JP6636840B2 - ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システム - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムに関する。
従来、車両に搭載された、各種の電子部品や電気製品等の補機に対して電力を供給するバッテリとして、定格電圧が例えば12Vの低電圧バッテリが使用されている。また、車両の駆動源としてエンジン及び駆動モータを備えたハイブリッド車両では、駆動モータに対して電力を供給するバッテリとして、定格電圧が例えば200Vの高電圧バッテリが使用されている。ハイブリッド車両のシステムとして、高電圧バッテリの電力を、降圧器としてのDC/DCコンバータにより降圧させて低電圧バッテリに供給し、低電圧バッテリを充電可能にしたシステムがある。
かかるハイブリッド車両システムにおいて、高電圧バッテリの異常時には、低電圧バッテリに対して充電電力の供給ができなくなり、低電圧バッテリの電力が枯渇した時点で車両が走行不能になる。これに対して、特許文献1には、高電圧バッテリの異常時に、モータジェネレータにより発電され、又は、回生された電力を、高電圧バッテリを介さずにDC/DCコンバータに供給することで、低電圧バッテリの充電を可能にした車両用バッテリ制御装置が開示されている。
特許第5171578号
しかしながら、特許文献1に記載された制御装置は、高電圧バッテリの異常時において車両の駆動に用いる動力については考慮されておらず、システムによっては、車両を発進させられない場合が生じるおそれがある。例えば、直列的に配置されたエンジンとモータジェネレータとの間にトルクコンバータが備えられていないシステムの場合、エンジンの出力トルクにより車両を駆動させようとしても、エンジンと駆動軸との差回転を吸収する機構が無いため車両を発進させることができない。したがって、このようなシステムに対して、特許文献1に記載された技術を適用しようとすると、車両を停止又は極低速にすることができないことになる。このため、かかるシステムでは、高電圧バッテリの異常時においても、モータジェネレータによる発進制御を実施しつつ、低電圧バッテリの充電制御を継続させる必要がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高電圧バッテリの異常時に、車両の走行状態を適切に制御しつつ、低電圧バッテリへの充電制御を実行可能な、新規かつ改良されたハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、エンジンに直列的に連設された第1のモータジェネレータ、及び、伝達クラッチを介して第1のモータジェネレータに連設された第2のモータジェネレータの電力供給源である第1のバッテリの電力を降圧器により降圧させて第2のバッテリに対して充電電力を供給させる充電制御部と、第1のバッテリの異常を検出する異常検出部と、第1のバッテリの異常が検出された場合に、エンジンの停止を禁止し、エンジンからの出力トルクを用いて第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせ、第2のバッテリに対して充電電力を供給させる駆動制御部と、を備え、駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合であって、ハイブリッド車両の加速時には、伝達クラッチを締結させてエンジンからの出力トルクを駆動輪に伝達させつつ、エンジンからの余剰のトルクを用いて第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせて第2のバッテリに対して充電電力を供給させる、ハイブリッド車両の制御装置が提供される。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合に、ハイブリッド車両の停車時又は発進時には、伝達クラッチを開放させ、第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせて第2のバッテリに対して充電電力を供給させてもよい。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合であって、ハイブリッド車両の停車時には、第2のモータジェネレータをゼロトルク状態としてもよい。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合であって、ハイブリッド車両の発進時には、第2のモータジェネレータを力行駆動させてもよい。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合であって、ハイブリッド車両の加速時には、第2のモータジェネレータをゼロトルク状態としてもよい。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合に、ハイブリッド車両の減速時には、伝達クラッチを開放させ、第2のモータジェネレータを回生駆動させて第2のバッテリに対して充電電力を供給させてもよい。
駆動制御部は、第1のバッテリの異常が検出された場合であって、ハイブリッド車両の減速時には、第2のモータジェネレータの回生電力を用いて第1のモータジェネレータを駆動させ、第1のモータジェネレータからの出力トルクによりエンジンの連れ回しを行わせてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、エンジンと、エンジンに直列的に連設された第1のモータジェネレータと、伝達クラッチを介して第1のモータジェネレータに連設された第2のモータジェネレータと、第1のモータジェネレータ及び第2のモータジェネレータの電力供給源である第1のバッテリと、定格電圧が第1のバッテリの定格電圧よりも低い第2のバッテリと、第1のバッテリの電力を降圧器により降圧させて第2のバッテリに対して充電電力を供給させる充電制御部と、第1のバッテリの異常を検出する異常検出部と、第1のバッテリの異常が検出された場合に、エンジンの停止を禁止し、エンジンからの出力トルクを用いて第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせ、第2のバッテリに対して充電電力を供給させる駆動制御部と、を備える、ハイブリッド車両システムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、高電圧バッテリの異常時に、車両の走行状態を適切に制御しつつ、低電圧バッテリへの充電制御を実行することができる。
本発明の実施の形態にかかるハイブリッド車両の駆動系のシステム構成例を示すブロック図である。 同実施形態にかかるハイブリッド車両の走行モードの一例を示す説明図である。 同実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置の構成例を示すブロック図である。 同実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置によるフェールセーフモード時の制御状態を示す説明図である。 停車時のシステムの状態を示す説明図である。 発進時のシステムの状態を示す説明図である。 加速時のシステムの状態を示す説明図である。 減速時のシステムの状態を示す説明図である。 第1のモータジェネレータの出力上限を示す説明図である。 減速時の第2のモータジェネレータによる回生上限電力を示す説明図である。 同実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置によるフェールセーフモード時の制御を示すフローチャートである。 減速時のシステムの別の状態を示す説明図である。 変形例にかかるハイブリッド車両の駆動系のシステム構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.ハイブリッド車両システムの基本構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態にかかるハイブリッド車両の制御装置が適用され得るハイブリッド車両システムの駆動系1の基本構成について説明する。
図1は、ハイブリッド車両の駆動系1を示している。かかる駆動系1は、エンジン10と、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ24とを備え、エンジン10、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24を駆動源として併用可能なパワーユニットである。かかる駆動系1では、走行モードが、エンジン走行モードと、シングルモータEV走行モードと、ツインモータEV走行モードと、ハイブリッド走行モードとで切り替えられながら、車両の駆動力制御が行われる。
