JP4416568B2 - 斜面の地すべり対策工法 - Google Patents

斜面の地すべり対策工法 Download PDF

Info

Publication number
JP4416568B2
JP4416568B2 JP2004146656A JP2004146656A JP4416568B2 JP 4416568 B2 JP4416568 B2 JP 4416568B2 JP 2004146656 A JP2004146656 A JP 2004146656A JP 2004146656 A JP2004146656 A JP 2004146656A JP 4416568 B2 JP4416568 B2 JP 4416568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
landslide
mass
construction
slope
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004146656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005325644A (ja
Inventor
浩介 城井
Original Assignee
中電技術コンサルタント株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 中電技術コンサルタント株式会社 filed Critical 中電技術コンサルタント株式会社
Priority to JP2004146656A priority Critical patent/JP4416568B2/ja
Publication of JP2005325644A publication Critical patent/JP2005325644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4416568B2 publication Critical patent/JP4416568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/23Dune restoration or creation; Cliff stabilisation

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

本発明は、地すべり防止効果に優れるとともに、地盤の改良度合いをフレキシブルに設定でき、施工条件の制約を受けにくく、仮設工が小規模で済み、工期の短縮や安価な工事費用での施工が可能な斜面の地すべり対策工に関する。
地すべりは、地中の安定地盤上に生じた地すべり面に沿って、当該面の上方の地盤が移動する緩慢な地盤のすべり現象であり、地下に浸透した地下水を誘因として生じることが多い。例えば、梅雨期などにおいて、多量の雨水が地下に浸透し、その雨水が軟弱粘土層の上に滞水することにより、その強度が著しく低下するとともに間隙水圧が増大するため、上記粘土層中でせん断破壊を起こして、そこが地すべり面となり、その上の地盤がすべることによって生じる。尚、本明細書では、以下、上記地すべり面上の地盤を「地すべり土塊」と呼ぶこととする。
従来より、地すべりの発生を防止し、又は抑制することを目的として、地すべりの発生が予測される地盤に対して種々の地すべり対策工が施工されている。このような地すべり対策工は、一般に抑制工と抑止工とに大別される。抑制工は、斜面の地形や地下水の状態などの自然条件を変化させることによって、地すべり滑動力と抵抗力のバランスを改善し、地すべり運動を停止又は緩和させることを目的とするものであり、具体的には地下水排除工や押さえ盛土工等が挙げられる。一方、抑止工は、構造物自体の持つ抵抗力を利用して地すべり運動の一部又は全部を停止させようとするものであり、具体的には、杭工、シャフト工、アンカー工等が挙げられる。
また、近年、地すべり面において地すべり土塊の側部抵抗力が底部抵抗力よりも大きいことを利用して、地すべり土塊のすべり方向に沿って当該土塊中に人工的なせん断面を形成し、上記地すべり土塊を上記方向に分断することにより、地すべり土塊が本来有している抵抗力を向上させ、地すべりの発生を防止する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−294716
