JP6871959B2 - 有機膜形成装置、および有機膜の製造方法 - Google Patents
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有機膜が形成された基板は、処理が行われたチャンバなどの内部から取り出され、次工程などに搬送される。加熱して有機膜を形成した場合、基板の温度が高くなるので、温度の高い基板をチャンバから取り出したり、搬送したりするのは困難である。また、温度の高い基板を冷却するための装置や載置部を別途設けると、装置や載置部を設置するための場所が必要となったり、製造設備のコストが増大する。
ところが、有機材料と溶媒を含む溶液を加熱して有機膜を形成すると、昇華物などが生成されてチャンバの内壁などに付着する。そのため、単に、チャンバの内部に冷却ガスを供給すると、チャンバの内壁に付着している昇華物などが剥離して、有機膜の上に付着するおそれがある。有機膜の上に昇華物などの異物が付着すると、有機膜の品質が悪くなるおそれがある。
そこで、有機膜が形成された基板の冷却時間を短縮することができ、且つ、有機膜の品質を維持することができる技術の開発が望まれていた。
図1は、本実施の形態に係る有機膜形成装置1を例示するための模式斜視図である。
なお、図1中のX方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する三方向を表している。本明細書における上下方向は、Z方向とすることができる。
基板は、例えば、ガラス基板や半導体ウェーハなどとすることができる。ただし、基板は、例示をしたものに限定されるわけではない。
溶液は、有機材料と溶剤を含んでいる。有機材料は、溶剤により溶解が可能なものであれば特に限定はない。溶液は、例えば、ポリアミド酸を含むワニスなどとすることができる。ただし、溶液は、例示をしたものに限定されるわけではない。
チャンバ10は、箱状を呈している。チャンバ10は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ10の外観形状には特に限定はない。チャンバ10の外観形状は、例えば、直方体とすることができる。チャンバ10は、例えば、ステンレスなどの金属から形成することができる。
第1の排気部21は、チャンバ10の底面に設けられた排気口17に接続されている。 第1の排気部21は、排気ポンプ21aと、圧力制御部21bを有する。
排気ポンプ21aは、例えば、ドライ真空ポンプなどとすることができる。
圧力制御部21bは、排気口17と排気ポンプ21aとの間に設けられている。
圧力制御部21bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。
圧力制御部21bは、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
排気ポンプ22aは、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
第2の排気部22は、高真空の分子流領域まで排気可能な排気能力を有する。
圧力制御部22bは、排気口18と排気ポンプ22aとの間に設けられている。
圧力制御部22bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。
圧力制御部22bは、例えば、APCなどとすることができる。
処理部30の内部には、処理領域30aおよび処理領域30bが設けられている。処理領域30a、30bは、ワーク100に処理を施す空間となる。ワーク100は、処理領域30a、30bの内部に支持される。処理領域30bは、処理領域30aの上方に設けられている。なお、2つの処理領域が設けられる場合を例示したがこれに限定されるわけではない。1つの処理領域のみが設けられるようにすることもできる。また、3つ以上の処理領域が設けられるようにすることもできる。本実施の形態においては、一例として、2つの処理領域が設けられる場合を例示するが、1つの処理領域、および、3つ以上の処理領域が設けられる場合も同様に考えることができる。
また、蓄熱効率が向上するので、急激な温度上昇を必要とする処理であっても所望の温度上昇を得ることができる。また、チャンバ10の外壁の温度が高くなるのを抑制することができるので、冷却部16を簡易なものとすることができる。
この様にすれば、加熱部32の数を減らすことができるので消費電力の低減、製造コストの低減、省スペース化などを図ることができる。
一対のホルダ32bは、処理領域30a、30bの長手方向(図1中のX方向)に延びるように設けられている。
ヒータ32aは、棒状を呈し、一対のホルダ32bの間をY方向に延びるように設けられている。
複数のヒータ32aは、ホルダ32bが延びる方向に並べて設けることができる。例えば、複数のヒータ32aは、処理領域30a、30bの長手方向(図1中のX方向)に並べて設けることができる。複数のヒータ32aは、等間隔に設けることが好ましい。ヒータ32aは、例えば、シーズヒータ、遠赤外線ヒータ、遠赤外線ランプ、セラミックヒータ、カートリッジヒータなどとすることができる。また、各種ヒータを石英カバーで覆うこともできる。本明細書においては、石英カバーで覆われた各種ヒータをも含めて「棒状のヒータ」と称する。
複数のワーク支持部33の一方の端部(図1における上方の端部)は、ワーク100の下面(裏面)に接触する。そのため、複数のワーク支持部33の一方の端部の形状は、半球状などとすることが好ましい。複数のワーク支持部33の一方の端部の形状が半球状であれば、ワーク100の下面に損傷が発生するのを抑制することができる。また、ワーク100の下面と複数のワーク支持部33との接触面積を小さくすることができるので、ワーク100から複数のワーク支持部33に伝わる熱を少なくすることができる。
