図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣の搬送方向切換え装置を備えた紙幣入出金機の略側面図である。
図1に示されるように、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣の搬送方向切換え装置を備えた紙幣入出金機1は、テラーや顧客が紙幣を投入する紙幣入金口2と、紙幣を出金する紙幣出金口3を備え、紙幣入金口2に投入された紙幣で、受け入れ不能と判別された紙幣は紙幣出金口3からテラーや顧客に返却されるように構成されている。
紙幣入金口2に投入された紙幣は、周知の繰り出し手段(図示せず)によって、その短辺が搬送方向と平行になるように、1枚ずつ、紙幣入金通路4内に繰り出され、搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bによって、紙幣入金通路7内を搬送される。
紙幣入金通路4内には、紙幣入金通路4に繰り出された紙幣の磁気的特性および光学パターンを検出する紙幣検出部5が設けられている。
紙幣検出部5は、紙幣の磁気的特性を検出し、紙幣の磁気データを後述するコントロールユニット(図示せず)に出力する磁気センサ5aと、紙幣に光を照射する光源(図示せず)と紙幣によって反射された光を受光するセンサ(図示せず)を備え、紙幣の表面パターンを光学的に検出し、紙幣の光学パターンデータをコントロールユニットに出力する光学センサ5bを備えている。
コントロールユニットは、紙幣検出部5の磁気センサ5aから入力された紙幣の磁気データおよび光学センサ5bから入力された紙幣の光学パターンデータに基づいて、紙幣が真正な紙幣で、受け入れ可能な紙幣であるか否か、真正な紙幣であるときはその金種を判別するとともに、2枚以上の紙幣の全部あるいは一部が重なり合って送られていたり、紙幣が搬送方向に対して、斜めに搬送されていたりせず、紙幣が所望のように搬送されているか否かを判別し、紙幣が所望のように搬送されている真正な紙幣で、受け入れ可能な紙幣であると判別したときは、その金種を判別するとともに、真正な紙幣で、受け入れ可能と判別をした紙幣の枚数の計数をするように構成されている。
紙幣検出部5によって、紙幣の磁気パターンデータおよび紙幣の光学パターンデータが検出された紙幣は、紙幣入金通路4を通って、紙幣搬送方向切換え装置7に送られる。
紙幣検出部5から入力された紙幣の磁気データおよび光学パターンデータに基づいて、コントロールユニットによって、偽造紙幣や外国紙幣などの受け入れ不能な紙幣と判別された紙幣および所望のように搬送されていないと判別された紙幣は、紙幣搬送方向切換え装置7から、紙幣出金通路6を介して、紙幣出金口3に送られ、テラーや顧客に返却される。
これに対して、紙幣検出部5によって検出された磁気データおよび光学パターンデータに基づいて、コントロールユニットにより真正な紙幣で、その短辺が搬送方向と平行になるように、所望のように搬送されていると判別された紙幣は、紙幣搬送方向切換え装置7から、紙幣入金通路4を通って、紙幣一時貯留室10に送られて、一時的に貯留される。
紙幣一時貯留室10に送られた紙幣は、フィルム(図示せず)によってドラム10aに巻き付けられて、紙幣一時貯留室10内に一時的に貯留されるように構成されており、ドラム10aを逆回転させることによって、紙幣一時貯留室10内に貯留されている紙幣を紙幣入金通路4に繰り出すことができるように構成されている。
紙幣搬送方向切換え装置7は、全体として、略円筒状をなした搬送方向切換えユニット8を備え、搬送方向切換えユニット8には、紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣一時貯留室10へ紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣を紙幣出金口3に搬送する紙幣出金通路6が接続されている。ここに、紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣一時貯留室10へ紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣出金通路6は、搬送方向切換えユニット8の円周に沿って、互いに120度の間隔をもって、搬送方向切換えユニット8に接続されている。
紙幣入金口2と紙幣検出部5との間の紙幣入金通路4には、図示しないゲート部材が設けられている。ゲート部材は、通常状態においては、その側面が紙幣入金通路4の上面に滑らかに連なる位置に位置しており、紙幣入金口2に投入された紙幣はゲート部材の側面上を通って、紙幣検出部5に送られるように構成されている。一方、紙幣検出部5によって、真正で、受け入れ可能であると判別された紙幣を紙幣入出金機1内に収納するときは、ゲート部材が回転されて、紙幣を紙幣収納通路11に送ることができるように構成されている。
紙幣収納通路11には、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27および第八の紙幣収納室28が接続され、紙幣を金種別にこれらの紙幣収納室21、22,23、24、25,26、27、28に収納することができるように構成されている。
図1に示されるように、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27および第八の紙幣収納室28はそれぞれ、ドラム21b、22b、23b、24b、25b、26b、27bおよび28bを備え、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27、第八の紙幣収納室28に供給された紙幣は、フィルム(図示せず)によってドラム21b、22b、23b、24b、25b、26b、27bまたは28bに巻き付けられて、紙幣収納室のそれぞれに収納されるように構成されている。
図1に示されるように、第一の紙幣収納室21と第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23と第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25と第六の紙幣収納室26ならびに第七の紙幣収納室27と第八の紙幣収納室28は、それぞれ、上下に重ね合うように配置されている。
紙幣収納通路11は、複数の搬送ローラ対11aおよび搬送ローラ11bを備え、紙幣収納通路11からは、紙幣を第一の紙幣収納室21または第二の紙幣収納室22に選択的に送るための第一の選別通路31が分岐し、紙幣を第三の紙幣収納室23または第四の紙幣収納室24に選択的に送るための第三の選別通路33が分岐し、紙幣を第五の紙幣収納室25または第六の紙幣収納室26に選択的に送るための第五の選別通路35が分岐し、紙幣を第七の紙幣収納室27または第八の紙幣収納室28に選択的に送るための第七の選別通路37が分岐している。
図1に示されるように、第一の選別通路31からは、紙幣を第二の紙幣収納室22に選択的に送るための第二の選別通路32が分岐し、第三の選別通路33からは、紙幣を第四の紙幣収納室24に選択的に送るための第四の選別通路34が分岐し、第五の選別通路35からは、紙幣を第六の紙幣収納室26に選択的に送るための第六の選別通路36が分岐し、第七の選別通路37からは、紙幣を第八の紙幣収納室28に選択的に送るための第八の選別通路38が分岐している。
図1において、第一の紙幣収納室21と第二の紙幣収納室22の左側には、紙幣入出金機1内に紙幣を補充または紙幣入出金機1内の紙幣を回収するための紙幣補充回収ボックス30が、紙幣入出金機1に着脱可能に取り付けられている。図示されてはいないが、紙幣補充回収ボックス30は、紙幣入出金機1内に補充されるべき積層状態で収容された紙幣を、紙幣収納通路11に一枚ずつ繰り出し、紙幣入出金機1内の紙幣を1枚ずつ積層状態で受け入れるように構成されている。
図2は、本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣搬送方向切換え装置7の略斜視図である。
図2に示されるように、紙幣搬送方向切換え装置7は、全体として略円筒状をなした搬送方向切換えユニット8を備えている。搬送方向切換えユニット8は、円板状の側板40aおよび側板40bを備え、側板40bの円周面にはギア部41が形成されている。
搬送方向切換えユニット8の側板40aの円周面には3つの支持ローラ42が当接しており、側板40bの円周面には3つの支持ローラ42(図2には1つの支持ローラ42しか図示されていない。)が当接し、1つの歯付きローラ42aが側板40bの円周面の一部に形成されたギア部41に噛合している。
図2に示されるように、搬送方向切換えユニット8は、その長手方向に延びる3本の搬送ローラ軸43(図2は2つの搬送ローラ軸43しか図示されていない。)を備え、各搬送ローラ軸43には、2つの搬送ローラ44が固定され、搬送ローラ軸43の両端部は、ベアリングを介して、両側板40a、40bに取り付けられている。
搬送ローラ44に対向する位置には、それぞれ、テンションローラ軸(図2には図示せず)に固定されたテンションローラ45が設けられている。本実施態様においては、テンションローラ45は、従動ローラであり、圧縮スプリングなどの付勢部材(図示せず)によって、対向する搬送ローラ44に向けて付勢されている。
