JP6637256B2 - 砂防堰堤の構築方法 - Google Patents

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本発明は、斜面における土砂の崩落等を受け止める砂防堰堤の構築方法に関する。
例えば山間部などの斜面において、雨などの影響で土砂が崩落して、下流地域に土砂災害を引き起こすおそれがある。このような土砂災害を防止するため、斜面の一部に、土砂が下流に流れることを堰き止める砂防堰堤が構築される場合がある(例えば非特許文献1)。
国総研資料第364号 「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説」(国土交通省国土技術政策総合研究所)
従来の砂防堰堤の構築技術としては、例えば、コンクリート法、ソイルセメント法(例えばISM、CSG、INSEM、砂防CSG工法など)、鋼製砂防構造物、コンクリートブロック積み工法などがある。これらの技術では、想定される土砂が下流に流れることを防止することができるように場所や大きさが決定される。
しかし、これらの公知の工法で砂防堰堤を構築すると、その規模にもよるが、通常、1カ所当たり、数億円規模の費用が発生する。一方、土砂災害の発生するおそれのある個所は、国内にも数多く存在するため、この全てにおいて従来技術で砂防堰堤を構築するには、莫大な費用を要するとともに、長期の工期を要するという問題がある。
本発明は、前述した問題に鑑みてなされたもので、簡易方法で、低コストで砂防堰堤を構築することが可能な、砂防堰堤の構築方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、第1の発明は、透過性の第1の捕捉材を設置する工程aと、前記第1の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程bと、を具備し、前記第1の捕捉材は、パイプと、前記パイプ間に張られるワイヤネットと、を具備し、前記パイプの側面には、孔が形成され、前記工程bにおいて、前記パイプに固化充填材を充填することで、前記パイプの周囲の前記土砂を固化することを特徴とする砂防堰堤の構築方法である。
の発明は、砂防堰堤の構築方法であって、透過性の第1の捕捉材を設置する工程aと、前記第1の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程bと、を具備し、前記工程aでは、前記第1の捕捉材から、上流側に向けて棒またはワイヤが設けられ、前記棒またはワイヤには、定着部が設けられ、前記工程bでは、前記土砂と前記土砂に埋まった前記定着部とが固化一体化されることを特徴とする砂防堰堤の構築方法である。
前記工程bの後、さらに、固化した土砂の上部に第2の捕捉材を設置し、設置された前記第2の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程cを具備してもよい。
前記工程cで設置される前記第2の捕捉材は、前記工程aで設置された前記第1の捕捉材に対して、上流側にずれた位置に設置されてもよい。
前記工程aでは、複数の前記第1の捕捉材を上流側と下流側に間隔をあけて複数段で配置し、少なくとも一つの上流側の第1の捕捉材は、少なくとも一つの下流側の第1の捕捉材に対して透過率が大きくてもよい。
前記工程bでは、前記第1の捕捉材に捕捉された土砂の上から、固化充填材を浸透させることで、前記土砂を固化することが望ましい。
前記工程bでは、前記第1の捕捉材に捕捉された土砂に対し、平面視で格子状に固化してもよい。
前記工程bでは、前記土砂に対して、上流側から下流側に向けて連続する、非固化部を形成してもよい。
前記工程aでは、前記第1の捕捉材から上流側に向けて、水抜き用の排水部材が配置され、前記工程bにおいて前記土砂を固化した際に、前記排水部材によって、上流側から流れる水を下流側に流してもよい。
本発明によれば、捕捉材によって土砂を捕捉し、捕捉された土砂をその場で固化してそのまま用いるため、従来の工法と比較して、極めて簡易に砂防堰堤を構築することができる。
また、固化した土砂の上方に、さらに他の捕捉材を構築し、当該捕捉材でさらに土砂を捕捉して、土砂を固化することで、より規模の大きな砂防堰堤を構築することができる。
この際、上部に設置する他の捕捉材を、下部の捕捉材よりも上流側にずらして設置することで、上部の捕捉材を安定して設置することができる。