エンジン走行モードは、エンジン10から出力されるトルクにより車両を駆動するモードである。シングルモータEV走行モードは、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24から出力されるトルクにより車両を駆動するモードである。ツインモータEV走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24から出力されるトルクにより車両を駆動するモードである。ハイブリッド走行モードは、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24のうちの少なくとも一方から出力されるトルクと、エンジン10から出力されるトルクとにより車両を駆動するモードである。
エンジン10は、ガソリン等を燃料としてトルクを生成する内燃機関であり、出力軸としてのクランクシャフト11を有する。クランクシャフト11は、自動変速装置30内に延設されている。また、クランクシャフト11には、ギヤ式のオイルポンプ15が連結されている。かかるオイルポンプ15は、図示しない車軸、CVT31のプライマリ軸34又はセカンダリ軸36に対して、図示しないギヤ機構を介して連結されていてもよい。オイルポンプ15が車軸に対して連結されている場合、駆動輪(車輪)80の回転によってもオイルポンプ15が駆動され得る。オイルポンプ15がプライマリ軸34又はセカンダリ軸36に対して連結されている場合、第2の伝達クラッチ46が締結されている間、駆動輪80の回転によってもオイルポンプ15が駆動され得る。オイルポンプ15は、エンジン10の出力トルク又は駆動輪80の回転により駆動されて、自動変速装置30に向けて作動油を供給する。自動変速装置30に供給される作動油は、CVT31及び各クラッチを作動させる作動油として用いられる。自動変速装置30は、第1のモータジェネレータ20と、第2のモータジェネレータ24と、自動変速機としての無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)31とを備える。
エンジン10と第1のモータジェネレータ20とはエンジンクラッチ42を介して直列的に配列される。エンジン10のクランクシャフト11と、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21との間には、クランクシャフト11とモータ軸21との間を締結又は開放するエンジンクラッチ42が設けられている。エンジンクラッチ42が締結状態にあるときに、クランクシャフト11とモータ軸21との間でトルクを伝達することができる。
第1のモータジェネレータ20は、例えば、三相交流式のモータであり、インバータ70を介して高電圧バッテリ50に接続されている。第1のモータジェネレータ20は、高電圧バッテリ50の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力を生成する駆動モータとしての機能と、エンジン10の出力トルクを用いて駆動されて発電する発電機としての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪80の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。さらに、第1のモータジェネレータ20は、エンジン10を始動又は停止させるスタータモータとしての機能と、モータ軸21に連結されたオイルポンプ28を回転駆動させるモータとしての機能とを併せ持つ。
第1のモータジェネレータ20をスタータモータ、駆動モータ又はオイルポンプ28の駆動モータとして機能させる場合、インバータ70は、高電圧バッテリ50から供給される直流電力を交流電力に変換し、第1のモータジェネレータ20を駆動する。また、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させる場合、インバータ70は、第1のモータジェネレータ20で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ50に充電する。
上述のとおり、本実施形態にかかる駆動系1では、トルクコンバータではなく、エンジンクラッチ42を介して、クランクシャフト11とモータ軸21との間で動力の伝達が行われる。このため、第1のモータジェネレータ20を駆動モータとして機能させる場合に、第1のモータジェネレータ20とエンジン10とを完全に切り離すことにより、第1のモータジェネレータ20の出力トルクがエンジン10で消費されることがなく、第1のモータジェネレータ20の効率の低下を抑制することができる。
第1のモータジェネレータ20のモータ軸21には、ギヤ式のオイルポンプ28が組み付けられている。オイルポンプ28は、エンジン10の回転、又は、第1のモータジェネレータ20の回転に伴ってモータ軸21が回転することによって駆動され、CVT31及び各クラッチに向けて作動油を供給する。かかるオイルポンプ28は、第1のモータジェネレータ20により駆動される電動オイルポンプとして構成される。また、第1のモータジェネレータ20のモータ軸21は、第1の伝達クラッチ44を介して、CVT31のプライマリ軸34に連設されている。第1の伝達クラッチ44は、モータ軸21とプライマリ軸34との間を締結又は開放する。第1の伝達クラッチ44が締結状態にあるときに、モータ軸21とプライマリ軸34との間で動力を伝達することができる。
CVT31は、プライマリ軸34と、当該プライマリ軸34に平行に配設されたセカンダリ軸36とを有する。プライマリ軸34にはプライマリプーリ33が固定され、セカンダリ軸36にはセカンダリプーリ35が固定されている。プライマリプーリ33及びセカンダリプーリ35には、ベルト又はチェーンからなる巻き掛け式の動力伝達部材37が卷回されている。CVT31は、プライマリプーリ33及びセカンダリプーリ35上での動力伝達部材37の巻き掛け半径を変化させてプーリ比を変化させることにより、プライマリ軸34とセカンダリ軸36との間において、任意の変速比で変換したトルクを伝達する。
セカンダリ軸36は、第2の伝達クラッチ46を介して、第2のモータジェネレータ24のモータ軸25に連設されている。第2の伝達クラッチ46は、セカンダリ軸36とモータ軸25との間を締結又は開放する。第2の伝達クラッチ46が締結状態にあるときに、セカンダリ軸36とモータ軸25との間でトルクを伝達することができる。第2のモータジェネレータ24のモータ軸25は、図示しない減速ギヤ及び駆動軸を介して駆動輪80に連設され、モータ軸25を介して出力されるトルクが駆動輪80に伝達可能になっている。モータ軸25が、図示しないデファレンシャルギヤに接続され、トルクが前輪及び後輪に分配されてもよい。
第2のモータジェネレータ24は、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46を介してエンジン10に連設されている。第2のモータジェネレータ24は、第1のモータジェネレータ20と同様、三相交流式のモータであり、インバータ70を介して高電圧バッテリ50に接続されている。第2のモータジェネレータ24は、高電圧バッテリ50の電力を用いて駆動(力行駆動)されて車両の駆動力を生成する駆動モータとしての機能と、車両の減速時に回生駆動されて駆動輪80の運動エネルギを用いて発電する発電機としての機能とを有する。
第2のモータジェネレータ24を駆動モータとして機能させる場合、インバータ70は、高電圧バッテリ50から供給される直流電力を交流電力に変換し、第2のモータジェネレータ24を駆動する。また、第2のモータジェネレータ24を発電機として機能させる場合、インバータ70は、第2のモータジェネレータ24で発電された交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ50に充電する。第2のモータジェネレータ24の定格出力と第1のモータジェネレータ20の定格出力とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
インバータ70を介して第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24に接続された高電圧バッテリ50には、DC/DCコンバータ55を介して低電圧バッテリ60が接続されている。高電圧バッテリ50は、例えば定格電圧が200Vの充放電可能なバッテリであり、低電圧バッテリ60は、例えば定格電圧が12Vの充放電可能なバッテリである。高電圧バッテリ50が、本発明にかかる第1のバッテリに相当し、低電圧バッテリ60が、本発明にかかる第2のバッテリに相当する。低電圧バッテリ60は、ハイブリッド車両システムの主電源として用いられ、車載の電子部品や空調装置等の補機に対して電力を供給する。DC/DCコンバータ55は、高電圧バッテリ50の直流電力の電圧を降圧させて、低電圧の充電電力を低電圧バッテリ60に供給する。
