1のアーム部と同側に向かって第2のフィンから延びる第2のアーム部と、第2のアーム部に設けられる第2の係合部とを有し、第2のフィンと第2の係合部との間で上記所定方向に沿って延びる第2の回転軸を中心としてフレームに傾動自在に支持される。可動部材は、第1の係合部と係合する第1の被係合部と、第2の係合部と係合する第2の被係合部とを有し、第1の係合部と第1の被係合部とが係合し、第2の係合部と第2の被係合部とが係合することによって、第1の整流板と第2の整流板とに連結される。駆動手段は、可動部材を移動させる。第1の係合部及び第1の被係合部の一方は、直線状の第1のスライド孔であり、他方は、第1のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第1の係止突起である。第2の係合部及び第2の被係合部の一方は、直線状の第2のスライド孔であり、他方は、第2のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第2の係止突起である。可動部材に第1の整流板と第2の整流板とが連結された状態で、第2の回転軸と第2の係止突起との距離は、第1の回転軸と第1の係止突起との距離よりも長い。第1のスライド孔と第1の係止突起との係合は、第1の回転軸を中心として第1のフィンが傾動する際の可動部材の直線的な移動を許容する。第2のスライド孔と第2の係止突起との係合は、第2の回転軸を中心として第2のフィンが傾動する際の可動部材の直線的な移動を許容する。駆動手段は、可動部材を直線的に移動させる。第1のフィンと第2のフィンとは、可動部材の直線的な移動に連動して傾動する。
本発明の第1の態様は、上記開示の風向制御機構であって、第1の整流板と第2の整流板とは、流通方向及び上記所定方向の双方と交叉する方向に互いに隣接する。第1のアーム部は、空気の流通方向の下流側に向かって第1のフィンから延び、第1の係合部は、第1のアーム部の延設方向に沿って直線状に延びる第1のスライド孔であり、第1の被係合部は、第1のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第1の係止突起である。第2の係合部は、第2のアーム部の延設方向に沿って直線状に延びる第2のスライド孔であり、第2の被係合部は、第2のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第2の係止突起である

上記構成では、第1のアーム部の第1の係合部が可動部材の第1の被係合部と係合し、第2のアーム部の第2の係合部が可動部材の第2の被係合部と係合して、可動部材が第1及び第2の整流板に連結された状態(以下、可動部材の連結状態という)で、駆動手段が可動部材を直線的に移動させるので、可動部材が移動する際の第1及び第2の係合部の移動距離(以下、ストローク幅という)は等しい。このように、第1及び第2の係合部のストローク幅が等しく、且つ第2の回転軸と第2の係合部との距離が第1の回転軸と第1の係合部との距離よりも長いので、連結状態の可動部材が駆動手段によって直線的に移動した際の第2の回転軸を中心とした第2の係合部の傾動角度は、第1の回転軸を中心とした第1の係合部の傾動角度よりも小さくなる。このため、可動部材に連動した第1のフィンの傾動角度と第2のフィンの傾動角度とを比較すると、第2のフィンの傾動角度は第1のフィンの傾動角度よりも小さくなる。
例えば、第1及び第2のフィンが空気の流通方向と略直交する閉位置から可動部材に連動してそれぞれ開位置に傾動した場合、第1のフィンの閉位置からの傾動角度は第2のフィンの閉位置からの傾動角度よりも小さくなる。すなわち、各々の開位置において、空気の流入方向に対する傾斜角度(以下、単に傾斜角度という)は、第1のフィンと第2のフィンとで相違する(例えば、両フィンの傾斜角度<90度の場合、第1のフィンの傾斜角度<第2のフィンの傾斜角度)。また、開位置での第1のフィンの傾斜角度は、第1の回転軸から第1の係合部までの距離の増減に応じて減増し、開位置での第2のフィンの傾斜角度は、第2の回転軸から第2の係合部までの距離の増減に応じて減増する。従って、第1及び第2の回転軸と第1及び第2の係止突起との距離を変更・調整するという構造上の簡易な変更によって、第1及び第2のフィンの開位置の傾斜角度を所望の角度に設定することができる。
なお、第1及び第2の係合部がともにスライド孔であり、第1及び第2の被係合部がともに係合突起である場合や、第1及び第2の係合部がともに係合突起であり、第1及び第2の被係合部がともにスライド孔である場合には、可動部材の連結状態における第2の回転軸と第2の係止突起との距離と第1の回転軸と第1の係止突起との距離との大小関係は、可動部材の位置(第1及び第2のフィンの傾斜角度)によって逆転することなく、常に同じ関係に維持される。