また、捕捉材を上流側と下流側の2段で設置して、上流側では大きな土砂(落石)を捕捉し、下流側では上流側の捕捉材を通過した土砂を捕捉することで、より確実に土砂を捕捉することができる。
また、捕捉材で捕捉された土砂の上から、固化充填材を浸透させ、土砂を固化することで、現場で簡易に土砂を固化することができる。
この際、土砂の固化部を格子状に形成することで、少ない固化範囲でも、側方流動に対する十分な強度を確保することができる。
また、捕捉材をパイプとワイヤネットとから構成し、パイプに孔を設けておくことで、土砂を捕捉した後、パイプを固化充填材の充填部として利用することができる。
また、捕捉材から上流側へ向けて、定着部が設けられたワイヤまたは棒を配置しておくことで、土砂が堆積した際に、定着部が土砂に埋設されて、土砂と捕捉材とを一体化することができる。
また、堆積した土砂に対して、全体を固化するのではなく、上流側から下流側に連続する非固化部を形成することで、水を非固化部に流すことができ、砂防堰堤の上部に水が溜まることを抑制することができる。
また、同様に、予め水抜き用の排水部材を配置しておくことで、土砂が堆積した際に、排水部材を水抜き用に利用することができる。
本発明によれば、簡易方法で、低コストで砂防堰堤を構築することが可能な、砂防堰堤の構築方法を提供することができる。
(a)は捕捉材7の正面図、(b)は捕捉材7の側方図。 捕捉材7で土砂11を捕捉した状態を示す側方図。 (a)、(b)は、堆積土砂の断面図。 (a)、(b)は、固化部15の形成態様を示す図。 (a)、(b)は、より高い砂防堰堤1を構築する工程を示す図。 (a)、(b)は、他の砂防堰堤を構築する工程を示す図。 パイプ3aを示す図。 他の砂防堰堤1aを構築する工程を示す図。 他の砂防堰堤1aを構築する工程を示す図。 (a)、(b)は、他の砂防堰堤を構築する工程を示す図。 (a)、(b)は、他の砂防堰堤を構築する工程を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、第1の捕捉材7を斜面に設置した状態を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側方図である。なお、以下の図において、矢印A方向を上流側、矢印B方向を下流側とする。
捕捉材7は、複数の柱体3と、柱体3同士の間に設けられるワイヤネット5とから構成される。柱体3は、地盤9に対して、所定の深さまで根入れされ、ワイヤ等を介して斜面に対してアンカ等によって固定される。ワイヤネット5は、地盤9の形状に沿って配置される。なお、ワイヤネット5は、金属ワイヤで形成されたもので、例えば、特開2004−300874に記載のリングネットを適用可能である。
図2は、捕捉材7を設置した状態で、所定の期間経過後(例えば、雨などが降り続く場合に、小規模な土砂崩落があった後)に、上流側から土砂が斜面に流れ出して、捕捉材7で土砂11が捕捉された状態を示す図である。捕捉材7は、細かな砂や水は透過するが(以下、透過性を有するとする)、ある程度のサイズ以上の土砂11(本発明では、落石なども含むものとする)を捕捉するものである。
このような捕捉材7は、通常、土砂崩落の恐れがある部位に仮設置されるものである。例えば、下流側での作業時に、上流側に捕捉材を設置し、作業場まで土砂が流れることを防止するものである。したがって、捕捉材7で土砂が捕捉された場合には、重機などで土砂を撤去し、必要に応じて捕捉材7は更新される。このように、捕捉材7は、恒久的に設置して砂防堰堤として利用するには、耐久性が低く、規模も小さいため不適である。このため、恒久的な砂防堰堤には、前述した様な、高価で工期も要する方法が採用されている。
本発明では、捕捉材7で捕捉された土砂11を撤去するのではなく、固化して利用する。図3(a)は、土砂11の断面図である。地盤9上に堆積した土砂11の上方に凹部13を形成し、凹部13に浸透性の高い固化充填材を供給することで(図中C)、固化充填材は、土砂11の上方から土砂11内に浸透する(図中D)。
固化充填材は所定時間経過すると固化を開始し、土砂を固化して固化部15を形成する。すなわち、土砂11は、固化部15で一体化して構造体となる。なお、固化充填材としては、土砂11よりも密度が高く、また、微粉末からなる物であることが望ましい。例えば、セメントに硫酸バリウムなどを添加したものを使用できる。このようにすることで、特殊な機械撹拌工法などを用いることなく、固化充填材を土砂11に浸透させ、固化部15を形成することができる。