図2に示されるように、紙幣搬送方向切換え装置7は、回転モータ50を備え、回転モータ50の出力軸50aの先端部には、搬送方向切換えユニット8の側板40bの円周面に形成されたギア部41に噛合する歯付きローラ42aが固定されている。
図2に示されるように、搬送方向切換えユニット8は、中心に位置し、長手方向に延びる回動中心軸(図示せず)を備え、回動中心軸の一方の端部は、ロータリソレノイド55の駆動軸55aに固定されている。図示されてはいないが、ロータリソレノイド55は側板40aに固定されている。
図3は、図2に示された紙幣搬送方向切換え装置7の搬送方向切換えユニット8の側板40bの近傍の略側面図である。
図3に示されるように、3本の搬送ローラ軸43は、それぞれ、側板40bを貫通し、その先端部には、駆動ギア57が固定されている。
図3に示されるように、回動中心軸52は、側板40bを貫通し、その先端部には、図示しないベアリングを介して、連結ギア60が取り付けられている。連結ギア60には、搬送モータ62の出力軸62aの先端部に固定されたギア62bが噛合され、3本の搬送ローラ軸43の先端部に固定された駆動ギア57が噛合されている。
したがって、搬送モータ62の駆動力は、ギア62bを介して、連結ギア60に伝達され、連結ギア60から3つの駆動ギア57に伝達されて、3本の搬送ローラ軸43が回転され、搬送ローラ軸43に取り付けられた6つの搬送ローラ44が回転されるように構成されている。
図3に示されるように、側板40bの円周面の一部には、回転モータ50の出力軸50aの先端部に固定された歯付きローラ42aが噛合するギア部41が形成されている。
図4は、側板40bを、図2の矢印A方向から見た略正面図である。
図4に示されるように、側板40bの円周面には、2つの支持ローラ42が当接し、側板60bの円周面の一部に形成されたギア部41には歯付きローラ42aが噛合している。
側板40bの中央部には連結ギア60が配置され、連結ギア60の周囲には、それぞれ、対応する搬送ローラ軸43を回転させる3つの駆動ギア57が噛合している。
図4に示されるように、3つの駆動ギア57は連結ギア60の円周方向に120度ずつ隔てて、配置されている。
図5は、図4のC−C線に沿った略断面図である。
図4に示されるように、搬送方向切換えユニット8の側板40bには、3つのロック孔67が形成されており、図5に示されるように、側板40bの搬送モータ62側には、ロックソレノイド70が配置されている。ロックソレノイド70の出力軸70aの先端部には、側板40bに形成されたロック孔67に係合し、側板40bが回転することを防止するロックピン70bが取り付けられている。側板40bを回転させることによって、3つのロック孔67をそれぞれ、ロックソレノイド70に対向する位置に位置決めし、ロックソレノイド70を駆動して、ロックピン70bをロック孔67に係合させることによって、側板40bを固定させることができる。
図6は、紙幣搬送方向切換え装置7の搬送方向切換えユニット8の略横断面図であり、紙幣検出部5から延びる紙幣入金通路4が紙幣導入搬送路に、紙幣出金通路6が第一の紙幣導出路に、紙幣一時貯留室10から延びる紙幣入金通路4が第二の紙幣導出路に、それぞれ、接続された状態が示されている。
図6に示されるように、搬送方向切換えユニット8は、3つの湾曲した紙幣搬送ガイド80、81および82を備え、隣り合った紙幣搬送ガイド80および81によって、滑らかな湾曲形状の紙幣導入搬送路90が、紙幣搬送ガイド80および82によって、滑らかな湾曲形状の第一の紙幣導出搬送路91が、紙幣搬送ガイド81および82によって、滑らかな湾曲形状の第二の紙幣導出搬送路92が、それぞれ形成されている。
図示されてはいないが、紙幣搬送ガイド80、81および82はいずれも、その両端部が側板40aおよび側板40bに固定されており、側板40aおよび側板40bの回転にともなって、回動するように構成されている。
図6に示されるように、紙幣搬送ガイド80および81によって形成された紙幣導入搬送路90の紙幣導入部90aと、紙幣搬送ガイド80および82によって形成された第一の紙幣導出搬送路91の第一の紙幣導出部91aと、紙幣搬送ガイド81および82によって形成された第二の紙幣導出搬送路92の第二の紙幣導出部92aとは、円周方向に互いに120度の間隔で配置されている。
図6に示されるように、紙幣導入部90aから紙幣導入搬送路90内に搬送されている紙幣を第一の紙幣導出搬送路91または第二の紙幣導出搬送路92に選択的に搬送する搬送方向切換えゲート部材95が回動中心軸52に取り付けられている。搬送方向切換えゲート部材95は、横断面が細長い二等辺三角形の等辺を滑らかな凹状にした形状を有し、2つの長辺が交差する先端部95cが紙幣導入搬送路90側を向くように配置されている。搬送方向切換えゲート部材95のより具体的な形状については後述する。
搬送方向切換えゲート部材95は、紙幣搬送ガイド80、81および82によって形成された紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出搬送路91および第二の紙幣導出搬送路92内を搬送される紙幣の側部に当接し、紙幣の搬送方向を切換え可能に構成され、図6には図示されていないが、回動中心軸52に沿って、合計で3つの搬送方向切換えゲート部材95が回動中心軸52に取り付けられている。
搬送方向切換えゲート部材95は回動中心軸52の回動にともなって、18度ないし22度の範囲内で、揺動するように構成されている。
図6においては、搬送方向切換えゲート部材95は、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に、紙幣を搬送可能な位置に位置している。
図6に示されるように、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に紙幣を搬送するときには、搬送方向切換えゲート部材95は回動中心軸52まわりに反時計方向に揺動される。その結果、紙幣搬送ガイドと搬送方向切換えゲート部材95の側面との間に、紙幣が通過可能な紙幣搬送路が形成され、こうして形成された紙幣搬送路の幅がほぼ一定になるように、搬送方向切換えゲート部材95の側面が凹状に形成されている。搬送方向切換えゲート部材95の凹状の側面によって、その表面に沿って、紙幣を紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に案内する第二のガイド面95bが形成されている。
一方、紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92に紙幣を搬送するときには、搬送方向切換えゲート部材95は回動中心軸52まわりに時計方向に揺動される。その結果、紙幣搬送ガイドと搬送方向切換えゲート部材95の側面との間に、紙幣が通過可能な紙幣搬送路が形成され、こうして形成された紙幣搬送路の幅がほぼ一定になるように、搬送方向切換えゲート部材95の側面が凹状に形成されている。搬送方向切換えゲート部材95の凹状の側面によって、その表面に沿って、紙幣を紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92に案内する第二のガイド面95bが形成されている。
搬送方向切換えゲート部材95は、ロータリソレノイド55によって駆動され、18度ないし22度の範囲内で揺動する。
図6において、参照番号46で示されているのは、テンションローラ45の軸である。
図7は、紙幣搬送ガイド81と搬送方向切換えゲート部材95との配置関係を示す略斜視図である。
図7に示されるように、本実施態様においては、回動中心軸52に沿って、3つの搬送方向切換えゲート部材95が回動中心軸52に取り付けられており、紙幣搬送ガイド81には、搬送方向切換えゲート部材95が、回動中心軸52の回転にともなって、18度ないし22度の範囲内で揺動可能なように切り欠き81aが形成されている。
図示されてはいないが、紙幣搬送ガイド80には、紙幣搬送ガイド81の切り欠き81aに対応する位置に、搬送方向切換えゲート部材95が、回動中心軸52の回転にともなって、18度ないし22度の範囲内で揺動可能なように切り欠きが形成されており、紙幣搬送ガイド82にも、搬送方向切換えゲート部材95が、回動中心軸52の回転にともなって、18度ないし22度の範囲内で揺動可能なように切り欠きが形成されている。
図6に示されるように、紙幣を紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に導く際には、搬送方向切換えゲート部材95の先端部は、紙幣搬送ガイド81に形成された切り欠き81の内部に位置している。
このように構成された紙幣搬送方向切換え装置7の搬送方向切換えユニット8においては、以下のようにして、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣が、第一の紙幣導出搬送路91または第二の紙幣導出搬送路92に選択的に搬送される。
紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣を第一の紙幣導出搬送路91に搬送する場合には、搬送方向切換えゲート部材95が図6に示される位置に位置されるように、回転モータ50によって、側板40bが回転される。
側板40bの回転にともない、紙幣搬送ガイド80、81、82、搬送ローラ軸43、テンションローラ軸46および側板40aが回動される。