なお、この距離は、放射による熱エネルギーが加熱部32からワーク100に到達できる距離である。
また、例えば、複数のワーク支持部33は、処理部30の両側の側部にあるフレーム31の間に架け渡された複数の棒状部材または板状部材などに固定されずに載置されるだけでもよい。例えば、この棒状部材または板状部材には複数の孔が形成されており、複数のワーク支持部33をこの孔に差し込むことで、複数のワーク支持部33が棒状部材または板状部材に保持されるようにすることができる。なお、孔の直径は、ワーク支持部33が熱膨張しても以下のようになるものとすることができる。例えば、孔の直径は、ワーク支持部33が熱膨張しても、ワーク支持部33と孔の内壁との間の空気が逃げられる程度とすることが好ましい。この様にすれば、孔の中の空気が熱膨張してもワーク支持部33が押し出されないようにすることができる。
複数のワーク支持部33の材料には特に限定はないが、耐熱性と耐食性を有する材料とすることが好ましい。複数のワーク支持部33の材料は、例えば、ステンレスなどとすることができる。
の低い材料から形成することができる。熱伝導率の低い材料は、例えば、セラミックスと
することができる。この場合、セラミックスの中でも20℃における熱伝導率が32W/
(m・k)以下の材料とすることが好ましい。セラミックスは、例えばアルミナ(Al2
O3)、窒化珪素(Si3N4)、ジルコニア(ZrO2)などとすることができる。
複数の上部均熱板34aは、上部加熱部の下部加熱部側(ワーク100側)に設けられている。複数の上部均熱板34aは、複数のヒータ32aと離隔して設けられている。すなわち、複数の上部均熱板34aの上側表面と複数のヒータ32aの下表面との間には隙間が設けられている。複数の上部均熱板34aは、複数のヒータ32aが並ぶ方向(図1中のX方向)に並べて設けられている。
複数の下部均熱板34bは、下部加熱部の上部加熱部側(ワーク100側)に設けられている。複数の下部均熱板34bは、複数のヒータ32aと離隔して設けられている。すなわち、複数の下部均熱板34bの下側表面と複数のヒータ32aの上側表面との間には隙間が設けられている。複数の下部均熱板34bは、複数のヒータ32aが並ぶ方向(図1中のX方向)に並べて設けられている。
側部均熱板34cは、複数のヒータ32aが並ぶ方向において、処理領域30a、30bの両側(図1のX方向)の側部のそれぞれに設けられている。側部均熱板34cは、カバー36の内側に設けることができる。また、側部均熱板34cとカバー36との間に、側部均熱板34cおよびカバー36と離隔して設けられた少なくとも1つのヒータ32aを設けることもできる。
側部均熱板34dは、複数のヒータ32aが並ぶ方向と直交する方向において、処理領域30a、30bの両側(図1のY方向)の側部のそれぞれに設けられている。
処理領域30a、30bは、複数の上部均熱板34a、複数の下部均熱板34b、複数の側部均熱板34c、および、複数の側部均熱板34dにより囲まれている。また、これらの外側をカバー36が囲んでいる。
ワーク100に不均一な温度分布が生じると、形成された有機膜の品質が低下するおそれがある。例えば、温度が高くなった部分に泡が発生したり、温度が高くなった部分において有機膜の組成が変化したりするおそれがある。
後述するように、複数のヒータ32aが設けられた領域には、冷却部40から冷却ガスが供給される。この場合、冷却ガスとしてドライエアーが用いられる場合がある。そのため、ドライエアー中の酸素と、加熱された複数の上部均熱板34aおよび複数の下部均熱板34bの材料とが反応するおそれがある。
また、前述したように、側部均熱板34cの外側に、少なくとも1つのヒータ32aを設ければ、ワーク100の加熱効率をさらに向上させることができる。また、有機膜を加熱する際に生じた昇華物は、周囲の温度よりも低い箇所に付着しやすい。側部均熱板34cをも加熱することで、昇華物が側部均熱板34cに付着するのを抑制することができる。
複数の均熱板支持部35は、ネジなどの締結部材を用いて一対のホルダ32bに固定することができる。一対の均熱板支持部35は、上部均熱板34aの両端を着脱自在に支持する。なお、複数の下部均熱板34bを支持する複数の均熱板支持部(下部均熱板支持部)も同様の構成を有するものとすることができる。
一対の均熱板支持部35により、上部均熱板34aおよび下部均熱板34bが支持されていれば、熱膨張による寸法差を吸収することができる。そのため、上部均熱板34aおよび下部均熱板34bが変形するのを抑制することができる。
カバー36は処理領域30a、30bを囲っているが、フレーム31の上面と側面の境目、フレーム31の側面と底面の境目や開閉扉13の付近には、チャンバ10の内壁とカバー36との間の空間と、処理領域30a、30bとがつながる隙間が設けられている。
また、フレーム31の上面および底面に設けられるカバー36は複数に分割されている。また、分割されたカバー36同士の間には隙間が設けられている。すなわち、処理部30(処理領域30a、処理用域30b)内の空間はチャンバ10内の空間に連通した空間となっている。そのため、チャンバ10の内壁とカバー36との間の空間と、処理領域30a、30bとが繋がっているので、処理領域30a、30b内の圧力が、チャンバ10の内壁とカバー36との間の空間の圧力と同じになるようにすることができる。カバー36は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