なお、固化充填材は、凹部13ではなく、土砂11の所定箇所を削孔して、孔内に供給してもよい。また、土砂11にパイプ等を打設し、パイプ等を用いて固化充填材を土砂11に浸透させてもよい。なお、固化充填材を用いずに、機械撹拌または高圧噴射撹拌によって固化部15を形成することもできる。
なお、図3(b)に示すように、捕捉材7を設置する際に、予め、地盤9の所定の部位に小杭17を配置しておいてもよい。この場合には、小杭17の上方から固化充填材を供給して、小杭17と固化部15とを一体化させることが望ましい。このようにすることで、地盤9と土砂11(固化部15)とをより確実に一体化させることができる。なお、小杭17に代えて、地盤9にあらかじめ凹凸を形成してもよい。
図4(a)は、このようにして構築された砂防堰堤1の平面図である。ここで、固化部15は、土砂11の全体にわたって形成してもよいが、一部のみ形成してもよい。例えば、図4(a)に示すように、平面視において固化部15を格子状に形成してもよい。この場合、固化部15の隙間に、非固化部15aが残るが、土砂11が全体として一体化される。
なお、図4(b)に示すように、上流側から下流側に向かって連続する非固化部15aが形成されるように、固化部15を設けてもよい。固化部15は、水の浸透性が低くなるため、上流側から下流側への水の流れを阻害する恐れがある。これに対し、非固化部15aが上流側から下流側に向かって連続するように設けられれば、水は、非固化部15aを透過して、上流側から下流側に流れることができる。
なお、この場合、固化部15が離散的に形成されるが、土砂11の上部で固化部15同士を連結部材などで連結してもよい。また、図4(a)のように、格子状に固化部15を形成し、斜面に平行な固化部15は地盤9近傍まで形成して地盤9と一体化し、斜面に直交する側の固化部15の形成範囲を浅くしてもよい。すなわち、土砂11の表面近傍では、固化部15が、図4(a)のように格子状に形成され、地盤9近傍では、図4(b)に示すように、上流側から下流側に向かって連続する非固化部15aを形成してもよい。
以上により、砂防堰堤1が形成される。なお、砂防堰堤1は、ある程度の範囲の水平部(斜面に対して角度の小さな部分)を形成することで、上流側からの土砂の流れを止めることができる。したがって、図2に示した形態で、十分な水平部が形成されれば、以上で砂防堰堤1の構築が完了する。
一方、恒久的な砂防堰堤としては、より大きな規模が必要となる場合がある。しかし、最初から規模の大きな捕捉材7を設置することは困難であり、捕捉材7に大きな強度を確保することも困難な場合がある。
この場合には、図5(a)に示すように、固化部15を形成した土砂11上に、さらに第2の捕捉材7aを設けてもよい。捕捉材7aは、捕捉材7と同様の構成である。この場合には、上方の捕捉材7aは、下部の土砂11(固化部15)に所定量根入れし、ワイヤ等を介してアンカによって地盤9に固定する。この際、下方の捕捉材7に対して、上方の捕捉材7aを、上流側にずらして配置することが望ましい。捕捉材7近傍は土砂11が不安定であり、捕捉材7aを上流側にずらして、固化部15に設置することで、捕捉材7aをより安定に設置することができる。
この場合において、図5(b)に示すように、所定の期間経過後に、斜面に流れ出した土砂11が捕捉材7aによって捕捉される。捕捉材7aで捕捉された土砂11に対しても、前述したのと同様に固化部15を形成して一体化することで、土砂11を利用して、砂防堰堤1を構築することができる。なお、前述した様に、下方の土砂11(固化部15)に、予め小杭などを配置して、上下の固化部15を一体化してもよい。
このようにすることで、より規模の大きな砂防堰堤を構築することができる。また、さらに規模を大型化するためには、2段、3段、・・・と、前述した作業を繰り返しながら、流出した土砂11を利用して砂防堰堤を大型化することができる。
なお、砂防堰堤の下流側の側面には、モルタル等を吹き付けてもよい。また、化粧板などを取り付けてもよい。このようにすることで、砂防堰堤の見栄えを良くし、また、捕捉材7の劣化を抑制することができる。また、階段状の砂防堰堤が形成する段階で、地盤の変位、流動の前兆をとらえる計測(傾斜計、変位計、ひずみ計、光ファイバ、GPSなど)を組み合わせ、上段の捕捉材等の配置やサイズを決定することもできる。
