JP4871645B2 - ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法 - Google Patents

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本発明は、ドレーン構造およびドレーン構造の施工方法に関し、特に斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造およびドレーン構造の施工方法に関するものである。
山腹や堤防、海浜などの傾斜地では降雨などにより浸透した水のため土砂崩れが発生する場合がある。例えば、河川の堤防では、図18に示すように、洪水時などに降雨や河川14から浸透する水によって堤体内浸潤面16が堤防10の裏法12側(河川側とは反対側の斜面)の法尻(斜面の下端)よりも高くなって漏水したり、浸透浸食されて崩落が生じたりする。このような漏水・浸透浸食対策の一つにドレーン工がある。ドレーン工は、例えば堤防の裏法尻に砂利などによる排水層を作って、堤体内浸潤面16を裏法尻よりも低くして、排水層から浸透水を排水する構造物である。
特許文献1には、ネットパイプなどの透水パイプを縦横格子状に連通させて構成した格子状透水配水管を堤防の裏法側などの内部に、法面に沿って傾斜状に配設してその下端を排水管によって外部に導き、該格子状透水排水管を構成する横メンバーである各段の横方向透水パイプに適宜間隔をおいて絡合繊維の透水マットをそれぞれ巻装し、かつその各巻き余端を堤体内方に向かって横に長く延ばして誘水マット帯部をそれぞれ形成してなるドレーン構造が記載されている。
特許文献2には、堤体の川裏側の基礎地盤の上に設けられ、浸透水を通す粗粒のフィルター材が鋼製組立網に充填された充填篭によって形成されていて、堤体の浸透水を流入させる篭製ドレーン部と、堤体の裏法尻に設けられた堤脚水路と、浸透水を通す粗粒のフィルター材によって構成され、篭製ドレーン部の下部と堤脚水路との間を結び、上記篭製ドレーン部に流入した浸透水を堤脚水路に導くドレーン層とを備え、ドレーン層は篭製ドレーン部の高さよりも低い厚さになっており、ドレーン層が堤体土によって覆われている堤防のドレーン構造が記載されている。
また、河川の堤防のドレーン構造ではないが、特許文献3には海浜に遡上する波を効率よく排水して地下水位を下げることで海浜を安定化させるドレーン構造が記載されている。
実開昭57−60917号公報 特開2002−121720号公報 特開平7−207639号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているドレーン構造は、浸透水が流れる部分がパイプであるため、浸透水の量が多くなったときに全てを排出できず、漏水や浸透浸食が生じてしまう。また、パイプは詰まりやすいため、浸透水の排出機能が著しく低下してしまう虞がある。
一方、特許文献2に記載されているドレーン構造は、篭製ドレーン部と堤脚水路とを結ぶドレーン層が必要なため、長いなだらかな法面でないと施工することが難しく、適用できる法面が限られるとともに、堤脚水路から河川側への掘削距離を長くする必要があり、工事が大がかりなものになってしまう。また、特許文献3に記載されているドレーン構造は、海から浜に上がった海水を地下を通して再び海に戻すものであり、河川の堤防には応用が困難であるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、法面の傾斜の大小を問わず施工を容易に行うことができ確実な排水が可能なドレーン構造を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第1のドレーン構造は、斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造であって、前記浸透水を通す粗粒のフィルター材が充填されている金網からなる籠により形成されていて、前記浸透水を前記排水路に導く籠製ドレーン部を備えており、前記籠製ドレーン部は、前記籠が複数積み上げられて構成されているとともに土砂に覆われており、前記籠は、斜面の下端に視点を置いてそこから斜面に向かって見たときに、手前側に正面金網を、奥側に背面金網を、底面に底面金網を備えており、前記正面金網、背面金網および底面金網は自立金網パネルからなっており、積み上げられた前記複数の籠の前記正面金網のそれぞれは、下側に置かれた籠ほど斜面の下端から斜面に向かって手前側に配置されており、前記籠の上面側は開放されていて、別の前記籠が重ねられている部分以外の上面には前記フィルター材の上に柔軟且つ透水性を有したシートが敷かれている構成とした。このような構成を有していることにより、金網からなる籠の中に充填された粗粒のフィルター材同士の隙間を大量の浸透水が確実に流れていく。ここで自立金網パネルとは、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルであって、例えば溶接金網あるいはエキスパンドメタルからなるパネルや、棒鋼の枠に菱形金網を張ったパネルなどを挙げることができる。ふとん籠のように菱形金網をワイヤで繋いだ構成のものでは、上に吊り上げる力が働かないと金網が潰れてしまうので、このようなものは自立金網パネルとは言えない。また、溶接金網とは、金属の線材または棒材からなる素材を縦横に互いに直角になるように配置して交点部分を溶接して形成した金網のことであり、負荷重量が各溶接点に平均してかかるため、細い線径でも大きな負荷重量に耐えることができる。