しかしながら、従来の杭工、深礎工、アンカー工等は、仮設工が大規模であり、現況改変を伴い、押さえ盛土工は、周辺地域より土砂を運搬する必要があり、周辺環境への影響が大きく、工事費用が高く、工期も長くなるといった問題があった。また、これらの地すべり対策工は、施工後の築造物が地表に突出し、景観を損ない、環境への負荷が著しいという問題があった。
また、上記の人工的なせん断面を形成する地すべり対策工は、地すべり防止効果に優れ、地表に築造物が突出しないため、現況改変がほとんどなく、景観を損なわず、環境への負荷が小さいという利点はあるものの、地表から地すべり面までの深度の大きい地盤に施工する場合等においては、上記の杭工等の地すべり対策工と同様に仮設工が大規模となり、工期が長く、工事費用も高価となるといった問題があった。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑み、地すべり防止効果に優れるとともに、斜面の改良度合いがフレキシブルに設定でき、施工条件の制約を受けにくく、仮設工が小規模で、工期の短縮や安価な工事費用での施工が可能な地すべり対策工を提供することを目的とする。
上記目的は、本発明によれば、グラウト工による斜面の地すべり対策工法であって、地すべり土塊のすべり方向に沿って、所定の間隔をおいて、当該土塊表面から鉛直方向に複数のボーリング孔を安定地盤に達するまで削孔した上で、これらのボーリング孔を通して前記土塊内にグラウト材を圧入することにより、前記ボーリング孔長を実質的に全高とするグラウト固結体のみの配列からなる地すべり抵抗体を形成し、当該地すべり抵抗体で前記地すべり土塊を分割するようにしたことを特徴とする斜面の地すべり対策工法によって達成される。
本発明においては、地すべり対策にグラウト工を採用し、地すべり土塊のすべり方向に沿って、地すべり土塊中にグラウト固結体のみの配列からなる地すべり抵抗体を設け、これにより当該地すべり土塊を分割するようにしたので、優れた地すべり防止効果が得られるとともに、杭工、深溝工、アンカー工等の従来の地すべり対策工と比較して、仮設工事が小規模でかつ地盤の改良度合いをフレキシブルに設定でき、現地改変が少ないという利点がある。また、本発明の地すべり対策工は斜面の施工区域内のみに限定されるため、押さえ盛土工の土砂運搬等による周辺環境への影響が少ないという利点がある。
また、本発明において、更に、前記地すべり抵抗体を横断する方向に、所定の間隔をおいて前記土塊表面から鉛直方向に複数のボーリング孔を安定地盤に達するまで削孔し、これらのボーリング孔を通してグラウト材を圧入することにより、安定地盤と地すべり土塊との間に跨る地すべり面強度増強体を形成した場合には、すべり面強度が更に増強されるので、より確実な地すべり防止効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、地すべりの発生が予測される斜面に対して施工した本発明の地すべり対策工を示した鉛直方向断面図である。図中、符号1は地すべり土塊、2はすべり方向、3は地すべり土塊表面、4は地すべり面、5はグラウト固結体、6は固結体群5,5,5,・・・からなる地すべり抵抗体、7は安定地盤を示している。
本発明の地すべり対策工では、図1に示すように、地すべり土塊1のすべり方向2に沿って、所定の間隔をおいて上記のグラウト工を施工する。ここで、上記グラウト工は、ダム工事等における地盤の改良や止水を目的として一般的に施工される工法であり、削孔、孔内洗浄、水押し及びグラウト材圧入の各工程からなる。
具体的には、先ず、削孔位置の土塊表面3より鉛直方向にボーリング孔を削孔する。この削孔は、従来公知のロータリー式又はパーカッション式のボーリング機械を用いて行うことができる。削孔深度は、当該削孔位置における地すべり面4を貫いて安定地盤に達するまでの深さとするのがよく、上記安定地盤7の土質、地層の走向、地下水の分布等を考慮して、上記地すべり面より下方にどの程度の深度まで削孔するかが決定される。
