JP6639867B2 - 基板加熱装置及び基板加熱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板加熱装置及び基板加熱方法に関する。
近年、電子デバイス用の基板として、ガラス基板に代わりフレキシブル性を有した樹脂基板の市場ニーズがある。例えば、このような樹脂基板は、ポリイミド膜を用いる。例えば、ポリイミド膜は、基板にポリイミドの前駆体の溶液を塗布した後、前記基板を加熱する工程(加熱工程)を経て形成される。例えば、ポリイミドの前駆体の溶液としては、ポリアミック酸と溶媒からなるポリアミック酸ワニスがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2001−210632号公報 国際公開第2009/104371号
ところで、上述の加熱工程は、比較的低温で溶媒を蒸発させる第一工程と、比較的高温でポリアミック酸を硬化させる第二工程とを含む。そのため、基板の加熱温度を第一工程の温度から第二工程の温度まで高める間に長時間を要する虞があり、基板の加熱に要するタクトタイムを短縮化する上で課題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明は、基板の加熱に要するタクトタイムを短縮化することが可能な基板加熱装置及び基板加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る基板加熱装置は、ポリイミドを形成するための溶液が塗布された基板を減圧可能な減圧部と、前記基板を第一の温度で加熱可能な第一加熱部と、前記第一の温度よりも高い第二の温度で前記基板を加熱可能な第二加熱部と、を含み、前記第二加熱部は、前記第一加熱部とは別個独立して設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第二加熱部は第一加熱部とは別個独立して設けられているため、第二加熱部の昇温レートを第一加熱部の昇温レートよりも大きくすることができ、基板温度を所望の温度まで短時間で到達させることができる。例えば、第一加熱部を基板に近接させる前(具体的には基板投入時)に、減圧部によって基板を減圧雰囲気とし、この減圧雰囲気を保った状態で、第一加熱部で基板を加熱しつつ、加えて第二加熱部で基板を加熱することができる。また、第一加熱部で基板を加熱している間に、第二加熱部を予め昇温して、第二の温度で基板を加熱可能にしておくこともできる。そのため、基板の加熱温度を第一の温度から第二の温度まで高める間の時間を考慮する必要がない。したがって、基板の加熱に要するタクトタイムを短縮化することができる。
上記の基板加熱装置において、前記第二加熱部の昇温レートは、前記第一加熱部の昇温レートよりも大きくてもよい。
この構成によれば、第二加熱部の昇温レートが第一加熱部の昇温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部を短時間で昇温することができる。したがって、第一の温度と第二の温度との差が比較的大きい場合であっても、基板の加熱温度を第二の温度まで高める間の時間を短縮することができる。
上記の基板加熱装置において、前記第二加熱部の降温レートは、前記第一加熱部の降温レートよりも大きくてもよい。
この構成によれば、第二加熱部の降温レートが第一加熱部の降温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部を短時間で降温することができる。したがって、基板を第二の温度で加熱した後、基板を冷却する場合であっても、基板の加熱温度を冷却温度まで低くする間の時間を短縮することができる。
上記の基板加熱装置において、前記基板、前記第一加熱部及び前記第二加熱部を収容可能なチャンバを更に含んでいてもよい。
この構成によれば、チャンバ内で基板の加熱温度を管理することができるため、基板を効果的に加熱することができる。
上記の基板加熱装置において、前記基板、前記第一加熱部及び前記第二加熱部は、共通の前記チャンバに収容されていてもよい。
この構成によれば、共通のチャンバ内で基板への第一加熱部による加熱処理と第二加熱部による加熱処理とを一括して行うことができる。すなわち、第一加熱部及び第二加熱部が互いに異なるチャンバに収容された場合のように、異なる2つのチャンバ間で基板を搬送させるための時間を要しない。したがって、基板の加熱処理をより一層効率良く行うことができる。また、異なる2つのチャンバを備えた場合と比較して、装置全体を小型化することができる。
上記の基板加熱装置において、前記溶液は、前記基板の第一面にのみ塗布されており、前記第一加熱部は、前記基板の第一面とは反対側の第二面の側に配置されていてもよい。
この構成によれば、第一加熱部から発せられた熱が、基板の第二面の側から第一面の側に向けて伝わるようになるため、基板を効果的に加熱することができる。また、第一加熱部で基板を加熱している間に、基板に塗布された溶液の揮発又はイミド化(例えば、成膜中のガス抜き)を効率良く行うことができる。
上記の基板加熱装置において、前記第二加熱部は、前記基板の第一面の側に配置されていてもよい。
この構成によれば、第二加熱部から発せられた熱が、基板の第一面の側から第二面の側に向けて伝わるようになるため、第一加熱部による加熱と第二加熱部による加熱とが相まって、基板をより一層効果的に加熱することができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一加熱部及び前記第二加熱部の少なくとも一方は、前記基板を段階的に加熱可能であってもよい。
この構成によれば、第一加熱部及び第二加熱部が基板を一定の温度でのみ加熱可能な場合と比較して、基板に塗布された溶液の成膜条件に適合するように、基板を効率良く加熱することができる。したがって、基板に塗布された溶液を段階的に乾燥させ、良好に硬化させることができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一加熱部及び前記第二加熱部の少なくとも一方と前記基板との相対位置を調整可能な位置調整部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、前記位置調整部を備えない場合と比較して、基板の加熱温度を調整し易くなる。例えば、基板の加熱温度を高くする場合には第一加熱部及び第二加熱部と基板とを近接させ、基板の加熱温度を低くする場合には第一加熱部及び第二加熱部と基板とを離反させることができる。したがって、基板を段階的に加熱し易くなる。
上記の基板加熱装置において、前記位置調整部は、前記基板を前記第一加熱部と前記第二加熱部との間で移動可能とする移動部を含んでいてもよい。
この構成によれば、基板を第一加熱部と第二加熱部との間で移動させることによって、第一加熱部及び第二加熱部の少なくとも一方を定位置に配置した状態で、基板の加熱温度を調整することができる。したがって、第一加熱部及び第二加熱部の少なくとも一方を移動可能とする装置を別途設ける必要がないため、簡素な構成で基板の加熱温度を調整することができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一加熱部と前記第二加熱部との間には、前記基板を搬送可能とする搬送部が設けられており、前記搬送部には、前記移動部を通過可能とする通過部が形成されていてもよい。
この構成によれば、基板を第一加熱部と第二加熱部との間で移動させる場合に、通過部を通過させることができるため、搬送部を迂回して基板を移動させる必要がない。したがって、搬送部を迂回して基板を移動させるための装置を別途設ける必要がないため、簡素な構成で基板の移動をスムーズに行うことができる。
上記の基板加熱装置において、前記移動部は、前記基板の第一面とは反対側の第二面を支持可能かつ前記第二面の法線方向に移動可能な複数のピンを含み、前記複数のピンの先端は、前記第二面と平行な面内に配置されていてもよい。