また、可動部材の連結状態において第1の回転軸と第1の係止突起との距離と第2の回転軸と第2の係止突起との距離とが相違する条件下での可動部材の直線的な移動は、第1及び第2の係止突起を直線状の第1及び第2のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在にそれぞれ係合することによって許容される。従って、整流板のアーム部及び可動部材の一方にスライド孔を設け、他方に係止突起を設けるという簡単な構造によって、第1のフィン及び第2のフィンの傾動角度を相違させることができる。
また、第1及び第2のフィンの開位置の傾斜角度を所望の角度に設定することができるので、フレームが区画する空気の流路へ流入することなく流路の一端(例えば、下端)の外側を通過する空気が流路側へ流入するように、開位置のフィンの上流側を流路の外側へ向けて傾斜させることによって、流路を通過する空気を増加させることができる。このため、例えば、冷却ファンを有する車両の熱交換器の上流側に風向制御機構を配置した場合、車両走行中に熱交換器へ向かう空気(冷却風)の量を増加させることができるので、冷却ファンの動力損失を軽減することができ、燃費を向上させることができる。また、冷却風量を増加させることができるので、熱交換機の内部の冷却水等を短時間で冷却することができ、冷却風を必要としない冷却水温での走行時間を増大させることができる。このため、冷却風を必要としない冷却水温の時には、閉位置のフィンが空気の流路を閉塞する閉状態になるように設定することにより、閉状態での走行時間が増大させることができる。閉状態で車両を走行させると、車両の内部への空気の流入を防止することができ、車両走行時の車両の内部抵抗が低下するので、車両の空力性能が向上して空気抵抗が低下し、燃費を向上させることができる。
また、上述のように熱交換器の上流側に風向制御機構を配置し、風向制御機構と熱交換器との間の領域(熱交換器前方領域)に局所的に車両走行中に高風速の領域(高風速領域)が発生する場合、高風速領域へ流入する冷却風を低風速の領域(低風速領域)へ拡散させるように開位置のフィンの傾斜角度を設定することによって、熱交換器前方領域における高風速領域と低風速領域との間の風速差を減少させて、熱交換器前方領域における局所的な高風速領域の発生を緩和することができる。局所的な高風速領域の発生を緩和することにより熱交換器を通過する冷却風の通風抵抗が低下するので、冷却ファンの動力損失を軽減することができ、燃費を向上させることができる。また、熱交換器を通過する冷却風の通風抵抗を低下させることができるので、車両走行時の車両の内部抵抗を低下させることができ、走行抵抗を低下させて燃費を向上させることができる。
本発明によれば、簡単な構造で開位置のフィンを所望の角度に設定できる。
本発明に係る風向制御機構の一実施形態であるグリルシャッタを備える車両の前部斜視図である。 図1の車両の前部構造の模式的な側面図である。 グリルシャッタの閉状態の外観斜視図である。 グリルシャッタの開閉動作を示す側断面図であり、(a)は閉状態を、(b)は開状態を示す。 グリルシャッタの開閉動作の要部を示す側面図であり、(a)は閉状態を、(b)は開状態を示す。 グリルシャッタの整流部材の概略側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係るグリルシャッタ(風向制御機構)10を備える車両1は、キャブ2が概ねエンジン3(図2参照)の上方に配置されるキャブオーバー型のトラックであって、キャブ2の前端で略鉛直方向に起立するフロントパネル4と、フロントパネル4の下方に配置されるフロントグリル5とを有する。フロントグリル5は、車幅方向に延びる複数の板状部材5aを有する。フロントグリル5の複数の板状部材5aは、車両1の外部から内部へ空気を取り入れるための複数の吸気口6を区画する。
図2に示すように、車両1の内部には、グリルシャッタ10、インタークーラ11、ラジエータ12、ラジエータファン13、及びエンジン3などが配置される。グリルシャッタ10は、フロントグリル5の後方に配置され、車両1の外部からフロントグリル5の複数の吸気口6(図1参照)を通過して車両1の内部に流入する空気(以下、冷却風という)の流通方向を調整する。インタークーラ11は、グリルシャッタ10の後方に配置され、エンジン3の過給機(図示省略)によって圧縮されて高温化した空気を、冷却風との間で熱交換を行うことによって冷却する。ラジエータ12は、インタークーラ11の後方に配置され、エンジン3などを冷却するための冷却水を、冷却風との間で熱交換を行うことによって冷却する。ラジエータファン13は、ラジエータ12の後方に配置される軸流ファンであって、ファン回転軸14を介してエンジン3に連結され、ファン回転軸14から伝達されるエンジン3の動力によって回転する。ラジエータファン13は、インタークーラ11やラジエータ12を通過させる冷却風をフロントグリル5の複数の吸気口6から取り入れる。