以上、第1の実施形態によれば、捕捉材7で土砂を捕捉し、その土砂を利用して砂防堰堤を構築するため、従来の工法と比較して、方法が簡易であり、捕捉材7の構築も短期間で行うことができる。また、大量のコンクリートなどを運搬する必要がなく、重機も不要であるため、アクセスの悪い山間部にも容易に適用することができる。このため、低コストかつ短期間で砂防堰堤を構築することができる。
また、従来であれば、コスト等が原因で、一部の場所を除き、全国に多数存在する土砂災害危険部の多くには構築することができない砂防堰堤を、容易に構築することができる。例えば、まず、全国に多数存在する土砂災害危険部に、従来と比較して極めて低コストである捕捉材7のみを設置すればよいため、多数の部位に設置することができる。また、土砂の小規模崩落が観察された場合には、それを用いて砂防堰堤を構築すればよいため、工期が短く、トータルコストも抑えることができる。このように、低コストで一度に多くの場所を対策することができるため、どこで発生するか分からず、まれに発生する大規模土砂災害に対して、より有効である。
また、捕捉材7を階段状に形成することで、所望の規模の砂防堰堤を構築することができる。特に、上方の捕捉材7aを下方の捕捉材7よりも上流側にずらして配置することで、捕捉材7aをより安定に構築することができる。
また、固化部15を格子状に形成することで、効率よく土砂11を一体化して強度を確保することができる。また、上流側から下流側に連続する非固化部15aを設けることで、上流側の水を下流側に流すことができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図6は、第2の実施形態の砂防堰堤の構築工程を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態の砂防堰堤と同一の機能を奏する構成および同一の工程については、図1〜図5と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態では、まず、一対の第1の捕捉材7、7bを、上流側と下流側に互いに間隔をあけて地盤9に設置する。すなわち、捕捉材7、7bが2段で配置される。なお、以下の説明では、捕捉材7、7bの2段の例を示すが、3段以上であって良い。また、2段の捕捉材は、同一のものでも良いが、本実施形態では、上流側には、捕捉材7bを配置する例を説明する。
図7は、捕捉材7bを示す正面拡大図である。捕捉材7bは、捕捉材7とほぼ同様であるが、柱体としてパイプ3aが用いられる。すなわち、捕捉材7bは、複数のパイプ3aと、パイプ3a同士の間に設けられるワイヤネット5とから構成される。パイプ3aは、地盤9に対して、所定の深さまで配置され、斜面に対してワイヤ等を介してアンカによって固定される。
パイプ3aには、所定の部位に、内部に貫通する孔21が設けられる。例えば、捕捉材7、7bを地盤9に配置した際、孔21は、下流側の捕捉材7の上端と同一の高さから、地盤9に埋設される部位までの間に形成される。なお、孔21は、パイプ3aの複数方向に向けて形成してもよい。また、孔21が土砂でつまらないように、(固化充填材が通過できる程度の)粗めのフィルタを設けてもよい。
捕捉材7bのワイヤネット5は、捕捉材7のワイヤネット5よりも目が粗い。すなわち、上流側の捕捉材7bは、下流側の捕捉材7に対して土砂の透過率が大きい。したがって、捕捉材7bでは、比較的粗い土砂を捕捉し、捕捉材7は、捕捉材7bを通過した土砂を捕捉する。なお、捕捉材を3段以上に配置する場合には、少なくとも一つの上流側の捕捉材が、少なくとも一つの下流側の捕捉材に対して透過率が大きければよい。
図6(b)は、捕捉材7、7bに土砂11が捕捉された状態を示す図である。捕捉材7、7bによって、土砂11は、2段で捕捉される。この状態で、前述した様に、土砂11の一部または全部を固化充填材によって固化させることで、砂防堰堤が構築される。
図8は、このようにして構築された砂防堰堤1aを示す図である。砂防堰堤1aにおける固化方法は、前述した方法の他、パイプ3aを用いることもできる。パイプ3aの上部の開口部から固化充填材を注入することで(図中E)、固化充填材を孔21を介して土砂11へ浸透させることができる(図中F)。したがって、パイプ3a近傍の土砂11を容易に固化し、固化部15を形成することができる。このため、パイプ3a(捕捉材7b)を確実に固化部15と一体化することができる。