この構成によれば、基板を安定して支持した状態で、基板を加熱することができるため、基板に塗布された溶液を安定して成膜させることができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一加熱部には、前記第一加熱部を前記第二面の法線方向に開口する複数の挿通孔が形成されており、前記複数のピンの先端は、前記複数の挿通孔を介して前記第二面に当接可能とされていてもよい。
この構成によれば、複数のピンと第一加熱部との間での基板の受け渡しを短時間で行うことができるため、基板の加熱温度を効率良く調整することができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一の温度を含む温度範囲は、20℃以上かつ300℃以下の範囲であってもよい。
この構成によれば、基板に塗布された溶液の揮発又はイミド化を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
上記の基板加熱装置において、前記第二の温度を含む温度範囲は、200℃以上かつ600℃以下の範囲であってもよい。
この構成によれば、基板に塗布された溶液のイミド化時の分子鎖の再配列を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
上記の基板加熱装置において、前記第一加熱部は、ホットプレートであってもよい。
この構成によれば、基板の加熱温度を基板の面内で均一化させることができるため、膜特性を向上させることができる。例えば、ホットプレートの一面と基板の第二面とを当接させた状態で基板を加熱することによって、基板の加熱温度の面内均一性を高めることができる。
上記の基板加熱装置において、前記第二加熱部は、赤外線ヒータであってもよい。
この構成によれば、赤外線加熱によって基板を加熱することができるため、第二加熱部がホットプレートである場合と比較して、基板を第二の温度まで短時間で昇温することができる。また、第二加熱部と基板とを離反させた状態で基板を加熱すること(いわゆる非接触加熱)ができるため、基板を清浄に保つ(いわゆるクリーン加熱を行う)ことができる。
上記の基板加熱装置において、前記赤外線ヒータのピーク波長範囲は、1.5μm以上かつ4μm以下の範囲であってもよい。
この構成によれば、1.5μm以上かつ4μm以下の範囲の波長は、ガラス及び水等の吸収波長と一致するため、基板及び基板に塗布された溶液をより一層効果的に加熱することができる。
上記の基板加熱装置において、前記基板の温度を検知可能な検知部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、基板の温度をリアルタイムで把握することができる。例えば、検知部の検知結果に基づいて基板を加熱することによって、基板の温度が目標値からずれることを抑制することができる。
上記の基板加熱装置において、前記基板に塗布された前記溶液から揮発した溶媒を回収可能な回収部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、溶液から揮発した溶媒が工場側へ排出されることを防ぐことができる。また、回収部を減圧部(真空ポンプ)のラインに接続した場合には、溶液から揮発した溶媒が再び液化して真空ポンプ内に逆流することを防ぐことができる。さらに、溶液から揮発した溶媒を、次回に用いる溶液の溶媒として再利用することができる。
上記の基板加熱装置において、前記基板を揺動可能な揺動部を更に含んでいてもよい。
この構成によれば、基板を揺動させつつ加熱することができるため、基板の温度均一性を高めることができる。
本発明の一態様に係る基板加熱方法は、ポリイミドを形成するための溶液が塗布された基板を減圧する減圧工程と、前記基板を第一の温度で加熱する第一加熱工程と、前記第一の温度よりも高い第二の温度で前記基板を加熱する第二加熱工程と、を含み、前記第二加熱工程では、前記第一加熱工程で用いる第一加熱部とは別個独立して設けられている第二加熱部を用いて前記基板を加熱することを特徴とする。
この方法によれば、第二加熱部は第一加熱部とは別個独立して設けられているため、第二加熱部の昇温レートを第一加熱部の昇温レートよりも大きくすることができ、基板温度を所望の温度まで短時間で到達させることができる。例えば、第一加熱部を基板に近接させる前(具体的には基板投入時)に、減圧部によって基板を減圧雰囲気とし、この減圧雰囲気を保った状態で、第一加熱部で基板を加熱しつつ、加えて第二加熱部で基板を加熱することができる。また、第一加熱部で基板を加熱している間に、第二加熱部を予め昇温して、第二の温度で基板を加熱可能にしておくこともできる。そのため、基板の加熱温度を第一の温度から第二の温度まで高める間の時間を考慮する必要がない。したがって、基板の加熱に要するタクトタイムを短縮化することができる。
上記の基板加熱方法において、前記第二加熱工程では、前記第二加熱部の昇温レートを前記第一加熱部の昇温レートよりも大きくしてもよい。
この方法によれば、第二加熱工程において第二加熱部の昇温レートが第一加熱部の昇温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部を短時間で昇温することができる。したがって、第一の温度と第二の温度との差が比較的大きい場合であっても、基板の加熱温度を第二の温度まで高める間の時間を短縮することができる。
上記の基板加熱方法において、前記第二加熱工程では、前記第二加熱部の降温レートを前記第一加熱部の降温レートよりも大きくしてもよい。
この方法によれば、第二加熱工程において第二加熱部の降温レートが第一加熱部の降温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部を短時間で降温することができる。したがって、基板を第二の温度で加熱した後、基板を冷却する場合であっても、基板の加熱温度を冷却温度まで低くする間の時間を短縮することができる。
上記の基板加熱方法において、前記減圧工程では、前記基板を大気圧から500Pa以下まで減圧し、前記第一加熱工程では、前記減圧工程の雰囲気を保った状態で、前記基板の温度が150℃から300℃の範囲で、前記基板に塗布された前記溶液が揮発又はイミド化するまで前記基板を加熱し、前記第二加熱工程では、前記減圧工程の雰囲気を保った状態で、前記基板の温度が前記第一加熱工程の温度から600℃以下になるまで前記基板を加熱してもよい。
この方法によれば、基板に塗布された溶液の揮発又はイミド化を安定して行うとともに、基板に塗布された溶液のイミド化時の分子鎖の再配列を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
上記の基板加熱方法において、前記第一加熱工程では、前記基板を加熱する時間を10min以下としてもよい。
この方法によれば、基板に塗布された溶液の揮発又はイミド化を短時間で安定して行うことができるため、短時間で膜特性を向上させることができる。
上記の基板加熱方法において、前記第二加熱工程では、前記第二加熱部の昇温レートを100℃/min以上として前記基板を昇温してもよい。
この方法によれば、基板に塗布された溶液のイミド化時の分子鎖の再配列を短時間で安定して行うことができるため、短時間で膜特性を向上させることができる。
本発明によれば、基板の加熱に要するタクトタイムを短縮化することができる基板加熱装置及び基板加熱方法を提供することができる。
第一実施形態に係る基板加熱装置の斜視図である。 搬送ローラ、基板及び第一加熱部の配置関係を説明するための図である。 ホットプレート及び赤外線ヒータの昇温レートを比較したグラフである。 ホットプレート及び赤外線ヒータの降温レートを比較したグラフである。 第一実施形態に係る基板加熱装置の動作の一例を説明するための図である。 図5に続く、第一実施形態に係る基板加熱装置の動作説明図である。 図6に続く、第一実施形態に係る基板加熱装置の動作説明図である。 第一実施形態に係る基板加熱方法の処理条件の一例を説明するための図である。 第二実施形態に係る基板加熱装置の動作の一例を説明するための図である。 図9に続く、第二実施形態に係る基板加熱装置の動作説明図である。 図10に続く、第二実施形態に係る基板加熱装置の動作説明図である。 比較例の処理条件を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX方向、水平面内においてX方向と直交する方向をY方向、X方向及びY方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ方向とする。