次いで、搬送モータ62が駆動され、搬送モータ62の駆動力がギア62b、連結ギア60および駆動ギア57を介して、搬送ローラ軸43に伝達され、搬送ローラ44が回転される。
本実施態様においては、圧縮スプリングなどの付勢手段(図示せず)によって、搬送ローラ44に向けて付勢されたテンションローラ45が設けられており、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣は、搬送ローラ44とテンションローラ45によって把持された状態で、搬送ローラ44の回転にともなって、紙幣導入搬送路90内を搬送され、搬送方向切換えゲート部材95の第一のガイド面95aに沿って、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に案内されて、第一の紙幣導出部91aから、第一の紙幣導出搬送路91に接続された紙幣出金通路6内に導出される。
一方、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣を第二の紙幣導出搬送路92に搬送する場合には、図6に示される位置に位置している搬送方向切換えゲート部材95が回動中心軸52まわりに、18度ないし22度の角度にわたって、時計方向に回動されて、停止される。
その結果、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣は、搬送ローラ44とテンションローラ45によって把持された状態で、搬送ローラ44の回転にともなって、紙幣導入搬送路90内を搬送され、搬送方向切換えゲート部材95の第二のガイド面95bに沿って、紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92に案内されて、第二の紙幣導出部92aから、第二の紙幣導出搬送路91に接続された紙幣一時貯留室10に連なる紙幣入金通路4内に導出される。
図8は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣入出金機1の検出系、入力系、表示系および制御系を示すブロックダイアグラムである。
図8に示されるように、紙幣入出金機1の検出系は、紙幣検出部5に設けられた紙幣の磁気的特性を検出し、磁気データを出力する磁気センサ5aと、紙幣に光を照射する光源(図示せず)と紙幣によって反射された光を受光するセンサ(図示せず)を備え、紙幣の表面パターンを光学的に検出し、光学パターンデータを出力する光学センサ5bと、紙幣が紙幣入金通路4内を搬送され、紙幣搬送方向切換え装置7の近傍に達したことを検出する紙幣センサ15を備えている。
図8に示されるように、紙幣入出金機1の入力系は、テラーや顧客によって操作され、種々の指示信号が入力されるキーボード100を備えており、紙幣入出金機1の表示系は、紙幣の計数結果や種々のメッセージなどを表示するディスプレイ105を備えている。
さらに、図8に示されるように、紙幣入出金機1の制御系は、紙幣入出金機1の全体の動作を制御するコントロールユニット120と、紙幣入出金機1の制御プログラム、金種ごとの紙幣の基準データなどが格納されたROM121および各種データを記憶するRAM122を備えている。
図9は、図1に示された本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣入出金機1の駆動系を示すブロックダイアグラムである。
図9に示されるように、紙幣入出金機1の駆動系は、紙幣入金口2に設けられた紙幣を紙幣入金通路4内に繰り出す紙幣繰り出し機構2aと、紙幣入金通路4に設けられた複数の正逆回転可能な搬送ローラ対4aおよび複数の搬送ローラ4bを駆動する駆動モータ4cと、紙幣入金通路4に設けられたゲート部材9を駆動するソレノイド9aと、紙幣入金通路4からの紙幣をフィルム(図示せず)によって、ドラム10aに巻き付けて紙幣一時貯留室10内に一時貯留する際には、ドラム10aを正転させ、紙幣一時貯留室10内に貯留されている紙幣を紙幣入金通路4に送り出す際には、ドラム10aを逆回転させるドラムモータ12と、紙幣出金通路6に設けられた複数の搬送ローラ対6aおよび複数の搬送ローラ6bを駆動する駆動モータ6cと、紙幣搬送方向切換え装置7の歯付きローラ42aを駆動する回転モータ50と、搬送方向切換えユニット8の3本の搬送ローラ軸43を回転させる搬送モータ62と、搬送方向切換えユニット8の回転中心軸52を回動させるロータリソレノイド55と、搬送方向切換えユニット8の側板40bに形成された3つのロック孔67のいずれかの内部に、ロックピン70bを突出させて、側板40bを固定し、側板40bを回転させるときは、ロック孔67内から、ロックピン70bを退避させるロックソレノイド70と、紙幣収納通路11に設けられた複数の搬送ローラ対11aおよび搬送ローラ11bを駆動するモータ11cと、第一の選別通路31の紙幣収納通路11からの分岐部に設けられたゲート部材31aを駆動するソレノイド31bと、第三の選別通路33の紙幣収納通路11からの分岐部に設けられたゲート部材33aを駆動するソレノイド33bと、第五の選別通路35の紙幣収納通路11からの分岐部に設けられたゲート部材35aを駆動するソレノイド35bと、第一の選別通路31と第二の選別通路32との分岐部に設けられたゲート部材32aを駆動するソレノイド32bと、第三の選別通路33と第四の選別通路34との分岐部に設けられたゲート部材34aを駆動するソレノイド34bと、第五の選別通路35と第六の選別通路36との分岐部に設けられたゲート部材36aを駆動するソレノイド36bと、第七の選別通路37と第八の選別通路38との分岐部に設けられたゲート部材38aを駆動するソレノイド38bと、第一の選別通路31に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ31cと、第二の選別通路32に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ32cと、第三の選別通路33に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ33cと、第四の選別通路34に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ34cと、第五の選別通路35に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ35cと、第六の選別通路36に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ36cと、第七の選別通路37に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ37cと、第八の選別通路38に設けられた複数の搬送ローラ(図示せず)を駆動する搬送ローラモータ38cと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム21bに巻き付けて、第一の紙幣収納室21内に収納するときには、ドラム21bを正転させ、第一の紙幣収納室21内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム21bを逆回転させる第一の収納ドラムモータ21aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム22bに巻き付けて、第二の紙幣収納室22内に収納するときには、ドラムを正転させ、第二の紙幣収納室22内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム22bを逆回転させる第二の収納ドラムモータ22aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム23bに巻き付けて、第三の紙幣収納室23内に収納するときには、ドラム23bを正転させ、第三の紙幣収納室23内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム23bを逆回転させる第三の収納ドラムモータ23aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム24bに巻き付けて、第四の紙幣収納室24内に収納するときには、ドラムを正転させ、第四の紙幣収納室24内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラムを逆回転させる第四の収納ドラムモータ24aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム24bに巻き付けて、第五の紙幣収納室25内に収納するときには、ドラム25bを正転させ、第五の紙幣収納室25内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム25bを逆回転させる第五の収納ドラムモータ25aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム26bに巻き付けて、第六の紙幣収納室26内に収納するときには、ドラム26bを正転させ、第六の紙幣収納室26内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム26bを逆回転させる第六の収納ドラムモータ26aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム27bに巻き付けて、第七の紙幣収納室27内に収納するときには、ドラム27bを正転させ、第七の紙幣収納室27内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム27bを逆回転させる第七の収納ドラムモータ27aと、紙幣をフィルム(図示せず)によってドラム28bに巻き付けて、第八の紙幣収納室28内に収納するときには、ドラム28bを正転させ、第八の紙幣収納室28内に収納されている紙幣を送り出すときには、ドラム28bを逆回転させる第八の収納ドラムモータ28aとを備えている。