前記排水路は、前記斜面の下端に設置されているとともに、背面部によって前記籠製ドレーン部に当接しており、前記排水路の前記背面部には、前記浸透水が通過する貫通孔または透水部材が設けられていることが好ましい。ここで背面部に透水部材が設けられているとは、背面部の少なくとも一部が透水性の部材からなっていることであり、排水路がコンクリートからなる場合には背面部がポーラスコンクリートからなっていることを例として挙げられる。
前記底面金網の一部と前記正面金網、および前記底面金網の別の一部と前記背面金網とは一体に形成されていることが好ましい。
前記シートは、前記背面金網を覆っていることが好ましい。
ここで、粗粒のフィルター材は、斜面である地盤を構成している土砂よりも粒径が大きく且つ透水性が良いものであり、例えば礫、石、岩石の破砕物、コンクリートの破砕物などを挙げることができる。
本発明の第2のドレーン構造は、斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造であって、前記排水路は、斜面の下端に設置されており、前記排水路よりも、斜面の下端に視点を置いてそこから斜面に向かって見たときに、奥側に、自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた奥側折り曲げ金網パネルが、立面部から手前側に底面部が延びるように設置されており、前記排水路から前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部まで前記浸透水を通す粗粒のフィルター材の層が形成されており、前記奥側折り曲げ金網パネルの底面部には、前記粗粒のフィルター材の層の一部が載っており、前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部と、前記粗粒のフィルター材の層の上面とが、柔軟且つ透水性を有したシートにより覆われている構成を有している。このような構成により、粗粒のフィルター材同士の隙間を大量の浸透水が確実に流れていく。
前記排水路と前記粗粒のフィルター材の層との間には、自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた手前側折り曲げ金網パネルが、立面部から奥側に底面部が延びるように設置されており、前記手前側折り曲げ金網パネルの立面部は、前記排水路と前記粗粒のフィルター材の層とに挟まれており、前記手前側折り曲げ金網パネルの底面部には、前記粗粒のフィルター材の層の一部が載っていることが好ましい。
前記排水路は、前記粗粒のフィルター材の層あるいは前記手前側折り曲げ金網パネルの立面部に当接している背面部を有しており、前記排水路の前記背面部には、前記浸透水が通過する貫通孔または透水部材が設けられていることが好ましい。
前記奥側折り曲げ金網パネルの上方には、自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた上段折り曲げ金網パネルが、立面部から手前側に底面部が延びるように設置されており、前記上段折り曲げ金網パネルの底面部の上にも前記粗粒のフィルター材の層の一部が載せられているとともに、該上段折り曲げ金網パネルの立面部が前記柔軟且つ透水性を有したシートにより覆われていることが好ましい。
本発明の第1のドレーン構造の施工方法は、斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造の施工方法であって、前記ドレーン構造は、自立金網パネルからなり上面が開放されている少なくとも2つの籠を有しており、当該籠は斜面の下端から斜面に向かって手前側に配置される正面金網と奥側に配置される背面金網とを備えており、前記斜面内部且つ下方に存する略水平である基礎地盤の上に第1の前記籠を設置する工程と、前記第1の籠に粗粒のフィルター材を充填する工程と、前記第1の籠の上に第2の籠を、当該第2の籠の正面金網が第1の籠の正面金網と略平行かつ第1の籠の正面金網よりも斜面の下端から斜面に向かって奥側に位置するように設置する工程と、前記第2の籠に粗粒のフィルター材を充填する工程と、前記第1の籠および第2の籠に充填された前記フィルター材の露出している面の上に柔軟且つ透水性を有したシートを敷く工程と、前記シートの上に土砂を被せる工程とを含む。
さらに、前記第1の籠の正面金網を排水路に当接させる工程を含むことが好ましい。
本発明の第2のドレーン構造の施工方法は、斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造の施工方法であって、前記斜面内部且つ下方に存する略水平である基礎地盤の上に、自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた奥側折り曲げ金網パネルを、斜面の下端から斜面に向かって手前側に該底面部が該立面部から延びるように設置する工程と、前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部から斜面の下端まで、前記基礎地盤の上方に粗粒のフィルター材の層を形成する工程Aと、前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部と前記フィルター材の層の上面とを柔軟且つ透水性を有したシートにより覆う工程と、前記シートの上に土砂を被せる工程とを含む。
ある好適な実施形態において、前記工程Aは、斜面の下端に置かれた前記排水路まで粗粒のフィルター材の層を形成する工程である。
ある好適な実施形態において、前記工程Aは、斜面の下端に自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた手前側折り曲げ金網パネルを、立面部から奥側に底面部が延びるように設置して、前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部から該手前側折り曲げ金網パネルの立面部まで粗粒のフィルター材の層を形成する工程である。