(第一実施形態)
<基板加熱装置>
図1は、第一実施形態に係る基板加熱装置1の斜視図である。
図1に示すように、基板加熱装置1は、チャンバ2、減圧部3、ガス供給部4、第一加熱部5、第二加熱部6、位置調整部7、搬送部8、検知部9、回収部11、揺動部12及び制御部15を備える。制御部15は、基板加熱装置1の構成要素を統括制御する。便宜上、図1においては、チャンバ2、減圧部3、ガス供給部4及び回収部11を二点鎖線で示す。
<チャンバ>
チャンバ2は、基板10、第一加熱部5及び第二加熱部6を収容可能である。基板10、第一加熱部5及び第二加熱部6は、共通のチャンバ2に収容されている。チャンバ2は、直方体の箱状に形成される。具体的に、チャンバ2は、矩形板状の天板21と、天板21と対向する矩形板状の底板22と、天板21及び底板22の外周縁に繋がる矩形枠状の周壁23とによって形成される。例えば、周壁23の−X方向側には、チャンバ2に対して基板10の搬入及び搬出をするための基板搬出入口23aが設けられる。
チャンバ2は、基板10を密閉空間で収容可能に構成される。例えば、天板21、底板22及び周壁23の各接続部を溶接等で隙間なく結合することで、チャンバ2内の気密性を向上することができる。
<減圧部>
減圧部3は、底板22の−Y方向側の基板搬出入口23a寄りの角部に接続されている。減圧部3は、チャンバ2内を減圧可能である。例えば、減圧部3は、ポンプ機構等の減圧機構を備える。例えば、減圧機構は、真空ポンプ13を備える。なお、減圧部3の接続部位は、底板22の−Y方向側の基板搬出入口23a寄りの角部に限定されない。減圧部3は、チャンバ2に接続されていればよい。
減圧部3は、ポリイミド膜(ポリイミド)を形成するための溶液(以下「ポリイミド形成用液」という。)が塗布された基板10を減圧可能である。例えば、ポリイミド形成用液は、ポリアミック酸又はポリイミドパウダーを含む。ポリイミド形成用液は、矩形板状をなす基板10の第一面10a(上面)にのみ塗布されている。
<ガス供給部>
ガス供給部4は、周壁23の+X方向側の天板21寄りの角部に接続されている。ガス供給部4は、チャンバ2の内部雰囲気の状態を調整可能である。ガス供給部4は、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスをチャンバ2内へ供給する。なお、ガス供給部4の接続部位は、周壁23の+X方向側の天板21寄りの角部に限定されない。ガス供給部4は、チャンバ2に接続されていればよい。また、基板降温時にガスを供給することで基板冷却に使用してもよい。
ガス供給部4により、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を調整することができる。チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度(質量基準)は、低いほど好ましい。具体的には、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を、100ppm以下とすることが好ましく、20ppm以下とすることがより好ましい。
例えば、後述のように、基板10に塗布されたポリイミド形成用液を硬化するときの雰囲気において、このように酸素濃度を好ましい上限以下とすることにより、ポリイミド形成用液の硬化を進行しやすくすることができる。
<第一加熱部>
第一加熱部5は、チャンバ2内の下方に配置されている。第一加熱部5は、基板10を第一の温度で加熱可能である。第一加熱部5は、基板10を段階的に加熱可能である。例えば、第一の温度を含む温度範囲は、20℃以上かつ300℃以下の範囲である。第一加熱部5は、基板10の第一面10aとは反対側の第二面10b(下面)の側に配置されている。
第一加熱部5は、矩形板状をなす(図2参照)。第一加熱部5は、基板10を下方から支持可能である。第一加熱部5の上面は、基板10の第一面10aに沿う平坦面をなす。例えば、第一加熱部5は、ホットプレートである。
<第二加熱部>
第二加熱部6は、チャンバ2内の上方に配置されている。第二加熱部6は、第一の温度よりも高い第二の温度で基板10を加熱可能である。第二加熱部6は、第一加熱部5とは別個独立して設けられている。第二加熱部6は、基板10を段階的に加熱可能である。例えば、第二の温度を含む温度範囲は、200℃以上かつ600℃以下の範囲である。第二加熱部6は、基板10の第一面10aの側に配置されている。
第二加熱部6は、天板21に支持されている。第二加熱部6は、チャンバ2内の天板21寄りで定位置に固定されている。例えば、第二加熱部6は、赤外線ヒータである。例えば、赤外線ヒータのピーク波長範囲は、1.5μm以上かつ4μm以下の範囲である。
第二加熱部6の昇温レートは、第一加熱部5の昇温レートよりも大きい。第二加熱部6の降温レートは、第一加熱部5の降温レートよりも大きい。
図3は、ホットプレート及び赤外線ヒータの昇温レートを比較したグラフである。図4は、ホットプレート及び赤外線ヒータの降温レートを比較したグラフである。図3及び図4において、横軸は時間[sec]、縦軸は温度[℃]を示す。また、符号HPはホットプレートのグラフ、符号IRは赤外線ヒータのグラフを示す。
<ホットプレート及び赤外線ヒータの昇温レート>
図3に示すように、ホットプレートHPの温度は、時間の経過に従って緩やかに上昇する。例えば、ホットプレートHPの場合、温度が75℃から250℃になるまで875sec程度かかる。例えば、ホットプレートHPの昇温レートは、0.2℃/sec程度である。
一方、赤外線ヒータIRの温度は、時間の経過に従って急峻に上昇する。例えば、赤外線ヒータIRの場合、温度が25℃から375℃になるまで90sec程度かかる。例えば、赤外線ヒータIRの昇温レートは、4℃/sec程度である。赤外線ヒータIRの昇温レートは、ホットプレートHPの昇温レートよりも大きい。
<ホットプレート及び赤外線ヒータの降温レート>
図4に示すように、ホットプレートHPの温度は、時間の経過に従って緩やかに下降する。例えば、ホットプレートHPの場合、温度が250℃から150℃になるまで2000sec程度かかる。例えば、ホットプレートHPの降温レートは、0.05℃/sec程度である。
一方、赤外線ヒータIRの温度は、時間の経過に従って急峻に下降する。例えば、赤外線ヒータIRの場合、温度が400℃から150℃になるまで150sec程度かかる。例えば、赤外線ヒータIRの降温レートは、2℃/sec程度である。赤外線ヒータIRの降温レートは、ホットプレートHPの降温レートよりも大きい。
<位置調整部>
図1に示すように、位置調整部7は、チャンバ2の下方に配置されている。位置調整部7は、第一加熱部5及び第二加熱部6と基板10との相対位置を調整可能である。位置調整部7は、移動部7aと駆動部7bとを備える。移動部7aは、上下(Z方向)に延びる柱状の部材である。移動部7aの上端は、第一加熱部5の下面に固定されている。駆動部7bは、移動部7aを上下に移動可能とする。移動部7aは、基板10を第一加熱部5と第二加熱部6との間で移動可能とする。具体的に、移動部7aは、基板10が第一加熱部5の上面に載置された状態で、駆動部7bの駆動によって、基板10を上下に移動させる(図6及び図7参照)。
駆動部7bは、チャンバ2の外部に配置されている。そのため、仮に駆動部7bの駆動に伴いパーティクルが発生したとしても、チャンバ2内を密閉空間とすることによって、チャンバ2内へのパーティクルの侵入を回避することができる。
<搬送部>
搬送部8は、チャンバ2内において、第一加熱部5と第二加熱部6との間に配置されている。搬送部8は、基板10を搬送可能である。搬送部8には、移動部7aを通過可能とする通過部8hが形成されている。搬送部8は、基板10の搬送方向であるX方向に沿って配置された複数の搬送ローラ8aを備える。