以上のように構成された本発明の好ましい実施態様にかかる紙幣搬送方向切換え装置7を備えた紙幣入出金機1は、以下のようにして、紙幣入金口2内に投入された紙幣を処理する。
まず、テラーまたは顧客が、紙幣入金口2内に入金すべき紙幣を投入して、キーボード100を介して、コントロールユニット120に入金信号を入力すると、コントロールユニット120は、前回の紙幣入出金動作が完了したときの搬送方向切換えユニット8の回転位置が紙幣搬送ガイド80、81によって形成された紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通する位置でなかった場合には、ロックソレノイド70にロック解除信号を出力して、側板40bに形成されたロック孔67内から、ロックピン70bを退避させ、搬送方向切換えユニット8を回転可能にして、紙幣搬送方向切換え装置7の回転モータ50に駆動信号を出力して、紙幣搬送ガイド80、81によって形成された紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通するように、回転モータ50によって歯付きローラ42aを回転させて、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転させる。
その結果、紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通すると、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70にロック信号を出力して、ロックピン70b側板40bに形成されたロック孔67内に移動させて、側板40bが回転しないようにロックする。
これに対して、前回の紙幣入出金動作が完了したときの搬送方向切換えユニット8の回転位置が紙幣搬送ガイド80、81によって形成された紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通する位置であった場合には、コントロールユニット120はロックソレノイド70にも、回転モータ50にも駆動信号を出力しない。したがって、搬送方向切換えユニット8は紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通する位置に保持される。
紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通すると、上述のように、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90の紙幣導入部90aと、第一の紙幣導出路91の第一の紙幣導出部91aと、第二の紙幣導出路92の紙幣導出部92aとは、略円筒状の搬送方向切換えユニット8の円周に沿って、互いに120度を隔てた位置に位置しており、一方、紙幣検出部5から紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣一時貯留室10に向けて、紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣出金通路6は、紙幣搬送方向切換え装置7の円周に沿って、互いに120度の間隔をもって、搬送方向切換えユニット8に接続されているから、紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5からの紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通すると、第一の紙幣導出路91は紙幣出金通路6に連通し、第二の紙幣導出路92は紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通することになる。
側板40bの回転にともない、搬送ローラ軸43、テンションローラ軸46、紙幣搬送ガイド80、81、82および側板40aが回転する。
次いで、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70を駆動して、ロックソレノイド70のロックピン70bを搬送方向切換えユニット8の側板40bに形成された対応するロック孔67内に挿通させ、側板40bを回転方向に対して固定させる。
その後、コントロールユニット120によって、搬送方向切換えユニット8の搬送モータ62に駆動信号が出力され、搬送モータ62が駆動される。搬送モータ62の駆動力は、ギア62bを介して、連結ギア60に伝達されて、連結ギア60から3つの駆動ギア57に伝達され、その結果、3本の搬送ローラ軸43が回転される。
図6は、紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5から紙幣が搬送される紙幣入金通路4に連通し、第一の紙幣導出路91が紙幣出金通路6に連通し、第二の紙幣導出路92が紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通した状態を示している。
こうして、搬送方向切換えユニット8の位置決めが完了すると、コントロールユニット120はディスプレイ105に、紙幣入金口2内に投入された紙幣の入金準備が完了した旨を表示する。
次いで、テラーまたは顧客によって、キーボード100が操作されて、入金実行信号がコントロールユニット120に入力されると、コントロールユニット120は、紙幣繰り出し機構2aに繰り出し信号を出力するとともに、紙幣入金通路4に設けられた複数の搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bを駆動する駆動モータ4cに第一の駆動信号を出力し、さらに、搬送モータ62に駆動信号を出力する。
その結果、紙幣入金口2に投入された紙幣は、その短辺が搬送方向と平行になるように、紙幣入金口2から、紙幣入金通路4に1枚ずつ繰り出され、複数の搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bによって、紙幣入金通路4内を紙幣検出部8に向けて、搬送される。同時に、搬送方向切換えユニット8の搬送ローラ軸43が回転される。
コントロールユニット120に入金実行信号が入力されたときは、ゲート部材9はその側面が紙幣通路4の上面と滑らかに連なる退避位置に位置しているから、紙幣はゲート部材9を通過して、紙幣検出部5に送られ、磁気センサ5aによって、紙幣の磁気的特性が検出され、紙幣の磁気データが生成されて、コントロールユニット120に出力されるとともに、光学センサ5bによって、紙幣の表面パターンが光学的に検出され、紙幣の光学パターンデータが生成されて、コントロールユニット120に出力される。
コントロールユニット120は、紙幣検出部5から、紙幣の磁気データを受け取ると、ROM121に記憶された各金種の紙幣の基準磁気データを読み出して、対比し、紙幣が受け入れ可能な紙幣か否か、受け入れ可能な紙幣であれば、その金種を判別する。
一方、コントロールユニット120は、紙幣検出部5から入力された紙幣の光学パターンデータを受け取ると、ROM121に記憶された各金種の紙幣の基準光学パターンデータを読み出して、パターンマッチングし、紙幣が受け入れ可能な紙幣か否か、受け入れ可能な紙幣であれば、その金種を判別する。
こうして、紙幣の磁気データに基づいて判別した紙幣の金種と、紙幣の光学パターンデータに基づいて判別した紙幣の金種が一致したときは、コントロールユニット120はその金種の紙幣が一枚検出された旨をRAM122の入金紙幣メモリ領域に書き込む。
これに対して、紙幣の磁気データに基づいて判別した紙幣の金種と、紙幣の光学パターンデータに基づいて判別した紙幣の金種とが一致しないときは、その紙幣は偽造紙幣や外国紙幣などの受け入れ不能な紙幣である虞があるから、コントロールユニット120は、受け入れ不能な紙幣が一枚検出された旨をRAM122の受け入れ不能紙幣メモリ領域に書き込む。
また、紙幣の磁気データに基づいて、紙幣の金種が判別できなかった場合あるいは光学パターンデータに基づいて紙幣の金種が判別できなかった場合には、紙幣が偽造紙幣や外国紙幣などの受け入れ不能な紙幣であるか、あるいは、2枚以上の紙幣の一部もしくは全部が重なり合って搬送されているか、搬送されている紙幣がその短辺が紙幣入金通路4における紙幣の搬送方向に対して平行ではなく、紙幣が斜め送りされているかなど、所望のように、紙幣が搬送されておらず、このまま、紙幣入出金機1に収納させると、途中でジャミングを起こす虞があるから、コントロールユニット120は、一枚または複数枚の受け入れ不能な紙幣が検出された旨をRAM122の入金紙幣メモリ領域に書き込む。