削孔深度が小さい場合には、次に、このようにして削孔したボーリング孔の孔壁に付着した繰り粉、即ち削孔の際に発生した岩粉等を除去すべく、水洗を行った後、後続の圧入工程においてグラウト材の通りを良くするために、簡易な透水試験を兼ねて、限界圧力又は注入圧力で水を圧入する水押しを行う。ここで、限界圧力とは、注入圧力―圧入量曲線において、グラウト材の圧入量が急に増大するときの注入圧力をいう。その後、上記水押しが行われたボーリング孔に従来公知の方法でグラウト材を圧入する(このような方法は、一般に1段式グラウチングと呼ばれる)。
また、削孔深度が大きい場合には、当該深度を何段階かのステージに分けて、各ステージごとに削孔、孔内洗浄、水押し、圧入の各工程を行ってもよく(ステージグラウチング)、また所定の削孔深度まで削孔した後に、孔内洗浄及び水押しを行い、その後、孔底よりステージごと順にグラウト材を圧入する方法(パッカーグラウチング)を採用してもよい。
本発明で用いるグラウト材は、セメントと水とを必須成分とする水性スラリーであり、これらの成分を従来公知のグラウトミキサーで練り混ぜて調製される。セメントの種類は特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種セメントを使用することができる。
グラウト材中のセメント含量は、水性スラリー全量に対して通常10〜50重量%とされる。このセメント含量は、固結体5の固結強度を考慮するとなるべく多くするのが好ましいが、多くすればするほどスラリーの粘度が増加してしまい、圧入操作が困難となり、逆にセメント含量が少なすぎるとグラウト材の固結自体が困難となる。また、使用するセメント粒子の比表面積は大きいほど粒子径が小さくなり、地すべり土塊1中の空隙に浸透していく可能性が向上して、より強固な地すべり抵抗体6を築造することができる。
本発明で使用されるグラウト材には、必要に応じて、その固結性能を阻害しない程度に、石灰、石膏、ドロマイトプラスター、高炉水砕スラグ等の添加剤の他、ベントナイト、フライアッシュ等の増量剤、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ等のカルシウム補足剤又はゲル化コントロール剤、AE剤、減水材等の改質材、アルミ粉等の発泡剤等をその他の成分として加えることができる。
グラウトミキサーで練り混ぜて調製されたグラウト材は、その後グラウトポンプで注入ホース内を圧送され、所定の注入圧力でボーリング孔内に圧入される。上記グラウト材の圧入に際しては、地すべり土塊1中の空隙状況等に応じて、上記注入圧力を可変させることができ、通常この注入圧力は、0.1〜4MPa程度とされる。このように、注入圧力を可変させることにより、地すべり土塊1中の空隙への充填効率が変化し、その改良度合いを変化させることができる。例えば、この注入圧力を地すべり土塊表面の開口からグラウト材が噴き出さない程度にある程度大きく設定することで、ボーリング孔を中心として土塊1中の空隙により広範囲にグラウト材を充填させたり、上記空隙中へのグラウト材の充填効率を高めることができる。このグラウト材の圧入に際しては、土塊中の空隙への充填効率をより高めることを目的として、上記注入圧力に5〜20Hz程度の脈動を与えることもできる。このようにグラウト材を圧入することにより、ボーリング孔内にグラウト材が充填されるとともに、該ボーリング孔を中心として地すべり土塊1中及び安定地盤6中の空隙にグラウト材が浸透した状態で固結し、上記ボーリング孔長を実質的に全高とするグラウト材の固結体5が形成される。ここで、「ボーリング孔長を実質的に全高とする」とは、グラウト材の圧入に際して、パッカー等の付属物を使用した場合には、ボーリング孔長からパッカーの長さを引いた長さを全高とする」の意味である。尚、図1では、上記空隙に浸透して固結した状態を点線の枠で模式的に示している。