複数の搬送ローラ8aは、周壁23の+Y方向側と−Y方向側とに離反して配置されている。通過部8hは、周壁23の+Y方向側の搬送ローラ8aと、周壁23の−Y方向側の搬送ローラ8aとの間の空間である。
例えば、周壁23の+Y方向側及び−Y方向側のそれぞれには、Y方向に延びる複数のシャフト(不図示)がX方向に沿って配置されている。各搬送ローラ8aは、駆動機構(不図示)によって、各シャフトの回りに回転駆動されるようになっている。
図2は、搬送ローラ8a、基板10及び第一加熱部5の配置関係を説明するための図である。図2は、基板加熱装置1の上面図に相当する。便宜上、図2においては、チャンバ2を二点鎖線で示す。
図2において、符号L1は、周壁23の+Y方向側の搬送ローラ8aと、周壁23の−Y方向側の搬送ローラ8aとが離反する間隔(以下「ローラ離反間隔」という。)である。また、符号L2は、基板10のY方向の長さ(以下「基板長さ」という。)である。また、符号L3は、第一加熱部5のY方向の長さ(以下「第一加熱部長さ」という。)である。
図2に示すように、ローラ離反間隔L1は、基板長さL2よりも小さくかつ第一加熱部長さL3よりも大きい(L3<L1<L2)。ローラ離反間隔L1が第一加熱部長さL3よりも大きいことによって、移動部7aは、第一加熱部5と共に通過部8hを通過できるようになっている(図6及び図7参照)。
<検知部>
図1に示すように、検知部9は、チャンバ2内において、基板10の上方に配置されている。検知部9は、基板10の温度を検知可能である。例えば、検知部9は、非接触温度センサである。
<回収部>
回収部11は、減圧部3(真空ポンプ13)のラインに接続されている。回収部11は、基板10に塗布されたポリイミド形成用液から揮発した溶媒を回収可能である。
<揺動部>
揺動部12は、チャンバ2内において、基板10の−X方向側に配置されている。揺動部12は、基板10を揺動可能である。例えば、揺動部12は、基板10が加熱されている状態において、基板10をXY平面に沿う方向又はZ方向に沿う方向に揺動させる。なお、揺動部12の配置位置は、チャンバ2内における基板10の−X方向側に限定されない。例えば、揺動部12は、位置調整部7に設けられていてもよい。
<基板加熱方法>
次に、本実施形態に係る基板加熱方法を説明する。本実施形態では、上記の基板加熱装置1を用いて基板10を加熱する。基板加熱装置1の各部で行われる動作は、制御部15によって制御される。
図5は、第一実施形態に係る基板加熱装置1の動作の一例を説明するための図である。図6は、図5に続く、第一実施形態に係る基板加熱装置1の動作説明図である。図7は、図6に続く、第一実施形態に係る基板加熱装置1の動作説明図である。図8は、第一実施形態に係る基板加熱方法の処理条件の一例を説明するための図である。
便宜上、図5〜図7においては、基板加熱装置1の構成要素のうち、減圧部3、ガス供給部4、検知部9、回収部11、揺動部12及び制御部15の図示を省略する。
図8において、横軸は時間、左側の縦軸はチャンバ内圧力、右側の縦軸は基板温度を示す。また、横軸において、符号T1は減圧工程を行う区間(以下「減圧区間」という。)、符号T2は第一加熱工程を行う区間(以下「第一加熱区間」という。)、符号T3は第二加熱工程を行う区間(以下「第二加熱区間」という。)を示す。また、符号Cpはチャンバ内圧力のグラフ、符号Ctは基板温度のグラフを示す。
本実施形態に係る基板加熱方法は、減圧工程、第一加熱工程及び第二加熱工程を含む。
減圧工程では、ポリイミド形成用液が塗布された基板10を減圧する。
図5に示すように、減圧工程では、基板10が搬送ローラ8aに配置されている。また、減圧工程では、第一加熱部5は、底板22寄りに位置している。減圧工程において、第一加熱部5及び基板10は、第一加熱部5の熱が基板10に伝わらない程度に離反している。減圧工程において、第一加熱部5の電源はオンになっている。例えば、第一加熱部5の温度は、250℃程度になっている。一方、減圧工程において、第二加熱部6の電源はオフになっている。
減圧工程では、基板10を大気圧から500Pa以下まで減圧する。例えば、図8に示すように、減圧区間T1では、チャンバ内圧力を、大気圧から20Paまで徐々に下降させる。
減圧工程では、チャンバ2の内部雰囲気の酸素濃度を可及的に低くする。例えば、減圧工程では、チャンバ2内の真空度を20Pa以下とする。
減圧工程の後、第一加熱工程では、基板10を第一の温度で加熱する。
図6に示すように、第一加熱工程では、第一加熱部5を上方に移動させて、基板10を第一加熱部5の上面に載置させる。これにより、第一加熱部5は基板10の第二面10bに当接するため、第一加熱部5の熱が基板10に直接伝わるようになる。例えば、第一加熱工程において、第一加熱部5の温度は、250℃を維持している。そのため、基板温度は、250℃まで上昇可能とされている。一方、第一加熱工程において、第二加熱部6の電源はオフのままとなっている。
なお、第一加熱工程において、第一加熱部5は、通過部8h(図1参照)内に位置している。便宜上、図6において、移動前(減圧工程時の位置)の第一加熱部5を二点鎖線、移動後(第一加熱工程時の位置)の第一加熱部5を実線で示す。
第一加熱工程では、減圧工程の雰囲気を保った状態で、基板温度が150℃から300℃の範囲で、基板10に塗布されたポリイミド形成用液が揮発又はイミド化するまで基板10を加熱する。例えば、第一加熱工程では、基板10を加熱する時間を10min以下とする。具体的には、第一加熱工程では、基板10を加熱する時間を3minとする。
例えば、図8に示すように、第一加熱区間T2では、基板温度を25℃から250℃まで緩やかに上昇させる。
第一加熱工程の後、第二加熱工程では、第一の温度よりも高い第二の温度で基板10を加熱する。第二加熱工程では、第一加熱工程で用いる第一加熱部5とは別個独立して設けられている第二加熱部6を用いて基板10を加熱する。
図7に示すように、第二加熱工程では、第一加熱部5を第一加熱工程時の位置よりも更に上方に移動させて、基板10を第二加熱部6に近接させる。例えば、第二加熱工程において、第一加熱部5の温度は、250℃を維持している。また、第二加熱工程において、第二加熱部6の電源はオンとされる。例えば、第二加熱部6は、450℃で基板10を加熱可能である。そのため、基板温度は、450℃まで上昇可能とされている。第二加熱工程では、第一加熱工程時よりも基板10が第二加熱部6に近づくため、第二加熱部6の熱が基板10に十分に伝わるようになる。
なお、第二工程において、第一加熱部5は、搬送ローラ8a(図1に示す通過部8h)の上方かつ第二加熱部6の下方に位置している。便宜上、図7において、移動前(第一加熱工程時の位置)の第一加熱部5を二点鎖線、移動後(第二加熱工程時の位置)の第一加熱部5を実線で示す。
第二加熱工程では、減圧工程の雰囲気を保った状態で、基板温度が第一加熱工程の温度から600℃以下になるまで基板10を加熱する。第二加熱工程では、第二加熱部6の昇温レートを第一加熱部5の昇温レートよりも大きくする。例えば、第二加熱工程では、第二加熱部6の昇温レートを100℃/min以上として基板10を昇温する。
例えば、図8に示すように、第二加熱区間T3では、基板温度を250℃から450℃まで急峻に上昇させる。また、第二加熱区間T3では、チャンバ内圧力を20Pa以下に維持する。
第二加熱工程は、基板10を冷却させる冷却工程を含む。例えば、冷却工程では、減圧工程の雰囲気、もしくは低酸素雰囲気を保った状態で、基板温度が第二加熱工程の温度から基板10を搬送可能な温度になるまで基板10を冷却する。冷却工程では、第二加熱部6の電源をオフにする。冷却工程では、第二加熱部6の降温レートを第一加熱部5の降温レートよりも大きくする。