なお、フレーム31の上面および底面に設けられるカバー36は単一の板状部材とすることもできる。
チャンバ10の内壁とカバー36との間には空間が設けられている。すなわち、有機膜形成装置1は、チャンバ10と処理部30(処理領域30a、30b)とによる二重構造となっている。この様にすれば、処理領域30a、30bから外部に逃げる熱を少なくすることができるので加熱効率を向上させることができる。
また、カバー36は、ヒータ32a側から入射した熱を、処理領域30a、30b側に反射する反射する機能を有することもできる。したがって、カバー36を設ければ、処理室30a、30bから外部に逃げる熱を少なくすることができるので加熱効率を向上させることができる。
ノズル41は、複数のヒータ32aが設けられた空間に接続されている。ノズル41は、例えば、側部均熱板34cやフレーム31などに取り付けることができる。ノズル41の数や配置は適宜変更することができる。例えば、図1に例示をしたものの場合には、図1中の処理部30におけるX方向の一方の側にノズル41を設けているが、図1中の処理部30におけるX方向の両側にノズル41を設けることもできる。また、図1中のY方向の一方の側や両方の側にノズル41を設けることもできる。
また、複数のノズル41を並べて設けることもできる。
なお、冷却ガスが酸素を含むものである場合には、高温状態にある均熱部34や有機膜が酸化するおそれがある。そのため、冷却ガスは、酸素を含まないガス、例えば、窒素ガスや不活性ガスなどとすることが好ましい。ただし、窒素ガスや不活性ガスなどは価格が高い。一方、ドライエアーは価格が安い。そのため、均熱部34や有機膜が高温状態にある場合には窒素ガスや不活性ガスなどを用い、均熱部34や有機膜の温度が低下した後にドライエアーを用いることもできる。この様にすれば、製造コストの低減を図ることができる。
また、冷却ガスの温度は、例えば常温以上50℃以下とすることができる。ただし、冷却ガスの温度は、これに限定されるものではない。例えば、ワーク100の温度が、有機膜形成装置1から大気中にワーク100を取り出した際に結露しない程度の温度以上、且つ、有機膜形成装置1から次工程などにワーク100を搬送する際に搬送に悪影響が生じない程度の温度以下となればよい。
この場合、例えば、冷却ガスの供給タイミングは、有機膜が形成された直後とすることもできるし、チャンバ10の内圧を大気圧に戻す途中とすることもできる。この場合、冷却ガスはチャンバ10の内圧を大気圧に戻すベントガスとしても機能させることができる。また、冷却ガスの供給タイミングをチャンバ10の内圧を大気圧に戻した後とすることもできる。
有機膜が形成された直後においては、チャンバ10の内圧が大気圧よりも低い、すなわち、チャンバ10の内部にガスが少ない状態となっている。そのため、冷却ガスをチャンバ10の内部に供給しても、供給された冷却ガスにより処理領域30a、30bに存在する昇華物などが飛散するのを抑制することができる。また、冷却時間と、大気圧に戻す際のチャンバ10の内圧の調整時間を重複させることができる。すなわち、実質的な冷却時間の短縮を図ることができる。
一方、チャンバ10の内圧を大気圧に戻す途中や、チャンバ10の内圧を大気圧に戻した後においては、チャンバ10の内部にガスがあるので、対流による放熱を利用することができる。
なお、冷却ガスの供給流量はチャンバ10の内圧の変化に伴って可変にしてもよい。この場合、チャンバ10の内圧が大気圧よりも低い場合には、第1の流量の冷却ガスを供給してチャンバ10の内圧を大気圧に戻しつつ冷却を行い、その後、チャンバ10の内圧が大気圧に戻った後は第1の流量よりも少ない第2の流量の冷却ガスを供給して引き続き冷却を行うことができる。このようにすれば、より早く大気圧に戻すことができるとともに、大気圧に戻った後は対流をできるだけ起こさないようにして冷却を続けることができる。
図2(a)に示すように、冷却ガスGは、図1中のX方向から、ヒータ32aに向けて供給することができる。
図2(b)に示すように、冷却ガスGは、図1中のX方向から、ヒータ32aの上方、およびヒータ32aの下方に向けて供給することができる。
図2(c)に示すように、冷却ガスGは、図1中のX方向の一方の側からヒータ32aの上方に供給し、X方向の他方の側からヒータ32aの下方に供給することができる。この様にすれば、冷却ガスGの流れが円滑になる。冷却ガスGの流れが円滑になれば、複数のヒータ32aが設けられた空間に供給された冷却ガスGが、処理領域30a、30bに漏れるのを抑制することが容易となる。
図2(d)に示すように、図1中のX方向の一方の側から冷却ガスGを供給し、X方向の他方の側から冷却ガスGを吸引することもできる。例えば、排出ノズル44を複数のヒータ32aが設けられた空間に接続し、排出ノズル44に吸引部45を接続することができる。吸引部45は、例えば、ブロアなどとすることができる。この様にすれば、冷却ガスGの流れおよび排出が円滑になる。また、複数のヒータ32aが設けられた空間の圧力が上昇するのを抑制することができる。そのため、複数のヒータ32aが設けられた空間に供給された冷却ガスが、処理領域30a、30bに漏れるのを抑制することが容易となる。
冷却ガスGが処理領域30a、30bに漏れるのを抑制することができれば、処理領域30a、30bに存在している昇華物がワーク100の有機膜に付着することを抑制することができる。