グラウト工の施工間隔は、地すべり土塊1の土質、硬質岩塊か軟弱地盤か等を考慮の上適宜選択でき、例えば、地すべり土塊1のすべり方向2に沿った施工区域の全長にわたって一定の間隔とすることができる。また、地すべり土塊1のすべり方向2に部分的に土質の変化等が認められる場合には、当該部分の施工間隔を小さくし、他の部分については、施工間隔を大きく設定することもできる。更に、施工区域に既存の林道、村道等の施設がある場合には、当該施設を避けるように間隔を調整し、これらの施設の機能を維持させることができる。このように本発明の地すべり対策工は、施工条件の制約を受けない利点がある。このようなボーリング孔を全長とする固結体群5,5,5,・・・が斜面に沿って配列され、地すべり抵抗体6が形成されることにより、特許文献1に提案の人工的なせん断面を形成した場合と同様の地すべり防止効果が得られる。
また、上記グラウト工においては、地すべり土塊1のすべり方向2に沿って、複数のボーリング孔を上記の通り1列配列させただけでも良く、また当該配列に平行に近接して2列以上配列させてもよい。この場合、各列間で相互に隣接するボーリング孔は、相互に千鳥状となるように配置することが好ましい。
このような地すべり抵抗体6は、地すべり土塊1のすべり方向2が一様でない場合等、施工区域の状況に応じて複数箇所設けることができる。この場合、それぞれの地すべり抵抗体6は、すべり方向2に沿って築造される。また、地すべり抵抗体6は、地すべり土塊1のすべり方向2の全長にわたって築造してもよく、事前の地質踏査等により地すべり発生の可能性が高いと予測される箇所に、部分的に築造してもよい。
本発明の地すべり対策工においては、上記地すべり抵抗体の築造工事に加えて、地すべり土塊の地すべり面強度の改良を目的とするグラウト工を併用できる(以下、このグラウト工を地すべり面強度改良工という)。
図2は、上記グラウト工を示した図である。同図では、紙面手前側が斜面谷側を、奥側が山側を示しており、図1と同一又は相当する部分を示す場合には、同一の符号を用いている。図中、符号8は固結体、9は当該固結体群8,8,8,・・・からなる地すべり面強度増強体を示している。
上記地すべり面強度改良工は、図2に示すように、上記地すべり抵抗体6を横断する方向に、所定の間隔をおいて施工される。使用されるグラウト材やボーリング機械、グラウトミキサー等は、上記地すべり抵抗体築造に使用されたものと同様のものを使用できる。上記の施工間隔は、上記地すべり抵抗体築造工事の場合と同様に、一定とするのが好ましいが、地すべり土塊1の一部に土質の変化等が認められる場合には、当該部分のみ間隔を狭くし、他の部分における間隔を広く設定することもできる。
この地すべり面強度改良工の場合、グラウト材は、予め削孔されたボーリング孔内に地すべり面2のやや上方までグラウト材注入管を挿入し、その位置で該注入管と孔壁との間の間隙にパッカーが充填された状態で圧入される。これにより、グラウト材は上記ボーリング孔内に充填されるとともに、該ボーリング孔を中心として放射状に地すべり土塊及び安定地盤中の空隙に浸透した状態で固結し、安定地盤と地すべり土塊との間に跨り、上記ボーリング孔長の一部、即ちボーリング孔の孔底から上記パッカーの下方までの距離を全高とする固結体8が得られる。かかる固結体8を所定の間隔をおいて形成することにより、固結体群8,8,8,・・・からなる地すべり面強度増強体9が形成され、その結果地すべり面強度が増大することにより、当該面における地すべり土塊1の滑動を抑制するため、更に地すべりの防止が図られる。それとともに、上記固結体群8,8,8,・・・の全高をボーリング孔長の一部としたので、地すべり土塊中の地下水の流路を遮ることがなく、その結果滞水による強度低下や間隙水圧の増大が抑制でき、これによっても地すべりの抑制が図られる。尚、図2では、上記空隙に浸透して固結した状態を点線の枠で模式的に示している。
本発明の地すべり面強度改良工では、上記ボーリング孔は、上記地すべり抵抗体6を横断する方向に1列配列させただけでもよく、また当該配列に平行に近接して2列以上配列させてもよい。この場合、各列間で相互に隣接するボーリング孔は、千鳥状となるように配置することが好ましい。このように地すべり面強度改良工を施工して地すべり面強度増強体9を形成することにより、更に地すべり面強度の改良が図られる。
このような地すべり面強度増強体9は、地すべり土塊1のすべり方向2が一様でなく、当該方向に沿って地すべり抵抗体6を複数箇所設けた場合には、当該地すべり抵抗体6に直交するように、施工区域内に複数箇所設けることができる。また、地すべり面強度増強体9は、地すべり土塊1のすべり方向2に直角な方向の全幅に築造することが好ましいが、