紙幣検出部5を通過した紙幣は、紙幣搬送方向切換え装置7に送られる。
紙幣が紙幣搬送方向切換え装置7の近傍に達すると、紙幣センサ15によって検出され、紙幣検出信号がコントロールユニット120に出力される。
上述のように、紙幣の入金操作の開始時においては、紙幣入金通路4は、紙幣搬送方向切換え装置7の紙幣導入搬送路90の紙幣導入部90aに接続されているから、紙幣搬送方向切換え装置7に供給された紙幣は、紙幣導入部90aから紙幣導入搬送路90に送られ、搬送ローラ44とテンションローラ45との間に挟持されて、紙幣導入搬送路90内を搬送される。
コントロールユニット120は、紙幣センサ15から紙幣検出信号が入力されると、RAM122にアクセスして、紙幣センサ15によって検出された紙幣が受け入れ可能な紙幣か否かを判定する。
その結果、紙幣センサ15によって検出された紙幣が受け入れ可能な紙幣であると判定したときは、コントロールユニット120はロータリソレノイド55に紙幣受け入れ信号を出力するとともに、ドラムモータ12に駆動信号を出力して、紙幣一時貯留室10内に設けられたドラム10aを回転させる。
ロータリソレノイド55は、コントロールユニット120から紙幣受け入れ信号を受けると、搬送方向切換えゲート部材95が、図6に示される位置から、時計方向に18度ないし22度の範囲内で、回動されるように、回動中心軸52を回転させ、その位置で、搬送方向切換えゲート部材95が停止される。
その結果、紙幣搬送ガイド81と搬送方向切換えゲート部材95の側面95bとの間に、紙幣が通過可能な切換え通路が形成され、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣は、搬送方向切換えゲート部材95の第二のガイド面95bに沿って、切換え通路を介して、紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92に案内されて、紙幣入金通路4に送り出され、回転しているドラム10aによって巻き取られて、紙幣一時貯留室10に一時的に貯留される。
同様にして、紙幣センサ15によって検出された紙幣が受け入れ可能な紙幣である場合には、コントロールユニット120は、紙幣が、搬送方向切換えゲート部材95の第二のガイド面95bに沿って、紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92に案内されて、紙幣入金通路4に送り出され、回転しているドラム10aによって巻き取られて、紙幣一時貯留室10に一時的に貯留されるように、搬送方向切換えゲート部材95の紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出搬送路91および第二の紙幣導出搬送路92の位置を制御する。
これに対して、紙幣センサ15によって検出された紙幣が偽造紙幣や外国紙幣などの受け入れ不能な紙幣であるか、所望のように搬送されておらず、入金すべき紙幣ではないと判定したときは、コントロールユニット120はロータリソレノイド55に受け入れ不能信号を出力する。
ロータリソレノイド55は、コントロールユニット120から受け入れ不能信号を受けると、搬送方向切換えゲート部材95が図6に示される位置に位置するように、回動中心軸52を18度ないし22度の範囲で、反時計回りに回転させる。
その結果、紙幣搬送ガイド80と搬送方向切換えゲート部材95の側面95aとの間に、紙幣が通過可能な切換え通路が形成され、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣は、搬送方向切換えゲート部材95の第一のガイド面95aに沿って、切換え通路を介して、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に案内されて、紙幣出金通路6に送り出され、紙幣出金口3に送られる。
以上の操作を繰り返した結果、紙幣センサ15からコントロールユニット120に、所定の時間にわたり、紙幣検出信号が入力しなくなると、テラーまたは顧客が紙幣入金口2に投入した紙幣がすべて紙幣搬送方向切換え装置7を通過したと認められるから、コントロールユニット120はRAM122の入金紙幣メモリ領域に金種別に書き込まれた入金紙幣の枚数に基づいて、紙幣一時貯留室10に一時的に貯留されている紙幣の合計金額をディスプレイ105に表示するとともに、入金をしてもよいかどうかをテラーまたは顧客に問い合わせるメッセージをディスプレイ105に表示する。
その結果、テラーまたは顧客が、ディスプレイ105に表示された入金した紙幣の合計金額に異論があり、紙幣の返却を求める場合には、紙幣返却信号をキーボード100に入力する。キーボード100に入力された紙幣返却信号はコントロールユニット120に出力される。
紙幣返却信号を受けると、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70にロック解除信号を出力して、ロックソレノイド70の出力軸70aの先端部に取り付けられたロックピン70bを側板40bのロック孔67から退避させ、ロックピン70bとロック孔67との係合を解除させる。
次いで、コントロールユニット120は回転モータ50に駆動信号を出力して、紙幣導入搬送路90が、紙幣一時貯留室10と紙幣搬送方向切換え装置7を連通する紙幣入金通路4に連通するように、回転モータ50によって歯付きローラ42aを回転させて、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転させる。
側板40bの回転にともない、搬送ローラ軸43、テンションローラ軸46、紙幣搬送ガイド80、81、82および側板40aが回転し、搬送方向切換えユニット8は図10に示された位置まで回動される。
こうして、紙幣導入搬送路90が紙幣一時貯留室10と紙幣搬送方向切換え装置7とを連通する紙幣入金通路4に接続されると、第一の紙幣導出路91は紙幣を紙幣検出部5から紙幣搬送方向切換え装置7に連なる紙幣入金通路4に連通し、第二の紙幣導出路92は紙幣出金通路6と連通することになる。
この状態で、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70を駆動して、ロックソレノイド70のロックピン70bを側板40bに形成された対応するロック孔67内に挿通させ、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転方向に対して固定させるとともに、搬送モータ62に駆動信号を出力して、搬送ローラ軸43を回転させる。
さらに、コントロールユニット120は、ロータリソレノイド55に紙幣返却操作開始信号を出力する。
ロータリソレノイド55は、コントロールユニット120から紙幣返却操作開始信号を受けると、回動中心軸52を、18度ないし22度の範囲内で、図10において反時計方向に回転させる。その結果、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えブレード95が回動中心軸52まわりに、紙幣導入搬送路90と第二の紙幣導出搬送路92とが滑らかに連なるように、反時計方向に回動される。
次いで、コントロールユニット120は、駆動モータ6cに駆動信号を出力して、紙幣出金通路6に設けられた複数の搬送ローラ対6aおよび搬送ローラ6bを回転させるとともに、駆動モータ4cに第二の駆動信号を出力して、複数の搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bを逆回転させ、さらに、ドラムモータ12に逆回転信号を出力して、紙幣一時貯留室10のドラム10aを逆回転させ、紙幣一時貯留室10から紙幣を繰り出させる。紙幣一時貯留室10から繰り出され、紙幣入金通路4を介して、紙幣導入搬送路90に送り込まれた紙幣は、搬送方向切換えゲート部材95の第二のガイド面95bに沿って、紙幣導入搬送路90から第二の紙幣導出搬送路92内に案内されて、紙幣出金通路6に送り出され、紙幣出金口3に送られる。
こうして、紙幣一時貯留室10内に一時的に貯留されていた紙幣がすべて、紙幣出金通路6を介して、紙幣出金口3に返却されると、コントロールユニット120は、紙幣を紙幣出金口3から取り去ることを促すメッセージをディスプレイ105に表示し、紙幣出金口3に返却された紙幣は、テラーまたは顧客によって、取り去られ、紙幣の返却動作が完了する。
これに対し、テラーまたは顧客が、ディスプレイ105に表示された入金紙幣の合計金額に同意したときは、その旨をキーボード100に入力すると、紙幣収納信号がコントロールユニット120に出力される。
紙幣収納信号を受けると、コントロールユニット120はロックソレノイド70にロック解除信号を出力して、ロックソレノイド70の出力軸70aの先端部に取り付けられたロックピン70bを側板40bの対応するロック孔67から退避させて、ロックピン70bとロック孔67との係合を解除する。
次いで、コントロールユニット120は、回転モータ50に駆動信号を出力して、紙幣導入搬送路90が、紙幣一時貯留室10と搬送方向切換えユニット8とを接続する紙幣入金通路4に連通するように、回転モータ50によって歯付きローラ42aを回転させて、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転させる。