なお、孔21の形成方向を適切に設定することで、固化部15の形成方向を制御することができる。例えば、パイプ3aの上流側に向けて孔21を形成すれば、固化充填材は、上流側の土砂11に浸透する。このため、上流側に向けて形成された孔21については、捕捉材7bの上部近傍から地盤9までの間に配置することで、捕捉材7bで捕捉された土砂11を効率よく固化することができる。また、下流側に向けて形成された孔21は、前述した様に、下流側の捕捉材7の高さから地盤9までの間に配置することで、下流側の捕捉材7で捕捉された土砂11を効率よく固化することができる。
また、下流側の捕捉材7を、捕捉材7bに代えて設置してもよい。この場合には、孔21を上流側のみに向けて形成することで、効率よく、固化充填材を捕捉された土砂11に浸透させることができる。このように、孔21を、土砂11に埋設される部位に配置することで、土砂11を効率よく固化させることができる。
また、図9に示すように、捕捉材7(又は捕捉材7b)で捕捉された土砂11(固化部15)上に、さらに捕捉材7aを設けてもよい。捕捉材7aは、捕捉材7または捕捉材7bと同様の構成である。このようにすることで、より大規模な砂防堰堤を構築することができる。なお、2段目の捕捉材も、上流側と下流側の2列に配置してもよい。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、捕捉材7bを用いることで、パイプ3a近傍の土砂11を効率よく固化し、パイプ3aと土砂11(固化部15)とを確実に一体化することができる。なお、パイプ3aは、前述した実施形態において、捕捉材7、7aに対して適用してもよい。
次に、第3の実施形態について説明する。図10は、第3の実施形態の砂防堰堤の構築工程を示す図である。まず、図10(a)に示すように、捕捉材7を地盤9に設置する。この際、捕捉材7(柱体3)にワイヤ23を接続し、上流側の地盤9に仮固定する。なお、仮固定部は、強固なアンカ部材などは不要であり、ワイヤ23を、捕捉材7から上流側に向けて配設した状態を維持できればよい。
捕捉材7との接続部と、地盤9への仮固定部との間のワイヤ23には、定着部25が固定される。定着部25は、例えば板状部材である。なお、定着部25は、1カ所のみではなく、複数個所に配置してもよい。また、ワイヤ23に代えて棒状部材を用いてもよい。
この状態で、捕捉材7によって土砂11を捕捉すると、図10(b)に示すように、土砂11に定着部25が埋設される。定着部25の近傍に固化充填材を浸透させて土砂11を固化することで、土砂11と定着部25が一体化し、砂防堰堤1bが構築される。この際、定着部25は、捕捉材7と接続されているため、土砂11(固化部15)と捕捉材7とを一体化することができる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、定着部25を用いることで、捕捉材7と土砂11(固化部15)とを確実に一体化することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図11は、第4の実施形態の砂防堰堤の構築工程を示す図である。まず、図11(a)に示すように、捕捉材7を地盤9に設置する。この際、地盤9上にパイプ状の排水部材27が設置される。排水部材27としては、穴あき樹脂管や、テキスタイル(織物)を筒状に形成した、例えば、鹿島建設株式会社製の「リフレックスドレーン」(登録商標)を用いることができる。排水部材27の一方の端部は、捕捉材7から下流側に突出するように配置される。排水部材27の他方の端部は、例えば、捕捉材7の高さよりも高い位置まで斜面の上流側に向けて配置される。
この状態で、捕捉材7によって土砂11を捕捉すると、図11(b)に示すように、土砂11に排水部材27が埋設される。排水部材27は、土砂によって潰れない程度の強度を有する。このため、土砂11を排水部材27が貫通する。