当該方向に部分的に築造することもできる。
本発明の地すべり対策工は、軟弱地盤から硬質岩塊までの地すべり土塊に広く施工できるが、特に開口亀裂の多い硬質岩塊からなる地すべり土塊に好適に施工できる。この場合、ボーリング孔内に圧入されたグラウト材は、上記亀裂中に充填された状態で固結し、高い強度の固結体群からなる地すべり抵抗体や地すべり面強度増強体が形成されるので、より高い地すべり防止効果が得られる。また、本発明の地すべり対策工が施工可能な深度に特に制限はないが、具体的には、地すべり土塊表面から地すべり面までの深度が5〜200m程度が好ましく、5〜150m程度がより好ましく、5〜100m程度が特に好ましい。
本発明の地すべり対策工においては、地すべり土塊内及び安定地盤内の空隙へのグラウト材の充填状況を確認するために、隣接するグラウト固結体の間、又は千鳥状にボーリング孔を配置した場合には隣接する3箇所のボーリング孔で形成される三角形の中心等のうち、1箇所にチェック孔を設けることができる。グラウト材の充填状況の確認は、チェック孔削孔により得られたボーリングコアの目視観察や当該チェック孔を通しての透水試験によって行われる。
尚、本発明の地すべり対策工は、従来公知の杭工等の抑止工や地下水排除工等の抑制工と組み合わせて施工できる。例えば、事前に地質踏査等により求めた斜面の安全率、即ち単位幅あたりの抵抗する力と滑ろうとする力の比が1未満の部分には、本発明の地すべり対策工を施工し、1以上の場合には、抑止工や抑制工を施工することができる。この場合でも、本発明の地すべり対策工の施工区域内に上記抑止工等を施工できることは言うまでもない。



以下、図3〜6に基づいて、本発明より詳細に説明する。
図3は、地すべりの発生が予測される斜面に施工された本発明の地すべり対策工を示す平面図である。図中、符号1は地すべり土塊、2は当該地すべり土塊のすべり方向、6はすべり方向に沿って築造された地すべり抵抗体、7は安定地盤、9は上記地すべり抵抗体6に横断する方向に施工された地すべり面強度増強体を示している。また、図4は、図3のすべり方向(図3矢視A−A)断面図である。図中、符号3は斜面の地すべり土塊表面、4は地すべり面を示しており、その他同図において図3と同一又は相当する部分を示す場合には、図3と同一の符号を用いている。また、図5は、図4中矢視B−Bの断面図である。同図において、図3及び図4と同一又は相当する部分を示す場合にはこれらの図と同一の符号を用いている。
事前に地質踏査等の現場調査を行い、地すべりの発生が予測される斜面について地すべり対策工の施工計画が策定され、それに基づき本発明の地すべり対策工の施工区域やグラウト孔の配置が決定される。図6は、地すべり土塊のすべり方向に沿って施工されるグラウト固結体群及び地すべり面強度改良工における固結体群の配置を示した図である。図中、符号10はグラウト孔、11はチェック孔を示している。
図3〜5において、地すべり土塊1は、開口亀裂があり、当該亀裂中には土砂が挟在しており、地すべり面3を境に地すべりの発生が予測される硬質岩塊である。このうち、特に谷側の斜面は、安全率が0.95であるため、本発明の地すべり対策工の施工区域とされる。上記本発明の地すべり対策工施工区域内及び安全率が1以上である当該区域以外の地すべり土塊には、別途従来の集水井工やアンカー工が施工される。
本発明の地すべり対策工の施工区域においては、ボーリング孔配置計画に基づいて、図6に示すように、地すべり土塊のすべり方向に沿ってグラウト孔10が一定の間隔で3列配置され、各列間で相互に隣接するボーリング孔10が千鳥状に配置される。
ボーリング孔の削孔位置においては、前述の通り削孔、孔内洗浄、水押し及びグラウト材の圧入の各工程からなるグラウト工が施工される。グラウト材としては、セメントと水とをグラウトミキサーで練りませた水性スラリーが使用される。各グラウト孔へのグラウト材の圧入に際しては、地すべり土塊1表面近傍にグラウト材の注入管が挿入され、該注入管と孔壁との間の間隙にパッカーが充填された状態で、グラウト材がグラウトポンプを用いて圧入され、ボーリング孔内に充填されるとともに、当該ボーリング孔を中心として地すべり土塊及び安定地盤中の空隙内に放射状に浸透した状態でグラウト材は固結する.