図2(a)〜(d)に示すように、水平方向(X方向またはY方向)から冷却ガスGを供給すれば、冷却ガスGは、上部均熱板34bおよび下部均熱板34aの少なくともいずれかの主面に沿うように流れて、水平方向における冷却ガスGの流れが形成される。ワーク100の表面は、図1中の水平方向(X方向またはY方向)に延在しているため、ワーク100の表面が延在する方向に冷却ガスGが流れることになる。したがって、処理領域30a、30bに冷却ガスGが漏れたとしてもワーク100の表面に衝突するようなZ方向における冷却ガスGの流れが形成されるのを抑制することができる。これにより、冷却ガスGの流れにのって昇華物がワーク100の表面に衝突するのを抑制することができるので、処理領域30a、30bに存在している昇華物がワーク100の有機膜に付着するのを抑制することができる。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを備えている。
制御部50は、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、有機膜形成装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
冷却部40aは、冷却体41aおよび冷媒供給部42aを有する。
冷却体41aは、上部均熱板34aと複数のヒータ32aとの間、および下部均熱板34bと複数のヒータ32aとの間の少なくともいずれかに設けられている。
図3に例示をした冷却部40aは、上部均熱板34aと複数のヒータ32aとの間、および下部均熱板34bと複数のヒータ32aとの間のそれぞれに冷却体41aを有している。なお、冷却体41aの配置は例示をしたものに限定されるわけではない。冷却体41aは、例えば、ヒータ32aとヒータ32aとの間に、ヒータ32aと平行に設けることもできる。
冷却体41aの内部には、冷媒の流路が設けられている。
複数のヒータ32aによる加熱を行う際には、冷媒供給部42aは、冷却体41aの内部から冷媒を排出させる。
冷媒供給部42aは、例えば、回収タンク、送液ポンプ、冷却器などを備えたものとすることができる。
冷媒は、液体であれば特に限定はない。冷媒は、例えば、水などとすることができる。
以上に説明したように、冷却部40、40aは、上部加熱部、および、下部加熱部の少なくともいずれかの内部に冷却ガスまたは冷媒を供給する。
なお、上部加熱部の内部、下部加熱部の内部とは、ヒータ32aが存在する空間であって、かつ、上部均熱板または下部均熱板によって処理領域30a、30bとは仕切られた空間である。
冷媒は、上部加熱部、および、下部加熱部の少なくともいずれかの内部に設けられた冷却体41aの内部に供給される。
そして、処理領域30a、30bに支持されたワーク100が、冷却ガスまたは冷媒が供給された上部加熱部、および、下部加熱部の少なくともいずれかにより冷却される。
なお、冷却部40、40aを両方備え、冷却ガスと冷媒による冷却をともに行うこともできる。
大気圧よりも減圧された雰囲気において、基板と、基板の上面に塗布された有機材料と溶媒とを含む溶液と、を有するワーク100を加熱する工程。
加熱を行うことで有機膜が形成されたワーク100を冷却する工程。
この場合、ワーク100を加熱する工程においては、上部加熱部と、下部加熱部と、の間の処理領域30a、30bにおいてワーク100が加熱される。
ワーク100を冷却する工程においては、上部加熱部、および、下部加熱部の少なくともいずれかの内部に冷却ガスまたは冷媒を供給する。処理領域30a、30bに支持されたワーク100が、冷却ガスまたは冷媒が供給された上部加熱部、および、下部加熱部の少なくともいずれかにより冷却される。
なお、各工程の内容は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
有機膜が形成された基板は、有機膜形成装置1から取り出され、次工程などに搬送される。この場合、高温状態にあるワーク100を有機膜形成装置1から取り出したり、搬送したりするのは困難である。また、高温状態にあるワーク100を冷却するための装置や載置部を別途設けると、装置や載置部を設置するための場所が必要となったり、製造設備のコストが増大する。
ところが、有機材料と溶媒を含む溶液を加熱して有機膜を形成すると、昇華物などが生成されて、昇華物などが、処理領域30a、30bの内部に付着したり、内部の空間に浮遊していたりする場合がある。そのため、処理領域30a、30bに冷却ガスを直接供給すると、付着している昇華物などが剥離したり、浮遊している昇華物が冷却ガスの流れにのったりして、有機膜の上に付着するおそれがある。有機膜の上に昇華物などの異物が付着すると、有機膜の品質が悪くなるおそれがある。
また、図2に例示をしたように、ワーク100の表面が延在する方向と同じ水平方向(X方向またはY方向)に、冷却ガスGの流れを形成することができる。均熱部34には隙間が設けられているが、前述したように、均熱板34の隙間から冷却ガスGが漏れたとしても、ワーク100の表面に衝突するような流れは形成されない。
ワーク100の表面に衝突する流れが形成されるのを抑制することができれば、冷却ガスが処理領域30a、30bに漏れたとしても、処理領域30a、30bの内部に付着している昇華物などが剥離して、有機膜の上に付着するのを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る冷却部40においては、ワーク100を挟んで上下に設けられた上部加熱部の内部および下部加熱部の内部に冷却ガスGを導入することが可能である。上下の加熱部32の内部に冷却ガスGを導入することができれば、ワーク100の両面側からワーク100を間接的に冷却することができる。そのため、冷却効率を向上させることができる。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、有機膜が形成された基板の冷却時間を短縮することができ、且つ、有機膜の品質を維持することができる。