ある好適な実施形態において、前記工程Aの後に、前記奥側折り曲げ金網パネルの上方に、自立金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた上段折り曲げ金網パネルを、立面部から手前側に底面部が延びるように設置する工程と、前記上段折り曲げ金網パネルの底面部の上に粗粒のフィルター材を載せる工程とをさらに含む。
本発明の第1のドレーン構造は、金網からなる籠が複数積み重ねられて構成されている籠製ドレーン部を有し、前記籠には粗粒のフィルター材が充填されているので、施工が容易であり、浸透水を確実に排水することができる。本発明の第2のドレーン構造は、奥側折り曲げ金網パネルと粗粒のフィルター材の層とを有している構造であるので、簡単且つ短時間に施工をすることができ、浸透水を確実に排水できる。
本発明の実施形態について説明をする前に、金網籠を用いた別のドレーン構造について本願発明者らは考察したのでこの考察について説明を行う。この金網籠は、従来のいわゆるふとん籠と呼ばれるものである。なお、ドレーン構造において重要なポイントは、堤体長手方向に垂直な断面における断面積の大きさ(以下、容量の大小という)と、排水路とほぼ同じレベルのドレーン構造の最も河川に近い側(以下、かかと部という)がどれだけ河川に近いかという点である。
図19は、堤体10の裏法面12の傾斜角度が約25度の場合に想定したドレーン構造である。このドレーン構造を比較例とする。菱形金網からなる金網籠40,40に割栗石を充填して浸透水を流す籠製ドレーン部とする。籠製ドレーン部は直方体の金網籠40,40を裏法面12と略同じ傾斜にして裏法面12内に設置し、その下側には石41を置いてかかと部を河川14に近づけるとともに容量を大きくし、籠製ドレーン部の上面に土砂を被せている。また、裏法尻に設置された排水路20と籠製ドレーン部とを結ぶためのドレーン層42を設けている。ドレーン層42は水平に設置した金網籠である。ドレーン層42を設ける理由は、傾斜して設置されている籠製ドレーン部に直接排水路20を当接させると、排水路20に籠製ドレーン部から圧力がかかって排水路20が図の右側に倒れてしまうからである。
比較例のドレーン構造は、金網籠40自体を傾斜させて設置しているため、傾斜角度が大きくなると金網籠40の傾斜方向への滑り落ちの虞があり施工が難しくなり、緩斜面の堤体10にしか適用できないうえ、緩斜面での施工も困難である。さらに、水平部分であるドレーン層42が必要なため、設置のために裏法尻から水平地盤の方へ余分な領域が必要である。
また、施工することを考えると、図19に示す比較例のドレーン構造は、斜面を掘削した地盤に金網籠40を置いて潰れないように支えながら(菱形金網からなる籠は自立せず潰れてしまうから)石を詰め込む、という作業を行う必要がある。従って、大がかりで面倒な作業となり、時間とコストがかかる。さらに、菱形金網からなる籠は、石を積めた後の石の圧力や、上に被せた土砂の圧力で水平方向にふくらむため、排水路20に力がかかって排水路20が破損してしまう虞がある。
このような考察と、特許文献1乃至3に記載されているドレーン構造の問題点を鑑みて本願発明者らは、本発明を想到するに至った。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施形態1)
実施形態1に係るドレーン構造の模式的な断面を図1に示す。なお、図を見やすくするために図1およびこれ以降の図において断面を表すハッチングの多くを省略している。本実施形態に係るドレーン構造は、堤体10の裏法面(斜面)12の地盤内部に埋設されており、河川14の水面から連続している堤体内浸潤面16を裏法面12側で下げて浸透水を裏法尻に設置された排水路20に導いている。このドレーン構造は、金網からなる3つの籠31,32,33から構成されており、籠31,32,33の中には粗粒のフィルター材である割栗石23,23,…が充填されている。割栗石23,23,…は数cmから数十cmの径を有しているので、これらの隙間を通って浸透水が流れていく。また、籠31,32,33の上面、背面(河川24側)および側面には、土砂がフィルター材同士の隙間に入らないように不織布などの柔軟且つ透水性のシート37が掛けられている。
図1に示すように本実施形態に係るドレーン構造は、横断面において、裏法面12下端から裏法面12の上端側に向かって、順に高くなっていく階段状の形状を有しており、その上には土砂22が被せられている。裏法面12が水平面となす角度は、27°である。ドレーン構造の最下段を構成する第1の籠31は、裏法面12の下方(裏法面12の鉛直下方である地盤の内部)の基礎地盤21の上に設置されており、その上に第2の籠32が積まれ、さらにその上に第3の籠33が積み上げられている。基礎地盤12は略水平に掘削されている。
図2はドレーン構造を構成している籠31,32,33の積み重ね構造物を側方から見た図である。籠31,32,33を構成する金網同士および籠31,32,33同士は、コイル51,51,…によって連結されて固定されている。
図3は、最下段の第1の籠31を構成する金網をばらばらにした斜視図である。第1の籠31は、正面金網53と底面金網の一部とが一体となった側面視L字型の正面側L型金網(手前側折り曲げ金網パネル)57と、背面金網52と底面金網の一部とが一体となった側面視L字型の背面側L型金網(奥側折り曲げ金網パネル)56と、底面中間金網54と、2つの側面金網55,55とから構成されている。いずれの金網も棒鋼や金属線材を溶接して繋いだ長方形の溶接金網からなっている。正面側L型金網57と背面側L型金網56とは、矩形である平面の溶接金網を折り曲げて作られており、同形状であって互いに交換可能である。また、正面側L型金網57と背面側L型金網56とは、それぞれ正面、背面に垂直な面においてL字型となっている。これらの金網は隣接する金網とコイル51(一つだけ示し他は省略している)によって辺同士が連結されて固定され、籠の形状に組み立てられる。また、本実施形態においては、これらの金網は防錆加工(例えば溶融亜鉛めっき、亜鉛アルミ合金めっきなど)された鉄線を材料としている。