地すべり土塊中に上記固結体が図6に示すような配置で形成されることにより、図3〜5に示す通り、地すべり土塊1のすべり方向2に沿って地すべり抵抗体6が築造される。
また、上記地すべり抵抗体6を横断する方向に地すべり面強度改良工が施工される。この工法においても、上記配置計画に従い、上記地すべり抵抗体6の築造と同様に、ボーリング孔10が図6に示すように配置される。
各ボーリング孔へのグラウト材の圧入は、孔底から1ステージ分の位置にグラウト材注入管を挿入するとともに、その位置における注入管と孔壁との間隙にパッカーが充填された状態で行われ、その結果上記ボーリング孔とともに、その周囲の地盤の空隙内に充填された状態でグラウト材は固結する。
地すべり土塊中に上記固結体が図6に示すような配置で形成されることにより、図3〜5に示す通り、上記地すべり抵抗体6を横断する方向に、安定地盤と地すべり土塊との間に跨り、ボーリング孔長の一部を全高とする地すべり面強度増強体9が築造される。
本発明の地すべり対策工は、現場の条件やそれに基づいた施工計画にもよるが、土砂の搬入を必要とする従来工法の押さえ盛土工と比べて、工期において30%の短縮が可能であり、工事費用では20〜30%の削減が可能である。他の従来工法と比較しても、施工計画を調整することにより工期の短縮が可能である。また、本発明の地すべり対策工は、グラウト工を採用するため、天候条件に左右されにくく、不稼動係数を極めて小さくできるとともに、万一の場合の追加施工が容易である。
また、本発明の地すべり対策工で使用されるボーリング機械等の設備は小型のものが使用できるので、これらの設置に際しての仮設工も小規模となる。更に、本発明の地すべり対策工は、地すべり土塊中に地すべり抵抗体等を築造するものであり、現場状況の改変を伴わない。
本発明の地すべり対策工における地すべり抵抗体の施工方法を示した鉛直方向断面図である。 図1で示した地すべり抵抗体を横断する方向に設けた地すべり面強度増強体の施工方法を示した鉛直方向断面図である。 地すべりの発生が予測される施工区域に本発明の地すべり対策工を施工する配置計画を示す平面図である。 図3のすべり方向(矢視A−A)断面図である。 図4中矢視B−B断面図である。 本発明の地すべり対策工におけるボーリング孔の配置を示した図である。
符号の説明
1・・地すべり土塊
2・・すべり方向
3・・地すべり土塊表面
4・・地すべり面
5・・固結体
6・・地すべり抵抗体
7・・安定地盤
8・・固結体群
9・・地すべり面強度増強体
10・・ボーリング孔
11・・チェック孔

Claims (5)

  1. グラウト工による斜面の地すべり対策工法であって、
    地すべり土塊のすべり方向に沿って、所定の間隔をおいて、当該土塊表面から鉛直方向に複数のボーリング孔を安定地盤に達するまで削孔し、
    これらのボーリング孔を通して前記土塊内にグラウト材を圧入することにより、
    前記ボーリング孔長を実質的に全高とするグラウト固結体のみの配列からなる地すべり抵抗体を形成し、当該地すべり抵抗体で前記地すべり土塊を分割するようにしたことを特徴とする斜面の地すべり対策工法。
  2. 前記複数のボーリング孔は、すべり方向に沿った少なくとも2列から構成されてなる請求項1に記載の斜面の地すべり対策工法。
  3. 更に、前記地すべり抵抗体を横断する方向に、所定の間隔をおいて前記土塊表面から鉛直方向に複数のボーリング孔を安定地盤に達するまで削孔し、
    これらのボーリング孔を通してグラウト材を圧入することにより、安定地盤と地すべり土塊との間に跨る地すべり面強度増強体を形成する請求項1又は2に記載の斜面の地すべり対策工法。
  4. 前記複数のボーリング孔は、前記地すべり抵抗体を横断する方向に沿った少なくとも2列から構成されてなる請求項3に記載の斜面の地すべり対策工法。
  5. 前記グラウト材が、セメントを主材とする水性スラリーである請求項1又は3に記載の斜面の地すべり対策工法。

JP2004146656A 2004-05-17 2004-05-17 斜面の地すべり対策工法 Expired - Fee Related JP4416568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004146656A JP4416568B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 斜面の地すべり対策工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004146656A JP4416568B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 斜面の地すべり対策工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005325644A JP2005325644A (ja) 2005-11-24
JP4416568B2 true JP4416568B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=35472181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004146656A Expired - Fee Related JP4416568B2 (ja) 2004-05-17 2004-05-17 斜面の地すべり対策工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4416568B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239202A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Shimizu Corp 谷埋め盛土部の耐震補強構造
JP6739977B2 (ja) * 2015-04-30 2020-08-12 鹿島建設株式会社 斜面地盤の流動抑制方法および斜面地盤の流動抑制構造
JP6637256B2 (ja) * 2015-05-22 2020-01-29 鹿島建設株式会社 砂防堰堤の構築方法
JP7233829B2 (ja) * 2016-12-27 2023-03-07 東京製綱株式会社 鋼管杭式土砂崩壊予防施設及び鋼管杭式土砂崩壊予防施設の形成方法