チャンバ10の内圧が大気圧に戻る際に、対流により温度の高い気体がチャンバ10の上方空間に滞留し、下方空間と比較して上方空間の温度が高くなる場合がある。すなわち、チャンバ10内の上方空間と下方空間とで温度差が生じる場合がある。この場合、有機膜形成装置1aからワーク100を取り出したり、搬送するための搬送装置がチャンバ10内に侵入するときに、温度が高い上方空間の温度が所定の温度に下がるまで待つ必要が生じる。また、次のワーク100が上下の処理領域に搬入され、加熱処理される際に、上方の処理領域と下方の処理領域で処理される複数のワーク100の間で形成される有機膜の品質にばらつきが生じるおそれがある。そのため、チャンバ10内の温度分布が均一になってから次のワーク100を搬入するために、温度の高い上方空間の温度が下がるまで待つ必要が生じる。
第3の排気部23は、チャンバ10の内部を排気する。
第3の排気部23はチャンバ10の上方に設けられた排気口19に接続されている。 第3の排気部23は、例えば、処理部30が設置される工場建屋内の排気を行う排気装置とすることができる。
第3の排気部23は、排気口19と排気装置の間に、排出した気体の排熱を行う冷却部を備えてもよい。
排気口19がチャンバ10の上方に設けられていることにより、第3の排気部23によって、排気口19を介してチャンバ10の上方空間の気体を積極的に排出することができる。その結果、上方空間に滞留した温度の高い気体が排出され、上方空間をより効率的に降温することができる。また、有機材料と溶媒を含む溶液が塗布されたワーク100を加熱することで生じる、有機材料が含まれた昇華物が上方空間に滞留していたとしても、第3の排気部23によって排出することができる。このようにすれば、昇華物の滞留が上方空間においても生じることが抑制され、昇華物の排出が容易となる。
図6は、供給配管を一系統にする場合を例示するための模式図である。
なお、有機膜形成装置1bにおける冷却部40の構成は、図2(a)〜(d)に例示した冷却部40と同様とすることができる。
図5においては、処理部30において、下方の複数のヒータ32aが設けられた空間よりも、上方の複数のヒータ32aが設けられた空間に供給する冷却ガスGの供給量を多くする。例えば、図5における下方の複数のヒータ32aが設けられた空間Cよりも上方の複数のヒータ32aが設けられた空間Aに供給する冷却ガスGの供給量を多くする。
または空間Cよりも空間B、空間Bよりも空間Aに供給する冷却ガスGの供給量を多くする。
この場合、冷却部40は、各々の空間A〜Cに供給する冷却ガスGの供給量をそれぞれ制御するように、各々の空間A〜Cに接続されたノズル41をそれぞれ別のガス源42に接続してもよい。または、各々の空間A〜Cに接続されたノズル41を同一のガス源42に接続し、ガス源42とノズル41の間に各々の空間A〜Cに供給する冷却ガスGの供給量を制御する流量制御部を設けてもよい。
これにより、チャンバ10の内圧が大気圧に戻る際に、対流により温度の高い気体がチャンバ10の上方空間に滞留したとしても、上方空間を積極的に冷却することで上方空間の降温時間を短くすることができる。
図6に示すように、供給配管を一系統にする場合、上方の複数のヒータ32aが設けられた空間が上流になるように上方から冷却ガスGが流れるようにしてもよい。
図7においては、処理部30において、下方の複数のヒータ32aが設けられた空間よりも上方の複数のヒータ32aが設けられた空間に供給する冷媒の流量を多くする。例えば、図7における下方の複数のヒータ32aが設けられた空間Cよりも上方の複数のヒータ32aが設けられた空間Aに供給する冷媒の供給量を多くする。
または空間Cよりも空間B、空間Bよりも空間Aに供給する冷媒の供給量を多くする。 この場合、冷却部40aは、各々の空間A〜Cに供給する冷媒の供給量をそれぞれ制御するように、各々の空間A〜Cに接続された冷却体41aをそれぞれ別の冷媒供給部42aに接続してもよい。または、各々の空間A〜Cに接続された冷却体41aを同一の冷媒供給部42aに接続し、冷媒供給部42aと冷却体41aの間に各々の空間A〜Cに供給する冷媒の供給量を制御する流量制御部を設けてもよい。
これにより、チャンバ10の内圧が大気圧に戻る際に、対流により温度の高い気体がチ
ャンバ10の上方空間に滞留したとしても、上方空間を積極的に冷却することで上方空間
の降温時間を短くすることができる。
なお、この実施形態では、前述した実施形態との相違点(排気空間を有する筐体62)について説明し、その他の説明を省略する。
前述した通り、冷却ガスGの供給開始後、チャンバ10の内圧が大気圧に戻る際に、対流により温度の高い気体がチャンバ10の上方空間に滞留し、下方空間と比較して上方空間の温度が高くなる場合がある。チャンバ10の内部空間の降温時間を短縮するためには、上方空間の温度の高い気体をより速く排気することが必要となる。
そこで本実施形態の有機膜形成装置1dは、チャンバ10に、排気空間を有する筐体62が接続されている。この筐体62は、第1のバルブ60を介してチャンバ10に接続され、第2のバルブ61を介して第3の排気部23に接続されている。