図4は、第1の籠31の上に載せられる第2の籠32を構成する金網をばらばらにした斜視図である。第2の籠32は第1の籠31とほぼ同じであり、一部が異なっているだけなので、異なっている部分を説明する。
第2の籠32の底面中間金網64は、第1の籠31のものよりも前後方向の長さが小さい。側面金網65,65も同様に長さが小さくなっている。。
図5は、第2の籠32の上に載せられる第3の籠33を構成する金網をばらばらにした斜視図である。第3の籠33は第2の籠32とほぼ同じであり、一部が異なっているだけなので、異なっている部分を説明する。
第3の籠33は底面中間金網を有しておらず、その分側面金網75,75の長さが小さくなっている。
いずれの籠31,32,33も正面金網53、背面金網52および側面金網55,65,75は矩形である。
図2から5に示されているように、3つの籠31,32,33の直方体部分は、正面金網53および背面金網52の大きさおよび形状が同じであるが、底面および側面の前後方向の長さが異なっている。底面においては、底面中間金網54,64を入れることによってこの長さの違いを調節している。側面金網55,65,75は長さ自体を変えることによって対応している。
図6は、排水路20の斜視図である。排水路20はコンクリート製であって、横断面視ではJ字状である。背面部27は前面部よりも高く形成されており、第1の籠31の正面金網53に当接し、第1の籠31内を流れてきた水が背面部27に設けられた貫通孔28,28,…を通って排水路20の溝部に流れ込み、排水路20内を流れていって排出される。
次に、本実施形態のドレーン構造の施工方法について説明する。
まず、図1において堤体10の裏法面12側を掘削して略水平な基礎地盤21を形成する。そして、裏法尻となる部分に排水路20を設置する。排水路20の位置は予め厳密に決められており、金網籠に石を入れて厳密な位置に設置することは非常に困難であるため、まず排水路20を設置するのである。
次に、基礎地盤21の上に不織布のような柔軟且つ透水性を有するシート37をしいて、その上に図3に示す金網群を載せてコイル51で金網同士を連結して第1の籠31を組み立てて設置する。シート37はロール状で施工現場に運び込まれ、基礎地盤21上に敷かれた後に残りがロール状のまま第1の籠31の背面金網52近傍に置かれる。正面金網53は排水路20の背面部27に当接させて設置する。この時、正面側L型金網57と背面側L型金網56とは自立し、側面金網55,55もこれらの正面側L型金網57と背面側L型金網56とに立てかけられるので、金網を支えておく必要がなく、少人数で容易に且つ短時間で設置することができる。
それから、第1の籠31の中に割栗石23,23,…を充填する。
割栗石23,23,…を充填した第1の籠31の上に図4に示す金網群を載せて、コイル51で金網同士を連結して第2の籠32を組み立てて設置する。この場合も第1の籠31の組立と同様に少人数で容易に且つ短時間で設置することができる。この時、2つの籠31,32の背面金網52,52が面一になるように配置をして、上下の籠31,32間の連結もコイル51を用いて行う。第2の籠32を設置した状態では、第1の籠31の裏法面12の奥側の一部を第2の籠32の底面が蓋をしている。また、第2の籠32の正面金網53は第1の籠31の正面金網53よりも後方に位置し、2つの正面金網53,53は略平行となっている。
この後、第2の籠32に割栗石23,23,…を充填する。このように割栗石23,23,…を充填すると、図7に示す状態となる。なお、図7では見やすさのためコイル51を省略している。
次に、割栗石23,23,…を充填した第2の籠32の上に図5に示す金網群を載せて、コイル51で金網同士を連結して第3の籠33を組み立てて設置する。この場合も第1の籠31の組立と同様に少人数で容易に且つ短時間で設置することができる。この時、第2の籠32を設置するときと同様に、3つの籠31,32,33の背面金網52,52,52が面一になるように配置をして、上下の籠32,33間の連結もコイル51を用いて行う。第3の籠33を設置した状態では、第2の籠32を設置したときのように、第2の籠32の裏法面12の奥側の一部を第3の籠33の底面が蓋をしている。また、第3の籠33の正面金網53は第2の籠32の正面金網53よりも後方に位置し、2つの正面金網53,53は略平行となっている。
それから、第3の籠33に割栗石23,23,…を充填する。
さらに、図8に示すように、ロール状に巻いた柔軟且つ透水性を有するシート37を広げていって三つの籠31,32,33の背面金網52,52,52を覆い、それからさらに広げていって、充填した割栗石23,23,…の露出している面の上に敷いていく。また、第2および第3の籠32,33のそれぞれの正面金網53も、ロール状から広げていく過程でシートで覆うようにする。こうして、図9に示すように、シート37により各籠31,32,33の上面、正面および背面とが覆われる。第1の籠31の正面金網53は排水路20の背面部27に当接しているので、シート37には覆われていない。なお、図8,9では見やすさのためコイル51を省略している。それから、各籠31,32,33の側面もシート37で覆う。