図3に示すように、グリルシャッタ10は、矩形枠状のフレーム15と、複数(本実施形態では、8つ)の整流板16と、開閉バー(可動部材)17と、アクチュエータ(駆動手段)18とを備える。複数の整流板16は、上側の4つの整流板(第1の整流板)16Uと下側の4つの整流板(第2の整流板)16Dとによって構成される。なお、上側の4つの整流板16Uは、それぞれほぼ同様の構成を有するため、以下では上から4番目の上側の整流板16U(以下、単に上側の整流板16Uという)について説明し、他の3つの上側の整流板16Uについてはその詳しい説明を省略する。また、下側の4つの整流板16Dは、それぞれほぼ同様の構成を有するため、以下では下から4番目の下側の整流板16D(以下、単に下側の整流板16Dという)について説明し、他の下側の3つの整流板16Dについてはその詳しい説明を省略する。また、上側の整流板16Uと下側の整流板16Dとで共通する構成に関しては、整流板16として説明する。
フレーム15は、上板15a、下板15b、及び左右の側板15c,15dによって一体的に形成される矩形枠状体であって、車両1の外部からフロントグリル5の複数の吸気口6を通過して車両1の内部へ流入する冷却風の流路23の外縁を区画する。上板15aの車幅方向左側の端部には、開閉バー17が挿通するバー挿通孔19が形成される。左右の側板15c,15dのそれぞれには、後述する複数の整流板16の支持軸20を回転自在に支持する複数(本実施形態では、8つ)の支持孔21(図中には、左の側板15cの支持孔21のみを示す)が、上下方向に沿って延びる直線上に所定の間隔をあけて並んで配置されて形成される。
図3〜図5に示すように、複数の整流板16は、冷却風の流路23に配置され車幅方向(空気の流通方向と交叉する所定方向)に沿って延びる平板状のフィン22と、フィン22の車幅方向両端部から後方(空気の流通方向の下流側)へ向かって延びる左右1対のアーム部24と、左右のアーム部24に設けられる長孔状のスライド孔25とをそれぞれ有し、後述する支持軸20の回転軸を中心としてフレーム15に傾動自在にそれぞれ支持される。スライド孔25は、アーム部24の延設方向に沿って直線状に延びて車幅方向に貫通する。整流板16は、閉状態(図4(a)参照)と開状態(図4(b)参照)とに設定可能である。閉状態では、図4(a)に示すように、複数の整流板16のフィン22は、冷却風の流路23を閉止する閉位置に位置する。開状態では、図4(b)に示すように、複数の整流板16のフィン22は、冷却風の流路23を前後方向に開放する開位置に位置する。閉位置の全てのフィン22は、略垂直方向に延びて起立する。開位置の上側の整流板16Uのフィン(第1のフィン)22Uは、略水平方向に延び、開位置の下側の整流板16Dのフィン(第2のフィン)22Dは、前下方へ傾斜して延びる。なお、左右1対のアーム部24は、グリルシャッタ10の左右に対称的に設けられ、それぞれほぼ同様の構成を有するため、以下では左側のアーム部24について説明し、右側のアーム部24についてはその詳しい説明を省略する。
アーム部24は、閉位置のフィン22の後面の車幅方向左側の端部に起立した状態で溶接等によって固定されて後方へ延びる平板状の前部領域26と、前部領域26の後端部に固定的に設けられて車幅方向外側へ突出する支持軸20と、前部領域26の後端に溶接等によって固定され、閉状態で前部領域26側(支持軸20側)から斜め後上方へ延びる平板状の後部領域27とを一体的に有する。支持軸20は、車幅方向に延びる回転軸を中心とする円柱体であって、閉位置のフィン22の上下方向の中央部と略同じ高さ位置に配置され、フレーム15の側板15cの支持孔21(図3参照)に回転自在に支持される。前部領域26は、支持軸20と前方のフィン22とを連結する。後部領域27は、支持軸20と開閉バー17とを連結する。なお、上側の整流板16Uのアーム部(第1のアーム部)24Uと下側の整流板16Dのアーム部(第2のアーム部)24Dとにおいて、前部領域26Uと前部領域26Dとは同じ長さで形成されるが、後部領域27Uと後部領域27Dとは、後述するように異なる長さに形成される。
スライド孔25は、後部領域27の後端部に配置され、後部領域27の延設方向に沿って直線状に延びて車幅方向に貫通する。
開閉バー17は、フレーム15のバー挿通孔19を挿通して上下方向に沿って延びる平板体であって(図3参照)、円柱状の複数(本実施形態では、8つ)の係止突起28を有し、アーム部24の後部領域27に車幅方向内側から重なる位置に配置される。複数の係止突起28は、複数の整流板16のスライド孔25に対応する位置に配置され、スライド孔25に車幅方向内側から挿通し、スライド孔25にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する。この開閉バー17の係止突起28とアーム部24のスライド孔25との係合によって、複数の整流板16と開閉バー17とが連結される。図4(a)及び図4(b)に示すように、複数の係止突起28のうちの上側の4つの係止突起(第1の被係合部)28Uは、開閉バー17の前後方向中央部よりも前側で、上下方向に沿って延びる直線上に所定の間隔をあけて並んで配置されて車幅方向外側へ突出する。複数の係止突起28のうちの下側の4つの係止突起(第2の被係合部)28Dは、開閉バー17の前後方向中央部よりも後側で、上下方向に沿って延びる直線上に所定の間隔をあけて並んで配置されて車幅方向外側へ突出する。なお、上側の4つの係止突起28Uが並ぶ方向、及び下側の4つの係止突起28Dが並ぶ方向は、フレーム15の複数の支持孔21(支持軸20)が並ぶ方向と略平行に設定される。