以上の工程を経ることにより、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化を行うとともに、基板10に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を行い、ポリイミド膜を形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、第二加熱部6は第一加熱部5とは別個独立して設けられているため、第二加熱部6の昇温レートを第一加熱部5の昇温レートよりも大きくすることができ、基板温度を所望の温度まで短時間で到達させることができる。例えば、第一加熱部5を基板10に近接させる前(具体的には基板投入時)に、減圧部3によって基板10を減圧雰囲気とし、この減圧雰囲気を保った状態で、第一加熱部5で基板10を加熱しつつ、加えて第二加熱部6で基板10を加熱することができる。また、第一加熱部5で基板10を加熱している間に、第二加熱部6を予め昇温して、第二の温度で基板10を加熱可能にしておくこともできる。そのため、基板10の加熱温度を第一の温度から第二の温度まで高める間の時間を考慮する必要がない。したがって、基板10の加熱に要するタクトタイムを短縮化することができる。
また、第二加熱部6の昇温レートが第一加熱部5の昇温レートよりも大きいことで、第二加熱部6の昇温レートが第一加熱部5の昇温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部6を短時間で昇温することができる。したがって、第一の温度と第二の温度との差が比較的大きい場合であっても、基板10の加熱温度を第二の温度まで高める間の時間を短縮することができる。
また、第二加熱部6の降温レートが第一加熱部5の降温レートよりも大きいことで、第二加熱部6の降温レートが第一加熱部5の降温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部6を短時間で降温することができる。したがって、基板10を第二の温度で加熱した後、基板10を冷却する場合であっても、基板10の加熱温度を冷却温度まで低くする間の時間を短縮することができる。
また、基板10、第一加熱部5及び第二加熱部6を収容可能なチャンバ2を更に含むことで、チャンバ2内で基板10の加熱温度を管理することができるため、基板10を効果的に加熱することができる。
また、基板10、第一加熱部5及び第二加熱部6が共通のチャンバ2に収容されていることで、共通のチャンバ2内で基板10への第一加熱部5による加熱処理と第二加熱部6による加熱処理とを一括して行うことができる。すなわち、第一加熱部5及び第二加熱部6が互いに異なるチャンバ2に収容された場合のように、異なる2つのチャンバ2間で基板10を搬送させるための時間を要しない。したがって、基板10の加熱処理をより一層効率良く行うことができる。また、異なる2つのチャンバ2を備えた場合と比較して、装置全体を小型化することができる。
また、ポリイミド形成用液が基板10の第一面10aにのみ塗布されており、第一加熱部5が基板10の第一面10aとは反対側の第二面10bの側に配置されていることで、第一加熱部5から発せられた熱が、基板10の第二面10bの側から第一面10aの側に向けて伝わるようになるため、基板10を効果的に加熱することができる。また、第一加熱部5で基板10を加熱している間に、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化(例えば、成膜中のガス抜き)を効率良く行うことができる。
また、第二加熱部6が基板10の第一面10aの側に配置されていることで、第二加熱部6から発せられた熱が、基板10の第一面10aの側から第二面10bの側に向けて伝わるようになるため、第一加熱部5による加熱と第二加熱部6による加熱とが相まって、基板10をより一層効果的に加熱することができる。
また、第一加熱部5及び第二加熱部6の双方が基板10を段階的に加熱可能であることで、第一加熱部5及び第二加熱部6が基板10を一定の温度でのみ加熱可能な場合と比較して、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の成膜条件に適合するように、基板10を効率良く加熱することができる。したがって、基板10に塗布されたポリイミド形成用液を段階的に乾燥させ、良好に硬化させることができる。
また、第一加熱部5及び第二加熱部6と基板10との相対位置を調整可能な位置調整部7を更に含むことで、前記位置調整部7を備えない場合と比較して、基板10の加熱温度を調整し易くなる。例えば、基板10の加熱温度を高くする場合には第一加熱部5及び第二加熱部6と基板10とを近接させ、基板10の加熱温度を低くする場合には第一加熱部5及び第二加熱部6と基板10とを離反させることができる。したがって、基板10を段階的に加熱し易くなる。
また、位置調整部7は、基板10を第一加熱部5と第二加熱部6との間で移動可能とする移動部7aを含むことで、基板10を第一加熱部5と第二加熱部6との間で移動させることによって、第一加熱部5及び第二加熱部6の少なくとも一方を定位置に配置した状態で、基板10の加熱温度を調整することができる。したがって、第一加熱部5及び第二加熱部6の少なくとも一方を移動可能とする装置を別途設ける必要がないため、簡素な構成で基板10の加熱温度を調整することができる。
また、第一加熱部5と第二加熱部6との間には、基板10を搬送可能とする搬送部8が設けられており、搬送部8には、移動部7aを通過可能とする通過部8hが形成されていることで、基板10を第一加熱部5と第二加熱部6との間で移動させる場合に、通過部8hを通過させることができるため、搬送部8を迂回して基板10を移動させる必要がない。したがって、搬送部8を迂回して基板10を移動させるための装置を別途設ける必要がないため、簡素な構成で基板10の移動をスムーズに行うことができる。
また、第一の温度を含む温度範囲が20℃以上かつ300℃以下の範囲であることで、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
また、第二の温度を含む温度範囲が200℃以上かつ600℃以下の範囲であることで、基板10に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
また、第一加熱部5がホットプレートであることで、基板10の加熱温度を基板10の面内で均一化させることができるため、膜特性を向上させることができる。例えば、ホットプレートの一面と基板10の第二面10bとを当接させた状態で基板10を加熱することによって、基板10の加熱温度の面内均一性を高めることができる。
また、第二加熱部6が赤外線ヒータであることで、赤外線加熱によって基板10を加熱することができるため、第二加熱部6がホットプレートである場合と比較して、基板10を第二の温度まで短時間で昇温することができる。また、第二加熱部6と基板10とを離反させた状態で基板10を加熱すること(いわゆる非接触加熱)ができるため、基板10を清浄に保つ(いわゆるクリーン加熱を行う)ことができる。
また、赤外線ヒータのピーク波長範囲が1.5μm以上かつ4μm以下の範囲であることで、1.5μm以上かつ4μm以下の範囲の波長は、ガラス及び水等の吸収波長と一致するため、基板10及び基板10に塗布されたポリイミド形成用液をより一層効果的に加熱することができる。
また、基板10の温度を検知可能な検知部9を更に含むことで、基板10の温度をリアルタイムで把握することができる。例えば、検知部9の検知結果に基づいて基板10を加熱することによって、基板10の温度が目標値からずれることを抑制することができる。
また、基板10に塗布されたポリイミド形成用液から揮発した溶媒を回収可能な回収部11を更に含むことで、ポリイミド形成用液から揮発した溶媒が工場側へ排出されることを防ぐことができる。また、回収部11を減圧部3(真空ポンプ13)のラインに接続した場合には、ポリイミド形成用液から揮発した溶媒が再び液化して真空ポンプ13内に逆流することを防ぐことができる。さらに、ポリイミド形成用液から揮発した溶媒を、次回に用いるポリイミド形成用液の溶媒として再利用することができる。
また、基板10を揺動可能な揺動部12を更に含むことで、基板10を揺動させつつ加熱することができるため、基板10の温度均一性を高めることができる。