次に、このシート37の上から土砂22を被せて図1に示すドレーン構造が完成する。土砂22の上には芝などの植物を植えると土砂22の崩落を防ぐので好ましい。
本実施形態に係るドレーン構造は、上に説明した構造を有しており、以下の効果を奏する。
本実施形態に係るドレーン構造は、複数の金網からなる3つの籠31,32,33を積み重ねて形成されているが、これらの籠31,32,33の構成部材である正面側L型金網57と背面側L型金網56とは全ての籠31,32,33に共通に用いることができるので、籠31,32,33の製造コストは小さくなる。籠31,32,33の中には割栗石23,23,…が充填されているので、大量の浸透水を確実に排水できる。また、裏法面12の傾斜角度は施工場所によって様々であるが、底面中間金網54,64の前後方向の長さを調整すればどのような傾斜角度にも対応でき、この点でも製造コストは小さくなる。そして、籠31,32,33の本体部分(正面、背面、側面、底面)は溶接金網からなっているので、高い強度と剛性を有していて自立するため、また上面は蓋をせずに開放しておくため、設置工事を容易に行える。さらに上面と側面とはシート37により覆うだけで割栗石23,23,…同士の間に土砂が入り込んで浸透水の流れを邪魔することを防止でき、この点でも施工が簡単になり、コストを低くすることができる。
3つの籠31,32,33はいずれも水平面状に積んでおり水平方向の力に対して構造的に十分な強度を有しているので、排水路20に水平方向の力がかかることがなく、従って図19に示すような水平なドレーン層42を設ける必要が無く、その分水平方向の設置面積を小さくすることができる。このため裏法面12側の民地や堤防下の道路を広く確保することができる。
(実施形態2)
実施形態2に係るドレーン構造の模式的な側面を図10に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態1と同様に金網からなる3つの籠61,62,63が積み重ねられて形成されているが、各籠の背面金網が面一ではない点が実施形態1と異なっていて他の点は実施形態1と同じであるので、実施形態1との相違点のみを説明する。
本実施形態のドレーン構造では、第1の籠61の背面金網よりも第2の籠62の背面金網の方が後方に配置されており、第2の籠62の背面金網よりも第3の籠63の背面金網の方が後方に配置されている。従って、実施形態1のドレーン構造に比較して掘削量を減らすことができるが、かかと部(排水路20とほぼ同じレベルであるドレーン構造の最も河川14に近い部分)が河川14から遠くなって排水が不十分となりやすく、容量が小さいため最大排水量が少なくなる虞がある。それ以外の効果は実施形態1と同じである。
(実施形態3)
実施形態3に係るドレーン構造の模式的な側面を図11に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態1と同様に金網からなる3つの籠71,72,73が積み重ねられて形成されているが、各籠の背面金網が面一ではない点が実施形態1と異なっていて他の点は実施形態1と同じであるので、実施形態1との相違点のみを説明する。
本実施形態のドレーン構造では、第1の籠71の背面金網よりも第2の籠72の背面金網の方が前方に配置されており、第2の籠72の背面金網よりも第3の籠73の背面金網の方が前方に配置されている。従って、実施形態1のドレーン構造に比較して設置のために掘削量を大きくする必要があり、コストが大きくなる。しかし、容量は大きくかかと部も河川14に近いため、排水能力は大きい。それ以外の効果は実施形態1と同じである。
(実施形態4)
実施形態4に係るドレーン構造の模式的な側面を図13に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、溶接金網からなる籠からなっているのではなく、籠の底面の一部が欠損している構造を有している。
具体的には、基礎地盤21の上に、奥側に実施形態1の背面側L型金網56と同形状の奥側折り曲げ金網パネル156が置かれ、手前側に実施形態1の正面側L型金網57と同形状の手前側折り曲げ金網パネル157が置かれている。ここで奥側というのは裏法面(斜面)下端から裏法面の方に向いたときに、裏法面側のことを言い、手前側はその反対側である。奥側折り曲げ金網パネル156は立面部と底面部とからなり、底面部は立面部から手前側へ延びるように基礎地盤21の上に置かれている。また、手前側折り曲げ金網パネル157も立面部と底面部とからなり、底面部は立面部から奥側に延びるように基礎地盤21の上に置かれている。そして、両方の底面部は離間して置かれており、離間している部分では基礎地盤21の上に直接割栗石23,23,…が置かれている。なお、奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157は、それぞれ実施形態1の背面側L型金網56および正面側L型金網57と同じ構成や形状を有しているので、説明は省略する。
本実施形態では手前側折り曲げ金網パネル157の立面部が排水路20の背面部に当接している。この排水路20は図6に示すものである。また、不図示であるが、本実施形態のドレーン構造は、両側面に溶接金網からなる側面金網をそれぞれ有しており、これら側面金網は奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157と連結されて固定されている。側面金網は実施形態1の側面金網と同じものである。そして奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157のそれぞれの立面部と、側面金網とに囲まれた領域に粗粒のフィルター材である割栗石23,23,…が詰め込まれてフィルター材の層が形成されている。奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157のそれぞれの底面部の上にはフィルター材の層が載っているので、両方の金網パネル156,157は基礎地盤21の上に動かないように固定されている。なお、フィルター材の層の下側の基礎地盤21の上には、柔軟且つ透水性を有するシート37が敷かれている。