アクチュエータ18は、ソレノイドアクチュエータであって、ソレノイド本体29とソレノイド本体29にスライド移動自在に挿入されるプランジャ30とを有し、開閉バー17の上方に配置されて車体(図示省略)に対して固定される。プランジャ30の先端には、開閉バー17の上端が固定されて連結される。プランジャ30は、その先端がソレノイド本体29から僅かに突出した上位置(図4(a)及び図5(a)参照)と、その先端がソレノイド本体29から大きく突出した下位置(図4(b)及び図5(b)参照)との間をスライド移動する。アクチュエータ18は、コントローラ(図示省略)に制御されて非励磁状態から励磁状態になり、再度非励磁状態に戻るという一連の状態移行を行う。アクチュエータ18は、非励磁状態から励磁状態になると、プランジャ30を上位置及び下位置の一方から他方の位置に移動させて、その後、非励磁状態になるとプランジャ30を他方の位置に維持する。アクチュエータ18のプランジャ30が上位置と下位置との間の所定の距離St(以下、ストローク幅Stという)だけ移動すると、プランジャ30に連結された開閉バー17も上下方向に直線的に上記所定のストローク幅Stだけ上下方向に沿って移動する。すなわち、開閉バー17が移動する方向は、フレーム15の複数の支持孔21(支持軸20)が並ぶ方向と略平行である。インタークーラ11やラジエータ12による空気や冷却水の冷却が不要である場合には、コントローラ(図示省略)は、アクチュエータ18を制御してプランジャ30を上位置に配置し、グリルシャッタ10を閉状態にする。
図5(a)及び図5(b)に示すように、上側の整流板16Uのスライド孔(第1の係合部、第1のスライド孔)25U及び下側の整流板16Dのスライド孔(第2の係合部、第2のスライド孔)25Dと係合する開閉バー17の係止突起(第1の被係合部,第2の被係合部)28U,28Dのストローク幅Stはそれぞれ等しい。また、上側の係止突起28Uは、上下方向に沿って延びる開閉バー17の前後方向中央部よりも前側に配置され、下側の係止突起28Dは、開閉バー17の前後方向中央部よりも後側に配置されるので、上側の整流板16U及び下側の整流板16Dが開閉バー17に連結された状態(以下、開閉バー17との連結状態という)で、下側の整流板16Dの支持軸20Dの回転軸(第2の回転軸)と係止突起(第2の被係合部)28Dとの間の距離は、上側の整流板16Uの支持軸20Uの回転軸(第1の回転軸)と係止突起(第1の被係合部)28Uとの間の距離よりも長い。このため、下側の整流板16Dのアーム部24Dの後部領域27Dの長さは、上側の整流板16Uのアーム部24Uの後部領域27Uの長さよりも長い。
次に、開位置のフィン22の下流側から上流側への俯角(以下、単に俯角という)を所望の角度(例えば、角度θ)に設定する際の、開閉バー17の係止突起28の位置の設定について、図6に基づいて説明する。開位置(図中の実線で示す位置)のフィン22の俯角を角度θに設定する場合、整流板16のフィン22が閉位置では略垂直方向に延びているので、閉位置(図中の2点鎖線の位置31)から開位置へのフィン22の傾動角度は、(90−θ)度となり、アーム部24の後部領域27の傾動角度も(90−θ)度となる。このため、開閉バー17がストローク幅St(mm)だけ移動する際に、開閉バー17の係止突起28がアーム部24の後部領域27を(90−θ)度傾動させるように、開閉バー17の係止突起28を配置する必要がある。そこで、開位置における係止突起28の中心軸と閉位置における係止突起28の中心軸と支持軸20の回転軸とを頂点とする三角形が、ストローク幅Stの辺を底辺とする二等辺三角形になるように、支持軸20の回転軸から開位置(又は閉位置)における係止突起28の中心軸までの距離R(mm)を算出し、距離Rに基づいて開位置(又は閉位置)における係止突起28の位置を設定する。すなわち、係止突起28が支持軸20の回転軸から最も離間した位置における、支持軸20の回転軸から係止突起28の中心軸までの距離Rを算出し、上記三角形が、ストローク幅Stの辺を底辺として距離Rの辺を2つ有する二等辺三角形になるように係止突起28の位置を設定する。
ストローク幅Stを底辺とする二等辺三角形は、支持軸20の回転軸を頂点(図中に示す頂点A)とする角が底辺(St)の対角となり、頂点Aの角度は(90−θ)度となる。頂点Aから底辺(St)まで底辺(St)に直交する仮想線を引くと、該仮想線の辺、底辺(St)の半分の辺、及び距離Rの辺を3つの辺とする直角三角形ができ、上記仮想線の辺と距離Rの辺との間の角度は、(90−θ)度の半分の角度となる。従って、上記所定のストローク幅Stと、開位置のフィン22の俯角の角度θとを次式(1)に代入して、距離Rを算出する。
R=(St/2)/sin((90−θ)/2) ・・・(1)
なお、Rは開位置(又は閉位置)における支持軸20の回転軸から係止突起28の中心軸までの距離(mm)であり、Stは所定のストローク幅(mm)であり、θは開位置のフィン22の俯角の角度(度)である。
