JP6641468B2 - フルオレン含有オキシムエステル類光開始剤、その合成、それを含有する感光性樹脂組成物及びその使用 - Google Patents

フルオレン含有オキシムエステル類光開始剤、その合成、それを含有する感光性樹脂組成物及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、有機化学分野に属し、具体的にはフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤、その合成、それを含有する感光性樹脂組成物及びその使用に関する。
液晶ディスプレイ等の表示装置において、液晶層は、通常、2枚の基板間に設けられ、それぞれの基板上には互いに対向する電極が配置されており、そして、一方の基板の内側には、液晶層の反対面に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び黒色等の各々の画素で形成されたカラーフィルタ層が配置されている。ただし、通常では、マトリックスを設ける形式でR、G、B各色の色の重みを区別する。
現在、カラーフィルタを製造する方法には、主に染色法、印刷法、顔料分散法及び陽極法があり、これらのうち、顔料分散法が最も広く使用されている。顔料分散法は、着色材料を含有する感光性樹脂組成物を、透明基板上に塗布し、その後、画像の露光、現像、必要により後硬化を行い、これらの過程を繰り返すことでカラーフィルタ画像を形成するものである。当該方法により得られたカラーフィルタ画素の位置、膜厚等の精度が高く、優れた耐久性(例えば、耐光性及び耐熱性等)を有し、かつ、ピンホール等の欠陥が少ない。
カラーフィルタの製造において、BMは、通常では格子状、ストライプ状又はモザイク状で赤、緑、青色パターンの間に配置され、薄膜トランジスタが光漏れにより故障するのを防止するか、あるいは種々の色間の混色を阻止することでコントラストを向上させるためのものであり、これでBMに高い遮光性を有することが要求されている。そのため、遮光顔料又は染料が分散されている感光性樹脂を用いて如何に低コストで高効率のBMを形成するかについての研究が盛んになっている。一般的には、膜厚の増加あるいは遮光顔料又は染料の含有量の向上によりBMの遮光性を改善する必要があるが、光波長域の全域において遮光性が必要とされる場合、これらの対策により組成物の感光特性に顕著な支障が発生しやすく、主な現象として、露光部分と未露光部分及び露光底部とで架橋密度の差が発生すること、現像液に不溶な顔料により現像性が低下し、さらにパターンの直線性が低下すること、あるいはパターンに剥がれが発生し、残渣を生成することなどがある。
現在、カルバゾール又はジフェニルスルフィドを主構造として有するオキシムエステル類光開始剤を含有する感光性組成物が常用されているが、このような光開始剤はコストが高く、その使用がある程度制限されるので、値段が適切な光開始剤の開発が必要とされている。
オキシムエステル類化合物の光開始剤としての使用が当業者に知られており、その活性が際立ち、カラーフィルタフィルム(RGB)、ブラックマトリックス(BM)、フォトスペーサー(photo−spacer)、リブ(rib)等の先端フォトレジスト分野で広く使用されている。
常用されるオキシムエステル類光開始剤は、カルバゾール又はジフェニルスルフィド基を主体基とし、コストが高く、かつ、マトリックス樹脂への溶解性が不十分である場合が多いので、感光度が影響を受けない前提においてコストがより低く、かつ溶解性が良い光開始剤の開発が求められている。
本発明の目的は、主にフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤、その合成、それを含有する感光性樹脂組成物及びその使用を提供することにあり、当該化合物は合成が簡単であり、コストが低く、溶解性が良く、光硬化性組成物に用いられる場合に優れた貯蔵安定性及び成膜性能を有する。
上記の目的を達成するために、本発明の1つの態様によれば、下記式(I)で表される構造を有するフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤を提供する。
式中、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基、C−C20のアルケニル基を表し、これらの基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。Rは、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表し、あるいは−R−COO−R(式中、RはC−C10のアルキレン基、C−C10のシクロアルキレン基、C−C20のアリーレン基もしくは置換アリーレン基を表し、ただし、アルキレン基における非末端−CH−及びシクロアルキル基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよく、アリーレン基におけるCHは任意にNに置換されていてもよい。Rは、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基、C−C30のアリール基もしくは置換アリール基、C−C30のアラルキル基、C−C20のアルケニル基を表し、これらにおける−CH−は任意に−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。)を表す。Rは、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基、C−C30のアリール基もしくは置換アリール基、C−C30のアラルキル基、C−C20のアルケニル基を表す。Aは、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表す。Xは、空き又はカルボニル基を表し、ただし、空きとはXの両側の2個の原子が直接連結していることを表す。
さらに、前記Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基を表し、これらの基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。
さらに、前記Rは、それぞれ独立に水素原子、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、かつ、アルキル基における1個又は2個の隣接していない−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。
さらに、前記Rは、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表す。
さらに、前記Rは、C−Cのシクロアルキル基、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのアルキル基で置換されたC−Cのシクロアルキル基を表す。
さらに、前記Rは、C−Cのアルキレン基、C−Cのシクロアルキレン基、フェニレン基、置換フェニレン基を表し、ただし、アルキレン基における非末端−CH−及びシクロアルキル基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよく、フェニレン基におけるCHは任意にNに置換されていてもよい。
さらに、前記Rは、C−Cのアルキレン基、C−Cのシクロアルキレン基、フェニレン基、ピリジニレン基を表す。
さらに、前記Rは、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表す。
さらに、前記Rは、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
さらに、前記Rは、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基、フェニル基、C−Cのアルケニル基を表す。
さらに、前記Rは、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
さらに、前記Aはニトロ基である。
本発明のもう1つの態様によれば、
成分(A):ラジカル重合反応に用いられる、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、
成分(B):下記式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする化合物のうちの少なくとも1種である光開始剤と、
成分(C):着色剤と、
を含む感光性樹脂組成物を提供する。