その結果、図10に示されるように、第一の紙幣導出路91は、紙幣検出部5と搬送方向切換えユニット8とを接続する紙幣入金通路4に連通し、一方、第二の紙幣導出路92は、紙幣出金通路6に接続される。
次いで、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70にロック信号をロックソレノイド70のロックピン70bを側板40bに形成された対応するロック孔67内に挿通させ、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転方向に対して固定させるとともに、搬送モータ62に駆動信号を出力して、搬送ローラ軸43を回転させる。
さらに、コントロールユニット120は、ロータリソレノイド55に紙幣収納信号を出力する。
ロータリソレノイド55は、コントロールユニット120から紙幣収納信号を受けると、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えゲート部材95を図10に示される位置に位置させる。その結果、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90と第一の紙幣導出路91が滑らかに連なることになる。
搬送方向切換えユニット8および搬送方向切換えゲート部材95の位置が固定されると、コントロールユニット120は、搬送モータ62に駆動信号を出力して、搬送ローラ軸43を回転させるとともに、駆動モータ4cに第二の駆動信号を出力して、紙幣入金通路4に設けられた複数の搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bを逆回転させる。
次いで、コントロールユニット120は、ドラムモータ12に逆回転信号を出力して、紙幣一時貯留室10内のドラム10aを逆回転させるとともに、モータ11cに駆動信号を出力して、紙幣収納通路11に設けられた複数の搬送ローラ対11aおよび搬送ローラ11bを回転させる。
その結果、紙幣一時貯留室10から紙幣が、その短辺が搬送方向と一致するように、紙幣搬送方向切換え装置7に向けて、紙幣入金通路4内に1枚ずつ繰り出され、紙幣搬送方向切換え装置7に供給される。
紙幣搬送方向切換え装置7に供給された紙幣は、搬送ローラ44とテンションローラ45の間に挟持されて、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出路91を通って、紙幣入金通路4に送り出され、紙幣検出部5に送られる。
紙幣検出部5においては、磁気センサ5aによって、紙幣の磁気的特性が検出されて、紙幣の磁気データが生成されて、コントロールユニット120に出力され、光学センサ5bによって、紙幣の光学パターンデータが生成されて、コントロールユニット120に出力される。
コントロールユニット120は、紙幣検出部5から、紙幣の磁気データを受け取ると、ROM121に記憶された各金種の紙幣の基準磁気データを読み出して、対比し、紙幣が受け入れ可能な紙幣か否か、受け入れ可能な紙幣であれば、その金種を判別する。
同時に、コントロールユニット120は、紙幣検出部5から入力された紙幣の光学パターンデータを受け取ると、ROM121に記憶された各金種の紙幣の基準光学パターンデータを読み出して、パターンマッチングし、紙幣が受け入れ可能な紙幣か否か、受け入れ可能な紙幣であれば、その金種を判別する。
こうして、紙幣の磁気データに基づいて判別した紙幣の金種と、紙幣の光学パターンデータに基づいて判別した紙幣の金種が一致したときは、コントロールユニット120はその金種の紙幣が一枚検出された旨をRAM122の収納紙幣メモリ領域に書き込む。
このとき、紙幣検出部5に供給される紙幣は、紙幣検出部5によって検出された磁気データおよび光学パターンデータに基づいて、コントロールユニット120が受け入れ可能と判定されて、紙幣一時貯留室10に貯留されていたものであるから、紙幣検出部5を通過するときに、紙幣の枚数がカウントされるだけで、すべての紙幣が紙幣収納通路11に送られる。
本実施態様においては、8つの金種の紙幣を金種別に、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27,第八の紙幣収納室28に収納可能に構成されており、紙幣検出部5によって検出された磁気データおよび光学パターンデータに基づいて、コントロールユニット120が判別した金種にしたがって、紙幣は対応する第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27または第八の紙幣収納室28に収納される。すなわち、第一の紙幣収納室21には第一の金種の紙幣が、第二の紙幣収納室22には第二の金種の紙幣が、第三の紙幣収納室23には第三の金種の紙幣が、第四の紙幣収納室24には第四の金種の紙幣が、第五の紙幣収納室25には第五の金種の紙幣が、第六の紙幣収納室26には第六の金種の紙幣が、第七の紙幣収納室27には第七の金種の紙幣が、第八の紙幣収納室28には第八の金種の紙幣が、それぞれ収納されるように構成されている。
紙幣が紙幣収納通路11内を搬送され、紙幣収納通路11から第一の選別通路31の分岐部に設けられたゲート部材31aに達したとき、紙幣検出部5の磁気センサ5aによって生成された紙幣の磁気データおよび光学センサ5bによって生成された紙幣の光学パターンデータに基づいて、その紙幣が第一の金種の紙幣または第二の金種の紙幣であると判別していたときは、コントロールユニット120はソレノイド31bに駆動信号を出力して、ゲート部材31aを駆動し、その紙幣はゲート部材31aによって第一の選別通路31内に導かれる。第一の選別通路31内に導かれた紙幣が第一の金種の紙幣であったときは、コントロールユニット120はソレノイド32bに駆動信号を出力して、第一の選別通路31と第二の選別通路32との分岐部に設けられたゲート部材32aを駆動し、その紙幣はゲート部材32aによって、第一の紙幣収納室21内に導かれて収納され、一方、その紙幣が第二の金種の紙幣だったときは、その紙幣はゲート部材32aを通過し、第二の紙幣収納室22内に導かれて収納される。
これに対して、紙幣検出部5の磁気センサ5aによって生成された紙幣の磁気データおよび光学センサ5bによって生成された紙幣の光学パターンデータに基づいて、その紙幣が第三の金種の紙幣または第四の金種の紙幣であると判別していたときは、コントロールユニット120はソレノイド31bに駆動信号を出力せず、ソレノイド33bに駆動信号を出力する。その結果、紙幣はゲート部材31aを通過するが、ゲート部材33aによって、第三の選別通路33内に導かれる。第三の選別通路33内に導かれた紙幣が第三の金種の紙幣であったときは、コントロールユニット120によってソレノイド34bに駆動信号を出力して、第三の選別通路33と第四の選別通路34との分岐部に設けられたゲート部材34aを駆動し、その紙幣はゲート部材34aによって、第三の紙幣収納室23内に導かれて収納され、その紙幣が第四の金種の紙幣だったときは、その紙幣はゲート部材34aを通過し、第四の紙幣収納室24内に導かれて収納される。
一方、紙幣検出部5の磁気センサ5aによって生成された紙幣の磁気データおよび光学センサ5bによって生成された紙幣の光学パターンデータに基づいて、その紙幣が第五の金種の紙幣または第六の金種の紙幣であると判別していたときは、コントロールユニット120はソレノイド31bおよびソレノイド33bには駆動信号を出力せず、ソレノイド35bに駆動信号を出力する。したがって、紙幣はゲート部材31aおよびゲート部材33aを通過するが、ゲート部材35aによって、第五の選別通路35内に導かれる。第五の選別通路35内に導かれた紙幣が第五の金種の紙幣であったときは、コントロールユニット120はソレノイド36bに駆動信号を出力して、第五の選別通路35と第六の選別通路36との分岐部に設けられたゲート部材36aを駆動し、その紙幣はゲート部材36aによって第五の紙幣収納室25内に導かれて収納され、その紙幣が第六の金種の紙幣だったときは、その紙幣はゲート部材36aを通過し、第六の紙幣収納室26内に導かれて収納される。
他方、紙幣検出部5の磁気センサ5aによって生成された紙幣の磁気データおよび光学センサ5bによって生成された紙幣の光学パターンデータに基づいて、その紙幣が第七の金種の紙幣または第八の金種の紙幣であると判別していたときは、コントロールユニット120はソレノイド31b、ソレノイド33bおよびソレノイド35bに駆動信号を出力しない。したがって、紙幣はゲート部材31a、ゲート部材33aおよびゲート部材35aを通過して、第七の選別通路37内に導かれる。第七の選別通路37内に導かれた紙幣が第七の金種の紙幣であったときは、コントロールユニット120はソレノイド38bに駆動信号を出力して、第七の選別通路37と第八の選別通路38との分岐部に設けられたゲート部材38aを駆動し、その紙幣はゲート部材38aによって第七の紙幣収納室27内に導かれて収納され、その紙幣が第八の金種の紙幣だったときは、その紙幣はゲート部材38aを通過し、第八の紙幣収納室28内に導かれて収納される。
こうして、RAM122のメモリ領域に格納されていた一時貯留室10へ収納されていた紙幣の枚数データと、紙幣検出部5によってカウントされた紙幣収納通路11に送られた紙幣の枚数データとが一致したとコントロールユニット120が判定した場合には、紙幣一時貯留室10内に貯留されていたすべての紙幣が紙幣収納通路11に送られたと認められるから、コントロールユニット120は紙幣の入金操作が完了した旨をディスプレイ105に表示する。