冷却ガスGの供給開始後、一定時間が経過するまで第1のバルブ60及び第2のバルブ61は閉じられている。このとき、チャンバ10内部は対流により温度の高い気体がチャンバ10の上方空間に滞留する。また、第1のバルブ60及び第2のバルブ61が閉じている状態のチャンバ10の内圧は、冷却ガスGの供給開始後は昇圧し、密閉空間である筐体62内部の内圧よりも相対的に高くなる。
続いて、冷却ガスGの供給を開始してから一定時間が経過した後、第1のバルブ60及び第2のバルブ61が開放される。第1のバルブ60及び第2のバルブ61を開放することによって、チャンバ10内の空間と、筐体62内部の空間とが連通し、チャンバ10の上方空間に滞留している温度の高い気体は、チャンバ10の内圧よりも圧力の低い筐体62内部に吸引され、第3の排気部23によって排出される。
このように、チャンバ10内の内圧よりも圧力が低い排気空間を有する筐体62をチャンバ10に接続することで、筐体62とチャンバ10との差圧によって生じる筐体62に引き込む吸引力によってチャンバ上部に滞留する高温の気体を急速に排気することができる。このため、排気部に至る配管の流路抵抗や排気部の排気能力によって排気速度が左右されることなく、チャンバの降温時間を短縮することができる。
なお、この実施形態では、前述した実施形態との相違点(酸素濃度センサ63、真空センサ64、開口66、バルブ65、配管67)について説明し、その他の説明を省略する。
本実施形態の有機膜形成装置1eには、酸素濃度センサ63、真空センサ64、チャンバ10に開口した開口66、バルブ65を介して接続された配管67が設けられている。
酸素濃度センサ63はチャンバ10内の酸素濃度を検出し、真空センサ64はチャンバ10内の真空度を検出する。これらのセンサは次のように用いられる。
酸素濃度センサ63によって検出されたチャンバ10内の酸素濃度に応じて、加熱部32による加熱の開始・停止動作や、加熱部32に印加する電力パワー(加熱温度)を制御する。また、真空センサ64によって検出されたチャンバ10内の真空度に応じて、第1の排気部21と第2の排気部22による排気の開始・停止動作を制御する。例えば、第1の排気部21によって排気を開始した後、所定の内圧に到達したことを真空センサ64によって検出した後、第2の排気部22によって排気を開始する。また、第1の排気部21によって排気を開始した後、所定の酸素濃度以下になったことを酸素濃度センサ63によって検出した後、加熱部32によって加熱を開始する。
しかしながら、これら酸素濃度センサ63や真空センサ64は、高温(例えば200℃以上)環境下での使用を想定しておらず、耐熱加工されていない場合がある。
これらの酸素濃度センサ63、真空センサ64はチャンバ10内においてカバーや反射板によって囲まれた処理領域30a、30bの外に設けられている。加熱処理中、チャンバ10内は減圧雰囲気であるため、処理領域30a、30b内で発生する熱や昇華物は処理領域30a、30bに閉じ込められ、処理領域30a、30bの外のセンサが設けられている空間には熱や昇華物が拡散しない。
しかしながら、加熱処理が終了し、チャンバ10内が、減圧雰囲気から大気圧に戻る過程で起こる対流により熱や昇華物が処理領域外まで拡散する。このような拡散が起こると、これらのセンサに昇華物や高温の気体が接触し、センサが故障したりセンサの検出精度が悪くなるおそれがある。
そこで、酸素濃度センサ63と真空センサ64は、開口66を上流側とした配管66において、バルブ65よりも下流側に設けられている。すなわち、バルブ65を閉じることで、これらのセンサが設けられた空間がチャンバ10内の空間と隔離され、バルブ65を開放することで、これらのセンサが設けられた空間をチャンバ10内の空間に連通させることができる。排気部20によってチャンバ10内を減圧しているときは、このバルブ65を開放し、チャンバ内の空間と連通させ、真空度や酸素濃度を検出する。また、加熱を開始してから一定の時間が経過して加熱処理が完了した後、チャンバ10内の空間を大気圧に戻すときに、バルブ65を閉じ、チャンバ10内の空間からセンサを隔離する。このようにバルブ65の開閉動作によって、必要なときはチャンバ10内の真空度や酸素濃度を検出することができる。一方、チャンバ10内に拡散する昇華物や高温の気体がセンサに接触することを抑止し、センサの故障やセンサの検出精度の悪化を抑止することができる。
また、前述したように、有機膜が形成された直後や、チャンバ10の内圧を大気圧に戻す途中、チャンバ10の内圧を大気圧に戻した後でガス源43から冷却ガスGの導入を開始し、チャンバ10内の温度が所定の値以下になった後、チャンバ10の開閉扉13を開放し、ワーク100を搬出する。チャンバ10内の温度が所定の値以下になった後、センサが耐えられる所定の温度までチャンバ10内の温度が降温した場合、バルブ65を再び開き、必要に応じてチャンバ内の酸素濃度または真空度を検出するようにしてもよい。チャンバ10内の温度が所定の値以下になったことは、チャンバ10内の温度を測定する温度計による温度検出、または所定の降温時間が経過したかどうかで判断される。
なお、上述した酸素濃度センサ63や真空センサ64の検出結果に基づく加熱部32による加熱の開始・停止動作、第1の排気部21と第2の排気部22による排気の開始・停止動作、バルブ65の開閉動作など、各種要素の動作も制御部50によって制御される。