距離Rを算出することにより、アーム部24の先端34(以下、アーム先端34という)側のスライド孔25の端部の位置が決定し、アーム部24(後部領域27)の最低限必要な長さも決定する。スライド孔25のアーム先端34側の端部の位置は、支持軸20の回転軸から距離Rだけ離れる係止突起28の挿通を許容する孔の位置である。
次に、アーム部24のスライド孔25の位置(長さを含む)の設定について説明する。開閉バー17の係止突起28は、開閉バー17が上下方向に移動する際、アーム部24のスライド孔25を相対的にスライド移動するとともに、開閉バー17の動きに沿って上記二等辺三角形の底辺(St)上を上下方向に直線的に移動する。係止突起28は、上下方向に直線的に移動する際、上記二等辺三角形の底辺(St)の半分まで移動した位置(図中の位置33)で支持軸20の回転軸に最も近付く。すなわち、支持軸20の回転軸から係止突起28の中心軸までの距離は、開位置(又は閉位置)における距離Rが最も長く、底辺(St)の半分まで移動した位置(図中の位置33)における距離Rm(mm)が最も短い。このため、最低限必要なアーム部24のスライド孔25の長さは、支持軸20の回転軸から距離Rだけ離れる係止突起28の挿通を許容する孔から、支持軸20の回転軸から距離Rmだけ離れる係止突起28の挿通を許容する孔までを連続する長さであり、上記式(1)によって求められる距離Rと距離Rmとに基づいて設定することができる。従って、上記所定のストローク幅Stと、開位置のフィン22の俯角の角度θとを次式(2)に代入して、距離Rmを算出する。
Rm=(St/2)/tan((90−θ)/2) ・・・(2)
なお、Rmは係止突起28が最も支持軸20の回転軸に近づいた位置における支持軸20の回転軸から係止突起28の中心軸までの距離(mm)である。
距離Rmを算出することにより、スライド孔25の支持軸20側の端部の位置を決定することができる。スライド孔25の支持軸20側の端部の位置は、支持軸20の回転軸からアーム部24の先端側に向かって距離Rmだけ離れる係止突起28の挿通を許容する孔の端部の位置である。このように、距離R及び距離Rmを算出することにより、スライド孔25のアーム先端34側の端部の位置と、スライド孔25の支持軸20側の端部の位置とを決定し、両位置を連続して直線上に延びるようにスライド孔25を形成して、スライド孔25の位置及び長さを設定する。すなわち、スライド孔25の長さは、少なくとも距離Rと距離Rmとの差Ls(mm)に係止突起28の直径を加えた長さよりも長い。
なお、上記式(1)及び上記式(2)による開閉バー17の係止突起28の位置、及びアーム部24のスライド孔25の位置の設定は、上側の整流板16U及び下側の整流板16Dのいずれの整流板16に対しても共通に行える。上側の整流板16Uのフィン22Uを設定する場合の俯角の角度θはゼロ(θ=0)である。
次に、グリルシャッタ10を閉状態から開状態にする際の開閉バー17と整流板16の動きについて説明する。図4(a)及び図5(a)に示すように、閉状態では、アクチュエータ18のプランジャ30が上位置に位置し、開閉バー17がプランジャ30に上方へ引き上げられている。開閉バー17の係止突起28が整流板16の支持軸20の後上方に位置し、アーム部24の後部領域27が支持軸20側から後上方へ延びる。係止突起28は、スライド孔25のアーム先端34側の端部を挿通する。グリルシャッタ10を閉状態から開状態にする際には、アクチュエータ18のプランジャ30が上位置から下位置へ移動し、開閉バー17が上方から下方へ押し下げられる。開閉バー17が上方から下方へ移動する際、係止突起28は、直線状に下方へ移動し、スライド孔25の下縁を下方へ押し下げながら、複数の整流板16を傾動させる。整流板16が傾動する際、アーム部24のスライド孔25は、支持軸20の回転軸を中心として下方へ傾動する。係止突起28は、スライド孔25に対して相対的に、回転しながらアーム先端34側から支持軸20側へスライド移動する。係止突起28が支持軸20の回転軸と略同じ高さ位置になった時に、スライド孔25が略水平に延び、係止突起28がスライド孔25の支持軸20側の端部に位置し、係止突起28が支持軸20に最も近付く。そこからさらに、係止突起28は、直線状に下方へ移動しつつ、スライド孔25に対して相対的に、回転しながら支持軸20側からアーム先端34側へスライド移動する。係止突起28がスライド孔25のアーム先端34側の端部へ到達すると、グリルシャッタ10が開状態となる。図4(b)及び図5(b)に示すように、開状態では、係止突起28が整流板16の支持軸20の後下方に位置し、アーム部24の後部領域27が支持軸20側から後下方へ延びる。開閉バー17の係止突起28は、スライド孔25のアーム先端34側の端部を挿通する。このように、スライド孔25に対する係止突起28のスライド移動によって、支持軸20の回転軸を中心として整流板16が傾動する際の開閉バー17の上下方向の直線的な移動が許容されるとともに、開閉バー17の上下方向の直線的な移動に連動した整流板16の傾動も許容される。なお、グリルシャッタ10を開状態から閉状態にする際には、上記閉状態から開状態にする場合とは上下逆の動きをする。