本実施形態にかかる駆動系1のシステム構成では、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24を制御するインバータ70と、DC/DCコンバータ55とが低電圧バッテリ充電回路72により接続されている。低電圧バッテリ充電回路72は、図示しない開閉スイッチを備え、低電圧バッテリ充電回路72の開閉が切り替え可能になっている。これにより、高電圧バッテリ50の異常時においても、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24により発電あるいは回生される電力が、インバータ70を介してDC/DCコンバータ55に供給され、低電圧バッテリ60に充電可能になっている。
エンジン10は、エンジン制御ユニット(エンジンECU)200により制御される。自動変速装置30は、トランスミッション制御ユニット(トランスミッションECU)300により制御される。第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24は、モータ制御ユニット(モータECU)400により制御される。高電圧バッテリ50及びDC/DCコンバータ55は、バッテリ制御ユニット(バッテリECU)500により制御される。これらのエンジンECU200、トランスミッションECU300、モータECU400、及び、バッテリECU500は、システム全体を統合的に制御するハイブリッド制御ユニット(ハイブリッドECU)100に接続されている。ハイブリッドECU100は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、モータECU400、及び、バッテリECU500等に制御指令を出力し、車両の走行制御、あるいは、高電圧バッテリ50又は低電圧バッテリ60の充電制御を行う。
それぞれのECUは、マイクロコンピュータをはじめとして各種インタフェース又は周辺機器等を備えて構成される。それぞれのECUは、例えばCAN(Controller Area Network)等の通信ラインを介して双方向通信可能に接続され、制御情報や制御対象に関連する各種の情報を相互に通信する。以下、それぞれのECUの機能の概略について説明する。
バッテリECU500は、高電圧バッテリ50の残存容量SOC(State Of Charge)_1やセル温度、セル電圧、出力電圧等の情報を取得し、高電圧バッテリ50の状態を管理する。また、バッテリECU500は、DC/DCコンバータ55を制御して、高電圧バッテリ50の電力を降圧させ、低電圧の充電電力を低電圧バッテリ60に供給して低電圧バッテリ60の残存容量SOC_2を所定値に保ちつつ、各種補機に対して電力を供給する。
エンジンECU200は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、エンジン10に備えられた各種センサにより検出される情報に基づいて、スロットル開度、点火時期、及び、燃料噴射量等の制御量を算出する。エンジンECU200は、算出された制御量に基づいてスロットル弁、点火プラグ、及び、燃料噴射弁等を駆動し、エンジン10の出力が制御指令値となるようにエンジン10を制御する。
モータECU400は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受け、インバータ70を介して第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24をそれぞれ制御する。モータECU400は、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24の回転数や電圧、電流等の情報に基づいてインバータ70に対して電流指令や電圧指令を出力し、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24の出力が制御指令値となるように、第1のモータジェネレータ20又は第2のモータジェネレータ24をそれぞれ制御する。
トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けてCVT31の変速比を決定し、入力されるトルクを運転状態に応じた適切な変速比で制御する。トランスミッションECU300は、例えば、油圧を制御し、プーリ比を調節することにより、CVT31の変速比を制御する。また、トランスミッションECU300は、ハイブリッドECU100からの制御指令を受けて、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44、及び、第2の伝達クラッチ46の断接の制御を行うことで、走行モードの切り替えを行う。トランスミッションECU300は、例えば、油圧を制御することにより、各クラッチの断接を制御する。
図2は、本実施形態にかかるハイブリッド車両の走行モードの一例を示している。エンジン走行モードにおいて、エンジンECU200は、エンジン10を駆動させる。トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をすべて締結させ、エンジン10からの出力トルクをCVT31に伝達させる。そして、トランスミッションECU300は、CVT31においてエンジン10から出力されたトルクを所定の変速比で変換して、駆動輪80に伝達させる。このとき、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20をゼロトルク状態にするか、あるいは、エンジン10から出力されるトルクの一部を用いて第1のモータジェネレータ20の発電制御を行う。また、モータECU400は、第2のモータジェネレータ24をゼロトルク状態にするか、あるいは、車両の減速時において第2のモータジェネレータ24を回生駆動させる。
シングルモータEV走行モードの場合、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をすべて開放する。また、モータECU400は、第2のモータジェネレータ24を力行駆動させ、第2のモータジェネレータ24から出力されるトルクを駆動輪80に伝達する。このとき、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20をゼロトルク状態にするか、あるいは、エンジン10の出力トルクを用いて第1のモータジェネレータ20の発電制御を行う。エンジンECU200は、基本的にはエンジン10を停止させるが、第1のモータジェネレータ20に発電させる際には、エンジン10を駆動させる。第1のモータジェネレータ20に発電させる場合、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ42を締結させる。また、モータECU400は、車両の減速時においては、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させる。
あるいは、シングルモータEV走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46を締結して、第1のモータジェネレータ20から出力されるトルクを、CVT31及びモータ軸25を介して駆動輪80に伝達してもよい。この場合、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20を力行駆動及び回生駆動させる。また、モータECU400は、第2のモータジェネレータ24をゼロトルク状態にするか、あるいは、車両の減速時において第2のモータジェネレータ24を回生駆動させる。ただし、第1のモータジェネレータ20を用いたシングルモータEV走行モードの場合、第1の伝達クラッチ44、CVT31、及び、第2の伝達クラッチ46を介して第1のモータジェネレータ20と駆動輪80との間でトルクが伝達されるため、第2のモータジェネレータ24を用いる場合に比べて効率が低下することが考えられる。
ツインモータEV走行モードの場合、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46を締結して、第1のモータジェネレータ20からの出力トルクをCVT31に伝達させる。このとき、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24の出力を調停しつつ、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24をそれぞれ力行駆動させる。また、モータECU400は、車両の減速時において第2のモータジェネレータ24を回生駆動させる。また、モータECU400は、必要に応じて第1のモータジェネレータ20を回生駆動させる。そして、トランスミッションECU300は、CVT31を介して第1のモータジェネレータ20から出力されるトルクをモータ軸25に伝達させ、第2のモータジェネレータ24の出力トルクと合わせて、駆動輪80に伝達する。ツインモータEV走行モードの場合、エンジンクラッチ42は常時開放され、エンジン10は停止される。