また、第二加熱工程では、第二加熱部6の昇温レートを第一加熱部5の昇温レートよりも大きくすることで、第二加熱工程において第二加熱部6の昇温レートが第一加熱部5の昇温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部6を短時間で昇温することができる。したがって、第一の温度と第二の温度との差が比較的大きい場合であっても、基板10の加熱温度を第二の温度まで高める間の時間を短縮することができる。
また、冷却工程では、第二加熱部6の降温レートを第一加熱部5の降温レートよりも大きくすることで、冷却工程において第二加熱部6の降温レートが第一加熱部5の降温レートと同等以下の場合と比較して、第二加熱部6を短時間で降温することができる。したがって、基板10を第二の温度で加熱した後、基板10を冷却する場合であっても、基板10の加熱温度を冷却温度まで低くする間の時間を短縮することができる。
また、減圧工程では、基板10を大気圧から500Pa以下まで減圧し、第一加熱工程では、減圧工程の雰囲気を保った状態で、基板10の温度が150℃から300℃の範囲で、基板10に塗布されたポリイミド形成用液が揮発又はイミド化するまで基板10を加熱し、第二加熱工程では、減圧工程の雰囲気を保った状態で、基板10の温度が第一加熱工程の温度から600℃以下になるまで基板10を加熱することで、以下の効果を奏する。この方法によれば、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化を安定して行うとともに、基板10に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を安定して行うことができるため、膜特性を向上させることができる。
また、第一加熱工程では、基板10を加熱する時間を10min以下とすることで、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化を短時間で安定して行うことができるため、短時間で膜特性を向上させることができる。
また、第二加熱工程では、第二加熱部6の昇温レートを100℃/min以上として基板10を昇温することで、基板10に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を短時間で安定して行うことができるため、短時間で膜特性を向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について、図9〜図11を用いて説明する。
図9は、第二実施形態に係る基板加熱装置201の動作の一例を説明するための図である。図10は、図9に続く、第二実施形態に係る基板加熱装置201の動作説明図である。図11は、図10に続く、第二実施形態に係る基板加熱装置201の動作説明図である。
便宜上、図9〜図11においては、基板加熱装置201の構成要素のうち、減圧部3、ガス供給部4、搬送部8、検知部9、回収部11、揺動部12及び制御部15の図示を省略する。
第二実施形態では、第一実施形態に対して、位置調整部207の構成が特に異なる。図9〜図11において、第一実施形態と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<位置調整部>
図9〜図11に示すように、位置調整部207は、収容部270、移動部275及び駆動部279を備える。
収容部270は、チャンバ2の下側に配置されている。収容部270は、移動部275及び駆動部279を収容可能である。収容部270は、直方体の箱状に形成される。具体的に、収容部270は、矩形板状の第一支持板271と、第一支持板271と対向する矩形板状の第二支持板272と、第一支持板271及び第二支持板272の外周縁に繋がるとともに移動部275及び駆動部279の周囲を囲むように覆う囲い板273とによって形成される。
第一支持板271の外周縁は、チャンバ2の周壁23の下端に接続されている。第一支持板271は、チャンバ2の底板としても機能する。第一支持板271には、第一加熱部205が配置されている。具体的に、第一加熱部205は、チャンバ2内で第一支持板271に支持されている。
囲い板273と周壁23とは、上下に連続して連なっている。チャンバ2は、基板10を密閉空間で収容可能に構成される。例えば、天板21、底板としての第一支持板271、及び周壁23の各接続部を溶接等で隙間なく結合することで、チャンバ2内の気密性を向上することができる。
移動部275は、ピン276、伸縮管277及び基台278を備える。
ピン276は、基板10の第二面10bを支持可能かつ第二面10bの法線方向(Z方向)に移動可能である。ピン276は、上下に延びる棒状の部材である。ピン276の先端(上端)は、基板10の第二面10bに当接可能かつ基板10の第二面10bから離反可能とされている。
ピン276は、第二面10bと平行な方向(X方向及びY方向)に間隔を空けて複数設けられている。複数のピン276は、それぞれ略同じ長さに形成されている。複数のピン276の先端は、第二面10bと平行な面内(XY平面内)に配置されている。
伸縮管277は、第一支持板271と基台278との間に設けられている。伸縮管277は、ピン276の周囲を囲むように覆うとともに、上下に延びる管状の部材である。伸縮管277は、第一支持板271と基台278との間で上下に伸縮自在とされている。例えば、伸縮管277は、真空ベローズである。
伸縮管277は、複数のピン276と同じ数だけ複数設けられている。複数の伸縮管277の先端(上端)は、第一支持板271に固定されている。具体的に、第一支持板271には、第一支持板271を厚み方向に開口する複数の挿通孔271hが形成されている。各挿通孔271hの内径は、各伸縮管277の外径と略同じ大きさとされている。例えば、各伸縮管277の先端は、第一支持板271の各挿通孔271hに嵌合固定されている。
基台278は、第一支持板271と対向する板状の部材である。基台278の上面は、基板10の第二面10bに沿う平坦面をなす。基台278の上面には、複数のピン276の基端(下端)及び複数の伸縮管277の基端(下端)が固定されている。
複数のピン276の先端は、第一加熱部205を挿通可能とされている。第一加熱部205には、第一支持板271の各挿通孔271h(各伸縮管277の内部空間)に第二面10bの法線方向で重なる位置で、第一加熱部205を第二面10bの法線方向(ホットプレートの厚み方向)に開口する複数の挿通孔205hが形成されている。
複数のピン276の先端は、各伸縮管277の内部空間及び第一加熱部205の各挿通孔205hを介して、基板10の第二面10bに当接可能とされている。そのため、複数のピン276の先端によって、基板10がXY平面に平行に支持されるようになっている。複数のピン276は、チャンバ2内に収容される基板10を支持しつつチャンバ2内のZ方向に移動するようになっている(図9〜図11参照)。
駆動部279は、チャンバ2の外部である収容部270内に配置されている。そのため、仮に駆動部279の駆動に伴いパーティクルが発生したとしても、チャンバ2内を密閉空間とすることによって、チャンバ2内へのパーティクルの侵入を回避することができる。
<基板加熱方法>
次に、本実施形態に係る基板加熱方法を説明する。本実施形態では、上記の基板加熱装置201を用いて基板10を加熱する。基板加熱装置201の各部で行われる動作は、制御部15によって制御される。なお、第一実施形態と同様の工程については、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る基板加熱方法は、減圧工程、第一加熱工程及び第二加熱工程を含む。
減圧工程では、ポリイミド形成用液が塗布された基板10を減圧する。
図9に示すように、減圧工程では、基板10が第一加熱部205から離反している。具体的に、各伸縮管277の内部空間及び第一加熱部205の各挿通孔205hを介して複数のピン276の先端を基板10の第二面10bに当接させるとともに、基板10を上昇させることによって、基板10を第一加熱部205から離反させている。減圧工程において、第一加熱部205及び基板10は、第一加熱部205の熱が基板10に伝わらない程度に離反している。減圧工程において、第一加熱部205の電源はオンになっている。例えば、第一加熱部205の温度は、250℃程度になっている。一方、減圧工程において、第二加熱部6の電源はオフになっている。
減圧工程の後、第一加熱工程では、基板10を第一加熱部205の温度で加熱する。
図10に示すように、第一加熱工程では、複数のピン276の先端を基板10の第二面10bから離反させることによって、基板10を第一加熱部205に当接させる。すなわち、基板10を第一加熱部205の上面に載置させる。これにより、第一加熱部205は基板10の第二面10bに当接するため、第一加熱部205の熱が基板10に直接伝わるようになる。例えば、第一加熱工程において、第一加熱部205の温度は、250℃を維持している。そのため、基板温度は、250℃まで上昇可能とされている。一方、第一加熱工程において、第二加熱部6の電源はオフのままとなっている。
第一加熱工程の後、第二加熱工程では、第二の温度で基板10を加熱する。
図11に示すように、第二加熱工程では、基板10を第一加熱工程時の位置よりも更に上昇させることによって、基板10を第二加熱部6に近接させる。例えば、第二加熱工程において、第一加熱部205の温度は、250℃を維持している。また、第二加熱工程において、第二加熱部6の電源はオンとされる。例えば、第二加熱部6は、450℃で基板10を加熱可能である。そのため、基板温度は、450℃まで上昇可能とされている。第二加熱工程では、第一加熱工程時よりも基板10が第二加熱部6に近づくため、第二加熱部6の熱が基板10に十分に伝わるようになる。
その後、第一実施形態と同様の工程を経ることにより、基板10に塗布されたポリイミド形成用液の揮発又はイミド化を行うとともに、基板10に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を行い、ポリイミド膜を形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、移動部275が基板10の第二面10bを支持可能かつ第二面10bの法線方向に移動可能な複数のピン276を含み、複数のピン276の先端が第二面10bと平行な面内に配置されていることで、基板10を安定して支持した状態で、基板10を加熱することができるため、基板10に塗布されたポリイミド形成用液を安定して成膜させることができる。
また、第一加熱部205には、第一加熱部205を第二面10bの法線方向に開口する複数の挿通孔205hが形成されており、各ピン276の先端が各挿通孔205hを介して第二面10bに当接可能とされていることで、複数のピン276と第一加熱部205との間での基板10の受け渡しを短時間で行うことができるため、基板10の加熱温度を効率良く調整することができる。
なお、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
また、上記実施形態においては、基板、第一加熱部及び第二加熱部が共通のチャンバに収容されているが、これに限らない。例えば、第一加熱部及び第二加熱部が互いに異なるチャンバに収容されていてもよい。
また、上記実施形態においては、第一加熱部及び第二加熱部の双方が基板を段階的に加熱可能であるが、これに限らない。例えば、第一加熱部及び第二加熱部の少なくとも一方が、基板を段階的に加熱可能であってもよい。また、第一加熱部及び第二加熱部の双方が、基板を一定の温度でのみ加熱可能であってもよい。
また、上記実施形態においては、第一加熱部がホットプレートであり、第二加熱部が赤外線ヒータであるとしたが、これに限らない。例えば、第一加熱部及び第二加熱部の双方が、ホットプレート又は赤外線ヒータであってもよい。
また、上記実施形態においては、チャンバの内壁が赤外線を反射可能とされていてもよい。例えば、チャンバの内壁が、アルミニウム等の金属による鏡面(反射面)とされていてもよい。これにより、チャンバの内壁が赤外線を吸収可能とされている場合と比較して、チャンバ内の温度均一性を高めることができる。
また、上記実施形態においては、搬送部として複数の搬送ローラを用いたが、これに限らない。例えば、搬送部としてベルトコンベアを用いてもよいし、リニアモータアクチュエータを用いてもよい。例えば、ベルトコンベア及びリニアモータアクチュエータは、X方向に継ぎ足し可能とされてもよい。これにより、X方向における基板の搬送距離を調整することができる。
また、搬送部として図2に示す構成(搬送部に通過部が形成されている構成)以外の構成を採用する場合には、第一加熱部の平面視サイズは、基板の平面視サイズと同等以上であってもよい。これにより、第一加熱部の平面視サイズが基板の平面視サイズよりも小さい場合と比較して、基板の加熱温度の面内均一性をより一層高めることができる。
また、上記実施形態においては、減圧工程及び第一加熱工程において、第一加熱部の電源はオンになっており、第二加熱部の電源はオフになっているが、これに限らない。例えば、減圧工程及び第一加熱工程において、第一加熱部及び第二加熱部の電源がオンになっていてもよい。
なお、上記において実施形態又はその変形例として記載した各構成要素は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができるし、また、組み合わされた複数の構成要素のうち一部の構成要素を適宜用いないようにすることもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明者は、第一加熱部と、第一加熱部と別個独立して設けられた第二加熱部とを備えた基板加熱装置を用いてポリイミド膜を形成することによって、短時間で膜特性を向上させることができることを以下の評価により確認した。
(評価対象)
評価対象は、ポリイミド形成用液が塗布された基板を、後述する基板加熱装置によって加熱処理などして形成したポリイミド膜を用いた。基板は、日本電気硝子株式会社製のガラス基板「OA−10」を用いた。ポリイミド膜の膜厚は、15μmとした。
(比較例)
比較例の基板加熱装置は、既存のオーブンを用いた。オーブンは、昇温レートが0.08℃/sec(4.9℃/min)、降温レートが0.05℃/sec(2.8℃/min)のものを用いた。比較例においては、第一加熱部と別個独立して設けられた第二加熱部を備えていない。
図12は、比較例の処理条件を説明するための図である。図12は、オーブンによる加熱処理時の温度プロファイルのグラフを示す。図12において、横軸は時間[min]、縦軸は温度[℃]を示す。
比較例では、先ず、オーブン内に窒素を供給し、オーブン内を低酸素雰囲気(酸素濃度100ppm)とした。
次に、低酸素雰囲気を保った状態で、オーブン温度を180℃まで段階的に上昇させ(ステップベイク)、基板に塗布されたポリイミド形成用液が揮発又はイミド化するまで基板を加熱した。
次に、低酸素雰囲気を保った状態で、オーブン温度を450℃まで上昇させ、所定時間だけ維持した後、徐々に下降させた。これにより、基板に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を行い、ポリイミド膜を形成した。
比較例において、ポリイミド膜を形成するまでの処理時間は600minであった。
(実施例)
実施例の基板加熱装置は、第一加熱部と、第一加熱部と別個独立して設けられた第二加熱部とを備えたもの(図1に示す基板加熱装置1)を用いた。第一加熱部はホットプレートを用い、第二加熱部は赤外線ヒータを用いた。ホットプレートは、昇温レートが0.2℃/sec、降温レートが0.05℃/secのものを用いた。赤外線ヒータは、昇温レートが4℃/sec、降温レートが2℃/secのものを用いた。
実施例では、先ず、チャンバ内を減圧し、真空度20Paとした(減圧工程)。減圧工程の処理時間は2minとした。
次に、減圧雰囲気を保った状態で、基板温度を200℃まで上昇させ、基板に塗布されたポリイミド形成用液が揮発又はイミド化するまで基板を加熱した(第一加熱工程)。第一加熱工程の処理時間は10minとした。
次に、減圧雰囲気を保った状態で、基板温度を450℃まで段階的に上昇させた後、徐々に下降させた。これにより、基板に塗布されたポリイミド形成用液のイミド化時の分子鎖の再配列を行い、ポリイミド膜を形成した(第二加熱工程)。第二加熱工程の処理時間は12.5minとした。
なお、ホットプレート温度は、減圧工程から第二加熱工程まで250℃を維持した。また、赤外線ヒータは、第二加熱工程においてのみ昇温及び降温させた。具体的には、先ず、第二加熱工程開始直後に、赤外線ヒータを1minで基板温度が350℃になるまで昇温させた後、その状態で5min維持し、その後1minで基板温度が450℃になるまで昇温させ、その時点で降温させた。
実施例において、ポリイミド膜を形成するまでの処理時間は24.5minであった。
(膜特性の評価結果)
上述の比較例及び実施例によって形成したポリアミド膜の機械的特性などの膜特性の評価結果を表1に示す。なお、破断強度、破断伸度、ヤング率は、ORIRNTEC社製の「RTC−1210A」を用いて測定した。
Figure 0006639867
評価対象としては、サンプルA〜Cを用いた。サンプルA〜Cは、ポリイミド形成用液の種類が互いに異なる。
表1に示すように、比較例及び実施例のそれぞれにおいて、サンプルA〜Cの間で異なる結果を得た。
サンプルAの場合、実施例は、比較例に対し、破断伸度で良好な結果を得た。
サンプルBの場合、実施例は、比較例に対し、破断強度、破断伸度で良好な結果を得た。
サンプルCの場合、実施例は、比較例に対し、破断強度、破断伸度、ヤング率で良好な結果を得た。
以上により、第一加熱部と、第一加熱部と別個独立して設けられた第二加熱部とを備えた基板加熱装置を用いてポリイミド膜を形成することによって、短時間で膜特性を向上できることが分かった。
1,201…基板加熱装置 2…チャンバ 3…減圧部 5,205…第一加熱部 6…第二加熱部 7,207…位置調整部 7a,275…移動部 8…搬送部 8h…通過部 9…検知部 10…基板 10a…第一面 10b…第二面 11…回収部 12…揺動部 205h…挿通孔 276…ピン

Claims (20)

  1. ポリイミドを形成するためのポリアミック酸が溶解した溶液が塗布された基板を減圧可能な減圧部と、
    前記基板を第一の温度で加熱可能な第一加熱部と、
    前記第一の温度よりも高い第二の温度で前記基板を加熱可能な第二加熱部と、を含み、
    前記第二加熱部は、前記第一加熱部とは別個独立して設けられ、
    前記第一の温度を含む温度範囲は、20℃以上かつ300℃以下の範囲であり、
    前記第二の温度を含む温度範囲は、200℃以上かつ600℃以下の範囲であり、
    前記溶液は、前記基板の第一面にのみ塗布されており、
    前記第一加熱部は、前記基板の第一面とは反対側の第二面の側に配置されており、
    前記第二加熱部は、前記基板の第一面の側に配置されており、
    前記第一加熱部は、ホットプレートであり、
    前記第二加熱部は、赤外線ヒータであり、
    前記第一加熱部は、前記基板に塗布された前記溶液中の前記ポリアミック酸がイミド化するまで前記基板を加熱する
    基板加熱装置。
  2. 前記第二加熱部の昇温レートは、前記第一加熱部の昇温レートよりも大きい
    請求項1に記載の基板加熱装置。
  3. 前記第二加熱部の降温レートは、前記第一加熱部の降温レートよりも大きい
    請求項1又は2に記載の基板加熱装置。
  4. 前記基板、前記第一加熱部及び前記第二加熱部を収容可能なチャンバを更に含む
    請求項1〜3の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  5. 前記基板、前記第一加熱部及び前記第二加熱部は、共通の前記チャンバに収容されている
    請求項4に記載の基板加熱装置。
  6. 前記第一加熱部及び前記第二加熱部の少なくとも一方は、前記基板を段階的に加熱可能である
    請求項1〜の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  7. 前記第一加熱部及び前記第二加熱部の少なくとも一方と前記基板との相対位置を調整可能な位置調整部を更に含む
    請求項1〜の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  8. 前記位置調整部は、前記基板を前記第一加熱部と前記第二加熱部との間で移動可能とする移動部を含む
    請求項に記載の基板加熱装置。
  9. 前記第一加熱部と前記第二加熱部との間には、前記基板を搬送可能とする搬送部が設けられており、
    前記搬送部には、前記移動部を通過可能とする通過部が形成されている
    請求項に記載の基板加熱装置。
  10. 前記移動部は、前記基板の第一面とは反対側の第二面を支持可能かつ前記第二面の法線方向に移動可能な複数のピンを含み、
    前記複数のピンの先端は、前記第二面と平行な面内に配置されている
    請求項又はに記載の基板加熱装置。
  11. 前記第一加熱部には、前記第一加熱部を前記第二面の法線方向に開口する複数の挿通孔が形成されており、
    前記複数のピンの先端は、前記複数の挿通孔を介して前記第二面に当接可能とされている
    請求項10に記載の基板加熱装置。
  12. 前記赤外線ヒータのピーク波長範囲は、1.5μm以上かつ4μm以下の範囲である
    請求項1〜11の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  13. 前記基板の温度を検知可能な検知部を更に含む
    請求項1〜12の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  14. 前記基板に塗布された前記溶液から揮発した溶媒を回収可能な回収部を更に含む
    請求項1〜13の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  15. 前記基板を揺動可能な揺動部を更に含む
    請求項1〜14の何れか一項に記載の基板加熱装置。
  16. ポリイミドを形成するためのポリアミック酸が溶解した溶液が塗布された基板を減圧する減圧工程と、
    前記基板を第一の温度で加熱する第一加熱工程と、
    前記第一の温度よりも高い第二の温度で前記基板を加熱する第二加熱工程と、を含み、
    前記第二加熱工程では、前記第一加熱工程で用いる第一加熱部とは別個独立して設けられている第二加熱部を用いて前記基板を加熱し、
    前記減圧工程では、前記溶液が前記基板の第一面にのみ塗布された前記基板を大気圧から500Pa以下まで減圧し、
    前記第一加熱工程では、前記第一加熱部として前記基板の第一面とは反対側の第二面の側に配置されたホットプレートを用い、前記減圧工程の雰囲気を保った状態で、前記基板の温度が150℃から300℃の範囲で、前記基板に塗布された前記溶液中の前記ポリアミック酸がイミド化するまで前記基板を加熱し、
    前記第二加熱工程では、前記第二加熱部として前記基板の第一面の側に配置された赤外線ヒータを用い、前記減圧工程の雰囲気を保った状態で、前記基板の温度が前記第一加熱工程の温度から600℃以下になるまで前記基板を加熱する基板加熱方法。
  17. 前記第二加熱工程では、前記第二加熱部の昇温レートを前記第一加熱部の昇温レートよりも大きくする
    請求項16に記載の基板加熱方法。
  18. 前記第二加熱工程では、前記第二加熱部の降温レートを前記第一加熱部の降温レートよりも大きくする
    請求項16又は17に記載の基板加熱方法。
  19. 前記第一加熱工程では、前記基板を加熱する時間を10min以下とする
    請求項18に記載の基板加熱方法。
  20. 前記第二加熱工程では、
    前記第二加熱部の昇温レートを100℃/min以上として前記基板を昇温する
    請求項18又は19に記載の基板加熱方法。
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