上記のように構成されたグリルシャッタ10では、開閉バー17が移動する際の係止突起28U,28Dのストローク幅Stは等しい。また、開閉バー17との連結状態で、下側の整流板16Dの支持軸20Dの回転軸と係止突起28Dとの距離が、上側の整流板16Uの支持軸20Uの回転軸と係止突起28Uとの距離よりも長い。このため、開閉バー17が直線的に移動した際の下側の整流板16Dの支持軸20Dの回転軸を中心とした係止突起28Dの傾動角度が、上側の整流板16Uの支持軸20Uの回転軸を中心とした係止突起28Uの傾動角度よりも小さくなるので、開閉バー17に連動した下側の整流板16Dのフィン22Dの傾動角度は、上側の整流板16Uのフィン22Uの傾動角度よりも小さくなる。このように、開位置における冷却風の流入方向に対するフィン22の傾斜角度(以下、単に傾斜角度という)は、支持軸20の回転軸から係止突起28までの距離の増減に応じて減増するので、支持軸20の回転軸から係止突起28までの距離を変更・調整するという構造上の簡易な変更によって、開位置におけるフィン22の傾斜角度を所望の角度に設定することができる。
また、開閉バー17との連結状態において、上側の整流板16Uの支持軸20Uの回転軸と係止突起28Uとの距離と、下側の整流板16Dの支持軸20Dの回転軸と係止突起28Dとの距離とが相違する条件下での開閉バー17の直線的な移動は、係止突起28U,28Dを直線状のスライド孔25U,25Dにスライド移動自在で且つ回転自在にそれぞれ係合することによって許容される。従って、整流板16にスライド孔25を設け、開閉バー17に係止突起28を設けるという簡単な構造によって、上側の整流板16Uのフィン22Uと下側の整流板16Dのフィン22Dの傾動角度を相違させることができる。
従って、本実施形態によれば、簡単な構造で開位置のフィン22を所望の角度に設定することができる。
また、車両走行中は車両1の車体と路面との間の空気の流れが速いので、フロントグリル5の吸気口6から車両1の内部へ流入した走行風には、グリルシャッタ10の流路23の下端の外側(車体の下方側)への流れが発生する。しかし、下側の4つの整流板16Dのフィン22Dが前下方へ傾斜しているので、車体の下方側へ向かう走行風がグリルシャッタ10の流路23側へ流れ易い。このため、フロントグリル5の吸気口6から車両1の内部へ流入した走行風が車体の下方側へ流れてしまうことによるラジエータ12等の冷却風の流量(冷却風量)の減少を抑制することができるので、ラジエータファン13の動力損失を軽減することができ、燃費を向上させることができる。
また、冷却風量の減少を抑制することができるので、ラジエータ12の内部の冷却水等を短時間で冷却することができ、冷却風を必要としない冷却水温での走行時間を増大させて、グリルシャッタ10の閉状態での走行時間を増大させることができる。閉状態での走行中は車両1の内部への空気の流入が抑えられ、車両1の内部抵抗が低下するので、車両1の空力性能が向上して空気抵抗が低下し、燃費を向上させることができる。
また、上側の整流板16Uの前部領域26Uと下側の整流板16Dの前部領域26Dとが同じ長さで形成されるので、上側の整流板16Uのフィン22Uと下側の整流板16Dのフィン22Dとでそれぞれの支持軸20U,20Dの回転軸に対する回転軌跡が同じである。また、複数の整流板16の支持軸20が上下方向に延びる直線上に配置される。このため、各フィン22U,22Dの回転軌跡の相違や、支持軸20U,20Dの前後方向の位置の相違による外観上の見栄えの低下を防止することができる。
なお、本実施形態では、開状態でのフィン22の傾斜角度が異なる2種類の整流板(上側の整流板16U及び下側の整流板16D)をグリルシャッタ10に設けたが、これに限定されるものではなく、傾斜角度が異なる3種類以上の複数の整流板をグリルシャッタ10に設けてもよい。この場合、複数の整流板の中から2つの整流板を選択し、選択した2つの整流板を比較して、開閉バー17との連結状態において支持軸20から係止突起28までの距離が短い一方の整流板が第1の整流板であり、他方の整流板が第2の整流板である。すなわち、傾斜角度が異なる3種類以上の複数の整流板をグリルシャッタ10に設けた場合には、選択する整流板の組み合わせによって1つの整流板が、第1の整流板にも第2の整流板にもなり得る。
また、本実施形態では、8つの整流板16がグリルシャッタ10に設けられたが、これに限定されるものではなく、開閉バー17との連結状態で支持軸20の回転軸と係止突起28との距離が異なる少なくとも2つの整流板16がグリルシャッタ10に設けられていればよい。
また、本実施形態では、開状態において、上側の4つの整流板16Uのフィン22Uの傾斜角度を全て同じ角度に設定し、下側の4つの整流板16Dのフィン22Dの傾斜角度を全て同じ角度に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、開状態において、8つの整流板16のフィン22の傾斜角度を全て異なる任意の角度に設定してもよい。