さらに、フィルター材の層である割栗石23,23,…の上には直接シート37が敷かれている。また、奥側折り曲げ金網パネル156の立面部および側面金網もシート37で覆われている。
本実施形態のドレーン構造の施工方法を次に説明する。
まず、図13において堤体の裏法面側を掘削して略水平な基礎地盤21を形成する。そして、裏法尻となる部分に排水路20を設置する。
次に、基礎地盤21の上に不織布のような柔軟且つ透水性を有するシート37を敷いて、その上に奥側折り曲げ金網パネル156と手前側折り曲げ金網パネル157と側面金網とを載せてコイルで各パネルと側面金網とを連結させて組み立てて設置する。このとき、奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157の底面部同士は離間させるとともに立面部同士は略平行になるように設置する。手前側折り曲げ金網パネル157の立面部は排水路20の背面部27に当接させて設置する。この時、奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157は自立し、側面金網もこれらの奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157に立てかけられるので、金網を支えておく必要がなく、少人数で容易に且つ短時間で設置することができる。
それから、上記の金網パネル156,157および側面金網で囲まれた空間に割栗石23,23,…を充填してフィルター材の層を形成する(工程A)。これにより奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157の立面部間にフィルター材の層が出来上がる。
次に、フィルター材の層の上面と奥側折り曲げ金網パネル156の立面部と側面金網とをシート37により覆う。
さらにシート37の上に土砂を載せて裏法面を形成して施工が完了する。土砂の上に芝などの植物を植えてもよい。
本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態1のドレーン構造に比べて1段だけであるため、施工がより簡単で短時間に行える。また、底面の一部に金網が無く、その部分では基礎地盤21の上に直接フィルター材の層を形成しているため、コストを下げることができ、工事もより容易に行える。これらの違い以外の効果は実施形態1と同じである。なお、本実施形態ではかかと部に当たる奥側折り曲げ金網パネル157の立面部が低いため、容量が小さくなる。従って堤体内浸潤面を十分に下げるためには奥側折り曲げ金網パネル157をできるだけ奥側に設置する必要があるが、その場合は掘削量および割栗石23,23,…の量が増えてコストと時間が余分にかかる。
(実施形態5)
実施形態5に係るドレーン構造の模式的な側面を図14に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態4のドレーン構造において奥側折り曲げ金網パネル156および手前側折り曲げ金網パネル157の底面部同士の間を底面金網154で繋いだものである。これにより実施形態4に比べてドレーン構造の強度が大きくなるが、施工に少し余分に時間がかかるようになる。
(実施形態6)
実施形態6に係るドレーン構造の模式的な側面を図15に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態4のドレーン構造に比べて奥側折り曲げ金網パネル156の上方に上段折り曲げ金網パネル158を設置している点が異なっており、その他の点は実施形態4と同じであるので、異なっている点を説明する。
本実施形態のドレーン構造は、工程Aまでは実施形態4と同様にして施工される。この後に奥側折り曲げ金網パネル156の上方であってフィルター材の層の上に上段折り曲げ金網パネル158を設置する。上段折り曲げ金網パネル158は奥側折り曲げ金網パネル156と同じ構成・形状であり、底面部が立面部から手前側に延びるように、且つ奥側折り曲げ金網パネル157の立面部と上段折り曲げ金網パネル158の立面部とが略面一になるように設置される。
それから上段折り曲げ金網パネル158の底面部の上に割栗石23,23,…を載せる。割栗石23,23,…は少なくとも上段折り曲げ金網パネル158の底面部の全面に、かつ立面部近傍では立面部の高さまで載せられる。
次にフィルター材の層の上面と、奥側折り曲げ金網パネル157および上段折り曲げ金網パネル158の立面部と、側面金網とをシート37により覆う。このフィルター材の層には、上段折り曲げ金網パネル158に載せられたフィルター材が含まれている。
さらにシート37の上に土砂を載せて裏法面を形成して施工が完了する。土砂の上に芝などの植物を植えてもよい。
本実施形態のドレーン構造は、実施形態4のドレーン構造に比べて上段折り曲げ金網パネル158を設置する分、コストと施工時間が余分にかかるが、かかと部の高さが高くなって容量が大きくなるため、水平方向の施工距離を短くできる。それ以外の効果は実施形態4と同じである。
(実施形態7)
実施形態7に係るドレーン構造の模式的な側面を図16に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、奥側折り曲げ金網パネル159が立面部、底面部ともに実施形態4のドレーン構造の奥側折り曲げ金網パネル156に比べて約2倍の長さを有している点が異なっており、その他の点は実施形態4とほぼ同じであるので、異なっている点を説明する。
本実施形態では、奥側折り曲げ金網パネル159が立面部、底面部ともに手前側折り曲げ金網パネル157よりも長いので、かかと部の高さが実施形態4に比べて高くなり、水平方向の施工距離を実施形態4に比べて短くできる。また、割栗石23,23,…は、奥側折り曲げ金網パネル159の立面部近傍ではこの立面部とほぼ同じ高さまで積み上げられているが、手前側に行くに連れて積み上げ高さが下がっていく。奥側折り曲げ金網パネル159の底面部の上方部分ではこの立面部とほぼ同じ高さまで割栗石23,23,…を載せることが好ましい。なお、前述のメリット・デメリット以外の効果は実施形態4と同じである。
(実施形態8)
実施形態8に係るドレーン構造の模式的な側面を図17に示す。本実施形態に係るドレーン構造は、実施形態7のドレーン構造から手前側折り曲げ金網パネル157を取り除いた点が実施形態7と異なっており、その他の点は実施形態7と同じであるので、異なっている点を説明する。
本実施形態においては、基礎地盤21の上に、奥側折り曲げ金網パネル159と側面金網とを載せてコイルでパネルと側面金網とを連結させて組み立てて設置した後、奥側折り曲げ金網パネル159と側面金網と排水路20とで囲まれた空間に割栗石23,23,…を充填してフィルター材の層を形成する(工程A)。これにより奥側折り曲げ金網パネル159の立面部と裏法面の下端に設置された排水路20との間にフィルター材の層が出来上がる。これ以外の構造および施工方法は実施形態7と同じである。
本実施形態のドレーン構造は、実施形態7のドレーン構造に比べて手前側折り曲げ金網パネル157が無いため強度が劣り、排水路20の背面部27にかかる圧力が増すが、コスト面および施工時間の面では有利である。それ以外の効果は実施形態7と同じである。
(その他の実施形態)
これまで説明した実施形態は本発明の例示であり、本発明はこれらの例に限定されない。例えば、各籠の側面を構成する金網は一枚物である必要はなく、複数の金網を繋げてもよい。あるいは、各籠の内部に補強のための中枠を入れても構わない。また、各金網は溶接金網からなるもののみに限定されず、エキスパンドメタルからなるパネルや、棒鋼の枠に菱形金網を張ったパネルなどからなっていても構わない。
正面金網および背面金網、あるいは立面部を河川の流れる方向に沿って複数並べて長尺のドレーン構造としてもよいし、正面金網および背面金網、あるいは立面部の幅を大きくして長尺のドレーン構造としてもよい。
実施形態1乃至3の底面中間金網は、溶接金網に限定されない。エキスパンドメタルからなるパネルや、棒鋼の枠に菱形金網を張ったパネル、線材の枠に菱形金網を張ったパネルなどでも構わない。
粗粒のフィルター材は割栗石に限定されず、礫や破砕コンクリート(コンクリート構造物を破砕したもの)、岩石破砕物等、籠に充填できて水が流れるものであればどのようなものでも構わない。
排水路20の設置は、籠を積み上げる前でなくてもよい。また、排水路20と籠製ドレーン部との間に図19に示すようなドレーン層42を設けても構わない。
各籠および各折り曲げ金網パネルには、図12に示すように、背面金網52または立面部が充填されたフィルター材の圧力で倒れないように補強部材59で底面部の金網と連結しておくことが好ましい。この補強部材59は、正面金網53および側面金網55,65,75にも設置することが好ましい。
上記実施形態の施工においては、堤体を掘削して基礎地盤を形成しているが、平面の地盤の上にドレーン構造を設置してその上に土砂を被せて斜面を形成しても構わない。また、ドレーン構造を設置するのは堤体に限定されず、山腹など斜面であればどのような場所でも構わない。例えば、山腹に設置すれば、大量の降雨によって土砂崩れが起きることを防止できる。なお、施工方法は、上記の実施形態で説明した方法と同様である。
また、背面金網52または奥側折り曲げ金網パネルを設置した後、背面金網または立面部の内側(底面部が延びる側)にシートを当てて、それから粗粒のフィルター材を入れてもよい。
柔軟且つ透水性を有したシートは、不織布には限定されず、樹脂製の糸を絡め合ってその交差部分を接合させたシートや、強度保持層と透水層とを備えた多層シートなど柔軟であって透水性を有していればどのようなシートでも構わない。
排水路20は、貫通孔28,28,…を設けずに、背面部27がポーラスコンクリートにより形成されている構成を有していても構わない。なお、背面部27の一部がポーラスコンクリートにより形成されている構成でも構わない。
以上説明したように、本発明に係るドレーン構造は、低コストで様々な傾斜の斜面に簡単に設置できて確実に排水できるので、堤防のドレーン構造等として有用である。
実施形態1に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 実施形態1に係るドレーン構造を構成する金網籠の模式的な側面図である。 第1の籠を構成する金網群の図である。 第2の籠を構成する金網群の図である。 第3の籠を構成する金網群の図である。 排水路の斜視図である。 実施形態1に係るドレーン構造の施工途中を示す模式的な斜視図である。 実施形態1に係るドレーン構造の施工途中を示す模式的な別の斜視図である。 実施形態1に係るドレーン構造の施工途中を示す模式的なさらに別の斜視図である。 実施形態2に係るドレーン構造を構成する金網籠の模式的な側面図である。 実施形態3に係るドレーン構造を構成する金網籠の模式的な側面図である。 背面金網の補強部材を示す斜視図である。 実施形態4に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 実施形態5に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 実施形態6に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 実施形態7に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 実施形態8に係るドレーン構造の模式的な断面図である。 堤防の断面を示す図である。 比較例に係るドレーン構造の模式的な断面図である。