この状態で固化充填材を浸透させて土砂11を固化することで、砂防堰堤1cが構築される。砂防堰堤1cは、上流側から下流側に排水部材27が貫通する。このため、上流側から流れてくる水を、下流側に排水することができる。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、排水部材27を用いることで、土砂11の上流側から下流側へ水を排水することができる。なお、砂防堰堤の内部に、井戸を設けてもよい。井戸の底部近傍には吸水口が設けられ、必要に応じて吸水口がスクリーンで覆われる。井戸内を減圧することで、井戸内に地下水が強制的に流入し、井戸内の地下水をポンプで揚水することができる。このようにすることで、地下水の重力による自然流下だけでなく、水中ポンプや真空ポンプでの真空力による強制的な地下水の排水を行い、地下水位を低下させることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。また、捕捉材の上方に、さらに捕捉材と略平行にワイヤを張り、索道として利用してもよい。このようにすることで、固化前の土砂上に固化充填材を運搬するのが容易となる。
1、1a、1b、1c………砂防堰堤
3………柱体
3a………パイプ
5………ワイヤネット
7、7a、7b………捕捉材
9………地盤
11………土砂
13………凹部
15………固化部
15a………非固化部
17………小杭
21………孔
23………ワイヤ
25………定着部
27………排水部材

Claims (9)

  1. 砂防堰堤の構築方法であって、
    透過性の第1の捕捉材を設置する工程aと、
    前記第1の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程bと、
    を具備し、
    前記第1の捕捉材は、パイプと、前記パイプ間に張られるワイヤネットと、を具備し、
    前記パイプの側面には、孔が形成され、前記工程bにおいて、前記パイプに固化充填材を充填することで、前記パイプの周囲の前記土砂を固化することを特徴とする砂防堰堤の構築方法。
  2. 砂防堰堤の構築方法であって、
    透過性の第1の捕捉材を設置する工程aと、
    前記第1の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程bと、
    を具備し、
    前記工程aでは、前記第1の捕捉材から、上流側に向けて棒またはワイヤが設けられ、前記棒またはワイヤには、定着部が設けられ、
    前記工程bでは、前記土砂と前記土砂に埋まった前記定着部とが固化一体化されることを特徴とする砂防堰堤の構築方法。
  3. 前記工程bの後、さらに、固化した土砂の上部に第2の捕捉材を設置し、設置された前記第2の捕捉材で捕捉された土砂を固化する工程cを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の砂防堰堤の構築方法。
  4. 前記工程cで設置される前記第2の捕捉材は、前記工程aで設置された前記第1の捕捉材に対して、上流側にずれた位置に設置されることを特徴とする請求項3記載の砂防堰堤の構築方法。
  5. 前記工程aでは、複数の前記第1の捕捉材を上流側と下流側に間隔をあけて複数段で配置し、少なくとも一つの上流側の第1の捕捉材は、少なくとも一つの下流側の第1の捕捉材に対して透過率が大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の砂防堰堤の構築方法。
  6. 前記工程bでは、前記第1の捕捉材に捕捉された土砂の上から、固化充填材を浸透させることで、前記土砂を固化することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の砂防堰堤の構築方法。
  7. 前記工程bでは、前記第1の捕捉材に捕捉された土砂に対し、平面視で格子状に固化することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の砂防堰堤の構築方法。
  8. 前記工程bでは、前記土砂に対して、上流側から下流側に向けて連続する、非固化部を形成することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の砂防堰堤の構築方法。
  9. 前記工程aでは、前記第1の捕捉材から上流側に向けて、水抜き用の排水部材が配置され、前記工程bにおいて前記土砂を固化した際に、前記排水部材によって、上流側から流れる水を下流側に流すことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の砂防堰堤の構築方法。
JP2015104576A 2015-05-22 2015-05-22 砂防堰堤の構築方法 Active JP6637256B2 (ja)

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