また、本実施形態では、アーム部24にスライド孔25を設け、開閉バー17に係止突起28を設けたが、アーム部24に係止突起を設け、開閉バー17にスライド孔を設けてもよい。この場合、開閉バー17が上下方向に直線移動すると、アーム部24の係止突起は、支持軸20の回転軸を中心とする円弧上を移動し、開閉バー17の直線移動中における支持軸20の回転軸から係止突起までの距離は変化しない。この場合であっても、上記式(1)によって、支持軸20の回転軸から係止突起の中心軸までの距離Rを算出して、距離Rに基づいてアーム部24(後部領域27)の最低限必要な長さを算出することができる。また、開閉バー17のスライド孔は、前後方向に直線状に延びる長孔状のスライド孔となり、その長さは、上記式(1)及び式(2)から距離Rと距離Rmとを算出し、その差Lsに基づいて算出することができる。
また、本実施形態では、上側の整流板16U及び下側の整流板16Dにスライド孔25U,25Dを設け、開閉バー17に係止突起28U,28Dを設けたが、これに限定されるものではなく、上側の整流板16U及び下側の整流板16Dに係止突起28U,28Dを設け、開閉バー17に前後方向に延びるスライド孔25U,25Dを設けてもよい。この場合であっても、開閉バー17の連結状態における上側の整流板16Uの支持軸20Uの回転軸と係止突起28Uの中心軸との距離と、下側の整流板16Dの支持軸20Dの回転軸と係止突起28Dの中心軸との距離との大小関係(以下、距離Rの大小関係という)は、開状態から閉状態(或いは、閉状態から開状態)への移動中の開閉バー17の位置(フィン22U,22Dの傾斜角度)によって逆転することなく、常に同じ関係に維持される。
また、上側の整流板16Uにスライド孔25Uを設け、下側の整流板16Dに係止突起28Dを設け、開閉バー17に係止突起28U及びスライド孔25Dを設けてもよい。或いは、上側の整流板16Uに係止突起28Uを設け、下側の整流板16Dにスライド孔25Dを設け、開閉バー17に係止突起28D及びスライド孔25Uを設けてもよい。いずれの場合であっても、上側の整流板16Uと下側の整流板16Dとの間における距離Rの大小関係が、開状態から閉状態(或いは、閉状態から開状態)への移動中の開閉バー17の位置(フィン22U,22Dの傾斜角度)によって逆転することなく常に同じ関係に維持される場合には、開閉バー17に連動した下側の整流板16Dのフィン22Dの傾動角度は、上側の整流板16Uのフィン22Uの傾動角度よりも小さい。
また、本実施形態では、開閉バー17をフィン22よりも後方に配置し、フィン22から後方(空気の流通方向の下流側)へ向かって延びる全ての整流板16のアーム部24によって全ての整流板16と開閉バー17とを連結したが、開閉バー17をフィン22よりも前方に配置し、フィン22から前方(空気の流通方向の上流側)へ向かって延びる全ての整流板16のアーム部24によって全ての整流板16と開閉バー17とを連結してもよい。すなわち、開閉バー17をフィン22よりも前方に配置し、前方へ向かって延びる上側の整流板16Uのアーム部24Uと、前方(上側の整流板16Uのアーム部24Uが延びる方向と同側)へ向かって延びる下側の整流板16Dのアーム部24Dとによって全ての整流板16と開閉バー17とを連結してもよい。
また、スライド孔25は、車幅方向に貫通してなくてもよく、有底のスライド孔であってもよい。
また、本実施形態では、アクチュエータ18のプランジャ30が上位置に達する際に複数の整流板16が閉状態に移行し、アクチュエータ18のプランジャ30が下位置に達する際に複数の整流板16が開状態に移行したが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ18のプランジャ30が上位置に達する際に複数の整流板16が開状態に移行し、アクチュエータ18のプランジャ30が下位置に達する際に複数の整流板16が閉状態に移行してもよい。
また、本実施形態では、複数の整流板16は、開状態と閉状態との間を移行したが、開状態と閉状態ではない他の状態との間を移行してもよい。すなわち、複数の整流板16は、フィン22が冷却風の流路23を閉止する閉状態にならなくてもよい。
また、本実施形態では、上下方向に延びる平板体の開閉バー17を可動部材に適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、柱状のロッドなど他の形状の部材を可動部材に適用してもよい。
また、本実施形態では、ソレノイドアクチュエータ(アクチュエータ18)を駆動手段に適用し、アクチュエータ18によって開閉バー17を移動させたが、これに限定されるものではなく、例えば、モータなどによって開閉バー17を移動させてもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、風向制御機構をキャブオーバー型のトラックのグリルシャッタに適用したが、乗用車等の車両のグリルシャッタ等に適用してもよい。