なお、図9では酸素濃度センサ63と真空センサ64は同じ配管67内に設けられるものとしたが、配管67は複数設けられても良く、それぞれの配管67に酸素濃度センサ63と真空センサ64を配置してもよい。また、酸素濃度センサ63と真空センサ64をともに配管67に設けるものに限られず、酸素濃度センサ63または真空センサ64のいずれか一方を配管67に設けるものとしてもよい。また配管67は、バルブ65によって閉塞される空間を維持できる部材であればよく、管形状に限定されない。
図10(b)は、有機膜形成装置1fに係る冷却ガスの供給形態を例示するための模式図である。
なお、この実施形態では、前述した実施形態との相違点(冷却ガスの供給形態)について説明し、その他の説明を省略する。
処理領域30a、30bの複数の加熱部32(上部加熱部、下部加熱部)の内部に対し、全て同じ方向から冷却ガスを導入すると、加熱部32の内部の、600℃程度まで加熱される複数のヒータ32b表面を同じ方向に流れて通過する。そして、ヒータ32bからの熱が伝達されることで温度の上昇した冷却ガスは、チャンバ10の内壁とカバー36との間の空間と、処理領域30a、30bとがつながる隙間などから漏れだしてチャンバ10の内壁とカバー36との間の空間に同じ方向から排出される。このように、複数の加熱部32に対し、同じ方向から冷却ガスを導入すると、温度の上昇した冷却ガスが同じ方向から排出される。すなわち、温度の上昇した冷却ガスが排出される空間が偏り、チャンバ10内において偏った空間が高温空間となる。偏った空間が高温空間となると、その部分は降温が遅くなり、チャンバ10の開閉扉13を開放する前に降温時間を要し、待ち時間が生じる。また、チャンバ10内で温度差が生じると、高温空間でガス化している昇華物が低温空間で析出し、チャンバ10内の部材、例えばチャンバ10の内壁に付着する。チャンバ10内の部材に昇華物が付着すると、次の処理を行うワーク100に昇華物が付着する恐れがある。また付着した昇華物を除去する必要が生じメンテナンス性が悪化する。このため、冷却ガスを加熱部32の内部に導入するときに、偏った空間が高温空間とならないように、チャンバ10内の熱分布を均一にすることが必要であった。
そこで、複数の加熱部32のうち少なくとも1つの加熱部32の冷却ガスの導入方向と、他の加熱部32の内部に導入する冷却ガスの導入方向を異なるものとする。これにより、高温空間が分散され、チャンバ10の熱分布が均一となる。その結果、高温空間の降温を待つ必要がなく、チャンバ10の開放時の待ち時間がなくなり、チャンバ10内壁への昇華物の付着を抑制できる。
例えば、図10(a)(b)のように、冷却部40は、上部加熱部の内部に導入する冷却ガスの導入方向とは異なる方向から下部加熱部の内部に冷却ガスを導入する。すなわち、Z方向(上下方向)に隣接して位置する複数の加熱部32の内部に対し、それぞれ逆方向から冷却ガスを導入する。これにより、温度の上昇した冷却ガスが、チャンバ10内部において隣接して位置する複数の加熱部32からそれぞれ逆方向から排出され、効率的に高温空間Hが分散されることで、チャンバ10の熱分布が均一となる。その結果、高温空間の降温を待つ必要がなく、チャンバ10の開放時の待ち時間がなくなり、チャンバ10内壁への昇華物の付着を抑制できる。
なお、図10(a)、(b)はX方向において逆方向から冷却ガスを導入しているが、Y方向において逆方向から冷却ガスを導入してもよいし、X方向とY方向を組み合わせて異なる方向から冷却ガスを導入してもよい。
なお、図10(a)(b)は上部均熱板34aおよび下部均熱板34bは複数のヒータ32aが並ぶ方向に並べて設けられているものとしているが、前述した他の実施形態と同様、少なくとも一方は、単一の板状部材とすることもできる。
また、図10(a)は、Z方向(上下方向)に隣接して位置する複数の加熱部32の内部に対し、それぞれ逆方向から冷却ガスを導入するように、処理部30におけるX方向の一方の側にノズル41を一段おきに逆方向に配置しているが、これに限るものではない。例えば、処理部30のX方向の両側にノズル41を設けることもできる。この場合、両側のノズル41はそれぞれガス制御部43を介してガス源42に接続され、両側のノズル41の供給流量をそれぞれ調整することによって冷却ガスが排出される方向を制御するようにしてもよい。
また、図10(c)のように、1つの加熱部32に対して平面視からみて異なる方向から冷却ガスを導入し、異なる方向から排出されるようにして高温空間を分散するようにしてもよい。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、有機膜形成装置1の形状、寸法、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (13)
- 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を排気可能な排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、少なくとも1つの第1のヒータを有する第1の加熱部と、
前記チャンバの内部に設けられ、少なくとも1つの第2のヒータを有し、前記第1の加熱部と対向させて設けられた第2の加熱部と、
前記第1の加熱部と、前記第2の加熱部との間であって、基板と、前記基板の上面に塗布された有機材料と溶媒とを含む溶液と、を有するワークが支持される処理領域と、
前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかの内部に冷却ガスまたは冷媒を供給する冷却部と、
を備え、
前記処理領域に支持された前記ワークが、前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかに前記冷却ガスまたは前記冷媒が供給されることにより冷却される有機膜形成装置。 - 前記第1のヒータは棒状を呈し、前記ワークの表面が延在する方向に並べて複数設けられ、