式中、Aは、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表し、Aにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。Xは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルケニル基を表し、Rにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよく、R同士は環を形成してもよい。R及びRは互いに独立にC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルキルシクロアルキル基を表し、R及びRにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。
さらに、質量部で、感光性樹脂組成物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物 0.1〜100部、光開始剤 1〜5部、及び着色剤 0〜50部を含み、好ましくはエチレン性不飽和結合を有する化合物の質量部が30〜80部であり、より好ましくは40〜70部であり、好ましくは着色剤の質量部が0超80部以下であり、より好ましくは5〜40部である。
さらに、式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする化合物の構造は下記のとおりである。
式中、Aは、水素原子、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。Xは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基あるいはO、N、S又はC(=O)に置換されたC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。R及びRは、互いに独立にC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルキルシクロアルキル基を表す。R及びRにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。
さらに、式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする化合物は、下記の構造から選ばれるものを含む。
さらに、式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする誘導体化合物は、式(III)、(IV)、(V)で表される化合物から選ばれるものである。
式中、Mは、R、R、Rが2量化してなる連結基であり、Mは、空き、C−C24の直鎖又は直鎖もしくは分岐アルキレン基、C−C36のアリーレン基もしくはヘテロアリーレン基を表し、Mにおいて−CH−は任意に硫黄原子、酸素原子、NH又はカルボニル基に置換されていてもよく、水素原子は任意にOH又はNOに置換されていてもよい。
さらに、式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする誘導体化合物は、下記構造の化合物から選ばれるものである。
さらに、前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(D)を含有し、好ましくは前記アルカリ可溶性樹脂の質量部が0超80部以下であり、より好ましくは20〜60部である。
本発明のもう1つの目的は、上記式(I)構造を有するフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤の製造方法を提供することにあり、式(I)におけるRは、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表す場合、当該製造方法は、下記(1)〜(3)の工程を含む。
(1)中間体aの合成
三塩化アルミニウム又は塩化亜鉛の触媒作用下、原料aと原料bとを有機溶媒中でフリーデルクラフトアシル化反応させ、中間体aを得る。
原料bであるR’−CO−Clにおいて、R’はR又はR−CH−を表し、具体的には、式(I)において、Xは空きであると、R’はRを表し、Xはカルボニル基であると、R’はR−CH−を表す。
(2)中間体bの合成
Xは空きであると、塩酸ヒドロキシルアミン、酢酸ナトリウムの作用下、中間体aをオキシム化反応させ、中間体bを生成し、
Xはカルボニル基であると、有機溶媒及び濃塩酸の存在下、中間体aと亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを常温でオキシム化反応させ、中間体bを生成する。
(3)式(I)化合物の合成
中間体bと酸無水物(R−CO)O又は酸クロライド化合物R−CO−Clとをエステル化反応させ、目標生成物を得る。
式(I)におけるRは、−R−COO−R(式中、Rは、C−C10のアルキレン基、C−C10のシクロアルキレン基、C−C20のアリーレン基もしくは置換アリーレン基を表し、その中、アルキレン基における非末端−CH−及びシクロアルキル基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよく、アリーレン基におけるCHは任意にNに置換されていてもよい。RはC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基、C−C30のアリール基もしくは置換アリール基、C−C30のアラルキル基、C−C20のアルケニル基を表し、これらにおける−CH−は任意に−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。)を表す場合、前記製造方法は、下記(1’)〜(4’)の工程を含む。
(1’)中間体aの合成
三塩化アルミニウム又は塩化亜鉛の触媒作用下、原料aと原料b’とを有機溶媒中でフリーデルクラフト反応させ、中間体a’を生成する。
原料b’の構造において、R’はR又はCH−Rを表し、具体的には、式(I)において、Xは空きであると、R’はRを表し、Xはカルボニル基であると、R’はCH−Rを表す。
(2’)中間体b’の合成
濃硫酸又はヘテロポリ酸の存在下、中間体a’と原料cであるアルコールROHとを加熱還流し、エステル化反応させ、中間体b’を得る。
(3’)中間体c’の合成
Xは空きであると、塩酸ヒドロキシルアミン、酢酸ナトリウムの作用下、中間体b’をオキシム化反応させ、中間体c’を生成し、
Xはカルボニル基であると、有機溶媒及び濃塩酸の存在下、中間体b’と亜硝酸エステル又は亜硝酸塩とを常温でオキシム化反応させ、中間体c’を生成する。
(4’)式(I)化合物の合成
中間体c’と酸無水物(R−CO)O又は酸クロライド化合物R−CO−Clとをエステル化反応させ、目標生成物を得る。
上記製造方法において、使用する原料はいずれも従来技術における既知の化合物であり、市販から購入されるか、あるいは既知の合成方法により簡易に製造することができる。
工程(1)〜(3)及び(1’)〜(4’)に係る反応はいずれも本分野において類似する化合物を合成する慣例的な反応である。本発明に開示の合成アプローチを知っている場合、具体的な反応条件は当業者にとって容易に確定し得るものである。
工程(1)のフリーデルクラフト反応において、反応温度は、通常−10〜30℃である。使用する有機溶媒としては特に制限されず、原料を溶解できて反応に不良な影響を及ぼさないものであればよく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
工程(1’)のフリーデルクラフト反応において、反応温度は常温であってもよく、使用する有機溶媒については特に制限されず、原料を溶解できて反応に不良な影響を及ぼさないものであればよく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。三塩化アルミニウム又は塩化亜鉛は、滴下又は数回に分けて添加される方式で反応系に入ってもよい。
工程(2)のオキシム化反応は、溶媒系中で行われ、使用する溶媒については特に制限されず、原料を溶解でき、かつ反応に不良な影響を及ぼさないものであればよい。
工程(2’)のエステル化反応において、必要に応じて溶媒を使用又は使用しなくてもよい。溶媒を使用すれば、その種類については特に制限されず、原料を溶解でき、かつ反応に不良な影響を及ぼさないものであればよい。
工程(2)及び工程(3’)のオキシム化反応は溶媒系中で行われ、使用する溶媒としては特に制限されず、原料を溶解でき、かつ反応に不良な影響を及ぼさないものであればよい。Xは空きであると、使用する溶媒はアルコールと水との混合溶媒であり、好ましくはエタノールと水との混合溶媒である。反応が加熱還流状態下で行われる。Xはカルボニル基であると、使用する有機溶媒はジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等であり、使用する亜硝酸エステルが、亜硝酸エチル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸イソオクチル等からなる群より選ばれてもよく、使用する亜硝酸塩が、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等からなる群より選ばれてもよい。