本実施態様にかかる紙幣搬送方向切換え装置7を備えた紙幣入出金機1は、テラーや顧客の要望にしたがって、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27および/または第八の紙幣収納室28に収納されている紙幣を出金可能に構成されている。
紙幣入出金機1内に収納されている紙幣の出金を希望するときは、テラーまたは顧客によって、キーボード100に紙幣出金信号とともに、出金金額が入力される。
紙幣出金信号および出金金額を特定するデータはコントロールユニット120に出力され、紙幣出金信号および出金金額データを受けたときは、コントロールユニット120は、出金金額データに基づいて、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27および/または第八の紙幣収納室28から出金すべき紙幣の枚数を算出する。
同時に、コントロールユニット120はロックソレノイド70にロック解除信号を出力して、ロックソレノイド70の出力軸70aの先端部に取り付けられたロックピン70bを、側板40bの対応するロック孔67から退避させ、ロックピン70bとロック孔67との係合を解除させる。
次いで、コントロールユニット120は回転モータ50に駆動信号を出力して、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90が紙幣入金口2と紙幣検出部5を連通する紙幣入金通路4に接続されるように、すなわち、図6に示される位置に、搬送方向切換えユニット8が位置するように、ギア部41に噛合している歯付きローラ42aを回転させ、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転させる。
さらに、コントロールユニット120は、ロックソレノイド70にロック信号を出力して、ロックソレノイド70のロックピン70bを側板40bに形成された対応するロック孔67内に挿通させ、搬送方向切換えユニット8の側板40bを回転方向に対して固定させるとともに、搬送モータ62に駆動信号を出力して、搬送ローラ軸43を回転させる。
次いで、コントロールユニット120は、ロータリソレノイド55に紙幣出金信号を出力して、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えゲート部材95を図6に示される位置に位置させる。その結果、紙幣搬送ガイド80と搬送方向切換えゲート部材95の側面との間に、紙幣が通過可能な紙幣搬送路が形成され、紙幣導入搬送路90と第一の紙幣導出搬送路91とが滑らかに連なることになる。
さらに、コントロールユニット120は、駆動モータ11cに逆回転信号を出力して、紙幣収納通路11に設けられた複数の搬送ローラ対11aおよび搬送ローラ11bを逆回転させるとともに、駆動モータ4cに第一の駆動信号を出力して、紙幣入金通路4に設けられた複数の搬送ローラ対4aおよび搬送ローラ4bを、紙幣が紙幣入金通路4内を紙幣検出部5に向けて搬送されるように回転させ、さらに、搬送モータ62に駆動信号を出力して、搬送ローラ軸43を回転させるとともに、紙幣出金通路6に設けられた複数の搬送ローラ対6aおよび搬送ローラ6bを紙幣が紙幣出金通路6内を紙幣出金口3に向けて搬送されるように回転させる。
次いで、コントロールユニット120は、第一の収納ドラムモータ21aに逆回転信号を出力して、第一の紙幣収納室21内のドラム21bを逆回転させて、所定枚数の第一の金種の紙幣を第一の選別通路31に繰り出させ、ゲート部材31aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させるとともに、第二の収納ドラムモータ22aに逆回転信号を出力して、第二の紙幣収納室22内のドラム22bを逆回転させて、所定枚数の第二の金種の紙幣を第二の選別通路32に繰り出させ、ゲート部材32aおよびゲート部材31aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させる。
さらに、コントロールユニット120は、第三の収納ドラムモータ23aに逆回転信号を出力して、第三の紙幣収納室23内のドラム23bを逆回転させて、所定枚数の第三の金種の紙幣を第三の選別通路33に繰り出させ、ゲート部材33aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させるとともに、第四の収納ドラムモータ24aに逆回転信号を出力して、第四の紙幣収納室24内のドラム24bを逆回転させて、所定枚数の第四の金種の紙幣を第四の選別通路32に繰り出させ、ゲート部材34aおよびゲート部材33aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させる。
一方で、コントロールユニット120は、第五の収納ドラムモータ25aに逆回転信号を出力して、第五の紙幣収納室25内のドラム25bを逆回転させて、所定枚数の第五の金種の紙幣を第五の選別通路35に繰り出させ、ゲート部材35aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させるとともに、第六の収納ドラムモータ26aに逆回転信号を出力して、第六の紙幣収納室26内のドラム26bを逆回転させて、所定枚数の第六の金種の紙幣を第六の選別通路36に繰り出させ、ゲート部材36aおよびゲート部材35aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させる。
さらに、コントロールユニット120は、第七の収納ドラムモータ27aに逆回転信号を出力して、第七の紙幣収納室27内のドラム27bを逆回転させて、所定枚数の第七の金種の紙幣を第七の選別通路35に繰り出させ、紙幣収納通路11内に繰り出させるとともに、第八の収納ドラムモータ28aに逆回転信号を出力して、第八の紙幣収納室28内のドラム28bを逆回転させて、所定枚数の第八の金種の紙幣を第八の選別通路38に繰り出させ、ゲート部材38aを介して、紙幣収納通路11内に繰り出させる。
紙幣収納通路11内に繰り出された紙幣は、紙幣入金通路4内に送られ、紙幣検出部5に送られる。
紙幣検出部5においては、磁気センサ5aによって、紙幣の磁気的特性が検出され、紙幣の磁気データが生成されて、コントロールユニット120に出力されるとともに、光学センサ5bによって、紙幣の表面パターンが光学的に検出され、紙幣の光学パターンデータが生成されて、コントロールユニット120に出力される。
コントロールユニット120は、磁気センサ5aによって検出された紙幣の磁気的特性を示す磁気データおよび光学センサ5bによって検出された紙幣の光学パターンデータに基づいて、紙幣が受け入れ可能か否かを判別し、紙幣が受け入れ可能であると判別したときは、その金種を判別するとともに、その金種の紙幣を計数し、紙幣の金種別の枚数をRAM122内に格納する。
受け入れ可能と判別された紙幣は、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90内に送り込まれ、搬送ローラ44とテンションローラ45との間に挟持され、搬送方向切換えゲート部材95の第一のガイド面95aによって、紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91に案内されて、第一の紙幣導出部91aから、第一の紙幣導出搬送路91に接続された紙幣出金通路6内に導出される。
紙幣通路6内に導出された紙幣は、紙幣出金通路6内に設けられた紙幣出金通路6に設けられた複数の搬送ローラ対6aおよび搬送ローラ6bによって、紙幣出金口3に送り出される。
これに対して、紙幣が偽造紙幣や外国紙幣など、受け入れ不能な紙幣であると判別したとき、あるいは、紙幣が所望のように搬送されていないと判別したときは、コントロールユニット120は、その紙幣を紙幣センサ15が検出した時点で、ロータリソレノイド55に受け入れ不能紙幣検出信号を出力し、図6において、回動中心軸52を、時計方向に、18度ないし22度の範囲内で回転させるとともに、ドラムモータ12に回転信号を出力する。
その結果、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えブレード95が、図6において時計方向に、18度ないし22度の範囲内で回動され、紙幣搬送ガイド81と搬送方向切換えブレード95の側面との間に、紙幣が通過可能な切換え搬送路が形成され、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90および第二の紙幣導出搬送路92が滑らかに連なるから、紙幣導入搬送路90内に送り込まれた紙幣は搬送ローラ44とテンションローラ45の間に挟持され、搬送方向切換えゲート部材95の第二のガイド面95bによって、第二の紙幣導出搬送路92に案内されて、紙幣一時貯留室10に接続された紙幣入金通路4内に導出される。
紙幣入金通路4内に導出された受け入れ不能な紙幣は、紙幣一時貯留室10に送られて、貯留される。