前記第1の加熱部は、前記第2の加熱部側に前記複数の第1のヒータと離隔して設けられた少なくとも1つの第1の均熱板をさらに有し、
前記冷却部は、前記第1の均熱板によって前記処理領域と仕切られた空間に対して、前記ワークの表面が延在する方向に前記冷却ガスまたは前記冷媒を供給する請求項1記載の有機膜形成装置。 - 前記第2のヒータは棒状を呈し、前記ワークの表面が延在する方向に並べて複数設けられ、
前記第2の加熱部は、前記第1の加熱部側に前記複数の第2のヒータと離隔して設けられた少なくとも1つの第2の均熱板をさらに有し、
前記冷却部は、前記第2の均熱板によって前記処理領域と仕切られた空間に対して、前記ワークの表面が延在する方向に前記冷却ガスまたは前記冷媒を供給する請求項1または2に記載の有機膜形成装置。 - 前記冷媒は、前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかの内部に設けられた冷却体の内部に供給される請求項2または3記載の有機膜形成装置。
- 前記排気部は、前記冷却部が前記冷却ガスまたは前記冷媒を供給する間、一定時間動作して停止した後、再度動作するように間欠して動作することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の有機膜形成装置。
- 大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバの内部を大気圧よりも低い圧力まで排気可能な第1の排気部と、
前記チャンバの上方に設けられた上方の排気口と、
前記上方の排気口に接続され、前記チャンバの上方空間に滞留した温度の高い気体を排出する第2の排気部と、
前記チャンバの内部に設けられ、少なくとも1つの第1のヒータを有する第1の加熱部と、
前記チャンバの内部に設けられ、少なくとも1つの第2のヒータを有し、前記第1の加熱部と対向させて設けられた第2の加熱部と、
前記第1の加熱部と、前記第2の加熱部との間であって、基板と、前記基板の上面に塗布された、有機材料と溶媒とを含む溶液と、を有するワークが支持される処理領域と、
前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかの内部に冷却ガスまたは冷媒を供給する冷却部と、
を備え、
前記処理領域に支持された前記ワークが、前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかに前記冷却ガスまたは前記冷媒が供給されることにより冷却される有機膜形成装置。 - 前記第1の加熱部は、前記ワークの表面が延在する方向と交差する上下方向に複数設けられ、
前記冷却部は、下方に位置する前記第1の加熱部よりも上方に位置する前記第1の加熱部の内部に供給する冷却ガスまたは冷媒の流量を多くすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の有機膜形成装置。 - 前記第1の排気部は、前記冷却部が冷却ガスまたは冷媒を供給する間、一定時間動作して停止した後、再度動作するように間欠して動作することを特徴とする請求項6または7に記載の有機膜形成装置。
- 前記チャンバ内の真空度を検出する真空センサと、
前記チャンバ内の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
前記チャンバに設けられた開口と、バルブとを介して接続された配管をさらに備え、
前記真空センサと前記酸素濃度センサの少なくともいずれかは、前記開口を上流側とした前記配管において前記バルブよりも下流側に設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の有機膜形成装置。 - 前記冷却部は、前記第1の加熱部の内部に導入する冷却ガスの導入方向とは異なる方向から前記第2の加熱部の内部に冷却ガスを導入することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の有機膜形成装置。
- 大気圧よりも減圧された雰囲気において、基板と、前記基板の上面に塗布された有機材料と溶媒とを含む溶液と、を有するワークを加熱する工程と、
前記加熱を行うことで有機膜が形成されたワークを冷却する工程と、
を備え、
前記ワークを加熱する工程においては、第1の加熱部と、第2の加熱部と、の間の処理領域において前記ワークが加熱され、
前記ワークを冷却する工程においては、
前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかの内部に冷却ガスまたは冷媒を供給し、
前記処理領域に支持された前記ワークが、前記第1の加熱部、および、前記第2の加熱部の少なくともいずれかに前記冷却ガスまたは前記冷媒が供給されることにより冷却される有機膜の製造方法。 - 前記ワークを冷却する工程において、
前記大気圧よりも減圧された雰囲気における上方空間に滞留した温度の高い気体を排出する請求項11記載の有機膜の製造方法。 - 前記ワークを冷却する工程において、
前記雰囲気を減圧する排気部が、一定時間停止して前記雰囲気内に熱交換を促し、熱交換が行われた後の熱を含んだ気体が排出されるように再度動作するように、間欠して動作することを特徴とする請求項11または12記載の有機膜の製造方法。
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