工程(3)のエステル化反応は有機溶媒中で行われ、溶媒の種類については特に制限されず、原料を溶解でき、かつ反応に不良な影響を及ぼさないものであればよく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
工程(4’)のエステル化反応は有機溶媒中で行われ、溶媒の種類については特に制限されず、原料を溶解でき、かつ反応に不良な影響を及ぼさないものであればよく、好ましくはジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、キシレンである。
本発明において、上記式(I)で表されるフルオレン含有オキシムエステル類化合物は、さらにR(1個又は2個)、R又はRを介して互いに連結重合して二量体を形成することができる。これらの2量化生成物は式(I)で表されるフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤と類似する応用性能を示すことができると考えられる。
本発明の目的は、さらに上記式(I)で表されるフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤の、光硬化性組成物(すなわち、感光性組成物)への使用を提供することにある。非限定的に、当該光開始剤は、カラーレジスト(RGB)、ブラックマトリックス(BM)、フォトスペーサー(photo−spacer)、リブ(rib)、ドライフィルム、半導体フォトレジスト及びインク等に使用可能である。当該光開始剤は、使用において優れた溶解性を有し、貯蔵安定性に優れ、露光需要量が低く(すなわち、感光度が高い)、かつ、非常に良い現像性及びパターン完全性を示している。
本発明の重合性組成物は、アルカリ可溶性樹脂と混合して併用してもよく、アルカリ可溶性樹脂(D)はバインダーとして機能するものであればよく、画像パターン形成時に現像処理工程において使用する現像液は、好ましくは可溶性アルカリ性現像液であり、好ましくはカルボキシル基含有共重合体としてのアルカリ可溶性樹脂であり、特に好ましくは1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の共重合体である。
本発明のもう1つの目的は、上記感光性樹脂組成物の、カラーフィルタフィルム、ブラックマトリックス、フォトスペーサー、リブ及びドライフィルム用フォトレジストを製造するための使用を提供することにある。
本発明に記載の感光性樹脂組成物において各成分が合理的に配合されており、組成物は非常に高い感光度を有し、非常に低い露光剤量下でも非常に良く架橋硬化することができ、かつ、硬化効果が極めて優れている。当該組成物で作製されたフィルムは端縁が平坦で欠陥がなく、ドロスがなく、パターンが完全で明瞭であり、かつ、硬度が高い。作製されたカラーフィルタは、光学透明度が高く、光漏れがなく、非常に低い露光剤量でも作製を完成でき、かつ、精度が良く、平坦で、耐久である。
なお、かち合いがない場合、本発明における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせてもよい。以下、実施例に結びついて本発明を詳しく説明する。
背景技術で分析したように、従来技術のオキシムエステル類光開始剤とマトリックス樹脂との溶解性が不十分であり、この課題を解決するために、本発明の1つの典型的な実施形態は、下記式(I)で表される構造を有するフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤を提供する。
式中、Rは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基、C−C20のアルケニル基を表し、これらの基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。Rは、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表し、あるいは−R−COO−R(式中、RはC−C10のアルキレン基、C−C10のシクロアルキレン基、C−C20のアリーレン基もしくは置換アリーレン基を表し、ただし、アルキレン基における非末端−CH−及びシクロアルキル基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよく、アリーレン基におけるCHは任意にNに置換されていてもよい。Rは、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基、C−C30のアリール基もしくは置換アリール基、C−C30のアラルキル基、C−C20のアルケニル基を表し、これらにおける−CH−は任意に−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。)を表す。Rは、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基、C−C30のアリール基もしくは置換アリール基、C−C30のアラルキル基、C−C20のアルケニル基を表す。Aは、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表す。Xは、空き又はカルボニル基を表し、ただし、空きとはXの両側の2個の原子が直接連結していることを表す。
上記化合物は、合成が簡単であり、コストが低く、溶解性が良く、光硬化性組成物に用いられる場合に優れた貯蔵安定性及び成膜性能を有する。
本発明のもう1つの典型的な実施形態において、
成分(A):ラジカル重合反応に用いられる、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、
成分(B):下記式(I)で表されるフルオレン類化合物を主構造とする化合物のうちの少なくとも1種である光開始剤と、
成分(C):着色剤と、
を含む感光性樹脂組成物を提供する。
式中、Aは、水素原子、ハロゲン、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表し、Aにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。Xは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルケニル基を表し、Rにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよく、R同士は環を形成してもよい。R及びRは互いに独立にC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルキルシクロアルキル基を表し、R及びRにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。
上記構造式(I)を有する化合物は、合成が簡単であり、コストが低く、溶解性が良いので、光硬化性組成物に用いられる場合に優れた貯蔵安定性及び成膜性能を有する。
また、感光性樹脂組成物において各成分が合理的に配合されており、組成物は非常に高い感光度を有し、非常に低い露光剤量下でも非常に良く架橋硬化することができ、かつ、硬化効果が極めて優れている。当該組成物で作製されたフィルムは端縁が平坦で欠陥がなく、ドロスがなく、パターンが完全で明瞭であり、かつ、硬度が高い。作製されたカラーフィルタは、光学透明度が高く、光漏れがなく、非常に低い露光剤量でも作製を完成でき、かつ、精度が良く、平坦で、耐久である。
本発明の上記感光性樹脂組成物は、高感光度および良好な現像性を有し、解像率が高くて基板との密着性に優れ、高遮光性のブラックマトリックス、高精細で高品質のカラーフィルタ及び液晶表示装置の製造に特に好適であり、かつ、フォトスペーサー及びリブ等にも使用可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分(A)、(B)及び任意の成分(C)、(D)を含み、以下、各成分をより詳しく説明する。
<成分(A)ラジカル重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物において、成分(A)は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物又は/及びエポキシ化合物である。いわゆる「ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物」は、分子中に少なくとも1個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、上記化合物は単量体、オリゴマー、ポリマー等の化学的形態を有してもよい。
このようなラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリレート類、メタアクリレート類、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその塩、エステル、カルバメート、アミド及び酸無水物、アクリロニトリル、スチレン、ビニルエーテルが挙げられ、さらに、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
さらに、本発明に記載のアクリル類化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロペノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、トリメチルシリルオキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素添加ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素添加ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素添加ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の化合物を挙げることができる。
さらに、本発明に記載のメタクリル類化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400 メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールエステルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルエステルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の化合物を挙げることができる。
さらに、本発明に記載のものとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、トリアリルイソシアヌレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、スチレン、p−ヒドロキシルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル等を挙げることができる。
本発明のラジカル重合性化合物(A)は、1種のみ使用されてもよく、所望の特性を向上させるために、2種又は2種以上を任意の比率で混合使用してもよい。
成分(A)の感光性樹脂組成物における含有量は、0.1〜100質量部であってもよく、好ましくは30〜80質量部であり、より好ましくは40〜70質量部である。
<成分(B)光開始剤>
本発明が使用している成分(B)光開始剤は、式(I)又は式(II)で表されるフルオレン類化合物及び式(I)又は式(II)で表される化合物を主構造とする誘導体化合物から選ばれる少なくとも1種である。当該光開始剤は、式(I)又は式(II)で表されるフルオレン類化合物あるいはそれを主構造とする誘導体化合物のみで構成されてもよいし、2種の化合物の組み合わせであってもよい。
さらに、本発明に記載の式(I)で表される化合物において、
式中、Aは水素原子、ハロゲン、ニトロ基、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表し、Aにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン、C−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルケニル基を表し、Rにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されてもよく、R同士は環を形成してもよい。R及びRは互いに独立にC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルキルシクロアルキル基を表し、R及びRにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよい。R及びRは互いに独立にC−C20の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C20のシクロアルキル基、C−C20のシクロアルキルアルキル基又はC−C20のアルキルシクロアルキル基を表し、R及びRにおける−CH−はO、N、S又はC(=O)に置換されていてもよく、かつR及びRは互いに連結して環を形成してもよい。Rは水酸基、N−モルホリニル又はN−ジアルキル光活性基を表す。
好ましい態様として、式(I)又は式(II)で表されるフルオレン類化合物は、下記の構造で示される化合物1’から30’を含む。
上記式(I)又は式(II)で表される化合物を主構造とする誘導体化合物とは、式(I)又は式(II)化合物の主構造をそのまま保持する前提において、その分岐鎖が置換され、あるいは互いに連結してなる誘導体を指す。本発明において光開始剤として使用される場合、前記式(I)又は式(II)で表される化合物を主構造とする誘導体化合物は、下記の式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VIII)で表される化合物である。
式中、MはR、R、R、R、R、Rが2量化してなる連結基を表し、Mは空き、C−C24の直鎖又は直鎖もしくは分岐アルキレン基、C−C36のアリーレン基又はヘテロアリーレン基であり、Mにおける−CH−は任意に硫黄原子、酸素原子、NH又はカルボニル基に置換されていてもよく、水素原子は任意にOH又はNOに置換されていてもよい。
例えば、上記誘導体化合物は、下記の構造の化合物であってもよい。
成分(B)の感光性樹脂組成物における含有量は、好ましくは1〜5質量部である。
<成分(C)着色剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、成分(C)着色剤をさらに含有してもよい。非限定的に、着色剤を含有することにより、本発明の組成物は、液晶ディスプレイのカラーフィルタの形成に使用可能である。かつ、遮光剤を着色剤とする場合、組成物は、表示装置のカラーフィルタにおけるブラックマトリックスイメージチューブの形成に使用可能である。
本発明は、成分(C)着色剤の種類に対して特に限定されないが、カラーインデックス(color index)(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)において顔料(Pigment)と分類される化合物であってもよく、好ましくは、下記C.I.番号を有する着色剤であり、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(以下、同じく「C.I.ピグメントイエロー」であるため、番号のみ記載する)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73、74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、185。C.I.ピグメントオレンジ1(以下、同じく「C.I.ピグメントオレンジ」であるため、番号のみ記載する)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73。C.I.ピグメントバイオレット1(以下、同じく「C.I.ピグメントバイオレット」であるため、番号のみ記載する)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50。C.I.ピグメントレッド1(以下、同じく「C.I.ピグメントレッド」であるため、番号のみ記載する)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265。C.I.ピグメントブルー1(以下、同じく「C.I.ピグメントブルー」であるため、番号のみ記載する)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66。C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37。C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28。C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
遮光剤を着色剤として用いる場合、好ましくは黒色顔料を遮光剤として用いる。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック(titanium black)、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀などの金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸塩又は金属炭酸塩などが挙げられる。これらの黒色顔料のうち、高遮光性を有するカーボンブラックを用いることが好ましく、チャネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック等の一般的なカーボンブラックであってもよく、好ましくは遮光性に優れたチャネルブラックを用いる。さらに樹脂被覆カーボンブラックを用いてもよい。そのほか、カーボンブラックの色調を調整するために、上記挙げられている有機顔料を補助顔料として適宜添加してもよい。実践により明らかなように、たとえ本発明の感光性樹脂組成物において遮光性が高い黒色顔料を用いたとしても、非常に良い現像性及びパターン完全性を示すことができる。
成分(C)の感光性樹脂組成物における含有量は0〜50質量部であり、好ましくは5〜40質量部である。
<成分(D)アルカリ可溶性樹脂>
本発明の重合性組成物は、アルカリ可溶性樹脂と混合して併用してもよく、アルカリ可溶性樹脂(D)はバインダーとして機能すればよく、画像パターンを形成する際に、その現像処理工程において用いられる現像液は、好ましくは可溶性アルカリ性現像液であり、好ましくはカルボキシル基含有共重合体としてのアルカリ可溶性樹脂であり、特に好ましくは1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、単に「カルボキシル基含有不飽和単量体(P)」と呼ぶ)及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、単に「共重合性不飽和単量体(Q)」と呼ぶ)の共重合体(以下、単に「カルボキシル基含有共重合体(R)」と呼ぶ)である。
カルボキシル基含有不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその酸無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ[(メタ)メタクリロイロキシアルキル]エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等の化合物を挙げることができる。
また、共重合性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物,インデン、1−メチルインデン等のインデン類グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類,酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類,ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類,アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物,アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド等の不飽和アミド類,マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類,1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類,ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらの共重合性不飽和単量体は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるカルボキシル基含有共重合体としては、(P)アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須成分とし、場合により、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートおよびω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートの群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和単量体成分と、(Q)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種との共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体(R)」と呼ぶ。)が好ましい。
カルボキシル基含有共重合体(R)の具体例としては、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体等のカルボキシル基含有共重合体を挙げることができ、分子中に存在する置換基がさらに他の材料で修飾されていてもよい。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂(D)は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
成分(D)の感光性樹脂組成物における含有量は0〜80質量部であり、好ましくは20〜60質量部である。
<その他の任意成分>
生成物の応用要求に応じて、当該組成物には、さらに必要に応じて1種又は複数種の大分子又は高分子化合物を添加することで組成物の使用過程における応用性能を向上させてもよく、このような大分子又は高分子化合物は、ポリオール又はポリエステルポリオールであってもよく、反応官能基を含有しないポリマーを選択的に添加してもよく、これらのポリマーは、通常、フェノール性水酸基、水酸基等の酸性官能基を含有する樹脂であり、その他の光開始剤と組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、さらに本分野で常用されるその他の助剤を選択的に添加してもよく、増感剤、分散剤、界面活性剤、溶媒等を含むが、これらに限られない。
本発明の重合性組成物は重合反応に際して、紫外線や可視光線、近赤外線等、電子線等によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能であるが、エネルギーの付与をする光源として、250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源が好ましい。250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、Nd−YAG3倍波レーザー、He−Cdレーザー、窒素レーザー、Xe−Clエキシマレーザー、Xe−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザーなどの各種光源が挙げられる。
<製造及び応用>
各成分を秤量した後に均一に混合させ、本発明の感光性樹脂組成物が得られ、これは当業者にとって公知の慣例的な技術である。
本発明の目的は、さらに上記感光性樹脂組成物のカラーフィルタフィルム、ブラックマトリックス、フォトスペーサー、リブ及びドライフィルム用フォトレジストを製造するための使用を提供することにある。
感光性樹脂組成物を用いて光硬化及びフォトリソグラフィプロセスによってRGB、BM、フォトスペーサー等を製造する技術は当業者によく知られている。通常、i)感光性樹脂組成物を適切な有機溶媒で溶解し、均一に混合させ、液状組成物を得る工程、ii)塗工機、例えばスピンコーター、バーコーター、ロールコーター又はスプレーコーター等を用いて、液状組成物を基板上に均一に塗布する工程、iii)プリベーク乾燥を行い、溶媒を除去する工程、iv)マスク板をサンプル上に付けて露光を行い、その後、未露光領域を現像露光する工程、及びv)ポストベークを行い、所望の形状を有するフォトレジストドライフィルムを得る工程、を含む。
黒色顔料を含有するフォトレジストフィルムは、ブラックマトリックスBMであり、赤、緑、青色顔料を有するフォトレジストフィルムは、対応するR、G、Bフォトレジストである。
以下、具体的な実施例に結びついて本発明をさらに詳しく説明するが、それを本発明の保護範囲を制限するものであると理解すべきではない。
製造実施例
実施例1
(1)中間体1aの製造
500mLの四つ口フラスコ中に120gの原料1aと、67gの三塩化アルミニウムと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、氷水浴で0℃に降温し、80gの原料1bと50mLのジクロロメタンとの混合溶液を滴下し、10℃以下に温度制御し、約2hかけて滴下終了し、滴下終了後に引き続いて2h攪拌し、反応が完全になるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、次いで、材料を800gの氷水と100mLの濃塩酸(37%)とで調製してなる希塩酸にゆっくりと加えて、入れながら攪拌し、その後、分液漏斗に注ぎ、下層、つまりジクロロメタン層を抜き出し、そして50mLのジクロロメタンで水層を引き続いて洗浄し、ジクロロメタン層を合併し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL×3回)でジクロロメタン層を洗浄し、次いで、pHが中性となるまでジクロロメタン層を水洗浄し、150gの無水硫酸マグネシウムでジクロロメタン層を乾燥させ、濾過した後、ジクロロメタン生成物溶液を回転蒸発し、メタノールで再結晶させ、70℃のオーブンで2h乾燥させ、141gの中間体1aを得、収率が78%であり、純度が98%であり、MS(m/z):364(M+1)であった。
(2)中間体1bの製造
500mLの四つ口フラスコ中に73gの中間体1aと、14gの塩酸ヒドロキシルアミンと、16gの酢酸ナトリウムと、150mLのエタノールと、50mLの水とを仕込み、85℃で加熱還流して5h攪拌した後、反応を停止し、材料を2000mLの大ビーカーに入れ、1000mLの水を仕込み、攪拌し、200mLのジクロロメタンを用いて抽出し、抽出液中に50gの無水MgSOを仕込み、乾燥させ、吸引濾過し、濾液を減圧で回転蒸発して溶媒を除去し、回転瓶中で油状粘稠物を得、粘稠物を150mLの石油エーテルに加えて攪拌析出させ、吸引濾過し、白色粉末状固体を得、60℃で5hベークし、57gの中間体1bを得、収率が75%であり、純度が98%であり、MS(m/z):379(M+1)であった。
(3)化合物1の合成
250mLの四つ口フラスコ中に38gの中間体1bと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、室温で5min撹拌し、その後、11gの無水酢酸を滴下し、約30minで滴下終了し、引き続いて2h攪拌した後、5%NaHCO水溶液を仕込み、pHを中性に調節し、分液漏斗により有機層を抜き出し、さらに200mLの水で2回洗浄し、50gの無水MgSOを乾燥させ、濾過した後に溶媒を回転蒸発し、粘稠状液体を得、メタノールで再結晶させて白色固体粉末を得、濾過し、36gの製品を得、収率が85%であり、純度が99%であった。
生成物の構造は、核磁気共鳴水素スペクトル及び質量分析により確認された。
1H-NMR(CDCl3,500MHz):1.0023-1.1128(3H,d),1.409-1.4511(7H,m),1. 6157-1.6832(10H,m),2.0824(3H,s),8.0121-8.4465(6H,m)。MS(m/z):421(M+1)+
実施例2
(1)中間体2aの製造
500mLの四つ口フラスコ中に105gの原料2aと、67gの三塩化アルミニウムと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、氷水浴で0℃に降温し、74gの原料2bと50mLのジクロロメタンとの混合溶液を滴下し、10℃以下に温度制御し、約2hかけて滴下終了し、滴下終了後に引き続いて2h攪拌し、反応が完全になるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、次いで材料を800gの氷水と100mLの濃塩酸(37%)とで調製してなる希塩酸にゆっくりと加えて、入れながら攪拌し、その後、分液漏斗に注ぎ、下層、つまりジクロロメタン層を抜き出し、そして50mLのジクロロメタンで水層を引き続いて洗浄し、ジクロロメタン層を合併し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL×3回)でジクロロメタン層を洗浄し、次いで、ジクロロメタン層をpHが中性となるまで水洗浄し、150gの無水硫酸マグネシウムでジクロロメタン層を乾燥させ、濾過した後にジクロロメタン生成物溶液を回転蒸発し、メタノールで再結晶させ、70℃のオーブンで2h乾燥させ、127gの中間体2aを得、収率が79%であり、純度が98%であり、MS(m/z):322(M+1)であった。
(2)中間体2bの製造
250mLの四つ口フラスコ中に64gの中間体2aと、20gの37%塩酸と、23gの亜硝酸イソアミルと、100mLのテトラヒドロフランとを仕込み、常温で5h攪拌し、反応を停止し、材料を2000mLの大ビーカーに入れ、1000mLの水を仕込み、攪拌し、200mLのジクロロメタンを用いて抽出し、抽出液に50gの無水MgSOを仕込み、乾燥し、吸引濾過して、濾液を減圧回転蒸発して溶媒を除去し、回転瓶において油状粘稠物を得、粘稠物を150mLの石油エーテルに加えて攪拌析出させ、吸引濾過して、白色粉末状固体を得、60℃で5h乾燥させ、57gの中間体1bを得、収率が78%であり、純度が98%であり、MS(m/z):351(M+1)であった。
(3)化合物2の合成
250mLの四つ口フラスコ中に35gの中間体2bと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、室温で5min撹拌し、その後、10gのプロピオン酸クロリドを滴下し、約30minで滴下終了し、引き続いて2h攪拌した後、5%NaHCO水溶液を仕込み、pHが中性となるまで調整し、分液漏斗により有機層を抜き出し、さらに200mLの水で2回洗浄し、50gの無水MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を回転蒸発し、粘稠状液体を得、メタノールで再結晶させて白色固体粉末を得、濾過し、35gの製品を得、収率が86%であり、純度が99%であった。
生成物の構造は、核磁気共鳴水素スペクトル及び質量分析により確認された。
1H-NMR(CDCl3,500MHz):1.0162-1.1057(3H,t),1.5069-1.5161(5H,m),1. 6755-1.6992(4H,m),2.2624-2.3004(2H,m),3.8774(2H,s)7.9151-8.3325(6H,m)。MS(m/z):407(M+1)+
実施例3
実施例1及び2の方法を参照しながら、相応する原料を用いて下記表1に示す化合物3〜12を合成した。
実施例13
(1)中間体13aの製造
1Lの四つ口フラスコ中に120gの原料13aと、43gの原料13b、つまり無水マロン酸と、150mLのジクロロメタンとを仕込み、常温で攪拌し、1h内に67gの三塩化アルミニウムを数回に分けて仕込み、添加終了後に引き続いて2h攪拌し、反応が完全になるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、次いで、材料を1200gの氷水と100mLの濃塩酸(37%)とで調製してなる希塩酸にゆっくりと加えて、入れながら攪拌し、その後、分液漏斗に注ぎ、下層、つまりジクロロメタン層を抜き出し、さらに50mLのジクロロメタンで水層を引き続いて洗浄し、ジクロロメタン層を合併し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL×3回)でジクロロメタン層を洗浄し、次いで、ジクロロメタン層をpHが中性となるまで水洗浄し、150gの無水硫酸マグネシウムでジクロロメタン層を乾燥させ、濾過した後、ジクロロメタン生成物溶液を回転蒸発し、メタノールで再結晶させ、70℃のオーブンで2h乾燥させ、143gの中間体13aを得、収率が87%であり、純度が99%であり、MS(m/z):326(M+1) であった。
(2)中間体13bの製造
500mLの四つ口フラスコ中に130gの中間体13aと、5gの98%濃硫酸と、100mLのエタノールとを仕込み、蒸留装置に接続して、80℃で加熱還流し、加熱しながら反応で生成した水を収集し、反応に変化がなくなるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、反応を終止し、反応液を500mLの脱イオン水に入れ、ジクロロメタンを抽出し(100mL/回、合計3回)、ジクロロメタン層を合併し、水洗浄して、回転蒸発して110gの中間体13bを得、収率が78%であり、純度が98%であり、MS(m/z):354(M+1)であった。
(3)中間体13cの製造
250mLの四つ口フラスコ中に71gの中間体13bと、14gの塩酸ヒドロキシルアミンと、15gの酢酸ナトリウムと、100mLのエタノールと、30mLの水とを仕込み、85℃で加熱還流して5h反応させ、次いで、材料を2000mLの大ビーカーに入れ、1000mLの水を仕込み、攪拌し、大量の固体を析出して、吸引濾過し、水洗浄し、メタノールで再結晶させ、白色粉末状固体を得、60℃で5h乾燥させて、70gの中間体13cを得、収率が95%であり、純度が98%であり、MS(m/z):369(M+1)であった。
(4)化合物13の合成
250mLの四つ口フラスコ中に37gの中間体13cと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、室温で5min撹拌し、その後、11gの無水酢酸を滴下し、約30minで滴下終了し、引き続いて2h攪拌し、その後、5%NaHCO水溶液を仕込み、pHが中性となるまで調整し、分液漏斗により有機層を抜き出し、さらに200mLの水で2回洗浄し、50gの無水MgSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を回転蒸発し、粘稠状液体を得、メタノールで再結晶させて白色固体粉末を得、濾過して、36gの回転蒸発を得、収率が89%であり、純度が99%であった。
生成物の構造は、核磁気共鳴水素スペクトル及び質量分析により確認された。
1H-NMR(CDCl3,500MHz):1.2892-1.3061 (3H,t),1.6849(6H,s),2.0812 (3H,s),3.6832(2H,s),4.1168-4.2000(2H,m),7.8121-8.7466(6H,m)。MS(m/z):411(M+1)+
実施例14
(1)中間体14aの製造
1Lの四つ口フラスコ中に106gの原料14aと、50gの原料14b、つまり無水琥珀酸と、150mLのジクロロメタンとを仕込み、、常温で攪拌し、1h内で67gの三塩化アルミニウムを数回に分けて仕込み、添加終了後、引き続いて2h攪拌し、反応が完全になるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、次いで、材料を1200gの氷水と100mLの濃塩酸(37%)とで調製してなる希塩酸にゆっくりと加えて、入れながら攪拌し、その後、分液漏斗に注ぎ、下層、つまりジクロロメタン層を抜き出し、50mLのジクロロメタンで水層を引き続いて洗浄し、ジクロロメタン層を合併し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL/回、合計3回)でジクロロメタン層を洗浄し、次いで、ジクロロメタン層をpHが中性となるまで水洗浄し、150gの無水硫酸マグネシウムでジクロロメタン層を乾燥させ、濾過した後にジクロロメタン生成物溶液を回転蒸発し、メタノールで再結晶させ、70℃のオーブンで2h乾燥させ、134gの中間体14aを得、収率が86%であり、純度が99%であり、MS(m/z):312(M+1)であった。
(2)中間体14bの製造
500mLの四つ口フラスコ中に124gの中間体14aと、5gの98%濃硫酸と、100mLのシクロブチルメタノールとを仕込み、蒸留装置に接続して、140℃で加熱還流し、加熱しながら反応で生成した水を収集し、反応に変化がなくなるまで液体クロマトグラフィーによりトラッキングし、反応を終止し、反応液を500mLの脱イオン水に入れ、ジクロロメタンから水層を抽出し(100mL/回、合計3回)、ジクロロメタン層を合併し、水洗浄し、回転蒸発して117gの中間体14bを得、収率が77%であり、純度が98%であり、MS(m/z):380(M+1)であった。
(3)中間体14cの製造
250mLの四つ口フラスコ中に76gの中間体14bと、24gの亜硝酸イソアミルと、10gの37%塩酸と、50mLのテトラヒドロフランとを仕込み、常温で5h攪拌し、反応を停止し、材料を2000mLの大ビーカーに加えて、1000mLの水を仕込み、攪拌し、200mLのジクロロメタンを用いて抽出し、抽出液中に50gの無水MgSOを仕込み、乾燥させ、吸引濾過し、濾液を減圧回転蒸発して溶媒を除去し、回転瓶中で油状粘稠物を得、粘稠物を150mLの石油エーテルに加えて攪拌析出させ、吸引濾過して、白色粉末状固体を得、60℃で5h乾燥させて、78gの中間体14cを得、収率が95%であり、純度が98%であり、MS(m/z):409(M+1)であった。
(4)化合物14の合成
250mLの四つ口フラスコ中に41gの中間体14cと、100mLのジクロロメタンとを仕込み、室温で5min撹拌し、その後、11gのブタン酸クロリドを滴下し、約30minで滴下終了し、引き続いて2h攪拌し、その後、5%NaHCO水溶液を仕込み、pHが中性となるまで調整し、分液漏斗により有機層を抜き出し、さらに200mLの水で2回洗浄し、50gの無水MgSOで乾燥させ、濾過した後に溶媒を回転蒸発し、粘稠状液体を得、メタノールで再結晶させて白色固体粉末を得、濾過し、43gの製品を得、収率が90%であり、純度が99%であった。
生成物の構造は、核磁気共鳴水素スペクトル及び質量分析により確認された。
1H-NMR(CDCl3,500MHz):1.0001-1.1102(3H,t),1.5981-1. 6002 (2H,m),1.9167-2.1621(6H,m),2. 3346-2.5842(5H,m),3. 8813(2H,s) ,3.9768-4. 0130(2H,m),7.8046-8.7573(6H,m)。MS(m/z):479(M+1)+
実施例15
実施例13及び14の方法を参照しながら、相応する原料を用いて下記表1に示す化合物15〜30を合成した。
性能評価
1.溶解性能の測定
光開始剤のPGMEAにおける溶解度の大きさは、その溶解性能を示し光開始剤の応用性能を判断する指標パラメータの1つである。本発明の式(I)化合物と、比較例としての従来のニトロカルバゾール含有オキシムエステル類光開始剤を選択して、それらの25℃でのPGMEAにおける溶解度をそれぞれ測定し、その結果を表2に示す。
上記の表から明らかなように、比較例としての化合物A及びBの2種類の従来のニトロカルバゾール含有オキシムエステル類光開始剤は、PGMEA中でほとんど溶解しないのに対し、本発明の化合物は、PGMEA中で非常に良い溶解度を有し、かつ、いずれも工業化応用において溶解度が8%の重量比を超える必要があるという要求を満足している。
2、貯蔵安定性及び成膜性能の測定
例示的な光硬化性組成物を調製することにより、本発明の式(I)で表される光開始剤の貯蔵安定性及び成膜性能を評価する。
(1)下記のような組成の光硬化性組成物を調製
アクリレート共重合体 200質量部
[ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート(モル比70/10/20)共重合体(Mv:10000)]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
光開始剤 5質量部
ブタノン(溶媒) 900質量部
上記組成物において、光開始剤は本発明に開示の式(I)で表されるフルオレン含有オキシムエステル類化合物又は従来技術で知られている光開始剤(比較例として)である。
(2)貯蔵安定性
液状の光硬化性組成物を室温で1ヵ月自然貯蔵した後、以下の基準で物質の沈殿程度を目視評価する。
A:沈殿が観察されなかった;
B:少しの沈殿が観察された;
C:明らかに沈殿が観察された。;
(3)成膜性能
上記組成を有する例示的な光硬化性組成物を黄色光ランプ下で攪拌し、材料を取ってPETプレート上にローラーコーティングにより成膜し、90℃で2min乾燥させ、乾燥膜厚が2μmの塗膜を得た。塗膜が形成されている基板を室温に冷却し、マスク板を敷き、高圧水銀ランプ1PCS光源を用いて、FWHMカラーフィルタにより長波長放射を実施した。マスク板の隙間を通過して波長370〜420nmの紫外線で塗膜を露光し、その後、25℃で2.5%の炭酸ナトリウム溶液中で20s浸漬して現像し、さらに超純水で洗浄し、風乾させ、220℃で30min硬化ベークしてパターンを定着させ、得られたパターンを評価する。
(i)感光度
露光時に、露光工程において光照射領域が現像後の残膜率が90%又はそれ以上である最小露光量を露光需要量と評価する。露光需要量が小さければ小さいほど感度が高いことを示す。
(ii)現像性及びパターン完全性
走査型電子顕微鏡(SEM)で基板上のパターンを観察し、現像性及びパターン完全性を評価する。
現像性を以下の基準で評価する。
○:露光されない部分に残存物が観察されなかった;
◎:露光されない部分に少量の残存物が観察されたが、残存物が許容できる程度;
●:露光されない部分に明らかに残存物が観察された。
パターン完全性を以下の基準で評価する。
◇:パターン欠陥が観察されなかった;
□:小部分のパターンに若干欠陥が観察された;
◆:明らかに多くのパターン欠陥が観察された。
評価結果を表3に示す。
表3から明らかなように、従来のニトロカルバゾール含有オキシムエステル類光開始剤に比べて、本発明のフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤を含有する光硬化性組成物は貯蔵安定性が良く、露光需要量が低く、いずれも60mJ/cmより低く、かつ、現像効果及びパターン完全性がさらに優れており、非常に優れる成膜性能を有する。
全体として、本発明に開示の式(I)で表されるフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤は応用性能に優れ、かつ、原料及び製造コストが低く、非常に良い応用される見込みを有する。
組成物の関連試験
表4に示す配合に従い、実施例53〜60及び比較例5〜8の感光性樹脂組成物を調製した。ここで、比較例5〜9における光開始剤A1〜A4の構造は以下の通りである。
表4に示す配合に従って調製された感光性樹脂組成物を100質量部の溶媒、つまり、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル(PGMEA)に溶解し、均一に混合して、液状組成物を形成した。
スピンコーターを用いて液状組成物をガラス基板上に塗布し、その後、100℃で5min乾燥させて溶媒を除去し、膜厚が10μmの塗膜を形成した。上記厚さの塗膜を得るために、塗布過程は1回で完成してもよく、数回に分けて行ってもよい。
塗膜付き基板を室温に冷却し、マスク板を敷き、LED光源(UVATA LED UV硬化照射装置、最大照射強度が400mW/cm)を用いて、マスク板の隙間を通過して波長370〜420nmの紫外線照射下で塗膜を露光した。
25℃の温度で、1%NaOH水溶液を用いて現像し、さらに超純水で洗浄し、風乾させた。
最後に、240℃のオーブン中で30minポストベークし、マスク板から転写したパターンを得た。
性能の評価
1.露光感度の評価
露光工程において光照射領域が現像後の残膜率が90%又はそれ以上である最小露光量を露光需要量と評価し、露光需要量が小さければ小さいほど感度が高いことを示す。
2.現像性及びパターン完全性の評価
走査型電子顕微鏡(SEM)で基板上のパターンを観察し、現像性及びパターン完全性を評価する。
現像性を以下の基準で評価する。
○:露光されない部分に残存物が観察されなかった;
◎:露光されない部分に少量の残存物が観察されたが、残存量が許容できる程度;
●:露光されない部分に明らかに残存物が観察された。
パターン完全性を以下の基準で評価する。
△:パターン欠陥が観察されなかった;
□:小部分のパターンに若干欠陥が観察された;
▲:明らかに多くのパターン欠陥が観察された。
3.硬度の評価
GB/T 6739−1996『塗膜硬度の鉛筆測定法』を参照して評価を行った。塗膜鉛筆引っかき硬度試験器を用いて、塗膜の引っかきの痕跡を観察し、引っかき痕が見られなかった鉛筆を塗膜の鉛筆硬度とした。
4.付着力の評価
GB9286−88『塗料及びワニス塗膜のクロスカット試験』に参照して、クロスカット実験法により塗膜付着力の良否を評価した。破壊程度に基づき、0〜5級に分け(合計6つの等級)、その中、一番良いのは0級であり、膜面に格子の剥がれが一切見られず、5級は極めて悪く、膜面にひどい剥がれが発生した。
評価結果を表5に示す。
表5の結果から明らかなように、実施例53〜60の組成物により作製されたカラーフィルタフォトレジストは非常に良い現像性及びパターン完全性を有し、付着力及び硬度の点にも非常に優れ、比較例5〜8はこれらの点で明らかな不足が存在している。特に、実施例53〜60の露光量がいずれも70mJ/cm以下であり、比較実施例5〜8を遥かに下回っており、極めて優れた感光感度を示している。
以上説明したように、本発明の感光性樹脂組成物は非常に優れた応用性能を示し、広く応用される見込みを有する。
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではなく、当業者にとって、本発明には種々の変更や変化ができる。本発明の精神及び主旨内である限り、行った一切の修正、等価代替、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

Claims (13)

  1. 下記式(I)で表される構造を有することを特徴とするフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤。
    式中、
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基を表し、これらの基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。
    は、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表し、あるいは−R−COO−R(式中、RはC−Cのアルキレン基、C−Cのシクロアルキレン基、フェニレン基、ピリジニレン基を表し、Rは、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表す。)を表す。
    、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
    Aは、ニトロ基を表す。
    Xは、空き又はカルボニル基を表し、ただし、空きとはXの両側の2個の原子が直接連結していることを表す。
  2. 前記Rは、それぞれ独立に水素原子、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、かつ、アルキル基における1個又は2個の隣接していない−CH−は任意に−O−に置換されていてもよいことを特徴とする請求項1又は2に記載のフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤。
  3. 前記Rは、C−Cのシクロアルキル基、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのアルキル基で置換されたC−Cのシクロアルキル基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤。
  4. 前記Rは、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤。
  5. 下記の構造より選ばれる一つの構造を有する、フルオレン含有オキシムエステル類光開始剤。
  6. 成分(A):ラジカル重合反応に用いられる、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、
    成分(B):下記式(I)で表されるフルオレン類化合物のうちの少なくとも1種である光開始剤と、
    成分(C):着色剤と、
    を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
    式中、
    Aは、ニトロ基を表す。
    Xは、単結合又はカルボニル基を表す。
    は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基を表し、これらの基における−CH−は任意に−O−に置換されていてもよい。
    は、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のシクロアルキルアルキル基もしくはアルキルシクロアルキル基を表し、あるいは−R−COO−R(式中、RはC−Cのアルキレン基、C−Cのシクロアルキレン基、フェニレン基、ピリジニレン基を表し、Rは、C−C10の直鎖もしくは分岐アルキル基、C−C10のシクロアルキル基、C−C10のアルキルシクロアルキル基もしくはシクロアルキルアルキル基を表す。)を表す。
    、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
  7. は、それぞれ独立に水素原子、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、かつ、アルキル基における1個又は2個の隣接していない−CH−は任意に−O−に置換されていてもよく、
    は、C−Cのシクロアルキル基、末端がC−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのアルキル基で置換されたC−Cのシクロアルキル基を表し、あるいは−R−COO−R(式中、RはC−Cのアルキレン基、C−Cのシクロアルキレン基、フェニレン基、ピリジニレン基を表し、Rは、C−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、C−Cのシクロアルキル基で置換されたC−Cの直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)を表すことを特徴とする請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 成分(A):ラジカル重合反応に用いられる、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、
    成分(B):光開始剤と、
    成分(C):着色剤と、
    を含み、
    前記光開始剤は、以下の化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  9. 前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(D)をさらに含有し、好ましくは前記アルカリ可溶性樹脂の質量部が0超80部以下である請求項6又は8に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(D)をさらに含有し、前記アルカリ可溶性樹脂の質量部が20〜60部であることを特徴とする請求項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフルオレン含有オキシムエステル類光開始剤の、光硬化分野への使用。
  12. 前記光硬化分野は、カラーレジスト、ブラックマトリックス、フォトスペーサー、リブ、ドライフィルム、半導体フォトレジスト、インクの製造であることを特徴とする請求項11に記載の使用。
  13. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の、カラーフィルタフィルム、フォトリソグラフィー、ブラックマトリックス、フォトスペーサー、リブ、ウエットフィルム及びドライフィルムを製造するための使用。
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