符号の説明
10 堤体
12 裏法面(斜面である地盤)
20 排水路
21 基礎地盤
22 土砂
23 割栗石(粗粒のフィルター材)
27 背面部
28 貫通孔
31,61,71 第1の籠
32,62,72 第2の籠
33,63,73 第3の籠
37 シート
52 背面金網
53 正面金網
156,159 奥側折り曲げ金網パネル
157 手前側折り曲げ金網パネル
158 上段折り曲げ金網パネル

Claims (8)

  1. 斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造であって、
    前記排水路は、斜面の下端に設置されており、
    前記排水路よりも、斜面の下端から斜面に向かって奥側に、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた奥側折り曲げ金網パネルが、立面部から手前側に底面部が延びるように設置されており、
    前記排水路から前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部まで前記浸透水を通す粗粒のフィルター材の層が形成されており、
    前記奥側折り曲げ金網パネルの底面部には、前記粗粒のフィルター材の層の一部が載っており、
    前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部と、前記粗粒のフィルター材の層の上面とが、柔軟且つ透水性を有したシートにより覆われている、ドレーン構造。
  2. 前記排水路と前記粗粒のフィルター材の層との間には、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた手前側折り曲げ金網パネルが、立面部から奥側に底面部が延びるように設置されており、
    前記手前側折り曲げ金網パネルの立面部は、前記排水路と前記粗粒のフィルター材の層とに挟まれており、
    前記手前側折り曲げ金網パネルの底面部には、前記粗粒のフィルター材の層の一部が載っている、請求項に記載のドレーン構造。
  3. 前記排水路は、前記粗粒のフィルター材の層あるいは前記手前側折り曲げ金網パネルの立面部に当接している背面部を有しており、
    前記排水路の前記背面部には、前記浸透水が通過する貫通孔または透水部材が設けられている、請求項またはに記載のドレーン構造。
  4. 前記奥側折り曲げ金網パネルの上方には、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた上段折り曲げ金網パネルが、立面部から手前側に底面部が延びるように設置されており、
    前記上段折り曲げ金網パネルの底面部の上にも前記粗粒のフィルター材の層の一部が載せられているとともに、該上段折り曲げ金網パネルの立面部が前記柔軟且つ透水性を有したシートにより覆われている、請求項からのいずれか一つに記載のドレーン構造。
  5. 斜面である地盤の内部に埋設され、該地盤内部に浸透した浸透水を斜面の下方に設置された排水路に排出するドレーン構造の施工方法であって、
    前記斜面内部且つ下方に存する略水平である基礎地盤の上に、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた奥側折り曲げ金網パネルを、斜面の下端から斜面に向かって手前側に該底面部が該立面部から延びるように設置する工程と、
    前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部から斜面の下端まで、前記基礎地盤の上方に粗粒のフィルター材の層を形成する工程Aと、
    前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部と前記フィルター材の層の上面とを柔軟且つ透水性を有したシートにより覆う工程と、
    前記シートの上に土砂を被せる工程と
    を含む、ドレーン構造の施工方法。
  6. 前記工程Aは、斜面の下端に置かれた前記排水路まで粗粒のフィルター材の層を形成する工程である、請求項に記載のドレーン構造の施工方法。
  7. 前記工程Aは、斜面の下端に、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた手前側折り曲げ金網パネルを、立面部から奥側に底面部が延びるように設置して、前記奥側折り曲げ金網パネルの立面部から該手前側折り曲げ金網パネルの立面部まで粗粒のフィルター材の層を形成する工程である、請求項に記載のドレーン構造の施工方法。
  8. 前記工程Aの後に、前記奥側折り曲げ金網パネルの上方に、鉛直に立てたときに介助無しにパネル形状を保持する金網パネルからなり底面部と立面部とを備えた上段折り曲げ金網パネルを、立面部から手前側に底面部が延びるように設置する工程と、前記上段折り曲げ金網パネルの底面部の上に粗粒のフィルター材を載せる工程とをさらに含む、請求項に記載のドレーン構造の施工方法。
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