こうして、第一の紙幣収納室21、第二の紙幣収納室22、第三の紙幣収納室23、第四の紙幣収納室24、第五の紙幣収納室25、第六の紙幣収納室26、第七の紙幣収納室27および/または第八の紙幣収納室28に収納されていた紙幣が、次々に、紙幣入金通路4内を紙幣検出部5に向けて送られ、紙幣検出部5によって検出された紙幣の磁気的特性を示す磁気データと紙幣の光学パターンデータに基づき、コントロールユニット120によって、紙幣が受け入れ可能か否か、受け入れ可能であるときは、その金種が判別され、金種別の枚数が計数される。
その結果、テラーまたは顧客によって指定された出金金額に等しい金額の紙幣が紙幣出金口3に送られたと判定すると、コントロールユニット120は、ディスプレイ105に、指定された出金金額に等しい金額の紙幣が紙幣出金口3に出金された旨のメッセージと紙幣を受け取るように、テラーまたは顧客に促すメッセージを表示する。
このメッセージに対して、テラーまたは顧客が紙幣出金口3から紙幣を受け取ると、紙幣の出金処理が完了する。
本実施態様においては、紙幣入出金機1の紙幣搬送方向切換え装置7は、全体として略円筒状をなした搬送方向切換えユニット8を備え、搬送方向切換えユニット8においては、紙幣導入搬送路90に接続された紙幣導入部95aと、第一の紙幣導出路91に接続された第一の紙幣導出部91aと、第二の紙幣導出路92に接続された第二の紙幣導出部92aとが、円筒状の搬送方向切換えユニット8の円周に沿って、互いに120度を隔てた位置に位置しており、一方、紙幣入金口2から紙幣検出部5を通って、紙幣搬送方向切換え装置7に、紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣搬送方向切換え装置7から紙幣一時貯留室10に向けて、紙幣を搬送する紙幣入金通路4と、紙幣出金口3に向けて、紙幣を搬送する紙幣出金通路6は、紙幣搬送方向切換え装置7の略円筒状の搬送方向切換えユニット8の円周に沿って、互いに120度の間隔をもって、紙幣搬送方向切換え装置7に接続されているから、紙幣導入搬送路90が紙幣検出部5からの紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通しているときには、第一の紙幣導出路91が紙幣出金通路6に連通し、第二の紙幣導出路92が紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4に連通し、搬送方向切換えユニット8を120度にわたって回動させることによって、紙幣導入搬送路90を紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4または紙幣出金通路6に、第一の紙幣導出搬送路91を紙幣検出部5からの紙幣を搬送する紙幣入金通路4または紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4に、第二の紙幣導出搬送路92を紙幣一時貯留室10に紙幣を搬送する紙幣入金通路4または紙幣検出部5からの紙幣を搬送する紙幣入金通路4にそれぞれ連通させることができる。
したがって、回転モータ50を回転させ、回転モータ50の出力軸50aの先端部に取り付けられ、側板40bのギア部41に噛合している歯付きローラ42aを回転させることによって、搬送方向切換えユニット8を回転させ、紙幣導入搬送路90を紙幣検出部5から紙幣搬送方向切換え装置7に紙幣を搬送する紙幣入金通路4および紙幣搬送方向切換え装置7から紙幣一時貯留室10に向けて、紙幣を搬送する紙幣入金通路4の一方に、第一の紙幣導出路91を紙幣出金通路6および紙幣搬送方向切換え装置7から紙幣検出部5に向けて、紙幣を搬送する紙幣入金通路4の一方に、第二の紙幣導出搬送路92を紙幣搬送方向切換え装置7から紙幣一時貯留室10に向けて、紙幣を搬送する紙幣入金通路4および紙幣出金通路6の一方に、それぞれ、選択的に接続することが可能になる。
さらに、回動中心軸52には、搬送方向切換えゲート部材95がその先端部が紙幣導入搬送路90に向くように取り付けられており、搬送方向切換えゲート部材95はロータリソレノイド55によって、18度ないし22度の範囲内で、揺動可能に構成されているから、ロータリソレノイド55によって、搬送方向切換えゲート部材95を第一の方向または第二の方向に揺動させることによって、紙幣導入搬送路90に供給された紙幣を、第一の紙幣導出路91または第二の紙幣導出搬送路92に選択的に搬送することが可能になる。
ここに、本実施態様においては、搬送方向切換えユニット8は回転モータ50によって回転されて、位置決めされ、搬送方向切換えゲート部材95はロータリソレノイド55によって駆動されるように構成されているので、搬送方向切換えゲート部材95を高速で揺動させ、紙幣導入搬送路90に供給された紙幣を、第一の紙幣導出路91または第二の紙幣導出搬送路92に選択的に搬送することができ、ステッピングモータを用いる場合とは異なって、搬送方向切換えゲート部材95を高速で駆動しても脱調が起こることがない。
さらに、本実施態様によれば、搬送方向切換えユニット8は、その長手方向に延びる3本の搬送ローラ軸43を備え、各搬送ローラ軸43には、2つの搬送ローラ44が固定されているから、紙幣をその短辺が紙幣の搬送方向と平行に搬送する場合でも、紙幣を搬送ローラ44によって、確実に保持して、搬送することが可能になる。
また、本実施態様によれば、回転モータ50によって、側板40bを回転させて、紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出路91および第二の紙幣導出搬送路92を、紙幣検出部5に連なる紙幣入金通路4、紙幣出金通路6および紙幣一時貯留室10に連なる紙幣入金通路4のそれぞれに接続した後に、ロックソレノイド70を駆動して、ロックソレノイド70のロックピン70bを搬送方向切換えユニット8の側板40bに形成された対応するロック孔67内に挿通させ、側板40bを回転方向に対して固定させているから、搬送モータ62から搬送ローラ軸43に伝達される回転力によって、搬送方向切換えユニット8が回転し、紙幣の搬送方向を所望のように切換えることができなくなることを確実に防止することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、紙幣入出金機1の紙幣一時貯留室10、紙幣収納室21、22、23、24、25、26、27、28はいずれも、ドラム式の紙幣収納機構を備えているが、紙幣収納機構を紙幣を一枚ずつ、積み重ねて収納するように構成することもできる。
さらに、前記実施態様においては、ロータリーソレノイド55により、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えブレード95が18度ないし22度の範囲内で回動されて、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90が第一の紙幣導出搬送路91または第二の紙幣導出搬送路92に滑らかに連なるように構成されているが、回動中心軸52に取り付けられた搬送方向切換えブレード95を18度未満の角度で回動させ、あるいは、22度を超える角度で回動させることによって、搬送方向切換えユニット8の紙幣導入搬送路90が第一の紙幣導出搬送路91または第二の紙幣導出搬送路92に滑らかに連なるように構成することもできる。
また、前記実施態様においては、横断面が細長い二等辺三角形の等辺を滑らかな凹状にした形状を有する搬送方向切換えゲート部材95を用いているが、搬送方向切換えゲート部材95として、このような形状のものを用いることは必ずしも必要ではなく、紙幣を紙幣導入搬送路90から第一の紙幣導出搬送路91または第二の紙幣導出搬送路92に確実にかつスムーズに搬送することが可能であれば、搬送方向切換えゲート部材95の形状はとくに限定されるものではない。
さらに、前記実施態様においては、3つの紙幣搬送ガイド80、81および82によって、紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出搬送路91および第二の紙幣導出搬送路92が形成されているが、紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出搬送路91および第二の紙幣導出搬送路92が一体的に形成された部材を側板40a及び側板40bに取り付けることにより、紙幣導入搬送路90、第一の紙幣導出搬送路91および第二の紙幣導出搬送路92を形成することもできる。
また、前記実施態様にかかる紙幣入出金機1は、付勢部材によって、搬送ローラ44に向けて付勢された従動ローラであるテンションローラ45を備えているが、テンションローラ軸46を駆動するようにしてもよい。
さらに、前記実施態様にかかる紙幣入出金機1においては、紙幣出金口3が紙幣を返却するための紙幣返却口を兼ねているが、紙幣入出金機1に、紙幣出金口3に加えて、もっぱら紙幣を返却する紙幣返却口を設けるようにしてもよい。
また、前記実施態様においては、紙幣を入金し、入金された紙幣を出金のために用いる紙幣入出金機1に本発明を適用した場合につき説明を加えたが、本発明は紙幣を入金するのみで、入金された紙幣を出金のために用いる機能を有さない紙幣入金機や、単に、紙幣入金口2に投入された紙幣の金種別の枚数を計数するだけで、紙幣の入金機能を有さない紙幣計数機に適用することもできる。
さらに、前記実施態様においては、シートが紙幣の場合につき説明を加えたが、本発明は、紙幣の搬送方向の切換えに限定されるものではなく、広く、シート状のシートの搬送方向を切換えるために用いることができる。