また、上記実施形態では、複数の整流板16の開状態における傾斜態様として、グリルシャッタ10の流路23の下端の外側(車体の下方側)へ向かう空気をグリルシャッタ10の流路23側へ案内するように下側の整流板16Dのフィン22Dを前下方に傾斜させたが、これに限定されるものではなく、例えば、車両走行中にグリルシャッタ10とラジエータ12との間の領域(ラジエータ前方領域)のうちの上部に局所的に高風速の領域(高風速領域)が発生する場合には、高風速領域の前方のフィン22を開状態で後下方へ傾斜させてもよい。この場合、高風速領域へ流入する冷却風を高風速領域の下方の低風速の領域(低風速領域)へ拡散させて、ラジエータ前方領域における高風速領域と低風速領域との間の風速差を減少させることができるので、ラジエータ前方領域における局所的な高風速領域の発生を緩和することができる。このように、ラジエータ前方領域の局所的な高風速領域の発生を緩和することによりラジエータ12を通過する冷却風の通風抵抗が低下するので、ラジエータファン13の動力損失を軽減することができ、燃費を向上させることができる。また、ラジエータ12を通過する冷却風の通風抵抗を低下させることができるので、車両走行時の車両1の内部抵抗を低下させることができ、走行抵抗を低下させて燃費を向上させることができる。
1:車両
10:グリルシャッタ(風向制御機構)
15:フレーム
16U:上側の整流板(第1の整流板)
16D:下側の整流板(第2の整流板)
17:開閉バー(可動部材)
18:アクチュエータ(駆動手段)
20:支持軸
22U:上側の整流板のフィン(第1のフィン)
22D:下側の整流板のフィン(第2のフィン)
23:流路
24U:上側の整流板のアーム部(第1のアーム部)
24b:下側の整流板のアーム部(第2のアーム部)
25U:上側の整流板のスライド孔(第1の係合部、第1のスライド孔)
25D:下側の整流板のスライド孔(第2の係合部、第2のスライド孔)
28U:係止突起(第1の被係合部、第1の係止突起)
28D:係止突起(第2の被係合部、第2の係止突起)

Claims (1)

  1. 車両の外部から流入する空気の流通方向を調整可能な風向制御機構であって、
    空気が流通する流路の外縁を区画するフレームと、
    前記流路に配置され空気の流通方向と交叉する所定方向に沿って延びる板状の第1のフィンと、空気の流通方向の下流側に向かって前記第1のフィンから延びる第1のアーム部と、前記第1のアーム部に設けられる第1の係合部とを有し、前記第1のフィンと前記第1の係合部との間で前記所定方向に沿って延びる第1の回転軸を中心として前記フレームに傾動自在に支持される第1の整流板と、
    前記流路に配置され前記所定方向に沿って延びる板状の第2のフィンと、前記第1のアーム部と同側に向かって前記第2のフィンから延びる第2のアーム部と、前記第2のアーム部に設けられる第2の係合部とを有し、前記第2のフィンと前記第2の係合部との間で前記所定方向に沿って延びる第2の回転軸を中心として前記フレームに傾動自在に支持される第2の整流板と、
    前記第1の係合部と係合する第1の被係合部と、前記第2の係合部と係合する第2の被係合部とを有し、前記第1の係合部と前記第1の被係合部とが係合し、前記第2の係合部と前記第2の被係合部とが係合することによって、前記第1の整流板と前記第2の整流板とに連結される可動部材と、
    前記可動部材を移動させる駆動手段と、を備え、
    前記第1の整流板と前記第2の整流板とは、前記流通方向及び前記所定方向の双方と交叉する方向に互いに隣接し、
    前記第1の係合部は、前記第1のアーム部の延設方向に沿って直線状に延びる第1のスライド孔であり、前記第1の被係合部は、前記第1のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第1の係止突起であり、
    前記第2の係合部は、前記第2のアーム部の延設方向に沿って直線状に延びる第2のスライド孔であり、前記第2の被係合部は、前記第2のスライド孔にスライド移動自在で且つ回転自在に係合する第2の係止突起であり、
    前記可動部材に前記第1の整流板と前記第2の整流板とが連結された状態で、前記第2の回転軸と前記第2の係止突起との距離は、前記第1の回転軸と前記第1の係止突起との距離よりも長く、
    前記第1のスライド孔と前記第1の係止突起との係合は、前記第1の回転軸を中心として前記第1のフィンが傾動する際の前記可動部材の直線的な移動を許容し、
    前記第2のスライド孔と前記第2の係止突起との係合は、前記第2の回転軸を中心として前記第2のフィンが傾動する際の前記可動部材の直線的な移動を許容し、
    前記駆動手段は、前記可動部材を直線的に移動させ、
    前記第1のフィンと前記第2のフィンとは、前記可動部材の直線的な移動に連動して傾動する
    ことを特徴とする車両の風向制御機構。
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