ハイブリッド走行モードの場合、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をすべて締結させる。エンジンECU200は、エンジン10を駆動させ、トルクを駆動輪80に伝達させる。モータECU400は、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24のうちの少なくとも一方を力行駆動させ、エンジン10による駆動輪80の駆動を補助する。このとき、トランスミッションECU300は、CVT31に伝達されたトルクを所定の変速比で変換してモータ軸25に伝達させ、第2のモータジェネレータ24のトルクと合わせて、駆動輪80に伝達させる。
図2に示した走行モード以外に、エンジン10の始動時において、トランスミッションECU300は、エンジンクラッチ42を締結させ、モータECU400は、第1のモータジェネレータ20を駆動させ、エンジン10をクランキングさせてもよい。このとき、エンジン10のクランキング振動が駆動輪80に伝達されないように、トランスミッションECU300は、第1の伝達クラッチ44を開放させてもよい。
本実施形態にかかるハイブリッド車両の駆動系1では、すべての走行モードにおいて、車両の減速時に、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させることによって、回生電力を生成させつつ、回生ブレーキ力を発生させることができる。また、エンジン走行モード、ツインモータEV走行モード、及び、ハイブリッド走行モードにおいて、車両の減速時に、第1のモータジェネレータ20を回生駆動させることによって、回生電力を生成させつつ、回生ブレーキ力を発生させることができる。また、シングルモータEV走行モード、又は、ハイブリッド走行モードにおいて、エンジン10から出力されるトルクの一部又は全部を用いて、第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。さらに、エンジン走行モードにおいて、エンジン10から出力されるトルクの一部を用いて、第1のモータジェネレータ20に発電させることができる。
また、本実施形態にかかる駆動系1では、第1のモータジェネレータ20が、エンジン10のスタータモータとしての機能を有する。したがって、エンジン10の始動時又は停止時にしか使用されていなかった従来のスタータモータを省略することができる。また、第1のモータジェネレータ20は、オイルポンプ28と一体となって電動オイルポンプとしての機能を有する。したがって、エンジン10又は駆動輪80が停止し、ギヤ式のオイルポンプ15により作動油圧を生成できない場合にしか使用されていなかった従来の電動オイルポンプを省略することができる。
また、本実施形態にかかる駆動系1では、第1のモータジェネレータ20が、第1の伝達クラッチ44を介して、CVT31のプライマリプーリ33に連設されており、走行中において、第1のモータジェネレータ20を駆動モータとして機能させることができる。したがって、車両のトルク性能を向上させることができる。さらに、エンジン10により車両の駆動力を発生させている間、エンジン10の出力に余剰のトルクがある場合には、第1のモータジェネレータ20を発電機として機能させることができる。したがって、車両の燃費性能を向上させることができる。
本実施形態にかかるハイブリッド車両の駆動系1は、エンジン10と第1のモータジェネレータ20との間にトルクコンバータを備えておらず、エンジンクラッチ42を備えている。したがって、車両の停車時や極低速時にエンジン10を駆動させた状態でエンジンクラッチ42及び第1の伝達クラッチ44が締結されると、モータ軸25の抵抗が過大であることによってエンジン10が停止する。このため、本実施形態にかかるハイブリッド車両の駆動系1は、車両の停車時や発進時には、エンジン10を駆動させたままでエンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46を締結させることができない。
<2.ハイブリッド車両の制御装置の構成例>
ここまで、本実施形態にかかるハイブリッド車両システムの駆動系1の基本構成について説明した。次に、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置について具体的に説明する。
図3は、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置の構成例のうち、フェールセーフモード時の駆動制御に関連する部分を示すブロック図である。本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置は、CAN等の図示しない通信ラインに接続されたハイブリッドECU100、エンジンECU200、トランスミッションECU300、モータECU400及びバッテリECU500を備えて構成される。バッテリECU500は、本発明における充電制御部に相当する。かかるハイブリッド車両の制御装置により、高電圧バッテリ50の異常時において、エンジン10、自動変速装置30、第1のモータジェネレータ20、及び、第2のモータジェネレータ24が協調制御される。なお、ハイブリッド車両の制御装置を構成する制御ユニットは、1つの制御ユニットからなっていてもよく、適宜の数の制御ユニットから構成されてもよい。
充電制御部としてのバッテリECU500は、高電圧バッテリ50の正常時においては、DC/DCコンバータ55を制御して、高電圧バッテリ50の電力を降圧させて、低電圧バッテリ60に充電させる。例えば、バッテリECU500は、低電圧バッテリ60の残存容量SOC_2を監視し、補機による低電圧バッテリ60の電力消費分を補うようにDC/DCコンバータ55を制御して、低電圧バッテリ60に対して充電電力を供給する。
一方、バッテリECU500は、高電圧バッテリ50の異常時には、DC/DCコンバータ55は高電圧バッテリ50の電力を消費することができないものの、低電圧バッテリ充電回路72から供給される電力を消費して、低電圧バッテリ60に対して充電電力を供給する。これにより、フェールセーフモードにおいて、車両の走行状態が適切に制御されつつ、低電圧バッテリ60への充電制御が実行される。
ハイブリッドECU100は、異常検出部110と、駆動制御部120とを備える。異常検出部110及び駆動制御部120は、マイクロコンピュータによるプログラムの実行により実現される機能であってよい。ハイブリッドECU100は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の図示しない記憶素子を備えていてもよい。
ハイブリッドECU100は、バッテリECU500を介して、高電圧バッテリ50の残存容量SOC_1、セル温度、セル電圧、出力電圧、出力電流、又は、低電圧バッテリ60の残存容量SOC_2等の情報を取得する。また、ハイブリッドECU100は、車両のアクセルペダルの操作量及びブレーキペダルの操作量を取得する。また、ハイブリッドECU100は、エンジンECU200を介して、エンジン10の温度や回転数等のエンジン10の駆動に関わる各種の情報を取得する。また、ハイブリッドECU100は、モータECU400を介して、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24の温度や回転数等の第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24の駆動に関わる各種の情報を取得する。
異常検出部110は、高電圧バッテリ50に生じた異常を検出する。高電圧バッテリ50の異常としては、例えば、電極の劣化、セルの劣化、電解液漏れ又は冷却液漏れ等が挙げられる。高電圧バッテリ50の異常を検出する方法は、公知の方法であってよく、特に限定されない。例えば、上記のような高電圧バッテリ50の異常が発生した場合、検出されるセル電圧、又は、出力電圧が異常値を示すことから、異常検出部110は、セル電圧又は出力電圧をモニタし、これらの値が異常値を示したときに、高電圧バッテリ50の異常を検出してもよい。
駆動制御部120は、高電圧バッテリ50の異常が検出された場合に、フェールセーフモードでの制御を実行する。駆動制御部120は、フェールセーフモード時に、エンジン10の停止を禁止するとともに、インバータ70とDC/DCコンバータ55とを低電圧バッテリ充電回路72を介して電気的に接続させる。例えば、駆動制御部120は、低電圧バッテリ充電回路72に設けられたスイッチを繋いで、インバータ70とDC/DCコンバータ55とを電気的に接続させてもよい。そして、駆動制御部120は、エンジン10から出力されるトルクを用いて第1のモータジェネレータ20により定電圧発電を行わせ、低電圧バッテリ60への充電を行う。
駆動制御部120は、回生電力によって低電圧バッテリ60への充電が可能な車両の減速時を除いて、第1のモータジェネレータ20に定電圧発電をさせて、低電圧バッテリ60に充電させる。つまり、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させることができない期間には、低電圧バッテリ60の残存容量SOC_2が低下しないように、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電を行わせる。
定電圧発電中は、低電圧バッテリ60の残存容量SOC_2の低下分を補償するように、第1のモータジェネレータ20による発電が行われる。具体的には、低電圧バッテリ60の電力が供給される各種の補機により低電圧バッテリ60の電力が消費されると、低電圧バッテリ充電回路72の電圧が低下する。インバータ70は、かかる低下した電圧分の電力を補うよう、第1のモータジェネレータ20に発電させて、低電圧バッテリ60に充電電力を供給させる。このとき、第1のモータジェネレータ20は、定電圧で制御される。これにより、駆動制御部120は、車両が停車状態から発進する際に、インバータ70を介して第2のモータジェネレータ24に対して速やかに発電電力を供給させて、第2のモータジェネレータ24を力行駆動させることができる。したがって、フェールセーフモード中の車両の発進時の応答性を向上させることができる。
一方、駆動制御部120は、車両の減速時には、ドライバの要求減速度に応じた回生ブレーキ力が生成されるように、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させる。生成される回生電力のうち、低電圧バッテリ60への充電電力以外は、第1のモータジェネレータ20の駆動に用いられる電力として消費される。この場合、低電圧バッテリ60には各種の補機により消費される電力分の電力が供給され、かつ、第1のモータジェネレータ20では、エンジン10を連れ回すことにより消費され得る出力相当の電力が消費される。
図4は、フェールセーフモード時における車両の走行状態ごとのシステムの作動状態を示している。フェールセーフモード中、車両の停車時においては、エンジンクラッチ42が締結される一方、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放される。また、エンジン10は、例えばあらかじめ設定された出力となるように駆動される。そして、第2のモータジェネレータ24はゼロトルク状態とされ、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電が行われてDC/DCコンバータ55に低電圧バッテリ60の充電電力が供給される。車両の停車時においては、エンジン10から出力されるトルクが駆動輪80に伝達されないように、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放され、エンジン10が停止しないようにされる。したがって、車両の停車時においても、エンジン10の駆動を継続させて、低電圧バッテリ60の充電制御を実行することができる。
また、フェールセーフモード中、車両の発進時においては、エンジンクラッチ42が締結される一方、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放される。また、エンジン10は、例えば第2のモータジェネレータ24を駆動させるための電力が確保されるように駆動される。そして、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電が行われてDC/DCコンバータ55に低電圧バッテリ60への充電電力が供給されるとともに、第2のモータジェネレータ24は、第1のモータジェネレータ20で発電される電力を利用して力行駆動されて、駆動輪80に伝達される駆動力を生成する。車両の発進時においては、エンジン10から出力されるトルクが駆動輪80に伝達されないように、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放され、エンジン10が停止しないようにされる。したがって、車両の発進時においても、エンジン10の駆動を継続させて、低電圧バッテリ60の充電制御を実行することができる。
また、フェールセーフモード中、車両の加速時においては、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46がすべて締結される。また、エンジン10は、第1のモータジェネレータ20の定電圧発電に用いられるトルクだけでなく、CVT31を介して駆動輪80に伝達される駆動力を併せて出力するように駆動される。そして、第2のモータジェネレータ24はゼロトルク状態とされ、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電が行われてDC/DCコンバータ55に低電圧バッテリ60の充電電力が供給される。車両の加速時においては、エンジン10から出力されるトルクを駆動輪80に伝達して、電力を用いずに車両を駆動させる。したがって、車両の加速時においても、エンジン10の駆動を継続させて、低電圧バッテリ60の充電制御を実行することができる。
また、フェールセーフモード中、車両の減速時においては、エンジンクラッチ42が締結される一方、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放される。また、エンジン10は、停止しないように適宜の出力で駆動される。エンジン10が停止しない限り、燃料噴射が停止されてもよい。そして、第2のモータジェネレータ24は、ドライバの要求減速度に応じて回生駆動されて、回生電力を生成するとともに、回生ブレーキ力を発生させる。また、第1のモータジェネレータ20は、第2のモータジェネレータ24で生成された回生電力を利用して駆動(モータリング)される。このとき、第1の伝達クラッチ44が開放されていることから、第1のモータジェネレータ20から出力されるトルクはCVT31には伝達されない一方、エンジンクラッチ42により接続されたエンジン10に伝達される。
これにより、第1のモータジェネレータ20の出力トルクによってエンジン10が連れ回され、エンジン10の回転数がさらに増大させられる。エンジン10の回転数を上昇させるためのトルクとして、第1のモータジェネレータ20の出力が消費される。つまり、DC/DCコンバータ55により消費される電力が変動するとしても、第2のモータジェネレータ24による回生電力のうち第1のモータジェネレータ20により消費される電力の比率が大きいことから、第2のモータジェネレータ24により生成可能な回生電力を安定させることができる。これにより、フェールセーフモード中に減速状態で生成される回生ブレーキ力と、平常時の減速状態で生成される回生ブレーキ力との差が低減される。
この場合、第2のモータジェネレータ24の回生電力の上限は、例えば、DC/DCコンバータ55で消費される低電圧バッテリ60の充電電力相当分と、第1のモータジェネレータ20から出力可能な駆動(モータリング)出力相当分との和とすることができる。このように、車両の減速時においては、第2のモータジェネレータ24により生成された回生電力を用いて低電圧バッテリ60の充電制御を実行しつつ、平常時と同等の回生ブレーキ力を生成させることができる。
<3.フェールセーフモード中の制御方法>
次に、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置により実行されるフェールセーフモード中のハイブリッド車両の制御方法について説明する。以下、車両の走行状態ごとにハイブリッド車両システムの状態を説明した後、ハイブリッド車両の制御方法の一例をフローチャートに基づいて説明する。
(3−1.ハイブリッド車両システムの状態)
(3−1−1.停車時の状態)
図5は、フェールセーフモード中の車両の停車時におけるハイブリッド車両システムの状態を示している。車両の停車時において、エンジン10は駆動される。エンジン10は、例えば一定の出力で駆動される。第1の伝達クラッチ44が開放されていることから、エンジン10から出力されるトルクは、CVT31には伝達されない。エンジン10から出力されるトルクは、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電に用いられる。第1のモータジェネレータ20は、補機等により消費された低電圧バッテリ60の電力の低下分を補うようにインバータ70を介して制御される。発電された電力は、インバータ70により交流電力から直流電力に変換され、低電圧バッテリ充電回路72及びDC/DCコンバータ55を介して低電圧バッテリ60に充電される。車両は停車中であることから、第2のモータジェネレータ24はゼロトルク状態とされ、第2のモータジェネレータ24で電力が消費されることはない。
このように、車両の停車時においては、第1の伝達クラッチ44が開放されてエンジン10の駆動が可能とされ、エンジン10から出力されるトルクを用いて、第1のモータジェネレータ20で定電圧発電が行われる。これにより、不要な電力消費をなくしつつ、低電圧バッテリ60の充電制御を継続することができる。
(3−1−2.発進時の状態)
図6は、フェールセーフモード中の車両の発進時におけるハイブリッド車両システムの状態を示している。車両の発進時において、エンジン10は駆動される。エンジン10は、例えば第2のモータジェネレータ24を駆動させるための要求電力に応じた出力で駆動される。第1の伝達クラッチ44が開放されていることから、エンジン10からの出力トルクは、CVT31には伝達されない。エンジン10からの出力トルクは、第1のモータジェネレータ20による定電圧発電に用いられる。第1のモータジェネレータ20で発電された電力の一部は、インバータ70により交流電力から直流電力に変換され、低電圧バッテリ充電回路72及びDC/DCコンバータ55を介して低電圧バッテリ60に充電される。また、第1のモータジェネレータ20で発電された電力の一部は、インバータ70を介して第2のモータジェネレータ24に供給される。
第1のモータジェネレータ20は、低電圧バッテリ60に充電される電力を発電しつつ、第2のモータジェネレータ24に供給される電力を発電するように、インバータ70を介して制御される。車両の停車時には、第1のモータジェネレータ20は定電圧制御されていることから、車両の発進時において第1のモータジェネレータ20で発電される電力を速やかに第2のモータジェネレータ24に供給することができ、発進時の応答性が高められている。なお、フェールセーフモードにおいては、車両への要求駆動力は、平常時に比べて小さく設定される。
このように、車両の発進時においては、第1の伝達クラッチ44が開放されてエンジン10の駆動が可能とされ、エンジン10から出力されるトルクを用いて、第1のモータジェネレータ20で定電圧発電が行われる。これにより、低電圧バッテリ60の充電制御を継続しつつ、第2のモータジェネレータ24を駆動させる電力を供給することができる。
(3−1−3.加速時の状態)
図7は、フェールセーフモード中の車両の加速時におけるハイブリッド車両システムの状態を示している。車両の加速時において、エンジン10は駆動される。第1の伝達クラッチ44が締結されていることから、エンジン10から出力されるトルクは、第1のモータジェネレータ20の定電圧発電に用いられるだけでなく、CVT31に伝達される。エンジン10は、第1のモータジェネレータ20の定電圧発電に用いられるトルクと、CVT31を介して駆動輪80に伝達される駆動力との合計以上のトルクが出力されるように駆動される。第1のモータジェネレータ20は、低電圧バッテリ60に充電される電力が発電されるようにインバータ70を介して制御される。発電された電力は、インバータ70により交流電力から直流電力に変換され、低電圧バッテリ充電回路72及びDC/DCコンバータ55を介して低電圧バッテリ60に充電される。
エンジン10から出力されてCVT31に伝達されたトルクは、所定の変速比で変換されて駆動輪80に伝達される。これにより、駆動輪80が回転して、車両が加速する。第2のモータジェネレータ24はゼロトルク状態とされているため、第2のモータジェネレータ24で電力が消費されることはない。なお、フェールセーフモードにおいては、車両への要求駆動力の上限が、平常時に比べて小さく抑えられる。
このように、車両の加速時においては、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が締結されてエンジン10を駆動させ、エンジン10から出力されるトルクを用いて、車両を駆動させつつ、第1のモータジェネレータ20で定電圧発電が行われる。これにより、電力を消費せずに車両を加速させつつ、低電圧バッテリ60の充電制御を継続することができる。
(3−1−4.減速時の状態)
図8は、フェールセーフモード中の車両の減速時におけるハイブリッド車両システムの状態を示している。車両の減速時において、エンジン10は駆動される。第1の伝達クラッチ44が開放されていることから、エンジン10から出力されるトルクがCVT31に伝達されることはない。第2のモータジェネレータ24はインバータ70を介して回生駆動され、駆動輪80の運動エネルギを用いて回生電力を生成する。生成された回生電力の一部は、低電圧バッテリ60に充電される。また、回生電力の一部は、第1のモータジェネレータ20の駆動に用いられる。第1のモータジェネレータ20が駆動されると、エンジン10の回転数が上昇させられ、このときのトルクによって第1のモータジェネレータ20の出力が消費される。
このとき、第2のモータジェネレータ24は、ドライバの要求減速度に応じた回生ブレーキ力が生成されるように回生駆動される。生成される回生電力は、低電圧バッテリ60への充電電力、及び、第1のモータジェネレータ20の駆動電力として消費される。低電圧バッテリ60への充電電力は、上述のとおり、低電圧バッテリ充電回路72の電圧の低下を補う分の電力として求められる値であり、時々刻々と変化し得る。また、第1のモータジェネレータ20で消費され得る電力は、第1のモータジェネレータ20の回転数によって変化し得る。
図9は、第1のモータジェネレータ20により生成され得る出力の上限(M/G1出力上限)について示す説明図である。図9中、横軸は第1のモータジェネレータ20の回転数(rpm)を示し、縦軸は第1のモータジェネレータ20のトルク上限(Nm)と、出力上限(kW)とを示している。第1のモータジェネレータ20の回転数が所定の閾値X以下の領域では、トルク上限は一定であり、出力上限は回転数に比例する。また、第1のモータジェネレータ20の回転数が閾値Xを超える領域では、出力上限が一定となり、トルク上限は回転数と反比例の関係にある。したがって、第1のモータジェネレータ20の回転数が閾値Xを超える状態、すなわち、モータ軸21を回転させるエンジン10の回転数が大きいほど、第1のモータジェネレータ20により消費させる電力を大きくすることができる。
このため、車両の減速時には、第1のモータジェネレータ20の回転数が閾値Xを超えるようにエンジン10を駆動させ、第1のモータジェネレータ20の回転数に応じた出力上限に相当する電力と、低電圧バッテリ60への充電電力との和に相当する回生電力が生成されるように、第2のモータジェネレータ24が制御される。これにより、DC/DCコンバータ55で消費される電力が変動する場合であっても、平常時と同様に、第2のモータジェネレータ24による回生ブレーキ力を生成させることができ、ドライバに違和感を与えることがない。エンジン10は、停止状態とならない限り、必ずしもトルクを発生させる状態でなくてもよく、モータ軸21の回転数が大きい場合であれば、燃料カット状態となっていてもよい。エンジン10が燃料カット状態であれば、燃費の低下を抑制することができる。
図10は、フェールセーフモード中の車両の減速時に、図8に示した例によってハイブリッド車両システムを駆動した場合の例を概略的に示している。ハイブリッド車両の走行中、時刻t0でアクセルペダルが戻されると、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46が開放される一方、エンジンクラッチ42が締結され、第2のモータジェネレータ24が回生駆動される。このとき、第1のモータジェネレータ20の回転数、つまり、エンジン10の回転数は比較的小さいものの、第2のモータジェネレータ24により発生させる回生電力を最大にするために、第1のモータジェネレータ20は上限の出力で駆動される(図9を参照)。第1のモータジェネレータ20の出力トルクは、エンジン10を連れ回しさせる抵抗により消費される。
その結果、第1のモータジェネレータ20及びエンジン10の回転数は徐々に増大し、時刻t1から、車両が減速し始める。その後、第1のモータジェネレータ20の回転数が上限に達した後も回生ブレーキ力により車両は減速し続け、第1のモータジェネレータ20の回転数が閾値Xになる時刻t2までの期間は、第2のモータジェネレータ24の回生出力の上限で回生駆動させることができる。この間、低電圧バッテリ60への充電電力が変動しても、第2のモータジェネレータ24の回生出力は大きく変動することがなく、車両の減速度は安定している。そして、第1のモータジェネレータ20の回転数が閾値X未満となると、第1のモータジェネレータ20の回転数に応じて第1のモータジェネレータ20の出力が減少する分、第2のモータジェネレータ24の回生上限出力も減少する。
このように、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置では、フェールセーフモード中の車両の減速時に、低電圧バッテリ60の充電制御を実行しつつ、平常時と同等の回生ブレーキ力を発生させて車両を減速させることができる。なお、図10では、低電圧バッテリ60の充電電力が一定として示されているが、実際には変動し得る。
(3−2.フローチャート)
図11は、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置により実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートは、ハイブリッドECU100により実行される処理のルーチンであり、かかるフローチャートにしたがって、ハイブリッドECU100は、エンジンECU200、トランスミッションECU300、モータECU400、及び、バッテリECU500に対して制御指令を出力する。そのうえで、エンジンECU200、トランスミッションECU300、モータECU400、及び、バッテリECU500は、制御指令に基づいて、それぞれの制御対象を駆動させる。かかるフローチャートで示される制御処理は、ハイブリッド車両システムの電源がオンにされた後に常時実行され得る。
まず、ステップS10において、ハイブリッドECU100の異常検出部110は、高電圧バッテリ50に異常があるか否かを判別する。例えば、異常検出部110は、高電圧バッテリ50のセル電圧及び出力電圧を監視し、セル電圧又は出力電圧に大きな変動が生じた場合に、高電圧バッテリ50の異常を検出することができる。ただし、高電圧バッテリ50の異常の検出方法は、かかる例に限定されない。
高電圧バッテリ50が正常な場合(S10:No)、ステップS40において、ハイブリッドECU100は、ハイブリッド車両システムを通常モードで駆動させる。例えば、ハイブリッドECU100は、車両の要求トルクや高電圧バッテリ50の残存容量SOC_1、第1のモータジェネレータ20及び第2のモータジェネレータ24の温度等に基づいて走行モードを切り替えながら、図2に示したように、ハイブリッド車両システムを駆動させてもよい。
一方、高電圧バッテリ50の異常が検出された場合(S10:Yes)、ステップS12において、ハイブリッドECU100の駆動制御部120は、エンジンクラッチ42を締結させ、かつ、エンジン10の停止を禁止させる。この時点までにエンジン10が停止していた場合には、エンジン10が始動させられる。次いで、ステップS14において、駆動制御部120は、車両が減速中か否かを判別する。車両が減速中である場合(S14:Yes)、ステップS16において、駆動制御部120は、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をともに開放させる。
次いで、ステップS18において、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24の回生上限出力を算出する。例えば、駆動制御部120は、エンジン10の回転数に応じて第1のモータジェネレータ20の出力上限を求めるとともに、低電圧バッテリ60の充電電力を求め、これらの和を第2のモータジェネレータ24の回生上限出力とする。次いで、ステップS20において、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24を、ドライバの要求減速度に応じて回生駆動させる。このとき、第2のモータジェネレータ24は、回生上限出力以下となるように回生駆動される。次いで、ステップS22において、バッテリECU500は、第2のモータジェネレータ24で生成された回生電力の一部を、低電圧バッテリ60に充電させる。例えば、バッテリECU500は、低電圧バッテリ充電回路72の電圧の低下分を補う分の電力を低電圧バッテリ60に充電させる。さらに、ステップS42において、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24で生成された回生電力の余剰分を用いて第1のモータジェネレータ20を駆動させ、エンジン10を連れ回しさせる。このとき、ハイブリッド車両システムは、図8に示した状態になる。
一方、上述のステップS14において、車両が減速中でない場合(S14:No)、つまり、車両が加速中である場合、ステップS24において、駆動制御部120は、第1のモータジェネレータ20を定電圧発電させる。次いで、ステップS26において、駆動制御部120は、車速が大きいか否かを判別する。車速が大きいか否かは、例えば、車両が発進中であるか否かが判別できればよく、駆動制御部120は、車速が10km/h以上であるか否かを判別してもよい。車速が大きい場合(S26:Yes)、ステップS28において、駆動制御部120は、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をともに締結させる。次いで、ステップS40において、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24をゼロトルク状態にさせる。そして、ステップS44において、バッテリECU500は、第1のモータジェネレータ20で発電された電力を、低電圧バッテリ60に充電させる。このとき、ハイブリッド車両システムは、図7に示した状態になる。
一方、上述のステップS26において、車速が大きくない場合(S26:No)、ステップS32に進み、駆動制御部120は、第1の伝達クラッチ44及び第2の伝達クラッチ46をともに開放させる。次いで、ステップS34において、駆動制御部120は、車両が停車中か否かを判別する。例えば、駆動制御部120は、車速がゼロであるか否かを判別する。車両が停車中の場合(S34:Yes)、駆動制御部120は、第2のモータジェネレータ24をゼロトルク状態にさせる。そして、ステップS44において、バッテリECU500は、第1のモータジェネレータ20で発電された電力を、低電圧バッテリ60に充電させる。例えば、バッテリECU500は、低電圧バッテリ充電回路72の電圧の低下分を補う分の電力を低電圧バッテリ60に充電させる。このとき、ハイブリッド車両システムは、図5に示した状態になる。
一方、上述のステップS34において、車両が停車中でない場合(S34:No)、つまり、車両の発進時等の車速が小さい状態では、ステップS38において、駆動制御部120は、第1のモータジェネレータ20で発電された電力を用いて、第2のモータジェネレータ24を力行駆動させる。そして、ステップS44において、バッテリECU500は、第1のモータジェネレータ20で発電された電力を、低電圧バッテリ60に充電させる。例えば、バッテリECU500は、低電圧バッテリ充電回路72の電圧の低下分を補う分の電力を低電圧バッテリ60に充電させる。このとき、ハイブリッド車両システムは、図6に示した状態になる。
以上説明したように、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムは、高電圧バッテリ50の異常時に、車両の走行状態を適切に制御しつつ、低電圧バッテリ60の充電制御を継続させることができる。したがって、低電圧バッテリ60の電力が枯渇して、車両が走行不能になることを防ぐことができる。
また、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムは、エンジン10と第1のモータジェネレータ20との間にトルクコンバータを備えていない場合においても、車両の停車時又は極低速時にエンジン10の運転を継続させて、低電圧バッテリ60の充電制御を継続させることができる。そして、車両の発進時においては、第1のモータジェネレータ20で発電された電力により第2のモータジェネレータ24を駆動させて、車両を極低速で走行させることができる。
また、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムは、車両の高速走行時においては、エンジン10から出力されるトルクによって車両を走行させることができる。したがって、フェールセーフモード中において、車両の駆動のために電力が消費されることがない。
また、本実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムは、車両の減速時において、第2のモータジェネレータ24による回生電力を用いて第1のモータジェネレータ20を駆動させ、エンジン10を連れ回しさせる。したがって、第2のモータジェネレータ24を回生上限出力で回生駆動させることができ、低電圧バッテリ60への充電電力が変動する場合であっても、平常時と同等の回生ブレーキ力を発生させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、フェールセーフモード中の車両の減速時に、第2のモータジェネレータ24を回生駆動させて、低電圧バッテリ60に充電させつつ、第1のモータジェネレータ20によりエンジン10を連れ回すことによって、回生ブレーキ力を発生させているが、本発明はかかる例に限定されない。図12は、フェールセーフモード中の車両の減速時におけるハイブリッド車両システムの状態の別の例を示している。図12に示した例では、車両の減速時に、エンジンクラッチ42、第1の伝達クラッチ44、及び、第2の伝達クラッチ46をすべて締結し、第2のモータジェネレータ24をゼロトルク状態にするとともに、第1のモータジェネレータ20に定電圧発電をさせる。そして、エンジン10を燃料カット状態にして、駆動輪80の回転トルクによってエンジン10を回転させ、抵抗によってエンジンブレーキを生じさせる。ハイブリッド車両システムをかかる状態とした場合であっても、第1のモータジェネレータ20による発電電力により低電圧バッテリ60を充電しつつ、車両を減速させることができる。
ただし、図12に示した例では、第1のモータジェネレータ20は、回生駆動ではなく、定電圧発電を行うため、発電トルクが発生し、正常時と比べて制動力の発生量が異なることが考えられる。また、低電圧バッテリ60への充電電力の変動によって発電トルクも変動することから、ドライバの操作とは関係なく、車両の減速度が変動することも考えられる。このため、第2のモータジェネレータ24を安定的に回生駆動させることができ、車両の減速度を安定させることができることから、車両の減速時においては、図8に示した例により駆動させることが好ましい。
また、上記実施形態では、第2のモータジェネレータ24が、エンジン10及び第1のモータジェネレータ20の動力伝達経路上に配置(シリアル配置)されていたが、本発明を適用可能なハイブリッド車両システムの構成は、かかる例に限定されない。図13は、第2のモータジェネレータ24が、エンジン10及び第1のモータジェネレータ20の動力伝達経路に対して並列に配置(パラレル配置)された駆動系1の構成例を示す。図13に示した駆動系1では、上記実施形態における第2の伝達クラッチ46に相当する伝達クラッチが省略されている。かかる駆動系1であっても、上記実施形態における第1の伝達クラッチ44の断接に対応するように第1の伝達クラッチ44を開放又は締結させることによって、上記実施形態にかかるハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両システムと同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態におけるフローチャートの各ステップは、必ずしもフローチャート図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、駆動制御処理における各ステップは、フローチャート図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
1 駆動系
10 エンジン
20 第1のモータジェネレータ
24 第2のモータジェネレータ
30 自動変速装置
31 CVT
42 エンジンクラッチ
44 第1の伝達クラッチ
46 第2の伝達クラッチ
50 高電圧バッテリ
55 DC/DCコンバータ
60 低電圧バッテリ
70 インバータ
72 低電圧バッテリ充電回路
80 駆動輪
100 ハイブリッド制御ユニット(ハイブリッドECU)
200 エンジン制御ユニット(エンジンECU)
300 トランスミッション制御ユニット(トランスミッションECU)
400 モータ制御ユニット(モータECU)
500 バッテリ制御ユニット(バッテリECU)

Claims (8)

  1. エンジンに直列的に連設された第1のモータジェネレータ、及び、伝達クラッチを介して前記第1のモータジェネレータに連設された第2のモータジェネレータの電力供給源である第1のバッテリの電力を降圧器により降圧させて第2のバッテリに対して充電電力を供給させる充電制御部と、
    前記第1のバッテリの異常を検出する異常検出部と、
    前記第1のバッテリの異常が検出された場合に、前記エンジンの停止を禁止し、前記エンジンからの出力トルクを用いて前記第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせ、前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる駆動制御部と、を備え
    前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の加速時には、前記伝達クラッチを締結させて前記エンジンからの出力トルクを駆動輪に伝達させつつ、前記エンジンからの余剰のトルクを用いて前記第1のモータジェネレータにより前記定電圧発電を行わせて前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる、ハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合に、前記ハイブリッド車両の停車時又は発進時には、前記伝達クラッチを開放させ、前記第1のモータジェネレータにより前記定電圧発電を行わせて前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の停車時には、前記第2のモータジェネレータをゼロトルク状態とする、請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の発進時には、前記第2のモータジェネレータを力行駆動させる、請求項2又は3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の加速時には、前記第2のモータジェネレータをゼロトルク状態とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合に、前記ハイブリッド車両の減速時には、前記伝達クラッチを開放させ、前記第2のモータジェネレータを回生駆動させて前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる、請求項1〜のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の減速時には、前記第2のモータジェネレータの回生電力を用いて前記第1のモータジェネレータを駆動させ、前記第1のモータジェネレータからの出力トルクにより前記エンジンの連れ回しを行わせる、請求項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  8. エンジンと、
    前記エンジンに直列的に連設された第1のモータジェネレータと、
    伝達クラッチを介して前記第1のモータジェネレータに連設された第2のモータジェネレータと、
    前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータの電力供給源である第1のバッテリと、
    定格電圧が前記第1のバッテリの定格電圧よりも低い第2のバッテリと、
    前記第1のバッテリの電力を降圧器により降圧させて前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる充電制御部と、
    前記第1のバッテリの異常を検出する異常検出部と、
    前記第1のバッテリの異常が検出された場合に、前記エンジンの停止を禁止し、前記エンジンからの出力トルクを用いて前記第1のモータジェネレータにより定電圧発電を行わせ、前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる駆動制御部と、を備え
    前記駆動制御部は、前記第1のバッテリの異常が検出された場合であって、前記ハイブリッド車両の加速時には、前記伝達クラッチを締結させて前記エンジンからの出力トルクを駆動輪に伝達させつつ、前記エンジンからの余剰のトルクを用いて前記第1のモータジェネレータにより前記定電圧発電を行わせて前記第2のバッテリに対して充電電力を供給させる、ハイブリッド車両システム。
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