CN110158620B (zh) * 2019-05-09 2024-03-22 中铁二院工程集团有限责任公司 一种高位滑坡综合防护体系及构筑方法
CN110144908B (zh) * 2019-05-09 2024-03-22 中铁二院工程集团有限责任公司 一种深层注浆加固滑坡构造的构筑方法
CN111581708A (zh) * 2020-05-18 2020-08-25 泉州装备制造研究所 一种用于模拟边坡滑坡的粘滞性模型及构建方法
CN113605410B (zh) * 2021-07-12 2022-11-22 中国铁道科学研究院集团有限公司铁道建筑研究所 一种滑坡加固方法
CN114541425A (zh) * 2022-02-10 2022-05-27 中煤科工集团沈阳设计研究院有限公司 边坡潜在弱面或滑面置换加固方法
CN114908775B (zh) * 2022-05-18 2023-06-02 陕西工业职业技术学院 一种黄土滑坡综合治理结构及其施工方法
CN114960698A (zh) * 2022-06-10 2022-08-30 中铁十二局集团第三工程有限公司 一种消力式滑坡体防护结构施工方法
CN116796455B (zh) * 2023-05-16 2024-01-09 长安大学 一种岩体裂隙产状的表征方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5293104A (en) * 1976-01-30 1977-08-05 Taisei Corp Method of checking landslide
JPS5998933A (ja) * 1982-11-30 1984-06-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 地すべり防止方法
JP3769637B2 (ja) * 2001-03-16 2006-04-26 東洋建設株式会社 斜面の安定化工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005325644A (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bruce et al. Soil nailing: application and practice-part 1
JP4416568B2 (ja) 斜面の地すべり対策工法
Bell Methods of treatment of unstable ground
Kazemian et al. Assessment and comparison of grouting and injection methods in geotechnical engineering
CN110344400A (zh) 旋挖钻机遇坚硬岩成孔成桩施工工艺
Kazemian et al. Assessment of stabilization methods for soft soils by admixtures
Forth Groundwater and geotechnical aspects of deep excavations in Hong Kong
Brown Practical considerations in the selection and use of continuous flight auger and drilled displacement piles
CN101158159A (zh) 全程预引孔锤击入岩phc管桩施工工艺
Ischy et al. AN INTRODUCTION TO ALLUVIAL GROUTING.
CN106337418A (zh) 一种狭小区域深基坑的支护结构及支护方法
CN113982033B (zh) 无损墙后构筑物带水修复有倾斜趋势的水工挡土墙的方法
Manne et al. Application of jet grouting for geotechnical challenges
CN114991774A (zh) 破碎安山质玄武岩地层地面分段下行式注浆方法
CN104032736B (zh) 珊瑚礁灰岩地层中水泥土搅拌桩的施工方法
CN1042158C (zh) 钢筋混凝土预制桩端部注浆法
Pearlman Pin piles for structural underpinning
Lees Grouting–for groundwater control and mitigation of ground movements
Ho et al. Characteristics of bored piles installed through jet grout layer
Jameson et al. North American trends and developments of complex support of excavation systems
Koo Design and construction of excavation works for Klang Valley mass rapid transit underground station at Cochrane, Kuala Lumpur, Malaysia
Sarker et al. A review on ground improvement techniques to improve soil stability against liquefaction
Sandene et al. Use of jet grouted columns for deepening of basements and underpinning existing structures at Valkyrien in Oslo
Niehoff A comparison of load transfer characteristics of drilled shafts and CFA piles in weak vuggy limestone
Greenwood Speculations on methods of stabilizing slopes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees